JP3202840U - 交差金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】棒状材の交差部の角度を自由に調整することができ、作業者の負担にならずに押しつけることができる交差金具を提供する。【解決手段】押当部21との間に寸切りボルトからなる棒状材R、Sを挟んで固定する。挟着体1は、金属板から切り出され、屈曲して形成された対向する脚部13と、脚部13の間であって押付ネジ22が貫通する貫通孔が開口された押さえ部11を備えている。押さえ部11は、脚部13を有さない一対の辺から貫通孔に向けて山状に屈曲されて、辺の角が棒状材R、Sに係合する係合部に形成されている。【選択図】図4
Description
本考案は、棒状材を交差させて押しつける際に用いられる交差金具に関するものである。
天井面や天井裏に設備用器具等の電気器具を設置する場合、吊りボルト等により吊り下げて設置する。近年、地震等で生じる横揺れで設備用器具等が落下することを防ぐため、吊りボルトに対して寸切りボルトを棒状材として筋交い状に交差させて押しつけることが行われている。例えば、特許文献1によれば、一対の挟着体により、交差した棒状材の交差部分を外側から挟み、一対の挟着体を貫通する1本の連結ボルトにより固定する技術が開示されている。各挟着体には、棒状材の一方の長手側面に沿って当接保持するように屈曲された保持部と、他方の長手側面がわに張り出すように延長され連結ボルトを貫通せしめる貫通孔が開穿された重合部とが形成され、各挟着体の重合部を重ねて連結ボルトにて連結することで該連結ボルトを中心に交差部の角度を調整自在にすると共に、該交差部を挟着体で圧着固定する。また、棒状材の螺子山に係合するように保持部を設けている。
特許文献1の交差金具によると、僅か1本の連結ボルトにより堅牢に固定することができ、かつ、棒状材の交差する棒状材の角度を自由に設定することができる。しかしながら、特許文献1の交差金具は、挟着体の側面に多数の折り曲げ箇所を有し、かつ保持部を別途設けなければいけない。また、固定する作業手順としては、交差する棒状材の交差点を挟着体により挟み付け、棒状材の交差部が相互に圧着した状態を作業者の一方の手により維持した状態で、他方の手でレンチ等により連結ボルトを締め付けなくてはならない。棒状体が交差位置において撓みにより多少離れていたとしても、まずは作業員の手により寸切りボルト同士を互いに接触するように押さえつけ、かつその両側から押さえつける挟着体の位置が動かないようにした状態を維持した上で、レンチを操作する必要があり、作業者にとっては負担である。
そこで本考案は上述の課題を解消すべく創出されたもので、棒状材の交差部の角度を自由に調整することができ、製造しやすく、かつ作業者の負担にならずに固定することができる交差金具の提供を目的とする。
上述の目的を達成すべく本考案の交差金具によれば、寸切りボルトからなる棒状材を押当部に対して押しつける交差金具において、
前記棒状体を前記押当部との間に挟む金属板からなる挟着体であって、前記挟着体は、前記押当部の両端部から対向するように屈曲して形成された脚部と、前記押当部から起立した押付ネジが貫通する貫通孔が開口された押さえ部とを備え、
かつ前記挟着体の押さえ部は、前記脚部を有さない一対の辺から前記貫通孔に向けて山状に屈曲されて、前記脚部を有さない一対の辺の角が棒状材に係合する係合部に形成され、前記挟着体はナットを前記挟着体を貫通した前記押付ネジに螺合することにより、前記棒状材を押しつけることを特徴とする。
前記棒状体を前記押当部との間に挟む金属板からなる挟着体であって、前記挟着体は、前記押当部の両端部から対向するように屈曲して形成された脚部と、前記押当部から起立した押付ネジが貫通する貫通孔が開口された押さえ部とを備え、
かつ前記挟着体の押さえ部は、前記脚部を有さない一対の辺から前記貫通孔に向けて山状に屈曲されて、前記脚部を有さない一対の辺の角が棒状材に係合する係合部に形成され、前記挟着体はナットを前記挟着体を貫通した前記押付ネジに螺合することにより、前記棒状材を押しつけることを特徴とする。
本考案によれば、挟着体は、押付ネジを中心にして、どのような角度であっても押当部に押しつけることが出来るため、どのような角度で交差する棒状材に対しても対応が可能である。また、金属板を屈曲するのは対向する2箇所であり、脚部を有さない一対の辺から前記貫通孔に向けて山状に屈曲されている。このように谷を持つ山状に形成されたことにより構造的に強化され、かつ一対の辺の下側の角が下に向かって凸となった係合部により棒状材のネジ山に噛み合うことができるという効果がある。
天井面や天井裏に設備用器具等を吊り下げる場合、吊りボルトを天井構造物から垂下して、棒状材を吊りボルトに対して、筋交い状に交差させて固定する。尚、殆どの場合において、吊りボルトも棒状材も、寸切りボルトからなっている。また、寸切りボルトとは、別名長ねじや全ねじと呼ばれている頭部の無いねじである。
図1に本実施例による交差金具100を示す。交差金具100は、挟着体1、中間体2及びナット3とで構成されている。挟着体1は、矩形状の金属板から切り出して形成されており、押さえ部11の両端部pから対向するように折り曲げられた脚部13を有する側面視コ字状の部材である。中間体2は、平板状の押当部21の表面の中央から、押付ネジ22が垂直に溶接23により起立された金属部材である。
図1に本実施例による交差金具100を示す。交差金具100は、挟着体1、中間体2及びナット3とで構成されている。挟着体1は、矩形状の金属板から切り出して形成されており、押さえ部11の両端部pから対向するように折り曲げられた脚部13を有する側面視コ字状の部材である。中間体2は、平板状の押当部21の表面の中央から、押付ネジ22が垂直に溶接23により起立された金属部材である。
図1Aから図1Eは、挟着体1の正面、左側面、平面、底面、及びX−X断面を夫々示している。押さえ部11の中央には、押付ネジ22が貫通する貫通孔12が設けられている。この貫通孔12は、押付ネジ22の軸部が多少角度をもって貫通できる大きさを持つ孔であって、かつナット3が通り抜けることが出来ない大きさになっている。押さえ部11は、脚部13が設けられていない一対の辺qを裾野にして貫通孔12に向かって高さを増加する山状になるように形成されている。また、辺qの中央から貫通孔12に向かう途中の地点までには、谷rが設けられている。図1Eを参照すると、このように谷rを持つ山状に形成されたことにより構造的に強化され、かつ一対の辺qの下側の角が下に向かって凸となっており係合部14を形成している。係合部14は棒状材R又はS(図2参照)のネジ山に噛み合って係合する。貫通孔12と脚部13との間は、棒状材R又はSの直径よりも広い間隔w1だけ離れている。
脚部13は、棒状材の直径よりも短い高さhになっている。このため、挟着体1の脚部13と脚部13の間に棒状材R又はSを配すると、片側の脚部13が浮き上がり接地することが出来ない状態になる。また、押さえ部11は、脚部13を設けられた両端部pに対しても、これらを裾野として孔に向かって山状になるように形成されている。このため、押さえ部11は、全体として、貫通孔12に向かって盛り上がる形状になっている。押さえ部11において、貫通孔12の縁から脚部13との間の間隔は、棒状材R又はSの直径より若干大きくなっている。
図1Fと図1Gは中間体の正面と斜視した状態を示している。押当部21としては、円板を用いているが、四角形でもよい。押当部21の中央を開口し、寸切りボルトを押当部21から突出するように貫通した後溶着して、押当部21の両側に押付ネジ22を起立した状態に固定している。
図2は、天井面や天井裏などから吊り下げられた吊り下げ螺子に対して、筋交い状に交差させた棒状材R、Sに対して交差金具100を取り付けて、棒状材R、Sの交差状態を固定する様子を示している。挟着体1は、中間体2の両側に対して、その貫通孔12に押付ネジ22を夫々貫通させて、ナット3が螺着される。まず、中間体2の押当部21を交差する棒状材R、Sの間に挟み込む。次に、一方側の棒状材Rに対する固定を行う。一方側の押付ネジ22を挟着体1の貫通孔12を貫通させ、一方の脚部13と一方の押付ネジ22との間に棒状材Rを配置してナット3を締める。棒状材Rは、棒状材の長手側面が脚部13により包囲され、押さえ部11により押当部21の一方側の表面に挟み込まれて押しつけられる。その後、同様に他方側の棒状材Sに対する作業を行う。
図3は、挟着体1が棒状材R、S(図においては棒状材Rを示す)する原理を示す図である。ナット3は、破線で示してある。挟着体1の脚部13は、棒状材R、Sの直径よりも短い高さhになっているため、挟着体1と押当部21の夫々の表面により棒状材R又はSを挟んだときに、挟着体1の脚部13の一方が押当部21から浮いた状態になる。山形の形状がバネ力を発揮して棒状材R、Sを押さえつける(図3A)。一方、挟着体1の係合部14は、挟着体1がナット3で締め付けられたときに、棒状材R又はSのネジ山に対して噛み合って固定する。図3Aにおいては、脚部13が棒状材Rと離れてしまっているが、脚部13が棒状材Rの長さ方向側面に接触している状態で押しつけるのが望ましい。
図4は、挟着体1により、棒状材R、Sを押当部21に押しつけた状態を示す図である。挟着体1は、押付ネジ22を中心にして、どのような角度であっても棒状材R、Sを押当部21に押さえつけることが出来る。このため、どのような角度で交差する棒状材R、Sに対しても作業が可能になっている。また、交差する棒状材R、Sに対して、一つずつ押しつけることが出来るため、作業しやすい。
実施例においては、脚部13を有さない一対の辺の下側qが下に向かって凸となるように押さえ部11の形状を山状にして係合部14を形成しているが、押さえ部11の下側に突起を設けて係合部14を形成させても良い。また、寸切りボルトによる棒状材R、Sの交差を固定する例を示したが、寸切りボルトに代えて丸棒や角棒など、他の棒状材でも押しつけ可能である。
実施例においては、貫通孔12は円形であるが、四角形であっても良い。
100 交差金具
1 挟着体
2 中間体
3 ナット
11 押さえ部
12 貫通孔
13 脚部
14 係合部
21 押当部
22 押付ネジ
R、S 棒状材
1 挟着体
2 中間体
3 ナット
11 押さえ部
12 貫通孔
13 脚部
14 係合部
21 押当部
22 押付ネジ
R、S 棒状材
Claims (3)
- 寸切りボルトからなる棒状材を押当部に対して押しつける交差金具において、
前記棒状体を前記押当部との間に挟む金属板からなる挟着体であって、前記挟着体は、前記押当部の両端部から対向するように屈曲して形成された脚部と、前記押当部から起立した押付ネジが貫通する貫通孔が開口された押さえ部とを備え、
かつ前記挟着体の押さえ部は、前記脚部を有さない一対の辺から前記貫通孔に向けて山状に屈曲されて、前記脚部を有さない一対の辺の角が棒状材に係合する係合部に形成され、前記挟着体はナットを前記挟着体を貫通した前記押付ネジに螺合することにより、前記棒状材を押しつけることを特徴とする交差金具
- 請求項1の交差金具において、さらに
前記押当部の両側に起立するように押付ネジが固定された中間体を備えることを特徴とする交差金具。
- 請求項1の交差金具において、前記脚部を有さない一対の辺の中央から前記貫通孔に向かう途中の地点までには、谷が設けられていることを特徴とする交差金具
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015006309U JP3202840U (ja) | 2015-12-14 | 2015-12-14 | 交差金具 |
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JP2015006309U JP3202840U (ja) | 2015-12-14 | 2015-12-14 | 交差金具 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6484872B1 (ja) * | 2018-03-01 | 2019-03-20 | 株式会社昭和コーポレーション | 交差部支持金具 |
JP2019090513A (ja) * | 2017-11-16 | 2019-06-13 | 因幡電機産業株式会社 | ボルト連結具 |
JP2020020479A (ja) * | 2019-11-07 | 2020-02-06 | 因幡電機産業株式会社 | ボルト連結具 |
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2015
- 2015-12-14 JP JP2015006309U patent/JP3202840U/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6484872B1 (ja) * | 2018-03-01 | 2019-03-20 | 株式会社昭和コーポレーション | 交差部支持金具 |
JP2019152255A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 株式会社昭和コーポレーション | 交差部支持金具 |
JP2020020479A (ja) * | 2019-11-07 | 2020-02-06 | 因幡電機産業株式会社 | ボルト連結具 |
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