JP3133142B2 - 架橋用組成物 - Google Patents
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Description
性、耐薬品性、耐溶剤性、耐酸化性などにすぐれ、工業
用材料その他の分野において有用である。一方、これら
の分野で汎用的に使用されるには経済性を無視すること
ができないため、卓越した性能を有しながらも飛躍的に
使用量が増加することは期待できないのが現状である。
この問題点の解決のため、あるいはフツ素ゴムの短所で
ある低温可撓性の改良あるいは比重の軽減のため、種々
の共架橋用ブレンド組成物が開発されている。
ラストマーの特性を兼ね備えた材料を開発すべくアクリ
ルエラストマーとフルオロエラストマーを単純にブレン
ドしたり、添加剤を用いたりする方法が報告されている
が、機械的強度、圧縮永久歪等の物理的性質及び耐熱性
等の点で不十分であつた。
ついては、特開昭52−40558号公報、特開昭53−146752
号公報、特開昭54−101847号公報、特開昭54−154446号
公報、特開昭54−156052号公報、特開昭55−23128号公
報、特開昭58−63740号公報などにおいて、フツ素ゴム
とアクリルゴムの双方を架橋させる架橋剤を選択し、2
種のポリマーの物性値の低下を防止し、また加工性を改
良する試みがなされている。
を単純に混合したり、或いはフツ素ゴムとアクリルゴム
の双方を架橋させる架橋剤を用いたとしてもフツ素ゴム
とアクリルゴムの分散状態を均質且つ安定に保つことは
困難であり、機械的強度等の低下を防止する効果は十分
とはいえなかつた。
1−299859号公報にはフツ素ゴムとアクリルゴムとをブ
レンドする際に、アクリルゴム成分のみを実質的に架橋
することにより、アクリルゴムの分散粒径を小さくし、
かつ両ゴムの界面での分子の相互侵入を増大させ、界面
剥離を防止する技術が開示されているが、この方法では
量産性に乏しく、簡便に安定な性能のものを得ることが
困難である。
強度、圧縮永久歪等の物理的性質及び耐熱性、加工性に
優れた成形品を付与し得る架橋用組成物を簡便な方法で
提供することにある。
アクリルモノマー、ビニルシリル基含有架橋性モノマー
及びアリル基、CH 2 =CHCOO−基、CH 2 =C
(CH 3 )COO−基および炭素に結合するビニル基か
ら選ばれる重合に関与する官能基を複数有する多官能性
モノマーを共重合して得られるパーオキサイド架橋型の
ゲル分率30%以上のアクリルゲルエラストマー、 (2)フルオロエラストマー及び (3)少なくとも一方のエラストマーの架橋剤からなる
架橋用組成物に係る。
マーに代えて上記パーオキサイド架橋型アクリルゲルエ
ラストマーをフルオロエラストマーと共に用いることに
より、機械的強度、圧縮永久歪等の物理的性質及び耐熱
性、加工性に優れた成形品を付与し得る架橋用組成物を
簡便な方法で提供することができる。
クリルゲルエラストマーとしては例えば架橋性基とし
て、ラジカル反応性の異なる2ケ以上の不飽和結合を有
する化合物をアクリルモノマーと共重合することによ
り、ラジカル反応性の高い不飽和基は重合反応に関与
し、ラジカル反応性の低い不飽和基をそのままポリマー
の側鎖に残存せしめることにより得られるものであり、
又内部架橋の方法としては特に制限されないが、アクリ
ルモノマーに多官能性モノマーを共重合させることによ
り容易に製造される。
ストマーは、次に示される(メタ)アクリルモノマー、
架橋性モノマー、多官能性モノマーを組み合わせ、公知
の重合方法により共重合することにより得ることができ
る。
=C(R1)COOR2(ここでR1は水素原子又はメチ
ル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルコ
キシ基置換アルキル基を示す。)で表され、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエ
チル(メタ)アクリレート等が例示される。
[化6]等のビニルシリル基含有化合物等が例示される
が、その使用量は(メタ)アクリルモノマー、架橋性モ
ノマー及び多官能性モノマーの総量 100重量部に対し、
0.1〜10重量部とするのが好ましい。式中R 1 は水素原
子又はメチル基を示す。
H 2 =CHCOO−基、CH 2 =C(CH 3 )COO−
基および炭素に結合するビニル基から選ばれる重合に関
与する官能基を複数有する多官能性モノマーを使用する
ことができ、例えばアリル(メタ)アクリレート、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート等が例示され
る。多官能性モノマーの使用量は(メタ)アクリルモノ
マー、架橋性モノマー及び多官能性モノマーの総量 100
重量部に対し、0.1〜10重量部とすれば良いが、好まし
くは0.3〜7重量部である。0.1重量部未満ではアクリル
ゲルエラストマーのゲル分率が30%未満となり、目的と
する性能が得られなくなる。アクリルゲルエラストマー
のゲル分率は50%以上が好ましい。又必要に応じて(メ
タ)アクリルモノマーの一部の代りにアクリロニトリ
ル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等のエチレン性
不飽和モノマーを共重合してもよいが、その量は(メ
タ)アクリルモノマーの30重量%以下とするのが好まし
い。
ては、例えばビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロ
プロピレン系、ビニリデンフルオライド/テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系、ビニリデン
フルオライド/クロロトリフルオロエチレン系等のビニ
リデンフルオライド系の共重合体、テトラフルオロエチ
レン/プロピレン系、ヘキサフルオロプロピレン/エチ
レン系、フルオロ(アルキルビニルエーテル)(複数個の
エーテル結合を含むものも包含する)/オレフイン系の
共重合体、フルオロホスフアゼンゴムなどが挙げられ、
又これらのうち、ビニリデンフルオライド/ヘキサフル
オロプロピレン系、ビニリデンフルオライド/テトラフ
ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系のエラス
トマーが好ましい。
ルオロエラストマーの割合はアクリルエラストマー/フ
ルオロエラストマーが、重量比で5〜90/95〜10、好ま
しくは10〜70/90〜30、更に好ましくは20〜50/80〜50
である。理由としては、アクリルエラストマーが少ない
領域では経済性の改善効果が小さく、多い領域では物理
的性質の低下が顕著となる。
架橋型 アクリルゲルエラストマーとフルオロエラスト
マーの両エラストマーの架橋剤としては、一般に用いら
れているもので良く、アクリルエラストマー用として
は、有機過酸化物系が挙げられ、過酸化−p−クロロベ
ンゾイル、過酸化−o−クロロベンゾイル、過酸化ジク
ロロベンゾイル、過酸化ベンゾイル、ジクミルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブ
チルパーベンゾエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどが例示
される。また必要に応じて、エチレングリコールジメタ
クリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリル
シアヌレート、N,N'−m−フエニレンビスマレイミド
等の架橋助剤を併用することにより、架橋効率を高め、
物性の改善を図ることができる。フルオロエラストマー
用としては、有機過酸化物系、ポリオール系、ポリアミ
ン系等が挙げられる。
例えば有機過酸化物系ではアクリルエラストマー及びフ
ルオロエラストマーの合計 100重量部当たり、0.1〜10
重量部程度である。
剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、オゾン劣化防
止剤、紫外線吸収剤等を加えることができる。
ルシウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化アルミニウム等
の金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、炭酸マグネシ
ウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム等の炭酸塩、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪
酸ナトリウム、珪酸アルミニウム等の珪酸塩、硫酸アル
ミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、
二硫化モリブデン、硫化鉄、硫化銅等の金属硫化物、珪
藻土、アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫酸バリウ
ム)、グラフアイト、カーボンブラツク、フツ化カーボ
ン、フツ化カルシウム、コークス等が挙げられる。
酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸
塩、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂
肪酸アミド、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステ
ル、ステアリルアミン、オレイルアミン等の高級脂肪族
アミン、カルナバワツクス、セレシンワツクス等の石油
系ワツクス、エチレングリコール、グリセリン、ジエチ
レングリコール等のポリグリコール、ワセリン、パラフ
イン等の脂肪族炭化水素、シリコーン系オイル、シリコ
ーン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、フタル酸エス
テル類、燐酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジア
ルキルアミン、(ハロゲン化)ジアルキルスルフオン、
界面活性剤等が挙げられる。
剤としては2,5−ジ−t−アミルハイドロキノリン等のフ
エノール系、N−フエニル−β−ナフチルアミン、芳香
族第2級アミン等のアミン系、6−エトキシ−2,2,4−
トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等のキノリン系な
どの化合物を挙げることができる。
ベンゾフエノン等のベンゾフエノン系、ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のアミ
ン系、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフエニル)
ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系などの化
合物を挙げることができる。
の混合装置が用いられ、アクリルエラストマーとフルオ
ロエラストマー及び配合剤をオープンロールにて混練り
する方法、密閉式混合機等を用いる方法等が挙げられ
る。
自動車、船舶、航空機などの輸送機関における耐油、耐
薬品、耐熱、耐スチーム、あるいは耐候用のパツキン
グ、O−リング、ホース、その他のシール材、ダイヤフ
ラム、バルブに、また化学プラントにおける同様のパツ
キング、O−リング、シール材、ダイヤフラム、バル
ブ、ホース、ロール、チユーブ、耐薬品用コーテイン
グ、ライニングに、食品プラント機器および食品機器
(家庭用品を含む)における同様のパツキング、O−リ
ング、ホース、シール材、ベルト、ダイヤフラム、バル
ブ、ロール、チユーブに、原子力プラント機器における
同様のパツキング、O−リング、ホース、シール材、ダ
イヤフラム、バルブ、チユーブに、一般工業部品におけ
る同様のパツキング、O−リング、ホース、シール材、
ダイヤフラム、バルブ、ロール、チユーブ、ライニン
グ、マンドレル、電線、フレキシブルジヨイント、ベル
ト、ゴム板、ウエザーストリツプ、PPC複写機のロー
ルブレードなどへの用途に好適である。
又は%とあるのは重量部又は重量%を示す。
剤等を表1に記載の量にて、オープンロールにより混練
し、架橋用組成物を得た。これらを160℃で10分プレス
加硫し、更に180℃で4時間オーブン加硫した。尚、ダ
イエルG−801はヨウ素を含有するビニリデンフルオラ
イド(2F)とヘキサフルオロプロピレン(6F)の2
元系共重合フルオロエラストマーで、ダイエルG−701
はビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレン
の2元系共重合エラストマーであり、ポリオール系の加
硫剤及び加硫助剤を含有する。又P−1〜P−4は表5
に示される組成、ゲル分率をもつアクリルエラストマー
である。シースト116は東海カーボン社製のMAFタイ
プのカーボンブラツク、パーヘキサ2.5Bは日本油脂製
のパーオキサイド、TAICはトリアリルイソシアヌレ
ート、ナウガード445はUniroyal Chem 社製の老化防
止剤である。スミフアインBMは住友化学製のN,N'−
m−フエニレンビスマレイミド、C−13は信越化学製の
パーオキサイドである。
K6301に準じて各物性を測定し、その結果を表2に示
す。
W−30 浸漬条件 175℃×70時間 体積膨潤(%) *3:200℃×140時間
ストマー(P−5、表5)及び架橋剤等を表3に記載の
量にて、オープンロールにより混練し、架橋用組成物を
得た。これらを160℃で10分プレス加硫し、更に180℃で
4時間オーブン加硫した。
K6301に準じて各物性を測定し、その結果を表4に示
す。
ケトンで正確に200mlの溶液とする。室温に24時間放置
後、充分振盪撹拌し更に24時間室温放置する。溶液の上
澄部分をとり1500rpmで20分間遠心分離しその上澄を正
確に秤取する。湯煎上で過剰のメチルエチルケトンを蒸
発させた後、105±5℃のオーブン中で3時間乾燥す
る。 ゲル分率(%)=〔1−乾燥物重量(mg)×10/試料重量
(mg)〕× 100
縮永久歪等の物理的性質及び耐熱性、加工性に優れた成
形品を付与することが可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (1)(メタ)アクリルモノマー、ビニ
ルシリル基含有架橋性モノマー及びアリル基、CH 2 =
CHCOO−基、CH 2 =C(CH 3 )COO−基およ
び炭素に結合するビニル基から選ばれる重合に関与する
官能基を複数有する多官能性モノマーを共重合して得ら
れるパーオキサイド架橋型のゲル分率30%以上のアク
リルゲルエラストマー、 (2)フルオロエラストマー及び (3)少なくとも一方のエラストマーの架橋剤からなる
架橋用組成物。
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