JP3277409B2 - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JP3277409B2
JP3277409B2 JP14319793A JP14319793A JP3277409B2 JP 3277409 B2 JP3277409 B2 JP 3277409B2 JP 14319793 A JP14319793 A JP 14319793A JP 14319793 A JP14319793 A JP 14319793A JP 3277409 B2 JP3277409 B2 JP 3277409B2
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伸敏 小林
正昭 高嶋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ化ビニリデン樹脂
(I)とニトリルゴム(II)と塩化ビニル樹脂(III)お
よび/またはポリメタクリル酸メチル樹脂(IV)を含有
する、耐ガソリン透過性,耐候性,耐寒性,圧縮永久歪
性,加工性に優れた加硫可能なゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車において、耐ガソリン透過
性ゴムからなる商品が使用される雰囲気は、排出ガス規
制対策や、性能向上を目的としたエンジンなどの改良の
結果、ますます高温となる傾向にあり、耐熱性に優れた
耐ガソリン性ゴムが求められている。例えば、特開昭6
1−225227号公報ではフッ化ビニリデン樹脂とニ
トリルゴムのブレンド物について記されているが、フッ
化ビニリデン樹脂とニトリルゴムは相溶性が悪いため、
高温時にフッ化ビニリデン樹脂が凝集するという問題が
ある。また、特開平1−245042号公報ではフッ化
ビニリデン樹脂と部分架橋ニトリルゴムのブレンド物に
ついて記されているが、硬度,強度,伸び,耐寒性,圧
縮永久歪性の点でゴム組成物として問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フッ化ビニ
リデン樹脂とニトリルゴムのブレンド物において、高温
時にフッ化ビニリデン樹脂が凝集する等の問題を解決
し、耐油性、特に耐ガソリン透過性および耐候性,耐寒
性,圧縮永久歪性,加工性に優れたゴム組成物を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フッ化ビニリ
デン樹脂(I)とニトリルゴム(II)並びに塩化ビニル
樹脂および/またはメタクリル酸メチル系樹脂からなる
組成物であり、(I),(II)のブレンド時に(I)の
架橋剤を配合し、せん断変形を与えながら反応させるこ
とにより好適にえられる。ここで反応後のフッ化ビニリ
デン樹脂(I)を5μm以下の粒径に分散し固定化する
ことにより、高温時のフッ化ビニリデン樹脂(I)の凝
集を防ぐことができた。また、塩化ビニル樹脂(III)お
よび/またはポリメタクリル酸メチル系樹脂(IV)は耐
候性を付与させるために有効である。これら手段によ
り、優れた耐ガソリン透過性,耐候性,耐寒性,圧縮永
久歪性,加工性を有することを見出し、本発明に到達し
た。
【0005】本発明のゴム組成物におけるフッ化ビニリ
デン樹脂(I)とニトリルゴム(II)の重量比はフッ化
ビニリデン樹脂(I)10〜70重量%、好ましくは3
0〜60重量%、ニトリルゴム(II)30〜90重量
%、好ましくは40〜70重量%である。(I)+(I
I)=100重量部に対して、塩化ビニル樹脂(III)お
よび/またはポリメタクリル酸メチル系樹脂(IV)は、
5〜50重量部であり、好ましくは塩化ビニル樹脂(II
I)の場合は20〜50重量部、特に好ましくは25〜4
0重量部、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(IV)の場合
は5〜30重量部、特に好ましくは7〜20重量部であ
る。ここでフッ化ビニリデン樹脂(I)が10重量%未
満では耐ガソリン透過性が著しく劣るようになる。塩化
ビニル樹脂(III)および/またはポリメタクリル酸メチ
ル系樹脂(IV)5重量部未満では耐候性が著しく劣るよ
うになる。フッ化ビニリデン樹脂(I)70重量%を越
えると硬度が高くなりすぎゴム組成物として問題とな
る。塩化ビニル樹脂(III)および/またはポリメタクリ
ル酸メチル系樹脂(IV)は、50重量部を越えると硬度
が高くなりゴム組成物として問題となる。
【0006】本発明におけるフッ化ビニリデン樹脂
(I)としては、ポリフッ化ビニリデン、およびフッ化
ビニリデンとヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロ
プロペン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロ
エチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルフルオライ
ド、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフル
オロ(プロピルビニルエーテル)、酢酸ビニル、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、スチレンもしくはアクリ
ル酸エステルなどの1種または2種以上の共重合体であ
る。
【0007】ニトリルゴム(II)としては、例えば
(a)1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエンなどの脂肪族共役ジエンの少なくとも1種を15
〜70重量%、(b)アクリロニトリル10〜50重量
%、好ましくは30〜50重量%、(c)アクリル酸エ
ステルおよび/またはメタクリル酸エステル0〜7重量
%、またニトリルゴムにゲル分を含有させるために分子
内に複数個の二重結合を有する(d)ジビニルベンゼ
ン,ジアリルフタレート,ジアリルマレート,トリメチ
ロールプロパントリアリレート1〜5重量%(ただし
(a)+(b)+(c)+(d)=100重量%)を共
重合させた分子間架橋体をあげることができる。
【0008】ここで、(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アク
リル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ペ
ンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリ
ル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸n−
ノニル、アクリル酸イソノニル、メタクリル酸n−ノニ
ル、メタクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、メタ
クリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、メタクリル酸
ドデシル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−アミル、メ
タクリル酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、メタクリ
ル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベン
ジル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシルなどを挙げることができる。
【0009】さらに、ニトリルゴム(II)は、少量の不
飽和カルボン酸化合物、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、アリルグリシジルエーテ
ルなどを共重合したもの、脂肪族共役ジエンの一部ある
いは全部を水素添加したものであってもよい。またニト
リルゴムにメタクリル酸メチルをグラフトしたものであ
ってもよい。
【0010】これらのニトリルゴムのムーニー粘度(M
1+4 、100℃)は、特に制限されるものではない
が、好ましくは20〜150のものが使用される。以上
のニトリルゴム(II)は、それぞれ1種単独で使用する
ことも、あるいは2種以上を併用することもできる。
【0011】塩化ビニル樹脂(III)としては、塊状, 溶
液, 乳化, 懸濁重合のいずれか一つの重合から得られた
塩化ビニルの重合体である。ポリメタクリル酸メチル系
樹脂(IV)としては、メタクリル酸メチルの単独重合体
あるいはこれと共重合可能な他のビニル単量体との共重
合体が使用される。これらの共重合体は、たとえばメタ
クリル酸メチル−メチルアクリレート共重合体、メタク
リル酸メチル−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸メ
チル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−スチ
レン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル
共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、メタクリル酸メチル−メチルアクリレ
ート−メタクリル酸共重合体などである。
【0012】次にフッ化ビニリデン樹脂(I)の架橋剤
としては、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペ
ンタミン、トリエチレンテトラミンなどの各種アルキル
アミン類、アニリン、ピリジン、ジアミノベンゼンなど
の各種芳香族アミン類およびこれらのアミン類のカルバ
ミン酸、シンナミリデン酸などの脂肪酸の塩などを用い
ることができる。かかるアミン加硫剤の添加量は、組成
物100重量部あたり、通常、0.1〜5重量部、好ま
しくは0.3〜2重量部程度である。また、ポリオール
を加硫剤として、これに加硫促進剤および2価の金属酸
化物あるいは2価の金属水酸化物を併用する方法で加硫
する。ここに、ポリオール加硫剤としては、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノー
ルA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パー
フルオロプロパン(ビスフェノールAF)、レゾルシ
ン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,7−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニル、4,4′−ジヒドロキシスチルベ
ン、2,6−ジヒドロキシアンスラセン、ハイドロキノ
ン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン(ビスフェノールB)、4,4−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、3,3′,5,5′−テトラブロ
モビスフェノールAなどを挙げることができる。これら
のポリヒドロキシ芳香族化合物のうち、特にビスフェノ
ールA、ビスフェノールAF、ハイドロキノンなどが好
ましい。また、かかるポリヒドロキシ芳香族化合物は、
これらのアルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩で
あってもよい。かかる加硫剤の添加量は、組成物100
重量部あたり、通常、0.1〜10重量部、好ましくは
0.5〜5重量部である。加硫促進剤としては、下記一
般式で示される化合物(イ)および/または(ロ)と芳
香族スルホン酸化合物との塩、または下記一般式で示さ
れる化合物(イ)および/または(ロ)と芳香族スルホ
ン酸化合物との混合物が挙げられる。
【化1】 ここで一般式(イ)で示される化合物とは、1,8−ジ
アザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、
単に「DBU」ということがある)であり、かかる化合
物は環状環の水素原子が他の原子または分子によって置
換されたものであってもよい。また一般式(ロ)で示さ
れる化合物は、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,
0)ノネン−5(以下、単に「DBN」ということがあ
る)であり、かかる化合物は前記化合物と同様に環状環
の水素原子が他の原子または分子によって置換されたも
のであってもよい。更に芳香族スルホン酸化合物として
は、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、o,m,p−トルエンスルホン酸、2,4−トルエ
ンジスルホン酸、スルファニル酸、ナフタレンスルホン
酸、ナフチオン酸、p−スルホ安息香酸などを挙げるこ
とができ、これらの化合物は環状環の水素原子が他の原
子または分子によって置換されたものであってもよい。
かかる加硫促進剤の添加量は組成物100重量部あたり
0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部であ
る。また、2価の金属酸化物および/または2価の金属
水酸物としては、例えばマグネシウム、カルシウム、
鉛、亜鉛などの酸化物あるいは水酸化物、または該酸化
物と水酸化物との混合物、または該酸化物および/また
は水酸化物と弱酸の金属塩との混合物を挙げることがで
きる。ここで弱酸の金属塩としては、バリウム、ナトリ
ウム、カリウム、鉛、カルシウムなどのステアリン酸、
安息香酸、炭酸、蓚酸、亜燐酸などの塩などを好ましい
ものとして挙げることができる。かかる金属酸化物およ
び/または金属水酸化物の添加量は、組成物100重量
部あたり、2〜30重量部、好ましくは5〜20重量部
である。
【0013】次に混合方法について述べる。フッ化ビニ
リデン樹脂とニトリルゴムを、各種押し出し機、バンバ
リーミキサー、ニーダーなどで100℃〜200℃、好
ましくは150℃〜180℃、20分〜1時間、好まし
くは30分〜50分混練りする。ここで、混練り温度が
100℃に満たないと、フッ化ビニリデン樹脂とニトリ
ルゴムが均一に混じり合わないという問題が生じる。
また、混練り温度が200℃を越えるとゴムが劣化する
という問題が生じる。
【0014】フッ化ビニリデン樹脂が完全に溶融した
後、架橋剤を添加する。フッ化ビニリデン樹脂の架橋剤
を添加する温度は150℃〜200℃、好ましくは16
0℃〜180℃である。ここで、架橋剤添加温度が15
0℃に満たないとフッ化ビニリデン樹脂が溶融していな
い状態で架橋がおこるため、フッ化ビニリデン樹脂分散
粒子径が均一でなくなり、物性の悪化につながる。ま
た、200℃を越えるとゴムが劣化するという問題が生
じる。次に塩化ビニル樹脂および/またはポリメタクリ
ル酸メチル系樹脂を添加し140℃〜180℃好ましく
は150℃〜170℃で5分〜30分、好ましくは10
分〜20分混練する。ここで、混練り温度が140℃に
満たないと塩化ビニル樹脂および/またはポリメタクリ
ル酸メチル系樹脂が溶融せず、引っ張り強度、伸びの値
が不十分となりゴム組成物として問題となる。また、混
練り温度が180℃を越えると、塩化ビニルが劣化する
という問題が生じる。ここでポリメタクリル酸メチル系
樹脂はフッ化ビニリデン樹脂とニトリルゴムを混練りす
る際に添加しても良い。
【0015】可塑剤の添加方法は、フッ化ビニリデン樹
脂とニトリルゴムを混練りする際にフッ化ビニリデン樹
脂に含浸しても良いし、塩化ビニル樹脂および/または
ポリメタクリル酸メチル系樹脂を混練りする際に塩化ビ
ニル樹脂および/またはポリメタクリル酸メチル系樹脂
に含浸しても良い。またフッ化ビニリデン樹脂と塩化ビ
ニル樹脂および/またはポリメタクリル酸メチル系樹脂
に分添して含浸しても良い。
【0016】以上のように、本発明における前記架橋
は、混合している最中に行わなければならない。その理
由は、混合している最中には、剪断力がエラストマーに
かかるので、フッ化ビニリデン樹脂(I)あるいはニト
リルゴム(II)の分散粒子はより小さい状態を保ち、ま
た界面での分子の絡み合いもより多く生じているからで
ある。
【0017】この場合、剪断力を加えるのを止めると、
ニトリルゴム(II)あるいはフッ化ビニリデン樹脂
(I)の分散粒子どうしの会合が起き、粒径が大きくな
り分子の絡み合いも減少することになる。
【0018】このように、混合と同時にフッ化ビニリデ
ン樹脂(I)を架橋することにより、良好な分散状態の
ままで系を固定することができる。ここで分散している
フッ化ビニリデン樹脂の粒径が5μmを越えると引張り
強度、伸びの値が低くなるため5μm以下が好ましい。
【0019】なお、本発明のゴム組成物は、フッ化ビニ
リデン樹脂(I)、ニトリルゴム(II)および塩化ビニ
ル樹脂(III)および/またはポリメタクリル酸メチル系
樹脂(IV)を主成分とするが、これ以外に前記ゴム成分
以外のスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレ
ンゴム(IR)などの他のジエン系ゴム;エチレン−α
−オレフィン−(ジエン)系ゴム〔EP(D)M〕、ブ
チルゴム、アクリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレ
ンなどの飽和ゴムなどの通常のエラストマーを10重量
%以下程度、さらには通常使用される各種の配合剤を添
加することができる。
【0020】これらの配合剤は、必要に応じて本発明の
ゴム組成物を製造する過程において添加されてもよい
し、組成物製造後に添加されてもよい。すなわち、補強
充填剤および増量剤としては、例えばカーボンブラッ
ク、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、石英微粉末、ケイ
ソウ土、亜鉛華、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カ
ルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、
二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アスベスト、ガラス繊
維、有機補強剤、有機充填剤を挙げることができる。
【0021】分散助剤としては、高級脂肪酸およびその
金属アミン塩;可塑剤としては、例えばフタル酸誘導
体、アジピン酸誘導体;軟化剤としては、例えばプロセ
スオイル、コールタール、ヒマシ油、ステアリン酸カル
シウム;老化防止剤としては、例えばフェニレンジアミ
ン類、フォスフェート類、キノリン類、クレゾール類、
フェノール類、ジチオカルバメート金属塩類;耐熱剤と
しては例えば酸化鉄、酸化セリウム、ナフテン酸鉄、ナ
フテン酸カリウム;そのほか着色剤、紫外線吸収剤、難
燃剤、耐油性向上剤、発泡剤、スコーチ防止剤、粘着付
与剤、滑剤などを任意に配合できる。
【0022】ニトリルゴム(II)の架橋剤としては、例
えば、有機過酸化物、硫黄系加硫剤、樹脂加硫剤、キノ
イド系加硫剤などを挙げることができる。なお、ニトリ
ルゴム(II)の架橋剤である有機過酸化物の配合量は、
フッ化ビニリデン樹脂(I)およびニトリルゴム(II)
100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量
部、さらに好ましくは1〜5重量部であり、0.01重
量部未満ではニトリルゴム(II)の架橋が充分でなく、
ゴム組成物の加工性、加硫物の圧縮永久歪性、耐圧縮荷
重性などが充分でなく、一方10重量部を超えると得ら
れる組成物の機械的強度、伸びなどの加硫物性も劣るも
のとなる。
【0023】架橋助剤としては、メタクリル酸マグネシ
ウム、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸アルミニ
ウム、アリル化合物、メタクリレート類、ジビニル化合
物のごとき官能性モノマー、さらにはポリブタジエンの
ごとき官能性ポリマーなどの反応性不飽和化合物、さら
にオキシム化合物、硫黄化合物などの広範囲のものが採
用可能である。架橋性あるいは配合時の混練性などの見
地から、反応性不飽和化合物が好ましい。圧縮永久歪、
耐熱性など、加硫物の特性の面から多アリル化合物およ
び1,2−ポリブタジエンのごとき多官能性化合物が特
に好ましい。
【0024】本発明において好適に採用可能な多アリル
化合物としては、アリル基(−CH 2 CH=CH2 )を
2個以上有する化合物を例示することができる。例え
ば、グリセリンのジアリルエーテル、ジアリルアミン、
トリアリルアミンのごとき多アリル基置換のアルキルま
たは芳香族アミン、トリアリルリン酸などで代表される
多アリル基置換のリン酸または亜リン酸、ジアリルサク
シネート、アジピン酸ジアリル、フタル酸ジアリルのご
ときカルボンの多アリル置換体、ジアリルメラミン、ト
リアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートな
どが挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以
上混合して使用され得る。好適な具体例としては、2m
mHgの減圧下で30℃以上の沸点を有するトリアリル
シアヌレート(162℃/2mmHg)、リン酸トリア
リル(157℃/44mmHg)、トリアリルイソシア
ヌレート、フタル酸ジアリル(161℃/4mmH
g)、ジアリルメラミンなどを例示し得る。かかる架橋
助剤の添加量は、フッ化ビニリデン樹脂(I)とニトリ
ルゴム(II)と塩化ビニル樹脂(III)および/またはポ
リメタクリル酸メチル系樹脂(IV)100重量部に対し
て、0.1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部であ
る。
【0025】これらの配合ゴム組成物は、ロール、バン
バリーミキサーなどの通常の混練り機によって、ニトリ
ルゴム(II)の架橋剤、例えば前述の有機過酸化物と架
橋助剤と硫黄系加硫剤、樹脂加硫剤、キノイド加硫剤を
添加、混練りし加硫可能なゴム組成物としたのち、通常
の加硫ゴム製造条件によって成形、加硫を行い、ゴム架
橋製品とすることができる。
【0026】本発明のゴム組成物は、瞬時にロール巻き
つけが可能であり、作業性の改善が顕著である。さら
に、本発明の加硫可能なゴム組成物を加硫した製品(ゴ
ム弾性体)は、優れた耐候性、圧縮永久歪、耐ガソリン
透過性、耐寒性を有しており、一般工業、電気、化学分
野への利用が可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中、各種の測定は、次の方法に
拠った。
【0028】試験方法 1.ガソリン透過速度 アルミ製カップを用いてガソホール(FuelC/エタ
ノール=85/15)を満たし、上部を加硫シート(試
験片)で封止した。40℃の恒温槽に入れて、透過量の
経時変化を測定し、透過速度を算出した。これを耐ガソ
リン透過性の指標として用いた。 2.常態物性 JIS K6301に準拠して行った。 3.オゾン劣化試験 JIS K6301に準拠した装置を用いて、オゾン濃
度50pphm、試験温度40℃の環境下において、J
IS1号ダンベル試片を50%伸長した状態で168時
間放置し劣化状態を観察した。これを耐候性の指標とし
て用いた。 4.低温衝撃脆化試験 JIS K6301に準拠して行った。これを耐寒性の
指標として用いた。 5.加工性(ロール加工性) 加工性の指標として以下のものを用いた。 ロールに巻き付く時間1分以上 × ロールに巻き付く時間1分未満 ○ 6.圧縮永久歪 JIS K6301に準拠して行った。これを圧縮永久
歪性の指標として用いた。 7.組成物中のフッ化ビニリデン樹脂(I)の径粒の測
定 電顕観察により行った。
【0029】実施例1 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR741
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN215SL(日本合成ゴム社製)を、塩化ビニル
樹脂(III)としてビニクロン3000M(三井東圧化学
社製)をそれぞれ使用した。フッ化ビニリデン樹脂
(I)57重量部に可塑剤TP−95(Thiokol
社製)25重量部を加え、これとニトリルゴム(II)4
3重量部をニーダー(150℃、40rpm)に投入
し、混練りし均一になった時点で、フッ化ビニリデン樹
脂用架橋剤としてアミン化合物V1(ヘキサメチレンジ
アミン)、受酸剤としてキョーワマグ150(共和化学
社製)を加えて混練りし、再び均一状態になった後、温
度を180℃に昇温させ、練りトルクおよびゴム温度が
ほぼ一定になった後(30分)排出した。次に上記のブ
レンド物に塩化ビニル樹脂(III)35重量部とカーボン
ブラックThermaxMT(Cancarb社製)1
0重量部をニーダー(140℃、40rpm)に投入
し、混練りし均一状態になった時点で昇温(160℃)
し、練りトルクおよびゴム温度がほぼ一定となった後
(10分)排出した。次にこのようにして得られたシー
トを二本ロールに巻き付けニトリルゴム(II)の架橋剤
を加えて混練りしたものについて、プレス加硫(150
kg/cm2 ,180℃10分、加熱加圧)し、加硫物
性を測定した。結果をあわせて表1、表2に示す。
【表1】
【表2】
【0030】実施例2 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR500W
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN220S(日本合成ゴム社製)を、塩化ビニル樹
脂(III)としてビニクロン3000H(三井東圧化学社
製)、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(IV)としてパラペ
ットG(クラレ社製)をそれぞれ使用した。フッ化ビニ
リデン樹脂(I)43重量部に可塑剤RS107(旭電
化工業社製)25重量部を加え、これとニトリルゴム
(II)57重量部をニーダー(160℃、40rpm)
に投入し、混練りし均一になった時点で、フッ化ビニリ
デン樹脂用架橋剤としてアミン化合物テトラエチレンペ
ンタミン、受酸剤としてキョーワマグ150(共和化学
社製)を加えて混練りし、再び均一状態になった後、温
度を175℃に昇温させ、練りトルクおよびゴム温度が
ほぼ一定になった後(35分)排出した。次に上記のブ
レンド物に塩化ビニル樹脂(III)25重量部とポリメタ
クリル酸メチル系樹脂(IV)7重量部とカーボンブラッ
クThermaxMT(Cancarb社製)5重量部
をニーダー(140度、40rpm)に投入し、混練り
し均一状態になった時点で昇温(160℃)し、練りト
ルクおよびゴム温度がほぼ一定となった後(10分)排
出した。以下は実施例1と同様に加硫ゴムを作製し評価
した。
【0031】実施例3 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR741
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN215SL(日本合成ゴム社製)を、ポリメタク
リル酸メチル樹脂としてパラペットSP100(クラレ
社製)をそれぞれ使用した。フッ化ビニリデン樹脂
(I)28重量部とニトリルゴム(II)72重量部をニ
ーダー(150度、40rpm)に投入し、混練りし均
一になった時点で、フッ化ビニリデン樹脂用架橋剤とし
てアミン化合物V1(ヘキサメチレンジアミン)、受酸
剤としてキョーワマグ150(共和化学社製)を加えて
混練りし、再び均一状態になった後、温度を180℃に
昇温させ、練りトルクおよびゴム温度がほぼ一定になっ
た後(30分)排出した。次に上記のブレンド物にポリ
メタクリル酸メチル系樹脂(IV)10重量部とカーボンブ
ラックThermaxMT(Cancarb社製)10
重量部と可塑剤TP−95(Thiokol社製)20
重量部をニーダー(140℃、40rpm)に投入し、
混練りし均一状態になった時点で昇温(170℃)し、
練りトルクおよびゴム温度がほぼ一定となった後(15
分)排出した。以下は実施例1と同様に加硫ゴムを作製
し評価した。
【0032】実施例4 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR500W
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN215SL(日本合成ゴム社製)を、塩化ビニル
樹脂(III)としてビニクロン3000H(三井東圧化学
社製)を、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(IV)としてパ
ラペットG(クラレ社製)をそれぞれ使用た。フッ化ビ
ニリデン樹脂(I)33重量部とポリメタクリル酸メチ
ル系樹脂(IV)5重量部に可塑剤TP−95(Thio
kol社製)25重量部を加え、これとニトリルゴム
(II)67重量部をニーダー(160℃、40rpm)
に投入し、混練りし均一になった時点で、フッ化ビニリ
デン樹脂用架橋剤としてアミン化合物V1ヘキサメチレ
ンジアミン、受酸剤としてキョーワマグ150(共和化
学社製)を加えて混練りし、再び均一状態になった後、
温度を175度に昇温させ、練りトルクおよびゴム温度
がほぼ一定になった後(35分)排出した。次に上記の
ブレンド物に塩化ビニル樹脂(III)30重量部をニーダ
ー(140℃、40rpm)に投入し、混練りし均一状
態になった時点で昇温(160℃)し、練りトルクおよ
びゴム温度がほぼ一定となった後(10分)排出した。
以下は実施例1と同様に加硫ゴムを作製し評価した。
【0033】実施例5 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR500W
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN220S(日本合成ゴム社製)を、ポリメタクリ
ル酸メチル樹脂としてパラペットSP100(クラレ社
製)をそれぞれ使用した。フッ化ビニリデン樹脂(I)
37重量部に可塑剤RS107(旭電化工業社製)25
重量部を加え、これとポリメタクリル酸メチル系樹脂
(IV)16重量部とニトリルゴム(II)63重量部とカ
ーボンブラックThermax MT(Cancarb
社製)10重量部をバンバリーミキサー(160℃、4
0rpm)に投入し、混練りし均一になった時点で、フ
ッ化ビニリデン樹脂用架橋剤としてアミン化合物テトラ
エチレンペンタミン、受酸剤としてキョーワマグ150
(共和化学社製)を加えて混練りし、再び均一状態にな
った後、温度を175℃に昇温させ、練りトルクおよび
ゴム温度がほぼ一定になった後(35分)排出した。以
下は実施例1と同様に加硫ゴムを作製し評価した。
【0034】実施例6 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR500
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN215SL(日本合成ゴム社製)を、塩化ビニル
樹脂(III) としてビニクロン3000M(三井東圧化学
社製)を使用した。フッ化ビニリデン樹脂(I)57重
量部に可塑剤TP−95(Thiokol社製)25重
量部を加え、これとニトリルゴム(II)43重量部をニ
ーダー(150℃、40rpm)に投入して混練りし、
均一になった時点で、フッ化ビニリデン樹脂用架橋剤と
してビスフェノールAF 2重量部、加硫促進剤として
DBUの第四級アンモニウム塩(8ベンジル−1,8ジ
アザビシクロ(5,4,0)−7ウンデセニュウムクロ
ライド)0.5重量部、金属酸化物としてキョーワマグ
150(共和化学社製)3重量部、金属水酸化物として
水酸化カルシウム6重量部を加えて混練りし、再び均一
状態になった後、温度を180℃に昇温させ、練りトル
クおよび温度がほぼ一定になった後(25分)排出し
た。次に、上記ブレンド物に塩化ビニル樹脂(III) 35
重量部とカーボンブラックThermax MT(Ca
ncarb社製)10重量部をニーダーに投入して混練
りし均一状態になった時点で昇温(160℃)し、練り
トルクおよびゴム温度がほぼ一定となった後(10分)
排出した。以下は、実施例1と同様に加硫ゴムを作製し
評価した。
【0035】比較例1 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR741
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN220S(日本合成ゴム社製)をそれぞれ使用
し、フッ化ビニリデン樹脂(I)47重量部に可塑剤R
S107(旭電化工業社製)20重量部を加え、これと
ニトリルゴム(II)53重量部とカーボンブラックTh
ermax MT(Cancarb社製)10重量部を
ニーダー(150℃、40rpm)に投入し、混練りし
均一になった後、温度を180℃に昇温させ、練りトル
クおよびゴム温度がほぼ一定になった後(20分)排出
した。以下は実施例1と同様に加硫ゴムを作製し評価し
た。
【0036】比較例2 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR500W
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN215SL(日本合成ゴム社製)を、塩化ビニル
樹脂(III)としてビニクロン3000M(三井東圧化学
社製)をそれぞれ使用した。フッ化ビニリデン樹脂
(I)7重量部に可塑剤TP−95(Thiokol社
製)25重量部を加え、これとニトリルゴム(II)93
重量部をニーダー(150℃、40rpm)に投入し、
混練りし均一になった時点で、フッ化ビニリデン樹脂用
架橋剤としてアミン化合物V1(ヘキサメチレンジアミ
ン)、受酸剤としてキョーワマグ150(共和化学社
製)を加えて混練りし、再び均一状態になった後、温度
を180℃に昇温させ、練りトルクおよびゴム温度がほ
ぼ一定になった後(30分)排出した。次に上記のブレ
ンド物に塩化ビニル樹脂(III)30重量部とカーボンブ
ラックThermaxMT(Cancarb社製)10
重量部をニーダー(140℃、40rpm)に投入し、
混練りし均一状態になった時点で昇温(160℃)し、
練りトルクおよびゴム温度がほぼ一定になった後(10
分)排出した。以下は実施例1と同様に加硫ゴムを作製
し評価した。
【0037】比較例3 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR500W
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN215SL(日本合成ゴム社製)を、塩化ビニル
樹脂(III)としてビニクロン3000H(三井東圧化学
社製)を、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(IV)としてパ
ラペットG(クラレ社製)をそれぞれ使用した。 フッ
化ビニリデン樹脂(I)89重量部に可塑剤RS107
(旭電化工業社製)25重量部を加え、これとニトリル
ゴム(II)11重量部をニーダー(160℃、40rp
m)に投入し、混練りし均一になった時点で、フッ化ビ
ニリデン樹脂用架橋剤としてアミン化合物テトラエチレ
ンペンタミン、受酸剤としてキョーワマグ150(共和
化学社製)を加えて混練りし、再び均一状態になった
後、温度を175℃に昇温させ、練りトルクおよびゴム
温度がほぼ一定になった後(35分)排出した。次に上
記のブレンド物に塩化ビニル樹脂(III)20重量部とポ
リメタクリル酸メチル系樹脂(IV)2重量部とカーボン
ブラックThermaxMT(Cancarb社製)1
0重量部をニーダー(140℃、40rpm)に投入
し、混練りし均一状態になった時点で昇温(160℃)
し、練りトルクおよびゴム温度がほぼ一定になった後
(10分)排出した。以下は実施例1と同様に加硫ゴム
を作製し評価した。
【0038】比較例4 ニトリルゴム(II)としてJSRN215SL(日本合
成ゴム社製)を、塩化ビニル樹脂(III)としてビニクロ
ン3000H(三井東圧化学社製)を使用し、ニトリル
ゴム(II)65重量部と塩化ビニル樹脂(III)35重量
部と可塑剤TP−95(Thiokol社製)25重量
部とカーボンブラックThermaxMT(Canca
rb社製)20重量部をニーダー(140℃、40rp
m)に投入し、混練りし均一状態になった時点で昇温
(170℃)し、練りトルクおよびゴム温度がほぼ一定
となった後(15分)排出した。以下は実施例1と同様
に加硫ゴムを作製し評価した。
【0039】比較例5 フッ化ビニリデン樹脂(I)としてKYNAR500W
(ペンウォルト社製)を、ニトリルゴム(II)としてJ
SRN220S(日本合成ゴム社製)を、塩化ビニル樹
脂(III)としてビニクロン3000H(三井東圧化学社
製)をそれぞれ使用した。フッ化ビニリデン樹脂(I)
40重量部に可塑剤RS107(旭電化工業社製)25
重量部を加え、これとニトリルゴム(II)60重量部、
塩化ビニル樹脂(III)10重量部、カーボンブラックT
hermax MT(Cancarb社製)10重量部
とをニーダー(160℃、40rpm)に投入し、混練
りし均一になった時点で、フッ化ビニリデン樹脂用架橋
剤としてアミン化合物テトラエチレンペンタミン、受酸
剤としてキョーワマグ150(共和化学社製)を加えて
混練りし、再び均一状態になった後、温度を175℃に
昇温させ、練りトルクおよびゴム温度がほぼ一定になっ
た後(35分)排出した。以下は実施例1と同様に加硫
ゴムを作製し評価した。
【0040】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、フッ化ビニリデ
ン樹脂(I)とニトリルゴム(II)と塩化ビニル樹脂(I
II) および/またはポリメタクリル酸メチル系樹脂(I
V)を含み、ロール加工性が極めて優れており、成形加
工が容易であり、またその架橋製品(加硫物)について
も、耐候性、圧縮永久歪性、耐ガソリン透過性および耐
寒性に優れた特徴を有している。
【0041】本発明のゴム組成物の架橋製品は、このよ
うな特性を有するため、自動車、船舶、航空機などの輸
送機関における耐油、耐薬品、耐熱、耐スチーム、耐冷
媒あるいは耐候用のパッキング、O−リング、ホース、
その他のシール材、ダイヤフラム、バルブに、また化学
プラントにおける同様のパッキング、ローリング、シー
ル材、ダイヤフラム、バルブ、ホース、ロール、チュー
ブ、耐薬品用コーティング、ライニングに、食品プラン
ト機器および食品機器(家庭用品を含む)における同様
のパッキング、O−リング、ホース、シール材、ベル
ト、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブに、原子
力プラント機器における同様のパッキング、O−リン
グ、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、チュー
ブに、一般工業部品における同様のパッキング、O−リ
ング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ロー
ル、チューブ、ライニング、マンドレル、電線、フレキ
シブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウェザーストリッ
プ、PPC複写機のロールブレードなどへの用途に好適
である。
【0042】さらに、具体的な用途としては、下記を挙
げることができる。 (イ)自動車関連では、 シール用途として、キャブレーターのニードルバルブ
の芯弁、キャブレーターのフランジガスケット、パワー
ピストンパッキン、自動車ガソリン混合ポンプのOリン
グ、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシー
ル、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクス
ルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケッ
ト、スピードメーターのピニオンシール、フートブレー
キのピストンカップ、トルク伝達のOリング、オイルシ
ール、排気ガス再燃焼装置シール、ベアリングシール、
ガソリンポンプのOリング、ガソリンホースのシール、
カーエアコン用シール等がある。 ホース用途として、燃料ホース、EGRチューブ、ツ
インキャブチューブ、冷凍機用ホース等がある。 ダイアフラム用途として、ガソリンポンプのダイヤフ
ラム、キャブレーターのセンサー用ダイアフラム等があ
る。 その他の用途として、防振ゴム(エンジンマウント、
排気部など)、再燃焼装置用ホース等がある。 (ロ)化学工業関連では、 シール用途として、化学薬品用ポンプ、流動計、配管
のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷
却器パッキング、農薬散布機、農薬移送ポンプのシー
ル、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾
燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池
のシール、風洞のジョイントシール等がある。 ロール用途として、耐トリクレン用ロール(繊維染色
用)等がある。 ライニング、コーティング用途として、アルマイト加
工槽の耐蝕ライニング、メッキ用マスキング治具コーテ
ィング、ガソリンタンクのライニング、風洞のライニン
グ等がある。 その他の用途として、耐酸ホース(濃硫酸用)、ガス
コロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部の
パッキン、塩素ガス移送ホース、耐油ホース、ベンゼ
ン、トルエン貯槽の雨水ドレンホース、煙道のエクスパ
ンションジョイント(アスベスト布のコーティング)等
がある。 (ハ)一般機械関連では、 シール用途として、油圧、潤滑機械のシール、ベアリ
ングシール、乾式複写機のシール、ドライクリーニング
機器の窓、その他のシール、六フッ化ウラン濃縮装置の
シール、サイクロトロンのシール(真空)バルブなど、
自動包装機のシール等がある。 その他の用途として、乾式複写機のベルト、空気中の
亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公
害測定器)、スネークポンプライニング、印刷機のロー
ル、ベルト、酸洗い用絞りロール等がある。 (ニ)航空機関連では、ジェットエンジンバルブステム
シール、燃料供給用ホース、ガスケットおよびOリン
グ、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガス
ケット、防火壁シール等がある。 (ホ)船舶関連では、スクリューのプロペラシャフト船
尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステム
シール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ
弁の軸シール等がある。 (ヘ)食品、医療関連では、プレート式熱交換器のシー
ル、自動販売機の電磁弁シール、薬栓等がある。 (ト)電気関連では、新幹線の絶縁油キャップ、液封型
トランスのベンチングシール、酸洗い用絞りロール等が
ある。 (チ)航空機関連では、ジェットエンジンバルブステム
シール、燃料供給用ホース、ガスケットおよびOリン
グ、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガス
ケット、防火壁シール等がある。 (リ)船舶関連では、スクリューのプロペラシャフト船
尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステム
シール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ
弁の軸シール等がある。 (ヌ)食品、医療関連では、プレート式熱交換器のシー
ル、自動販売機の電磁弁シール、薬栓等がある。 (ル)電気関連では、新幹線の絶縁油キャップ、液封型
トランスのベンチングシール、油井ケーブルのジャケッ
ト等への利用が挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 健 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−117478(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/02 C08L 27/06 C08L 27/16 C08L 33/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化ビニリデン樹脂(I)10〜70
    重量%とニトリルゴム(II)90〜30重量%とを含有
    してなる組成物100重量部と、塩化ビニル樹脂(II
    I)および/またはポリメタクリル酸メチル系樹脂(I
    V)5〜50重量部を含有してなるゴム組成物であっ
    て、(I)と(II)のブレンド時にせん断変形を与えな
    がら(I)を架橋させ、且つ、該フッ化ビニリデン樹脂
    (I)が5μm以下の粒径で分散したことを特徴とする
    ゴム組成物。
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