JP3175769B2 - インクジェット記録装置および該記録装置に用いるインクカートリッジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吐出口よりインクを吐出するインクジェッ
ト記録ヘッドを用いて被記録媒体に記録を行うインクジ
ェット記録装置及び該記録装置の組み立て方法に関す
る。

〔従来の技術〕

プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画
像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録媒
体上に画像を記録していくように構成されている。前記
記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分ける
ことができ、そのうちのインクジェット式（インクジェ
ット記録装置）は、被記録媒体にインクを吐出させて記
録を行なうように構成されている。

インクジェット記録装置は、高精細な画像を高速で記
録することができ、ノンインパクト方式であるため騒音
が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像
を記録するのが容易であるなどの利点を有している。

従来、記録ヘッドの吐出口から記録データに応じてイ
ンクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装置に
あっては、被記録媒体を搬送する部分、記録ヘッド積載
部分、インク供給路および吐出口の目詰まりを防止、解
消するための回復装置等により構成されている。

第21図は従来のインクジェット記録装置の概略斜視図
である。同図において、シャーシ１、２には軸３を介し
て、用紙やプラスチック薄板等の被記録媒体を搬送する
ための搬送ローラ４が軸支されており、駆動源（図示せ
ず）によりベルト伝動機構５にて駆動されるようになっ
ている。記録媒体はペーパーパン６、ガイド板７にガイ
ドされ搬送される。

８〜11は複数のインク吐出口を有した記録ヘッドで、
キャリッジ12上に搭載されている。該キャリッジ12はシ
ャーシ１、２間に固定された一対のガイドレール13に支
持案内され、駆動源（図示せず）によりベルト14を介し
て走査されるようになっている。

15は交換可能なインクカートリッジで、供給管16によ
ってキャリッジ12に接続され、記録ヘッド８〜11へイン
ク供給が行われている。17は回復装置で、駆動源（図示
せず）により、往復動するキャップ18〜21と圧力（負圧
を含む）を発生するポンプを有している。

このようにシャーシ１、２、22、23に搬送部分、ヘッ
ド積載部分、回復装置17等を一体的に組上げていく構成
となっている。

〔発明が解決しようとする技術的課題〕

しかしながら、第21図に例示するような従来のインク
ジェット記録装置では、全体の組立を完了するまで実際
の記録を行うことが不可能であり、装置の良否が判定で
きないため、万一不良が発生した場合、不良部分補修の
ための分解、再組立てをはじめからやり直さなければな
らない繁雑さがあった。

また、再組立てを行った部分の検査も再度繰り返すと
いう無駄が多かった。

さらに、インク供給路に一度インクが流入すると、そ
の中間を分断する作業の際、インクの流出に対する装置
が必要となり、メンテナンス性の点から前記のような作
業は非常に困難で、記録装置全体を交換するという無駄
が多かった。

ここで、米国特許第4,386,838号公報（1983年６月７
日登録）には、電子写真の分野において、各ユニットを
独立して分離可能にした構成が記載されている。すなわ
ち、developing deviceあるいはcleaning device等の各
ユニットを分離可能に構成している。

しかしながら、前記公報に記載された発明は、インク
ジェット記録の分野とは異なり、電子写真の分野に関す
るものであって、記録ヘッドへのインクの供給等インク
回りに対する配慮は何らなされていない。また、当然の
ことながら、インクジェット記録ヘッドと被記録媒体と
の間を非接触かつ近接した状態を維持できるように所要
の精度を以て装置を組み立てるとの思想も始めから存在
しないものである。

特に、インクジェット記録装置においては、インクジ
ェット記録ヘッドと被記録媒体との間を非接触かつ所定
の間隔に維持することが要請されるが、インクジェット
記録ヘッドを含むユニットと被記録媒体を搬送するユニ
ットとをそれぞれ装置のベース部材に対して取り付ける
従来の組立法では、インクジェット記録ヘッドと該イン
クジェット記録ヘッドに対向する位置にある被記録媒体
との装置に対する位置精度は両ユニットのベース部材へ
の取り付け誤差の影響を含むものである。そこで、イン
クジェット記録装置の生産、検査、交換を容易に行いつ
つも、インクジェット記録ヘッドと被記録媒体との所望
の間隔も容易に精度よく得ることができるインクジェッ
ト記録装置が望まれていた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、各々独立して分離可能なユニットを
係止可能なインクジェット記録装置及び該装置の組み立
て方法を提供することである。

本発明の目的は、記録ヘッドに回復手段を係止させる
際の両者間の位置精度を高精度に得ることができ、例え
ば回復手段としてキャップを備える場合には、該キャッ
プと記録ヘッドとのキャッピングの際の良好な圧接力を
得ることができ、同時に、記録ヘッドと被記録媒体との
間の間隔を容易に精度よく得ることができ、もっと組立
て性および信頼性を向上させるとともに記録品位の向上
を図ることができるインクジェット記録装置および該装
置の組み立て方法を提供することである。

本発明の別の目的は、記録ヘッドのインク供給等のイ
ンク回りに配慮して分離可能なユニットを構成したイン
クジェット記録装置を提供することである。

本発明の別の目的は、各々独立して分離可能なユニッ
トにしたにも係わらず、記録品位を向上させたインクジ
ェット記録装置および該装置の組み立て方法を提供する
ことである。

本発明の別の目的は、前述した問題点に鑑み、生産性
の向上、信頼性の向上を図るとともに、メインテナンス
性の向上を図ることができるインクジェット記録装置お
よび該装置の組み立て方法を提供することである。

本発明の別の目的は、搬送ユニット、キャリッジユニ
ット、回復ユニットを各々独立に分離可能とすることに
より、単独ユニットにおける組み立ておよび検査を可能
とし、生産性、信頼性、サービス性の大幅な向上を図り
得るインクジェット記録装置および該装置の組み立て方
法を提供することである。

本発明の別の目的は、インク供給路を単独ユニット内
で遮断できるようにし、インク充填後に各ユニットを分
解してもインク漏れがなく、メインテナンス性を大幅に
向上させ得るインクジェット記録装置を提供することで
ある。

〔課題解決のための手段〕

本発明に係る代表的な第１発明（請求項１）は、上記
目的を達成しようとするものであり、吐出口よりインク
を吐出するインクジェット記録ヘッドを用いて被記録媒
体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記
被記録媒体を搬送する搬送手段を備える搬送ユニット
と、インク収納部から供給されるインクを吐出して記録
を行う前記インクジェット記録ヘッドを装着するための
装着部を備える記録ユニットと、前記インクジェット記
録ヘッドの吐出口からインクを吐出する機能を回復させ
る回復手段を備える回復ユニットと、を有し、前記記録
ユニットと前記搬送ユニットとが対向して形成される領
域が、前記搬送ユニットにより搬送される前記被記録媒
体に対して前記記録ユニットの前記インクジェット記録
ヘッドにより記録が実行される領域を有し、前記記録ユ
ニットと前記回復ユニットとが対向して形成される領域
が、前記記録ユニットの前記インクジェット記録ヘッド
に対して前記回復ユニットの前記回復手段による回復処
理が実行される領域を有するように、それぞれのユニッ
トを独立して分離可能に係止することを特徴とする。

また、本発明に係る代表的な第２発明（請求項11）
は、上記目的を達成しようとするものであり、吐出口よ
りインクを吐出するインクジェット記録ヘッドを用いて
被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置の組み
立て方法において、前記被記録媒体を搬送する搬送手段
を備える搬送ユニットと、インク収納部から供給される
インクを吐出して記録を行う前記インクジェット記録ヘ
ッドを装着するための装着部を備える記録ユニットと、
前記インクジェット記録ヘッドの吐出口からインクを吐
出する機能を回復させる回復手段を備える回復ユニット
と、を用い、前記記録ユニットと前記搬送ユニットとが
対向して形成される領域が、前記搬送ユニットにより搬
送される前記被記録媒体に対して前記記録ユニットの前
記インクジェット記録ヘッドにより記録が実行される領
域を有し、前記記録ユニットと前記回復ユニットとが対
向して形成される領域が、前記記録ユニットの前記イン
クジェット記録ヘッドに対して前記回復ユニットの前記
回復手段による回復処理が実行される領域を有するよう
に、それぞれのユニットを独立して分離可能に係止する
ことを特徴とする。

更に、本発明に係る代表的な第３発明（請求項12）
は、上記目的を達成しようとするものであり、被記録媒
体を搬送するための搬送手段と該搬送手段を駆動するた
めの駆動源とを備える搬送ユニットと、記録ヘッドを搭
載し前記被記録媒体に対して走査を行うためのキャリッ
ジと該キャリッジを走査させるための駆動源とを備える
キャリッジユニットと、キャップとチューブとを備える
回復ユニットと、前記キャリッジユニットと前記回復ユ
ニットとを連通するインク路と、を具備するインクジェ
ット記録装置において、前記キャリッジユニットに前記
搬送ユニットと前記回復ユニットとをそれぞれ独立に分
離可能に係止し、かつ前記インク供給路をユニット内で
遮断できることを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。ま
ず、各々独立して分離可能なユニットを係止することに
より、被記録媒体に記録を行なうインクジェット記録装
置について説明する。

以下に説明するインクジェット記録装置は、被記録媒
体を搬送するための搬送手段および該搬送手段を駆動す
るための駆動源からなる搬送ユニットと、記録ヘッドを
積載し被記録媒体に対して走査を行うキャリッジと該キ
ャリッジ走査の駆動源からなるキャリッジユニットと、
キャップおよび圧力発生源とこれらを駆動する駆動源か
らなる回復ユニットとを備えたインクジェット記録装置
において、前記搬送ユニット、キャリッジユニットおよ
び回復ユニットを各々独立に分離可能とし、かつインク
供給路を単独ユニット内で遮断できる構成としたことを
特徴とするものである。

第１図は本発明に係わるインクジェット記録装置の一
実施例を示す斜視図、第２図は搬送ユニットの斜視図、
第６図は記録ユニット（キャリッジユニット）の斜視
図、第７図は回復ユニットの斜視図、第８図は記録ユニ
ット（キャリッジユニット）と回復ユニットの結合状態
を示す斜視図である。

第１図において、Ａは被記録媒体の設置、給紙、搬
送、排紙を司る搬送ユニット、Ｂは記録ヘッドの積載、
走査を司る記録ユニット（以下、キャリッジユニットと
称す）、Ｃはインクの供給およびインク目詰まりの防
止、解消を司る回復ユニットである。

まず、本発明の一実施例を適用したインクジェット記
録装置の搬送ユニットＡについて説明する。

第１図および第２図において、24は全体を構成するシ
ャーシ、25は被記録媒体（用紙やプラスチック薄板な
ど）26を積載するカセットである。本実施例はカセット
給送、手差給送の２系統の搬送経路を有している。ま
た、該カセット25上の被記録媒体26は、送り出しローラ
Ｒにより、順次下流の搬送ローラ27側に給紙されるよう
になっている。

28は手差し用の載置台、29は被記録媒体26を搬送する
給送ローラ、30はばね（図示せず）により、給紙ローラ
29に当接し、被記録媒体26を順次１枚毎に分離するため
の分離片であり、31、32は紙ガイド板、33は被記録媒体
26を押さえる押さえ板である。

ガイド板34は前記給送ローラ29の軸35に対して回動自
在に支持されていると共に軸受部34aを有し、当接ロー
ラ36を回転自在に支持している。該当接ローラ36は搬送
ローラ27に当接しており、この搬送ローラ27と当接ロー
ラ36により被記録媒体26を搬送することができる。

37、38は一対の排出ローラで、記録が行なわれた被記
録媒体26を挟持し装置外へ排出するようになっている。
なお、給送ローラ29、搬送ローラ27、排出ローラ37、38
は、シャーシ24上に配設したモータ（図示せず）によ
り、伝動機構（図示せず）を介して駆動される。また、
シャーシ24には、キャリッジユニットＢと回復ユニット
Ｃとを係止した状態（本体ユニットＤ）で、搬送ユニッ
トに着脱可能に係止するためのタップ24aとＵ溝部24bが
設けられている。

ここで、Ｕ溝部24bに本体ユニットＤのフレーム45を
着脱可能に係止する方法について第３図を用いて詳述す
る。なお、この方法は後述する回復ユニットＣをキャリ
ッジユニットＢに着脱可能に係止する際にも用いられ
る。

本体ユニットＤのフレーム45をＵ溝部24bに斜めから
差し込み（第３図中にａで示す状態）、次いで、反時計
方向（矢印Ｃ方向）へ回動し、水平状態にする（第３図
中のｂの状態）にする。これによって、フレーム45はＵ
溝を構成する突出部24cによってその上面を規制され、
また、その下面はフレーム24の上面24dによって規制さ
れる。したがって、本体ユニットＤは搬送ユニットＡに
垂直方向の位置決めが行なわれた状態で取り付けられ
る。

次に、キャリッジユニットＢについて説明する。

第１図、第２図、第８図において、39〜42はキャリッ
ジ43上に装着される。例えば４色分（イエロー、マゼン
タ、シアン、ブラック）の記録ヘッドである。44はフレ
ーム45に支持されたキャリッジ軸で、該軸44上をキャリ
ッジ43が走行するようになっている。

46はフレーム45の下面に配設されたモータ、47はキャ
リッジ43に係着されたベルトである。このベルト47は、
プーリ48、49間に張架され、モータ46の回転に応じてベ
ルト50を介してキャリッジ43を移動させる。

また、51は長手方向に多数のスリットが刻まれたエン
コーダーであり、該エンコーダー51を使用して、キャリ
ッジ43上のセンサで該キャリッジの位置検知を行い、モ
ータ46の制御を行うよう構成されている。

52は記録ヘッド39〜42へインクを供給するための可撓
性チューブ53のカバーである。より詳細には、53は可撓
性の各色のチューブ群であり、ブラック用インクカート
リッジ62およびカラー用インクカートリッジ61からキャ
リッジ43上の記録ヘッド39〜42へインクを供給してい
る。なお、該チューブ53の他端はジョイント54に接続さ
れており、該ジョイント54の他端には針55が配置されて
いる。また、フレーム45には、搬送ユニットＡを着脱可
能に係止するための取付け穴45aが２箇設けられてい
る。

次に、回復ユニットＣについて説明する。

第１図、第７図、第８図において、56は可撓性材料か
らなるキャップ57〜60および吸引ポンプ（図示せず）を
含んで構成される回復装置であり、61、62は交換可能な
補給用インクカートリッジであり、該インクカートリッ
ジの内部には、回復装置56によりチューブ63およびジョ
イント64を介して排出される廃インクを収納するための
部材が設けられている。なお、ジョイント64には各イン
クに対応する出口65が設けられている。

回復装置56、ジョイント64およびインクカートリッジ
61、62はフレーム66によって一体的に保持可能であり、
該フレーム66には、回復ユニットＣをキャリッジユニッ
トＢに着脱可能に係止するためのタップ穴66aおよびＵ
溝部66bが設けられている。

第１図、第２図および第８図を参照して、以上の構成
の記録装置の動作を説明する。

カセット25内の被記録媒体26は、送り出しローラＲに
より、搬送ローラ27および当接ローラ36間に送り込ま
れ、該搬送ローラ27により図示の位置Ｐへ搬送される。

記録時には、インクカートリッジ61、62のインクが記
録ヘッド39〜42の各々に供給される。そして、記録情報
に応じて記録ヘッドの各吐出口に設けられているエネル
ギー発生体が駆動され、該吐出口よりインク滴が飛翔
し、被記録媒体26の表面にインク滴が付着ならびに吸収
されて記録ドットが定着し、順次記録が行われる。

さらに、記録の進展と共にモータ46が回転し、キャリ
ッジ43が主走査方向へ往復動する。この時、キャリッジ
43はその一部でガイド板34上に摺接し、キャリッジ軸44
に沿って走査する。

記録ヘッド39〜42のノズルがインク目詰まりや塵付着
による吐出不良を生じた場合、あるいは定期的にキャリ
ッジ43を回復装置56と対面するポジション（以下、回復
ポジション）へ移動させる。この時、キャリッジ57〜60
は引っ込んだ位置にあり、キャリッジ43の移動に支障は
ない。また、前記回復ポジションにおいては、キャリッ
ジ43に設けられた突起部43aと回復装置56に設けられた
穴部（不図示）が係合する位置関係にある。

前記回復ポジション停止終了後、キャップ57〜60を記
録ヘッド39〜42のフェイス（吐出口面）に被せ、密閉系
を構成する。そして、吸引ポンプを動作してインクと共
に不純物や塵による固着物を吸引し、チューブ63を介し
て廃インクをインクカートリッジ61ないし62へ排出す
る。

次に、本記録装置の組み立て方法を説明する。

まず、回復ユニットＣをキャリッジユニットＢに着脱
可能に係止する方法について説明する。

第６図、第７図、第８図において、回復ユニットＣの
Ｕ溝部66bをキャリッジユニットＢのシャーシ45の係合
部45bに位置決めして着脱可能に嵌入する。次いで、回
復ユニットＣのタップ穴66aに対応するシャーシ45上の
穴67aにビス67を締込み、キャリッジユニットＢと回復
ユニットＣとを固定する。これによって、キャリッジユ
ニットＢと回復ユニットＣは一体となり、本体ユニット
Ｄを構成する。次に、キャリッジユニットＢのジョイン
ト54と回復ユニットＣのジョイント64を接続し、針55と
出口65を連通させインク供給路を形成する。

このように、キャリッジユニットＢと回復ユニットＣ
とを一体とし、本体ユニットＤを構成することにより、
インクカートリッジ61、62から記録ヘッド39〜42へイン
クを供給するインク供給路、あるいはキャップ57〜60か
らインクカートリッジへインクを回収するインク路を同
じユニット内に設けることができ、インクの漏れを大幅
に減らすことができる。そして、組上がったキャリッジ
ユニットＢおよび回復ユニットＣ、すなわち、本体ユニ
ットＤを第２図に示す搬送ユニットＡと合体する。

次に、本体ユニットＤを搬送ユニットＡに着脱可能に
係止する方法について説明する。

第２図において、シャーシ24に設けられた２箇所のＵ
溝部24bに、キャリッジユニットＢのフレーム45の一端
の係合部45cを位置決めして着脱可能に嵌め込む。次い
で、タップ穴24aに対応するフレーム45のタップ穴45aの
２箇所にビス67を締め込み、本体ユニットＤと搬送ユニ
ットＡとを固定する。これによって、インクジェット記
録装置の組み立てが完了し、記録が可能になる。

次に、搬送ユニットＡとキャリッジユニットＢと回復
ユニットＣとが分離可能、あるいは本体ユニットＤと搬
送ユニットＡとが分離可能であるにも係わらず、各ユニ
ットを係止してインクジェット記録装置の組み立てが完
了した際に、記録ヘッドの吐出口と被記録媒体の記録面
との距離精度を一定に維持することのできる搬送ユニッ
トAaについて説明する。

次に述べる搬送ユニットAaは、前述の搬送ユニットＡ
と同様に本体ユニットＤと各々独立して分離可能、ある
いはキャリッジユニットＢと回復ユニットＣと各々独立
して分離可能なものである。

なお、第９図に示す図においては、各ユニットと係止
するための係止部は、図示を省略したが、前述した実施
例と同様のものが用いられる。また、第９図において
は、本実施例についての理解を助けるために、キャリッ
ジ43および記録ヘッド39〜42を図示したが、これらは前
述の実施例と同様にキャリッジユニットＢに設けられて
いるものである。

次に本実施例の搬送ユニットAaについて説明する。

第９図には、カセット25上に被記録媒体26が載置され
た状態を示している。

第９図において、128は、キャリッジ43上に配設さ
れ、キャリッジ軸44を中心としてキャリッジ43に作用す
るモーメント（矢印Ｆと反対の方向のモーメント）を支
持しつつガイド板125上を摺動するスライダである。ま
た、126は被記録媒体26を給送する給送ローラを示し、1
38は、ばね139により付勢されて給送ローラ126に当接
し、被記録媒体26を順次１枚ごとに分離するための分離
片を示す。123および130は被記録媒体26のガイド板を示
し、124は被記録媒体26を押さえる押さえ板である。

ここで、前記ガイド板125は、給送ローラ126の軸127
上に回動自在に支持されるとともに、軸受部を有して当
接ローラ131を回転自在に支持している。この当接ロー
ラ131は前記ガイド板130に当接している。

そこで、ガイド板130と当接ローラ131との間に被記録
媒体26が搬送されてきた時には、その厚みに応じてガイ
ド板125が軸127を中心に回動し、これに伴って、ガイド
板125に当接しているスライダ128を介して、キャリッジ
43が軸44を中心に時計方向（矢印Ｆの方向）に回動させ
られる。したがって、記録ヘッド39〜42の吐出口は、被
記録媒体26の厚みに係わらず、被記録面との間に一定隙
間を維持することができる。

したがって、本実施例の搬送ユニットAaによれば、例
えば、搬送ユニットAaを本体ユニットＤと係止した際に
若干の取り付け誤差があったとしても、記録ヘッドの吐
出口と被記録媒体の被記録面との距離を所望の距離に維
持することができる。

なお、本説明では、キャリッジユニットＢと回復ユニ
ットＣ、次いで搬送ユニットＡの組立順序としたが、別
にこれに限定されるものではない。例えば、搬送ユニッ
トＡとキャリッジユニットＢ、次いで回復ユニットＣの
順に組立てることも可能である。

このようにユニット別に構成したので、例えば、搬送
ユニットＡ、キャリッジユニットＢ、回復ユニットＣを
各々個別の生産ラインで組立および検査することが可能
となり、これによって各ユニットＡ〜Ｃの不良発生が他
のユニットに影響を及ぼすようなことはない。

また、万一、記録装置全体の組立完了後に不良発生が
確認された場合を想定すると、搬送ユニットＡにおける
不良の場合はビス67を２本取り外すのみで分離が可能
で、インクの供給管を外すなどインク漏れの恐れのある
操作は一切不要である。

また、キャリッジユニットＢないしは回復ユニットＣ
における不良の場合は、キャリッジユニットＢと回復ユ
ニットＣ間はジョイント54、64を介してインク供給路が
接続されているため、例えば、出口65を可撓性材料で構
成するとともに、常時は開状態とし、針55が挿入された
時のみ供給路が連通するように構成しておけば、キャリ
ッジユニットＢおよび回復ユニットＣからのインク漏出
を無くすことができる。

ここで、インク路の遮断について説明する。

先ず、第10図および第11図に示した実施例について説
明する。

同図において、キャリッジユニットＢと回復ユニット
Ｃとを取り外す際は、針55が出口65（第７図）から取り
外される。そこで、出口65から取り外された針55を、キ
ャリッジユニットＢの側板70に設けられた突起55aに各
々嵌合させる（第10図）。これによって、針55の先端が
突起55aによって遮断され、インク漏れは生じない。

さらに、他の実施例について、第12図および第13図を
参照して説明する。

本実施例においては、前記側板70に設けた係止部55b
に針55が係止される。この係止は、針55の開口を上方へ
向けた状態で、かつ、記録ヘッド39〜42の吐出口高さと
針55の開口がほぼ同じ高さになるように係止する。これ
によって、水頭圧がほぼ等しくなり、インク漏れが防止
される。

さらに、出口65の他の実施例について、第14図を参照
してして説明する。

本実施例においては、出口65の内部に封止ボール65c
およびばね部材65bが設けられ、該ボール65cは出口65の
開口部65dに向けてばね力が付勢されている。前記開口
部65dの直径は前記封止ボール65cの直径より小さいの
で、該開口部65dは封止ボール65cによって完全に封止さ
れている。

そこで、先端部に切欠き部55dを有する針55を前記開
口部65dに嵌合させ、さらに、出口65の外周部に形成さ
れた小さな突起65aが針55側の小さな突起55cに係止する
まで、該針55を押し込んで両者を結合させる。この結合
状態では、前記封止ボール65cと前記切欠き部55dとで形
成される隙間を介して、針55のインク路と出口65のイン
ク路が連通される。

なお、上述した実施例においては、キャリッジユニッ
トＢと回復ユニットＣを一体化した後、搬送ユニットＡ
に設置する構成としたが、キャリッジユニットＢ、回復
ユニットＣ共に搬送ユニットＡに取付ける構成によって
も本発明を実施することができる。また、本発明は、記
録ヘッドの個数に関係無く同様に実施することができ、
１個または任意の複数個の記録ヘッドを備えたインクジ
ェット記録装置において、同様に実施できるものであ
る。さらに、インクカートリッジの設置場所について
も、本発明は、記録装置本体側に設置する場合およびキ
ャリッジ上に設置する場合のいずれにおいても、同様に
実施できるものである。

なお、前述した実施例においては、各ユニットをねじ
で締結する例を示したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、次に述べる着脱可能な係止方法でもよい。

以下、搬送ユニットＡと本体ユニットＤとの係止を例
に挙げて、前記着脱可能な係止方法について説明する。

第５図に示すとおり、搬送ユニットＡのフレーム24に
は、頭部24eを有する円筒部24fが設けられている（頭部
24eの直径＞円筒部24fの直径）。一方、第４図に示すと
おり、本体ユニットＤのフレーム45には、穴45dと該穴
の周囲の弾性部材45cが設けられている。ここで、前記
穴45dの直径は前記円筒部24fの直径とほぼ等しく、ま
た、弾性部材45cの直径は頭部24eの直径とほぼ等しい。

そこで、搬送ユニットＡと本体ユニットＤを係止する
際に、本体ユニットＤのフレーム45を搬送ユニットＡの
頭部24eに押し込めば、弾性部材45cが押し広げられ、弾
性部材45cが円筒部24fと係合する（第５図に示す状
態）。一方、取り外す際は、本体ユニットＤのフレーム
45を持ち上げれば、円筒部24fと弾性部材45cとの係合が
外れる。こうして、本体ユニットＤと搬送ユニットＡと
を着脱可能に係止することができる。

また、前述した搬送ユニットは、カセット、送り出し
ローラ、搬送ローラ、手差し用の載置台、紙ガイド、な
どを備えているが、少なくとも前記送り出しローラを備
えていればよい。

また、前述した記録ユニットは、記録ヘッド装着部、
キャリッジ、該キャリッジを往復動させるベルト、該ベ
ルトを駆動するためのモーター、などを備えているが、
少なくとも前記記録ヘッド装着部を備えていればよい。

また、前述した回復ユニットは、キャップ、インクカ
ートリッジ、チューブ、ポンプ、などを備えているが、
少なくとも、吐出口からインクを吐出させる機能を回復
させることができれば、吐出口付近に付着したインクを
吸収体等で取り除くだけのものであってもよい。

以上説明したように、本実施例によれば、被記録媒体
搬送ユニット、キャリッジユニット、回復ユニットが各
々独立した分離可能な構成にしたことにより、各ユニッ
トを別個に組立て、検査可能にできるようになり、これ
によって、生産性の大幅な向上と共に信頼性の向上を図
ることができるようになった。

また、インク供給路を単独ユニット内で遮断できる構
成としたので、インク充填後に各ユニットを分解したと
しても、インクが漏出することがなく、メンテナンス性
も大幅に向上させることができるという効果を奏する。
更に、例えば記録密度の異なった記録ヘッドを搭載した
キャリッジユニットに交換することも可能となり、記録
装置をグレードアップできるなどの拡張性も持たせるこ
とが可能となった。

さらに、他の実施例について説明する。

次に述べる実施例は、分離可能なユニットとしてイン
ク収納部材を有し、該インク収納部材を係止することに
よりインクカートリッジを構成するものである。

次に述べる実施例は、インク収納部分を同一容器内に
複数配列したインクジェット記録装置用インクカートリ
ッジにおいて、前記インク収納部分が角形フランジ部を
有し、配列方向の位置決めを前記角形フランジ部同士の
突き合わせで行うよう構成したインクカートリッジであ
る。

また、前記インク収納部分が可撓性インク収納袋と、
該インク収納袋に固着されたインク取出し口部材と、該
インク取出し口部材を密閉する蓋部材とから構成されて
成るインクカートリッジである。

以下、第15図〜第17図に示す実施例の詳細を説明す
る。

第15図は本発明に係るインクジェット記録装置に用い
られるインクカートリッジの一実施例を示す分解斜視
図、第16図は第15図中の線XVI−XVIに沿ったインクカー
トリッジの断面図である。なお、本実施例のインクカー
トリッジを用いたインクジェット記録装置の斜視図につ
いては、第１図を援用する。

第15図および第16図はカラー用インクカートリッジ23
4の構成を示す図である。同図において、246は容器、24
7〜249は該容器246内に収納される各色のインク収納部
分、250は前記容器246の上部に被せられるカートリッジ
蓋である。

インク収納部分247〜249は、可撓性インク収納袋251
を角形フランジ部252aを有するインク取出し口部材252
に、例えば溶着手段により一体とし、蓋部材253、254で
密閉される構成となっている。また、容器246にはイン
ク取出し穴246aが色数分（本例では３ヶ）設けられてい
ると共に、インク取出し口部材252の角形フランジ部252
aが挿入されるスロット部255が設けられている。

以上のような構成において、各色のインク収納部分24
7〜249は、容器246のスロット部255にインク取出し口部
材252の角形フランジ部252aを挿入し、重畳させてい
く。また、第16図に示すように、各色のインク取出し穴
246aに対向する位置に各色のインク収納部分247〜249が
くるように、インク取出し口部材252の高さ寸法とイン
ク取出し穴246aの配列ピッチを設定してある。

以上のような構成としたことにより、各色のインク収
納部分247〜249を容器246のスロット部255に重畳挿入し
ていくのみで、各色のインク取出し穴246aとの位置出し
ができ、インクの取出しが確実にできるようになる。

また、インク取出し口部材252のフランジ部252aが角
形フランジ形状をしていため、重畳していくと、回転方
向の力を前記フランジ部252aで支持することが可能とな
り、インクカートリッジ234の運搬時の苛酷な振動、衝
撃に対しても、インク収納部分247〜249を安全かつ確実
に保持でき、漏出のおそれ等を無くすことができる。

なお、261は仕切り板であり、各インク収納袋251間を
仕切るものである。この仕切り板261によって、インク
収納袋251同志の相互影響を防止することができる。

なお、上述した実施例においては３色分の場合を記載
したが、別にこれに限定されるものではなく、複数個で
あれば何個でもよく、また同色の複数個であってもよ
い。また、上述した実施例においては、可撓性インク収
納袋251とインク取出し口部材252を使用してインク収納
部分247〜249を構成したが、これに限定されるものでは
なく、容器と別体で、フランジ部を有するものであれ
ば、どのような形態でもよい。

ここで、第17図を用いて、フランジ部260の他の形状
について説明する。なお、第17図は第15図中の線XVII−
XVIIに沿ったインクカートリッジの断面図である。

第17図に示すとおり、フランジ部260は凸部と凹部を
組み合わせた形状であってもよい。この形状によって
も、フランジ部260は、溝255と嵌合し、不用意に回転す
ることはない。

以上説明したように本実施例によれば、インク収納部
分に角形フランジ部を形成し、該角形フランジ部同士を
突き合わせることにより位置決めおよび固定を行うよう
に構成したので、インク収納部分と記録装置との接続部
における位置合わせを容易かつ確実に行うことができる
ようになり、インク供給の信頼性を向上できると共に、
運搬時の苛酷な振動、衝撃に対してもインク漏出のおそ
れを大幅に軽減できるインクカートリッジが得られる。

さらに、他の実施例について、第18図、第19図および
第20図を用いて説明する。

次に説明する実施例は、インク収納部分を同一容器内
に複数配列したインクジェット記録装置用インクカート
リッジにおいて、前記インク収納部分が各色毎に部分的
異形状部材により構成されているインクカートリッジで
ある。

また、前記各色インク収納部分のインク取出し口部材
の角形フランジ部が異なる幅寸法を有しているインクカ
ートリッジである。さらに、前記各色インク収納部分の
異形状が突起部およびこれに嵌合する溝部または穴部で
あるインクカートリッジである。さらに、また、前記各
色インク収納部分の異形状部材が異色調であるインクカ
ートリッジである。

以下、第18図および第19図に示す実施例の詳細を説明
する。

第18図は本発明に係るインクジェット記録装置に用い
られるインクカートリッジの一実施例を示す分解斜視
図、第19図は第18図中の線XIX−XIXに沿ったインクカー
トリッジの断面図である。なお、本実施例のインクカー
トリッジを用いたインクジェット記録装置の斜視図につ
いては、第１図を援用する。

第18図および第19図はカラー用インクカートリッジ32
4の構成を示す図である。同図において、336は容器、33
7〜339は該容器336内に収納される各色のインク収納部
分、340は前記容器336の上部に被せられるカートリッジ
蓋である。

インク収納部分337〜339は、各色ごとに巾寸法の異な
る角形フランジ部342a〜344aを有する各インク取出し口
部材342〜344と、各可撓性インク収納袋341とを、例え
ば溶着により、それぞれ一体的に固着し、さらに、各イ
ンク取出し口部材342〜344を蓋部材345、346で密閉する
構造物になっている。また、容器336には、色数分（本
実施例では３個）のインク取出し穴336a、並びに、イン
ク取出し口部材342〜344の幅寸法に対応した段差347aを
有するスロット部347が設けられている。

以上のような構成において、各色のインク収納部分33
7〜339は、容器336のスロット部347にインク取出し口部
材342〜344を挿入し、重畳させていく。また、第19図に
示すように、容器336のスロット部347には、各インク取
出し口部材342〜344に設けられ、各色ごとに幅寸法が異
なる、各角形フランジ部342a〜344aに対応して、段差34
7aが設けられており、各段差にインク取出し口部材342
〜344が正しく挿入されている。

以上のような構成により、各色のインク収納部分337
〜339は、別色の定位置に対して挿入不可能または位置
不確定となり、誤挿入を容易に判別することができる。
したがって、各色のインク収納部分337〜339は、これら
にインクを注入し、インク漏れ等の不具合を確認した
後、間違いなく、各色の定位置に配置することが可能と
なった。

特に、インク取出し口部材342〜344の角形フランジ部
342a〜344aの形状が異なるため、色毎の判別が容易にな
る。また、色毎の段差347aを設けたので、誤挿入を容易
に検知することができ、誤挿入を確実に無くすことが可
能となった。また、各インク取出し口部材342〜344の色
調を各注入インク色と同調させておけば、更に判別が容
易になり、インク漏れのおそれのない高い信頼性を有
し、しかも、生産性の高いインクカートリッジが提供さ
れる。

第20図は本発明に係るインクジェット記録装置に用い
られるインクカートリッジの第19図と同方向の断面図で
ある。

本実施例は、特にインク取出し口部材の形状を変更し
たものであり、前記実施例と同様の部分は説明を省略す
る。

同図において、容器348の底部には突起部348aが設け
られており、最下段に位置するインク取出し口部材349
の下面に設けられた穴部349aと嵌合している。また、該
インク取出し口部材349の上面には、例えば、２箇の突
起部349b、349cが設けられており、別の色のインク取出
し口部材350の下面に設けられた２箇の穴部350a、350b
と嵌合している。

さらに、該インク取出し口部材350の上面には、下面
の嵌合部とは異なった幅方向位置に突起部350c、350dが
設けられており、更に別の色のインク取立し口部材351
の下面に設けられた２箇の穴部351a、351bと嵌合してい
る。

このように突起部348a、349b、349c、350c、350dと穴
部（または溝部）349a、350a、350b、351a、351bの位置
関係により、嵌合の可、不可が規制され、正しい装着位
置を容易に判断でき、誤挿入が無いように構成されてい
る。

以上説明したように本実施例によれば、各色のインク
収納部分が部分的異形状部材より構成されているので、
インク収納部分へのインク注入後、漏れ検査を容易かつ
確実に行なうことができ、また、インク注入後に容器へ
装着する際の判別を容易に行なうことができ、各色のイ
ンク収納部分を誤った位置へ挿入することによる誤配置
を無くすことが可能となった。

こうして、組み付けおよび取り扱いを容易かつ正確に
行なうことができ、インクジェット記録装置の信頼性お
よび生産性を大幅に向上させ得るインクカートリッジが
提供された。

なお、本発明は、インクジェット記録方式であれば、
例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いたもの
に適用できるが、中でも、キヤノン株式会社によって提
唱されているバブルジェット方式のインクジェット記録
ヘッドやインクジェット記録装置において優れた効果を
もたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密
度化、高精細化が達成できるからである。その代表的な
構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号
明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的
な原理を用いて行なうのが好ましい。

この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス
型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド
型の場合には、液体（インク）が保持されているシート
や液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録
情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与
える少なくとも一つの駆動信号を印加することによっ
て、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘ
ッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号
に一対一対応し液体（インク）内の気泡を形成出来るの
で有効である。

この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体
（インク）を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液
体（インク）の吐出が達成でき、より好ましい。このパ
ルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明
細書、同第4345262号明細書に記載されているようなも
のが適している。

尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特
許第4313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、更に優れた記録を行なうことができる。

記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成（直線状液流路又は直角液流路）の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。

加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリ
ットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開
昭59年第123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収す
る開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59年
第138461号公報に基づいて構成としても本発明は有効で
ある。

すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっ
ても、本発明によれば、記録を確実に効率よく行なうこ
とができるようになるからである。さらに、記録装置が
記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフ
ルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明は有効
に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記
録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成
や、一体的に形成された１個の記録ヘッドとしての構成
のいずれでもよい。

加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装
置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装
着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体か
らのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプ
の記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にイン
クタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッド
を用いた場合にも本発明は有効である。

また、本発明に記録装置の構成として設けられる。記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので好まし
いものである。

これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手
段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モードを行なうことも安定した記録を行
なうために有効である。

また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば、単色のインクに対応して１個のみが設け
られたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して複数個数設けられるものであってもよい。

すなわち、例えば、記録装置の記録モードとしては、
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによる
か、いずれでもよいが、異なる色の複色カラー又は、混
色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも
本発明は極めて有効である。

さらに加えて、以上説明した本発明実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化
するもの、あるいは、インクジェット方式では、インク
自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってイ
ンクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するも
のが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが
液状をなすものであればよい。

加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの
固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして
使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸発
防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるか
して、いずれにしても、熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化し、液状インクが吐出され
るものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能で
ある。

このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報
あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、
多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物とし
て保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するよ
うな形態としてもよい。本発明においては、上述した各
インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式
を実行するものである。

さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形
態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力
端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わせ
た複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ
装置の形態を採るもの等であってもよい。

以上詳述した通り、本実施例によれば、各々分離可能
なユニットを係止可能なインクカートリッジおよびイン
クジェット記録装置を提供することができる。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明に係る代表的
な第１発明（請求項１）によれば、吐出口よりインクを
吐出するインクジェット記録ヘッドを用いて被記録媒体
に記録を行うインクジェット記録装置において、前記被
記録媒体を搬送する搬送手段を備える搬送ユニットと、
インク収納部から供給されるインクを吐出して記録を行
う前記インクジェット記録ヘッドを装着するための装着
部を備える記録ユニットと、前記インクジェット記録ヘ
ッドの吐出口からインクを吐出する機能を回復させる回
復手段を備える回復ユニットと、を有し、前記記録ユニ
ットと前記搬送ユニットとが対向して形成される領域
が、前記搬送ユニットにより搬送される前記被記録媒体
に対して前記記録ユニットの前記インクジェット記録ヘ
ッドにより記録が実行される領域を有し、前記記録ユニ
ットと前記回復ユニットとが対向して形成される領域
が、前記記録ユニットの前記インクジェット記録ヘッド
に対して前記回復ユニットの前記回復手段による回復処
理が実行される領域を有するように、それぞれのユニッ
トを独立して分離可能に係止する構成としたので、 記録ユニットと搬送ユニットとが対向して形成される
領域においてインクジェット記録が実行されるように両
ユニットを分離可能に係止することから、記録ユニット
と搬送ユニットとを直接係止して両ユニットの相対位置
精度を高精度に得ることができ、それによって、両ユニ
ットが対向して形成される領域で記録ヘッドと被記録媒
体との間の間隔を容易に精度良く得ることができ、該領
域で実行されるインクジェット記録を高品位のものにす
ることができ、 また、記録ユニットと回復ユニットとが対向して形成
される領域において回復処理が実行されるように両ユニ
ットを分離可能に係止することから、記録ユニットと回
復ユニットとを直接係止して両ユニットの相対位置精度
を高精度に得ることができ、それによって、両ユニット
が対向して形成される領域で適切な回復処理を行うため
に重要な記録ヘッドと回復手段（キャップ等）との間の
間隔を容易に精度良く得ることができ、例えばキャップ
で記録ヘッドをキャッピングする際の良好な圧接力が得
られ、該領域で実行される記録ヘッドの回復処理を容易
に正確にかつ確実に実行することができ、 さらに、製造される各ユニットごとに検査および交換
を容易に行うことが可能となり、生産性および信頼性が
高く、取扱性および経済性に優れたインクジェット記録
装置が得られる。

本発明に係る代表的な第２発明（請求項11）によれ
ば、吐出口よりインクを吐出するインクジェット記録ヘ
ッドを用いて被記録媒体に記録を行うインクジェット記
録装置の組み立て方法において、前記被記録媒体を搬送
する搬送手段を備える搬送ユニットと、インク収納部か
ら供給されるインクを吐出して記録を行う前記インクジ
ェット記録ヘッドを装着するための装着部を備える記録
ユニットと、前記インクジェット記録ヘッドの吐出口か
らインクを吐出する機能を回復させる回復手段を備える
回復ユニットと、を用い、前記記録ユニットと前記搬送
ユニットとが対向して形成される領域が、前記搬送ユニ
ットにより搬送される前記被記録媒体に対して前記記録
ユニットの前記インクジェット記録ヘッドにより記録が
実行される領域を有し、前記記録ユニットと前記回復ユ
ニットとが対向して形成される領域が、前記記録ユニッ
トの前記インクジェット記録ヘッドに対して前記回復ユ
ニットの前記回復手段による回復処理が実行される領域
を有するように、それぞれのユニット独立して分離可能
に係止する構成としたので、 記録ユニットと搬送ユニットとが対向して形成される
領域においてインクジェット記録が実行されるように両
ユニットを分離可能に係止することから、記録ユニット
と搬送ユニットとを直接係止して両ユニットの相対位置
精度を高精度に得ることができ、それによって、両ユニ
ットが対向して形成される領域でインクジェット記録ヘ
ッドと被記録媒体との間の間隔を容易に精度良く得るこ
とができ、該領域で実行されるインクジェット記録を高
品位のものちすることができ、 また、記録ユニットと回復ユニットとが対向して形成
される領域において回復処理が実行されるように両ユニ
ットを分離可能に係止することから、記録ユニットと回
復ユニットとを直接係止して両ユニットの相対位置精度
を高精度に得ることができ、それによって、両ユニット
が対向して形成される領域で適切な回復処理を行うため
に重要な記録ヘッドと回復手段（キャップ等）との間の
間隔を容易に精度良く得ることができ、例えばキャップ
で記録ヘッドをキャッピングする際の良好な圧接力が得
られ、該領域で実行される記録ヘッドの回復処理を容易
に正確にかつ確実に実行することができ、 さらに、製造される各ユニットごとに検査および交換
を容易に行うことが可能となり、生産性および信頼性が
高く、取扱性および経済性に優れたインクジェット記録
装置の組み立て方法が得られる。

本発明に係る代表的な第３発明（請求項12）によれ
ば、被記録媒体を搬送するための搬送手段と該搬送手段
を駆動するための駆動源とを備える搬送ユニットと、記
録ヘッドを搭載し前記被記録媒体に対して走査を行うた
めのキャリッジと該キャリッジを走査させるための駆動
源とを備えるキャリッジユニットと、キャップとチュー
ブとを備える回復ユニットと、前記キャリッジユニット
と前記回復ユニットとを連通するインク路と、を具備す
るインクジェット記録装置において、前記キャリッジユ
ニットに前記搬送ユニットと前記回復ユニットとをそれ
ぞれ独立に分離可能に係止し、かつ前記インク供給路を
ユニット内で遮断できる構成としたので、 記録ヘッドを搭載したキャリッジユニットに搬送ユニ
ットと回復ユニットとをそれぞれ独立に係止することか
ら、キャリッジユニットと搬送ユニットとを直接係止し
て両ユニットの相対位置精度を高精度に得ることがで
き、それによって、両ユニットが対向して形成される領
域で記録ヘッドと被記録媒体との間の間隔を容易に精度
良く得ることができ、該領域で実行されるインクジェッ
ト記録を高品位のものにすることができ、また、キャリ
ッジユニットと回復ユニットとを直接係止して両ユニッ
トの相対位置精度を高精度に得ることができ、それによ
って、両ユニットが対向して形成される領域で適切な回
復処理を行うために重要な記録ヘッドとキャップとの間
の間隔を容易に精度良く得ることができ、記録ヘッドを
キャッピングする際の良好な圧接力が得られ、該領域で
実行される記録ヘッドの回復処理を容易に正確にかつ確
実に実行することができ、 さらに、インク供給路をユニット内で遮断できるよう
に構成することから、記録ヘッドへのインク供給後に各
ユニットを分解した場合にもインクの漏出がなく、メイ
ンテナンス性を大幅に向上させることができ、 加えて、記録密度が異なる等仕様の異なる記録ヘッド
を搭載したキャリッジユニットに交換することも可能と
なり、記録装置の仕様拡張を容易に行うことができるイ
ンクジェット記録装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるインクジェット記録装
置の斜視図、第２図は第１図中の搬送ユニットの斜視
図、第３図は本発明の実施例による係止構造を示す模式
的部分側面図、第４図は本発明の他の実施例による係止
構造の一方を示す模式的斜視図、第５図は第４図の係止
構造の係止状態を示す模式的断面図、第６図は第１図中
の記録ユニットの斜視図、第７図は第１図中の回復ユニ
ットの斜視図、第８図は第１図中の記録ユニットと回復
ユニットの結合状態を示す斜視図、第９図は本発明の実
施例による記録ヘッドと被記録面との距離を一定に保つ
手段を有する搬送ユニットの側断面図、第10図は本発明
の実施例によるインク路の封止構造を示す部分断面図、
第11図は第10図の封止構造の配置を示す斜視図、第12図
は本発明の他の実施例によるインク路の封止構造を示す
部分斜視図、第13図は第12図の封止構造の配置を示す斜
視図、第14図は本発明のさらに他の実施例によるインク
路の結合構造を示す断面図、第15図は本発明の実施例に
よるインクカートリッジの分解斜視図、第16図は第15図
中のせんXVI−XVIに沿った断面図、第17図は第15図中の
線XVII−XVIIに沿って他の構造例を示す断面図、第18図
は本発明の他の実施例によるインクカートリッジの分解
斜視図、第19図は第18図中の線XIX−XIXに沿った断面
図、第20図は第18図中の線XIX−XIXに沿った部分の他の
構造例を示す断面図、第21図は従来のインクジェット記
録装置の一例を示す斜視図である。 以下に、図面中の主要な構成部分を表す符号を列挙す
る。 24……シャーシ、26……被記録媒体、27……搬送ロー
ラ、34……ガイド板、36……当接ローラ、37、38……排
出ローラ、39〜42……記録ヘッド、43……キャリッジ、
46……モータ、54……ジョイント、55……針、56……回
復装置、57〜60……キャップ、61、62……インクカート
リッジ、64……ジョイント、65……出口、Ａ、Aa……搬
送ユニット、Ｂ……キャリッジユニット、Ｃ……回復ユ
ニット、Ｄ……本体ユニット、246……容器、247〜49…
…インク収納部分、251……可撓性インク収納部、252…
…インク取出し口部材、252a……角形フランジ部、25
3、254……蓋部材、324……カラー用インクカートリッ
ジ、336……容器、337〜339……インク収納部分、342〜
344……インク取出し口部材、342a〜344a……角形フラ
ンジ部、347……スロット部、347a……段差、348……容
器、348a、349b、349c、350c、350d……突起部、349、3
50、351……インク取出し口部材、349a、350a、350b、3
51a、351b……穴部。

フロントページの続き (72)発明者 野島 隆司 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−9767（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−202546（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−196379（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−212554（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−7944（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−178060（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−12026（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−145071（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−149468（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−80653（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−75943（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−172658（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−125553（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41J 2/01 B41J 2/175 B41J 13/00 B41J 29/00

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】吐出口よりインクを吐出するインクジェッ
   ト記録ヘッドを用いて被記録媒体に記録を行うインクジ
   ェット記録装置において、 前記被記録媒体を搬送する搬送手段を備える搬送ユニッ
   トと、 インク収納部から供給されるインクを吐出して記録を行
   う前記インクジェット記録ヘッドを装着するための装着
   部を備える記録ユニットと、 前記インクジェット記録ヘッドの吐出口からインクを吐
   出する機能を回復させる回復手段を備える回復ユニット
   と、 を有し、 前記記録ユニットと前記搬送ユニットとが対向して形成
   される領域が、前記搬送ユニットにより搬送される前記
   被記録媒体に対して前記記録ユニットの前記インクジェ
   ット記録ヘッドにより記録が実行される領域を有し、 前記記録ユニットと前記回復ユニットとが対向して形成
   される領域が、前記記録ユニットの前記インクジェット
   記録ヘッドに対して前記回復ユニットの前記回復手段に
   よる回復処理が実行される領域を有するように、 それぞれのユニットを独立して分離可能に係止すること
   を特徴とするインクジェット記録装置。
2. 【請求項２】前記記録ユニットと前記搬送ユニットとが
   互いに対向する部位には、前記被記録媒体に記録を行う
   際に前記インクジェット記録ヘッドと前記被記録媒体の
   被記録面との間隔を所定距離に維持するための手段が配
   されていることを特徴とする請求項１に記載のインクジ
   ェット記録装置。
3. 【請求項３】前記手段は、前記被記録媒体の厚さに応じ
   て揺動可能なガイド板を有し、前記ガイド板の揺動に応
   じて前記記録ヘッドを前記被記録面に接近又は離間する
   方向に揺動させることで、前記記録ヘッドの吐出口と前
   記被記録媒体の被記録面との間隔を所定距離に維持する
   ことを特徴とする請求項２に記載のインクジェット記録
   装置。
4. 【請求項４】前記搬送ユニットと前記記録ユニットと前
   記回復ユニットとは、各々のユニットに設けられた穴部
   をねじ部材で係止することにより分離可能に係止される
   ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載のイ
   ンクジェット記録装置。
5. 【請求項５】前記搬送ユニットと前記記録ユニットと前
   記回復ユニットとは、各々のユニット間で突起部と前記
   突起部に係合する係合部とを係止することにより分離可
   能に係止されていることを特徴とする請求項１乃至４の
   いずれかに記載のインクジェット記録装置。
6. 【請求項６】前記搬送ユニットは、供給ローラと、搬送
   ローラと、紙ガイドと、を備えていることを特徴とする
   請求項１乃至５のいずれかに記載のインクジェット記録
   装置。
7. 【請求項７】前記搬送ユニットは、カセットと、供給ロ
   ーラと、搬送ローラと、手差し用の載置台と、紙ガイド
   と、を備えていることを特徴とする請求項１乃至５のい
   ずれかに記載のインクジェット記録装置。
8. 【請求項８】前記記録ユニットは、キャリッジと、該キ
   ャリッジを往復動させるベルトと、該ベルトを駆動させ
   るためのモーターと、を備えていることを特徴とする請
   求項１乃至７のいずれかに記載のインクジェット記録装
   置。
9. 【請求項９】前記回復ユニットは、キャップとチューブ
   とを備えていることを特徴とする請求項１乃至８のいず
   れかに記載のインクジェット記録装置。
10. 【請求項１０】前記記録ヘッドは、熱エネルギーを発生
    する電気熱変換体を備えており、該熱エネルギーを利用
    してインクを吐出するものであることを特徴とする請求
    項１乃至９のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
11. 【請求項１１】吐出口よりインクを吐出するインクジェ
    ット記録ヘッドを用いて被記録媒体に記録を行うインク
    ジェット記録装置の組み立て方法において、 前記被記録媒体を搬送する搬送手段を備える搬送ユニッ
    トと、インク収納部から供給されるインクを吐出して記
    録を行う前記インクジェット記録ヘッドを装着するため
    の装着部を備える記録ユニットと、前記インクジェット
    記録ヘッドの吐出口からインクを吐出する機能を回復さ
    せる回復手段を備える回復ユニットと、を用い、 前記記録ユニットと前記搬送ユニットとが対向して形成
    される領域が、前記搬送ユニットにより搬送される前記
    被記録媒体に対して前記記録ユニットの前記インクジェ
    ット記録ヘッドにより記録が実行される領域を有し、 前記記録ユニットと前記回復ユニットとが対向して形成
    される領域が、前記記録ユニットの前記インクジェット
    記録ヘッドに対して前記回復ユニットの前記回復手段に
    よる回復処理が実行される領域を有するように、 それぞれのユニットを独立して分離可能に係止すること
    を特徴とするインクジェット記録装置の組み立て方法。
12. 【請求項１２】被記録媒体を搬送するための搬送手段と
    該搬送手段を駆動するための駆動源とを備える搬送ユニ
    ットと、記録ヘッドを搭載し前記被記録媒体に対して走
    査を行うためのキャリッジと該キャリッジを走査させる
    ための駆動源とを備えるキャリッジユニットと、キャッ
    プとチューブとを備える回復ユニットと、前記キャリッ
    ジユニットと前記回復ユニットとを連通するインク路
    と、を具備するインクジェット記録装置において、 前記キャリッジユニットに前記搬送ユニットと前記回復
    ユニットとをそれぞれ独立に分離可能に係止し、かつ前
    記インク供給路をユニット内で遮断できることを特徴と
    するインクジェット記録装置。