JP2787049B2 - フッ素ゴム組成物 - Google Patents

フッ素ゴム組成物

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JP2787049B2
JP2787049B2 JP1128625A JP12862589A JP2787049B2 JP 2787049 B2 JP2787049 B2 JP 2787049B2 JP 1128625 A JP1128625 A JP 1128625A JP 12862589 A JP12862589 A JP 12862589A JP 2787049 B2 JP2787049 B2 JP 2787049B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フッ素ゴム組成物に関し、さらに詳細には
フッ素ゴムと有機ゴムを主成分とする押し出し性、加工
性、耐熱性、耐油性、耐候性、耐圧縮永久歪性、耐圧縮
荷重性に優れた架橋製品を提供することが可能なフッ素
ゴム組成物および架橋可能なフッ素ゴム組成物に関す
る。
〔従来の技術〕
近年、ゴム材料の性能に対する要求は年々厳しくなっ
てきており、使用されるゴム素材の種類にも変化が生じ
ている。ゴムのうちでも、フッ素ゴムは、耐溶剤性、耐
熱性、耐薬品性、耐候性において他の特殊ゴムと比較し
て抜群の性能を有しており、工業用品、自動車、航空機
分野においてその需要は年々増加している。
しかしながら、フッ素ゴムは、他の有機ゴムと比較す
ると効率的に加工するのが難しく、特にフッ素ゴムを押
し出し成型して成型体を作ると、口金を通過したのちに
膨張する傾向があり、その結果、口金の大きさよりはる
かに大きい成型体が生成する。このように、フッ素ゴム
は、型膨張が大きいため、複雑な断面を有する製品を押
し出し成型するのは非常に困難となる。従って、フッ素
ゴムを押し出し成型する際には、ワックスタイプの押し
出し成型助剤の添加および例えば120℃程度の高押し出
し成型温度を提供し得る押し出し成型装置を選択しない
と、得られる成型体は粗い外観を有することになるなど
の問題があった。
また、特開昭62−4708号公報には、フッ化ビニリデン
のフルオロエラストマーおよびフッ化ビニリデンと共重
合し得るフッ素含有モノマーを部分架橋し、フッ素ゴム
に混合することにより、押し出し性を改良する方法が提
案されているが、この方法では、押し出し成型時の製品
膨張の実質的な低減はできず、押し出し成型体の表面外
観も悪い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたも
ので、フッ素ゴムとフッ素ゴム以外の有機ゴムとをブレ
ンドする際に、有機ゴムのみを実質的に架橋することに
より、有機ゴムの分散粒径を小さくし、かつ両ゴムの界
面での分子の相互侵入を増大させ、界面剥離を防止し、
その結果、押し出し性、加工性に優れたフッ素ゴム組成
物を提供すること、さらにこれを架橋してなる架橋製品
の常態物性、耐熱性、耐油性、耐圧縮永久歪性、耐圧縮
荷重性に優れた架橋可能なフッ素ゴム組成物を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、フッ素ゴム(I)95重量部を超え99.5重量
部以下と、フッ素ゴム以外の有機ゴム(以下、単に「有
機ゴム」という)(II)0.5重量部以上5重量部未満
〔ただし、(I)+(II)=100重量部〕に、有機ゴム
(II)の架橋剤(以下「架橋剤(II)」という)を配合
し、剪断変形を与えながら反応させて得られるフッ素ゴ
ム組成物(以下、単に「フッ素ゴム組成物」という)を
提供するものである。
また、本発明は、このゴム組成物に、フッ素ゴム
(I)の架橋剤(以下「架橋剤(I)という)を配合し
た架橋可能なフッ素ゴム組成物(以下「架橋可能なフッ
素ゴム組成物」という)を提供するものである。
本発明におけるフッ素ゴム(I)は、例えば以下の含
フッ素モノマーの組み合わせから得られるものである。
すなわち、フッ素ゴム(I)とは、含フッ素モノマー
として、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロ
ペン、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレ
ン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチ
レン、ビニルフルオライド、パーフルオロ(メチルビニ
ルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニリデン)な
どを用い、さらにこれらと共重合可能なモノマーとし
て、アクリル酸エステルなどのビニル化合物、ピロピレ
ンなどのオレフィン化合物あるいはジエン化合物、塩
素、臭素、ヨウ素を含有する含ハロゲンビニル化合物な
どを共重合したゴムを挙げることができる。
フッ素ゴム(I)の具体例としては、フッ化ビニリデ
ン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−
六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体、
四フッ化エチレン−プロピレン共重合体、四フッ化エチ
レン−フッ化ビニリデン−プロピレン三元共重合体など
が挙げられる。
フッ素ゴム(I)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は
特に制限されるものではないが、好ましくは30〜150の
ものが用いられる。
次に、有機ゴム(II)としては、ジエン系ゴム、エチ
レン−α−オレフィン−(ジエン)系ゴム、アクリル系
ゴム、ハロゲン化ポリエチレン系ゴム、エピハロヒドリ
ン系ゴムなどが挙げられる。
この有機ゴム(II)の具体例としては、エチレン−プ
ロピレンゴム〔EP(D)M〕、天然ゴム(NR)、イソプ
レンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、アクリル系ゴム
(AR、エチレン−アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル
−アクリルゴム)、ヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロ
スルホン化ポリエチレン(CM、CSM)、エチレン−酢酸
ビニルゴム(EVA)などが挙げられ、好ましくはEP
(D)M、IIR、アクリル系ゴムである。
なお、有機ゴム(II)には、ハロゲン原子、不飽和カ
ルボン酸化合物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、アリルグリシジルエーテルなど
を共重合したもの、脂肪族共役ジエン部分の一部あるい
は全部を水素添加したものであってもよい。
また、有機ゴム(II)は、混練り作業性、フッ素ゴム
(I)との均一分散性などの面からムーニー粘度(ML
1+4、100℃)が10〜200、好ましくは20〜150、さらに好
ましくは30〜100の範囲のものが好適であり、このよう
なムーニー粘度の有機ゴム(II)を用いることにより、
安定した品質および特性を有するフッ素ゴム組成物を得
ることができる。有機ゴム(II)のムーニー粘度が前記
範囲外にあると、混練り作業性、分散性が悪くなり、品
質特性を維持することが困難となる。
本発明のフッ素ゴム組成物におけるフッ素ゴム(I)
と有機ゴム(II)との重量比は、フッ素ゴム(I)が95
重量部を超え99.5重量部以下、好ましくは1〜4重量
部、有機ゴム(II)が0.5重量部以上5重量部未満、好
ましくは96〜99重量部〔ただし、(I)+(II)=100
重量部〕であり、フッ素ゴム(I)が95重量部未満では
フッ素ゴムの特性である耐熱性が劣るようになり、一方
99.5重量部を超えると耐圧縮荷重性に劣り、また押し出
し性の改良が不充分である。
次に、本発明において、フッ素ゴム(I)および有機
ゴム(II)に混合し、有機ゴム(II)を架橋するに際し
ては、有機ゴム(II)の架橋剤(II)のほか必要に応じ
て架橋促進剤、架橋助剤、促進助剤、架橋遅延剤などを
併用してもよい。
この架橋剤(II)としては、通常、有機ゴム(II)の
架橋剤として使用されるすべてが挙げられる。例えば、
硫黄もしくはその誘導体または有機過酸化物、さらに樹
脂加硫剤、キノイド系加硫剤などが挙げられる。具体的
には有機ゴム(II)を架橋し、フッ素ゴム(I)を架橋
し難い系を選択する。
架橋剤として使用される有機過酸化物としては、例え
ば2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,4−ジ
クロルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイドなどであ
り、好ましくは2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−
ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼンであ
る。
これらの架橋剤(II)の添加量は、硫黄の場合、本発
明のフッ素ゴム組成物100重量部に対して、0.01〜10重
量部、好ましくは0.5〜5重量部であり、前記有機過酸
化物の場合、その添加量は、ゴム組成物100重量部に対
して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部であ
る。架橋剤(II)の使用量が少なすぎるとゴム成分の架
橋密度が低く、機械的強度、耐油性、耐クリープ性が不
充分となり、一方多すぎるとゴム成分の架橋密度が高く
なりすぎ、得られる架橋可能なフッ素ゴム組成物の架橋
物の伸びが低下する。
なお、有機ゴム(II)の有機過酸化物架橋に際して、
2官能性のビニルモノマーなどを架橋助剤として使用す
ることができる。架橋助剤の選択は、使用する有機ゴム
(II)の種類により決まり、具体的には有機ゴム(II)
を架橋し、フッ素ゴム(I)を架橋し難い系を選択す
る。
この架橋助剤としては、以下の化合物が挙げられる。
すなわち、エチレングリコールジメタアクリレート、1,
3−ブタンジオールジメタアクリレート、1,4−ブタンジ
オールジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオール・
ジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタア
クリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、2,2′−ビス(4
−メタクリロイルジエトキシフェニル)プロパン、トリ
メチロールプロパントリメタアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ベンタエリスリトール
トリアクリレート、ジビニルベンゼン、N,N′−メチレ
ンビスアクリルアミド、p−キノンジオキシム、p,p′
−ジベンゾイルキノンジオキシム、トリアジンジチオー
ル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、ビスマレイミドなどである。
この架橋助剤の使用量は、本発明のフッ素ゴム組成物
100重量部に対し、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.
5〜7重量部である。
本発明において、フッ素ゴム(I)と有機ゴム(II)
に架橋剤を添加する方法としては、特に制限はないが、
(I)成分と(II)成分と架橋剤(II)とを同時に添加
し混練りすることもできるし、あらかじめ(I)成分と
(II)成分とを混合したのち、架橋剤(II)を加えるこ
ともできる。
混合は、各種押し出し機、バンバリーミキサー、ニー
ダー、ロールなどで温度;50〜250℃、好ましくは100〜2
00℃、時間;2分〜1時間、好ましくは3分〜45分程度混
練りすることによって行うことができ、好ましい混練り
方法としては、バンバリーミキサー、ニーダーなどのイ
ンターナルミキサーを用いる方法である。
この際、混練り温度が50℃未満で架橋してしまうと反
応の制御が困難であり、一方250℃を超えるとゴムが劣
化する傾向にある。
また、混練り時間が2分より短いと反応の制御が困難
であり、均一な組成物が得られにく、一方1時間を超え
ると混練りコストが上昇し好ましくない。
なお、架橋剤を添加する際の混練り温度は、通常、10
〜200℃、好ましくは20〜150℃であり、有機過酸化物の
場合には、その半減期が1分の温度以下であることが好
適である。
以上のように、本発明における前記架橋は、混合して
いる最中に行わなければならない。
すなわち、混合している最中には、剪断力がエラスト
マーにかかるので、フッ素ゴム(I)あるいは有機ゴム
(II)の分散粒子はより小さい状態を保ち、また界面で
の分子の絡み合いもより多く生じているためである。
この場合、剪断力を加えるのを止めると、フッ素ゴム
(I)あるいは有機ゴム(II)の分散粒子どうしの会合
が起き、粒径が大きくなり分子の絡み合いも減少するこ
とになる。
このように、混合と同時に有機ゴム(II)を架橋する
ことにより良好な分散状態のままで系を固定することが
できる。
なお、本発明のフッ素ゴム組成物は、(I)〜(II)
成分を主成分とするが、これ以外に通常使用される各種
の配合剤を添加することができる。
これらの配合剤は、必要に応じて本発明のフッ素ゴム
組成物を製造する過程において添加されてもよいし、組
成物製造後に架橋可能なフッ素ゴム組成物を作製する際
に添加されてもよい。
すなわち、補強充填剤および増量剤としては、例えば
カーボンブラック、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、石
英微粉末、ケイソウ土、亜鉛華、塩基性炭酸マグネシウ
ム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸
アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸
アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アスベ
スト、グラファイト、ウォラストナイト、二硫化アスベ
スト、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維、有機
補強剤、有機充填剤を挙げることができる。
分散助剤としては、高級脂肪酸およびその金属アミン
塩;可塑剤としては、例えばフタル酸誘導体、アジピン
酸誘導体、セバシン酸誘導体;軟化剤としては、例えば
潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒマシ油、ス
テアリン酸カルシウム;老化防止剤としては、例えばフ
ェニレンジアミン類、フォスフェート類、キノリン類、
クレゾール類、フェノール類、ジチオカルバメート金属
塩類、ヒンダードアミン類;そのほか着色剤、紫外線吸
収剤、難燃剤、発泡剤、スコーチ防止剤、粘着付与剤、
滑剤などを任意に配合できる。
これらのフッ素ゴム組成物は、ロール、バンバリーミ
サーなどの通常の混練り機によって、フッ素ゴム(I)
の架橋剤である架橋剤(I)、例えば有機過酸化物と架
橋助剤、ポリオール系架橋剤、架橋促進剤、アミン系架
橋剤を添加、混練りし、架橋可能なフッ素ゴム組成物を
作製したのち、通常の架橋ゴム製造条件によって成形、
架橋を行い、架橋ゴム製品となすことができる。
ここで、ポリオール系架橋剤としては、ポリヒドロキ
シ芳香族化合物、例えばヒドロキノン、ビスフェノール
A、ビスフェノールAFおよびこれらの塩などが好ましく
用いられる。また、含フッ素脂肪族ジオールも用いるこ
とができる。
これらのポリオール系架橋剤の添加量は、フッ素ゴム
組成物100重量部あたり、通常、0.1〜20重量部、好まし
くは1〜10重量部程度である。
また、架橋促進剤としては、メチルトリオクチルアン
モニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムク
ロリド、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボ
ラートのごとき4級アンモニウム化合物;8−メチル−1,
8−ジアザ−シクロ(5,4,0)−7−ウンデセニルクロリ
ドのごとき4級アンモニウム化合物;ベンジルトリフェ
ニルホスホニウムクロリド、m−トリフルオルメチルベ
ンジルトリオクチルホスホニウムクロリド、ベンジルト
リオクチルホスホニウムブロミドのごとき4級ホスホニ
ウム化合物が好ましい。
この架橋促進剤の添加量は、フッ素ゴム組成物100重
量部あたり、通常、0.2〜10重量部程度である。
さらに、アミン系架橋剤としては、ヘキサメチレンジ
アミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテト
ラミンなどの各種アルキルアミン類、アニリン、ピリジ
ン、ジアミノベンゼンなどの各種芳香族アミン類および
これらのアミン類のカルバミン酸、シンナミリデン酸な
どの脂肪酸の塩などを用いることができる。
このアミン系架橋剤の添加量は、フッ素ゴム組成物10
0重量部あたり、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.5
〜5重量部程度である。
本発明において、架橋剤(I)の具体例としては、下
記の組み合わせを挙げることができる。
フッ素ゴム(I)が、フッ化ビニリデン−六フッ化
プロピレン共重合体および/またはフッ化ビニリデン−
六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体に
ジエン化合物または塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素
原子を含有する含ハロゲン化合物などを共重合したフッ
素ゴムおよび/またはフッ素ビニリデン−プロピレン−
四フッ化エチレン三元共重合体の場合、架橋剤(I)
は、 (1)ジアミン系架橋剤、 (2)ポリオール系架橋剤、 (3)有機過酸化物と架橋助剤 などが挙げられる。
フッ素ゴム(I)が、フッ化ビニリデン−六フッ化
プロピレン共重合体および/またはフッ化ビニリデン−
六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体の
場合、架橋剤(I)は、 (1)ジアミン系架橋剤、 (2)ポリオール系架橋剤 などが挙げられる。
フッ素ゴム(I)が、四フッ化エチレン−プロピレ
ン共重合体の場合、架橋剤(I)は、有機過酸化物と架
橋助剤の組み合わせのみが挙げられる。
このようにして得られる架橋可能なフッ素ゴム組成物
を架橋するには、通常、80〜200℃で数分間〜3時間、2
0〜200kg/cm2の加圧下で一次架橋、さらに必要に応じて
80〜200℃で1〜48時間、二次架橋して架橋ゴム製品と
する。
以上のように、本発明のフッ素ゴム組成物は、前記の
ようなバンバリーミキサー、ニーダー、二本ロールなど
の混練り機器で均一に混練りすることができる。また、
ロールによる架橋剤、架橋促進剤などの添加作業に際し
て、単にフッ素ゴムと有機ゴムとの混合物(充填剤など
の添加剤を配合したものも含む)では、ロール巻きつけ
に多大の時間を要するが、本発明のフッ素ゴム組成物
は、瞬時にロール巻きつけが可能であり、作業性の改善
が顕著である。
さらに、本発明の架橋可能なフッ素ゴム組成物を架橋
した架橋ゴム製品(ゴム弾性体)は、優れた耐熱性、耐
油性、耐候性、圧縮永久歪、耐圧縮荷重性を有してお
り、一般工業、電気、化学分野への利用が可能である。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明す
る。なお、実施例中、各種の測定は、次の方法に拠っ
た。
押し出し特性試験の試験条件は、以下の方法で評価し
た。
押し出し機;今中機械工業(株)製、 50mmφゴム用のガーベダイ使用 L/D=12 押し出し条件;温度 ホッパー=50℃ シリンダー=60℃ ヘッド=70℃ スクリュー回転数=15rpm この押し出し特性試験において、押し出し量(長さ)
は1分間に押し出された長さ、押し出し量(重さ)は1
分間に押し出された量、ダイスウエルは断面積0.53cm2
のガーベダイを使用し測定したものであり、押し出し肌
の評価は、表面が平滑なものを○、凹凸のあるものを×
として評価したものである。
又、初期物性、老化試験、圧縮永久歪試験は、JIS K6
301に準拠し、第1表に示した条件で評価した。
実施例1〜14 第1表の配合処方に従って、フッ素ゴム(I)および
有機ゴム(II)、加工助剤(ステアリン酸ナトリウム)
を、順次、ゴムミキサー(50〜150℃、60rpm)に投入
し、混練りし、均一状態になった時点で、架橋剤(II)
として有機過酸化物であるパーカドックス14〔α,α′
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピル
ベンゼン、化薬ヌーリー(株)製、実施例1〜6、9〜
14に使用〕、バルノックAB(アンモニウムベンゾエー
ト、大内新興化学工業(株)製、実施例8に使用)、タ
ッキロール250−1(アルキルフェノール・ホルムアル
デヒド樹脂、住友化学工業(株)製、実施例7に使
用)、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート(日
本化成(株)製、実施例12に使用)を加えて混練りし、
再び均一状態になったのち、温度を170〜180℃に昇温さ
せ、練りトルクおよびゴム温度がほぼ一定になったのち
(約10〜20分後)、老化防止剤としてノクラックCD(大
内新興化学工業(株)製)、充填剤としてMTカーボン
(実施例1〜10、12〜14に使用)、ニプシールLP(日本
シリカ工業(株)製、実施例11に使用)、さらにシラン
カップリング剤TSL8370(γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、東芝シリコーン(株)製、実施例11
に使用)を添加してさらに混練りし、再び均一状態にな
ったのち、排出した。
次に、このようにして得られたシートを、再び二本ロ
ールに巻きつけ、第1表に示す架橋剤(I)架橋助剤な
どのその他の配合薬品を加えて混練りしたものについ
て、プレス架橋(100〜150kg/cm2、170℃×20分加勢加
圧)したのち、さらにオーブンで200℃×4時間二次架
橋し、架橋物性を測定した。結果を併せて第1表に示
す。
比較例1〜2 第1表に示した配合処方により、混練り中に有機ゴム
(II)を架橋させる目的で添加する架橋剤(II)を配合
しない以外は、実施例1と同様にしてフッ素ゴム組成物
を作製し、評価した。
配結果を第1表に示す。
比較例3 ゴム成分として、フッ素ゴム(I)であるJSR アフ
ラス150Pのみを使用し、有機ゴム(II)を配合しない以
外は、実施例1と同様にフッ素ゴム組成物を作製し、評
価した。
結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のフッ素ゴム組成物は、フッ素ゴムと有機ゴム
とを単純に混合したものに比較して、ロール加工性が極
めて優れており、成形加工性が容易であり、また架橋可
能なフッ素ゴム組成物を架橋した架橋製品についても、
耐熱性、圧縮永久歪性、耐圧縮荷重性に優れた特徴を有
している。
本発明のフッ素ゴム架橋製品は、このような特性を有
するため、自動車、船舶、航空機などの輸送機械におけ
る耐油、耐薬品、耐熱、耐スチーム、あるいは耐候用の
パッキング、O−リング、ホース、その他のシール材、
ダイヤフラム、バルブに、また化学プラントにおける同
様のパッキング、O−リング、シール材、ダイヤフラ
ム、バルブ、ホース、ロール、チューブ、耐薬品用コー
ティング、ライニングに、食品プラント機器および食品
機器(家庭用品を含む)における同様のパッキング、O
−リング、ホース、シール材、ベルト、ダイヤフラム、
バルブ、ロール、チューブに、原子力プラント機器にお
ける同様のパッキング、O−リング、ホース、シール
材、ダイヤフラム、バルブ、チューブに、一般工業部品
における同様のパッキング、O−リング、ホース、シー
ル材、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブ、ライ
ニング、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、
ベルト、ゴム板、ウエザーストリップ、PPC複写機のロ
ールブレードなどへの用途に好適である。
さらに、具体的な用途としては、(イ)自動車関連で
は、 シール用途として、 *キャブレーターのニードルバルブの芯弁、 *キャブレーターのフランジガスケット、 *パワーピストンパッキン、 *自動車ガソリン混合ポンプのO−リング、 *シリンダーライナーのシール、 *バルブステムのシール、 *自動変速機のフロントポンプシール、 *リアーアクスルピニオンシール、 *ユニバーサルジョイントのガスケット、 *スピードメーターのピニオンシール、 *フートブレーキのピストンカップ、 *トルク伝達のO−リング、オイルシール、 *排気ガス再燃焼装置シール、 *ベアリングシール、 *ガソリンポンプのO−リング、 *ガソリンホースのシール、 *カーエアコン用シール、 ホース用途として、 *燃料ホース、 *EGRチューブ、 *ツインキャブチューブ、 ダイヤフラム用途として、 *ガソリンポンプのダイアフラム、 *キャブレーターのセンサー用ダイヤフラム、 その他の用途として、 *防振ゴム(エンジンマウント、排気部など)、 *再燃焼装置用ホース、 (ロ)化学工業関連では、 シール用途として、 *化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、 *熱交換器のシール、 *硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、 *農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、 *ガス配管のシール、 *メッキ液用シール、 *高温真空乾燥機のパッキン、 *製紙用ベルトのコロシール、 *燃料電池のシール、 *風洞のジョイントシール、 ロール用途として、 *耐トリクレン用ロール(繊維染色用)、 ライニング、コーティング用途として、 *アルマイト加工槽の耐蝕ライニング、 *メッキ用マスキング治具コーティング、 *ガソリンタンクのライニング、 *風洞のライニング、 その他の用途として、 *耐酸ホース(濃硫酸用)、 *ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合
部のパッキン、 *塩素ガス移送ホース、 *耐油ホース、 *ベンゼン、トルエン貯槽の雨水ドレンホース、 *煙道のエクスパンションジョイント(アスベスト布の
コーティング)、 (ハ)一般機械関連では、 シール用途として、 *油圧、潤滑機械のシール、 *ベアリングシール、 *乾式複写機のシール、 *ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、 *六フッ化ウラン濃縮装置のシール、 *サイクロトロンのシール(真空)バルブなど、 *自動包装機のシール、 その他の用途として、 *乾式複写機のベルト、 *空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイア
フラム(公害測定器)、 *スネークポンプライニング、 *印刷機のロール、ベルト、 *酸洗い用絞りロール、 (ニ)航空機関連では、 *ジェットエンジンバルブステムシール、 *燃料供給用ホース、ガスケットおよびO−リング *ローテーティングシャフトシール、 *油圧機器のガスケット、 *防火壁シール、 (ホ)船舶関連では、 *スクリューのプロペラシャフト船尾シール、 *ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、 *バタフライバルブのバルブシール、 *バタフライ弁の軸シール、 (ヘ)食品、医療関連では、 *プレート式熱交換器のシール、 *自動販売機の電磁弁シール、 *薬栓、 (ト)電気関連では、 *新幹線の絶縁油キャップ、 *液封型トランスのベンチングシール、 *油井ケーブルのジャケット、 などへの利用が挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 誠三 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素ゴム(I)95重量部を超え99.5重量
    部以下と、フッ素ゴム以外の有機ゴム(II)0.5重量部
    以上5重量部未満〔ただし、(I)+(II)=100重量
    部〕に、有機ゴム(II)の架橋剤を配合し、剪断変形を
    与えながら反応させて得られるフッ素ゴム組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のゴム組成物に、フッ素ゴム
    (I)の架橋剤を配合した架橋可能なフッ素ゴム組成
    物。
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