JP2003327772A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JP2003327772A
JP2003327772A JP2002137041A JP2002137041A JP2003327772A JP 2003327772 A JP2003327772 A JP 2003327772A JP 2002137041 A JP2002137041 A JP 2002137041A JP 2002137041 A JP2002137041 A JP 2002137041A JP 2003327772 A JP2003327772 A JP 2003327772A
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fluororubber
tetrafluoroethylene
propylene
peroxide
acrylic rubber
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JP2002137041A
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Inventor
Tetsuya Miwa
哲也 三輪
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金型離型性に優れ、耐熱性及び耐油性に優れる
成形物を与えるフッ素ゴム組成物を提供する。 【解決手段】(A)分子内に不飽和結合を有するテトラ
フルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴム、(B)分
子内に不飽和結合を有するアクリルゴム、(C)有機過
酸化物及び、(D)トリアリルイソシアヌレート、トリ
メタリルイソシアヌレート及びトリアリルシアヌレート
からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋助剤を、
(A)/(B)=99/1〜30/70かつ[(A)+
(B)]/(C)/(D)=100/0.1〜15/
0.1〜15の質量比で、含有する過酸化物架橋性フッ
素ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素ゴム組成
物、特にテトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素
ゴムとアクリルゴムとを含有するフッ素ゴム組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】テトラフルオロエチレン/プロピレン系
フッ素ゴムの成形物は、耐熱性、耐油性、耐薬品性等に
優れ、自動車部品、石油掘削部品、工業用材料を中心に
高い信頼性を要求される分野で好適に用いられている
が、他のゴム成形物と比較して高価であること及び成形
時の金型離型性に劣るため使用される分野は限定されて
きた。テトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴ
ムの優れた特性を保持しながらコストを低下する手段と
して、耐油性に優れ、比較的耐熱性の良好なアクリルゴ
ム、水添NBR、エピクロルヒドリン等とのブレンドし
た組成物が検討されている。特に、フッ素ゴムはアクリ
ルゴムとの相溶性に優れるので、種々の検討が進められ
ている。
【0003】特開平6−298899号公報には、エポ
キシ基を有するテトラフルオロエチレン/プロピレン系
フッ素ゴムとエポキシ基を有するアクリルゴムとをブレ
ンドして得たフッ素ゴム組成物を、該エポキシ基を用い
て共架橋させ成形物を得る方法が開示されている。ま
た、特開平6−299028号公報には、活性塩素基を
有するテトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴ
ムと活性塩素基を有するアクリルゴムとをブレンドして
得たフッ素ゴム組成物を、該活性塩素基を用いて共架橋
させ成形物を得る方法が開示されている。
【0004】上記の例では、フッ素ゴムとアクリルゴム
とが比較的均一に共架橋するので、テトラフルオロエチ
レン/プロピレン系フッ素ゴムとアクリルゴムの優れた
特性が最大限に発現される。しかし、エポキシ基や活性
塩素基を有するテトラフルオロエチレン/プロピレン系
フッ素ゴムを製造するためには、テトラフルオロエチレ
ンやプロピレンとの共重合性に優れ、かつ連鎖移動性の
低い、エポキシ基や活性塩素基を有する特殊なモノマー
を使用する必要があり、フッ素ゴムのコストが高くなる
問題があった。また、エポキシ基や活性塩素基を有する
フッ素ゴム組成物の成形時の金型離型性は必ずしも充分
ではなかった。
【0005】特開平8−53595号公報や特開平10
−231386号公報には、アクリルゴムとフッ化ビニ
リデンの重合単位を含むフッ素ゴムをブレンドして共架
橋させ成形物を得る方法が開示されている。しかし、フ
ッ化ビニリデンの重合単位を含むフッ素ゴムは、エンジ
ンオイル、ギアオイル、耐熱グリースに含まれる塩基性
添加剤に耐性が充分でなく、耐油性は必ずしも満足でき
るものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素ゴムとアクリルゴムとをブレンドして得た、金型離型
性に優れ、耐熱性及び耐油性に優れる成形物を与えるフ
ッ素ゴム組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)分子内
に不飽和結合を有するテトラフルオロエチレン/プロピ
レン系フッ素ゴム、(B)分子内に不飽和結合を有する
アクリルゴム、(C)有機過酸化物及び、(D)トリア
リルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート
及びトリアリルシアヌレートからなる群から選ばれる少
なくとも1種の架橋助剤を、(A)/(B)=99/1
〜30/70かつ[(A)+(B)]/(C)/(D)
=100/0.1〜15/0.1〜15の質量比で、含
有することを特徴とする過酸化物架橋性フッ素ゴム組成
物を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の過酸化物架橋性フッ素ゴ
ム組成物における(A)成分のテトラフルオロエチレン
/プロピレン系フッ素ゴムは、分子内に不飽和結合を有
する。該不飽和結合により過酸化物架橋が行われる。
【0009】テトラフルオロエチレン/プロピレン系フ
ッ素ゴムへの該不飽和結合の導入方法としては、2個以
上の不飽和結合を有するモノマーをテトラフルオロエチ
レン/プロピレンと共重合する方法、テトラフルオロエ
チレン/プロピレン系フッ素ゴムをアルカリ溶液で処理
する方法、テトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ
素ゴムを高温で熱処理する方法等が挙げられる。特に、
熱処理する方法は、特別な不飽和結合を有するモノマー
が不要であり、また、重合後にフッ素ゴムの乾燥ととも
に熱処理を実施できるので好ましい。
【0010】テトラフルオロエチレン/プロピレン系フ
ッ素ゴムとしては、テトラフルオロエチレン/プロピレ
ン共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン/フ
ッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン/プ
ロピレン/フッ化ビニル共重合体、テトラフルオロエチ
レン/プロピレン/トリフルオロエチレン共重合体、テ
トラフルオロエチレン/プロピレン/ペンタフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレ
ン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフル
オロエチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン共
重合体等が挙げられる。
【0011】テトラフルオロエチレン/プロピレン系フ
ッ素ゴム中のテトラフルオロエチレンに基づく重合単位
/プロピレンに基づく重合単位のモル比は、好ましくは
40/60〜65/35、より好ましくは50/50〜
60/40である。また、テトラフルオロエチレンに基
づく重合単位とプロピレンに基づく重合単位の含有量
は、全重合単位に対して合計で60モル%以上が好まし
く、85モル%以上がより好ましく、95モル%以上が
最も好ましい。
【0012】テトラフルオロエチレン/プロピレン系フ
ッ素ゴム中の不飽和結合の含有量は、全重合単位に対し
て、好ましくは0.05〜5モル%、より好ましくは
0.1〜2モル%である。
【0013】本発明における(B)成分のアクリルゴム
としては、分子内に不飽和結合を有する公知のアクリル
ゴムが使用できる。このような分子内に不飽和結合を有
するアクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステル、メ
タクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシア
ルキルエステル又はメタクリル酸アルコキシアルキルエ
ステルと、不飽和結合を2個以上有するモノマーとを、
公知の重合方法により共重合して得られる。
【0014】前記アクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシアルキ
ルエステル又はメタクリル酸アルコキシアルキルエステ
ルとしては、一般式:CH=C(R)COOR
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数
1〜8のアルキル基、アルコキシ基置換アルキル基又は
シアノ基置換アルキル基を示す。)で表されるモノマー
が好ましい。
【0015】その具体的例としては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、デシルアクリレート、シアノエチルア
クリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエ
チルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エト
キシプロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、メトキシメチルメタクリレート、エト
キシプロピルメタクリレート等が挙げられる。好ましく
は、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブトキ
シエチルアクリレートである。
【0016】不飽和結合を2個以上有するモノマーとし
ては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン、アリルアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、メタ
クリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、1,4−ブタン
ジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート、アリルメタクリレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタ
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート等が挙げられる。好ましくは、ジ
シクロペンタジエン、アリルアクリレート、アクリル酸
ジヒドロジシクロペンテニルである。
【0017】前記アクリルゴムには、その他のモノマー
に基づく重合単位を含有してもよい。その他のモノマー
としては、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、
塩化ビニル等が挙げられる。
【0018】アクリルゴム中の不飽和結合の含有量は、
全重合単位に対して、好ましくは0.1〜5モル%、よ
り好ましくは0.5〜3モル%である。
【0019】本発明の過酸化物架橋性フッ素ゴム組成物
における、アクリルゴムとテトラフルオロエチレン/プ
ロピレン系フッ素ゴムとの質量比は、70/30〜3/
99である。より好ましくは50/50〜10/90で
ある。アクリルゴムの含有量がこれより多いと、耐熱性
が低下し、これより少ないと経済性や金型離型性等フッ
素ゴムの欠点を補うことができなくなる。この範囲にあ
ると耐熱性に優れ、安価で、金型離型性に優れるフッ素
ゴム組成物が得られる。
【0020】本発明における(C)成分の有機過酸化物
架橋剤としては、一般に熱や酸化還元系の存在下に容易
にペルオキシラジカルを発生するものが好ましい。具体
例としては、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキ
シ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5
−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシペルオキシ
ド、ジtert−ブチルペルオキシド、tert−ブチ
ルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、α’−
ビス(tert−ブチルペルオキシ)−p−ジイソプロ
ピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter
t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオ
キシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルオキ
シマレイン酸、tert−ブチルペルオキシソプロピル
カーボネート等が挙げられる。好ましくは、α,α’−
ビス(tert−ブチルペルオキシ)−p−ジイソプロ
ピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter
t−ブチルペルオキシ)ヘキサンである。好ましくは、
α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−p−
ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンである。
【0021】本発明の過酸化物架橋性フッ素ゴム組成物
は、(C)成分を[(A)+(B)]/(C)=100
/0.1〜15の質量比で含有する。好ましくは
[(A)+(B)]/(C)=100/0.5〜2の質
量比である。
【0022】本発明におけるフッ素ゴム組成物は、
(D)成分の架橋助剤を含有する。架橋助剤としては、
トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌ
レート及びトリアリルシアヌレートからなる群から選ば
れる少なくとも1種である。好ましくは、トリアリルイ
ソシアヌレートである。本発明の過酸化物架橋性フッ素
ゴム組成物は、(D)成分を[(A)+(B)]/
(C)=100/0.1〜15の質量比で含有する。好
ましくは[(A)+(B)]/(C)=100/0.5
〜5の質量比である。
【0023】本発明のフッ素ゴム組成物は、(E)成分
の炭素数が6個以上の脂肪酸の金属塩及び炭素数が7個
以上の芳香族カルボン酸の金属塩からなる群から選ばれ
る少なくとも1種をさらに含有することが好ましい。
【0024】炭素数が6個以上の脂肪酸の金属塩として
は、ヘキサン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミ
リスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリ
ン酸亜鉛、セバシン酸二ナトリウム、オレイン酸ナトリ
ウム等が挙げられる。好ましくは、ラウリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸ナトリウムである。
【0025】炭素数が7個以上の芳香族カルボン酸の金
属塩としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウ
ム、p−トルイル酸ナトリウム、フタル酸二ナトリウム
等の芳香族カルボン酸の塩等が挙げられる。好ましく
は、安息香酸ナトリウムである。
【0026】本発明の過酸化物架橋性フッ素ゴム組成物
は、(E)成分を[(A)+(B)]/(E)=100
/0.1〜10の質量比で含有する。好ましくは
[(A)+(B)]/(E)=100/0.1〜10の
質量比である。
【0027】本発明のフッ素ゴム組成物は、必要に応じ
て、充填剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止
剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤等の添加
剤を添加することができる。これらの添加剤は、単独で
又は併用して含有してもよい。
【0028】充填剤としては、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化
鉛、酸化アルミニウム等の金属酸化物、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化
亜鉛、水酸化鉛等の金属水酸化物、炭酸マグネシウム、
炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の
炭酸塩、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸ナト
リウム、珪酸アルミニウム等の珪酸塩、硫酸アルミニウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、二硫化
モリブデン、硫化鉄、硫化銅等の金属硫化物、珪藻土、
アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫酸バリウム)、グ
ラファイト、カーボンブラック、フッ化カーボン、フッ
化カルシウム、コークス、雲母粉末、ガラス粉末、炭素
繊維等を用いることができる。これらの充填剤は2種以
上用いてもよい。充填剤が含有される場合には、過酸化
物架橋性フッ素ゴム組成物は、充填剤を[(A)+
(B)]/充填剤=100/0.1〜90の質量比で含
有することが好ましく、100/0.5〜70の質量比
で含有することがより好ましい。
【0029】可塑剤及び加工助剤としては、ステアリン
酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂
肪酸、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級
脂肪酸アミド、オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステ
ル、ステアリルアミン、オレイルアミン等の高級脂肪族
アミン、カルナバワックス、セレシンワックス等の天然
ワックス、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレ
ングリコール等のポリグリコール、ワセリン、パラフィ
ン等の脂肪族炭化水素、シリコーン系オイル、シリコー
ン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、フタル酸エステ
ル類、燐酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジアル
キルアミン、(ハロゲン化)ジアルキルスルフォン、界
面活性剤、各種シランカップリング剤等が挙げられる。
可塑剤及び加工助剤を含有する場合には、過酸化物架橋
性フッ素ゴム組成物は、可塑剤及び加工助剤を[(A)
+(B)]/可塑剤及び加工助剤=100/0.1〜1
0の質量比で含有することが好ましく、100/0.5
〜5の質量比で含有することがより好ましい。
【0030】酸化防止剤、老化防止剤又はオゾン劣化防
止剤としては、2,5−ジ(tert−アミル)ヒドロ
キノリン等のフェノール系化合物、2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン等のアミン−ケトン系
化合物、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
ジフェニルアミン等の芳香族第2級アミン系化合物等が
挙げられる。
【0031】本発明のフッ素ゴム組成物の製造方法とし
ては、通常の混合装置が用いる方法が挙げられる。テト
ラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムとアクリ
ルゴム及び配合剤を、水冷又は加熱できる開放型練りロ
ール、又は加圧式ニーダー、バンバリーミキサー等の密
閉式混合機で混練する方法が挙げられる。
【0032】本発明のフッ素ゴム組成物の成形方法とし
ては、一般ゴムと同じく目的製品に応じてカレンダー成
形、圧縮成形、送りやき、射出成形、注入成形、押出し
成形、溶剤使用による糊加工、塗膜加工等が適用でき、
架橋は熱風接触等の電気炉による焼成が可能である。ま
た特殊だがスチーム架橋ができ、ソルトバスによる加熱
架橋や電子線、放射線照射による架橋も有効で電線用途
等に好適である。
【0033】オイルシール等の金属との一体型製品の場
合は、架橋性の接着剤を塗布した金属又は樹脂成形物と
ともに、加圧して一次架橋を行って、フッ素ゴム組成物
と接着剤とを同時に架橋させる方法が挙げられる。
【0034】該接着剤としては、フッ素ゴムの使用環境
で耐久性があるシランカップリング剤系接着剤、エポキ
シ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤等が挙げられ
る。市販品としては、ロード・ファー・イースト・イン
コーポレイテッドの商品名「ケムロック607」、「ケ
ムロックY4310」、「ケムロックY5323」、シ
クソン社の商品名「AN−187」、「300/31
1」、東洋化学研究所の商品名「メタロックS−10
A」、「メタロックS−7」、「メタロックS−2」等
が挙げられる。また、必要に応じて上記接着剤を有機溶
剤で希釈して用いてもよい。
【0035】本発明のフッ素ゴム組成物と接着させる基
材は、金属として、ステンレス鋼、鉄、黄銅、アルミニ
ウム、亜鉛鋼等が好ましく、樹脂として、ナイロン、ポ
リスルホン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンオ
キシド、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等が好
ましい。
【0036】本発明のフッ素ゴム組成物の用途として
は、自動車、船舶、航空機等の輸送機関において耐熱
性、耐油性、耐薬品性を必要とするオイルシール、O−
リング、ホース(他素材との積層ホースを含む)、ガス
ケット等が挙げられる。また、これらにとどまらず、化
学プラントにおけるパッキング、ガスケット用の、O−
リング、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ホース(他
素材との積層ホースを含む)、ロール、チューブ、耐薬
品用コーティング、ライニング、食品プラント機器、食
品関連部品、家庭用品における、シール材、チューブ、
原子力プラント機器における、シール材、ガスケット、
一般工業部品におけるパッキング、ガスケット用の、O
−リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、
ロール、その他、チューブ、ライニング、電線、フレキ
シブルジョイント、HDDパッキン、ベルト、ゴム板、
ウエザーストリップ、PPC複写機のロールブレード等
が挙げられる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらに限定されない。
【0038】[金型離型率]硬質クロムメッキ仕上げを
施した金型を用いて、プレス圧力13MPa、プレス温
度180℃で10分間、5回連続してプレス架橋し、P
−38型のO−リングを成形した。金型はO−リングを
一度に9個成形できるものを使用した。5回繰り返し成
形し、各回ごとに9個のO−リングをバリとともに金型
から手で引き剥がすことを試みた時に金型から離型した
O−リングの個数を、全個数(45個)に対する百分率
(以下、金型離型率という。)で表し、金型離型性を評
価した。金型離型率が大きいほど金型離型性に優れるこ
と示す。
【0039】[実施例1〜5]テトラフルオロエチレン
/プロピレンを乳化重合し、塩化カルシウム水溶液で凝
集、水洗した後、325℃で15時間熱処理して得たフ
ッ素ゴムI(組成:テトラフルオロエチレンに基づく重
合単位/プロピレンに基づく重合単位=55/45モル
比、ムーニー粘度60(100℃、ML1+10)、比
重1.5、不飽和基含有量0.2モル%(NMRを用い
て測定))を得た。また、エチルアクリレート/ブチル
アクリレート/アリルアクリレートを乳化重合してアク
リルゴムI(組成:エチルアクリレートに基づく重合単
位/ブチルアクリレートに基づく重合単位/アリルアク
リレートに基づく重合単位=40/59/1モル比、ム
ーニー粘度30(100℃、ML1+10)、比重1.
1)を得た。フッ素ゴムI、アクリルゴムI、架橋剤及
び架橋助剤を表1に記載の配合(質量比)にて、オープ
ンロールを用い、室温で混練して、過酸化物架橋性フッ
素ゴム組成物を得た。得られたフッ素ゴム組成物の架橋
成形時の金型離型性を評価した。また、170℃で20
分プレス架橋し、更に200℃で4時間オーブン架橋し
架橋シートを得た。JIS K6251に従って架橋シ
ートの常態物性を測定した。また、180℃で1000
時間の空気熱老化試験と175℃で168時間のギア油
(Shell製 SPIRAX EP80)中の浸せき
試験を行った。結果を表1に示す。なお、表中の記号は
以下の通り。(a):α,α’−ビス(tert−ブチ
ルペルオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、
(b):トリアリルイソシアヌレート、(c):トリメ
タクリルイソシアヌレート、(d):トリアリルシアヌ
レート、(e):ナウガード445(Uniroyal
Chemical社製老化防止剤)。
【0040】[実施例6]エチルアクリレート/ブチル
アクリレート/アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル
を乳化重合して得たアクリルゴムII(組成:エチルア
クリレートに基づく重合単位/ブチルアクリレートに基
づく重合単位/アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル
に基づく重合単位=40/59/1モル比、ム−ニー粘
度32(100℃、ML1+10)、比重1.1)を用
いる以外は実施例1と同様にして、過酸化物架橋性フッ
素ゴム組成物を得て、金型離型性及び物性を評価した。
結果を表1に示す。
【0041】[比較例1]エチルアクリレート/ブチル
アクリレートを乳化重合により共重合して製造したアク
リルゴムIII(組成:エチルアクリレートに基づく重
合単位/ブチルアクリレートに基づく重合単位=40/
60モル比、ム−ニー粘度28(100℃、ML1+1
0)、比重1.1)を用いる以外は実施例1と同様にし
て、表2に示す配合で過酸化物架橋性フッ素ゴム組成物
を得て、同様に架橋した。結果を表2に示す。金型離型
性が不充分で、実施例に比較して機械的物性は低かっ
た。なお、表2の記号は、(f):安息香酸アンモニウ
ムを表す他は、表1に同じである。
【0042】[比較例2]乳化重合法により製造したテ
トラフルオロエチレン/プロピレン/グリシジルビニル
エーテル共重合体(テトラフルオロエチレンに基づく重
合単位/プロピレンに基づく重合単位/グリシジルビニ
ルエーテルに基づく重合単位=54/45/1モル比、
ムーニー粘度60(100℃、ML1+10)、比重
1.5)のフッ素ゴムII、及び、エポキシ基を含むア
クリルゴム(NipolAR31、日本ゼオン社製)、
を用い、表2に示す配合で過酸化物架橋性フッ素ゴム組
成物を得て、金型離型性及び物性を評価した。結果を表
2示す。金型離型性が不充分であった。
【0043】[比較例3]フッ素ゴムとしてアフラス1
50C(旭硝子(株)製:不飽和結合を含有しないテト
ラフルオロエチレン/プロピレンの2元共重合フッ素ゴ
ム)を用いる以外は実施例1と同様にして、表2に示す
配合で過酸化物架橋性フッ素ゴム組成物を得て、同様に
架橋した。結果を表2に示す。金型離型性が不充分で、
実施例に比較して機械的物性は低かった。
【0044】
【表1】
【0045】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明のフッ素ゴム組成物は、安価で金
型離型性に優れる。そのうえ、該組成物を架橋して得た
成形物は、テトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ
素ゴムの高い耐熱性、耐油性を保持する。耐熱性及び耐
油性が必要とされる自動車、及び産業機械分野のオイル
シール等のゴム部品として広範に利用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)分子内に不飽和結合を有するテトラ
    フルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴム、(B)分
    子内に不飽和結合を有するアクリルゴム、(C)有機過
    酸化物及び、(D)トリアリルイソシアヌレート、トリ
    メタリルイソシアヌレート及びトリアリルシアヌレート
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋助剤を、
    (A)/(B)=99/1〜30/70かつ[(A)+
    (B)]/(C)/(D)=100/0.1〜15/
    0.1〜15の質量比で、含有することを特徴とする過
    酸化物架橋性フッ素ゴム組成物。
  2. 【請求項2】(E)炭素数が6個以上の脂肪酸の金属塩
    及び炭素数が7個以上の芳香族カルボン酸の金属塩から
    なる群から選ばれる少なくとも1種を、[(A)+
    (B)]/(E)=100/0.1〜10の質量比でさ
    らに含有する請求項1に記載の過酸化物架橋性フッ素ゴ
    ム組成物。
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