JP3674045B2 - 含フッ素トリアリルイソシアヌレート、それを含む加硫用エラストマー組成物および加硫方法 - Google Patents

含フッ素トリアリルイソシアヌレート、それを含む加硫用エラストマー組成物および加硫方法 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、含フッ素トリアリルイソシアヌレート、含フッ素トリアリルイソシアヌレートからなる架橋助剤、それを含む加硫用エラストマー組成物および加硫方法に関する。
【従来の技術】
トリアリルイソシアヌレート(以下、「TAIC」という。)は、対称形の多官能性トリアジン化合物であり、反応性モノマーとして、各種合成樹脂、合成ゴムの架橋剤、架橋助剤、または改質剤として利用されている。
TAICは、その骨格となるトリアジン環の優れた耐熱性を生かして、各種ポリマーの耐熱性、機械的性質、耐候性、耐加水分解性などを大きく向上させることができる。
たとえば、非常に耐熱性の要求されるフッ素ゴムのパーオキサイド加硫における架橋助剤としてTAICを用いる場合には、フッ素ゴムの加硫を非常に良好に行え、さらに得られた加硫物の機械的性質も良好であるなど、大きな利点を示す。ところが、得られた加硫物の耐熱性は、他の加硫系、例えばポリオール加硫系、ポリアミン加硫系などで加硫した加硫物の耐熱性に比べて必ずしも満足できるものではなく、さらに向上が望まれている。
TAICの3つのアリル基の中の水素原子の一部をより耐熱性の高いフッ素原子に置き換える提案は、すでに米国特許第4,320,216号明細書に見られるが、共重合によるゲル化フッ素ゴムを得るための変性剤としての使用が記載されているに過ぎない。
TAICの3つのアリル基の中の水素原子の一部をより耐熱性の高いフッ素原子に置き換えた化合物である1,3,5−トリス(2−フルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンが、Klenovich,S.V.ら、Zh.Prikl,Khim.(Leningrad)(1987),60(3),656−8に記載されている。しかし、この文献は、アリル基の2−位の水素原子をフッ素原子に置き換えると、トリアリルシアヌレートからの転移が遅くなることを報告しているのみで、フッ素ゴムの架橋助剤としての用途は記載していない。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非常に高い耐熱性が要求されるフッ素ゴムの架橋助剤として用いても、加硫性が非常に良好であり、さらに機械的性質、耐熱性にも優れる加硫物を与える架橋助剤として有用なTAICの誘導体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の要旨によれば、一般式[I]:
Figure 0003674045
[式中、XおよびYの少なくとも一方はフッ素原子であり、他方は水素またはフッ素原子である。]
で表される含フッ素トリアリルイソシアヌレートが提供される。
本発明の第2の要旨によれば、
一般式:
Figure 0003674045
[式中、X、Y、Zの少なくとも一つはフッ素原子であり、残りは水素原子である。]
で表される含フッ素トリアリルイソシアヌレートからなる架橋助剤が提供される。
本発明の第3の要旨によれば、パーオキサイド加硫可能なエラストマー、架橋助剤としての上記一般式[I]または[II]で表される含フッ素トリアリルイソシアヌレート、および有機過酸化物を含んでなる、加硫用エラストマー組成物が提供される。
さらに、本発明の第4の要旨によれば、架橋助剤としての上記一般式[I]または[II]で表される含フッ素トリアリルイソシアヌレートの存在下、エラストマーを有機過酸化物により加硫することを特徴とするパーオキサイド加硫可能なエラストマーの加硫方法が提供される。
本発明の第5の要旨によれば、本発明の加硫用エラストマー組成物を成形して得られる成形品、特にシール材が提供される。
従来のフッ素を含まないトリアリルイソシアヌレートを用いた有機過酸化物加硫物の耐熱性が低い原因の一つとして、フッ素ゴムと架橋助剤の結合点(架橋点)自身の耐熱性の不足が考えられる。本発明においては、TAICのアリル基にフッ素を導入することで、架橋点の耐熱性が向上させることができたものと、考えられる。
本発明の含フッ素トリアリルイソシアヌレートは、対応する出発物質から、従来のトリアリルイソシアヌレートの製法と同様の方法で調製することができる。
例えば、含フッ素アリルアルコール、シアヌル酸、トリフェニルホスフィンの溶液(例えば、ジメチルアセトアミド溶液)に、アゾジカルボン酸ジエチルを滴下し、室温で数時間撹拌後、得られた反応液から溶媒を留去し、濃縮混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製する。その詳細は、後記実施例に示す。
本発明の含フッ素トリアリルイソシアヌレートの好ましい例は、1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、及び1,3,5−トリス(2,3−ジフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンである。
本発明の含フッ素トリアリルイソシアヌレートは、エラストマーをパーオキサイド加硫する際の架橋助剤として好適なものである。また、含フッ素トリアリルイソシアヌレートを架橋助剤として用いる場合には、前記した新規物質の他、公知の含フッ素イソシアヌレートも好適に用いることができるものである。公知の含フッ素イソシアヌレートとしては、例えば、1,3,5−トリス(2−フルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス(3−フルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、1,3,5−トリス(3,3−ジフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンがある。
本発明の含フッ素トリアリルイソシアヌレートからなる架橋助剤を用いてパーオキサイド加硫できるエラストマーとしては、以下のようなヨウ素または臭素等のハロゲンからなる架橋部位を含有していてもよいエラストマーを挙げることができる:
ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン系エラストマー、ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系エラストマー、ビニリデンフルオライド/クロロトリフルオロエチレン系エラストマー、テトラフルオロエチレン/プロピレン系エラストマー、ヘキサフルオロプロピレン/エチレン系エラストマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/テトラフルオロエチレン系エラストマー、ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系エラストマー。
上記含フッ素エラストマーは、ヨウ素や臭素等のハロゲンからなる架橋部位に代えて、またはこれらの架橋部位に加えて、次のような架橋部位含有モノマーを共重合したものであってもよい。
1CH2CF2CF2(OCH2CF2CF2)m(OCFY1CF2)nOCF=CF2
(式中、X1はハロゲン、Y1はフッ素原子またはトリフルオロメチル基、mは0〜5の整数およびnは0〜2の整数を表す。)
BrCF2CF2O−CF=CF2
上記した含フッ素エラストマーの他、パーオキサイド加硫可能なエラストマーならば、以下のような炭化水素系のエラストマーをも挙げることができる:
アクリルゴム、天然ゴム、合成ゴム、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/第三ジエン成分ゴム、ブタジエン/スチレンゴム、ポリブタジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン/イソプレンゴム、ブタジエン/アクリロニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、およびエピクロルヒドリン/エチレンオキサイドゴム。
アクリルゴムについて、さらに詳しく説明する。パーオキサイド加硫可能なアクリルゴムは、たとえば、次に示される(メタ)アクリル酸エステルモノマー、多官能性モノマーを組み合わせ、公知の重合方法により共重合することによって得ることができるものである。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、一般式:CH2=C(R1)COOR2(ここでR1は水素原子あるいはメチル基、R2は炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシ基置換アルキル基を示す。)で表され、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、等が例示される。
多官能性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が例示される。3官能以上のものを用いると、重合中の部分架橋の割合をコントロールすることが困難な傾向があるため、2官能性のものが好ましい。
多官能性モノマーの使用量は、(メタ)アルキル酸エステルモノマー、多官能性モノマーの合計量に対し、0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%、特に0.3〜0.7重量%が好ましい。多官能性モノマーが少ないとアクリルゴムの架橋が不十分となり加硫成形が困難で、耐熱性、機械的物性等が劣る。また多官能性モノマーが多いと重合時の部分架橋が増し加工性を損なうほか、加硫後の架橋密度が高くなりすぎるため柔軟性を失い、伸びが低下するので、加硫物をシール材等として使用できない。
アクリルゴムの改質のため必要に応じて(メタ)アルキル酸エステルモノマーの一部をアクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、塩化ビニル等のエチレン性不飽和モノマーに置き換えて重合してもよい。その量は(メタ)アクリル酸エステルモノマーの40重量%以下とするのが好ましい。
また、アクリルゴムは、ヨウ素や臭素等のハロゲンからなる架橋部位を有するものであってもよい。たとえば、式(1)〜(3)のアクリル系架橋用モノマーの少なくとも1種と、式(4)のアクリルモノマーを共重合させることにより得ることができる。
(1)X(CH2CF2CF2O)i〔CF(CF3)CF3O〕jRfCOO(CH2)kCH=CH2
(X=I又はBr、i=0〜2、j=0〜2、k=0〜2、Rf=−CF(CF3)−または−CH2CF2−)
(2)X(CH2)n(CF2)s(CH2)qOCOCR=CH2
(X=IまたはBr、R=H、FあるいはCH3、n=0〜3、s=0〜4、q=0〜2、n+q≧1)
(3)X(CH2)n(CF2)s(CH2)qO(CH2)rCH=CH2
(X=IまたはBr、n=0〜3、s=0〜4、q=0〜2、r=0〜2、n+q≧1)
(4)CH2=C(R1)COOR2
(R1はH、FまたはCH3、R2は炭素数1〜8のアルキル基もしくはアルコキシとアルキルの合計の炭素数が1〜8のアルコキシ基置換アルキル基、あるいは−CH2(CF2)tYで表される炭素数1〜9のフルオロアルキル基、t=1〜8の整数、YはHまたはFを示す。)
式(1)のモノマーの具体例としては、ICH2CF2COOCH2CH=CH2、BrCH2CF2COOCH=CH2、ICH2CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COOCH=CH2等を挙げることができる。
式(2)のモノマーの具体例としては、ICF2CF2CF2CF2CH2CH2OCOCH=CH2、BrCF2CF2CF2CF2CH2CH2OCOCH=CH2、ICF2CF2CH2CH2OCOCH=CH2、ICH2CH2OCOCF=CH2、ICH2CH2OCOCH=CH2等を挙げることができる。
式(3)のモノマーの具体例としては、ICF2CF2CF2CF2CH2CH2OCH2CCH=CH2、BrCF2CF2CF2CF2CH2CH2OCH2CH=CH2、ICH2CH2OCH2CH=CH2等を挙げることができる。
式(4)のアクリルモノマーの具体例としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、5フッ化プロピルアクリレート、4フッ化プロピルアクリレート、8フッ化ペンチルアクリレート、これらの相当する各メタクリレート、各α−フルオロアクリレート等を挙げることができる。
これらヨウ素または臭素を含有するモノマーの使用量としては、得られるアクリルエラストマー中のヨウ素または臭素の含有量が0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%となるようにする。アクリルエラストマー中のヨウ素あるいは臭素の含有量が0.01重量%未満では架橋不足となり、得られるアクリルエラストマーの引張強度が劣り、10重量%を越えると架橋が過剰となり、伸びが充分でない。また(メタあるいはα−F)アクリルモノマーの代わりに、これらと共重合しうる他の単量体成分を共重合させてもよい。その量は、具体的には約30モル%程度までである。かかる他の単量体としてはエチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、スチレン等を挙げることができる。アクリルエラストマーのムーニー粘度ML1+10100℃は10〜150の範囲が好ましく、分子量は約3万〜200万の範囲が好ましい。
さらに、パーオキサイド加硫可能なエラストマーとしては、前記した含フッ素エラストマーと炭化水素系エラストマーとのブレンド物を用いることもできる。
このようなエラストマーを加硫するために使用される過酸化物としては、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物は、一般にエラストマー100重量部当たり0.05〜10重量部の量で用いられる。
有機過酸化物としては、一般に熱や酸化還元系の存在で容易にパーオキシラジカルを発生するものがよい。好ましい例は、3,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン(パーヘキサ2,5B)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどである。中でも、ジアルキルタイプのものがより好ましい。一般に、活性−O−O−の量、分解温度などを考慮して、過酸化物の種類および量が選択される。
架橋助剤として用いる含フッ素トリアリルイソシアヌレートは、エラストマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは1〜10重量部の量で用いられる。また、必要に応じてトリアリルイソシアヌレートなどの通常公知の炭化水素系多官能性不飽和化合物からなる架橋助剤を併用することもできる。このように架橋助剤を併用することによって、耐熱性を維持したまま、予想を遥かに超える加硫速度を有する加硫用エラストマー組成物が得られる。
このような炭化水素系多官能性不飽和化合物としては、前記した含フッ素トリアリルシアヌレートと共重合可能なものならいずれでもよい。たとえば、以下のような化合物を挙げることができる:
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェート、中でもトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
含フッ素トリアリルイソシアヌレートとフッ素を含まない炭化水素系多官能性不飽和化合物の配合割合としては、含フッ素トリアリルイソシアヌレート1〜99重量部、および炭化水素系多官能性不飽和化合物99〜1重量部が好ましい。より好ましくは、含フッ素トリアリルイソシアヌレート10〜99重量部、および炭化水素系多官能性不飽和化合物90〜1重量部である。含フッ素トリアリルイソシアヌレートの配合量が多いほど、耐熱性が増す。
本発明においては、更に必要に応じて、充填剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤等を加硫用エラストマー組成物に加えることができる。
充填剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸アルミニウム等の珪酸塩;硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;合成ハイドロタルサイト、二硫化モリブデン、硫化鉄、硫化銅等の金属硫化物;珪藻土、アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫酸バリウム)、グラファイト、カーボンブラック、フッ化カーボン、フッ化カルシウム、コークス等が挙げられる。
加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸塩;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル;ステアリルアミン、オレイルアミン等の高級脂肪族アミン;カルナバワックス、セレシンワックス等のワックス;エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のポリグリコール;ワセリン、パラフィン等の脂肪族炭化水素;シリコーン系オイル、シリコーン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、フタル酸エステル類、燐酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジアルキルアミン、(ハロゲン化)ジアルキルスルフォン、界面活性剤等が挙げられる。
酸化防止剤、老化防止剤、オゾン劣化防止剤としては、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノリン等のフェノール系化合物、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン等のアミン−ケトン系化合物、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等の芳香族第2級アミン系化合物などを挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のアミン系化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物などを挙げることができる。本発明の加硫用エラストマー組成物は、通常、受酸剤を含まない。
本発明の含フッ素トリアリルイソシアヌレートからなる架橋助剤の存在下に、エラストマーをパーオキサイド加硫する場合、加硫方法および条件は以下の通りである。
混合方法としては、成分の粘弾性や形態に応じて適当な方法が採用される。たとえば、混合装置として通常のオープンロール、粉体ミキサーなどを用いて混練りする方法、エマルジョンの混合物から共凝析する方法などが使用される。固体成分は、溶媒に溶解または分散させて、混合することもできる。
成形手段としては、公知の方法が採用される。例えば、圧縮成形、押出し成形、射出成形、トランスファー成形などがある。
加硫温度および時間は、使用する有機過酸化物の種類に依存するが、通常、プレス加硫(一次加硫)は120〜200℃の温度で5〜30分行い、オーブン加硫(二次加硫)は150〜300℃、好ましくは150〜250℃の温度で1〜24時間行う。200℃以上の比較的高温で加硫する場合、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うと、酸化劣化を防ぐことができる。
本発明の含フッ素トリアリルイソシアヌレートからなる架橋助剤は、耐熱性の要求されるエラストマー、特にフッ素ゴムの架橋助剤として用いた場合にも、優れた加硫性を示し、得られる加硫物は、優れた機械的性質及び耐熱性を有する。加硫物の用途の例を以下に記載する。
自動車分野:燃料ホース、燃料ポンプダイヤフラム、クランクシャフトシール、バルブステムシール、ベアリングシール、EGRホース、CACバルブ、ニードルチップ、エンジン回り電線、燃料噴射装置Oリング、フィラーホース、カーエアコンOリング、インテークガスケット;
OA機器分野:複写機用クリーニングブレード、複写機用ロール、コンピューター用ガスケット、大型コンピューター冷却ホース;
電気分野:絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール、油井ケーブルのジャケット、耐油・耐熱電線;
化学/機械分野:ケミカルポンプのOリング、薬品用ポンプ、流量計、配管のシール、熱交換機のシール、高温真空乾燥機のパッキン、染色用ロール、メッキ用治具のコーティング、油圧・潤滑機械のシール、ドライクリーニング機器のシール、自動包装機のシール、酸洗い用絞りロール、ロボットのケーブル、溶剤ロール、半導体製造装置のシール;
食品/医薬分野:サニタリーパイプパッキン、ジャーポットパッキン、圧力鍋のパッキン、プレート式熱交換器、自動販売機の電磁弁シール、湯沸器シール、チューブ;
船舶/航空機分野:船尾管シール、バタフライバルブのバルブシート、燃料ホース、ガスケット、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール;
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例1
1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンの合成
Figure 0003674045
Nguyen,T.らJ.Org.Chem.,54(23),5640−5642(1989)に記載される方法により、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール75g(0.57mol)とジエチルエーテル75mlとの混合溶液を0℃に冷却し、メチルリチウムの1.4Mジエチルエーテル溶液800ml(メチルリチウム1.12mol)を混合して反応させ、2,3,3−トリフルオロアリルアルコール20.5g(0.18mol)を得、次の反応に用いた。
2,3,3−トリフルオロアリルアルコール39.8g(0.353mol)、トリフェニルホスフィン140g(0.533mol)、シアヌル酸11.4g(0.0883mol)とジメチルアセトアミド800mlを混合し、この混合液を撹拌し、アゾジカルボン酸ジエチルの40%トルエン溶液(0.528mol)を反応温度が30℃以上にならないようにゆっくり滴下した。滴下終了後、一晩室温で撹拌を続け、反応終了後、減圧下に溶媒を留去した。
得られた濃縮混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[カラム:シリカゲル60(メルク社製)充填カラム。溶離液:n−ヘキサン/トルエン(容量比1:4)]により精製した。標記目的物を含むフラクションを全て合わせて濃縮し、ジエチルエーテルを加え、生じた沈澱を吸引濾過してジエチルエーテルでよく洗浄し、濾液を濃縮し、得られた濃縮混合物を再びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(上記と同じ条件)により精製した。得られた目的物をジエチルエーテル−n−ヘキサンにより再結晶を行い、目的物14.4g(0.035mol)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ:4.82(2H,ddd,J=18.6,3.3,2.4Hz)。
19F−NMR(CDCl3) δ:−98.77(1F,ddt,J=68.7,33.9,2.4Hz),−116.41(1F,ddt,J=114.7,68.7,3.3Hz),−180.12(1F,ddt,J=114.7,33.9,18.6Hz)。
IR(KBr):3024,1804,1704,1450,1176,979。
実施例2
1,3,5−トリス(2,3−ジフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンの合成
トリフルオロアリルアルコール18.3gのジエチルエーテル(400ml)溶液に、0℃でメチルリチウム(1.06Mエーテル溶液)175mlを1時間かけて滴下した。15分後、水素化リチウムアルミニウム6.2gを少量ずつ加えた。反応容器をオイルバス(40℃)につけ、1.5時間還流した。反応液を再び0℃に冷却し、水24ml、15%水酸化ナトリウム水溶液7mlを静かに加えた後、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を除去し、常圧蒸留により2,3−ジフルオロアリルアルコール9.5gを得た。
1H−NMR δ:1.96(1H,t,J=6.5Hz),4.40(2H,ddd,J=21.8,6.5,5.3Hz),7.08(1H,dd,J=76.0,2.9Hz)。
19F−NMR δ:−167.7(1F,ddt,J=129.7,2.9,21.8Hz),178.5(1F,ddt,J=129.7,76.0,5.3Hz)。
2,3−ジフルオロアリルアルコール6.74g、シアヌル酸2.64gおよびトリフェニルホスフィン21.5gのジメチルアセトアミド(150ml)溶液に、室温にてアゾジカルボン酸ジエチル(40%トルエン溶液)35mlを滴下し、2時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[中圧カラム:山善社製ウルトラパックST−40。圧力:約4kgf。溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル(容量比15:1)]により精製し、標記目的物1.27gを得た。純度98%以上。
1H−NMR δ:4.90(2H,dd,J=16.1,4.0Hz),7.18(1H,dd,J=74.5,3.0Hz)。
19F−NMR δ:−167.24(1F,ddt,J=130.1,3.0,16.1Hz),−176.35(1F,ddt,J=130.1,74.5,4.0Hz)。
参考例
1,3,5−トリス(3−フルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンの合成
アリルフルオライド(1.0ml)、N−ブロモコハク酸イミド(6.0g)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(50mg)およびベンゼン(10ml)の混合物を、ステンレス鋼製オートクレーブに封入し、80℃で20時間加熱撹拌した。放冷後、オートクレーブを空気中で開放し、反応混合物から不溶物を濾去し、濾液を常圧で蒸留した。80℃以下で留出したもの(ベンゼンを含む)を集め、次の反応に用いた。
先の工程で得た留出物(ベンゼン溶液)、シアヌル酸三ナトリウム塩(200mg)およびジメチルアセトアミド(10ml)の混合物を、80℃で24時間加熱撹拌した。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をジエチルエーテル−水(容量比1:1)混合物に移し、ジエチルエーテル30mlで3回抽出した。エーテル層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ[カラム:シリカゲル60(メルク社製)充填カラム。溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル(容量比3:1)]により精製して、標記目標物205mgを得た。収率66%。
1H−NMR(CDCl3) δ:4.36〜4.42(m,6/5H),4.59〜4.65(m,4/5H),4.81〜5.11(m,2/5H),5.40〜5.63(m,3/5H),6.35〜6.80(m,2/5H),6.63〜7.12(m,3/5H)。
19F−NMR(CDCl3) δ:−121.66〜−122.38(m,3/5H),−124.52〜−125.20(m,2/5H)。
IR(KBr):1681,1455,1114,923cm-1
実施例3
1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンの単独重合
実施例1で得た1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン82.2mg(0.2mmol)、及びパーヘキサ2.5B(3,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン)87mg(0.3mmol)をサンプル瓶に入れ、蓋を閉め、170℃のオーブン中に静置した。2分経過後に内容物が重合し、白い固体となった。この時間を重合時間とした。さらにオーブン中に静置し、10分経過後にサンプル瓶をオーブンから取り出し、冷却した。
得られたポリマーの耐熱性をTG/DTA(セイコー電子株式会社製RTG220)により測定した。分解温度は320であった。測定は、200ml/minの空気気流中、20℃から昇温速度10℃/minで600℃まで昇温し、ポリマーの重量減少が10%に到達した温度を分解温度とした。
実施例4
1,3,5−トリス(2,3−ジフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンの単独重合
1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンに代えて実施例2で得た1,3,5−トリス(2,3−ジフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン71.4mg(0.2mmol)を用いた以外は実施例3と同様の条件で重合を行った。重合時間は2分、分解温度は380℃であった。
比較例1
トリアリルイソシアヌレートの単独重合
1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンに代えてトリアリルイソシアヌレート49.9mg(0.2mmol)を用いた以外は実施例3と同様の条件で重合を行った。重合時間は1分、分解温度は270℃であった。
比較例2
1,3,5−トリス(2−フルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンの単独重合
1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンに代えて公知の方法で合成した1,3,5−トリス(2−フルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン60.6mg(0.2mmol)を用いた以外は実施例3と同様の条件で重合を行った。重合時間は1分、分解温度は120℃であった。
比較例3
1,3,5−トリス(3,3−ジフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンの単独重合
1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンに代えて公知の方法で合成した1,3,5−トリス(3,3−ジフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン71.4mg(0.2mmol)を用いた以外は実施例3と同様の条件で重合を行った。重合時間は5分,分解温度は110℃であった。
比較例4
1,3,5−トリス(3−フルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンの単独重合
1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンに代えて参考例1で得た1,3,5−トリス(3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン60.6mg(0.2mmol)を用いた以外は実施例3と同様の条件で重合を行った。重合時間は2分、分解温度は105℃であった。
実施例5〜7および比較例5〜6
含フッ素トリアリルイソシアヌレートを用いたフッ素ゴムの加硫
表1に示した配合に従って各成分を、8インチロールにより配合して、加硫用エラストマー組成物を調製し、キュラストメータ(JIS II型)を用いて、160℃での加硫性を測定した。
また、160℃×30分のプレス加硫および180℃×4時間のオーブン加硫条件で、組成物を加硫し、加硫物の物性を測定した。なお、加硫物の物性の測定、老化試験、および圧縮永久歪みの測定は、JIS K 6301に準拠して行った。
結果を表1に示す。なお、表中「部」とあるのは「重量部」を意味する。
ポリマーAは、1,4−ジヨードパーフルオロブタンの存在下にテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)/1,1,2,2−テトラフルオロ−3−ヨードプロピルトリフルオロビニルエーテル(モル比59.9/39.8/0.3)を共重合させて製造された、ムーニー粘度(ML1+10100℃)69、ヨウ素含量0.3重量%のパーフルオロエラストマーである。また、ダイエルG−902は、パーオキサイド加硫可能な市販のダイキン工業株式会社製ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合フッ素ゴムである。
Figure 0003674045
Figure 0003674045
Figure 0003674045
表中、「オーブン180℃×4時間」は、180℃でのオーブン加硫4時間後を意味する。老化試験の結果の括弧内の数値は、常態物性と比較した場合の変化率(%)を表す。
実施例8〜10および比較例7
含フッ素トリアリルイソシアヌレートを用いたフッ素ゴムの加硫
表2に示した配合に従って各成分を、8インチロールにより配合して、加硫用エラストマー組成物を調製し、キュラストメータ(JIS II型)を用いて、160℃での加硫性を測定した。
また、140℃×15分(実施例8)又は160℃×10分(実施例9〜10および比較例7)のプレス加硫および230℃×4時間のオーブン加硫条件で、組成物を加硫し、加硫物の物性を測定した。なお、加硫物の物性の測定、老化試験、および圧縮永久歪みの測定は、JIS K 6301に準拠して行った。
結果を表2に示す。なお、表中「部」とあるのは「重量部」を意味する。
Figure 0003674045

Claims (17)

  1. 一般式:
    Figure 0003674045
    [式中、XおよびYの少なくとも一方はフッ素原子であり、他方は水素またはフッ素原子である。]
    で表される含フッ素トリアリルイソシアヌレート。
  2. 一般式:
    Figure 0003674045
    [式中、X、Y、Zの少なくとも一つはフッ素原子であり、残りは水素原子である。]
    で表される含フッ素トリアリルイソシアヌレートからなる架橋助剤。
  3. 一般式:
    Figure 0003674045
    [式中、XおよびYの少なくとも一つはフッ素原子であり、他方は水素またはフッ素原子である。]
    で表される含フッ素トリアリルイソシアヌレートからなる架橋助剤。
  4. 請求項2に記載の含フッ素トリアリルイソシアヌレートと、炭化水素系多官能性不飽和化合物とを含んでなる架橋助剤組成物。
  5. 請求項2に記載の含フッ素トリアリルイソシアヌレート1〜99重量部および炭化水素系多官能性不飽和化合物99〜1重量部からなる請求項4に記載の架橋助剤組成物。
  6. 請求項2に記載の含フッ素トリアリルイソシアヌレート10〜99重量部および炭化水素系多官能性不飽和化合物90〜1重量部からなる請求項4に記載の架橋助剤組成物。
  7. 炭化水素系多官能性不飽和化合物がトリアリルイソシアヌレートである請求項4に記載の架橋助剤組成物。
  8. パーオキサイド加硫可能なエラストマー、請求項2に記載の架橋助剤、および有機過酸化物を含んでなる加硫用エラストマー組成物。
  9. パーオキサイド加硫可能なエラストマー、請求項3に記載の架橋助剤、および有機過酸化物を含んでなる加硫用エラストマー組成物。
  10. パーオキサイド加硫可能なエラストマー、請求項4に記載の架橋助剤組成物および有機過酸化物を含んでなる加硫用エラストマー組成物。
  11. パーオキサイド加硫可能なエラストマーが含フッ素エラストマーである請求項8、9または10に記載の加硫用エラストマー組成物。
  12. 受酸剤を含まない請求項11に記載の加硫用エラストマー組成物。
  13. 請求項2に記載の架橋助剤の存在下、エラストマーを有機過酸化物により加硫することを特徴とするパーオキサイド加硫可能なエラストマーの加硫方法。
  14. 請求項3に記載の架橋助剤の存在下、エラストマーを有機過酸化物により加硫することを特徴とするパーオキサイド加硫可能なエラストマーの加硫方法。
  15. 請求項4に記載の架橋助剤組成物の存在下、エラストマーを有機過酸化物により加硫することを特徴とするパーオキサイド加硫可能なエラストマーの加硫方法。
  16. 請求項8〜11の何れかに記載の加硫用エラストマー組成物を、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形あるいは射出成形し、必要に応じて二次加硫して得られる成形品。
  17. 請求項8〜11の何れかに記載の加硫用エラストマー組成物を、圧縮成形、押出し成形、トランスファー成形あるいは射出成形し、必要に応じて二次加硫して得られるシール材。
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