JPH1160869A - 耐油、耐熱ゴム組成物 - Google Patents

耐油、耐熱ゴム組成物

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JPH1160869A
JPH1160869A JP24478597A JP24478597A JPH1160869A JP H1160869 A JPH1160869 A JP H1160869A JP 24478597 A JP24478597 A JP 24478597A JP 24478597 A JP24478597 A JP 24478597A JP H1160869 A JPH1160869 A JP H1160869A
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rubber
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JP24478597A
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Yutaka Kobayashi
豊 小林
Akihiko Morikawa
明彦 森川
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素ゴムとアクリルゴムの併用に基づいた、
耐熱性、耐油性、強度、伸び、圧縮永久ひずみ特性、お
よび含アミンオイル耐性に優れた加硫ゴムを与える、ス
コーチ特性に優れたゴム組成物を提供すること。 【解決手段】(A)フッ素ゴム、(B)炭素−炭素不飽
和結合を有するアクリルゴム、(C)有機過酸化物、
(D)有機第4級アンモニウム塩、有機第4級ホスホニ
ウム塩、および1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕
−7−ウンデセンから誘導される塩からなる群から選択
される少なくとも1種の有機塩、(E)多官能性化合
物、ならびに(F)金属酸化物および金属水酸化物から
なる群から選択される少なくとも1種の金属化合物を含
有する耐油、耐熱ゴム組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐油、耐熱ゴム組
成物に関し、詳しくはフッ素ゴムとアクリルゴムとの併
用系に基づく耐油、耐熱ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルゴムは、耐熱性、耐油性および
耐候性を兼ね備えたゴム材料であり、自動車用ゴム部品
などとして広範に用いられている。近年、自動車の高機
能化に伴い、自動車用ゴム部品を構成するアクリルゴム
には、耐熱性などの諸特性について更なる向上が要請さ
れている。
【0003】これらの要請に応えるため、耐熱性、耐薬
品性などに極めて優れたゴム材料であるフッ素ゴムとの
複合化を図ることが検討されている。例えば、フッ素ゴ
ムと活性ハロゲン原子、エポキシ基または不飽和結合基
を有するアクリルゴムとを、(イ)2、2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン〔通称ビ
スフェノールAF〕、(ロ)第4級アンモニウム塩、第
4級ホスホニウム塩またはグアニジン類、(ハ)金属酸
化物または水酸化物、および(ニ)アンモニアまたはア
ミンの水素酸付加塩とともに混合する技術(特開昭54
−154446号公報)、6−フッ化プロピレンとフッ
化ビニリデンおよび/または4−フッ化エチレンからな
るフッ素ゴムと、架橋性水酸基または架橋性塩素原子を
有するアクリルゴムとが相互分散した複合体に、
(イ')金属酸化物および/または金属水酸化物よりな
る受酸剤、ならびに(ロ')第4級アンモニウム塩およ
び/または第4級ホスホニウム塩よりなる有機塩、を混
合する技術(特開平7−286081号公報)などが提
案されている。
【0004】しかしながら、上記の技術は、加硫反応速
度の制御が困難なためスコーチ特性に問題があったり、
機械的強度、圧縮永久歪特性が充分なレベルに達せず、
またエンジンルームの高温化に対応した潤滑油に添加さ
れるアミン系添加剤に関する耐性に乏しく、自動車用途
の製品を工業的に供給することが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素ゴムとアクリルゴムの併用に基づいた、スコーチ特性
に優れ、耐油性および耐熱性に優れた加硫ゴムを与える
耐油、耐熱ゴム組成物を提供することにある。本発明の
他の目的は、強度、伸び、圧縮永久歪特性、および含ア
ミンオイル耐性などに優れた加硫ゴムを与えるゴム組成
物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
フッ素ゴム、(B)炭素−炭素不飽和結合を有するアク
リルゴム、(C)有機過酸化物としての有機過酸化物、
(D)有機第4級アンモニウム塩、有機第4級ホスホニ
ウム塩、および1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕
−7−ウンデセンから誘導される塩からなる群から選択
される少なくとも1種の有機塩、(E)多官能性化合
物、ならびに(F)金属酸化物および金属水酸化物から
なる群から選択される少なくとも1種の金属化合物、を
含有することを特徴とする耐油、耐熱ゴム組成物が提供
されて、本発明の上記目的が達成される。さらに、本発
明によれば、好ましい耐油、耐熱ゴム組成物として、上
記各成分の配合割合が、(A)フッ素ゴム95〜5重量
部、(B)アクリルゴム5〜95重量部(ここで、(A)と
(B)の合計量は100重量部である)、(C)有機過
酸化物0.5〜20重量部、(D)有機塩0.1〜10
重量部、(E)多官能性化合物0.5〜20重量部、
(F)金属化合物0.5〜30重量部、であることを特
徴とする耐油、耐熱ゴム組成物が提供される。本発明の
耐油、耐熱ゴム組成物は、(A)フッ素ゴムと(B)ア
クリルゴムとを組み合わせて用いているので、耐熱性お
よび耐油性に優れる加硫物が得られる。しかも、本発明
の耐油、耐熱ゴム組成物は、上記成分(C)〜(F)から
なる特定の加硫系を用いているので、高分子鎖に架橋点
となる炭素−炭素不飽和結合を有する(B)アクリルゴ
ムと、(A)フッ素ゴムとが加硫時に効率よく共加硫す
る。その結果、得られる加硫物は、強度、伸びおよび圧
縮永久歪特性に優れ、しかも驚くべきことには、含アミ
ンオイル耐性に優れた加硫ゴムが得られる。以下本発明
を詳述するが、それにより本発明の他の目的、利点およ
び効果が明らかとなるであろう。
【0007】
【発明の実施の形態】
(A)フッ素ゴムについて説明する。本発明の耐油、耐
熱ゴム組成物(以下、単に「組成物」ともいう)に含有
されるフッ素ゴムは、好ましくはフッ化ビニリデン、お
よびこれと共重合可能な少なくとも1種のエチレン性不
飽和単量体を共重合して得られる共重合体であるが、こ
れに制限されない。上記エチレン性不飽和単量体として
は、好ましくは炭素数2または3のα−オレフィン、よ
り好ましくは水素原子の一部または全部がフッ素原子で
置換された上記α−オレフィンを挙げることができる。
エチレン性不飽和単量体の好ましい具体例として、α−
ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレ
ン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、ビニルフルオライド、パ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ
(プロピルビニリデン)、プロピレンなどを挙げること
ができる。
【0008】(A)フッ素ゴムの好ましい具体例として
は、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン−プロ
ピレン三元共重合体、テトラフルオロエチレン−フッ化
ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、
フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
などが挙げられ、特にテトラフルオロエチレン−フッ化
ビニリデン−プロピレン三元共重合体が好ましい。テト
ラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン−プロピレン三
元共重合体において、各単量体の好ましい範囲は、フッ
化ビニリデン単位が2〜70モル%、テトラフルオロエ
チレン単位が20〜60モル%、プロピレン単位が20
〜60モル%であり、さらに好ましい範囲は、フッ化ビ
ニリデン単位が3〜60%、テトラフルオロエチレン単
位が20〜60モル%、プロピレン単位が20〜60モ
ル%である(ここで、フッ化ビニリデン単位、テトラフ
ルオロエチレン単位およびプロピレン単位の合計量は、
100モル%)。
【0009】さらにこれらの(A)フッ素ゴムは、塩基
性物質の存在下に加熱処理し不飽和結合などを導入する
方法(特開昭54−122350号公報参照)あるい
は、高温で加熱処理し不飽和結合などを導入する方法
(特公昭55−41641号公報、特開昭51−865
51号公報参照)などにより、本発明の組成物に用いら
れる加硫系で効率的な架橋が進行しやすいようにするこ
とも可能である。
【0010】これらの(A)フッ素ゴムは、単独で、ま
たは2種以上混合して用いられる。また、(A)フッ素
ゴムの分子量および分子量分布は特に制限されるもので
はなく、用途や成形条件などに応じ、適宜、選択される
が、重量平均分子量は、通常1×105〜30×105
好ましくは1×105〜20×105である。これらの
(A)フッ素ゴムの製造には、例えば乳化重合、懸濁重
合、溶液重合、塊状重合などの従来公知の重合方法が好
ましく採用される。
【0011】(B)アクリルゴムについて説明する。本
発明の耐油、耐熱ゴム組成物に含有される構成するアク
リルゴムは、不飽和基(炭素−炭素不飽和結合)を有す
るアクリルゴムである。アクリルゴムが有する炭素−炭
素不飽和結合としては、ビニル基、ビニリデン基、アク
リロイル基、メタアクリロイル基およびこれらの基の水
素原子が炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、炭
素数6〜12の芳香族基、炭素数5〜12の脂環式基な
どで置換された重合性炭素−炭素二重結合を挙げること
ができるが、なかでもアクリロイル基、メタアクリロイ
ル基およびビニル基が好ましい。アクリルゴムが有する
炭素−炭素不飽和結合は、本発明の組成物の加硫時に、
アクリルゴムの加硫点として機能し、前記(A)フッ素
ゴムとの共加硫が容易となる。その結果、耐熱性、圧縮
永久歪特性、機械的強度および含アミンオイル耐性に優
れた加硫ゴムを得ることができる。
【0012】このようなアクリルゴムは、例えばアクリ
ル酸アルキルエステルおよびアクリル酸アルコキシエス
テルから選択される少なくとも1種の単量体成分(a)
と、上記重合性炭素−炭素二重結合を2個以上1分子中
に含有する単量体成分(b)とを共重合する方法により
得ることができるが、この方法に制限されない。
【0013】単量体成分(a)であるアクリル酸アルキ
ルエステルは、アルキル基の炭素数が1〜8のものが好
ましい。アクリル酸アルキルエステルの好ましい具体例
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチル
アクリレートなどを挙げることができる。これらのう
ち、エチルアクリレートおよびn−ブチルアクリレート
が好ましい。
【0014】単量体成分(a)であるアクリル酸アルコ
キシアルキルエステルは、アルコキシアルキル基の炭素
数が2〜6のものが好ましい。アクリル酸アルコキシア
ルキルエステルの好ましい具体例としては、メトキシメ
チルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エト
キシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレー
ト、メトキシエトキシエチルアクリレートなどを挙げる
ことができる。これらのうち、メトキシエチルアクリレ
ートが好ましい。
【0015】単量体成分(a)および(b)の合計量に
占める単量体成分(a)の割合は、通常99.9〜80
重量%であり、好ましくは99.5〜86重量%であ
る。
【0016】2個以上の重合性炭素−炭素二重結合を1
分子中に含有する単量体成分(b)は、加硫点(炭素−
炭素二重結合)を(B)アクリルゴムに導入するための
単量体である。単量体成分(b)は、上記単量体成分
(a)と共重合して、(B)アクリルゴムに上記炭素−
炭素不飽和結合が導入される。
【0017】(B)アクリルゴムに不飽和基を導入する
ために用いられる、2個以上の重合性炭素−炭素二重結
合を分子中に含有する単量体(b)の炭素数は、好まし
くは5〜25である。単量体(b)の好ましい具体例と
しては、例えばビニルメタクリレート、ビニルアクリレ
ート、アリルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキ
シエチルアクリレート、1,1−ジメチルプロペニルメ
タクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレー
ト、1,1−ジメチル−3−ブテニルメタクリレート、
1,1−ジメチル−3−ブテニルアクリレート、イタコ
ン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、ビニル1,1−ジ
メチルプロペニルエーテル、ビニル1,1−ジメチル−
3−ブテニルエーテル、1−アクロイルオキシ−1−フ
ェニルエテンなどを挙げることができる。これらのう
ち、ビニルメタクリレート、アリルメタクリレートおよ
びジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートが好ま
しい。
【0018】単量体成分(a)および(b)の合計量に
占める単量体成分(b)の割合は、通常0.1〜10重
量%であり、好ましくは0.5〜8重量%である。単量
体成分(b)の割合が0.1重量%未満であると、架橋
密度が過小となり良好な物性を有する加硫ゴムを得るこ
とができない。一方、この割合が10重量%を越える
と、ゴム組成物がスコーチしやすいものとなり、貯蔵安
定性の観点から好ましくない。
【0019】(C)有機過酸化物について説明する。本
発明の組成物に用いられる(C)有機過酸化物は、(−
O−O−)結合を持つ有機化合物であり、一般的にゴム
の加硫剤として用いられている有機過酸化物を特に制限
なく用いられる。(C)有機過酸化物の具体例として
は、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−(t−ブチルパー
オキシ)−m−ジ−イソプロピルベンゼン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−p−ジイソプロピルベンゼン、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、p−クロ
ルベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられ、これらの
有機過酸化物は、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0020】(C)有機過酸化物の使用量は、加硫物に
十分な加硫密度、強度および破断伸びを与える観点か
ら、(A)フッ素ゴムと(B)アクリルゴムの合計量100
重量部に対し、好ましくは0.5〜20重量部、より好
ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量
部である。
【0021】(D)有機塩について説明する。本発明の
組成物に用いられる(D)有機塩は、有機第4級アンモ
ニウム塩、有機第4級ホスホニウム塩、および1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンから誘
導される塩からなる群から選択される少なくとも1種の
塩である。この(D)有機塩は、加硫時にフッ素ゴムか
ら脱フッ化水素反応を促進し、(A)アクリルゴムとの
共加硫を円滑に行わせる加硫促進剤としての作用を有す
る。有機第4級アンモニウム塩の具体例として、硫酸水
素テトラブチルアンモニウム、硫酸水素トリオクチルメ
チルアンモニウム、硫酸水素ベンジルトリメチルアンモ
ニウム、などを挙げることができる。有機第4級ホスホ
ニウム塩の具体例として、トリフェニルベンジルホスホ
ニウムクロライド、トリシクロヘキシルベンジルホスホ
ニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムブロマイ
ド、トリシクロヘキシルベンジルホスホニウムブロマイ
ドなどを挙げることができる。1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕−7−ウンデセンから誘導される塩の具
体例として、硫酸水素1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕−7−ウンデセニウムクロライド、硫酸水素
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセ
ニウムブロマイド、8−メチル−1,8−ジアザビシク
ロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムクロライド、8
−メチル−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7
−ウンデセニウムブロマイド、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕−7−ウンデセンのp−トルエンスルホ
ン酸塩などが挙げられる。これらの(D)有機塩は、1
種単独で使用することも、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。
【0022】(D)有機塩の使用量は、(A)フッ素ゴム
と(B)アクリルゴムの合計量100重量部に対し、好ま
しくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜7
重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。
(D)有機塩の使用量が上記範囲であることにより、加
硫物は充分な加硫密度が得られて、優れた強度および含
アミン耐性を示すと共に、本発明の組成物のスコーチ性
は小さい。
【0023】(E)多官能性化合物について説明する。
本発明の組成物の(E)多官能性化合物としては、多ア
リル化合物類、多(メタ)クリレート化合物類、ジビニル
化合物類、ビスマレイミド化合物類、オキシム化合物類
などの、ゴムの加硫時に架橋反応を十分に進める目的で
加硫助剤として一般的に用いられている多官能性化合物
が用いられる。(E)多官能性化合物の具体例として
は、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ートなどの多アリル化合物類;トリメチロールプロパン
トリメタアクリレート、N,N’−m−フェニレンビス
マレイミド、エチレングリコールジメタアクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタアクリレート、1,4−
ブタンジオールジメタアクリレート、1,6−ヘキサン
ジオール・ジメタアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジメタアクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
2,2’−ビス(4−メタクリロイルジエトキシフェニ
ル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの多メ
タクリレート化合物類;ジビニルベンゼン、N,N’−
メチレンビスアクリルアミドなどのジビニル化合物類;
ビスマレイミドなどのビスマレイミド類;p−キノンジ
オキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムな
どのオキシム化合物類;その他トリアジンチオールなど
が挙げられる。なかでも、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、N,
N’−m−フェニレンビスマレイミドが好ましい。これ
らの(E)多官能性化合物は、1種単独で使用すること
も、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。
【0024】(E)多官能性化合物の使用量は、十分な架
橋密度および破断伸びを有する加硫物を得る目的から、
(A)フッ素ゴムと(B)アクリルゴムの合計量100重量
部に対し、好ましくは0.5〜20重量部、より好まし
くは1〜10重量部、さらに好ましくは1〜8重量部で
ある。
【0025】(F)金属化合物について説明する。本発
明の組成物に用いられる(F)金属化合物は、金属酸化
物および金属水酸化物から選択される。(F)金属化合
物は、フッ素ゴムの加硫時に一般的に受酸剤として作用
し、ポリオール加硫時において使用される従来公知の金
属化合物はすべて使用可能である。(F)金属化合物の
具体例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化亜鉛、酸化鉛、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウムなどが挙げられ、これらの化合物は、1種単独で使
用することも、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。
【0026】(F)金属化合物の使用量は、(A)フッ素
ゴムと(B)アクリルゴムの合計量100重量部に対し、
好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1〜2
5重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。使
用量が上記範囲であることにより、充分な加硫密度およ
び強度を得ることができ、金型腐食が少ない。
【0027】本発明の耐油、耐熱ゴム組成物には、必要
に応じて、本発明の目的の達成を損なわない範囲で、他
の成分、接着促進剤、可塑剤、着色剤などを配合するこ
と、さらには天然ゴムやその他の合成ゴム、熱可塑性樹
脂や熱効果性樹脂などを併用することも可能である。ま
た天然ゴムおよびその他の合成ゴム、熱可塑性樹脂や熱
硬化性樹脂あるいは、天然または合成繊維、各種金属と
の積層体として使用することも可能である。
【0028】本発明の組成物は、上記成分をロール、ニ
ーダーなどの通常のゴムの混練り装置により均一に混合
することにより得られる。このようにして得られる本発
明の耐油、耐熱ゴム組成物は、従来公知の成形方法によ
りゴム製品を製造することができる。例えばプレス成
形、射出成形、トランスファー成形などの金型を用いる
方法、あるいはロートキュアー、熱空気加硫、蒸気加
硫、高周波加硫、などの方法により通常の成形と全く同
様にして成形して、所望の成形品を得ることが可能であ
る。
【0029】また、本発明の耐油、耐熱ゴム組成物は、
例えば押し出し成形、カレンダー成形、溶剤に溶かして
からのコーティングやディップ成形などの通常のゴムの
成形方法により加硫、成形することも可能である。加硫
条件は成形しようとするものの形状や条件により適宜き
められるが、通常、100〜400℃の温度で、数秒〜
24時間の加硫を行う。また、得られる加硫物の特性を
安定化させるために、二次加硫を行ってもよい。この二
次加硫の条件は、通常、150〜300℃で30分〜4
8時間程度である。
【0030】本発明の耐油、耐熱ゴム組成物を加硫した
加硫物は、優れた耐油性、耐熱性、耐候性、圧縮永久
歪、耐圧縮荷重性、さらには優れた含アミンオイル耐性
を有しており、各種工業分野、例えば自動車、船舶、航
空機、油圧機器、一般機械工業、電気関係、化学分野な
どにおいて、Oリング、ガスケット、オイルシール、ダ
イアフラム、ホース、防震ゴム、ロール、シート材、被
覆材などとして広く利用が可能である。特に自動車エン
ジンルーム周りのゴム製品に好適に使用される。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
い限り重量基準である。また、実施例における未加硫ゴ
ム組成物および加硫物の特性は次のようにして求めた。
【0032】(1)スコーチ性 JIS K6300に準拠して、L型ローターを用い、
温度125℃で測定した。 (2)引張試験 JIS K6301に準拠して、加硫物の破断点強度(T
b)、破断点伸び(Eb)を測定した。(なお、プレス加硫
後の試料の外観を肉眼で観察して、加硫物の発泡の有無
について判定した。) (3)硬度(Hs) 加硫物の表面硬度をJIS−Aに従って測定した。 (4)耐熱老化試験 JIS K6301に準拠して、温度200℃、試験時
間168時間の条件で、空気加熱老化試験方式により、
加硫物の破断点強度変化率〔Ac(Tb)〕、破断点伸び
変化率〔Ac(Eb)〕、固さ変化率〔Ah〕を測定し
た。 (5)圧縮永久歪試験 JIS K6301に準拠して、加硫物の圧縮永久歪を
測定した。 (6)金型腐蝕性 関西ロール(株)製、100t電熱プレスによりシート
状金型(キャビティー140×140×2mm)を用
い、温度170℃、加硫時間20分の条件で加硫を実施
し、加硫物を取出した後の金型の状態を観察した。 (7)耐アミンオイル性 JIS#1オイルにヘキサメチレンジアミンを0.01
mol添加したオイルに175℃×70時間浸せき後、
取り出した試験片についてJIS K6301に準拠し
た引張り試験を実施した後、試験片表面の亀裂発生の有
無を観察した。
【0033】さらに、実施例および比較例に用いた各成
分は、次のとおりである。 (i)フッ素ゴム1 乳化重合法により得られた、テトラフルオロエチレン/
フッ化ビニリデン/プロピレン(モル比)=40/30
/30のフッ素ゴムを300℃で加熱処理したフッ素ゴ
ム (ii)フッ素ゴム2 乳化重合法により得られた、テトラフルオロエチレン/
フッ化ビニリデン/プロピレン(モル比)=40/30
/30のフッ素ゴム (iii)アクリルゴム1 乳化重合法により得られた、エチルアクリレート/アリ
ルメタクリレート(モル比)=99.4/0.6のアク
リルゴム (iv)アクリルゴム2 乳化重合法により得られてなる、エチルアクリレート/
アリルグリシジルエーテル(モル比)=99.4/0.
6のアクリルゴム
【0034】(v)アクリルゴム3 乳化重合法により得られてなる、エチルアクリレート/
クロロ酢酸ビニル(モル比)=99.4/0.6のアク
リルゴム (vi)MT Vanderbilt(社)製、MTカーボンブラック (vii)ニップシールER 日本シリカ(社)製、合成含水ケイ酸 (viii)MgO#30 協和化学(株)製、酸化マグネシウム
【0035】(ix)ノクラックCD 大内新興化学工業(社)製、4,4’−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)ジフェニルアミン (x)カルビット 近江化学(株)製、水酸化カルシウム (xi)TAIC 日本化成(株)製、トリアリルイソシアヌレート (xii)TBAHS 和光純薬(株)製、硫酸水素テトラブチルアンモニウム (xiii)パーカドックス14 化薬アクゾ(株)製、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジ−
イソプロピルベンゼン(xiv)V−1 ダイキン工業(株)製、ヘキサメチレンジアミンカーボ
ネート
【0036】実施例1〜2、比較例1〜6 表1に示されるコンパウンド(I)の成分を、温度設定
150℃のハーケレオコードミキサー(内容量300c
c)を用い、回転数60rpmで5分間混練りした。次
いで、得られたコンパウンド(I)に表1に示されるコ
ンパウンド(II)の成分を添加し50℃の4インチロール
で5分間混練りし、加硫性組成物を得た。この加硫性組
成物を用い、2mm厚シートおよび圧縮永久歪計測用試
験片を圧力150Kg/cm2、温度170℃で20分
間、プレス加硫した後、200℃で24時間オーブン加
硫したものを試験片とし、各種の物性の測定に供した。
結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1,表2の結果から、実施例1および2
は、本発明の耐油、耐熱ゴム組成物のスコーチ特性、該
組成物から得られる加硫物の強度、伸び、金型腐食性、
圧縮永久歪特性、含アミンオイル耐性などにバランスよ
く優れていることが分かる。一方、(B)アクリルゴム
を使用しない比較例1の加硫物は、含アミンオイル耐
性、伸びに劣り、未加硫組成物のスコーチ特性にも若干
劣る。 (A)フッ素ゴムを配合しない比較例2の加硫物は耐熱
性に劣り、未加硫組成物はスコーチ特性にも若干劣る。 (D)有機塩を配合しない比較例3は、加硫物の強度、
耐熱性および圧縮永久歪特性に劣る。 (E)多官能性化合物を配合しない比較例4は、加硫物
の強度、伸び、耐熱性および圧縮永久歪特性に劣り、未
加硫組成物はスコーチ特性にも若干劣る。また、アクリ
ルゴムとして、炭素−炭素不飽和結合を有さないアクリ
ルゴム2、アクリルゴム3をそれぞれ用いた比較例5,
6は、いずれもスコーチ特性に劣り、さらにアクリルゴ
ム2を用いた比較例2の場合は、圧縮永久歪特性にも劣
る。なお、アクリルゴム2は、エポキシ基が架橋点とな
り、アクリルゴム3は、塩素原子が結合している炭素原
子が架橋点となる。そのため、比較例5、6では、加硫
剤として有機過酸化物は使用されず、ヘキサメチレンジ
アミンカーボネートが加硫剤として用いられた。
【0040】
【発明の効果】本発明の耐油、耐熱ゴム組成物はスコー
チ特性に優れ、その加硫物は、優れた耐油性、耐熱性、
含アミンオイル耐性、耐候性、圧縮永久歪特性、耐圧縮
荷重性を有している。従って、各種工業分野、例えば自
動車、船舶、航空機、油圧機器、一般機械工業、電気関
係、化学分野などにおいて、Oリング、ガスケット、オ
イルシール、ダイアフラム、ホース、防震ゴム、ロー
ル、シート材、被覆材などとして広く利用が可能であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/49 C08K 5/49 C08L 33/00 C08L 33/00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フッ素ゴム、(B)炭素−炭素不飽
    和結合を有するアクリルゴム、(C)有機過酸化物、
    (D)有機第4級アンモニウム塩、有機第4級ホスホニ
    ウム塩、および1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕
    −7−ウンデセンから誘導される塩からなる群から選択
    される少なくとも1種の有機塩、(E)多官能性化合
    物、ならびに(F)金属酸化物および金属水酸化物から
    なる群から選択される少なくとも1種の金属化合物、を
    含有することを特徴とする耐油、耐熱ゴム組成物。
  2. 【請求項2】上記各成分の配合割合が、(A)フッ素ゴ
    ム95〜5重量部、(B)アクリルゴム5〜95重量部
    (ここで、(A)と(B)の合計量は100重量部であ
    る)、(C)有機過酸化物0.5〜20重量部、(D)
    有機塩0.1〜10重量部、(E)多官能性化合物0.
    5〜20重量部、(F)金属化合物0.5〜30重量
    部、であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002060576A (ja) * 2000-08-22 2002-02-26 Ausimont Spa フッ素化エラストマーとアクリルエラストマーのブレンド
EP1182227A3 (en) * 2000-08-22 2003-06-04 Solvay Solexis S.p.A. Blends of fluorinated and acrylic elastomers

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