JP2009029892A - 含フッ素弾性共重合体組成物およびその架橋ゴム部材 - Google Patents

含フッ素弾性共重合体組成物およびその架橋ゴム部材 Download PDF

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Abstract

【課題】架橋反応性に優れ、圧縮永久歪に優れた、又はこれらに加え耐スチーム性に優れた架橋ゴム部材を与えることができる含フッ素弾性共重合体組成物、及びそれを架橋して得られる架橋ゴム部材を提供する。
【解決手段】(A)テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位(a)、クロトン酸ビニルに基づく繰り返し単位(b)及びプロピレンに基づく繰り返し単位(c)を含有し、(b)/((a)+(b))=0.0001〜0.5(モル比)であり、(c)/(a)=40/60〜60/40(モル比)である含フッ素弾性共重合体、(B)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体及び(C)有機過酸化物を含有する組成物であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の含有割合が、(A)成分の100質量部に対して(B)成分が1〜300質量部及び(C)成分が0.3〜10質量部であることを特徴とする含フッ素弾性共重合体組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、圧縮永久歪に優れている架橋ゴム部材を与えることができる含フッ素弾性共重合体組成物、特に圧縮永久歪および耐スチーム性に優れている架橋ゴム部材を与えることができる含フッ素弾性共重合体組成物、及び架橋ゴム部材に関する。
従来より、含フッ素共重合体からなるゴム部材は、耐熱性、耐候性、耐薬品性、絶縁性に優れることから、各種用途で広く用いられている。
一方で、フッ素ゴムは高価な材料であることから、フッ素ゴムとEPDMとのブレンドによる安価で高性能なゴム組成物と、それを成形して得られるハードディスクガスケットが開示されている(特許文献1参照)。
また、共重合により架橋部位として不飽和ビニルエステルを導入したフッ素ゴムがEPDMとブレンドできることが開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、それらのフッ素ゴムとEPDMのブレンドでは、圧縮永久歪のより優れた改良、又は、耐スチーム性と圧縮永久歪の両者の改良には至らなかった。
そこで、架橋反応性が十分高く、圧縮永久歪に優れたゴム部材として有用な材料の開発や、さらに、これらの性質に加え、耐スチーム性にも優れたゴム部材として有用な材料の開発が要請されている。
特開2003−96257号公報 特開2006−299218号公報
本発明の目的は、架橋反応性に優れ、圧縮永久歪に優れた架橋ゴム部材を与えることができる含フッ素弾性共重合体組成物、さらに架橋反応性に優れ、圧縮永久歪に優れ、耐スチーム性に優れた架橋ゴム部材を与えることができる含フッ素弾性共重合体組成物、およびそれを架橋して得られる架橋ゴム部材を提供することにある。
本発明は、(A)テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位(a)、クロトン酸ビニルに基づく繰り返し単位(b)及びプロピレンに基づく繰り返し単位(c)を含有し、(b)/((a)+(b))=0.0001〜0.5(モル比)であり、(c)/(a)=40/60〜60/40(モル比)である含フッ素弾性共重合体、(B)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体及び(C)有機過酸化物を含有する組成物であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の含有割合が、(A)成分の100質量部に対して(B)成分が1〜300質量部及び(C)成分が0.3〜10質量部であることを特徴とする含フッ素弾性共重合体組成物を提供する。
また、本発明は、上記の含フッ素弾性共重合体組成物を架橋させてなることを特徴とする架橋ゴム部材を提供する。
また、本発明は、上記の架橋ゴム部材が食品製造装置用である架橋ゴム部材を提供する。
また、本発明は、上記架橋ゴム部材が密閉型磁気ディスクドライブ装置用である架橋ゴム部材を提供する。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物は、架橋反応性が高く、圧縮永久歪が低い架橋ゴム部材を与えることができ、また、これらの性能に加え、さらに耐スチーム性にも優れている架橋ゴム部材を与えることができ、従来のゴム部材と遜色ない機械的特性を有する。
本発明に用いられる(A)成分の含フッ素弾性共重合体は、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位(a)、クロトン酸ビニルに基づく繰り返し単位(b)及びプロピレンに基づく繰り返し単位(c)を含有する。
以下、テトラフルオロエチレンをTFEといい、クロトン酸ビニルをVCといい、プロピレンをPという。
前記VCに基づく繰り返し単位(b)の含有量は、(b)/((a)+(b))=0.0001〜0.5(モル比)であり、(b)/((a)+(b))=0.0001〜0.05(モル比)であることが好ましく、(b)/((a)+(b))=0.0005〜0.03(モル比)であることがより好ましい。この範囲にあると、含フッ素弾性共重合体は架橋反応性に優れ、得られる架橋ゴム部材は、引張り強度、耐薬品性、耐熱性等の物性に優れる。
また、前記Pに基づく繰り返し単位(c)の含有量は、(c)/(a)=40/60〜60/40(モル比)であり、(c)/(a)=40/60〜50/50(モル比)が好ましく、(c)/(a)=40/60〜48/52(モル比)がより好ましい。この範囲にあると、得られる架橋ゴム部材は、架橋ゴム物性に優れ、耐熱性及び耐薬品性、低温特性が良好である。
本発明に用いられる(A)成分の含フッ素弾性共重合体は、上記繰り返し単位の他に、TFE以外の含フッ素モノマーに基づく繰り返し単位などの他の繰り返し単位を含有してもよい。
本発明に用いる含フッ素弾性共重合体のムーニー粘度ML1+4(100℃)は、特に制限されないが、20〜180が好ましく、30〜150がより好ましい。ムーニー粘度は、各種の平均分子量の目安であり、高いと分子量が高いことを示し、低いと分子量が低いことを示す。この範囲にあると成形性に優れるので好ましい。
本発明に用いる含フッ素弾性共重合体は、(B)成分のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体との相溶性に優れ、架橋剤や架橋助剤の分散が良いので混練や成形が容易である。
前記含フッ素弾性共重合体は、通常のTFEの重合方法と同様な方法により製造できる。例えば、水性媒体中で乳化剤および重合開始剤の存在下、TFE、VC、およびPを共重合させ、得られた含フッ素弾性共重合体ラテックスを凝集させて含フッ素弾性共重合体を分離させ、乾燥することにより製造できる。
乳化剤としては、パーフルオロオクタン酸アンモニウム等の含フッ素乳化剤や、パーフルオロアルキル基が分岐した構造をもつ乳化剤、ラウリル硫酸ナトリウムなどの炭化水素系乳化剤などが挙げられる。乳化剤の含有割合は、通常水性媒体中で0.001〜10.0質量%である。重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤を用いることができ、特に水溶性重合開始剤が好ましい。重合開始剤の添加量は、通常重合に用いるモノマーに対し0.0001〜3質量%である。重合圧力は0MPaG以上20MPaG以下が好ましく、重合温度は0℃以上100℃以下が好ましい。
本発明に用いる(B)成分は、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体(以下、EPDMという。)である。非共役ジエンとしては、通常はフッ素原子を有しない非共役ジエンが好ましく、エチリデンノルボルネン(以下、ENBという。)やジシクロペンタジエン(以下、DCPDという。)がより好ましい。
(B)成分のEPDMにおいて、エチレンに基づく繰り返し単位の含有割合は、40〜70質量%が好ましく、45〜65質量%がより好ましく、48〜60質量%が最も好ましい。
また、(B)成分のEPDMにおいて、非共役ジエンに基づく繰り返し単位の含有割合は、2〜15質量%が好ましく、3〜12.5質量%がより好ましく、4〜10.5質量%が最も好ましい。
(B)成分のEPDMのムーニー粘度ML1+4(100℃)は、5〜90が好ましく、5〜65がより好ましく、5〜55が最も好ましい。液状から固体状のEPDMが好ましい。
(B)成分の使用量は、(A)成分の100質量部に対して1〜300質量部である。1質量部より少ない場合には、添加効果が十分でなく、300質量部より多い場合には、架橋物からの発生ガス量が多くなる。より好ましくは10〜100質量部である。耐スチーム性の優れた架橋ゴム部材を得るには、(B)成分の使用量は、(A)成分の100質量部に対して1〜65質量部が好ましく、5〜55質量部がより好ましい。
(B)成分のEPDMのムーニー粘度ML1+4(100℃)が低いと、成形性に優れる組成物を得ることができる。この場合のEPDMのムーニー粘度ML1+4(100℃)は、5〜30が好ましく、5〜20がより好ましく、5〜15が特に好ましい。
本発明に用いる(C)成分は、有機過酸化物である。(C)成分は(A)成分及び(B)成分の架橋剤として作用する。
有機過酸化物の具体例としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキシド、ジアシルパーオキシド、パーオキシエステル、ヒドロパーオキシドなどが挙げられる。具体例としては、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
(C)成分の使用量は、(A)成分の100質量部に対して0.3〜10質量部である。0.3質量部より少ない場合には、架橋が不十分となる。10質量部より多い場合には、架橋物の弾性が失われる。より好ましくは0.5〜3質量部である。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物は、EPDM用老化防止剤を含まないことが好ましい。EPDM用老化防止剤を含むと架橋物の発生ガス量が多くなるので好ましくない。EPDM用老化防止剤としては、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、フェノール系、亜リン酸エステル系等が挙げられる。具体例としては、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノンの重合物、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、ジフェニルイソデシルポスファイト、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物においては、(A)成分に(B)成分や(C)成分の他に、架橋助剤、架橋促進剤及び受酸剤などを含有することも好ましい。
架橋助剤の具体例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートプレポリマー、トリメタリルイソシアヌレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリアリルトリメリテート、m−フェニレンジアミンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、N,N′,N′′,N′′′−テトラアリルテレフタールアミド、ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキサン等のビニル基含有シロキサンオリゴマー等が挙げられる。
架橋助剤としては、多アリル化合物が好ましく、特に、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレートがより好ましく、トリアリルイソシアヌレートがさらに好ましい。
さらに、必要に応じて金属酸化物を含有させることも好ましい。金属酸化物を含有させることで、架橋反応を速やかにかつ確実に進行させることができる。金属酸化物の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉛等の2価金属の酸化物が好ましい。金属酸化物の含有量は、含フッ素弾性共重合体の100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この範囲にあると強度と伸びのバランスに優れる物性が得られる。また水酸化カルシウムなどの金属水酸化物を配合することも好ましい。
また、金属酸化物に代えて、又は金属酸化物と共に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウムなどのステアリン酸金属塩などを含有させることも好ましい。ステアリン酸金属塩を含有させることにより、架橋反応を速やかにかつ確実に進行させることができる。ステアリン酸金属塩の含有量は、含フッ素弾性共重合体の100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物には、EPDM用老化防止剤を除き、従来より架橋ゴムの製造に使用されている種々の配合物をさらに配合できる。
具体例としては、カーボンブラック、シリカ、クレイ、タルク、ガラス繊維などの充填剤、酸化チタン、ベンガラなどの顔料、脂肪酸、脂肪酸塩などの加工助剤、(A)成分及び(B)成分以外の樹脂やゴムなどが挙げられる。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物は、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押し出し機などのゴム用混合装置で、上記の各成分を均一に混合することにより容易に製造される。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物のムーニー粘度ML1+4(100℃)は、10〜100が好ましい。
本発明の含フッ素共重合体組成物は、通常はプレス架橋のように、成形と同時に架橋されるが、成形した後に架橋してもよい。
成形法としては、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形又は溶剤に溶かしてディッピング、コーティングなどが採用される。
架橋条件は、成形法や架橋物の形状を考慮して加熱プレス架橋やスチーム架橋、熱風架橋、被鉛架橋など種々の条件が採用されるが、通常は100〜400℃で数秒〜24時間の範囲が好ましく採用される。また、架橋物の機械特性や圧縮永久歪の向上やその他の特性の安定化を目的に、二次架橋が好ましく採用される。二次架橋条件としては、100〜300℃で30分〜48時間程度が好ましい。
また、成型させた含フッ素弾性共重合体組成物に必要に応じて放射線照射による架橋が好ましい。照射する放射線としては、電子線、ガンマ線、紫外線などが挙げられる。電子線照射における照射量は、0.1〜30Mradが好ましく、1〜20Mradが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、部とあるものは質量部を示す。
(ポリマーA:含フッ素弾性共重合体(TFE/P/VC共重合体)の製造)
撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス製耐圧反応器を脱気した後、1600gのイオン交換水、40gのリン酸水素二ナトリウム12水和物、0.5gの水酸化ナトリウム、97gのtert−ブタノール、9gのラウリル硫酸ナトリウム、2.5gの過硫酸アンモニウムを加えた。さらに予め200gのイオン交換水に0.4gのエチレンジアミン四酢酸2ナトリウム塩・2水和物(以下、EDTAという。)および0.3gの硫酸第一鉄7水和物を溶解させた水溶液を投入した。ついで、40℃で、TFE/P=85/15(モル比)のモノマー混合ガスを、反応器内圧が2.5MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム2水和物(以下、ロンガリットともいう。)の2.5質量%水溶液を添加し、重合反応を開始させた。
重合の進行に伴い圧力が低下するので、反応器内圧が2.49MPaに降下した時点で、TFE/P=56/44(モル比)の混合ガスを圧入し、反応器内圧を2.51MPaGまで昇圧させた。これを繰り返し、反応器内圧を2.49〜2.51MPaGに保持し、重合反応を続けた。TFE/P混合ガスの添加量が50gになった時点でVCの5質量%tert−ブタノール溶液の4mLを反応器内に圧入した。以降、TFE/P混合ガスの添加量が330gまで、20g毎にVCのtert−ブタノール溶液の4mLを圧入して、合計15回行った。TFE/P混合ガスの添加量の総量が400gとなった時点で、ロンガリット水溶液の添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却し、重合反応を停止し、TFE/P/VC共重合体ラテックスを得た。ロンガリット水溶液の使用量は23gであった。重合時間は約3.5時間であった。
該ラテックスを塩化カルシウムの5質量%水溶液に添加して、塩析によりラテックスを凝集させ、TFE/P/VC共重合体を得た。該共重合体をろ過して分離し、イオン交換水により洗浄し、120℃のオーブンで12時間乾燥させ、白色のTFE/P/VC共重合体(以下、ポリマーAともいう。)の398gを得た。
ポリマーAの組成は、TFEに基づく繰り返し単位/Pに基づく繰り返し単位/VCに基づく繰り返し単位=55.3/44.7/0.17(モル比)であった。ポリマーAのムーニー粘度ML1+4(100℃)は130であった。
(実施例1〜7)
上記で製造された含フッ素弾性共重合体を用いて、表1に示す成分および配合量に従い、各種の配合材料を2ロールで均一に混合して含フッ素弾性共重合体組成物を製造した。これら含フッ素弾性共重合体組成物は架橋特性測定機(RPA、アルファーテクノロジーズ社製)を用いて177℃で12分間、振幅3度の条件にて架橋特性を測定した。これら含フッ素弾性共重合体組成物は170℃で20分間プレス架橋した後、オーブン中において180℃で4時間の条件で二次架橋をした。 架橋特性において、MHはトルクの最大値を示し、MLはトルクの最小値を示し、MH−MLは架強度(加硫度ともいう。)を示し、t10はスコーチタイムの近似値を示し、t90は最適架橋時間の近似値を示す。
(比較例1〜9)
比較例は、表2に示す成分および配合量に従い、実施例1と同様にして、含フッ素弾性共重合体組成物を製造して架橋特性を測定した。なお、比較例1、2はオーブン中において200℃で4時間の条件で二次架橋をした。比較例3はオーブン中において230℃で24時間の条件で二次架橋をした。
実施例および比較例で得られた架橋物をJIS K6251に準じて引張強さ(単位:MPa)及び破断伸び(単位:%)を測定した。また、JIS K6253に準じて硬度(単位:JISA)を測定した。圧縮永久歪は100℃(空気雰囲気中)で70時間後の条件と150℃(スチーム雰囲気中(0.4MPa))に100時間後についても測定した。耐スチーム性は180℃スチーム雰囲気下に70時間静置し常態物性を測定して変化率を求めた。
Figure 2009029892
Figure 2009029892
なお、表1及び表2に記載の略号は以下のとおりである。
ポリマーA:TFE−P−VC共重合体(ムーニー粘度ML1+4(100℃)130、
ポリマーB:TFE−P共重合体(旭硝子社製、商品名「アフラス150P」)、
ポリマーC:TFE−P共重合体(旭硝子社製、商品名「アフラスSP」)、
ポリマーD:E−P−ENB共重合体(ムーニー粘度ML1+4(100℃)47、エチレン50重量%含有、ジエン9.5重量%含有、住友化学工業社製、商品名「エスプレン505A」)、
ポリマーE:E−P−ENB共重合体(ムーニー粘度ML1+4(100℃)8、エチレン59重量%含有、ジエン8.0重量%含有、三井化学社製、商品名「EPT X−4010」)
F:MTカーボン、
G:珪藻土(Celite Corporation社製、商品名「Celite#350」)、
H:酸化マグネシウム(協和化学工業社製、商品名「キョーワマグ#150」)、
I:水酸化カルシウム(近江化学社製、商品名「カルビット」)、
J:トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製、商品名「TAIC」)、
K:α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン(化薬アクゾ社製、商品名「パーカドックス14」)、
L:ステアリン酸亜鉛、
M:ステアリン酸ナトリウム
(実施例8)
実施例2に用いた含フッ素弾性共重合体組成物を用いて、密閉型磁気ディスクドライブ装置用のシールを、実施例2と同様の架橋条件で架橋させて得た。
(実施例9)
実施例6に用いた含フッ素弾性共重合体組成物を用いて、食品製造装置用のシールを、実施例6と同様の架橋条件で架橋させて得た。
本発明の含フッ素弾性共重合体組成物の架橋ゴム部材は、種々の用途に適用できる。特に食品製造設備のOリング、シール、パッキン、ガスケット(へルールガスケット)、バルブ、チューブ、ホース、ロール、シート、密閉型磁気ディスクドライブ装置のシール、ガスケット、コネクターなどに適用できる。なお、リング、シール、パッキンの断面形状は、種々の形状のものであってもよく、具体的には、例えば、四角、O字、へルールなどの形状や、D字、L字、T字、V字、X字、Y字などの異形状のものであってもよい。

Claims (4)

  1. (A)テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位(a)、クロトン酸ビニルに基づく繰り返し単位(b)及びプロピレンに基づく繰り返し単位(c)を含有し、(b)/((a)+(b))=0.0001〜0.5(モル比)であり、(c)/(a)=40/60〜60/40(モル比)である含フッ素弾性共重合体、(B)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体及び(C)有機過酸化物を含有する組成物であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の含有割合が、(A)成分の100質量部に対して(B)成分が1〜300質量部及び(C)成分が0.3〜10質量部であることを特徴とする含フッ素弾性共重合体組成物。
  2. 請求項1に記載の含フッ素弾性共重合体組成物を架橋させてなることを特徴とする架橋ゴム部材。
  3. 請求項2の架橋ゴム部材が食品製造装置用である架橋ゴム部材。
  4. 請求項2の架橋ゴム部材が密閉型磁気ディスクドライブ装置用である架橋ゴム部材。
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