JP3126735U - モータ制御回路 - Google Patents

Abstract

【課題】スイッチングノイズを有効に低減するモータ制御回路を提供する。
【解決手段】本考案のモータ制御回路は、ＰＷＭ信号生成回路と、駆動回路と、パルス整形回路と、を有する。前記ＰＷＭ信号生成回路は、交互に変化する「オン」と「オフ」期間を備えた方形波信号を生成する。前記パルス整形回路は前記ＰＷＭ信号生成回路と前記駆動回路の間に接続され、方形波の波形をその立上り時間と降下時間が共に前記方形波の周期の５％〜１５％の範囲内にあるように調整する。前記駆動回路が調整後の立上り時間と降下時間の範囲値に基づいて駆動信号をファンモータに出力するため、コイルにおける磁気回路の変換で生成される逆起電力は減少し、モータ制御回路のスイッチングノイズを大幅に低減する。
【選択図】図５

Description

本考案は、モータ制御回路に関し、特にモータのコイルにおける磁気回路が変換するときに生成した逆起電力を減少し、スイッチングノイズを有効に低減するモータ制御回路に関する。

図１は、従来のトランジスタＱ１，Ｑ４により構成された駆動ユニットと、トランジスタＱ２，Ｑ３により構成された逆相駆動ユニットとを有するブリッジ駆動回路の回路図を示したものである。このブリッジ駆動回路では、パルス幅変調（Ｐｕｌｓｅ Ｗｉｄｔｈ Ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎ；以下、ＰＷＭとする）信号生成ユニット（図示せず）が図２に示すような方形波形状を持つ方形波信号を生成してトランジスタＱ１，Ｑ４を有する一方の駆動ユニットに導通させ、電流をコイル１０に通過させて回転子を回転させたとき、トランジスタＱ２，Ｑ３を有する他方の駆動ユニットは導通せず、その電流が経由するパスは図３の実線に示すようになる。次に、ＰＷＭ信号生成ユニットは、出力するパルス（方形波信号）の位相を変え、トランジスタＱ２，Ｑ３を有する他方の駆動ユニットに導通させる。このとき、コイル１０を通過する電流は図３の点線に示す方向に流れ、回転子を更に或る角度で回転させる。このように交互に駆動することにより、ファンの回転子が連続的に運転する。

図２に示すような従来の駆動方法に係るＰＷＭ信号生成ユニットの出力は、その位相が瞬時に０→Ｈ，Ｈ→０へと急激に変換することにより、交互に変化する「オン」，「オフ」期間を備えた方形波信号として生成される。従って、コイルの磁気回路が変換するときに高電圧の逆起電力が生成される。図４は、逆起電力作用がモータにおける出力電圧と電流とに与える影響を示している。この逆起電力は、スイッチングノイズを大幅に増加させ、モータ運転時に著しい騒音を生じる。

本考案は、上記課題を鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、スイッチングノイズを有効に低減するモータ制御回路を提供することにある。

本考案の一形態に係るモータ制御回路は、ＰＷＭ信号生成回路と，駆動回路と，パルス整形回路と、を有する。ＰＷＭ信号生成回路は、交互に変化する「オン」，「オフ」期間を備えた方形波信号を生成する。パルス成形回路はＰＷＭ信号生成回路と駆動回路との間に接続され、方形波の波形をその立上り時間と降下時間が共に前記方形波の周期の５％〜１５％の範囲内にあるように調整する。

本考案のモータ制御回路によれば、上述した設計により、駆動回路が調整後の立上り時間と降下時間との範囲値に基づいて駆動信号をファンモータに出力する際、ファンモータに入力されたＰＷＭ信号は立上る時と降下する時が共に滑らかな変化を有するため、コイルにおける磁気回路の変換で生成される逆起電力は減少し、モータ制御回路のスイッチングノイズを大幅に低減することができる。

以下、実施例に基づいて説明する。

図５は、本考案の実施例１に係る低スイッチングノイズを有するモータ制御回路２０を示す回路のブロック図である。図５に示すように、前記モータ制御回路２０はＰＷＭ信号生成回路２２と、パルス整形回路２４と、駆動回路２６と、を有し、パルス整形回路２４はＰＷＭ信号生成回路２２と駆動回路２６の間に電気的に接続される。ＰＷＭ信号生成回路２２は、交互に変化する「オン」と「オフ」期間を備えた方形波信号を生成し、駆動回路２６は駆動信号をファンモータ２８に出力してファンを運転させる。

上述のように、従来の方法は方形波信号の値が、図２に示すように、瞬時に０→Ｈ、Ｈ→０へと変換するため、コイル１０の磁気回路が変換する時にかなり高電圧の逆起電力を生成し、スイッチングノイズを著しく増加させる。よって、本考案の実施例１の特徴は、前記方形波の立上り時間Ｔ_Ｒと降下時間Ｔ_Ｆを増加させるパルス整形回路２４をＰＷＭ信号生成回路２２と駆動回路２６の間に電気的に接続し、前記方形波の波形を台形パルスに変換させることにある。図６に示すように、本考案は前記台形パルスの立上り時間Ｔ_Ｒと降下時間Ｔ_Ｆが前記台形パルス周期Ｔの５％〜１５％の範囲内にあるように設計している。立上り時間Ｔ_Ｒの定義は１０％（−２０dB）の振幅点から９０％（−０．９dB）の振幅点まで上昇するのに必要な時間である。降下時間Ｔ_Ｆも同じ振幅点で定義されるが、順序は逆である。

上述の設計により、駆動回路２６は、立上り時間Ｔ_Ｒ値と降下時間Ｔ_Ｆ値が共に好適な範囲内にあるような台形パルス信号に基づいて駆動信号をファンモータ２８に出力する際、ＰＷＭ信号は、立上る時と降下する時が共に滑らかな変化を有するため、コイルにおける磁気回路の変換で生成される逆起電力は減少し、モータ制御回路のスイッチングノイズを大幅に低減することができる。特に、本考案の実施例１においてはモータが低速で運転している時に著しい効果を得ることができる。

図７は本考案の実施例１におけるパルス整形回路２４と駆動回路２６を接続した具体的な回路図である。図７に示すように、駆動回路２６はトランジスタＱ１とＱ４で構成された駆動ユニットと、トランジスタＱ２とＱ３で構成されたもう一つの逆相駆動ユニットとを有し、ＰＷＭパルスの位相変化によって両駆動ユニットを交互に導通させる。パルス整形回路２４は複数のパルス整形ユニット２４ａ、２４ｂ、２４ｃ、２４ｄを含み、それぞれは両駆動ユニットのトランジスタＱ１、Ｑ２、Ｑ３、Ｑ４に接続され、交互に両駆動ユニットのトランジスタを導通させるＰＷＭパルスの立上り時間Ｔ_Ｒと降下時間Ｔ_Ｆを上述の好適範囲内にあるようにする。前記トランジスタは、例えばバイポーラトランジスタである。パルス整形ユニット２４ａ、２４ｂ、２４ｃ、２４ｄは演算増幅器と、抵抗と、容量とによって位相遅延回路を構成し、抵抗値と容量値によって決められる時間定数を調整することによって、台形パルスの立上り時間Ｔ_Ｒと降下時間Ｔ_Ｆをその周期の５％〜１５％の範囲内にあるように調整することができる。

本考案の実施例２に係るパルス整形回路は、駆動回路２６に入力されるＰＷＭパルスの波形を調整することができれば良く、その回路配置は特定ではない。図８は本考案の実施例２においてパルス整形回路と駆動回路を接続したもう一つの具体的な回路を示す。この実施例では、二つのパルス整形ユニット２３ｅ、２４ｆをそれぞれトランジスタＱ１とＱ４で構成された駆動ユニット及びトランジスタＱ２とＱ３で構成された駆動ユニットに接続すれば良い。また、パルス整形ユニット２４ｅ、２４ｆは抵抗と容量のみから構成されても良く、同じように抵抗値と容量値によって決められる時間定数を調整することによって、パルスの立上り時間と降下時間を必要な範囲内にあるように調整することができる。

更に、本考案においては駆動回路２６を駆動ＩＣに組み込んでも良く、その場合にはパルス整形回路２４の立上り時間と降下時間を必要な範囲内にあるように調整する機能を前記駆動ＩＣに統合する。

上に述べたものは、本考案を説明する便宜上での好適実施例であり、本考案は前記好適実施例に狭義的に制限されない。本考案を基とするあらゆる変更は、すべて本考案の実用新案登録請求の範囲に属する。

従来のブリッジ駆動回路を示す図である。 図１に示すＰＷＭ信号を示す図である。 ＰＷＭ信号が交互に駆動ユニットを導通させる際におけるそれぞれの電流パスである。 コイルの磁気回路が変換するときに、逆起電力が電圧と電流に与える影響を示す図である。 本考案の低スイッチングノイズを有するモータ制御回路２０を示すブロック図である。 ＰＷＭ信号がパルス整形回路によって調整された後の波形を示す図である。 本考案のパルス整形回路と駆動回路を接続した具体的な回路図である。 本考案のパルス整形回路と駆動回路を接続したもう一つの具体的な回路図である。

符号の説明

１０ コイル
２０ モータ制御回路
２２ ＰＷＭ信号生成回路
２４ パルス整形回路
２４ａ,２４ｂ,２４ｃ,２４ｄ,２４ｅ,２４ｆ パルス整形ユニット
２６ 駆動回路
２８ ファンモータ
Ｔ 波形周期
Ｔ_Ｒ 立上り時間
Ｔ_Ｆ 降下時間
Ｑ１,Ｑ２,Ｑ３,Ｑ４ トランジスタ

Claims (7)

1. 交互に変化する「オン」と「オフ」期間を備えた方形波信号を生成するためのＰＷＭ信号生成回路と、
   駆動回路と、
   前記ＰＷＭ信号生成回路と前記駆動回路の間に接続され、前記方形波の立上り時間と降下時間を台形波になるように調整する、パルス整形回路と、を有し、
   前記駆動回路が、前記調整後の立上り時間と降下時間の範囲値に基づいて駆動信号をファンモータに出力するため、コイルにおける磁気回路の変換で生成される逆起電力は減少し、モータ制御回路のスイッチングノイズを大幅に低減することができることを特徴とする、モータ制御回路。
2. 前記駆動回路が二つの交互に導通する駆動ユニットによって構成され、且前記パルス整形回路が抵抗素子と容量素子から構成される位相遅延回路であることを特徴とする、請求項１に記載のモータ制御回路。
3. 前記駆動回路と前記パルス整形回路が駆動ＩＣに組み込まれていることを特徴とする、請求項１に記載のモータ制御回路。
4. 前記方形波は、立上り時間と降下時間が共にその周期の５％〜１５％の範囲内にあるように、前記台形波を調整することを特徴とする、請求項１に記載のモータ制御回路。
5. 交互に変化する「オン」と「オフ」期間を備えた方形波信号を生成するためのＰＷＭ信号生成回路と、
   それぞれ少なくとも二つのトランジスタを有する第１駆動ユニットと第２駆動ユニットとを有する駆動回路と、
   前記ＰＷＭ信号生成回路と前記駆動回路の間に接続され、前記方形波の立上り時間と降下時間を調整することにより、前記方形波信号を立上り時間と降下時間が共にその周期の５％〜１５％の範囲内にあるような台形パルス信号に変換するためのパルス整形回路と、を有し、
   前記台形パルス信号が交互に前記第１駆動ユニットと前記第２駆動ユニットのトランジスタを導通させ、モータのコイルにおける磁気回路の変換で生成される逆起電力を減少させ、モータ制御回路のスイッチングノイズを大幅に低減することができることを特徴とする、モータ制御回路。
6. 前記パルス整形回路が、それぞれ前記第１駆動ユニットと前記第２駆動ユニットに接続された二つのパルス整形ユニットを有することを特徴とする、請求項５に記載のモータ制御回路。
7. 前記パルス整形回路が、それぞれ前記第１駆動ユニットと第２駆動ユニットの有するトランジスタに接続された複数のパルス整形ユニットを有することを特徴とする、請求項５に記載のモータ制御回路。
   

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