JP3133604U - 棒材接続具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 竹材のような外径寸法・断面形状にバラツキがあって釘類・ボルト類による接合に適していない棒材どうしを強固に交差状に接続することが可能な接続具を提供する。
【解決手段】 棒材接続具1は、金属製バンド21を有する2つのクランプ2A,2Bが、バンドどうし内面を向かい合わせにして交差するように組み合わせられるとともに、バンドの交差部において互いに固定状に連結されてなる。両クランプは、バンドをこれらの間に介在させた金属製連結プレート3にそれぞれ接合することにより連結されている。
【選択図】図1

Description

この考案は、棒材どうしを交差状に接続するための接続具に関し、とりわけ、竹材どうしの接続に好適に用いられる接続具に関する。
なお、この考案を特定するにあたり、「棒材」には、中実であるか中空であるかを問わず、おおよそ丸棒状の外観を有する全ての材が含まれるものとする。
近年、伐採された竹の再利用の一環として、竹材を用いてテーブル等の家具を製作する試みがなされている。
ここで、例えばテーブルの天板を支える土台(骨組み)として竹材を利用する場合、脚を構成する竹材と横桟を構成する竹材とを直交状に接続する必要があるが(図3参照)、これらの接続手段としてなかなか適切なものが見当たらず、製作が難航していた。
即ち、竹材どうしの接続手段として釘類やボルト類を使用すると、竹材に割れが生じ易く、土台として使用に耐えうるものが得られなかった。
また、竹材の場合、外径寸法や断面形状が区々であるため、例えば金属管のような工業的に製造された定形の棒材どうしを交差状に接続するのに用いられる2連クリップ等の接続具(例えば下記特許文献1参照)を使用することもできなかった。
一方、竹材のような外径寸法や断面形状にバラツキのある棒材の交差状接続に適用可能な接続具として、バンドを有する2つのクランプが、バンドの外面どうしが接するように交差状に組み合わせられるとともに、バンドの交差部において互いに回転自在に連結されてなるものが提案されている(例えば下記の特許文献2参照)。
上記の接続具の場合、接続すべき棒材の外径寸法等にバラツキがあったとしても、各クランプのバンドの締付径を調整することによって棒材どうしを交差状に連結することができるが、両クランプがバンドの交差部を中心として相互に回転自在となされているため、クランプ間の連結強度が不十分であり、テーブルの土台のような様々な方向からの外力に対する揺れや捻れ等の動きを抑制する必要がある部位には使用することができなかった。
実開平4−56204号公報 実開昭55−29798号公報
この考案の目的は、例えば竹材のような外径寸法・断面形状にバラツキがあって釘類・ボルト類による接合に適していない棒材どうしを強固に交差状に接続することが可能な接続具を提供することにある。
即ち、この考案は、棒材どうしを交差状に接続するための接続具であって、金属製バンドを有する2つのクランプが、バンドどうしが内面を向かい合わせにして交差するように組み合わせられるとともに、バンドの交差部において互いに固定状に連結されてなるものである。
この考案の棒材接続具によれば、接続すべき2つの棒材を各クランプによって締め付けるだけで、両棒材を所定角度に交差した状態に簡単に接続することが可能である。また、上記の棒材接続具の場合、竹材のような外径寸法・断面形状にバラツキがある棒材であっても、各クランプのバンドの締付径を適宜調整することで確実に接続することができる。しかも、この棒材接続具にあっては、2つのクランプをこれらのバンドが内面を向かい合わせにして交差するように組み合わせているので、互いに離れる方向に外力が作用した場合であってもクランプのバンドどうしが引っ掛かって分離しない上、両クランプをバンドの交差部において互いに固定状に連結しているので、上記以外の様々な方向からの外力が作用した場合にも、揺れ、捻れ等の動きが生じ難く、棒材どうしが交差状に接続された状態を強固に維持することができる。
この考案による棒材接続具を構成する2つのクランプには、ホースバンド等として一般に広く用いられているものをそのまま利用することができるので、材料コストを抑えることができる。クランプは、通常、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼等の金属製バンドと、バンドを締め付ける手段を備えている。締付手段としては、ウォーム式やターンバックル式等をはじめとする種々のタイプがあるが、いずれのタイプのものでも使用可能である。2つのクランプは、全く同一のものであってもよいが、接続すべき棒材に応じてバンドの長さや幅等が異なるものを組み合わせてもよい。
2つのクランプのバンドどうしの交差角度は、棒材どうしの接続角度に合うように任意に設定すればよいが、通常は90°に設定される。
2つのクランプどうしを連結する手段は、これらのバンドの交差部において固定状に連結できるものであれば特に限定されないが、好適には、例えば次のようなものが用いられる。
即ち、この考案による棒材接続具において、2つのクランプが、バンドをこれらの間に介在させた金属製連結プレートにそれぞれ接合することによって、固定状に連結されているのが好ましい。
連結手段として上記のような連結プレートを用いれば、バンドどうしを直接連結する場合と比べてより高い連結強度が得られる上、連結作業も容易であって、製造コストを抑えることができ、大量生産にも適している。
連結プレートの材料としては、バンドと同様に、ステンレス鋼板や亜鉛メッキ鋼板等を用いることができる。
上記の場合において、各クランプのバンドと連結プレートとが、バンドの長さ方向に距離をおいた2以上の箇所で互いに接合されているのが好ましい。
このようにバンドと連結プレートとの接合箇所をバンドの長さ方向に距離をおいて複数設けることにより、両者の連結強度が増大し、ひいては、棒材どうしの接続状態を強固に維持することが可能となる。
連結プレートの形状は、特に限定されないが、例えば、四角形や円形とすることができる。
この考案の好ましい態様の1つとして、連結プレートが、四角形であって、その一方の対角部が一方のクランプのバンドに接合され、その他方の対角部が他方のクランプのバンドに接合されている場合がある。
上記の態様の場合、四角形をした連結プレートの4つの辺が、それぞれ2つのクランプのバンドどうしの間に筋交状に配置されるため、より高い強度が得られるという利点がある。
バンドと連結プレートとの接合は、通常、溶接、カシメおよびネジ接合のうち少なくともいずれか1つの接合手段によって行われるが、接合強度や作業性等を考慮した場合、溶接(特にスポット溶接)が好ましい。
連結プレートは、その大きさにもよるが、両クランプによって締め付けられる棒材の表面にほぼ沿うような曲面形状を有しているのが好ましい。
連結プレートが上記のような曲面形状を有していれば、クランプに締め付けられる棒材に局部的に干渉することがないので、クランプの締付力が棒材にほぼ均一にかかり、棒材がクランプに確実に保持され易くなる。
図1および図2には、この考案による棒材接続具の実施形態が示されている。棒材接続具(1)は、棒材(B1)(B2)どうしを交差状に接続するためのものであって、金属製バンド(21)(21)を有する2つのクランプ(2A)(2B)が、バンド(21)(21)どうしが内面を向かい合わせにして交差するように組み合わせられるとともに、バンド(21)(21)の交差部において互いに固定状に連結されてなる。
各クランプ(2A)(2B)は、ウォーム式のものであって、そのバンド(21)(21)には歯(211)(211)が形成されている。バンド(21)の一端部には、ハウジング(22)が装着されている。ハウジング(22)内には、歯(211)に噛み合うウォーム(21)が回転自在に配されている。このウォーム(21)をドライバー等を用いて所要方向に回転させることにより、バンド(21)の締付径を調整することができる。この実施形態では、クランプ(2A)(2B)として、バンド(21)の長さおよび幅がやや異なるものが用いられている。
2つのクランプ(2A)(2B)は、バンド(21)(21)をこれらの間に介在させた金属製連結プレート(3)にそれぞれ接合することによって、固定状に連結されている。
連結プレート(3)は、四角形であって、その一方の対角部(31)(31)が一方のクランプ(2A)のバンド(21)にスポット溶接され、その他方の対角部(32)(32)が他方のクランプ(2B)のバンド(21)にスポット溶接されている。また、連結プレート(3)は、両クランプ(2A)(2B)のバンド(21)(21)によって締め付けられる棒材(B1)(B2)の表面にほぼ沿うような曲面形状を有している。このような曲面形状は、例えば、連結プレート(3)に所要のプレス加工を行うことによって形成することができる。
上記の棒材接続具(1)を用いて棒材(B1)(B2)どうしを直交状に接続する場合には、例えば、一方の棒材(B1)の所要箇所に一方のクランプ(2A)のバンド(21)を嵌めてウォーム(22)を回動操作することにより締め付け、次いで、他方の棒材(B2)の所要箇所に他方のクランプ(2B)のバンド(21)を嵌めて同様に締め付ければよい。
図3は、この考案の棒材接続具(1)を、テーブル(5)の土台を構成する竹材どうしの接続に適用した例を示すものである。
テーブル(5)の土台は、4本の脚(51)と、前後に隣り合う脚(51)の上端部どうしに渡し止められる2本の第1横桟(52)と、左右に隣り合う脚(51)の上端部どうしに渡し止められる2本の第2横桟(53)とよりなり、いずれも竹材によって構成されている。そして、4本の脚(51)の上端にまたがるように、天板(54)が載せられる。
脚(51)と第1横桟(52)との接続、および脚(51)と第2横桟(53)との接続には、それぞれ棒材接続具(1)が用いられている。即ち、図3のテーブル(5)の場合、土台の4つのコーナーにおいて、それぞれ2つずつ棒材接続具(1)が用いられている。例えば、脚(51)と第1横桟(52)とを直交状に接続するには、脚(51)の上端部を棒材接続具(1)の一方のクランプ(2A)で締め付けるとともに、第1横桟(52)の上端部を他方のクランプ(2B)で締め付ければよいので、脚(51)や第1横桟(52)を構成する竹材に割れが生じるおそれは全くない。また、この際、脚(51)や第1横桟(52)の外径寸法・断面形状にバラツキがあっても、クランプ(2A)(2B)の締付径を適宜調整することで確実に両者を接続することができる。
図3のように、テーブル(5)の土台を構成する竹材(51);(52)(53)どうしを棒材接続具(1)によって交差状に接続すれば、これらに様々な方向からの外力が作用したとしても、揺れや捻れ等の動きが生じ難く、十分に使用に耐え得る強度が得られる。
この考案の実施形態を示すものであって、棒材接続具の斜視図である。 図1の棒材接続具の平面図である。 この考案の棒材接続具をテーブルの土台を構成する竹材どうしの接続に適用した例を示すものであって、(a)はテーブル全体の正面図、(b)は土台の平面図である。
符号の説明
(B1)(B2):棒材
(1):棒材接続具
(2A(2B):クランプ
(21):バンド
(3):連結プレート
(31)(32):対角部

Claims (6)

  1. 棒材(B1)(B2)どうしを交差状に接続するための接続具(1)であって、金属製バンド(21)(21)を有する2つのクランプ(2A)(2B)が、バンド(21)(21)どうしが内面を向かい合わせにして交差するように組み合わせられるとともに、バンド(21)(21)の交差部において互いに固定状に連結されてなることを特徴とする、棒材接続具。
  2. 2つのクランプ(2A)(2B)が、バンド(21)(21)をこれらの間に介在させた金属製連結プレート(3)にそれぞれ接合することによって、固定状に連結されていることを特徴とする、請求項1記載の棒材接続具。
  3. 各クランプ(2A)(2B)のバンド(21)(21)と連結プレート(3)とが、バンド(21)(21)の長さ方向に距離をおいた2以上の箇所で互いに接合されていることを特徴とする、請求項2記載の棒材接続具。
  4. 連結プレート(3)が、四角形であって、その一方の対角部(31)(31)が一方のクランプ(2A)のバンド(21)に接合され、その他方の対角部(32)(32)が他方のクランプ(2B)のバンド(21)に接合されていることを特徴とする、請求項3記載の棒材接続具。
  5. 各クランプ(2A)(2B)のバンド(21)(21)と連結プレート(3)との接合が、溶接、カシメおよびネジ接合のうち少なくともいずれか1つの接合手段によって行われていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1つに記載の棒材接続具。
  6. 連結プレート(3)が、両クランプ(2A)(2B)のバンド(21)(21)によって締め付けられる棒材(B1)(B2)の表面にほぼ沿うような曲面形状を有していることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1つに記載の棒材接続具。
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