JPH10176090A - フッ素ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

フッ素ゴム組成物の製造方法

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JPH10176090A
JPH10176090A JP35333496A JP35333496A JPH10176090A JP H10176090 A JPH10176090 A JP H10176090A JP 35333496 A JP35333496 A JP 35333496A JP 35333496 A JP35333496 A JP 35333496A JP H10176090 A JPH10176090 A JP H10176090A
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JP
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pts
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fluororubber
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JP35333496A
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English (en)
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Yutaka Kobayashi
豊 小林
Akihiko Morikawa
明彦 森川
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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Publication of JPH10176090A publication Critical patent/JPH10176090A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫促進剤の分散性に問題がなく、安定な加
硫物が得られるフッ素ゴムの製造方法を提供すること。 【解決手段】 (A)フッ素ゴム、(B)有機4級アン
モニウム硫酸水素塩および/または1,8−ジアザビシ
クロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンから誘導される
塩、(C)金属酸化物および/または金属水酸化物、
(D)有機過酸化物、(E)多官能性化合物、ならびに
(F)ポリヒドロキシ化合物および/またはフェノール
系化合物を含有してなるフッ素ゴム組成物の製造方法で
あって、(B)成分を、(B)成分、極性溶媒、
アマニ油吸油量100cc/100g以上の、天然ケイ
酸塩および/または合成ケイ酸塩、ならびに(A)フ
ッ素ゴムを、特定比率で、あらかじめ混合されたマスタ
ーバッチの形態で添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素ゴム組成物
の製造方法に関し、さらに詳細には加硫性の改善された
新規なフッ素ゴム組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素ゴムは、優れた耐熱性、耐油性、
耐薬品性などを有することから、自動車部品などを中心
に各種の工業分野で広く用いられている。特に、近年の
エンジンの高出力化から生ずるエンジン温度の上昇によ
り、より耐熱性の高いフッ素ゴム材料が要求されてい
る。この要求を満たす材料として、有機過酸化物加硫タ
イプのフッ素ゴムが、これらの要求を満たす材料として
注目されている。
【0003】例えば、特開平7−179704号公報で
は、(A)フッ化ビニリデンおよびこれと共重合可能な
少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体を共重合して
得られるフッ素ゴム、(B)有機過酸化物、(C)2価
の金属水酸化物および/または2価の金属酸化物、
(D)有機塩基、ならびに(E)フェノール系化合物お
よび芳香族アミン系化合物からなる群から選ばれる少な
くとも1種からなるフッ素ゴム加硫用組成物が提案され
ている。しかしながら、この特開平7−179704号
公報で提案されている(D)有機塩基のうち、硫酸水素
テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラメチルアン
モニウムを結晶粉末のまま添加すると、分散性に難点が
あり、充分な加硫度が得られないため、安定な加硫物が
得られないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、加硫促進剤の分散性
に問題がなく、安定な加硫物が得られるフッ素ゴムの製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)フッ素
ゴム100重量部に対し、(B)有機4級アンモニウム
硫酸水素塩および/または1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕−7−ウンデセンから誘導される塩0.
1〜10重量部、(C)金属酸化物および/または金属
水酸化物0.5〜30重量部、(D)有機過酸化物0.
5〜20重量部、(E)多官能性化合物0.5〜20重
量部、ならびに(F)ポリヒドロキシ化合物および/ま
たはフェノール系化合物0.1〜20重量部を含有して
なるフッ素ゴム組成物の製造方法であって、(B)成分
を (B)成分1重量部に対し、 極性溶媒0.3〜5重量部、 アマニ油吸油量100cc/100g以上の、天然ケ
イ酸塩および/または合成ケイ酸塩(以下「充填材」と
もいう)0.5〜10重量部、ならびに (A)フッ素ゴム2〜10重量部 の比率であらかじめ混合されたマスターバッチの形態で
添加することを特徴とするフッ素ゴム組成物の製造方法
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、フッ素ゴムに、
加硫促進剤として有機4級アンモニウム硫酸水素塩およ
び/または1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7
−ウンデセンから誘導される塩と、有機過酸化物および
多官能性化合物、金属酸化物および/または金属水酸化
物、ポリヒドロキシ化合物および/またはフェノール系
化合物を配合した組成物の製造方法であって、有機4級
アンモニウム硫酸水素塩および/または1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンから誘導され
る塩を特定の組成を持ったマスターバッチの形態で添加
した点にある。
【0007】(A)成分のフッ素ゴムは、フッ化ビニリ
デン、およびこれと共重合可能な少なくとも1種のエチ
レン性不飽和単量体を共重合して得られる共重合体であ
る。ここで、エチレン性不飽和単量体としては、ヘキサ
フルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリ
フルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テト
ラフルオロエチレン、ビニルフルオライド、パーフルオ
ロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピル
ビニリデン)、プロピレンなどを挙げることができる。
【0008】(A)フッ素ゴムの具体例としては、テト
ラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン−プロピレン三
元共重合体、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが挙
げられ、特にテトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデ
ン−プロピレン三元共重合体が好ましい。テトラフルオ
ロエチレン−フッ化ビニリデン−プロピレン三元共重合
体において、各単量体の好ましい範囲は、フッ化ビニリ
デン単位が2〜70モル%、テトラフルオロエチレン単
位が20〜60モル%、プロピレン単位が20〜60モ
ル%(ただし、フッ化ビニリデン単位+テトラフルオロ
エチレン単位+プロピレン単位=100モル%)であ
る。さらに好ましい範囲は、フッ化ビニリデン単位が3
〜60%、テトラフルオロエチレン単位が20〜60モ
ル%、プロピレン単位が20〜60モル%である。
【0009】これらの(A)フッ素ゴムは、単独で、ま
たは2種以上混合して用いられる。また、これら(A)
フッ素ゴムの分子量や分子量分布は特に制限されるもの
ではなく、用途や成形条件などに応じ、適宜、選択され
る。これらの(A)フッ素ゴムの製造には、例えば乳化
重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの従来公知の
重合方法が好ましく採用される。
【0010】本発明において用いられる(B)成分は、
加硫時にフッ素ゴムから脱フッ化水素反応を促進し、加
硫を円滑に行わせる作用を有する。この(B)成分は、
有機4級アンモニウム硫酸水素塩および/または1,8
−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンから
誘導される塩であり、その具体例は、硫酸水素テトラブ
チルアンモニウム、硫酸水素トリオクチルメチルアンモ
ニウム、硫酸水素ベンジルトリメチルアンモニウム、硫
酸水素1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウ
ンデセニウムクロライド、硫酸水素1,8−ジアザビシ
クロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムブロマイド、
8−メチル−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−
7−ウンデセニウムクロライド、8−メチル−1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムブ
ロマイド、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7
−ウンデセンのp−トルエンスルホン酸塩などが挙げら
れる。これらの化合物は、1種単独で使用することも、
あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0011】(B)成分の使用量は、(A)フッ素ゴム
100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは
0.2〜7重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部
である。0.1重量部未満では、充分な加硫密度および
物性が得られず、一方10重量部を超えると、スコーチ
現象性などの成形加工性に悪影響を及ぼすとともに、耐
薬品性などの加硫物の特性を低下させる。
【0012】本発明に用いられる(C)金属酸化物およ
び/または金属水酸化物は、フッ素ゴムの加硫時に受酸
剤として用いられるもので、ポリオール加硫時において
使用される従来公知の化合物はすべて使用可能である。
(C)成分の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらの化合物
は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混
合して用いることもできる。
【0013】(C)成分の使用量は、(A)フッ素ゴム
100重量部に対し、0.5〜30重量部、好ましくは
1〜25重量部、さらに好ましくは2〜10重量部であ
る。0.5重量部未満では、充分な加硫密度および物性
が得られず、一方30重量部を超えると、強度が低下す
る。
【0014】本発明に用いられる(D)有機過酸化物
は、加硫剤として用いられ、(−O−O−)結合を持つ
有機化合物である。(D)有機過酸化物の具体例として
は、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−(t−ブチルパー
オキシ)−m−ジ−イソプロピルベンゼン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−p−ジイソプロピルベンゼン、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、p−クロ
ルベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられ、これらの
有機過酸化物は、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。
【0015】(D)成分の使用量は、(A)フッ素ゴム
100重量部に対し、0.5〜20重量部、好ましくは
1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部であ
る。0.5重量部未満では、充分な加硫密度および物性
が得られず、一方20重量部を超えると、破断伸びなど
の物性が低下する。
【0016】本発明に用いられる(E)多官能性化合物
は、加硫助剤として用いられ、多アリル化合物、メタク
リレート化合物、ジビニル化合物、ビスマレイミド化合
物、オキシム化合物などが挙げられる。(E)多官能性
化合物の具体例としては、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、
N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、エチレング
リコールジメタアクリレート、1,3−ブタンジオール
ジメタアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタア
クリレート、1,6−ヘキサンジオール・ジメタアクリ
レート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、2,2′−ビス(4−メ
タクリロイルジエトキシフェニル)プロパン、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ジビニルベンゼン、N,N′−メ
チレンビスアクリルアミド、p−キノンジオキシム、
p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、トリアジン
チオール、トリアリルシアヌレート、ビスマレイミドな
どが挙げられ、好ましくはトリアリルイソシアヌレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、N,
N′−m−フェニレンビスマレイミドである。これらの
(E)多官能性化合物は、1種単独で使用することも、
あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0017】(E)成分の使用量は、(A)フッ素ゴム
100重量部に対し、0.5〜20重量部、好ましくは
1〜10重量部、さらに好ましくは1〜8重量部であ
る。0.5重量部未満では、充分な加硫密度および物性
が得られず、一方20重量部を超えると、伸びなどの加
硫物性が低下する。
【0018】本発明に用いられる(F)ポリヒドロキシ
化合物および/またはフェノール系化合物は、遅効剤と
なるものであり、従来公知のものはすべて使用可能であ
る。(F)成分の具体例としては、ビスフェノールA
F、ビスフェノールA、ハイドロキノン、カテコール、
含フッ素脂肪族ポリヒドロキシ化合物、フェノール、ク
レゾール、p−メトキシフェノール、3メチル−4−イ
ソプロピルフェノール、トリブチル−p−フェニルフェ
ノール、アリルフェノール、o−フェニルフェノール、
p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸エチ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、p−ヒドロキ
シ安息香酸イソプロピルなどが挙げられる。これらの
(F)成分は、1種単独で使用することも、あるいは2
種以上を混合して用いることもできる。
【0019】(F)成分の使用量は、(A)フッ素ゴム
100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは
0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量
部である。0.1重量部未満では、スコーチ現象性など
の成形加工性に悪影響を及ぼし、一方20重量部を超え
ると、加硫阻害が顕著となり加硫物性が低下する。
【0020】本発明に用いられる(B)成分を含むマス
ターバッチ組成のうち、極性溶媒は、(B)成分を容
易に溶解する能力を有するものであれば、従来公知のも
のは全て使用可能である。極性溶媒の具体例として
は、メチルアルコール、エチルアルコールなどのアルコ
ール類、エチレングリコールなどのグリコール類、スル
ホラン、水などである。なかでも、水が好ましい。これ
らの極性溶媒は、1種単独もしくは2種以上の混合物で
も使用することができる。
【0021】また、マスターバッチ組成のうち、アマ
ニ油吸油量100cc/100g以上の、天然ケイ酸塩
や合成ケイ酸塩は、(B)成分と極性溶媒からなる溶
液を吸着する能力を有するものであれば、従来公知のも
のは全て使用可能である。具体例としては、ケイソウ
土、ケイ石粉、ケイ灰石、結晶質合成ケイ酸カルシウム
などである。なかでも、結晶質合成ケイ酸カルシウムが
好ましい。これらの天然ケイ酸塩や合成ケイ酸塩は、1
種単独もしくは2種以上の混合物でも使用することがで
きる。
【0022】マスターバッチ中の各成分の割合は、
(B)成分1重量部に対し、極性溶媒が0.3〜5重
量部、好ましくは0.3〜2.5重量部、さらに好まし
くは0.3〜1重量部である。極性溶媒が、0.3重
量部未満では、充分な加硫性が得られず、加硫物が発泡
したり、金型粘着性が悪化し、また圧縮永久ひずみも悪
化する。一方、5重量部を超えると、マスターバッチ製
造時に練り生地がまとまらず、製造が困難となる。ま
た、上記成分は、(B)成分1重量部に対し、0.5
〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好
ましくは0.5〜3重量部である。0.5重量部未満で
は、マスターバッチ製造時に練り生地がまとまらず、製
造が困難となる。一方、10重量部を超えると、充分な
加硫性が得られず、加硫物が発泡したり、金型粘着性が
悪化し、また圧縮永久ひずみも悪化する。
【0023】さらに、(A)フッ素ゴムは、(B)成
分1重量部に対し、2〜10重量部、好ましくは2〜7
重量部、さらに好ましくは2〜5重量部である。2重量
部未満では、マスターバッチ製造時に練り生地がまとま
らず、製造が困難となる。一方、10重量部を超える
と、充分な加硫性が得られず、加硫物が発泡したり、金
型粘着性が悪化し、また圧縮永久ひずみも悪化する。
【0024】上記マスターバッチを製造するには、ロー
ル、ニーダーなどの従来公知の混練り装置を使用するこ
とができる。
【0025】本発明のフッ素ゴム組成物には、必要に応
じて、他の成分、接着促進剤、可塑剤、着色剤などを配
合することが可能である。また、天然ゴムやその他の合
成ゴム、熱可塑性樹脂や熱効果性樹脂などをブレンドす
ることも可能であり、また天然ゴムやその他の合成ゴ
ム、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、あるいは天然または
合成繊維、各種金属との積層体として使用することも可
能である。
【0026】本発明では、上記のようにして得られるマ
スターバッチと、(B)成分以外の各成分を配合したフ
ッ素ゴム組成物とを、ロールやニーダーなどの通常のゴ
ムの混練り装置により均一に混合することにより、フッ
素ゴム組成物が得られる。このようにして得られるフッ
素ゴム組成物は、従来公知の成形方法はすべて使用可能
であり、例えばプレス成形、射出成形、トランスファー
成形などの金型を用いる方法、あるいはロートキュア
ー、熱空気加硫、蒸気加硫、高周波加硫、などの方法に
より通常の成形と全く同様にして成形することが可能で
ある。
【0027】また、本発明により得られるフッ素ゴム組
成物は、例えば押し出し成形、カレンダー成形、溶剤に
溶かしてからのコーティングやディップ成形などの通常
のゴムの成形方法により加硫、成形することも可能であ
る。加硫条件は成形しようとするものの形状や条件によ
り適宜きめられるが、通常、100〜400℃で数秒〜
24時間の範囲である。また、得られる加硫物の特性を
安定化させるために、二次加硫を行ってもよい。この二
次加硫の条件は、通常、150〜300℃で30分〜4
8時間程度である。
【0028】本発明で得られるフッ素ゴム組成物を加硫
した加硫物は、優れた耐熱性、耐油性、耐候性、圧縮永
久歪、耐圧縮荷重性を有しており、一般工業、電気、化
学分野への利用が可能である。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なを、実施例中、部および%は、特に断らな
い限り重量基準である。また、実施例における加硫物挙
動、プレス成形性、圧縮永久歪試験は、次のようにして
求めた。
【0030】混練り状態(まとまり性) HAAKE社製、RHEOCORD90を用いて混練り
を実施し、排出した練り生地の状態で判断した。加硫挙動 日合商事(株)製、JSRキュラストメーターV型を用
い、170℃、振幅1度で測定した。貯蔵安定性 表1に示したマスターバッチを、温度40℃に制御した
オーブン中に投入したのち、その所定量を関西ロール
(株)製、150mmロール機にてフッ素ゴム組成物に
練り込み、加硫挙動を計測した。プレス成形性 関西ロール(株)製、100t電熱プレスによりシート
状金型(キャビティー140×140×2mm)を用
い、温度170℃、加硫時間20分の条件で加硫を実施
し、加硫物の状態を観察した。圧縮永久歪試験 JIS K6301に準拠して測定した。
【0031】さらに、実施例および比較例に用いた各成
分は、次のとおりである。フッ素ゴム 乳化重合法により得られてなる、テトラフルオロエチレ
ン/フッ化ビニリデン/プロピレン(モル比)=53/
5/42のフッ素ゴム、ムーニー粘度(ML1+4 、10
0℃)=90TBAHS 和光純薬(株)製、硫酸水素テトラブチルアンモニウムフローライトR (株)トクヤマ製、結晶質合成ケイ酸カルシウム、アマ
ニ油吸油量=400〜500cc/100gMgO#30 協和化学(株)製、酸化マグネシウムホワイトンB 白石工業(株)製、重質炭酸カルシウムニップシールVN3 日本シリカ(株)製、合成含水ケイ酸ナイアド400 NYCO社製、天然ケイ酸カルシウム、アマニ油吸油量
=22cc/100g
【0032】MT Vaderbilt社製、MTカーボンMgO#150 協和化学(株)製、酸化マグネシウムカルビット 近江化学(株)製、水酸化カルシウムTAIC 日本化成(株)製、トリアリルイソシアヌレートビスフェノールAF 旭硝子(株)製、6フッ化ビスフェノールパーカドックス14 化薬アクゾ(株)製、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジ−
イソプロピルベンゼン
【0033】実施例1、比較例1〜4 表1に示す配合組成にて、表面温度50℃に設定した関
西ロール(株)製、150mmロール機にてマスターバ
ッチ組成物を得た。この際、マスターバッチのまとまり
性を評価した。次に、60℃に設定した内容量300m
lのHaake社製、密閉式混練機を用い、15rpm
で5分間混練りすることにより、表4に示すフッ素ゴム
組成物(I)を得た。このフッ素ゴム組成物に、先に作
製したマスターバッチ組成物すべてとフッ素ゴム組成物
(I)を表4に示す割合で上記と同じロールにて配合混
練りしフッ素ゴム組成物(II)を作製した〔実施例1の
場合、フッ素ゴム組成物(II) の合計量=138.3部
+5.5部=143.8部〕。このフッ素ゴム組成物
(II)を用い、2mm厚シートおよび圧縮永久歪計測用
試験片を圧力150Kg/cm2 、温度170℃で20
分間、プレス加硫したのち、200℃で4時間オーブン
加硫したものを試験片とし、各種測定に供した。結果を
表1に示す。
【0034】表1から明かなように、実施例1は、比較
例1〜4に対して架橋性や貯蔵安定性に優れることが分
かる。これに対し、比較例1〜4は、充填材の化学成分
と(B)成分の反応性から、貯蔵安定性や架橋性に問題
がある。
【0035】実施例2、比較例5〜11 マスターバッチの配合組成を、表2〜3のように変更し
た以外は、実施例1と同様にして、フッ素ゴム組成物を
得た。表2〜3から明かなように、実施例2は、比較例
5〜11に対して架橋性や圧縮永久ひずみ特性に優れる
ことが分かる。これに対して、比較例5〜10では、極
性溶媒量、充填材量、フッ素ゴム量が適正範囲から外れ
ているため、マスターバッチの混練り加工性や加硫物性
に問題を生ずる。さらに、比較例11は、(B)成分を
結晶粉末のまま添加しているため、分散性に難点があ
り、充分な架橋度が得られず、加硫物性も劣ることが分
かる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明により得られるフッ素ゴム組成物
は、有効加硫トルク、加硫成形性、機械的特性が良好で
あり、かつ金属との接着性に優れており、自動車のラジ
エター、エンジン廻りのO−リング、オイルシール、ガ
スケット、チューブ、ホースなどに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/14 C08K 5/14 5/19 5/19 5/3477 5/3477 C08L 19/02 C08L 19/02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)フッ素ゴム100重量部に対し、 (B)有機4級アンモニウム硫酸水素塩および/または
    1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセ
    ンから誘導される塩0.1〜10重量部、 (C)金属酸化物および/または金属水酸化物0.5〜
    30重量部、 (D)有機過酸化物0.5〜20重量部、 (E)多官能性化合物0.5〜20重量部、ならびに (F)ポリヒドロキシ化合物および/またはフェノール
    系化合物0.1〜20重量部を含有してなるフッ素ゴム
    組成物の製造方法であって、 (B)成分を (B)成分1重量部に対し、 極性溶媒0.3〜5重量部、 アマニ油吸油量100cc/100g以上の、天然ケ
    イ酸塩および/または合成ケイ酸塩0.5〜10重量
    部、ならびに (A)フッ素ゴム2〜10重量部 の比率であらかじめ混合されたマスターバッチの形態で
    添加することを特徴とするフッ素ゴム組成物の製造方
    法。
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