JP2008043171A - 負荷駆動装置及びこれを用いた電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ノイズに起因する誤動作を回避して、定電流チョッピング制御の安定性を高めることが可能な負荷駆動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る負荷駆動装置2は、インダクタンス成分を有する負荷(図1ではモータコイルL)に駆動電流Imを供給するドライバ23と、ドライバ23に流れるスイッチング電流に応じた検出電圧Vadjを生成する電流検出抵抗24と、検出電圧Vadjと所定のバイアス電圧(図1では接地電圧GND)のいずれか一を選択出力するスイッチ回路28と、スイッチ回路28の選択電圧Sbと所定の基準電圧Vrefとを比較するコンパレータ25と、コンパレータ25の比較出力信号Scに基づいてドライバ23の駆動制御信号(図1ではプリドライバ22のプリ駆動制御信号)を生成するロジック回路21とを有して成り、駆動電流Imの定電流チョッピング制御を行う構成とされている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る負荷駆動装置2は、インダクタンス成分を有する負荷(図1ではモータコイルL)に駆動電流Imを供給するドライバ23と、ドライバ23に流れるスイッチング電流に応じた検出電圧Vadjを生成する電流検出抵抗24と、検出電圧Vadjと所定のバイアス電圧(図1では接地電圧GND)のいずれか一を選択出力するスイッチ回路28と、スイッチ回路28の選択電圧Sbと所定の基準電圧Vrefとを比較するコンパレータ25と、コンパレータ25の比較出力信号Scに基づいてドライバ23の駆動制御信号(図1ではプリドライバ22のプリ駆動制御信号)を生成するロジック回路21とを有して成り、駆動電流Imの定電流チョッピング制御を行う構成とされている。
【選択図】図1
Description
本発明は、インダクタンス成分を有する負荷(例えばモータを構成するモータコイル)の駆動制御を行う負荷駆動装置、及び、これを用いた電気機器に関するものである。
図4は、モータ駆動装置の一従来例を示すブロック図である。
本図に示す通り、従来のモータ駆動装置は、モータMに駆動電流Imを供給するドライバDRVと、ドライバDRVに流れるスイッチング電流(延いては駆動電流Im)に応じた検出電圧Vadjを生成する電流検出抵抗RNFと、検出電圧Vadjと所定の基準電圧Vrefを比較するコンパレータCMPと、コンパレータCMPの比較出力信号Sxに基づいてドライバDRVの駆動制御信号を生成する制御回路CTRLと、を有して成り、駆動電流Imの定電流チョッピング制御(オン/オフ制御)を行う構成とされていた。
なお、上記に関連する従来技術としては、特許文献1、2などを挙げることができる。
特許文献1では、ブラシレスモータの各相で発生する逆起電圧と前記各相の中点電圧とを比較して矩形波信号を生成するコンパレータ回路と、ノイズマスク期間を有するノイズマスク信号によって前記矩形波信号にマスクを行うマスク回路と、前記ノイズマスク信号を生成するマスク信号生成回路と、前記マスク回路によってマスクされた前記矩形波信号に基づいてドライブ信号を形成するドライブ信号形成手段と、前記ドライブ信号に基づいて前記ブラシレスモータに駆動電流を供給する電流供給手段と、を備えたセンサレスモータドライバにおいて、前記駆動電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号に基づいて前記ノイズマスク期間を可変する手段と、を備えたことを特徴とするセンサレスモータドライバが本願出願人によって開示・提案されている。
また、特許文献2では、複数相のモータ駆動コイルに駆動電流を供給する複数個の駆動トランジスタと、モータ駆動電流を検出してトルク指令信号を発生するトルク指令信号発生回路と、前記トルク指令信号発生回路の出力信号に応じた電流を前記複数個の駆動トランジスタのベースに順次供給する電流分配回路と、前記電流分配回路に台形波電流を出力する台形波電流合成器と、前記モータ駆動コイルに発生する逆起電力を検出して波形整形する逆起電力検出器と、前記逆起電力検出器へ信号波形の一部をマスクする信号を出力するマスク信号発生器と、を有するブラシレスモータの駆動装置が開示・提案されている。
特開平11−299283号公報
特開平8−33382号公報
確かに、図4に示した従来のモータ駆動装置であれば、駆動電流Imの定電流チョッピング制御によって、モータMの駆動電流Imを所望値に維持することが可能となる。
しかしながら、上記従来のモータ駆動装置では、図5に示すように、ドライバDRVのスイッチング動作に起因するスパイクノイズ(リンギングノイズ)が検出電圧Vadjに重畳して、コンパレータCMPの比較出力信号Sxが意図しない誤論理に変遷し、駆動電流Imの定電流チョッピング制御に誤動作を生じるおそれがあった。
なお、特許文献1、2の従来技術は、いずれも、モータコイルに生じる逆起電圧のノイズをマスクするための技術であって、駆動電流の定電流チョッピング制御時に生じるスパイクノイズやこれに起因する誤動作については、何ら示唆・言及されていなかった。
また、特許文献1、2の従来技術は、いずれも、コンパレータや逆起電力検出器の出力信号に対してマスク処理を行う構成であるため、その出力信号が誤った論理状態から正常な論理状態に復帰するまでマスク処理を施さねばならず、マスク期間の短縮(延いては、チョッピング周波数の向上)がコンパレータの動作速度に律速される形となっていた。
本発明は、上記の問題点に鑑み、ノイズに起因する誤動作を回避して、定電流チョッピング制御の安定性を高めることが可能な負荷駆動装置、及び、これを用いた電気機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る負荷駆動装置は、インダクタンス成分を有する負荷に駆動電流を供給するドライバと、前記ドライバに流れるスイッチング電流に応じた検出電圧を生成する電流検出抵抗と、前記検出電圧と所定のバイアス電圧のいずれか一を選択出力するスイッチ回路と、前記スイッチ回路の選択電圧と所定の基準電圧とを比較するコンパレータと、前記コンパレータの比較出力信号に基づいて前記ドライバの駆動制御信号を生成する制御回路と、を有して成り、前記駆動電流の定電流チョッピング制御を行う構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成る負荷駆動装置において、前記制御回路は、所定の周期で前記駆動電流をオンさせる一方、前記比較出力信号の論理変遷に基づいて前記駆動電流をオフさせるように、前記ドライバの駆動制御信号を生成するものであり、前記スイッチ回路は、前記駆動電流がオンされてから所定のマスク期間が経過するまで前記バイアス電圧を選択出力し、その余の期間については前記検出電圧を選択出力するものである構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第1または第2の構成から成る負荷駆動装置にて、前記スイッチ回路は、前記検出電圧の印加端と前記コンパレータの一入力端との間に接続された第1のアナログスイッチと、前記バイアス電圧の印加端と前記コンパレータの一入力端との間に接続された第2のアナログスイッチと、前記基準電圧の印加端と前記コンパレータの他入力端との間に接続された第3のアナログスイッチと、を有して成り、第1のアナログスイッチと第2のアナログスイッチは、互いに相補的にオン/オフされるものであり、第3のアナログスイッチは、常時オンされるものである構成(第3の構成)にするとよい。
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る負荷駆動装置は、前記コンパレータと前記制御回路との間に接続され、前記駆動電流がオンされてから所定のマスク期間が経過するまで前記比較出力信号のマスク処理を行うマスク回路を有して成る構成(第4の構成)にするとよい。
また、上記第1〜第4いずれかの構成から成る負荷駆動装置において、前記負荷は、モータを構成するモータコイルである構成(第5の構成)にするとよい。
また、本発明に係る電気機器は、モータと、前記モータの駆動制御を行うモータ駆動手段と、を有して成る電気機器であって、前記モータ駆動手段として、上記第5の構成から成る負荷駆動装置を有して成る構成(第6の構成)とされている。
本発明によれば、ノイズに起因する誤動作を回避して、定電流チョッピング制御の安定性を高めることが可能となる。
図1は、本発明に係るモータ駆動装置を備えた電気機器の一実施形態を示すブロック図(一部に回路素子を含む)である。
本図に示すように、本実施形態の電気機器は、モータ1と、モータ1の駆動制御を行うモータ駆動装置2と、を有して成る。
モータ1は、モータコイルLに流す駆動電流Imに応じた方向に回転する単相のDCモータであり、モータ駆動装置2によって、4つの動作モード(正転、逆転、ブレーキ、空転)が切り替えられる。
なお、上記可逆転のモータ1を備えた電気機器の一機構例としては、トレイ式CDプレーヤのトレイ開閉機構、ビデオデッキのカセット排出機構、プリンタの自動ペーパカット機構、カメラのフォーカス機構、エアコンのルーバ開閉機構などを挙げることができ、その搭載対象は極めて多岐にわたるものである。
一方、モータ駆動装置2は、ロジック回路21と、プリドライバ22と、ドライバ23と、電流検出抵抗24と、コンパレータ25と、直流電圧源26と、マスク信号生成回路27と、スイッチ回路28と、マスク回路29と、を有して成る。
ロジック回路21は、プリドライバ22及びドライバ23の制御主体であり、コンパレータ25の比較出力信号Scに基づいてドライバ23の駆動制御信号(本実施形態では、プリドライバ22のプリ駆動制御信号)を生成する手段である。
プリドライバ22は、ロジック回路21から入力されるプリ駆動制御信号に対してレベルシフトや波形成形を施すことで、ドライバ23の駆動制御信号(後述するトランジスタQH1、QH2、QL1、QL2のゲート制御信号)を生成する手段である。
ドライバ23は、モータ1を構成するモータコイルL(インダクタンス成分を有する誘導リアクタンス負荷)に駆動電流Imを供給する手段であり、モータコイルLに対してHブリッジ型に接続された4つのスイッチ素子(Pチャネル電界効果トランジスタQH1、QH2と、Nチャネル電界効果トランジスタQL1、QL2)を有して成る。
上側スイッチ素子であるトランジスタQH1、QH2のソースは、いずれも電源ラインに接続されている。下側スイッチ素子であるトランジスタQL1、QL2のソースは、いずれも電流検出抵抗24を介して接地ラインに接続されている。トランジスタQH1、QL1のドレインは互いに接続されており、その接続ノードはモータコイルLの一端に接続されている。トランジスタQH2、QL2のドレインは互いに接続されており、その接続ノードはモータコイルLの他端に接続されている。なお、トランジスタQH1、QH2、QL1、QL2は、各々のゲートに入力される駆動制御信号(ゲート制御信号)に応じて開閉制御される。
このように、ドライバ23のスイッチ素子として、電界効果トランジスタを用いた構成であれば、バイポーラトランジスタを用いた構成に比べて、そのオン/オフ制御に対する応答性を高めることが可能となる。ただし、電界効果トランジスタの使用が必須の構成要件というわけではなく、バイポーラトランジスタを用いても構わない。
電流検出抵抗24は、ドライバ23に流れるスイッチング電流(延いては、モータ1に流れる駆動電流Im)に応じた検出電圧Vadjを生成する手段である。なお、モータ駆動装置2を半導体装置に集積化する場合、電流検出抵抗24は、半導体装置に外付けしてもよいし、内蔵してもよい。
コンパレータ25は、スイッチ回路28の選択電圧Sbと所定の基準電圧Vrefとを比較する手段である。なお、本実施形態のモータ駆動装置2において、コンパレータ25の反転入力端(−)は、スイッチ回路28を構成するアナログスイッチSW1を介して、検出電圧Vadjの印加端に接続される一方、スイッチ回路28を構成するアナログスイッチSW2を介して、所定のバイアス電圧(本実施形態では接地電圧GND)の印加端にも接続されている。コンパレータ25の非反転入力端(+)は、スイッチ回路28を構成するアナログスイッチSW3を介して、直流電圧源26の正極端に接続されている。従って、コンパレータ25の比較出力信号Scは、所定の基準電圧Vrefがスイッチ回路28の選択電圧Sbよりも高いときにハイレベルとなり、低いときにローレベルとなる。
直流電圧源26は、駆動電流Imの制限電流値Ilimitに相当する所定の基準電圧Vrefを生成する手段である。なお、直流電圧源26の正極端は、スイッチ回路29を介してコンパレータ25の非反転入力端(+)に接続されており、負極端は、接地ラインに接続されている。
マスク信号生成回路27は、ロジック回路21で生成されるプリドライバ22のプリ駆動制御信号(延いてはドライバ23の駆動制御信号)に基づいて、所定のマスク信号Saを生成する手段である。なお、マスク信号Saについては、後ほど詳細に説明する。
スイッチ回路28は、上記のマスク信号Saに基づいて、検出電圧Vadjとバイアス電圧(接地電圧GND)のいずれかを択一し、その選択電圧Sbをコンパレータ25の反転入力端(−)に出力する手段である。
なお、本実施形態のモータ駆動装置2において、スイッチ回路28は、検出電圧Vadjの印加端(電流検出抵抗24の高電位端)とコンパレータ25の反転入力端(−)との間に接続されたアナログスイッチSW1と、所定のバイアス電圧(接地電圧GND)の印加端(接地ライン)とコンパレータ25の反転入力端(−)との間に接続されたアナログスイッチSW2と、基準電圧Vrefの印加端(直流電圧源26の正極端)とコンパレータ25の非反転入力端(+)との間に接続されたアナログスイッチSW3と、を有して成る。なお、アナログスイッチSW1とアナログスイッチSW2は、互いに相補的にオン/オフされるものであり、アナログスイッチSW3は、常時オンされるものである。
このような構成とすることにより、コンパレータ25の非反転入力端(+)と反転入力端(−)との間で、各々の入力インピーダンスを整合させることが可能となる。
マスク回路29は、マスク信号Saに基づいて、比較出力信号Scのマスク処理を行う手段(論理ゲート手段)である。
次に、上記構成から成るモータ駆動装置2の定電流チョッピング制御について、図2を参照しながら詳細に説明する。
図2は、モータ駆動装置2の定電流チョッピング制御を説明するためのタイミングチャートである。なお、図2において、左端に記載された符号「QH1」、「QH2」、「QL1」、「QL2」は、各々、ドライバ23を構成するトランジスタQH1、QH2、QL1、QL2の各ゲートに入力される駆動制御信号(ゲート制御信号)の論理状態を示している。また、符号「Sa」、「Sb」、「Sc」は、各々、マスク信号Sa、選択電圧Sb、比較出力信号Scの電圧波形を示しており、符号「Im」は、駆動電流Imの電流波形を示している。
まず、定電流チョッピング制御の基本動作について説明する。
モータ1を正転駆動する場合、ロジック回路21は、プリドライバ22を介して、トランジスタQH1、QL2をオンとし、トランジスタQH2、QL1をオフとするように、各々の駆動制御信号(ゲート制御信号)を供給する(時刻t1〜t2を参照)。このようなスイッチング制御により、モータ1を構成するモータコイルLには、電源ラインから、トランジスタQH1、モータコイルL、トランジスタQL2、及び、電流検出抵抗24を介して、接地ラインに向けた駆動電流Imが流される形となる。
時刻t1にて駆動電流Imをオンした後、時刻t2にて選択電圧Sb(ここでは検出電圧Vadjが選択出力されているものとする)が基準電圧Vrefに達し、比較出力信号Scがローレベルに立ち下がったとき、ロジック回路21は、駆動電流Imが所定の制限電流値Ilimitに達したと判断して、駆動電流Imをオフさせるべく、プリドライバ22を介して、トランジスタQH1、QH2をオフとし、トランジスタQL1、QL2をオンとするように、各々の駆動制御信号(ゲート制御信号)を供給する(時刻t2〜t3を参照)。このようなスイッチング制御により、電源ラインからモータコイルLへの駆動電流Imがオフされ、モータコイルLには、トランジスタQL1及びトランジスタQL2を介して、回生電流が流される形となる。
時刻t2にて電源ラインからの駆動電流Imをオフした後、ロジック回路21は、所定のスイッチング周期T1で駆動電流Imを再度オンさせるべく、時刻t4にて、プリドライバ22を介して、トランジスタQH1、QL2をオンとし、トランジスタQH2、QL1をオフとするように、各々の駆動制御信号(ゲート制御信号)を供給する(時刻t3〜t4を参照)。これ以降についても、上記と同様のスイッチング制御が繰り返される。
すなわち、本実施形態のモータ駆動装置2において、ロジック回路21は、所定のスイッチング周期T1で駆動電流Imをオンさせる一方、比較出力信号Scの論理変遷(本実施形態ではローレベル遷移)に基づいて駆動電流Imをオフさせるように、ドライバ23の駆動制御信号(本実施形態ではプリドライバ22のプリ駆動制御信号)を生成することで、トランジスタQH1、QL2を相補的にPWM[Pulse Width Modulation]駆動し、駆動電流Imの定電流チョッピング制御を行う構成とされている。
このような構成とすることにより、駆動電流Imの定電流チョッピング制御によって、モータ1の駆動電流Imを所望値に維持することが可能となる。
また、本実施形態のモータ駆動装置2であれば、電源ラインからの駆動電流Imがオフされている期間(時刻t2〜t3、時刻t4〜t5を参照)において、モータ1の回生電流を利用することができるので、装置の省電力化を図ることが可能となる。
なお、図2では、説明を簡単とするために、トランジスタQH1とトランジスタQL1のスイッチタイミングが互いに一致されているが、実際には、貫通電流防止の観点から、両トランジスタのスイッチタイミングには、同時オフ期間が設けられている。
次に、スイッチ回路28を用いたノイズマスク動作について説明する。
上記で説明した駆動電流Imの定電流チョッピング制御において、駆動電流Imをオフからオンへ切り替える際には、先述したように、ドライバ23のスイッチング動作に起因するスパイクノイズ(リンギングノイズ)が検出電圧Vadjに重畳するため、当該検出電圧Vadjをコンパレータ25に直接入力すると、コンパレータ25の比較出力信号Scが意図しない誤論理に変遷し、駆動電流Imの定電流チョッピング制御に誤動作を生じるおそれがある(時刻t1、時刻t3、時刻t5における破線を参照)。
そこで、本実施形態のモータ駆動装置2では、上記したスパイクノイズをコンパレータ25の前段でマスクするための手段として、検出電圧Vadjの帰還入力経路上にスイッチ回路28を設け、マスク信号生成回路27にて生成されるマスク信号Saに基づいて、検出電圧Vadjとバイアス電圧(接地電圧GND)のいずれかを択一し、その選択電圧Sbをコンパレータ25に出力する構成が採用されている。
なお、上記のマスク信号Saは、図2で示したように、トランジスタQH1及びトランジスタQL1のゲート制御信号に同期し、時刻t1(時刻t3、時刻t5でも同様)にて駆動電流Imがオンされてから所定のマスク期間T2が経過するまで、アナログスイッチSW1をオフさせて、アナログスイッチSW2をオンさせる第1の論理状態(本実施形態ではハイレベル)となり、その余の期間は、アナログスイッチSW1をオンさせて、アナログスイッチSW2をオフさせる第2の論理状態(本実施形態ではローレベル)となる。
従って、スイッチ回路28は、駆動電流Imがオンされてから所定のマスク期間T2が経過するまで、所定のバイアス電圧(接地電圧GND)を選択出力し、その余の期間は、検出電圧Vadjを選択出力する形となる。
なお、上記のマスク期間T2に選択出力されるバイアス電圧は、コンパレータ25の比較出力信号Scが常にハイレベルとなるように、言い換えれば、駆動電流Imが常にオンに維持されるように、その電圧値が接地電圧GNDに設定されている。
このような構成とすることにより、駆動電流Imの定電流チョッピング制御に際して、検出電圧Vadjにスパイクノイズが重畳した場合であっても、コンパレータ25はこれに反応しなくなるので、比較出力信号Scが意図しない誤論理に変遷することを未然に防止することが可能となる。
従って、本実施形態のモータ駆動装置2であれば、スパイクノイズに起因する定電流チョッピング制御の誤動作を回避することができるのはもちろん、マスク期間T2(延いてはスイッチング周期T1)を短縮する際にも、コンパレータ25の動作速度(特にローレベルからハイレベルへの復帰動作速度)を不要に高速化する必要がなくなる。すなわち、本実施形態のモータ駆動装置2であれば、コンパレータ25の動作速度に依存することなく、マスク期間T2(延いてはスイッチング周期T1)を短縮することができるので、低電流領域での平均電流を下げることが可能となる。
なお、スパイクノイズに起因する誤動作防止の観点について言えば、スイッチ回路28を用いたマスク動作だけでも充分に事足りるが、本実施形態のモータ駆動装置2では、さらに、コンパレータ25とロジック回路21との間に接続され、マスク信号Saに基づいて、駆動電流Imがオンされてから所定のマスク期間T2が経過するまで、比較出力信号Scのマスク処理を行うマスク回路29を有して成る構成が採用されている。
このような構成とすることにより、駆動電流Imの定電流チョッピング制御に際して、選択電圧Sbや比較出力信号Sc自体にノイズが重畳した場合でも、これがロジック回路21まで伝播することを防止することができるので、定電流チョッピング制御の誤動作をより確実に回避することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、モータ1を正転駆動する場合のみを例に挙げて説明を行ったが、モータ1を逆転駆動する場合にも、上記と同様の定電流チョッピング制御、及び、マスク制御が行われる。
また、上記の実施形態では、単相のDCモータを駆動対象とした構成を例示して説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、その他のモータ(ボイスコイルモータやステッピングモータなど)を駆動対象とするモータ駆動装置はもちろん、インダクタンス成分を有する負荷の駆動制御を行う負荷駆動装置全般に広く適用することが可能である。
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施形態では、ドライバ23の上側スイッチ素子として、Pチャネル電界効果トランジスタを用いた構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、Nチャネル電界効果トランジスタを用いても構わない。その際、上側スイッチ素子のゲート電圧を生成する手段としては、電源電圧を昇圧するチャージポンプ回路を用いてもよいし、上側スイッチ素子のゲート電圧を各々のソース電圧に対してブートストラップするブートストラップ出力段を用いてもよい。
また、上記の実施形態では、ドライバ23と接地ラインとの間に電流検出抵抗24を設けた構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、図3(モータ駆動装置2の一変形例)に示したように、電源ラインとドライバ23との間に電流検出抵抗24を設けた構成としても構わない。この場合、アナログスイッチSW2を介してコンパレータ25に選択出力されるバイアス電圧としては、マスク期間中に駆動電流Imを常にオンさせるべく、その電圧値を電源電圧に設定すればよい。
本発明は、インダクタンス成分を有する負荷の駆動制御を行う負荷駆動装置、例えば、モータの駆動制御を行うモータ駆動装置において、定電流チョッピング制御の安定性を高める上で有用な技術である。
1 モータ
2 モータ駆動装置(負荷駆動装置)
21 ロジック回路
22 プリドライバ
23 ドライバ
24 電流検出抵抗
25 コンパレータ
26 直流電圧源
27 マスク信号生成回路
28 スイッチ回路
29 マスク回路
QH1、QH2 Pチャネル電界効果トランジスタ(上側スイッチ素子)
QL1、QL2 Nチャネル電界効果トランジスタ(下側スイッチ素子)
L モータコイル(負荷)
SW1、SW2、SW3 アナログスイッチ
2 モータ駆動装置(負荷駆動装置)
21 ロジック回路
22 プリドライバ
23 ドライバ
24 電流検出抵抗
25 コンパレータ
26 直流電圧源
27 マスク信号生成回路
28 スイッチ回路
29 マスク回路
QH1、QH2 Pチャネル電界効果トランジスタ(上側スイッチ素子)
QL1、QL2 Nチャネル電界効果トランジスタ(下側スイッチ素子)
L モータコイル(負荷)
SW1、SW2、SW3 アナログスイッチ
Claims (6)
- インダクタンス成分を有する負荷に駆動電流を供給するドライバと、前記ドライバに流れるスイッチング電流に応じた検出電圧を生成する電流検出抵抗と、前記検出電圧と所定のバイアス電圧のいずれか一を選択出力するスイッチ回路と、前記スイッチ回路の選択電圧と所定の基準電圧とを比較するコンパレータと、前記コンパレータの比較出力信号に基づいて前記ドライバの駆動制御信号を生成する制御回路と、を有して成り、前記駆動電流の定電流チョッピング制御を行うことを特徴とする負荷駆動装置。
- 前記制御回路は、所定の周期で前記駆動電流をオンさせる一方、前記比較出力信号の論理変遷に基づいて前記駆動電流をオフさせるように、前記ドライバの駆動制御信号を生成するものであり、前記スイッチ回路は、前記駆動電流がオンされてから所定のマスク期間が経過するまで前記バイアス電圧を選択出力し、その余の期間は前記検出電圧を選択出力するものであることを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
- 前記スイッチ回路は、前記検出電圧の印加端と前記コンパレータの一入力端との間に接続された第1のアナログスイッチと、前記バイアス電圧の印加端と前記コンパレータの一入力端との間に接続された第2のアナログスイッチと、前記基準電圧の印加端と前記コンパレータの他入力端との間に接続された第3のアナログスイッチと、を有して成り、第1のアナログスイッチと第2のアナログスイッチは、互いに相補的にオン/オフされるものであり、第3のアナログスイッチは、常時オンされるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の負荷駆動装置。
- 前記コンパレータと前記制御回路との間に接続され、前記駆動電流がオンされてから所定のマスク期間が経過するまで前記比較出力信号のマスク処理を行うマスク回路を有して成ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の負荷駆動装置。
- 前記負荷は、モータを構成するモータコイルであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の負荷駆動装置。
- モータと、前記モータの駆動制御を行うモータ駆動手段と、を有して成る電気機器であって、前記モータ駆動手段として、請求項5に記載の負荷駆動装置を有して成ることを特徴とする電気機器。
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