JP3058555B2 - 加硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物 - Google Patents
加硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物Info
- Publication number
- JP3058555B2 JP3058555B2 JP6080233A JP8023394A JP3058555B2 JP 3058555 B2 JP3058555 B2 JP 3058555B2 JP 6080233 A JP6080233 A JP 6080233A JP 8023394 A JP8023394 A JP 8023394A JP 3058555 B2 JP3058555 B2 JP 3058555B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- acrylic rubber
- fluororubber
- crosslinkable
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリルゴム成分および
フッ素ゴム成分からなるアクリルゴムとフッ素ゴムの中
間的特性を有する耐熱耐油性複合ゴム組成物に関する。
フッ素ゴム成分からなるアクリルゴムとフッ素ゴムの中
間的特性を有する耐熱耐油性複合ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルゴムは耐熱性、耐油性、耐候性
をかねそなえたゴム材料でありエンジンガスケット、オ
イルホース、エアホース、O−リングなどの自動車用ゴ
ム部品として広範に用いられているが、近年自動車の高
機能化に伴いさらに優秀な耐熱性、高耐久性が求められ
ている。一方、フッ素ゴムは耐熱性、耐油性の点で卓越
した性能を有しているが、当分野で汎用的に使用される
には経済性が伴わず、飛躍的に使用量を増大することは
困難である。これらの問題点を解決するため、種々の共
架橋性ブレンド物が開発されている。
をかねそなえたゴム材料でありエンジンガスケット、オ
イルホース、エアホース、O−リングなどの自動車用ゴ
ム部品として広範に用いられているが、近年自動車の高
機能化に伴いさらに優秀な耐熱性、高耐久性が求められ
ている。一方、フッ素ゴムは耐熱性、耐油性の点で卓越
した性能を有しているが、当分野で汎用的に使用される
には経済性が伴わず、飛躍的に使用量を増大することは
困難である。これらの問題点を解決するため、種々の共
架橋性ブレンド物が開発されている。
【0003】アクリルゴムとフッ素ゴムとのブレンド物
については特開昭55−23128号公報、特開昭58
−63740号公報などにおいて、アクリルゴムとフッ
素ゴムの双方を架橋させる架橋剤を選択し、加硫特性な
どの加工特性を改良する試みがなされている。しかしな
がら、アクリルゴムとフッ素ゴムを単純に混合し、アク
リルゴムとフッ素ゴムの双方を架橋させる架橋剤を使用
したとしても、双方のゴム成分を長期に安定した状態で
相互に分散させることは困難であり、経時的な劣化によ
る機械的強度などの特性の低下を防止する効果は充分と
はいえない。
については特開昭55−23128号公報、特開昭58
−63740号公報などにおいて、アクリルゴムとフッ
素ゴムの双方を架橋させる架橋剤を選択し、加硫特性な
どの加工特性を改良する試みがなされている。しかしな
がら、アクリルゴムとフッ素ゴムを単純に混合し、アク
リルゴムとフッ素ゴムの双方を架橋させる架橋剤を使用
したとしても、双方のゴム成分を長期に安定した状態で
相互に分散させることは困難であり、経時的な劣化によ
る機械的強度などの特性の低下を防止する効果は充分と
はいえない。
【0004】これらを改良する手段として、たとえば特
開平4−100846号公報にはアクリルゴムの構成モ
ノマー中に、フッ素ゴムとの親和性の高いフッ素含有モ
ノマーを導入し、双方のゴム成分の界面での親和性を高
め、安定した分散状態を保つ技術が開示されているが、
いずれにせよ、異種のゴム成分を1種類の架橋剤で架橋
させるのであるから架橋を充分に達成させることは困難
であり、この方法でも安定した分散状態を長期に保持さ
せる効果は充分といえない。
開平4−100846号公報にはアクリルゴムの構成モ
ノマー中に、フッ素ゴムとの親和性の高いフッ素含有モ
ノマーを導入し、双方のゴム成分の界面での親和性を高
め、安定した分散状態を保つ技術が開示されているが、
いずれにせよ、異種のゴム成分を1種類の架橋剤で架橋
させるのであるから架橋を充分に達成させることは困難
であり、この方法でも安定した分散状態を長期に保持さ
せる効果は充分といえない。
【0005】さらに、特開平5−287156号公報で
は内部架橋したアクリルゴムをフッ素ゴムにブレンドす
ることにより分散性を改良する技術が開示されている
が、機械強度などの特性を保つために必要な双方のゴム
成分間の架橋が充分に達成されているとはいえず、この
方法でも長期に安定した分散状態を保持することは困難
である。
は内部架橋したアクリルゴムをフッ素ゴムにブレンドす
ることにより分散性を改良する技術が開示されている
が、機械強度などの特性を保つために必要な双方のゴム
成分間の架橋が充分に達成されているとはいえず、この
方法でも長期に安定した分散状態を保持することは困難
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】アクリルゴムとフッ素
ゴムのブレンド物において、共加硫剤による架橋反応は
共架橋の目的である異種のポリマー分子間架橋のみなら
ず同種のポリマー分子間架橋およびまたは分子内架橋も
同時に形成されるため、均一で安定した相を有するブレ
ンド物をうることはできず、これを用いて調製される加
硫性ゴム組成物は、長期に安定した分散状態を保持する
ことは困難である。
ゴムのブレンド物において、共加硫剤による架橋反応は
共架橋の目的である異種のポリマー分子間架橋のみなら
ず同種のポリマー分子間架橋およびまたは分子内架橋も
同時に形成されるため、均一で安定した相を有するブレ
ンド物をうることはできず、これを用いて調製される加
硫性ゴム組成物は、長期に安定した分散状態を保持する
ことは困難である。
【0007】これらの点に鑑み、長期間安定した分散性
を有するゴム組成物をうるべくアクリルゴムとフッ素ゴ
ムとのブレンド物を鋭意検討した結果、フッ素ゴムの架
橋基と直接結合しうる架橋基を有するアクリルゴムを架
橋性基を含有するフッ素ゴムと混合してなる加硫性のゴ
ム成分を用いるときは、加硫剤を使用せずにアクリルゴ
ムとフッ素ゴムとの中間的な物理特性を有し長期に安定
した分散状態を保持することができるゴム組成物がえら
れることを見出し本発明に到達した。
を有するゴム組成物をうるべくアクリルゴムとフッ素ゴ
ムとのブレンド物を鋭意検討した結果、フッ素ゴムの架
橋基と直接結合しうる架橋基を有するアクリルゴムを架
橋性基を含有するフッ素ゴムと混合してなる加硫性のゴ
ム成分を用いるときは、加硫剤を使用せずにアクリルゴ
ムとフッ素ゴムとの中間的な物理特性を有し長期に安定
した分散状態を保持することができるゴム組成物がえら
れることを見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、(A)架橋性水酸基ま
たは架橋性塩素原子を含む架橋性基含有重合単位を1〜
20モル%含むアクリルゴムならびに6−フッ化プロピ
レン単独重合体または6−フッ化プロピレンとフッ化ビ
ニリデンおよび/または4−フッ化エチレンとの共重合
体であるフッ素ゴムとの混合物において、アクリルゴム
/フッ素ゴムの割合が重量比で0.5〜99.5/9
9.5〜0.5であるゴム成分、(B)金属酸化物およ
び/または金属水酸化物よりなる受酸剤および(C)第
4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム
塩よりなる加硫促進剤からなり、加硫剤を使用しない加
硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物に関する。
たは架橋性塩素原子を含む架橋性基含有重合単位を1〜
20モル%含むアクリルゴムならびに6−フッ化プロピ
レン単独重合体または6−フッ化プロピレンとフッ化ビ
ニリデンおよび/または4−フッ化エチレンとの共重合
体であるフッ素ゴムとの混合物において、アクリルゴム
/フッ素ゴムの割合が重量比で0.5〜99.5/9
9.5〜0.5であるゴム成分、(B)金属酸化物およ
び/または金属水酸化物よりなる受酸剤および(C)第
4級アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム
塩よりなる加硫促進剤からなり、加硫剤を使用しない加
硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物に関する。
【0009】本発明のゴム組成物は、熱空気老化耐久性
などの物理的性能においてフッ素ゴムとアクリルゴムと
の中間域の特徴を示し、価格の面でもそれらの中間的な
価格で提供できる。これによってアクリルゴム含有量の
多い領域では改良された耐熱性を示し、また、フッ素ゴ
ムの多い領域では、その卓越した特性を大幅に損なうこ
となしに経済性を付与することによって、耐熱性および
耐油性を有する自動車などの産業機械分野のゴム部品へ
の広範な利用が可能となる。
などの物理的性能においてフッ素ゴムとアクリルゴムと
の中間域の特徴を示し、価格の面でもそれらの中間的な
価格で提供できる。これによってアクリルゴム含有量の
多い領域では改良された耐熱性を示し、また、フッ素ゴ
ムの多い領域では、その卓越した特性を大幅に損なうこ
となしに経済性を付与することによって、耐熱性および
耐油性を有する自動車などの産業機械分野のゴム部品へ
の広範な利用が可能となる。
【0010】
【実施例】本発明に使用できるフッ素ゴムとしては、組
成が通常フッ素ゴムの一般名称で市販されているものと
同等で、より具体的には6−フッ化プロピレンの単独重
合体またはこれとフッ化ビニリデンおよび/または4−
フッ化エチレンとの共重合体が例示される。さらに必要
に応じて共重合可能な他のビニルモノマーを40モル%
まで、通常20モル%まで共重合させてもよい。他のビ
ニルモノマーとしては、たとえばエチレン、プロピレ
ン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどがあ
げられる。また、フッ素ゴムの架橋性基は6−フッ化プ
ロピレンの共重合によって生ずる
成が通常フッ素ゴムの一般名称で市販されているものと
同等で、より具体的には6−フッ化プロピレンの単独重
合体またはこれとフッ化ビニリデンおよび/または4−
フッ化エチレンとの共重合体が例示される。さらに必要
に応じて共重合可能な他のビニルモノマーを40モル%
まで、通常20モル%まで共重合させてもよい。他のビ
ニルモノマーとしては、たとえばエチレン、プロピレ
ン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどがあ
げられる。また、フッ素ゴムの架橋性基は6−フッ化プ
ロピレンの共重合によって生ずる
【0011】
【化1】
【0012】のフッ素原子であり、したがって6−フッ
化プロピレンの好ましい含有割合は5〜100重量%、
特に50〜100重量%である。
化プロピレンの好ましい含有割合は5〜100重量%、
特に50〜100重量%である。
【0013】本発明に使用できるアクリルゴムとして
は、主成分となるアクリル酸エステルと架橋成分となる
架橋性水酸基または架橋性塩素原子を有する共重合性モ
ノマーからなり、必要に応じてアクリル酸エステルと共
重合可能なビニルモノマーを加えてもよい。
は、主成分となるアクリル酸エステルと架橋成分となる
架橋性水酸基または架橋性塩素原子を有する共重合性モ
ノマーからなり、必要に応じてアクリル酸エステルと共
重合可能なビニルモノマーを加えてもよい。
【0014】主成分となるアクリル酸エステルとして
は、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オク
チルなどのアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸2
−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、ア
クリル酸2−ブトキシエチル、アクリル酸3−メトキシ
プロピルなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステル
などが使用可能である。特に、アクリル酸エチル30〜
70モル%、アクリル酸n−ブチル50〜10モル%の
割合で併用することが耐寒性と耐油性の調整を行なうう
えで好ましい。
は、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オク
チルなどのアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸2
−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、ア
クリル酸2−ブトキシエチル、アクリル酸3−メトキシ
プロピルなどのアクリル酸アルコキシアルキルエステル
などが使用可能である。特に、アクリル酸エチル30〜
70モル%、アクリル酸n−ブチル50〜10モル%の
割合で併用することが耐寒性と耐油性の調整を行なうう
えで好ましい。
【0015】架橋性基となる架橋性水酸基または架橋性
塩素原子を有する共重合性モノマーとしては、架橋性水
酸基のばあいフェノール性水酸基が好ましく、架橋性塩
素原子のばあい活性塩素原子である。具体的には、o,
m,p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロ
キシスチレン、o−カビコール、p,m−ヒドロキシ安
息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、オイゲノール、イソ
オイゲノール、p−イソプロペニルフェノール、o,
m,p−アリルフェノール、2,2−(o,m,p−ヒ
ドロキシフェニル−4−ビニルアセチル)プロパンなど
の架橋性水酸基含有モノマー;2−クロロエチルビニル
エーテル、モノクロロ酢酸ビニル、クロロメチルスチレ
ン、アリルクロライドなどの活性塩素原子含有モノマー
が使用可能である。架橋性基含有モノマーの含有量は1
〜20モル%の範囲内で、特に2〜10モル%が好まし
く、1モル%未満では加硫速度が実用に耐えられぬくら
い遅くなり、20モル%を超えると容易にスコーチし、
最終ゴム配合物の貯蔵安定性が損なわれる。
塩素原子を有する共重合性モノマーとしては、架橋性水
酸基のばあいフェノール性水酸基が好ましく、架橋性塩
素原子のばあい活性塩素原子である。具体的には、o,
m,p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロ
キシスチレン、o−カビコール、p,m−ヒドロキシ安
息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、オイゲノール、イソ
オイゲノール、p−イソプロペニルフェノール、o,
m,p−アリルフェノール、2,2−(o,m,p−ヒ
ドロキシフェニル−4−ビニルアセチル)プロパンなど
の架橋性水酸基含有モノマー;2−クロロエチルビニル
エーテル、モノクロロ酢酸ビニル、クロロメチルスチレ
ン、アリルクロライドなどの活性塩素原子含有モノマー
が使用可能である。架橋性基含有モノマーの含有量は1
〜20モル%の範囲内で、特に2〜10モル%が好まし
く、1モル%未満では加硫速度が実用に耐えられぬくら
い遅くなり、20モル%を超えると容易にスコーチし、
最終ゴム配合物の貯蔵安定性が損なわれる。
【0016】アクリル酸エステルと共重合可能なビニル
モノマーとしては、たとえばアクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、スチレン、メタクリル酸アルキルエステル類、メ
タクリル酸アルコキシアルキルエステル類などが使用可
能である。
モノマーとしては、たとえばアクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、スチレン、メタクリル酸アルキルエステル類、メ
タクリル酸アルコキシアルキルエステル類などが使用可
能である。
【0017】本発明に使用されるアクリルゴムは、たと
えばつぎの重合法によってえられるラテックスを、塩析
剤として食塩を用いる通常の塩析操作によって、ポリマ
ーを凝析させた後、水洗、乾燥させて製造される。
えばつぎの重合法によってえられるラテックスを、塩析
剤として食塩を用いる通常の塩析操作によって、ポリマ
ーを凝析させた後、水洗、乾燥させて製造される。
【0018】2リットルビーカーに、アニオン性乳化
剤、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩5.0
gを脱イオン水1250gに溶解し、それにアクリルゴ
ム構成モノマー混合物を総量で300gを加え、小型ミ
キサーを用いて乳化する。つぎに、2リットル還流冷却
管付重合容器内に、前記モノマー乳化液を投入し、窒素
気流下で70℃まで昇温する。これに過硫酸アンモニウ
ムの10%水溶液10gを添加して重合を開始させる。
重合開始後、重合容器内の温度を初期の70℃から80
℃まで上昇させ、80〜82℃の範囲で2時間、維持し
て重合反応を完結させる。
剤、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩5.0
gを脱イオン水1250gに溶解し、それにアクリルゴ
ム構成モノマー混合物を総量で300gを加え、小型ミ
キサーを用いて乳化する。つぎに、2リットル還流冷却
管付重合容器内に、前記モノマー乳化液を投入し、窒素
気流下で70℃まで昇温する。これに過硫酸アンモニウ
ムの10%水溶液10gを添加して重合を開始させる。
重合開始後、重合容器内の温度を初期の70℃から80
℃まで上昇させ、80〜82℃の範囲で2時間、維持し
て重合反応を完結させる。
【0019】フッ素ゴムとアクリルゴムの配合割合(重
量比)は0.5〜99.5/99.5〜0.5、好まし
くは20〜80/80〜20が望ましい。フッ素ゴムの
割合が少なくなると熱空気老化耐久性などの物理的性能
の改善が不充分となり、アクリルゴムの割合が少なくな
ると加硫速度が遅くなると共に経済性が損われる。
量比)は0.5〜99.5/99.5〜0.5、好まし
くは20〜80/80〜20が望ましい。フッ素ゴムの
割合が少なくなると熱空気老化耐久性などの物理的性能
の改善が不充分となり、アクリルゴムの割合が少なくな
ると加硫速度が遅くなると共に経済性が損われる。
【0020】本発明のゴム組成物の特徴は、加硫剤を使
用せず、ハロゲン含有ゴムの配合に通常使用される金属
酸化物、金属水酸化物からなる受酸剤および加硫促進剤
を配合することによって、フッ素ゴムとアクリルゴムを
直接、相互加硫させることである。金属酸化物として
は、たとえば酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシ
ウムなどが使用でき、金属水酸化物としては、たとえば
水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、
水酸化アルミニウムなどが使用可能である。
用せず、ハロゲン含有ゴムの配合に通常使用される金属
酸化物、金属水酸化物からなる受酸剤および加硫促進剤
を配合することによって、フッ素ゴムとアクリルゴムを
直接、相互加硫させることである。金属酸化物として
は、たとえば酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシ
ウムなどが使用でき、金属水酸化物としては、たとえば
水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、
水酸化アルミニウムなどが使用可能である。
【0021】また、加硫促進剤としては、第4級アンモ
ニウム塩および第4級ホスホニウム塩が好ましく使用で
き、たとえばテトラエチルアンモニウムクロライド、テ
トラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアン
モニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマ
イド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、
オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチ
ルジメチルアンモニウムクロライド、1,6−ジアザ−
ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7−セチルピリジ
ウムサルフェート、トリメチルベンジルアンモニウムベ
ンゾエートなどの第4級アンモニウム塩類;トリフェニ
ルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルベン
ジルホスホニウムブロマイド、トリシクロヘキシルベン
ジルホスホニウムクロライド、トリシクロヘキシルベン
ジルホスホニウムブロマイドなどの第4級ホスホニウム
塩類をあげることができる。
ニウム塩および第4級ホスホニウム塩が好ましく使用で
き、たとえばテトラエチルアンモニウムクロライド、テ
トラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアン
モニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマ
イド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、
オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチ
ルジメチルアンモニウムクロライド、1,6−ジアザ−
ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7−セチルピリジ
ウムサルフェート、トリメチルベンジルアンモニウムベ
ンゾエートなどの第4級アンモニウム塩類;トリフェニ
ルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルベン
ジルホスホニウムブロマイド、トリシクロヘキシルベン
ジルホスホニウムクロライド、トリシクロヘキシルベン
ジルホスホニウムブロマイドなどの第4級ホスホニウム
塩類をあげることができる。
【0022】本発明の高耐熱性ゴム組成物は、特定のフ
ッ素ゴムとアクリルゴムとからなるゴム成分、金属酸化
物および/または金属水酸化物よりなる受酸剤、第4級
アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩よ
りなる加硫促進剤に加えて、通常のゴム配合物に添加さ
れる副資材、すなわち、ジフェニルアミン誘導体、フェ
ニレンジアミン誘導体などの老化防止剤、ステアリン酸
などの加工助剤、カーボンブラック、カオリンクレー、
タルク、ケイソウ土などの充填剤、可塑剤などを、通
常、ゴム工業で使用されるオープンミルロール、インタ
ーナルミキサーなどにより混練りすることによって、未
加硫ゴム組成物として調製される。
ッ素ゴムとアクリルゴムとからなるゴム成分、金属酸化
物および/または金属水酸化物よりなる受酸剤、第4級
アンモニウム塩および/または第4級ホスホニウム塩よ
りなる加硫促進剤に加えて、通常のゴム配合物に添加さ
れる副資材、すなわち、ジフェニルアミン誘導体、フェ
ニレンジアミン誘導体などの老化防止剤、ステアリン酸
などの加工助剤、カーボンブラック、カオリンクレー、
タルク、ケイソウ土などの充填剤、可塑剤などを、通
常、ゴム工業で使用されるオープンミルロール、インタ
ーナルミキサーなどにより混練りすることによって、未
加硫ゴム組成物として調製される。
【0023】未加硫ゴム組成物を、ホットプレス、射出
成型機、スチーム缶などの通常ゴム工業に使用される加
硫機械を使用して加硫操作を行なうことにより高耐熱性
ゴムをうることができる。
成型機、スチーム缶などの通常ゴム工業に使用される加
硫機械を使用して加硫操作を行なうことにより高耐熱性
ゴムをうることができる。
【0024】つぎに本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0025】実施例1〜5および比較例1〜6 表1に示すフッ素ゴムとアクリルゴムとをゴム成分、受
酸剤および加硫促進剤を主たる配合剤とし、下記配合処
方に基づいてその他の副資材を配合し、6インチテスト
ロールを使用して本発明のゴム組成物を調製した。ま
た、比較例となるアクリルゴムおよびフッ素ゴムの組成
物も下記の比較配合処方に基づいて同様に6インチテス
トロールを使用して調製した。
酸剤および加硫促進剤を主たる配合剤とし、下記配合処
方に基づいてその他の副資材を配合し、6インチテスト
ロールを使用して本発明のゴム組成物を調製した。ま
た、比較例となるアクリルゴムおよびフッ素ゴムの組成
物も下記の比較配合処方に基づいて同様に6インチテス
トロールを使用して調製した。
【0026】実施例1〜5および比較例1〜4で用いた
フッ素ゴムは6−フッ化プロピレンとフッ化ビニリデン
と4−フッ化エチレンの3元共重合体固形ゴム(アウジ
モンテ社製のテクノフロンTN)である。また、比較例
5で用いたアクリルゴム(ACM)はアクリル酸エチル
とアクリル酸ブチルとアクリル酸メトキシエチルの3元
共重合体(50/25/25モル比、(株)トウペ製の
トアアクロンAR−840)であり、比較例6で用いた
フッ素ゴム(FKM)は6−フッ化プロピレンとフッ化
ビニリデンの2元共重合体(ダイキン工業(株)製のダ
イエルG−701)である。
フッ素ゴムは6−フッ化プロピレンとフッ化ビニリデン
と4−フッ化エチレンの3元共重合体固形ゴム(アウジ
モンテ社製のテクノフロンTN)である。また、比較例
5で用いたアクリルゴム(ACM)はアクリル酸エチル
とアクリル酸ブチルとアクリル酸メトキシエチルの3元
共重合体(50/25/25モル比、(株)トウペ製の
トアアクロンAR−840)であり、比較例6で用いた
フッ素ゴム(FKM)は6−フッ化プロピレンとフッ化
ビニリデンの2元共重合体(ダイキン工業(株)製のダ
イエルG−701)である。
【0027】各々のゴム組成物を表2に示す加硫条件に
基づいてホットプレスを使用して加硫し、各加硫ゴムに
ついて、初期物性試験(JIS K6251、JIS
K6253)、空気加熱老化試験(JIS K625
7)および圧縮永久歪み試験(JIS K6262)を
行なった。結果を表2に示す。
基づいてホットプレスを使用して加硫し、各加硫ゴムに
ついて、初期物性試験(JIS K6251、JIS
K6253)、空気加熱老化試験(JIS K625
7)および圧縮永久歪み試験(JIS K6262)を
行なった。結果を表2に示す。
【0028】 (実施例の配合処方) ゴム成分(表1) 100.0部 ステアリン酸 1.0部 老化防止剤(ジフェニルアミン誘導体)*1 2.0部 MTカーボンブラック(N990) 25.0部 酸化マグネシウム(受酸剤)*2 3.0部 水酸化カルシウム(受酸剤)*3 9.0部 n−ドデシルトリメチル アンモニウムブロマイド(加硫促進剤) 2.0部 (比較例5の配合処方) アクリルゴム*4 100.0部 ステアリン酸 1.0部 老化防止剤(ジフェニルアミン誘導体)*1 2.0部 HAFカーボンブラック(N550) 55.0部 微粉末硫黄*5 0.3部 ノンサールSK−1*6 0.3部 ノンサールSN−1*7 3.0部 (比較例6の配合処方) フッ素ゴム*8 100.0部 MTカーボンブラック(N990) 20.0部 酸化マグネシウム(受酸剤)*2 3.0部 水酸化カルシウム(受酸剤)*3 6.0部 [注]*1 ユニロイヤル社製 ナウガード#445 *2 共和化学工業(株)製 キョウワマグ150 *3 近江化学工業(株)製 カルディック2000 *4 (株)トウペ製 トアアクロンAR−840 *5 鶴見化学工業(株)製 325メッシュ硫黄 *6 日本油脂(株)製 脂肪族モノカルボン酸カリウム *7 日本油脂(株)製 脂肪族モノカルボン酸ナトリウム *8 ダイキン工業(株)製 ダイエルG−701
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は熱空気老化耐久性
などの物理性能においてフッ素ゴムとアクリルゴムとの
中間域の特徴を示し、価格的にもそれらの中間の価格で
提供できる。これによって、アクリルゴム含有量の多い
領域では改良された耐熱性を示し、またフッ素ゴムの多
い領域では、その卓越した特性を大幅に損なうことなく
経済性を付与することによって、耐熱性および耐油性を
要する自動車などの産業機械分野のゴム部品への広範な
利用の推進が可能となる。
などの物理性能においてフッ素ゴムとアクリルゴムとの
中間域の特徴を示し、価格的にもそれらの中間の価格で
提供できる。これによって、アクリルゴム含有量の多い
領域では改良された耐熱性を示し、またフッ素ゴムの多
い領域では、その卓越した特性を大幅に損なうことなく
経済性を付与することによって、耐熱性および耐油性を
要する自動車などの産業機械分野のゴム部品への広範な
利用の推進が可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 横谷 昌輝 大阪府堺市築港新町1丁5番地11 株式 会社トウペ 堺事業所内 (56)参考文献 特開 平7−286081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/12 C08K 3/22 C08K 5/17 C08K 5/50 C08L 33/06
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)架橋性水酸基または架橋性塩素原
子を含む架橋性基含有重合単位を1〜20モル%含むア
クリルゴムならびに6−フッ化プロピレン単独重合体ま
たは6−フッ化プロピレンとフッ化ビニリデンおよび/
または4−フッ化エチレンとの共重合体であるフッ素ゴ
ムとの混合物において、アクリルゴム/フッ素ゴムの割
合が重量比で0.5〜99.5/99.5〜0.5であ
るゴム成分、(B)金属酸化物および/または金属水酸
化物よりなる受酸剤および(C)第4級アンモニウム塩
および/または第4級ホスホニウム塩よりなる加硫促進
剤からなり、加硫剤を使用しない加硫性アクリルゴム−
フッ素ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6080233A JP3058555B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 加硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6080233A JP3058555B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 加硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07286083A JPH07286083A (ja) | 1995-10-31 |
JP3058555B2 true JP3058555B2 (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=13712635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6080233A Expired - Lifetime JP3058555B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 加硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3058555B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9441093B2 (en) | 2012-04-12 | 2016-09-13 | Zeon Corporation | Acrylic rubber composition, and crosslinked product thereof |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4143819B2 (ja) * | 2002-10-09 | 2008-09-03 | 日本ゼオン株式会社 | アクリルゴム組成物 |
EP2065409B1 (en) | 2006-09-28 | 2015-04-01 | Asahi Glass Company, Limited | Novel fluorine-containing polymer |
JP6565682B2 (ja) * | 2013-12-25 | 2019-08-28 | 日本ゼオン株式会社 | 架橋性アクリルゴム組成物およびゴム架橋物 |
KR101916520B1 (ko) | 2016-09-13 | 2018-11-07 | 현대자동차주식회사 | 휠 밸런스 웨이트용 고비중 컴파운드 |
-
1994
- 1994-04-19 JP JP6080233A patent/JP3058555B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9441093B2 (en) | 2012-04-12 | 2016-09-13 | Zeon Corporation | Acrylic rubber composition, and crosslinked product thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07286083A (ja) | 1995-10-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20060142492A1 (en) | Dynamic vulcanization of non-nitrile rubbers in fluoroplastic polymers | |
KR20070100419A (ko) | 가교성 조성물 및 그것을 포함하는 적층체 | |
JP5067466B2 (ja) | 含フッ素エラストマーブレンド物 | |
WO2005073304A1 (en) | Fluoroelastomers with improved low temperature property and method for making the same | |
JPH0579696B2 (ja) | ||
JP2002293831A (ja) | 含フッ素オレフィン重合体粒子 | |
JP3058556B2 (ja) | 高耐熱性ゴム組成物 | |
JP5880695B2 (ja) | アクリルゴム組成物およびその架橋物 | |
JP3058555B2 (ja) | 加硫性アクリルゴム−フッ素ゴム組成物 | |
JP3178312B2 (ja) | フルオロエラストマーおよびその架橋性組成物 | |
JP2007056215A (ja) | パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム | |
WO2017099708A1 (en) | Curing agents for fluorinated elastomers | |
JP2590788B2 (ja) | ゴム組成物および架橋可能なゴム組成物 | |
JP3037119B2 (ja) | ゴムアロイ組成物 | |
JPH09183879A (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
JP3037120B2 (ja) | ゴムアロイ組成物 | |
JP3254155B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物、その製造法および成形品 | |
JP3220509B2 (ja) | 架橋用組成物 | |
JP2016090013A (ja) | オイルシール | |
JP3601177B2 (ja) | ゴム複合体 | |
JPH06122802A (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
JP2968941B2 (ja) | 耐油性ゴムアロイ組成物 | |
JP3117561B2 (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
JPH1160869A (ja) | 耐油、耐熱ゴム組成物 | |
JPH06299028A (ja) | 加硫性を有するゴム組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120421 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120421 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140421 Year of fee payment: 14 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |