JP2590788B2 - ゴム組成物および架橋可能なゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物および架橋可能なゴム組成物

Info

Publication number
JP2590788B2
JP2590788B2 JP63135462A JP13546288A JP2590788B2 JP 2590788 B2 JP2590788 B2 JP 2590788B2 JP 63135462 A JP63135462 A JP 63135462A JP 13546288 A JP13546288 A JP 13546288A JP 2590788 B2 JP2590788 B2 JP 2590788B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
rubber composition
weight
fluororubber
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63135462A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01306455A (ja
Inventor
逸樹 梅田
正人 坂井
忠昭 西
泰彦 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP63135462A priority Critical patent/JP2590788B2/ja
Publication of JPH01306455A publication Critical patent/JPH01306455A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2590788B2 publication Critical patent/JP2590788B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ゴム組成物に関し、さらに詳細にはフッ素
ゴムと特定の単量体組成物を有するアクリルゴムを主成
分とする加工性、耐熱性、耐油性、耐候性、圧縮永久歪
性、耐圧縮荷重性に優れた架橋製品を提供することが可
能なゴム組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、ゴム材料の性能に対する要求は年々厳しくなっ
てきており、使用されるゴム素材の種類にも変化が生じ
ている。ゴムのうちでも、フッ素ゴムは、耐溶剤性、耐
熱性、耐薬品性、耐候性において他の特殊ゴムと比較し
て抜群の性能を有しており、工業用品、自動車、航空機
分野においてその需要は年々増加している。しかし、そ
の価格が、フッ素ゴム以外のエラストマーと比較して非
常に高価であり、かつ比重が高いことから製品価格の著
しい上昇をきたすため、使用される分野は限定されてき
た。このように、高性能と低価格という相反する要求を
同時に満たすためには、1種類のゴム素材で対応するこ
とは困難になってきたといえる。
このような要求に対し、フッ素ゴムにフッ素ゴム以外
のエラストマーを混合する方法が提案されている。フッ
素ゴムとアクリルゴムとの混合については、特開昭52−
40558号公報、特開昭53−146752号公報、特開昭54−101
847号公報、特開昭54−154446号公報、特開昭54−15605
2号公報、特開昭55−23128号公報、特開昭58−63740号
公報などにおいて、フッ素ゴムとアクリルゴムの双方を
架橋させる架橋剤を選択し、2種のポリマーの物性値の
低下を防止し、また加工性を改良する試みがなされてい
る。
しかしながら、フッ素ゴムとアクリルゴムを単純に混
合したのみでは、物性値の低下を防止する効果は充分と
はいえなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたも
ので、フッ素ゴムとアクリルゴムとをブレンドする際
に、アクリルゴム成分のみを実質的に架橋することによ
り、アクリルゴムの分散粒径を小さくし、かつ両ゴムの
界面での分子の相互侵入を増大させ、界面剥離を防止
し、その結果、架橋製品の常態物性、耐熱性、圧縮永久
歪性、耐圧縮荷重性、耐油性および加工性に優れたゴム
組成物を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、フッ素ゴム(I)35〜95重量部と、ブチル
アクリレート、メトキシエチルアクリレートおよび/ま
たはエトキシエチルアクリレート含量が40重量%未満の
アクリルゴム(II)65〜5重量部〔ただし、(I)+
(II)=100重量部〕に、アクリルゴム(II)の架橋剤
を配合し、剪断変形を与えながら反応させて得られるゴ
ム組成物(以下「ゴム組成物」ということがある)を提
供するものである。
また、本発明は、このゴム組成物に、フッ素ゴム
(I)の架橋剤を配合した架橋可能なゴム組成物(以下
「架橋可能なゴム組成物」ということがある)を提供す
るものである。
本発明におけるフッ素ゴム(I)は、以下の含フッ素
モノマーの組み合わせが挙げられる。
含フッ素モノマーとしては、ビニリデンフルオライ
ド、ヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペ
ン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、ビニルフルオライド、パ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ
(プロピルビニリデン)などを用い、さらにこれらと共
重合可能なモノマーとして、アクリル酸エステルなどの
ビニル化合物、プロピレンなどのオレフィン化合物ある
いはジエン化合物、塩素、臭素、ヨウ素を含有する含ハ
ロゲンビニル化合物などを共重合したゴムを挙げること
ができる。
フッ素ゴム(I)の具体例としては、フッ化ビニリデ
ン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−
六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体、
四フッ化エチレン−プロピレン共重合体、四フッ化エチ
レン−フッ化ビニリデン−プロピレン三元共重合体など
が挙げられる。
フッ素ゴム(I)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は
特に制限されるものではないが、好ましくは30〜150の
ものが用いられる。
次に、本発明のアクリルゴム(II)は、アクリル酸ア
ルキルエステルを主成分とし、これに共重合成分として
エチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを共重合
した共重合体である。
このアクリルゴム(II)中のアクリル酸アルキルエス
テルとしては、エチルアクリレートを主成分とし、これ
にブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレートお
よび/またはエトキシエチルアクリレートを40重量%未
満、好ましくは20重量%未満含有するものである。
アクリレートゴム(II)中のブチルアクリレート、メ
トキシエチルアクリレートおよび/またはエトキシエチ
ルアクリレートの含量が40重量%以上であると、得られ
るゴム組成物の架橋物の耐熱性が劣るものとなる。
なお、アクリルゴム(II)には、前記共重合成分のほ
かに、架橋基成分として、ジシクロペンタジエン、エチ
リデンノルボルネン、ジシクロペンテニルアクリレー
ト、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ア
リルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルクロ
ルアセテート、アリルクロルアセテート、アリルクロロ
アセテート、2−クロロエチルビニルエーテル、グリシ
ジルメタクリレート、アリルギリシジルエーテル、ビニ
ルグリシジルエーテル、ジメチルスチリルビニルシラ
ン、2−クロロエチルアクリレート、モノクロル酢酸ビ
ニル、ビニルノルボルネン、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸などの単量体の1種または2種以上を、
15重量%以下、好ましくは10重量%以下程度の範囲で使
用することもできる。
また、アクリルゴム(II)は、混練り作業性、フッ素
ゴム(I)との均一分散性などの面からムーニー粘度
(ML1+4、100℃)が10〜200、好ましくは20〜150、さら
に好ましくは30〜100の範囲のものが好適であり、この
ようなムーニー粘度のアクリルゴム(II)を用いること
により、安定した品質および特性を有するゴム組成物を
得ることができる。アクリルゴム(II)のムーニー粘度
が前記範囲外にあると、混練り作業性、分散性が悪くな
り、品質特性を維持することが困難となる。
本発明のゴム組成物におけるフッ素ゴム(I)とアク
リルゴム(II)との重量比は、フッ素ゴム(I)35〜95
重量部、好ましくは50〜90重量部、アクリルゴム(II)
65〜5重量部、好ましくは50〜10重量部〔ここで、
(I)+(II)=100重量部〕であり、フッ素ゴム
(I)が35重量部未満では得られるゴム組成物が粉末化
したり、フッ素ゴムの特性である耐熱性が著しく劣るよ
うになり、一方95重量部を超えると耐圧縮荷重性に劣
る。
次に、本発明において、フッ素ゴム(I)およびアク
リルゴム(II)に混合される、アクリルゴム(II)を架
橋するに際しては、架橋剤のほか必要に応じて架橋促進
剤、架橋助剤、促進助剤、架橋遅延剤などを併用しても
よい。
この架橋剤として、通常、ゴムの架橋剤として使用さ
れる硫黄もしくはその誘導体または有機過酸化物、さら
にアルキルフェノール樹脂などのいずれでもよく、さら
にはアクリルゴム(II)に含有される架橋基との反応性
を有する官能基を2個以上有する多官能性架橋剤を挙げ
ることができる。
架橋剤として使用される有機過酸化物としては、例え
ば2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,4−ジ
クロルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイドなどであ
り、好ましくは2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼンであ
る。
アクリルゴム(II)の有機過酸化物架橋に際して、2
官能性のビニルモノマーなどを架橋助剤として使用する
ことできる。
かかる架橋助剤としては、以下の化合物が挙げられ
る。すなわち、エチレングリコールジメタアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタアクリレート、1,4−ブ
タンジオールジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ール・ジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2,2′−ビ
ス(4−メタクリロイルジエトキシフェニル)プロパ
ン、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ジビニルベンゼン、N,N′
−メチレンビスアクリルアミド、p−キノンジオキシ
ム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、トリアジ
ンジチオール、トリアリルシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート、ビスマレイミドなどである。
また、アクリルゴム(II)に存在する架橋基との反応
性を有する官能基を2個以上有する多官能性架橋剤とし
ては、好ましくはアミノ基、イソシアネート基、マレイ
ミド基、エポキシ基、ヒドロキシル基およびカルボキシ
ル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を
2個以上有する多官能性架橋剤であり、ジアミン類、ポ
リアミン類、ジイソシアネート類、ポリイソシアネート
類、マレイミド類、ジエポキシド類、ジオール類、ポリ
オール類、ジカルボン酸類などの化合物を挙げることが
できる。
これらの化合物の具体例としては、例えばN,N′−フ
ェニレンジマレイミド、ヘキサメチレンジアミン、アン
モニウムベンゾエートなどが挙げられる。
さらに、アクリルゴム(II)としてエポキシ基を導入
したエラストマーを使用した場合には、ポリアミンカー
バメイト類、有機カルボン酸アンモニウム塩、ジチオカ
ルバミン酸塩類を使用することもできる。
さらに、アクリルゴム(II)中にハロゲン基を導入し
たエラストマーを使用した場合には、ポリアミンカーバ
メイト類、有機カルボン酸アンモニウム塩もしくは有機
カルボン酸アルカリ金属塩と、硫黄化合物とを組み合わ
せた架橋剤を使用することもできる。
本発明において、アクリルゴム(II)の架橋剤の具体
例としては、下記組み合わせを挙げることができる。
ヘキサメチレンジアミンカーバメート/二塩基性亜リ
ン酸鉛系、 ステアリン酸カリウム/促進剤ジペンタメチレンチウ
ラムテトラサルファイド/促進剤N,N′ジエチルチオウ
レアまたはエチルチオウレア系、 セッケン(ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナト
リウムなど)/イオウ系、 セッケン(ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナト
リウムなど)/促進剤ジペンタメチレンチウラムテトラ
サルファイド系、 ジアミンカーバメート系(メチレンビスシクロヘキシ
ルアミンカーバメート系)、 有機カルボン酸アンモニウム塩系(安息香酸塩、アジ
ピン酸塩など)、 ジチオカルバミン酸塩系(促進剤ジンクジメチルジチ
オカーバメート)、 ポリアミン系、 ポリアミン/促進剤グアニジン化合物系、 ポリエポキシ化合物/塩基性促進剤系、 ポリハロゲン化合物/セッケン/塩基性促進剤系。
以上のアクリルゴム(II)の架橋剤の選択は、アクリ
ルゴム(II)の架橋基の種類およびフッ素ゴム(I)と
架橋しないことなどを考慮して、適宜、決定される。こ
れらの架橋剤は、1種単独であるいは2種以上を併用す
ることができる。
架橋剤の添加量は、硫黄の場合、本発明のゴム組成物
100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.5〜
5重量部であり、前記有機過酸化物の場合、その添加量
は、ゴム組成物100重量部に対して、0.01〜10重量部、
好ましくは0.1〜5重量部であり、さらに多官能性架橋
剤の場合、本発明のゴム組成物100重量部に対して、0.5
〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
架橋剤の使用量が少なすぎるとゴム成分の架橋密度が
低く、機械的強度、耐油性、耐クリープ性が不充分とな
り、一方多すぎるとゴム成分の架橋密度が高くなりす
ぎ、得られる架橋可能なゴム組成物の架橋物の伸びが低
下する。
本発明において、フッ素ゴム(I)とアクリルゴム
(II)に架橋剤を添加する方法としては、特に制限はな
いが、(I)成分と(II)成分と架橋剤とを同時に添加
し混練りすることもできるし、あらかじめ(I)成分と
(II)成分とを混合したのち、架橋剤を加えることもで
きる。
混合は、各種押し出し機、バンバリーミキサー、ニー
ダー、ロールなどで温度;50〜250℃、好ましくは100〜2
00℃、時間;2分〜1時間、好ましくは3分〜45分程度混
練りすることによって行うことができ、好ましい混練り
方法としては、バンバリーミキサー、ニーダーなどのイ
ンターナルミキサーを用いる方法である。
この際、混練り温度が50℃未満で架橋してしまうと反
応の制限が困難であり、一方250℃を超えるとゴムが劣
化する傾向にある。
また、混練り時間が2分より短いと反応の制御が困難
であり、均一な組成物が得られにく、一方1時間を超え
ると混練りコストが上昇し好ましくない。
なお、架橋剤を添加する際の混練り温度は、通常、10
〜200℃、好ましくは20〜150℃であり、有機過酸化物の
場合には、その半減期が1分の温度以下であることが好
適である。
以上のように、本発明における前記架橋は、混合して
いる最中に行わなければならない。
すなわち、混合している最中には、剪断力がエラスト
マーにかかるので、フッ素ゴム(I)あるいはアクリル
ゴム(II)の分散粒子はより小さい状態を保ち、また界
面での分子の絡み合いもより多く生じているためであ
る。
この場合、剪断力を加えるのを止めると、フッ素ゴム
(I)あるいはアクリルゴム(II)の分散粒子どうしの
会合が起き、粒径が大きくなり分子の絡み合いも減少す
ることになる。
このように、混合と同時にアクリルゴム(II)を架橋
することにより良好な分散状態のままで系を固定するこ
とができる。
なお、本発明のゴム組成物は、(I)〜(II)成分を
主成分とするが、これ以外に前記ゴム成分以外のスチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプ
レンゴム(CR)などのジエン系ゴム;ブチルゴム、エチ
ル−α−オレフィン系共重合ゴム、クロルスルホン化ポ
リエチレン、エピクロルヒドリン系ゴムなどの飽和ゴ
ム、通常のエラストマーを10重量%以下程度、さらには
通常使用される各種の配合剤を添加することができる。
これらの配合剤は、必要に応じて本発明のゴム組成物
を製造する過程において添加されてもよいし、組成物製
造後に架橋可能なゴム組成物を作製する際に添加されて
もよい。
すなわち、補強充填剤および増量剤としては、例えば
カーボンブラック、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、石
英微粉末、ケイソウ土、亜鉛華、塩基性炭酸マグネシウ
ム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸
アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸
アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アスベ
スト、グラファイト、ウォラストナイト、二硫化アスベ
スト、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維、有機
補強剤、有機充填剤を挙げることができる。
分散助剤としては、高級脂肪酸およびその金属アミン
塩;可塑剤としては、例えばフタル酸誘導体、アジピン
酸誘導体、セバシン酸誘導体;軟化剤としては、例えば
潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒマシ油、ス
テアリン酸カルシウム;老化防止剤としては、例えばフ
ェニレンジアミン類、フォスフェート類、キノリン類、
クレゾール類、フェノール類、ジチオカルバメート金属
塩類、ヒンダードアミン類;そのほか着色剤、紫外線吸
収剤、難燃剤、発泡剤、スコーチ防止剤、粘着付与剤、
滑剤などを任意に配合できる。
これらのゴム組成物は、ロール、バンバリーミサーな
どの通常の混練り機によって、フッ素ゴム(I)の架橋
剤、例えば有機過酸化物と架橋助剤、ポリオール系架橋
剤、架橋促進剤、アミン系架橋剤を添加、混練りし、架
橋可能なゴム組成物を作製したのち、通常の架橋ゴム製
造条件によって成形、架橋を行い、架橋ゴム製品となす
ことができる。
ここで、ポリオール系架橋剤としては、ポリヒドロキ
シ芳香族化合物、例えばヒドロキノン、ビスフェノール
A、ビスフェノールAFおよびこれらの塩などが好ましく
用いられる。また、含フッ素脂肪族ジオールも用いるこ
とができる。
これらのポリオール系架橋剤の添加量は、ゴム組成物
100重量部あたり、通常、0.1〜20重量部、好ましくは1
〜10重量部程度である。
また、架橋促進剤としては、メチルトリオクチルアン
モニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムク
ロリド、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボ
ラートのごとき4級アンモニウム化合物;8−メチル−1,
8−ジアザ−シクロ(5,4,0)−7−ウンデセニルクロリ
ドのごとき4級アンモニウム化合物;ベンジルトリフェ
ニルホスホニウムクロリド、m−トリフルオルメチルベ
ンジルトリオクチルホスホニウムクロリド、ベンジルト
リオクチルホスホニウムブロミドのごとき4級ホスホニ
ウム化合物が好ましい。
かかる架橋促進剤の添加量は、ゴム組成物100重量部
あたり、通常、0.2〜10重量部程度である。
さらに、アミン系架橋剤としては、ヘキサメチレンジ
アミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテト
ラミンなどの各種アルキルアミン類、アニリン、ピリジ
ン、ジアミノベンゼンなどの各種芳香族アミン類および
これらのアミン類のカルバミン酸、シンナミリデン酸な
どの脂肪酸の塩などを用いることができる。
かかるアミン系架橋剤の添加量は、ゴム組成物100重
量部あたり、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5
重量部程度である。
本発明において、架橋剤(I)の具体例としては、下
記の組み合わせを挙げることがきる。
フッ素ゴム(I)が、フッ化ビニリデン−六フッ化プ
ロピレン共重合体および/またはフッ化ビニリデン−六
フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体にジ
エン化合物または塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原
子を含有する含ハロゲン化合物などを共重合したフッ素
ゴムおよび/またはフッ化ビニリデン−プロピレン−四
フッ化エチレン三元共重合体の場合、架橋剤(I)は、 (1)ジアミン系架橋剤、 (2)ポリオール系架橋剤、 (3)有機過酸化物と架橋助剤 などが挙げられる。
フッ素ゴム(I)が、フッ化ビニリデン−六フッ化プ
ロピレン共重合体および/またはフッ化ビニリデン−六
フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体の場
合、架橋剤(I)は、 (1)ジアミン系架橋剤、 (2)ポリオール系架橋剤、 などが挙げられる。
フッ素ゴム(I)が、四フッ化エチレン−プロピレン
共重合体の場合、架橋剤(I)は、有機過酸化物と架橋
助剤の組み合わせのみが挙げられる。
このようにして得られる架橋可能なゴム組成物を架橋
するには、通常、80〜200℃で数分間〜3時間、20〜200
kg/cm2の加圧下で一次架橋、さらに必要に応じて80〜20
0℃で1〜48時間、二次架橋して架橋ゴム製品とする。
以上のように、本発明のゴム組成物は、前記のような
バンバリーミキサー、ニーダー、二本ロールなどの混練
り機器で均一に混練りすることができる。また、ロール
による架橋剤、架橋促進剤などの添加作業に際して、単
にフッ素ゴムとアクリルゴムとの混合物(充填剤などの
添加剤を配合したのも含む)では、ロール巻きつけに多
大の時間を要するが、本発明のゴム組成物は、瞬時にロ
ール巻きつけが可能であり、作業性の改善が顕著であ
る。さらに、本発明の架橋可能なゴム組成物を架橋した
架橋ゴム製品(ゴム弾性体)は、優れた耐熱性、耐油
性、耐候性、圧縮永久歪、耐圧縮荷重性を有しており、
一般工業、電気、化学分野への利用が可能である。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明す
る。なお、実施例中、各種の測定は、次の方法に拠っ
た。
初期物性、老化試験、圧縮永久歪試験は、JISK6301に
準拠し、第1表に示した条件で評価した。
耐圧縮荷重性(圧縮応力)は、圧縮永久歪試験用試料
(厚さ12.70mm±0.13mm、直径29.0mmの直円柱形)を用
い、次の方法で評価した。
測定温度;150℃ 圧縮速度;10mm/min 圧縮率;0〜50% 測定試験機;IS5000〔(株)東洋精機製作所製、オート
グラフ〕 参考例1 第1表に示す重合処方に従って、内容積6のオート
クレーブを用い、反応温度5℃で単量体の重合転化率が
90%に達するまで反応させた。
反応終了後、ジメチルチオカルバミン酸ナトリウム0.
5重量部を加え、重合を停止させた。
次に、反応溶液に安定剤としてアルキル化ジフェニル
アミン1重量部を加え、水蒸気蒸溜により未反応単量体
を除去したのち、硫酸アルミニウムを加えて、生成した
重合体を凝固させた。
この凝固した重合体を水洗したのち、真空乾燥機を用
いて乾燥した。
参考例2〜4 単量体組成を第2表のように変えた以外は、参考例1
と同様にして重合体を得た。
実施例1〜3 フッ素ゴムとしてJSRアフラス150P(日本合成ゴム
(株)製)、アクリルゴムとしてJSR AR101(日本合成
ゴム(株)製)、加工助剤としてステアリン酸ナトリウ
ムを、順次、ゴムミキサー(70〜100℃、60rpm)に投入
し、混練りし、均一状態になった時点で、有機過酸化物
としてパーカドックス14〔α,α′−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、化薬ヌー
リー(株)製〕を加えて混練りし、再び均一状態になっ
たのち、温度を170〜180℃に昇温させ、練りトルクおよ
びゴム温度がほぼ一定になったのち(約10〜20分後)、
老化防止剤としてノクラックCD(大内新興化学工業
(株)製)、シリカ系充填剤としてニプシールLP(日本
シリカ工業(株)製)、さらにTSL8370(シラン化合
物、東芝シリコーン(株)製)を添加してさらに混練り
し、再び均一状態になったのち、排出した。
次に、このようにして得られたシートを、再び二本ロ
ールに巻きつけ、第3表に示す架橋剤、架橋助剤などの
その他の配合薬品を加えて混練りしたものについて、プ
レス架橋(100〜150kg/cm2、170℃×20分加熱加圧)し
たのち、オーブンで200℃×4時間二次架橋し、架橋物
性を測定した。結果を併せて第3表に示す。
また、同様にして、架橋可能なゴム組成物を作製し、
架橋物性を測定した結果を併せて第3表に示す。
実施例4〜7 フッ素ゴムとして実施例1と同じアフラス150P、アク
リルゴムとして参考例1、参考例3、VAMAC(デュポン
社製)、あるいはER4200(電気化学工業(株)製)を使
用し、実施例1と同様にして架橋可能なゴム組成物を作
製し、評価した。
配合処方および評価結果を第3表に示す。
実施例8〜10 フッ素ゴムとしてバイトンE60(デュポン社製)、ア
クリルゴムとしてAR101(日本合成ゴム(株)製)、参
考例3、あるいはVAMAC G(デュポン社製)を使用し、
実施例1と同様にして架橋可能なゴム組成物を作製し、
評価した。
配合処方および評価結果を第3表に示す。
比較例1 実施例1と同様にフッ素ゴムとしてアフラス150P、ア
クリルゴムとしてAR101を使用し、有機過酸化物のみを
添加しない以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を
作製し、評価した。
配合処方および評価結果を第3表に示す。
比較例2 実施例5と同様にフッ素ゴムとしてアフラス150P、ア
クリルゴムとして参考例3を使用し、有機過酸化物(バ
ルノックAB、大内新興化学工業製)のみを添加しない以
外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を作製し、評価
した。
配合処方および評価結果を第3表に示す。
比較例3 フッ素ゴムとしてJSRアフラス150Pを使用し、アクリ
ルゴムおよび有機過酸化物を添加しない以外は、実施例
1と同様にしてゴム組成物を作製し、評価した。
配合処方および評価結果を第3表に示す。
比較例4 フッ素ゴムとしてバイトンE60、アクリルゴムとしてA
R101を使用し、フッ素ゴム/アクリルゴム重量比を30/7
0とした以外は、実施例1と同様に混練りしたが、混練
り機中で配合物が粉末化し、ロール通しを繰り返したが
まとまらなかった。
比較例5〜6 フッ素ゴムとしてJSRアフラス150P、アクリルゴムと
してメトキシエチルアクリレートおよびブチルアクリレ
ート含量の多い参考例2および4を使用した以外は、実
施例1と同様にしてゴム組成物を作製し、評価した。
配合処方および評価結果を第3表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のゴム組成物は、フッ素ゴムとアクリルゴムと
を単純に混合したものに比較して、ロール加工性が極め
て優れており、初期物性、耐熱性、圧縮永久歪性、耐圧
縮荷重性に優れた特徴を有している。
本発明のゴム組成物は、このような特性を有するた
め、自動車、船舶、航空機などの輸送機関における耐
油、耐薬品、耐熱、耐スチーム、あるいは耐候用のパッ
キング、O−リング、ホース、その他のシール材、ダイ
ヤフラム、バルブに、また化学プラントにおける同様の
パッキング、O−リング、シール材、ダイヤフラム、バ
ルブ、ホース、ロール、チューブ、耐薬品用コーティン
グ、ライニングに、食品プラント機器および食品機器
(家庭用品を含む)における同様のパッキング、O−リ
ング、ホース、シール材、ベルト、ダイヤフラム、バル
ブ、ロール、チューブに、原子力プラント機器における
同様のパッキング、O−リング、ホース、シール材、ダ
イヤフラム、バルブ、チューブに、一般工業部品におけ
る同様のパッキング、O−リング、ホース、シール材、
ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブ、ライニン
グ、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、ベル
ト、ゴム板、ウエザーストリップ、PPC複写機のロール
ブレードなどへの用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 泰彦 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−8447(JP,A) 特開 昭62−81433(JP,A) 特開 昭54−101847(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素ゴム(I)35〜95重量部と、ブチル
    アクリレート、メトキシエチルアクリレートおよび/ま
    たはエトキシエチルアクリレート含量が40重量%未満の
    アクリルゴム(II)65〜5重量部〔ただし、(I)+
    (II)=100重量部〕に、アクリルゴム(II)の架橋剤
    を配合し、剪断変形を与えながら反応させて得られるゴ
    ム組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のゴム組成物に、フッ素ゴム
    (I)の架橋剤を配合した架橋可能なゴム組成物。
JP63135462A 1988-06-03 1988-06-03 ゴム組成物および架橋可能なゴム組成物 Expired - Lifetime JP2590788B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63135462A JP2590788B2 (ja) 1988-06-03 1988-06-03 ゴム組成物および架橋可能なゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63135462A JP2590788B2 (ja) 1988-06-03 1988-06-03 ゴム組成物および架橋可能なゴム組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01306455A JPH01306455A (ja) 1989-12-11
JP2590788B2 true JP2590788B2 (ja) 1997-03-12

Family

ID=15152280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63135462A Expired - Lifetime JP2590788B2 (ja) 1988-06-03 1988-06-03 ゴム組成物および架橋可能なゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2590788B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2787073B2 (ja) * 1989-10-13 1998-08-13 ジェイエスアール株式会社 ゴム組成物
JP3133142B2 (ja) * 1992-04-09 2001-02-05 日信化学工業株式会社 架橋用組成物
EP0796897B1 (en) * 1994-12-09 2007-03-28 Daikin Industries, Limited Low compression-set rubber composition
JPH11310678A (ja) * 1998-04-27 1999-11-09 Daikin Ind Ltd 低膨潤性ゴム組成物およびそれより得られる成型品
JP2005120143A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Jsr Corp エポキシ基含有ゴム、該製造法、該組成物及び積層体

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5946537B2 (ja) * 1978-01-27 1984-11-13 エヌオーケー株式会社 エラストマ−加硫配合物
JPH0684454B2 (ja) * 1985-10-04 1994-10-26 日本合成ゴム株式会社 加硫ゴム組成物
JPS638447A (ja) * 1986-06-30 1988-01-14 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 架橋性ゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01306455A (ja) 1989-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2787073B2 (ja) ゴム組成物
JP5428150B2 (ja) 架橋性に優れる架橋性含フッ素エラストマー、およびその製造方法
JP2612748B2 (ja) 架橋可能なゴム組成物および架橋ゴム製品
JP2610145B2 (ja) ゴム組成物
JPH0579696B2 (ja)
JPH11509874A (ja) エラストマーのポリマー組成物への接着力を改善するための組成物
CN104093769B (zh) 丙烯酸类橡胶/氟橡胶组合物的制造方法、交联性组合物、层叠体及耐热空气橡胶软管
JP2590788B2 (ja) ゴム組成物および架橋可能なゴム組成物
JP2787049B2 (ja) フッ素ゴム組成物
JP2551106B2 (ja) フッ素ゴム組成物および架橋可能なフッ素ゴム組成物
JP2013189655A (ja) 架橋ゴム物品
JP2007169511A (ja) ゴム組成物及びフッ素ゴム架橋体の製造方法
JPH05117478A (ja) フツ素ゴム組成物
JPH0819265B2 (ja) フッ素ゴム架橋製品の製造方法
JP2722543B2 (ja) ゴム組成物
JP2734079B2 (ja) ゴム組成物
JPH09183879A (ja) フッ素ゴム組成物
JP2013107924A (ja) フルオロポリマー組成物
JPH01152060A (ja) ゴム積層体
JPH05117479A (ja) フツ素ゴム組成物
JP3058555B2 (ja) 加硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物
JPH01294760A (ja) フッ素ゴム組成物および架橋可能なフッ素ゴム組成物
JP2853060B2 (ja) 耐熱性ゴム組成物
JP3220509B2 (ja) 架橋用組成物
JP2853305B2 (ja) 耐熱性ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219

Year of fee payment: 12