JP2626805B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2626805B2 JP63253458A JP25345888A JP2626805B2 JP 2626805 B2 JP2626805 B2 JP 2626805B2 JP 63253458 A JP63253458 A JP 63253458A JP 25345888 A JP25345888 A JP 25345888A JP 2626805 B2 JP2626805 B2 JP 2626805B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインクジェット記録装置におけるインクの吐
出回復装置に関し、特に、記録ヘッドの吐出口面のクリ
ーニング手段を備えたインク回復装置に関する。
〔従来の技術〕
インクジェット記録装置においては、記録ヘッドへの
空気の混入や記録ヘッドのオリフィス周囲(インクを吐
出する開口近傍)に紙粉やほこりあるいは増粘インクの
付着の他に、オリフィス周囲へのインク溜まり等により
インクの不吐出や吐出方向のずれ等の吐出不良が生じる
ことがあった。
そこで、これらの吐出不良の原因となる異物を除去す
るための手段を設ける等の解決策が講じられてきた。
インクジェット記録装置において、インク溶剤の蒸発
によるインク増粘、あるいはごみの付着や気泡発生など
でインク吐出口が目詰まりすることを防止するものとし
ては、例えば米国特許4045802や米国特許4600931に記載
されているような、記録ヘッドのインク吐出口面をキャ
ップで覆い、外気と遮断して吐出口を良好な状態に保つ
構成や、ポンプ等によりインクを排出させる吐出回復装
置を設ける構成がある。
このようなキャップ動作および吐出回復動作は、通常
キャリッジがホームポジションにあるとき行われる。
また、吐出口付近のインクやごみを除去する構成とし
ては、まず米国特許4112435、米国特許4364065あるいは
特開昭5−94472に記載されているように、クリーニン
グ手段として、ゴム等から成る可撓性のブレードで記録
ヘッド前面(吐出口周囲)を拭き払う構成(以下先行例
1という)のものがある。
クリーニング手段としては、他にも例えば米国特許43
06245に記載されているようにブラシとインク吸収体と
を吐出口周囲において摺動させる構成のもの(以下先行
例2という)がある。更には、特開昭59−83664号公報
に記載されているように、水を含ませたスポンジでまず
吐出口周囲を濡らし、その後にブレードで拭き払う構成
のもの(以下先行例3という)がある。
〔発明が解決しようとする技術課題〕
しかしながら、上述した先行例1〜3による技術で
は、場合によっては、インクの吐出不良の回復が十分に
なされず、改善される必要性があることが本発明者らに
よる数多くの実験によって判明した。
先行例1の場合には、吸引等による吐出回復操作によ
り、吐出口周囲に付着したインク滴や、装置内の湿度の
上昇により生じる吐出口周囲への結露等、比較的粘度の
低い液滴については除去可能である。しかし、長時間記
録を休止又は停止していた後、記録を再開しようとする
と、吐出回復装置により不吐出の発生はなくなるが、イ
ンクの飛翔方向がずれて、記録媒体表面の正確な位置に
インク滴を付着させることができず、画像が乱れること
があった。
また、先行例の場合には、ホームポジションにおいて
くり返しクリーニングを行うため、吸収体の耐久性を起
因とする表面の汚れ、けば立ちなどによって吐出口周囲
に異物が付着しインクの吐出不良を招くことがあつた。
先行例3においては、スポンジが水分を保持している
ために装着内の湿度の上昇を促進してしまい、吐出口周
囲への結露による水滴の付着総量が増大し、ブレードに
よる拭き払い動作が増え、根本的な改善になっていなか
った。
そこで本発明者らは更なる実験として記録ヘッドの吐
出口周囲を観察しながらあらゆる条件での記録試験を行
い、インクの吐出不良が発生する原因を深く追求した。
その結果、記録ヘッドの吐出口面の様子を示す第2図
の(a)〜(d)に示すように吐出口OFの周囲に付着し
たインクの状態が変化することに起因するものであるこ
とが判明した。第2図の(a)、(b)のようにインク
が結露同様液滴IDとして記録ヘッド5の吐出口OFの周囲
に付着し乾燥すると、第2図の(c)、(d)のように
吐出口OFの周囲に極めて薄い膜状態IDが生じる。
このようなインクの皮膜IDは、記録が行われない状態
が長く続いた場合に多く発生した。従来、このような長
時間の記録休止状態を経て記録を再開した場合に吐出不
良が生じることはわかっていたが、その原因はインクの
粘度増加又は空気の混入によるものとされてきた。確か
に不吐出の原因の大部分はインクの粘度増加による目詰
まり及び空気の混入であるが、インクの吐出方向のずれ
の原因が上述したようなインクの皮膜によるものである
ことは気づいていなかった。
更にこのような皮膜は吐出口面の撥インク性を低下さ
せ、インク滴が付着しやすい状態をも生じさせていた。
本発明者らは上記した事実に鑑み、最も効果的に吐出
不良の原因を取り除き、良好な記録画像が得られるイン
クジェット記録装置の構成とは何かを数多くの実験を繰
り返し行い検討した。
その結果、インクジェット記録装置の吐出口(オリフ
ィス)面のクリーニング手段としては、拭き取り効果や
クリーニング手段の耐久性の問題から、前記可撓性のブ
レードで吐出口(オリフィス)部のインク滴やインク溜
まりおよび結露を除去することがやはり好ましいことも
判明した。
特に、記録媒体に記録画像として付着したインクの定
着を促進するために加熱定着用ヒーターを設けた装置に
おいては、インク水分の蒸発による結露が発生する確率
が高くなり、ブレートの役目は非常に大きい。
しかし、インク滴、インク溜まりが長時間付着して吐
出口周囲に極く薄い皮膜等を形成すると、一見インク溜
まりがなくなっても皮膜によって吐出方向が不安定にな
るのに加え、吐出口面の撥インク性が低下し、インク溜
まりが生じやすくなり、吐出ヨレが生じやすくなる。
このようなインクの皮膜は前述したようにブレードに
よるクリーニングでは十分に除去できないものであっ
た。
本発明は上記技術的課題に鑑みなされたものである。
本発明の目的は吐出口近傍に付着したインク滴、水滴、
ゴミ等を除去するとともに付着したインクによる皮膜を
除去することができるインクジェット記録装置を提供す
ることである。
本発明の他の目的は吐出口をクリーニングする部材の
劣化により、インクの吐出不良が生じ易くなることを防
止できるインクジェット記録装置を提供することであ
る。
本発明のさらに他の目的は吐出口近傍に付着する異物
の状態に応じて、最適なクリーニングを行い吐出不良を
防止できるインクジェット記録装置を提供することであ
る。
本発明のさらに他の目的は擦り部材による皮膜除去効
果を良好に保ことができるインクジェット記録装置を提
供することである。
本発明のさらに他の目的は、クリーニング部材の交換
時期を容易に知る得るインクジェット記録装置を提供す
ることである。
〔課題解決のための手段〕
本発明は、インクジェット記録装置の吐出口近傍のク
リーニング方法において、ブレードにより前記吐出口近
傍とある接触面をもって該吐出口近傍を拭くクリーニン
グト、擦り手段により前記接触面より大きな接触面をも
って前記吐出口近傍を擦るクリーニングと、を独立させ
て行うことを特徴とするクリーニング方法により、上記
目的を達成するものである。
上記クリーニング方法をインクジェット記録装置で実
施するよう構成すれば、インクの状態に応じたクリーニ
ングを行い、インクの吐出不良を防止することができる
インクジェット記録装置が得られる。
他の本発明は、インクを吐出するための吐出口を有す
る記録ヘッドと、前記吐出口近傍とある接触面をもって
該吐出口近傍を拭くためのブレード手段と、前記接触面
より大きな接触面をもって該吐出口の近傍を擦るための
擦り手段と、前記ブレードによる拭き動作と前記擦り手
段による擦り動作とを独立して駆動するための制御手段
と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置
により、上記目的を達成するものである。
さらに、他の本発明は、インクを吐出するための吐出
口を有する記録ヘッドを記録媒体に対して走査するキャ
リッジと、前記記録媒体を加熱する加熱手段とを有する
インクジェット記録装置において、記録領域外に設けら
れ記録動作中所定のシーケンスに基づいて前記吐出口の
近傍を拭くためのブレート手段と、記録領域外であって
前記記録ヘッドに接触可能な位置に設けられた前記ブレ
ード手段とは異なる擦り手段と、前記キャリッジを前記
擦り手段に接触可能な位置近傍に移動させるための駆動
手段とを備え、該駆動手段は所定の信号が入力された場
合前記擦り手段により前記吐出口近傍をクリーニングす
る命令を発生することを特徴とするインクジェット記録
装置により、上記目的を達成するものである。
さらに他の本発明は、記録ヘッドのインクを吐出する
吐出口近傍をクリーニングするためのクリーニング部材
を有するインクジェット記録装置に着脱自在に装着さ
れ、前記ヘッドに供給するインクを収容するためのイン
クカートリッジにおいて、前記クリーニング部材と前記
カートリッジとを連結する手段を有することを特徴とす
るインクカートリッジにより、上記目的を達成するもの
である。
上記構成によれば、クリーニング部材等の交換可能な
部材をインクカートリッジに連結するので、インクジェ
ット記録装置の保守作業を簡素化することができる。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明を具体的に説明するが、本
発明は以下に述べる各実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に含まれる構成であれば種々の構造
を含むものである。
第1の実施例: 第1図の(a)、(b)、(c)は本発明によるイン
クジェット記録装置の要部を示す模式的な平面図であ
る。
第1図の(a)において、プラテン1にバックアップ
された記録媒体としての用紙2の前方にガイドシャフト
3が設置され、該ガイドシャフトに沿って移動するキャ
リッジ4上にインクジェット記録ヘッド5が搭載されて
いる。
記録後の用紙2の排出経路には定着用の例えばヒータ
等の加熱手段1Aが設けられている。
ここでは、インクの吐出に利用されるエネルギーを発
生するエネルギー発生手段として不図示の電気熱変換体
が記録ヘッド5に設けられており、インクに熱エネルギ
ーを作用させることによりインクを吐出させる。このよ
うな記録ヘッド5は数多くの長所を持つ為、好ましく使
用されるが、他にもピエゾ素子等を用いたものであって
もよい。また記録ヘッド5としてはインクを収容するイ
ンクタンクを一体的に有する構成であっても良いし、記
録媒体2の巾方向に吐出口が多数配されたフルラインタ
イプのヘッドであっても良い。
上述した記録ヘッド5の吐出口面は例えば撥インク液
性の表面処理が行われている。
キャリッジ4のホームポジションHPには記録ヘッド5
の吐出回復装置(図示の例はポンプ吸引式)6が設けら
れている。
第3図は前記吐出回復装置6の斜視図であり、第4図
は第3図の正面図であり、第5図は第3図の側面図であ
る。
第1図および第3図〜第5図において、この吐出回復
装置6は、記録ヘッド5に対し進退駆動されかつ前進位
置で記録ヘッド前面(オリフィス面)を覆うキャップ30
を有するキャッピング手段7と、該キャッピング手段7
を通してオリフィス(インク吐出口)からインクを吸引
するポンプ9とを備えている。
この回復装置6の動作は、不図示のキースイッチの入
力により行われる。
吐出回復装置6の側部には、記録ヘッド5の吐出口近
傍(例えば吐出口面)を拭き払うための可撓性のブレー
ド10が装着されている。
本発明におけるブレードとは、吐出口面に対し、実質
的な線接触つまり接触面積CAが第1図の(b)に示すよ
うに小さいものをいい、擦り手段11とは接触面積CAが第
1図の(c)に示すように大きいものをいう。
また、キャッピング手段7の側部には、第1図および
第3図に示すごとく、該キャッピング手段とともに一体
的に前進後退する擦り機構11が設けられている。
この擦り機構11は、記録ヘッド5の吐出口近傍(例え
ば吐出口面)を擦る手段で前述のブレード10よりも吐出
口面に対する接触面の大きなものである。記録ヘッド5
がキャリッジ4の駆動制御によりホームポジションHPか
ら外れ、第1図の(a)中で鎖線で示す位置に来たとき
キャッピング手段7とともに前進駆動して第1図の
(c)のように擦り部材11cをオリフィス部に当接さ
せ、キャリッジ4を一定距離移動させることにより該擦
り部材11cでオリフィス面を擦るよう構成されている。
こうして、擦り機構11の擦り動作をキャップ動作とキ
ャリッジ動作で行うよう構成されている。
第6図は第3図中の駆動機構を成すウォームホイール
部分の模式的立面図である。
第3図〜第6図において、フレーム15にはポンプ9が
取付けられ、該ポンプ9のピストン9A(第6図)にはウ
ォームホイール12が乗る形となり、ウォームホイール12
と一体のウォームホイール軸12Aはフタ16によって支承
されている。
ウォームホイール14と一体のウォーム14A(第6図)
が回転駆動されると、該ウォーム14Aに噛合った前記ウ
ォームホイール12が回転する。
この場合、ウォームホイール12にはウォームホイール
カム13が形成されており、ウォームホイール12が回転す
るとウォームホイールカム13が固定カム13A(第6図)
に衝当し、該ウォームホイール12が下方へ移動させら
れ、ポンプ9のピストン9Aが押し下げられる。
ポンプ9はこのピストン9Aの押し下げによって駆動さ
れ、外気の圧力により低い負圧吸引力を発生する。
ピストン9Aの復帰(ポンプ9の作用休止)はポンプ9
内の不図示のばね(戻しばね)等によって行われる。
前記キャッピング手段7の記録ヘッド5への前後進
は、ウォームホイールカム13の内面カム(図示しない他
のカム面)とキャッピング手段との係合によって行われ
る。
前述したようにキャッピング手段の前面にはオリフィ
ス面に密閉圧接するための例えばsilicone、塩化ブチル
等から成るキャップ30が設けられている。
前記ブレード10は、カム13の回転でキャップ手段7が
開放状態になった時に一定量前進するよう、カム13の正
逆回転、ブレードストップレバーおよびキャリッジ動作
の組合わせ等により制御される。これとは別に前進位置
に固定されていてもよい。
第7図は前記擦り機構11の組付け状態を示す部分平面
図である。
第7図において、擦り機構11は、キャッピング手段7
と一体のベース部材7Aにブロック11Bを前後方向移動可
能に軸支し、該ブロック11Bに板状等の多孔質材をU字
状に挟んで成る擦り部材11Cを取付け、該ブロック11Bと
前記ベース部材7Aとの間に装着した圧縮ばね11Aによっ
て前記擦り部材11Cを記録ヘッド側へ曲面部を一定量突
き出すように組付けて構成されている。
前記ブロック11Bのベース部材7Aからの抜け止めは止
め輪11Dによって行われている。
前記擦り部材11Cを形成するものとして多孔質材が好
ましく用いられ、特に例えばポリビニルホルマール、ポ
リプロピレン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール
(PVA)ポリエチレン(PE)等からなる多少軟らか目の
連泡組織で吸水性を有するものがより好ましく採用され
るが、擦り部材として不織布等も使用可能である。
第8図は上記擦り機構11による記録ヘッド5のオリフ
ィス部の擦り操作を行う際の動作手順のフローチャート
である。
第8図において、まずステップF1で記録ヘッド5をホ
ームポジションHPへ移動させ、キャッピング手段7をそ
のままあるいは一旦閉じ状態にした後開き状態にする
(ステップF2)。
次にステップF3において、キャッピング手段7開の状
態でキャリッジ4を第1図の(a)中の右方向へ一定量
移動させ、擦り部材11Cが記録ヘッド5のオリフィス部
に当接しうる位置にセットする。
次いで、ステップF4でキャップ手段7を閉じ位置に相
当するところまで前進させて多孔質体の擦り部材11Cを
オリフィス部に対しばね11Aで圧接させて当接させる。
次いでステップF5で、上記擦り部材11Cを圧接させた
状態でキャリッジ4をさらに第1図の(a)中の右方向
へ移動させ、擦り部材11Cでオリフィス面を擦りながら
滑らせていく。これによって、オリフィス面でのインク
溜まりの乾燥等により生じる極く薄い付着皮膜等が除去
される。
こうして、インクの皮膜を除去することにより、オリ
フィス面の濡れ性を一定に維持することができ、安定し
たインク吐出を実現することができる。
オリフィス面を擦った後、ステップF6でキャッピング
手段7を後退させ、ステップF7で記録ヘッド5をホーム
ポジションHPへ戻す。
また、インクの吐出回復装置6は種々の回復機能を持
っている。
すなわち、吐出回復装置は6は、インク供給系、記録
ヘッド5および記録ヘッドとインクを収容するメインタ
ンクとの間に設けられたサブタンクへのインク充填及び
増粘インクや気泡の排出を行う吐出回復、インク供給系
のサブタンクからのインクをキャップに導く3方弁機構
20(第5図)や通気機構21(第5図)等による増粘イン
クや固着インクを溶解する回復など、各種の回復機能を
持っている。
これらの各種回復機能及びブレードによるクリーニン
グ、擦り手段によるクリーニングを適宜組合わせること
により、各種の使用条件に対応して常に安定したインク
吐出が容易かつ確実に得られるよう制御系が構成され
る。
以下に上述した擦り動作を含む回復動作を詳細に説明
する。
第9図は回復動作のシーケンス制御動作を示すフロー
チャートである。
まず、ステップS1にてインクジェット記録装置に電源
が投入されるとポンプ9が駆動され、吐出口よりキャッ
プ30を介してインクが吸引されて吐出口の目詰まり解
除、気泡の排出等が行われる(ステップS2)。
次にステップS3にてキャッピングが解除され、上述し
た擦り動作を行った後、ホームポジションにて再度キャ
ッピングされ記録動作にそなえる(ステップS4)。ステ
ップS5にて、記録信号の入力等により記録命令がくる
と、キャッピングが解除され記録が行われる(ステップ
S6)。
記録が開始され所定時間(例えば10秒〜20秒)経ると
(ステップS7)、記録が中断され記録ヘッドはホームポ
ジションHPに向けて移動する。この時ブレード10が記録
ヘッド5の吐出口面に向けて前進する。この前進したブ
レード10に対して記録ヘッド5が記録領域側からホーム
ポジション側への移動することによって、吐出口面がワ
イピングされる(ステップS8)。
その後ホームポジションHPにてキャップ30内にインク
の予備吐出を行い(ステップS9)、記録領域に記録ヘッ
ド5が移動し続けて記録を再開する。
インクジェット記録装置では、記録動作中は吐出イン
クや定着用ヒータによる記録媒体の加熱によって内部湿
度が上昇し、吐出口面にインク滴や結露による水滴等が
付着しやすく、所定時間毎にブレードによって吐出口面
をクリーニングすることが望ましい、しかし、吐出口面
の乾燥によるインク皮膜は記録動作中は発生しにくく主
に長時間の記録休止中に発生する。
従って、擦り手段11による吐出口面のクリーニング
は、ブレード10によるクリーニングとは独立し所定の入
力信号に基づいて行う。つまりパワーオン時等の長時間
の記録休止の後にのみ擦り手段11によるクリーニングを
行うことにより、該擦り手段の劣化を防ぐとともに除去
すべき対象(インク滴、インク皮膜)に応じた効率的な
不良吐出解除を行うことができる。
擦り手段11によるクリーニングのタイミングは、他に
も例えば、パワーオン時の自動回復では記録ヘッド5の
オリフィス面の前述の擦り機能を省略し、記録装置の開
梱時または長時間不使用後等の通常の回復とは異なる回
復動作を行うためのキースイッチの押圧等による信号に
応じて回復操作時には擦り手段によるクリーニングを行
うなど、擦り手段の機能を良好に保ち、回復操作時間を
必要最小限とし、インク消費量を最小に抑えるように各
種の制御シーケンスを構成することも可能である。
さらに、擦り機構11は、キャッピング手段7に対しば
ね支持でガタを有する構造になっており、記録ヘッド5
に当接するとばね変位によって後退し当たり面が適正に
なるよう構成されている。
キャッピング手段7や吸引ポンプ9等の回復機構及び
クリーニング手段の制御等は、カム(ウォームホイール
カム)13の位置をリミットスイッチ等の接点17(第5
図)で検出し、駆動パルスを設定してカム13の回転角を
制御することにより実行される。前述のオリフィス部の
擦り動作は回復シーケンスの中の一部であり、擦り部材
(多孔質材)11C(第1図の(c)、第7図)に対し記
録ヘッド5から予備吐出した後に擦り動作を行ったり、
ポンプ9による吸引動作の前または後のいずれかで擦り
動作を行うかなど、種々の組合わせが可能である。ま
た、図示の実施例では擦り手段11をキャップ手段7と連
動させたが、これは連動させずに個別に動作させる制御
で実施することもできる。
さらに、本発明は、キャリッジ4で記録ヘッド5を左
右に往復動させるシリアル式の記録装置に限定されるも
のでなく、ラインプリント式の記録装置においても実施
可能である。
第2実施例: 第10図はラインプリント式のインクジェット記録装置
のラインヘッドに対する擦り機構の要部を示す模式的斜
視図である。
第10図は、ソレノイド等の駆動源51および戻しばね52
で前後に切換えられるアーム53、53で長尺の回転ロール
式の擦り部材(多孔質材)54を使用して、ラインヘッド
(インクジェットヘッド)55の前面すなわちオリフィス
56が配列された面を擦るよう構成したインクジェット回
復装置を示す。
第10図の構造では多孔質材54を回転体にするので摩耗
を少なくすることができる。
第3の実施例: 第11図は、上下2本のワイヤー61、61間の垂直軸まわ
りで回転するロール式の擦り部材(多孔質体)62を取付
け、ワイヤー61、61をモータ等で左右に走行駆動するこ
とにより、擦り部材62をラインヘッド(不図示)の前面
のオリフィス部に当接させて滑らせていくよう構成した
擦り機構を示す。
第4の実施例: 第12図は本発明のさらに他の実施例の要部を示す平面
図である。
本実施例は、キャッピング手段7の基板7Aに軸支され
るブロック11Bに垂直のブロック軸11Eを設け、ロール状
の回転多孔質体の擦り部材11Cを該ブロック軸11Eに上か
ら落とし込むようにして回転可能にかつ交換可能に装着
するように構成した擦り手段11を備えたものである。
本実施例のその他の部分およびシーケンスは前述した
第1の実施例の場合と実質上同じである。
第5の実施例: 第13図は多孔質材の擦り部材11Cをキャッピング手段
7の前面に嵌着されるキャップゴム30と一体に形成した
擦り手段11の他の構造例を示す。
このキャップゴム30のキャップ部周辺には記録ヘッド
5のオリフィス部の周囲に密着するキャップクリップ部
30Aが形成されている。
第13図の例では、前記擦り部材11Cは図示のよにキャ
ップゴム30前面のキャップクリップ部30Aの側方に半円
筒状(カマボコ状)に突出する軟らかい多孔質材で形成
されている。
この第13図の滑り手段によれば、キャッピン手段7の
キャップばね7B(第5図、第13図)およびキャップゴム
30自体の弾性を利用して擦り部材11Cをオリフィス部に
所望の圧接力で当接させることができるので、第7図中
に示したばね11A、ブロック11Bおよび止め輪11D等から
成る擦り部材取付け機構を省略でき、擦り手段11の部品
点数の削減および構造の簡単化を図ることができた。
以上説明した第1〜第5の実施例によれば、ブレード
10の動作とは別にインク吐出回復装置6のキャッピング
手段7に連動して一連の回復シーケンスの一部として記
録ヘッド5のオリフィス面を擦る機構11を設け、該擦り
機構11の擦り動作およびキャリッジ動作を利用して行う
ので、簡単な制御回路および駆動系で、インク溜まりを
除去でき、更にはインク溜まりの乾燥等で生じるインク
の皮膜等も容易かつ確実に除去でき、記録ヘッドのオリ
フィス部の濡れ性を一定に保ち、安定したインク吐出を
実現することが可能になった。
また、インク回復動作中に、記録ヘッド5のオリフィ
ス部を擦り部材(多孔質体)11C、54、62で擦ることが
できるので、容易にオリフィス部の濡れ性(撥インク液
性)を常に一定に維持することができ、インクの着弾点
が不規則となる印字ヨレをなくすことが可能になった。
さらに、記録ヘッド5の擦り動作に伴って一連の回復
シーケンスが行われるので、特別な操作を必要としなく
なった。
第14図は擦り動作を行なうためのブロック図である。
また、上記とは別に第15図のブロック図に示すとおり
キャリッジ動作を利用せずに擦り動作を別の駆動系によ
り行うこともできる。
なお、本発明は以上説明したシーケンス以外の種々の
適当なシーケンスによっても実施することができる。
第6の実施例: 第16図は本発明の第6の実施例に係わるインクジェッ
ト記録装置の要部構成を示し、第17図は第16図の吐出回
復装置の斜視図であり、第18図は第17図の正面図であ
り、第19図は第17図の側面図である。
第16図〜第19図に示す第6の実施例に係わるインクジ
ェット記録装置の基本的な構成は前述の各実施例の場合
と同じであるが、再度説明すると、これらの図におい
て、1は円筒形の部材によって記録面を形成するプラテ
ン、2はプラテン1に巻付けられその記録位置をプラテ
ン1の回転によって移動する記録用紙である。
3はガイドシャフト、4はキャリッジ、5は記録ヘッ
ドをそれぞれ示し、キャリッジ4は不図示のモータの駆
動によりガイドシャフト3に沿って移動し、キャリッジ
4上に搭載された記録ヘッド5はこの移動に伴って記録
用紙2に画像を記録する。
HPはキャリッジ4のホームポジションを示し、ホーム
ポジションHPには、記録ヘッド5の吐出口面に対向する
ようにしてインク吐出回復装置6が配設されている。イ
ンク吐出回復装置6は、記録ヘッド5に対向して進退移
動可能で前進可能で記録ヘッド5の吐出口面を密閉する
キャッピング手段7と、不図示の吐出回復操作レバーで
駆動され、キャッピング手段7を介してインク吐出口か
らインクを吸引するポンプ9とによって構成されてい
る。
キャッピング手段7の側部、すなわち正面から見て右
側には記録ヘッド5のインク吐出口面を払拭するための
可撓のブレード10が設けられている。11はキャッピング
手段7の記録ヘッド5の対向する面の一部に配設された
擦り手段であり、キャッピング手段7の進退移動に伴っ
て移動する。
第20図は前記インク吐出回復装置6におけるポンプ駆
動機構の詳細を示す側面図である。
これら図において、15はインク吐出回復装置6の底板
をなすフレーム、9Aはポンプ9のピストン、12はウォー
ムホイール、12Aはウォームホイール軸、16は蓋をそれ
ぞれ示す。フレーム15の上にポンプ9が取付けられ、ま
た、ピストン9Aとウォームホイール12とは接続され、ウ
ォームホイール12A軸はフレーム15の一部をなす蓋16に
軸支されている。ウォームホイール12およびピストン9A
は一体でウォームホイール軸12Aに沿って上下移動可能
であり、ポンプ9内の不図示のばね等によって、図中上
方に付勢されている。
13はキャッピング手段7と係合するカム機構であり、
カム13は不図示のモータによって駆動される。これによ
りキャッピング手段7の進退移動が行われる。また、ブ
レード10はカム機構13のカムによって駆動され、その回
転を適切に制御することによってキャッピング手段7に
相対した位置が定められる。
第20図において、14Aはウォームであり、第17図およ
び第20図に示すウォームシャフト14を介して伝達される
駆動力をウォームホイール12に伝え、これによりウォー
ムホイール12は回転する。12Bはウォームホイール12に
取付けられたウォームホイールカムであり、13Aは蓋16
に固定された固定カムである。
ウォームホイール12の回転に伴うウォームホイールカ
ム12Bと固定カム13Aとの係合によってウォームホイール
12は付勢されて図中下方に移動する。これにより、ピス
トン9Aがポンプ9のシリンダー内で押圧作用を行うと共
に連通弁レバー20Aが押し下げられて連通弁20の適切な
開閉を行う。連通弁レバー20Aはウォームホイール12に
よる付勢を解かれると、ピストン9Aと同様ばね等の力に
よってその位置を元の位置に復元する。これら一連のピ
ストン9Aおよび連通レバー20Aの動作によって、キャッ
ピング手段7の第17図等に示されるキャップ開口部30を
インク吐出口面に密着させて行うノズル内およびインク
吐出口近傍の増粘インク等を吸引する吐出回復処理が行
われる。
第21図は擦り機構11の詳細を示す上面図であり、図に
おいて11Bはブロックを示し、ブロック11Bはキャッピン
グ手段7の所定の箇所に配設された軸に回動自在に取付
けられている。11Cはブロック11Bの形状に沿ってU字状
に挟み込むように取付けられた多孔質体である。この多
孔質体11Cはポリビニールホルマール、ポリプロピレ
ン、ポリウレタン、PVA、PE等の材料から成る軟らかな
連泡組織で形成されたものが好ましい。11Eは擦り手段1
1の本体をなすベース、11Aはベース11Eに取付けられブ
ロック11Bを所定量付勢するための板ばねである。
第22図は多孔質体11Cの保持部材の詳細を示す斜視図
である。ブロック11Bの2箇所にL字型の溝11Hが形成さ
れ、この溝に沿うようにしてU字状に多孔質体11Cが埋
設される。この結果、多孔質体11Cはブロック11Bの一部
で露出し、この露出部で記録ヘッド5の吐出口面を擦
る。ブロック11Bの多層質体11Cが露出した側と反対側に
は板ばね11Aが2箇所配設され、板ばね11Aは第19図に示
すベース11Eに当接される。また、だぼ11Fもベース11E
に配設された穴と摺動自在に係合しており、吐出口面を
擦る場合ブロック11Bは第6図に示す矢印G方向に板ば
ね11Aの付勢を受けながら動く。
ところで、クリーニング部材中でも擦り手段11の多孔
質体11Cの寿命はヘッドの寿命と比較してかなり短いの
で、寿命以上で使用すると多孔質の面が荒れて毛羽立
ち、擦り効果が不完全となる。そこで、本発明者らの実
験によれば、この多孔質体11Cの寿命はインクカートリ
ッジ内のインクの消費時間に略々対応しており、インク
カートリッジ交換時に多孔質体11Cを交換するようにす
れば、常に擦り効果を維持でき、印字ヨレ等を防止して
記録画像品位の劣化を防ぐことが可能である。
そのため、ユーザがインクカートリッジ交換時に必ず
多孔質体11Cを交換するようにする一手段として、多孔
質体11Cを含む擦り機構11とインクカートリッジを一体
化することを考えた。
すなわち、第23図に示すように、記録装置のベース10
0のインクカートリッジホルダ101が取付けられ、このホ
ルダ101にはインクカートリッジ102のガイド溝101aが設
けられている。このガイド溝101aに沿ってインクカート
リッジ102は図中矢印方向に所定ストロークだけ押し込
められる。
ここで、インクカートリッジ102の上部には擦り手段1
1が一体化されているため、このままでは擦り手段11が
記録装置のベース100にぶつかりインクカートリッジ102
は挿入不可能となる。そこで、擦り手段11を根元部11J
において折ることにより擦り手段11とインクカートリッ
ジ102は分離され、ここで初めてインクカートリッジ102
の挿入が可能となる。分離された擦り手段11はユーザに
よって古い擦り手段と交換され、交換忘れによる記録品
位の劣化という問題は解決される。
本実施例における回復動作のシーケンスを第24図のフ
ローチャートを用いて以下詳細に説明する。
まず、ステップS11にて電源が投入されると、ポンプ
を駆動し吐出口よりインクを吸引(ステップS12)した
後、記録待機状態となるが、この時ステップS13にて装
置に設けられたスイッチの入力、ホストコンピュータか
らの擦り手段駆動信号の入力等があると、前述の第1の
実施例と同様に擦り動作が行われ、インク皮膜が除去さ
れる(ステップS14)。
記録ヘッドは再びキャッピングされ記録待機状態に入
る(ステップS15)。
ステップS16にて記録信号の入力等により記録命令が
下されると、記録ヘッドは記録領域を往復動し、インク
を吐出して記録を行う(ステップS17)。
この時、所定行数の記録が行われると、ブレード10に
よるクリーニングが行われ(ステップS18)、吐出口面
のインク滴等の除去が行われる。ここで、所定の行数の
記録とは、例えば片方向印字を複数回行うものであって
もよく、また両方向印字を複数回行うものであっても良
い。
また、上記擦り手段の11クリーニングスイッチは装置
がパワーオンの状態で吸引回復を行う(POMP ON)スイ
ッチと同一とし擦り動作と吸引回復動作とを連動させて
行っても良い。
第7の実施例: 第25図はラインプリンタの場合の擦り手段の概略構成
であり、ソレノイド120およびばね121の動作によって記
録ヘッドに対応した長尺の回転多孔質体103をラインヘ
ッド122のインク吐出口面に当接させる例である。回転
体にすることにより多孔質体の摩耗を少なくできる。回
転多孔質体103は支持体123に対して着脱自在に装着され
る構成である。
第26図は第23図中のインクカートリッジ102に一体化
されている回転多孔質対103を示す斜視図である。この
回転多孔質体103は、インクカートリッジ102上に一体形
成されている保持部材102aにより着脱自在に保持されて
いる。なお、この場合、回転多孔質体103を抜いた後、
保持部材102aが凸状に残るので、記録装置のベース100
側にこれを逃げる溝等の工夫が必要である。
第8の実施例: 第27図は第25図中に示すようなラインヘッド200を回
転多孔質体205で走査させる構成を示す。
第27図において、回転多孔質体205は締結具231によっ
て2本のワイヤ232に取付けられており、ワイヤ232をモ
ータ220およびギヤ群221で駆動することによって回転多
孔質体205がラインヘッド200に沿って擦り動作を行う。
第28図は本実施例によるフルラインタイプのインクジ
ェット記録装置の模式的側面図である。
第28図において、記録動作時には図に示すように記録
媒体Pに対向した位置PP(記録位置)に記録ヘッド200
が静止して記録を行う。記録ヘッド200が所定行数の印
字或いはカット紙の場合には1ページ毎に記録ヘッド20
0を搭載した支持体201を記録位置よりブレード206に対
向する位置に移動させる。
そして、回復装置を移動させワイヤ232を駆動するこ
とによりブレード206で吐出口面をクリーニングする。
また、長時間の休止後等に記録を再開する場合には、
不図示の擦り手段スイッチにより、記録ヘッド200を、
キャップ207によるキャッピング位置より、擦り手段と
しての回転多孔質体205に当接可能な位置へ移動させ、
前述の動作により吐出口面のインク皮膜を除去する。
ここでブレード206及び多孔質体205を駆動させるため
のモータ220は同一であり、記録ヘッド200を各々に対向
させる位置に移動させることにより、それぞれ対応した
クリーニングを行う。
上述した構成によればフルラインタイプの記録ヘッド
200を用いたインクジェット記録装置においても、記録
位置PPより、ブレード206、擦り手段205、キャップ207
の順に並んでおり、記録動作の中断時間を短くするとと
もに、効率的なクリーニングを行うことができる。ここ
でキャップ207と擦り手段205は逆であってもよい。
第9の実施例: 第29図は本発明の第9の実施例によるインクジェット
記録装置を示す模式的平面図である。
本実施例は基本的には第1の実施例と同様な構成であ
り、異なる点は、記録ヘッド5の温度を検出する温度セ
ンサー91を設け、記録ヘッド5の温度に応じて擦り手段
11によりインクの皮膜を除去することである。
インクの皮膜は吐出口面に付着したインクが乾燥する
ことにより生じるものであることから、記録休止状態が
長く続く際に生じやすいことは前述した通りである。記
録休止状態においては、吐出口内部(記録ヘッド5内
部)のインクの粘度が大きくならないように記録ヘッド
5を不図示の加熱手段等により予備加熱する場合があ
る。このように記録休止時に予備加熱を行う場合には、
キャッピングにより吐出口の乾燥を防止しているとは言
え、吐出口面のインクについては乾燥して皮膜を発生す
る場合がある。
これを防止するために、本実施例では記録ヘッド5の
温度が所定の温度以上で且つ記録が行われていない時
に、擦り手段11により吐出口面をクリーニングし、イン
ク皮膜の除去を行う。
第30図は本実施例によるクリーニング動作を示すフロ
ーチャートである。
ステップS101においてホームポジションに記録ヘッド
5が待機している。ステップS102にて記録命令が下ると
記録領域に記録ヘッド5が移動し記録を行う(ステップ
S103)。記録動作中はう前述の実施例と同様に所定時間
または所定行数等の記録毎にブレード10によりクリーニ
ングを行う。
ステップS104にて休止時間を測定するが、休止時間が
所定時間に達していなくとも、記録ヘッド5の温度が所
定の値以上になった場合(ステップS105)には、擦り手
段11により吐出口面をクリーニングしインク皮膜を除去
する(ステップS106)。その後ステップS107にてタイマ
ーをリセットし、ステップS102に戻る。
第31図は本実施例による制御系の主要部を示すブロッ
ク図である。
前述の実施例と同様、キャッピングを行う駆動手段に
連動して擦り手段11が動く構成であっても良い。
以上のように本実施例によれば、インク皮膜の発生時
期に対応して擦り手段11によるクリーニングを行うこと
が可能となり、より一層効果的に吐出口面を良好な状態
に保つことができる。
第10の実施例: 第32図は本実施例によるインクジェット記録装置イン
ク吐出回復装置の要部の平面図であり、第33図は第32図
中の回転多孔質体とインクカートリッジとを一体化した
ものを示す斜視図である。
本実施例は前述した第4の実施例に準ずる構成のもの
であり、擦り手段11を構成する回転多孔質体11Cがブロ
ック軸11Eに落とし込まれている。
さらに、この場合の回転多孔質体11とインクカートリ
ッジ102との接合は、第33図に示すように、インクカー
トリッジ102上に設けた割りピン102bに回転多孔質体11C
が保持されている。
つまり、インクカートリッジ102の交換時に擦り手段1
1も必ず交換することになるため、多孔質体11Cの品質は
常にある一定レベル以上に維持され、多孔質体11Cの劣
化により不吐出や印字ヨレの発生を完全に防止すること
ができる。
以上説明したように、本発明によれば、インク回復動
作としてブレードによるクリーニングと記録ヘッドの吐
出口面を多孔質体で擦るクリーニングとにより、インク
吐出口面が清浄化され、インクの着弾点が不規則となる
印字ヨレを解消することができる。
また、記録ヘッドの擦り動作を含めて一連の回復シー
ケンスが行われるため、特別な操作を必要とせずに安定
した吐出が得られる。
つまり、吐出口近傍に付着したインク滴、水滴、ゴ
ミ、インク皮膜等の性質に対応して効果的に除去できる
手段によって、それらの発生に対応して除去動作を適確
に行うことができきる。
したがって、記録ヘッドに異物を付着させることな
く、しかも吐出口周囲の撥インク液性を良好に保ち、イ
ンクドットによるきれいな画像を得ることができる。
〔発明の効果〕
本発明のインクジェット記録装置の吐出口近傍のクリ
ーニング方法によれば、ブレードにより前記吐出口近傍
とある接触面をもって該吐出口近傍を拭くクリーニング
と、擦り手段により前記接触面より大きな接触面をもっ
て前記吐出口近傍を擦るクリーニングと、を独立させて
行うことを特徴とするクリーニング方法を採用したの
で、吐出口近傍に付着したインク滴、水滴、ゴミ等を除
去できる他、付着したインクの乾燥による皮膜をも除去
することができ、しかも付着する異物の状態に応じて最
適なクリーニングを行っているインクジェット記録装置
を提供することができる。
他に本発明によれば、記録ヘッドのインクを吐出する
吐出口近傍をクリーニングするためのクリーニング部材
を有するインクジェット記録装置に着脱自在に装着さ
れ、前記ヘッドに供給するインクを収容するためのイン
クカートリッジにおいて、前記クリーニング部材の前記
カートリッジとを連結する手段を設け、該クリーニング
部材を多孔質体から成る擦り部材で構成したので、クリ
ーニング部材の劣化によりインク吐出不良が生じること
を防止でき、擦り部材による皮膜除去効果を良好に保つ
とともに、該擦り部材の交換時期を容易に知りうるイン
クジェット記録装置が得られる。
さらに他の本発明によれば、インクを吐出するための
吐出口を有する記録ヘッドと、前記吐出口近傍とある接
触面をもって該吐出口近傍を拭くためのブレード手段
と、前記接触面より大きな接触面をもって該吐出口の近
傍を擦るための擦り手段と、前記ブレードによる拭き動
作と前記擦り手段による擦り動作を独立して駆動するた
めの制御手段とを備えたインクジェット記録装置を構成
するので、インク吐出口近傍に付着したインク滴、水
滴、ゴミ等を除去する他、付着インクによる薄い皮膜を
も除去することができ、吐出口近傍に付着する異物の状
態に応じて最適なクリーニングを行ってインク吐出不良
や印字ヨレを効果的に防止できるインクジェット記録装
置が得られる。
さらに、他の本発明によれば、インクを吐出するため
の吐出口を有する記録ヘッドを記録媒体に対して走査す
るキャリッジと、前記記録媒体を加熱する加熱手段とを
有するインクジェット記録装置において、記録領域外に
設けられ記録動作中に所定のシーケンスに基づいて前記
吐出口の近傍を拭くためのブレード手段と、記録領域外
であって前記記録ヘッドに接触可能な位置に設けられた
前記ブレード手段とは異なる擦り手段と、前記キャリッ
ジを前記擦り手段に接触可能な位置近傍に移動させるた
めの駆動手段とを備え、該駆動手段は所定の信号が入力
された場合前記擦り手段により前記吐出口近傍をクリー
ニングする命令を発生することを特徴とするインクジェ
ット記録装置が構成されるので、吐出口近傍に付着した
インク滴、水滴、ゴミ等を除去するとともに付着したイ
ンクによる皮膜を除去することができ、かつ、吐出口近
傍に付着する異物の状態に応じて最適なクリーニングを
行って効果的な吐出不良防止を実施できるインクジェッ
ト記録装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図の(a)、(b)、(c)はそれぞれ本発明の一
実施例によるインクジェット記録装置の要部を示す図で
あり、(a)は吐出回復装置の平面図、(b)はブレー
ドによる拭き手段の斜視図、(c)は擦り手段の斜視
図、第2図の(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞ
れ記録ヘッドの吐出口面の状態を示す模式図、第3図は
第1図中の吐出回復装置の斜視図、第4図は第3図の正
面図、第5図は第3図の側面図、第6図は第3図中のウ
ォームホイールカムの部分拡大立面図、第7図は第3図
中の擦り手段の部分拡大平面図、第8図は本発明による
インクジェット記録装置の擦り手段の動作手順のフロー
チャート、第9図は本発明によるクリーニング動作の一
連の動作手順のフローチャート、第10図はラインプリン
ト式記録装置の擦り手段の要部斜視図、第11図はライン
プリント式記録装置の擦り手段の他の構造例を示す要部
斜視図、第12図は第7図の擦り手段の他の構造例を示す
部分拡大平面図、第13図は本発明によるさらに他の実施
例によるインクジェット記録装置の擦り手段の部分斜視
図、第14図は本発明の一実施例のブロック図、第15図は
本発明の別の実施例のブロック図、第16図は本発明の他
の実施例に係わるインクジェット記録装置の要部平面
図、第17図は第16図中の吐出回復装置の斜視図、第18図
は第17図の正面図、第19図は第17図の側面図、第20図は
本発明におけるポンプ駆動機構の模式的立面図、第21図
は本発明における擦り手段の一例を示す一部破断平面
図、第22図は本発明における擦り手段の他の例を示す斜
視図、第23図は本発明の一つの実施例に係わるインクカ
ートリッジおよび擦り手段の斜視図、第24図は本発明に
よる一連のクリーニング動作手順のフローチャート、第
25図はフルラインヘッドに対する擦り手段の一例を示す
模式的斜視図、第26図は第25図中の多孔質体とインクカ
ートリッジを一体化したものの斜視図、第27図は本発明
における擦り手段の1例の模式的斜視図、第28図は第27
図の擦り手段を有する記録装置の要部の模式的側面図、
第29図は本発明のさらに他の実施例に係わるインクジェ
ット記録装置の要部平面図、第30図は本発明による一連
のクリーニング動作手順を示すフローチャート、第31図
は本発明の一つの実施例のブロック図、第32図は回転多
孔質体を交換可能にした擦り手段を例示する平面図、第
33図は第32図の回転多孔質体のインクカートリッジとを
一体化したものを例示する斜視図である。 2……記録媒体(用紙)、4……キャリッジ、5……記
録ヘッド、6……吐出回復装置、7……キャッピング手
段、9……ポンプ、10……ブレード(ワイピング手
段)、11……擦り手段、11C……擦り部材(多孔質
体)、30……キャップ、54……擦り部材、55……ライン
ヘッド、62……擦り部材、91……温度センサ、102……
インクカートリッジ、103……擦り部材(多孔質体)、1
22……ラインヘッド、200……ヘッド、205……擦り部
材、206……ブレード、207……キャップ、CA……接触
面、OF……吐出口、ID……液滴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 真也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 志賀 幹夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 露久保 茂 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 荒 洋治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 横井 克幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 中村 正明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 冠木 義明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 向井 孝徳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 正田 昇一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 木村 哲雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−230940(JP,A) 特開 昭60−162655(JP,A) 特開 昭57−61574(JP,A) 実開 昭59−2550(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェット記録装置の吐出口近傍のク
    リーニング方法において、ブレードにより前記吐出口近
    傍とある接触面をもって該吐出口近傍を拭くクリーニン
    グと、擦り手段により前記接触面より大きな接触面をも
    って前記吐出口近傍を擦るクリーニングと、を独立させ
    て行うことを特徴とするクリーニング方法。
  2. 【請求項2】記録ヘッドのインクを吐出する吐出口近傍
    をクリーニングするためのクリーニング部材を有するイ
    ンクジェット記録装置に着脱自在に装着され、前記ヘッ
    ドに供給するインクを収容するためのインクカートリッ
    ジにおいて、前記クリーニング部材と前記カートリッジ
    とを連結する手段を有することを特徴とするインクカー
    トリッジ。
  3. 【請求項3】インクを吐出するための吐出口を有する記
    録ヘッドと、前記吐出口近傍にある接触面をもって該吐
    出口近傍を拭くためのブレード手段と、前記接触面より
    大きな接触面をもって該吐出口の近傍を擦るための擦り
    手段と、前記ブレードによる拭き動作と前記擦り手段に
    よる擦り動作とを独立して駆動するための制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】インクを吐出するための吐出口を有する記
    録ヘッドを記録媒体に対して走査するキャリッジと、前
    記記録媒体を加熱する加熱手段とを有するインクジェッ
    ト記録装置において、記録領域外に設けられ記録動作中
    所定のシーケンスに基づいて前記吐出口の近傍を拭くた
    めのブレード手段と、記録領域外であって前記記録ヘッ
    ドに接触可能な位置に設けられた前記ブレード手段とは
    異なる擦り手段と、前記キャリッジを前記擦り手段に接
    触可能な位置近傍に移動させるための駆動手段とを備
    え、該駆動手段は所定の信号が入力された場合前記擦り
    手段により前記吐出口近傍をクリーニングする命令を発
    生することを特徴とするインクジェット記録装置。
JP63253458A 1987-10-30 1988-10-07 インクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP2626805B2 (ja)

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