JP3331730B2 - ストラット上部のマウント構造 - Google Patents

ストラット上部のマウント構造

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JP3331730B2
JP3331730B2 JP5744994A JP5744994A JP3331730B2 JP 3331730 B2 JP3331730 B2 JP 3331730B2 JP 5744994 A JP5744994 A JP 5744994A JP 5744994 A JP5744994 A JP 5744994A JP 3331730 B2 JP3331730 B2 JP 3331730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ストラット型サスペ
ンションにおける,ストラット上部を車体に弾性支持す
るマウント構造に係り、特に、インシュレータに特徴を
有する入力分離型を採用したストラット上部のマウント
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のストラット上部のマウント構造と
しては、実開平1−161101号公報等に記載された
ものがある。これは、図6に示すように、ストラットの
上部を構成するピストンロッド40上部の小径部に対し
てロッド側金具を構成する内側円筒金具41が同軸に外
嵌され、その小径部にナット42が取り付けられること
で、該ロッド上部の小径部40aに該内側円筒金具41
が同軸に固定されている。
【0003】また、その内側円筒金具41に略リング状
に成形されたインシュレータ43の内周側が加硫接着さ
れている。そのインシュレータ43の外周面は、車体側
金具を構成する外側円筒金具44の内周面に加硫接着さ
れている。さらに、外側円筒金具44は車体側に固定さ
れて上部マウント部が構成されている。また、上記外側
円筒金具44と一体的に上側金具45及び下側金具46
が設けられている。上側金具45は、外側円筒金具44
の上部から内向きフランジ状にロッド方向(内方向)に
水平に張り出するリング状の張出し部45aを有し、そ
の張出し部45aは、上記インシュレータ43上面と所
定間隔をあけて上下に対向配置されている。
【0004】同様に、下側金具46は、外側円筒金具4
4の下部から内向きフランジ状にロッド方向(内方向)
に水平に張り出し、かつ、上記インシュレータ43下面
と所定間隔をあけて上下に対向配置されている。また、
インシュレータ43と一体になって、該インシュレータ
43の上面から上方に上部ストッパゴム部47が突設さ
れ、その上部ストッパゴム部47の先端部が上記上側金
具45の下面に接触している。
【0005】また、インシュレータ43と一体になっ
て、該インシュレータ43の下面から下方に下部ストッ
パゴム部48が突設され、その下部ストッパゴム部48
の先端部が下記下側金具46の上面に接触している。そ
して、上部ストッパゴム部47,下部ストッパゴム部4
8,上側金具45,及び下側金具46から、ストッパが
構成されている。
【0006】なお、図6中、50はバンプストッパ、5
1はコイルスプリング上部をマウントするアッパスプリ
ングシート、52はスラストボールベアリングである。
上記ストラット上部のマウント構造では、車輪の上下動
に伴って発生するコイルスプリングからの荷重は、直
接、アッパスプリングシート31及び下側金具46を介
して車体側に伝達し該車体側で受ける。
【0007】一方、車輪の上下動に伴うショックアブソ
ーバからの荷重は、インシュレータ43の剪断撓み、及
び上部ストッパゴム部47と上側金具45との当接によ
る上部ストッパゴムの圧縮撓み又は下部ストッパゴム部
48と下側金具46との当接による下部ストッパゴム部
48の圧縮撓みで吸収されて車体への入力を低減すると
共に、上記圧縮されて剛性が高くなっている側ストッパ
ゴム部47,48と上下の金具45,46との当接によ
って、ピストンロッド40の上下変位量が所定範囲に規
制される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】車輪のバウンド・リバ
ウンドに伴ってショックアブソーバに上下方向の荷重が
負荷されると、ピストンロッド40上部は、上記のよう
に弾性支持されつつ上下方向に移動する。しかしなが
ら、上記のような従来のストラット上部のマウント構造
にあっては、車輪がバウンド・リバウンドしていない中
立状態(ピストンロッド40からの入力がゼロの状態)
では、各ストッパゴム部47,48の先端部は、上下の
金具45,46にそれぞれ接触しているが、車輪の上下
ストロークが大きくピストンロッド40上部の上下変位
が大きくなる度に、一方のストッパゴム部47,48が
対向する上側金具45または下側金具46から離れてし
まう。
【0009】このため、ストッパゴム部47,48の先
端部と上下の金具45,46とが、衝突と離隔を繰り返
して打音を発生する。なお、上記打音発生を抑えるため
に、インシュレータ43の剛性を高くしたり、ストッパ
ゴム部の高さを延ばすことが考えられるが、インシュレ
ータ43の上下バネ定数が高くなり、インシュレータ4
3本来の音振性能や乗り心地性能を悪化してしまう。ま
た、音振性能や乗り心地性能からみた場合、インシュレ
ータ43の上下バネは低いほど有利であるが、逆に上記
ピストンロッド40の上下変位が大きくなり、ストッパ
ゴム部47,38の先端部と上下の金具とが離れやすく
なる。即ち、打音が発生し易くなる。
【0010】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、インシュレータ本来の機能を劣化させ
ることなく、簡単な手段によって上記打音発生を抑える
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載されたストラット上部
のマウント構造は、ストラットのピストンロッド上部に
固定されたロッド側金具と車体側に固定されてそのロッ
ド側金具の外周に配設された車体側金具とがインシュレ
ータを介して連結され、さらに、上記インシュレータは
上下方向にそれぞれ突出してなる上部ストッパゴム部及
び下部ストッパゴム部を備え、また、車体側に固定され
ると共に上記各ストッパゴム部の先端部にそれぞれ上下
方向から対向して当接可能な上側金具及び下側金具を備
えたストラット上部のマウント構造において、上部スト
ッパゴム部の先端部に連続して該先端部から上側金具に
向けて上方に延びる上部突出部と、下部ストッパゴム部
の先端部に連続して該先端部から下側金具に向けて下方
に延びる下部突出部とを備え、上記各突出部は、それぞ
れ車体上下方向への剛性が低い弾性部材からなり、初期
状態では対向する上側金具又は下側金具によってインシ
ュレータ本体側に向けて上下方向に押圧され所定量だけ
撓んだ状態若しくは圧縮された状態に設定されているこ
とを特徴としている。
【0012】このとき、請求項2に記載されているよう
に、上記上部突出部または下部突出部の少なくとも一方
は、対向する上側金具側又は下側金具側に向けて拡径し
つつ延びる撓み剛性の低い弾性体からなり、初期状態で
は、それぞれ対向する上側金具又は下側金具に押圧され
ることでインシュレータ側に所定量だけ撓んでいること
を特徴とする。
【0013】または、請求項3に記載されているよう
に、上記上部突出部または下部突出部の少なくとも一方
は、対向する上側金具側又は下側金具側に向けて縮径し
つつ延びる撓み剛性の低い弾性体からなり、初期状態で
は、それぞれ対向する上側金具又は下側金具に押圧され
ることでインシュレータ側に所定量だけ撓んでいること
を特徴とする。
【0014】または、請求項4に記載されているよう
に、上記上部突出部または下部突出部の少なくとも一方
は、対向する上側金具側又は下側金具側に向けて延びる
と共に中空部を備えることで上下方向の剛性が低く設定
された弾性体からなり、初期状態では、それぞれ対向す
る上側金具又は下側金具に押圧されることで上下方向に
所定量だけ圧縮されていることを特徴とする。
【0015】また、請求項5に記載されているように、
上記各ストッパゴム部の高さを低くして、初期状態では
対向する上側金具側又は下側金具側と接触しない高さと
したことを特徴とする。
【0016】
【作用】ショックアブソーバのピストンロッドを介した
上下方向に向かう荷重は、従来と同様に、インシュレー
タ本体の剪断撓みで受けると共に、上部ストッパゴム部
と上側金具又は下部ストッパゴム部と下側金具の当接に
よる上部ストッパゴム部又は下部ストッパゴム部の圧縮
撓みで吸収されて車体への入力が低減する。
【0017】さらに、ピストンロッドは軸方向に向けて
上下に移動しようとするが、上記圧縮されることでスト
ッパゴム部の剛性が高くなって、ピストンロッドの上下
変位を所定範囲に規制される。また、車両が標準姿勢で
バウンド・リバウンドをしてない中立状態、即ち、ピス
トンロッドからインシュレータへの入力がゼロの初期状
態では、上部ストッパゴム部本体の先端部は上部突出部
を介して上側金具の下面に当接している。この状態で
は、上記上部突出部は、上側金具から相対的に下方に押
圧されて下方に撓んだ状態または圧縮状態となってい
る。
【0018】同様に、ピストンロッドからインシュレー
タへの入力がゼロの初期状態では、下部ストッパゴム部
本体の先端部は下部突出部を介して下側金具の上面に当
接している。この状態では、上記下部突出部は、下側金
具から相対的に上方に押圧されて上方に撓んだ状態また
は圧縮状態となっている。このとき、上部突出部及び下
部突出部は、撓んだ状態または圧縮状態となっている
が、上下剛性が低く設定されることで、ピストンロッド
上部の上下動を殆ど規制することはない。
【0019】そして、例えば、ピストンロッドが上方に
所定量だけ変位すると、上部突出部は、さらに撓む若し
くは圧縮して、上部ストッパゴム部は上側金具から所定
の荷重を受けるため、該上部ストッパゴム本体に所定の
圧縮撓みが発生してピストンロッドの上方へに移動を規
制する。一方、上記ピストンロッドの上方への移動に伴
って、下部ストッパゴム部は下側金具上面からさらに離
れるが、該下部ストッパゴム部に連続する突出部は、相
対的に下部部材が下方に移動することにより該下部部材
からの押圧力が低減されてその分だけ下方に復元するの
で、該突出部は下側金具の上面に接触した状態が維持さ
れる。即ち、下部ストッパ部は突出部を介して下側金具
と接触した状態が維持される。
【0020】この状態から、ピストンロッドが下方に移
動すると、下部ストッパゴム部側の突出部は、下側金具
の接近によって再び上方に撓む又は圧縮され、続けて、
所定以上ピストンロッドが下方に移動すると、下部突出
体は、さらに撓む、又は圧縮して、下部ストッパゴム部
は下側金具から所定の荷重を受けるため、該下部ストッ
パゴム本体に所定の圧縮撓みが発生してピストンロッド
の下方へに移動が規制される。
【0021】一方、ピストンロッドの下方への移動に伴
って、上部ストッパゴム部は上側金具下面から離れる
が、該上部ストッパゴム部に連続する突出部は、相対的
に上部部材が上方に移動することにより該上部部材から
の押圧力が低減されてその分だけ上方に復元するので、
該突出部は上側金具の上面に接触した状態が維持され
る。即ち、上部ストッパ部は突出部を介して上側金具と
接触した状態が維持される。
【0022】このとき、各突出部は撓み剛性は低く設定
してあるので上下方向に撓み易く、上下の部材との上下
方向の相対的な変位によってもそれに追従して撓むだけ
であるため、上記ピストンロッドの上下変位をほとんど
規制する作用をもたない。このため、ピストンロッドか
らの荷重は、従来と同様に、インシュレータ本体及び上
下のストッパゴム部で受けることとなる。
【0023】また、突出部を介して下側金具と下部スト
ッパゴム部は常に接触した状態が維持されて、該突出部
が該下側金具と下部ストッパゴム部の間をシールする。
このため、該下側金具と下部ストッパゴム部の間からピ
ストンロッド側への水の侵入が防止される。上記突出部
としては、例えば、請求項2に記載されているように、
拡径しつつ対向する上側金具側又は下側金具側に向けて
延びる撓み剛性の低い弾性体から構成する。
【0024】この場合、突出部は、リップ状に対向する
上側金具側又は下側金具側に向けて斜めに延びることと
なるので、突出部の一方に面が対向する上側金具又は下
側金具に当接され、該対向する上側金具又は下側金具に
よってインシュレータ側に撓んだ状態に初期設定され
る。この状態から、対向する上側金具又は下側金具が離
れ方向に移動すると、それに追従して撓んでした突出部
は対向する上側金具又は下側金具側に復元することで該
対向する上側金具又は下側金具との接触が常に維持され
る。
【0025】また、上記突出部としては、例えば、請求
項3に記載されているように、縮径しつつ対向する上側
金具側又は下側金具側に向けて延びる撓み剛性の低い弾
性体から構成する。この場合、突出部は、リップ状に対
向する上側金具側又は下側金具側に向けて斜めに延びる
こととなるので、突出部の一方に面が対向する上側金具
又は下側金具に当接され、該対向する上側金具又は下側
金具によってインシュレータ側に撓んだ状態に初期設定
される。
【0026】この状態から、対向する上側金具又は下側
金具が離れ方向に移動すると、それに追従して撓んでし
た突出部は対向する上側金具又は下側金具側に復元する
ことで該対向する上側金具又は下側金具との接触が常に
維持される。また、上記突出部としては、例えば、請求
項4に記載されているように、対向する上側金具側又は
下側金具側に向けて延びると共に中空部を備えることで
上下方向の剛性が低く設定された弾性体から構成する。
【0027】この場合、突出部は、初期状態では、それ
ぞれ対向する上側金具又は下側金具に押圧されることで
中空部が横方向に拡がるように潰れて所定量だけ圧縮さ
れている。この状態から、対向する上側金具又は下側金
具が離れ方向に移動すると、それに追従して潰れていた
中空部は所定量だけ復元して、圧縮していた突出部は対
向する上側金具又は下側金具側に向けて伸び該対向する
上側金具又は下側金具との接触が常に維持される。
【0028】また、突出部を設けることで、各ストッパ
ゴム部の先端部を対向する上側金具又は下側金具に接触
するだけの高さを持たせる必要がなくなり、該ストッパ
ゴムの高さを従来よりも低く、適当な高さに設定可能と
なり、インシュレータ及びストッパゴム部本来の機能を
落とすことなく、従来よりも、上下バネ定数の設定の自
由度が大きくなると共に、ピストンロッド上部の上下動
の規制量の自由度も向上する。
【0029】
【実施例】上記実施例を図面に基づいて説明する。まず
構成を説明すると、図2に示すように、車輪1がナック
ル等からなる車輪支持部材2に回転自在に支持されてい
る。その車輪支持部材2の下部に、ボールジョイントを
介してサスペンションアーム3の一端部が揺動可能に連
結し、該サスペンションアームは車幅方向内方に延びて
いる。そのサスペンションアームの内端部は、ゴムブッ
シュを介してサスペンションメンバ等の車体側部材へ上
下方向に揺動可能に連結している。
【0030】また、上記車輪支持部材2の上部と車体側
部材との間に、上下方向に延びるストラット4が固定さ
れている。該ストラット4は、シリンダチューブ5及び
ピストンロッド6を備えたショックアブソーバとコイル
スプリング7とを有している。シリンダチューブ5は、
その下端部が車輪支持部材2の上部に剛結されて略上方
に延びている。そのシリンダチューブ5の上端面から上
下ストローク可能にピストンロッド6が突出している。
そのピストンロッド6の外周にバンプラバー8及びダス
トカバー9が配設され、その外周にコイルスプリング7
が配置されている。
【0031】上記ピストンロッド6の上端部は小径とな
っていて、図1に示すように、その小径部に対してロッ
ド側金具を構成する内側円筒金具10が同軸に外嵌さ
れ、その小径部にナット11が取り付けられることで、
該ロッド6上部の小径部6aに該内側円筒金具10が固
定されている。また、その内側円筒金具10には、円筒
状のゴム部材からなるインシュレータ12が上記ピスト
ンロッド6と同軸に加硫接着されている。そのインシュ
レータ12の外周面は、車体側金具を構成する外側円筒
金具13に加硫接着されている。その外側円筒金具13
の外周面側は、キャップ状をした上側金具14の内周面
へ同軸に固定されている。
【0032】上側金具14は、そのロッド上部6a及び
インシュレータ12の上方及び側方を覆うように該ロッ
ド軸と同軸に配置されているが、その天井部14aの中
央部が開口してロッド先端部が上方に突出可能となって
いる。その上側金具14のリング状の天井部14aは、
上記インシュレータ12の上面と上下方向に対向して配
置されている。
【0033】また、上側金具14の下部外周には外向き
フランジ14bが設けられていて、該外向きフランジ1
4bが車体側15に図示しないボルトによってボルト止
めされている。その外向きフランジ14bの下面に、中
央部が開口した円板状の下側金具16における外周部が
同軸に固定されていて、その下側金具16の中央開口部
をピストンロッド6が遊挿していると共に、該下側金具
16の上面がインシュレータ12の下面と上下に対向し
て配置されている。
【0034】また、インシュレータ12と一体になっ
て、該インシュレータ12の上面から上記上側金具14
の天井部14aに向けて上部ストッパゴム部17が突設
されている。その上部ストップゴム部17の先端部全周
には、上部突出部を構成するリップ状のリップ部18が
連続している。リップ部18は、図3に示すように、無
負荷の状態では、拡径しながら上方に延びると共にその
厚さを薄く設定することで撓み剛性が低く設定されてい
るゴム材等からなる弾性体で構成されている。
【0035】そのリップ部18は、初期設定状態では、
上側金具14の天井部14aから下方に押され、図3の
状態から図1の状態へ、その押圧力によって拡径しつつ
下方に撓んだ状態に付勢されている。また、インシュレ
ータ12と一体になって、該インシュレータ12の下面
から上記下側金具16の上面に向けて下部ストッパゴム
部19が突設されている。
【0036】その下部ストップゴム部19の先端部全周
には、下部突出部を構成するリップ状のリップ部20が
連続している。そのリップ部20は、図3に示すよう
に、無負荷の状態では、拡径しながら下方に延びると共
にその厚さを薄く設定することで撓み剛性が低く設定さ
れているゴム材等からなる弾性体で構成されている。そ
のリップ部20は、初期設定状態では、下側金具16か
ら上方に押され、図3の状態から図1の状態へ、その押
圧力によって拡径しつつ上方に撓んだ状態に付勢されて
いる。
【0037】また、上記下側金具16の下面には、軸受
21を介して相対回動可能に且つ同軸にアッパシートブ
ラケット22が支持されている。そのアッパシートブラ
ケット22の外周部下面側にはコイルスプリング7の上
部が固定され、また、該コイルスプリング7の下部は、
シリンダチューブ5外周に固定されたロアシートブラケ
ット23に固定されている。
【0038】上記構成のストラット上部のマウント構造
では、例えば、車輪1がバウンドすると、コイルスプリ
ング7が圧縮され、そのことによるコイルスプリング7
からの荷重がアッパシートブラケット22,軸受21及
び下側金具16を介して車体側に伝達されて、コイルス
プリング力は直接,車体側で受ける。一方、車輪1のバ
ウンド時にはショックアブソーバも上方に突き上げられ
て、ピストンロッド6は軸方向上方に移動しようとす
る。
【0039】このとき、該ピストンロッド6からの入力
は、インシュレータ12本体の剪断撓みで受けると共
に、上部ストッパゴム部17と上側金具14の当接によ
る上部ストッパゴム部17の圧縮撓みで吸収されて車体
への入力が低減される。同時に、該ピストンロッド6の
上下変位は、上部ストッパゴム部17と上側金具14の
天井部14aとの当接によって所定範囲に規制される。
【0040】このとき、車両が標準姿勢でバウンド・リ
バウンドをしてない中立状態、即ち、ピストンロッド6
からインシュレータ12への入力がゼロの初期状態で
は、上部ストッパゴム部17の先端部は上部リップ部1
8を介して上側金具14の天井部14aの下面に当接し
ている。この状態では、上記上部リップ部18は、上側
金具14から相対的に下方に押圧されて下方に撓んだ状
態に付勢されたままとなっている。
【0041】同様に、ピストンロッド6からインシュレ
ータ12への入力がゼロの初期状態では、下部ストッパ
ゴム部19の先端部は下部リップ部20を介して下側金
具16の上面に当接している。この状態では、上記下部
リップ部20は、下側金具16から相対的に上方に押圧
されて上方に撓んだ状態に付勢されたままとなってい
る。
【0042】このとき、上部リップ部18及び下部リッ
プ部20は、インシュレータ12側に撓んだ状態に付勢
されて上下方向に所定の弾性力を発揮しているが、上下
剛性が低く設定されることで、ピストンロッド6上部の
上下動を殆ど規制することはない。そして、例えば、上
記のようにピストンロッド6が上方に所定量だけ変位す
ると、上部リップ部18は、さらに撓んで、上部ストッ
パゴム部17は上側金具14から所定の荷重を受けるた
め、該上部ストッパゴム部17にに所定の圧縮撓みが発
生して剛性が高くなりピストンロッド6の上方へに移動
を規制する。
【0043】一方、上記ピストンロッド6の上方への移
動に伴って、下部ストッパゴム部19は下側金具16上
面からさらに離れる。しかし、該下部ストッパゴム部1
9に連続する下部リップ部20は、相対的に下側金具1
6が下方に移動することにより該下側金具16からの押
圧力が低減されてその分だけ下方に復元するので、該リ
ップ部20は下側金具16の上面に接触した状態が維持
される。即ち、下部ストッパゴム部19はリップ部20
を介して下側金具16と接触した状態が維持される。
【0044】この状態から、ピストンロッド6が下方に
移動すると、下部ストッパゴム部19側のリップ部20
は、下側金具16からの押圧によって再び上方に撓ん
で、続けて、所定以上ピストンロッド6が下方に移動す
ると、下部リップ部20は、さらに撓んで下部ストッパ
ゴム部19は下側金具16から所定の荷重を受けるた
め、該下部ストッパゴム部19に所定の圧縮撓みが発生
して剛性が高くなり、もってピストンロッド6の下方へ
に移動が規制される。
【0045】一方、ピストンロッド6の下方への移動に
伴って、上部ストッパゴム部17は上側金具14下面か
ら離れるが、該上部ストッパゴム部17に連続するリッ
プ部18は、相対的に上部部材が上方に移動することに
より該上側金具14の天井部14aからの押圧力が低減
されてその分だけ上方に復元するので、該リップ部18
は上側金具14の天井部14a上面に接触した状態が維
持される。即ち、上部ストッパゴム部17はリップ部1
8を介して上側金具14と接触した状態が維持される。
【0046】このとき、各リップ部18,20は撓み剛
性は低く設定してあるので上下方向に撓み易く、上下の
金具14,16との上下方向の相対的な変位によっても
それに追従して撓むだけであるため、上記ピストンロッ
ド6の上下変位をほとんど規制する作用をもたない。こ
のため、ピストンロッド6からの荷重は、従来と同様
に、インシュレータ12本体及び上下のストッパゴム部
17,19が受けることとなる。
【0047】このように、ピストンロッド6が上下に変
位しても上下の各ストッパゴム部17,19は、それぞ
れ各リップ部18,20を介して車体側の上側金具14
または下側金具16に接触した状態が維持されて、ロッ
ド6に大入力が発生しても、各ストッパゴム部17,1
9と上側金具14または下側金具16との衝突時の打音
発生が防止される。
【0048】また、下側金具16及び上側金具14の車
体側への取付け部は外部に開放されているので、該取付
け部からインシュレータ12側に水が侵入してくる恐れ
がある。しかし、本実施例では、ロッド入力が大きくて
も、下側金具16と下部ストッパゴム部19との間がリ
ップ部20で常にシールされた状態となっているので、
上記侵入した水がロッド側に侵入することが防止され
て、ピストンロッド防錆上有利となる。
【0049】このとき、ピストンロッド6における内側
円筒金具10とシリンダチューブ5間には、従来から、
バンプラバー8及びダストブーツ9が配設されること
で、砂や水などが該ピストンロッド6に付くことが防止
されている。また、リップ部18,20を介して各スト
ッパゴム部17,19は上側金具14または下側金具1
6と接触すればよいので、各ストッパゴム部17,19
は従来よりも突出量を小さく設定可能となる。従って、
該ストッパゴム部17,19の高さを低く設定すること
で、インシュレータ12の上下バネ定数を小さく設定可
能となる。
【0050】これによって、例えば、従来よりもピスト
ンロッド6の上下変位を大きく設定して音振性能や乗り
心地性能を向上させることも可能となる。なお、上記実
施例では、各ストッパゴム部先端部全周からリップ状に
突出部18,20を設けているが、ストッパゴム部1
7,19の先端部の全周に設けることなく間欠的に配設
してもよい。但し、この場合には、上記シール性能を有
しなくなる。
【0051】また、突出部の形状は、上記実施例の形状
に限定されることなく、例えば、図4に示す上部突出部
30のように、縮径しつつ上方に延びる弾性体から構成
してもよい。この場合には、上部突出部30は、初期状
態では、外面側が上側金具14の天井部14aによって
下方に押圧されて、さらに縮径しつつ下方に撓む状態に
付勢されている。また、該上側金具14の天井部14a
が相対的に上方に移動すると、それに追従して該上部突
出部30は上方に復元して該天井部14aとの接触を維
持する。
【0052】他の作用及び効果は上記実施例と同様であ
る。このとき、図4では、上部突出部として別の構成例
の突出部30を採用しているが、勿論,下部突出部にも
採用可能である。また、突出部の形状は、例えば、図5
に示すように、中央部分に周方向に沿って形成された中
空部31を備えた形状で構成してもよい。
【0053】この場合には、該突出部30は、初期状態
では、上側金具14の天井部14a又は下側金具16に
よって上下方向に押圧されて、中空部31が上下に潰さ
れることで、各突出部30がインシュレータ12側に圧
縮されている。また、上下の金具14,16が相対的に
離れると、それに追従して該上部突出部30は上方に復
元して対向する上下の金具14,16との接触を維持す
る。
【0054】他の作用及び効果は上記実施例と同様であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のスト
ラット上部のマウント構造では、ロッドが上下方向に大
変位が発生しても、ストッパゴム部は突出部を介して対
向する上側金具または下側金具に接触した状態が確保さ
れるので、悪路等を走行して車輪の上下ストークが大き
くなっても、従来ストラット上部で発生していた打音発
生を抑えることが可能となる。
【0056】このとき、突出部の上下方向の剛性を低く
設定することで、該突出部は、ピストンロッドの上下変
位に余り抵抗することなく、インシュレータのバネ定数
は従来通りの設定値を設定することができる。また、上
記突出部が、ピストンロッド上部をシールする役割を備
え、ピストンロッドの防錆状有利となる。
【0057】上記突出部としては、例えば、請求項2に
記載されているような、拡径しつつ対向する上側金具側
又は下側金具側に向けて延びる撓み剛性の低い弾性体で
構成すると、該突出部は、斜めに対向する上側金具側又
は下側金具側に向けて延びるように配置されるので、一
方の面で対向する上側金具側又は下側金具側に接触し
て、該対向面が付勢された状態で確実に接触が維持され
る。
【0058】同様に、突出部として、請求項3に記載さ
れているような、縮径しつつ対向する上側金具側又は下
側金具側に向けて延びる撓み剛性の低い弾性体を採用し
た場合も、該突出部は、斜めに対向する上側金具側又は
下側金具側に向けて延びるように配置されるので、一方
の面で対向する上側金具側又は下側金具側に接触して、
該対向面が付勢された状態で確実に接触が維持される。
【0059】また、突出部として、例えば、請求項4に
記載されているような、対向する上側金具側又は下側金
具側に向けて延びると共に中空部を備えることで上下方
向の剛性が低く設定された弾性体を採用した場合も、対
向する上側金具又は下側金具からの押圧に応じて中空部
が潰れることで、確実に接触が維持される。このよう
に、各ストッパゴム部は、突出部を介して確実に対向す
る上側金具又は下側金具可能であるので、請求項5に記
載されているように、その高さを従来よりも低く設定す
ることが可能となる。これによって、インシュレータの
上下方向のバネ定数の設定範囲が広がり、音振性能上,
乗り心地性能上有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例のストラット上部のマウン
ト構造を示す断面図である。
【図2】本発明に係る実施例のストラットを示す図であ
る。
【図3】本発明に係る実施例の突出部の無負荷状態を示
す図である。
【図4】本発明に係る実施例の突出部の別の構成例を採
用したストラット上部のマウント構造を示す断面図であ
る。
【図5】本発明に係る実施例の突出部の別の構成例を採
用したストラット上部のマウント構造を示す断面図であ
る。
【図6】従来のストラット上部のマウント構造を示す断
面図である。
【符号の説明】
6 ピストンロッド 10 内側円筒金具 12 インシュレータ 13 外側円筒金具 14 上側金具 14a 天井部 15 車体側 16 下側金具 17 上部ストッパゴム部 18 上部リップ部(上部突出部) 19 下部ストッパゴム部 20 下部リップ部(下部突出部) 20 上部突出部 30 突出部 31 中空部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストラットのピストンロッド上部に固定
    されたロッド側金具と車体側に固定されてそのロッド側
    金具の外周に配設された車体側金具とがインシュレータ
    を介して連結され、さらに、上記インシュレータは上下
    方向にそれぞれ突出してなる上部ストッパゴム部及び下
    部ストッパゴム部を備え、また、車体側に固定されると
    共に上記各ストッパゴム部の先端部にそれぞれ上下方向
    から対向して当接可能な上側金具及び下側金具を備えた
    ストラット上部のマウント構造において、 上部ストッパゴム部の先端部に連続して該先端部から上
    側金具に向けて上方に延びる上部突出部と、下部ストッ
    パゴム部の先端部に連続して該先端部から下側金具に向
    けて下方に延びる下部突出部とを備え、上記各突出部
    は、それぞれ車体上下方向への剛性が低い弾性部材から
    なり、初期状態では対向する上側金具又は下側金具によ
    ってインシュレータ本体側に向けて上下方向に押圧され
    所定量だけ撓んだ状態若しくは圧縮された状態に設定さ
    れていることを特徴とするストラット上部のマウント構
    造。
  2. 【請求項2】 上記上部突出部または下部突出部の少な
    くとも一方は、対向する上側金具側又は下側金具側に向
    けて拡径しつつ延びる撓み剛性の低い弾性体からなり、
    初期状態では、それぞれ対向する上側金具又は下側金具
    に押圧されることでインシュレータ側に所定量だけ撓ん
    でいることを特徴とする請求項1に記載されたストラッ
    ト上部のマウント構造。
  3. 【請求項3】 上記上部突出部または下部突出部の少な
    くとも一方は、対向する上側金具側又は下側金具側に向
    けて縮径しつつ延びる撓み剛性の低い弾性体からなり、
    初期状態では、それぞれ対向する上側金具又は下側金具
    に押圧されることでインシュレータ側に所定量だけ撓ん
    でいることを特徴とする請求項1に記載されたストラッ
    ト上部のマウント構造。
  4. 【請求項4】 上記上部突出部または下部突出部の少な
    くとも一方は、対向する上側金具側又は下側金具側に向
    けて延びると共に中空部を備えることで上下方向の剛性
    が低く設定された弾性体からなり、初期状態では、それ
    ぞれ対向する上側金具又は下側金具に押圧されることで
    上下方向に所定量だけ圧縮されていることを特徴とする
    請求項1に記載されたストラット上部のマウント構造。
  5. 【請求項5】 上記各ストッパゴム部本体の高さを低く
    して、該各ストッパゴム部本体の高さを、初期状態では
    対向する上側金具側又は下側金具側と接触しない高さと
    したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    に記載されたストラット上部のマウント構造。
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