JP2006166587A - モータ駆動装置、それを用いたファンモータ、それを用いた送風ファンおよびそれを用いた電子機器 - Google Patents

モータ駆動装置、それを用いたファンモータ、それを用いた送風ファンおよびそれを用いた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】制御電圧入力後にモータの起動が開始され、同期運転から逆起検出運転に移行する間に、起動遅れや起動方向が逆転するなどの起動不良がなく、定格回転運転にスムースに移行することのできるモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】3相モータコイル1と、3相モータコイル1の各相に、モータコイルの逆起電圧のゼロクロス点を基準にした位相でコイル電圧を供給する駆動回路2と、コイル電圧をパルス幅変調ソフトスイッチング制御するためのスロープコンデンサC5,C6およびスロープコンデンサ充放電電流制御抵抗R7を有するパルス幅変調ソフトスイッチング制御部3とを備え、起動直後の少なくともモータ同期運転時に、パルス幅変調ソフトスイッチング制御の動作を停止するようにしたモータ駆動装置。これにより、PWMソフトスイッチングによるモータコイル駆動電流の立上り/立下り時の過渡現象によるスパイク性ノイズの影響がなくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動装置に関し、特にロータ回転位置検出のためのホール素子を用いずにコイル電圧を自動形成するセンサレスモータの駆動装置の起動特性を改良する技術に関する。
近年においては、ハードディスクドライブやフロッピー(登録商標)ディスクドライブ等の各種ドライブで記録媒体を高速で一定回転させるためのモータ駆動装置として、一般的にセンサレスモータが用いられるようになっている。その理由として、従来のセンサ付きのモータは、ロータの回転位置検出のためのホール素子の使用温度制限やマグネットロータの磁界検知のためにその周辺にホール素子、ホール素子保持部材、そしてそれを実装する回路基板の配置など寸法的制約などを受けるのに対し、センサレスモータでは、ホール素子等のロータ回転位置検出素子がないため、使用温度制限や寸法的制約を受けることなく機構設計が可能で、安定して高速回転が得られることなど、メリットが多いからである。一方、冷蔵庫や冷凍庫などの冷却機器の庫内空気循環用ファンや、パーソナルコンピュータなどの情報機器の排気用ファンなどにおいても、また、小型でかつ大きな回転トルクを発生できるアウターロータ型のファンモータにおいても、その寸法的制約のためホール素子を組み込むことは、困難となってきており、そのような用途にもセンサレスモータが活用されている。これらのモータの最終組み込み機器の軽量、小型化に伴って、モータに対しても軽量、小型化の対応が図られている。
このような背景により、センサレスモータの駆動回路におけるさまざまな改善や改良が提案されている。例えば、図5は、(特許文献1)において開示された従来例を示す駆動回路のブロック図、図6は、その従来例のモータの回転数と運転方式の関係のグラフである。このセンサレスモータの駆動回路においては、起動時、クロック信号CLKに同期した同期運転で運転を開始し、次にモータのコイルLU,LV,LWに発生する逆起電圧EU,EV,EWとコイル電圧の中性点Nの電位とのゼロクロス点を検出し、そのゼロクロス点に基づきモータを駆動する逆起検出(逆起電圧検出)運転に移行し、さらにモータ回転数が定格回転数N0となった後、モータのコイルLU,LV,LWに発生する逆起電圧の位相情報および振幅情報を用いてモータを定格運転し、駆動方式もその途中で全波駆動方式から半波駆動方式のソフトスイッチング運転に切り換えている。このような方式を用いることで、定常の定格運転時に発生するモータコイル駆動電流の立上り/立下り時の過渡現象によるスパイク性ノイズを低減することが可能となる。このノイズは、電圧ノイズ、音響ノイズ、電磁波ノイズの形で現れ、周囲に悪影響を及ぼすだけでなく、モータ自体の逆回転などの誤作動を招く要因となるので、そのモータの組み込まれた電子機器においても、これらのノイズ低減は、非常に有益となっている。
特開平7−79591号公報
上記の従来の駆動方式を、例えば冷蔵庫や冷凍庫のような冷却機器の庫内空気循環用ファンモータの用途で駆動装置として応用する場合、風量を確保するための送風抵抗によりファン負荷が大きく、起動や定格回転時に必要とする回転トルクを得るためには大きなコイル電流が必要である。
そのため、駆動回路の電源電圧より高いモータ電圧を用いてコイルに通電するのが一般的である。その駆動回路の電源電圧としては、駆動回路の電源電圧より高いモータ電圧を1次電圧とし、駆動回路用として低電圧化した2次電圧を用いるか、モータ電圧とは別の駆動回路専用電源電圧を供給するなどの方法が採用されている。
また、これらの3相センサレスモータにおいては、その起動時に、起動回路発振用コンデンサの容量に応じた周期で、U,V,W相の各コイルに通電するための同期信号が起動発振ロジックにより与えられ、強制的に3相のうちいずれか2相のコイルを順次通電させることで、起動に必要な十分なトルクを得ることができるように工夫されている。
前記の強制起動により同期運転が開始された直後に、3相コイルのそれぞれの逆起電圧と3相コイルが共通に接続された中性点電圧とを比較して、ゼロクロスを検出して定格回転運転に移行するように論理回路が構成されている。
その場合、前記(特許文献1)に記載された駆動回路や一般的なファンモータ駆動回路においては、その起動時に必要なトルクは、慣性力の働いている定常運転時のトルクに比べて大きく、その分大きなコイル通電電流が必要となる。さらにファン負荷の場合は、風量を確保するための送風抵抗により、定常の定格運転、すなわち定格の回転数に到達するまでの時間が長くなる一方、その間、逆起電圧を検出するコイルにおけるマグネットロータからの単位時間当たりの磁力変化量が小さいため、非通電相のコイルで検出すべき逆起電圧は非常に小さい微弱な信号となる。
しかしながら、非通電相において、その小さな逆起電圧を検出するタイミングでパルス幅変調(以下PWMとする)ソフトスイッチング制御が動作していると、定格運転までは、大きなコイル通電電流であるため、PWMソフトスイッチングによるモータコイル駆動電流の立上り/立下り時の過渡現象によるスパイク性ノイズの影響を受ける。そうすると、本来、検出すべきゼロクロスではなく、モータ駆動コイル電流のスイッチングノイズを逆起電圧と誤検出してしまい、誤ったコミュテーションロジックに移行して、起動方向が逆回転になってしまうという起動不良が発生し、起動特性が悪くなるという問題がある。
その結果、ファンモータの組み込まれた冷却機器や情報機器内の温度調整性能が著しく低下し、それらの機器の性能や信頼性にも影響してくる。
本発明は、ファンモータの組み込まれた冷却機器や情報機器などの電子機器から与えられる制御電圧入力後にモータの起動が開始され、同期運転から逆起検出運転に移行する間に、起動遅れや起動方向が逆転するなどの起動不良がなく、定格回転運転にスムースに移行することのできるモータ駆動装置を提供することを目的とし、さらにはこのモータ駆動装置を組み込むことにより電子機器の性能・品質向上を図ることを目的とする。
本発明のモータ駆動装置は、3相モータコイルと、3相モータコイルにコイル電圧を供給する駆動回路と、コイル電圧を所定のパルスで出力するPWMソフトスイッチング制御するためのスロープコンデンサ充放電電流制御抵抗(以下RT接続抵抗とする)とを備え、起動直後の少なくともモータ同期運転時に、PWMソフトスイッチング制御の動作を停止することを特徴とするモータ駆動装置としたものであり、同期運転時から逆起検出運転に移行するときの誤検出を低減し、起動遅れや起動方向が逆転するなどの起動不良がなく定格回転運転にスムースに移行することができる。
また、駆動回路より出力されるモータ回転数に同期した信号を用いてRT接続抵抗の抵抗値を制御し、少なくともモータ同期運転時にPWMソフトスイッチング制御の動作を停止するようにしてもよい。
また、駆動回路の回転数出力信号(以下FG信号とする)を用いてスロープコンデンサ充放電電流制御抵抗の抵抗値を制御し、少なくともモータ同期運転時にPWMソフトスイッチング制御の動作を停止するようにしてもよい。
本発明によれば、少なくともモータ同期運転時にPWMソフトスイッチングの動作を停止するようにしたので、同期運転時から逆起検出運転に移行するときの誤検出を低減し、起動遅れや起動方向が逆転するなどの起動不良を改善し、スムースに定格回転運転に移行することができるモータ駆動装置を提供できる。
本発明は、モータ駆動装置の起動動作において、起動回転が遅れる又は起動方向の逆転現象を防止することで起動特性を改善する目的を、駆動回路から出力されるモータ回転数に同期したFG信号を用い、RT接続抵抗の抵抗値を所定のタイミングで切り換え、少なくともモータ同期運転時にPWMソフトスイッチング動作を停止することにより実現した。
前記課題を解決するための第1の発明は、3相モータコイルと、3相モータコイルの各相に、モータコイルの逆起電圧のゼロクロス点を基準にした位相でコイル電圧を供給する駆動回路と、コイル電圧をパルス幅変調ソフトスイッチング制御するためのスロープコンデンサおよびスロープコンデンサ充放電電流制御抵抗を有するパルス幅変調ソフトスイッチング制御部とを備え、起動直後の少なくともモータ同期運転時に、パルス幅変調ソフトスイッチング制御の動作を停止する手段を設けたモータ駆動装置としたものである。
第1の発明によれば、起動時の少なくとも同期運転時においてはPWMソフトスイッチング動作が停止されており、PWMソフトスイッチングによるモータコイル駆動電流の立上り/立下り時の過渡現象によるスパイク性ノイズの影響がなくなり、本来、検出すべきモータのコイルに発生する逆起電圧とコイル電圧の中性点の電位とのゼロクロス点を正しく検出し、駆動回路に設けられているコミュテーションロジックにより、定格回転運転にスムースに移行することができ、制御電圧入力が与えられたにも拘わらず起動回転が遅れる又は起動方向が逆転してしまうという起動不良を改善できる。
前記課題を解決するための第2の発明は、第1の発明において、駆動回路より出力されるモータ回転数に同期した信号を用いてスロープコンデンサ充放電電流制御抵抗の抵抗値を制御する手段を設けたモータ駆動装置としたものである。
第2の発明によれば、駆動回路から出力されるモータ回転数に同期した信号により、同期運転から逆起検出運転に移行し、定格回転運転に達する間で、容易に所定のタイミングでPWMソフトスイッチング動作を開始するタイミングを調整することができるので、起動時の少なくとも同期回転時においてはPWMソフトスイッチング動作を停止し、起動回転が遅れる又は起動方向が逆転してしまうという起動不良を改善できる。さらに、定常の定格運転に近い回転数に到達すると、逆起電圧を検出するコイルにおけるマグネットロータからの単位時間当たりの磁力変化量が大きいので、非通電相のコイルで検出すべき逆起電圧は検出するのに十分な大きさとなる。その逆起検出時にPWMソフトスイッチングを動作させることにより、モータコイル駆動電流の立上り/立下り時の過渡現象によるスパイク性ノイズも低減することが可能となるので、電圧ノイズ、音響ノイズ、電磁波ノイズの形で現れる周囲への悪影響を低減でき、モータ自体の逆回転などの誤作動を招く要因も少なくなる。
前記課題を解決するための第3の発明は、第1または第2の発明において、駆動回路の回転数出力信号を用いてスロープコンデンサ充放電電流制御抵抗の抵抗値を制御する手段を設けたモータ駆動装置としたものである。
第3の発明によれば、駆動回路から出力されるモータ回転数に同期したFG信号を用い、所定のタイミングでRT接続抵抗の抵抗値を切り換えPWMソフトスイッチング動作を開始するタイミングを調整することができ、同期運転から逆起検出運転に移行し、定格回転運転に達する間で、容易に所定のタイミングでPWMソフトスイッチング動作を開始するタイミングを調整することができるので、起動時の同期回転時においてはPWMソフトスイッチング動作を停止し、起動回転が遅れる又は起動方向が逆転してしまうという起動不良を改善できる。さらに、定常の定格運転時には、逆起電圧を検出するコイルにおけるマグネットロータからの単位時間当たりの磁力変化量が大きいので、非通電相のコイルで検出すべき逆起電圧は検出するのに十分な大きさとなる。その逆起検出時にPWMソフトスイッチングを動作させることにより、モータコイル駆動電流の立上り/立下り時の過渡現象によるスパイク性ノイズも低減することが可能となるので、電圧ノイズ、音響ノイズ、電磁波ノイズの形で現れる周囲への悪影響を低減でき、モータ自体の逆回転などの誤作動を招く要因も少なくなる。
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、第1〜第3の発明のモータ駆動装置を備えたファンモータである。
第4の発明によれば、ファンモータの起動回転が遅れる又は起動方向が逆転してしまうという起動不良を防止でき起動特性を改善できる。
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、第4の発明のファンモータを備えた送風ファンである。
第5の発明によれば、送風ファンの起動回転が遅れる又は起動方向が逆転してしまうという起動不良を防止でき起動特性を改善できる。
上記課題を解決するためになされた第6の発明は、第5の発明の送風ファンを備えた電子機器である。
第6の発明によれば、電子機器内の送風ファンの起動回転が遅れる又は起動方向の逆転現象を防止することで、起動特性を改善でき、その結果電子機器本体の温度調整性能、排気性能、品質を向上できる。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図、図2は本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置を示す回路図、図3は、本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置におけるタイミングチャート、図4は、本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のモータ回転数と運転方式の関係を示すグラフである。
図1のブロック図において、3相モータコイル1を構成しているコイルLU,LV,LWはY結線されており、それぞれのコイルは駆動回路2のコイル電圧出力端子U,V,Wの出力端子が接続され、その3つのモータコイルの中性点が駆動回路のCOM端子に接続されている。駆動回路2には、起動発振のための起動発振ロジック21、モータコイル中性点電位とモータコイル逆起電圧を比較するコンパレータ22〜24、コンパレータ出力と起動発振ロジックを切り換えるセレクタ25、3相モータコイル出力論理を形成するコミュテーションロジック26、3相モータコイル電圧出力制御をするためのプリドライバ27とドライバ28のスイッチング素子が内蔵されている。これらの内部論理回路の駆動電圧は、駆動回路電源電圧Vccにより与えられている。また、駆動回路2には、駆動回路用電源端子Vccとモータコイルに通電するためのモータ電源端子VMがあり、通常VMには、大きな起動トルクを必要とするため駆動回路用電源電圧Vccより高い電圧が印加されている。起動回路発振用コンデンサ接続端子CSTには起動回路発振用コンデンサC1が接続され、その反対側の極性がGND電位となっている。また、駆動回路2の制御電圧入力端子DCINには、冷却機器や情報機器等の電子機器側からファンを回転、停止、或いは速度制御させるための指令信号すなわち制御電圧入力Vctlが全く独立して与えられる。さらにPWMソフトスイッチングタイミング制御部3がFG信号を受けて、スロープコンデンサ充放電制御抵抗R7を所定のタイミング、すなわち起動時の同期運転時から逆起検出運転に移行する間に切り換えを行うことのできる回路構成となっている。
なお、制御電圧入力端子DCINから入力された制御電圧入力Vctlはコンパレータ29により基準電圧と比較され、外部コンデンサC4の容量により決定される周波数で発振する発振器31の交流出力とコンパレータ30により比較され、パルス幅変調器32でPWM変調されてコミュテーションロジック26に入力される。PWMソフトスイッチングの期間は、外部抵抗R7,スロープコンデンサC5,C6で決定される位相制御回路34による位相に基づいて、スロープ回路33で生成される。パルス幅変調器32には、過大な電流がコイルや回路に流れないように、電流制限アンプ35で電流を制限している。抵抗R8はコイル電流を検知する電流検知抵抗、抵抗36,コンデンサC3は、電流検知抵抗R8に発生するノイズを吸収するフィルタである。
次に、本発明の実施の形態の駆動装置の回路動作について図2を用いて説明する。
3相モータコイル1と駆動回路2の構成については、図1と同様で、3相モータコイル1を構成しているコイルLU,LV,LWはY結線されており、それぞれのコイルは駆動回路2のコイル電圧出力端子U,V,Wの出力端子が接続され、その3つのモータコイルの中性点が駆動回路のCOM端子に接続されている。ファンモータにおいては、大きな起動トルクを必要とするため通常電子機器側よりモータコイル電圧VMとして、駆動回路電源電圧Vcc(4.5〜5.5V程度)より高めの5〜18V程度の電圧が供給されている。また、駆動回路2の内部論理回路の駆動電源は、モータコイル電圧VMをNPNバイポーラトランジスタQ1とツェナーダイオードZD1を用いて、NPNバイポーラトランジスタQ1のベースに接続されたツェナーダイオードZD1のツェナー電圧に応じた低電圧をエミッタ端子に出力する低電圧化回路により4.5〜5.5V程度の駆動回路電源電圧Vccを得ている。すなわち、モータ電圧VMが供給されるとほぼ同時に駆動回路電源電圧Vccが供給される。
次に、制御電圧入力端子DCINに、冷却機器や情報機器等の電子機器側からファンを回転、停止、或いは速度制御をさせるための指令信号すなわち制御電圧入力Vctlが与えられると、起動回路発振用コンデンサ接続端子CSTに接続された起動回路発振用コンデンサC1の容量に応じた周期で、U,V,W相のコイルに順次通電させるための同期信号が起動発振ロジック21により与えられ、強制的に3相のうちいずれか2相のコイルを所定の周期だけ順次通電させる起動発振が開始されることで、起動に必要な十分なトルクを得ることができる。一方、駆動回路2のFG端子には、U,V,W相のモータコイルごとの逆起電圧とモータコイルの中性点電圧つまりCOM端子電圧との比較をし、その三相分の信号を合成した信号が出力されている。従って、そのFG信号の周期は、起動直後には大きく、モータの回転速度が上昇するにつれ次第に小さくなり、定格回転運転に到達すると、その周期はほぼ一定となる。駆動回路2のFG端子から出力されるFG信号は、電子機器側に出力されると同時に、PWMソフトスイッチングタイミング制御部3にも供給される。このPWMソフトスイッチングタイミング制御部3は、抵抗R1とGND間に接続されたコンデンサC2とからなるCR回路と、そのCR回路を経たFG信号をその反転入力とし、比較電圧となる非反転入力電圧と比較するためのコンパレータIC1と、そのコンパレータIC1の出力をゲート入力としたNチャンネルFET1などの電子部品により構成されている。コンパレータIC1の反転入力電圧は、CR回路の充放電波形となりコンデンサC2の積分波形となる。
モータの起動直後においては、モータの回転数は小さくFG信号の周期は長いため、駆動回路電源電圧Vccと抵抗R2,R3により設定された比較電圧となる非反転入力電圧(V0)以下となり、その結果コンパレータIC1の出力端子は、オープンとなっているので、NチャンネルFET1のゲート入力には、電源電圧Vccと抵抗R3,R4,R5により設定されるゲート電圧入力が供給されるためNチャンネルFETのソース−ドレイン間は導通状態となりスロープコンデンサ充放電制御抵抗値すなわちRT接続抵抗値が抵抗R7と抵抗R6が並列抵抗が接続された定数となる。本実施の形態では、RT接続抵抗は、抵抗R7として47kΩと抵抗R6として15kΩの並列抵抗により約11kΩに設定されている。その後、モータの回転数が増大するにつれて次第にFG信号の周期は短くなり、電源電圧Vccと抵抗R2,R3により設定された比較電圧となる非反転入力電圧(V0)以上となり、その結果コンパレータIC1の出力端子は、GNDレベルとなるので、NチャンネルFET1のゲート入力も同時にGNDレベルとなる。従って、NチャンネルFETのソース−ドレイン間は非導通状態となりRT接続抵抗の抵抗値は、抵抗R7のみが接続された定数となる。本実施の形態では、RT接続抵抗値は、抵抗R7としての47kΩが設定されている。
一方、駆動回路2のCT1端子とGND間及びCT2端子とGND間にコンデンサC5,C6を設けることにより、CT1,CT2端子はFG端子電圧のタイミングで充電・放電を繰り返し互いに逆相の三角波を出力する。PWMソフトスイッチングは、そのCT1,CT2端子の充放電中における所定の電圧レベル範囲での時間でのみ動作し、駆動回路2のRT端子に接続される抵抗値により、CT1,CT2端子の充放電電流を設定できるため、そのPWMソフトスイッチングの動作時間がRT端子への接続抵抗値により任意に設定ができる。
本実施の形態の場合は、起動直後でRT接続抵抗値が11kΩの場合には、PWMソフトスイッチング動作を停止させ、逆起検出運転に移行し、RT接続抵抗値が47kΩの場合に切り換えられるとCT1,CT2端子の充放電中における所定の期間だけPWMソフトスイッチングが動作するように設定されている。また本実施の形態におけるPWMソフトスイッチング動作は、駆動回路2の中での制御により、コイル出力電圧を周波数20kHzでデューティ50%のパルスを出力してコイル電流を抑制するようにしている。
以上のように、FG信号を用いその出力をCR回路、コンパレータIC1、及びNチャンネルFET1などで構成されたPWMソフトスイッチタイミング制御部3を介することにより、RT抵抗の抵抗値を所定のタイミングで切り換える制御が可能となる。
以上のPWMソフトスイッチングを動作させるタイミングは、CR回路の定数やコンパレータIC1の比較電圧或いはRT接続抵抗の抵抗値などを適正に選択することにより、安定して逆起検出運転に移行できる所定のタイミングにてPWMソフトスイッチングの動作を行うことができる。つまり、モータ回転速度が上昇し、非通電相のコイルで検出すべき逆起電圧は、検出するのに十分に大きくなるので、その逆起検出時にPWMソフトスイッチングを動作させることにより、その後の逆起検出運転を安定して継続することができる。
以上の動作を図3のタイミングチャートを用いて説明する。
図3のタイミングチャートにおいて、(a)は制御電圧Vctl、(b)は駆動回路2のモータコイル端子電圧、(c)は駆動回路2のFG端子電圧、(d)はコンパレータIC1の反転入力電圧、(e)はRT接続抵抗の抵抗値、(f)はCT1,CT2端子電圧、(g)はPWMソフトスイッチング動作状態を示している。
電子機器側からモータ側に制御電圧入力Vctlが入力されると、モータの起動がT1より開始され、起動発振ロジック21により生成される同期信号に応じて、3相モータコイルのいずれか2相のコイルに所定の周期のモータ電圧が順次印加される同期運転が開始される。つまり、図3(b)のようにモータコイルに通電が開始された場合は、(LU,LV)→(LU,LW)→(LV,LW)→(LV,LU)→(LW,LU)→(LW,LV)の順序で、電気角60度毎に順次通電するコイルの組み合わせが変化していき、起動に必要な十分なトルクを与えることが可能となり、十分な起動が開始される。駆動回路2のFG端子には、図3(c)のように、U,V,W相のモータコイルごとの逆起電圧とモータコイルの中性点電圧つまりCOM端子電圧との比較をし、その三相分の信号を合成した信号が出力されているので、起動直後の同期運転から逆起検出運転に移行する間も、モータ回転数に同期したFG信号が出力される。つまり、モータの回転数が上昇するにつれて、FG信号の周期も小さくなる。同時に、図3(d),(e)のように、コンパレータIC1の反転入力電圧は、CR回路の充放電波形となりコンデンサC2の積分波形となっており、起動直後から、比較電圧となる非反転入力電圧(V0)以下である期間t1においては、RT接続抵抗は11kΩとなっているが、モータ回転数が上昇して非反転入力電圧(V0)より大きな電圧に到達した時点T2を経過した期間t2においては、RT接続抵抗は47kΩとなる。従って、図3(e)のRT抵抗値に対応して、CT1,CT2端子電圧は、図3(f)のように変化し、その結果、駆動回路2のPWMソフトスイッチング動作が、図3(g)のように、期間t1においては非動作状態となり、期間t2においては動作状態となる。
さらに、本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置のモータ回転数と運転方式の関係について図4のグラフを用いて説明する。
図4に示される区間Aは、モータが起動されたときを示しており、駆動回路2は同期運転によってモータを駆動し、このときのRT接続抵抗は、11kΩに設定されている。同図に示される区間Bは、モータが起動されPWMソフトスイッチングが動作するまでの期間を示しており、回転数がまだ低く非通電相のコイルで検出すべき逆起電圧は非常に小さな微弱な信号なためPWMソフトスイッチングを動作させない状態での逆起検出運転の期間である。同図に示される区間Cは、回転数も上昇し非通電相のコイルで検出すべき逆起電圧が、検出するのに十分大きくなり、所定のモータ回転数にてPWMソフトスイッチング制御部3により、RT接続抵抗の抵抗値を47kΩに切り換えてPWMソフトスイッチング運転に移行し定格運転に達した期間を示している。
本発明は、大きな起動トルクを要するファンモータを安定して駆動させるための駆動回路であり、冷蔵庫や冷凍庫などの冷却機器やパーソナルコンピュータなどの情報機器の排気用の送風ファンを駆動させるファンモータを駆動させる用途だけでなく、ハードディスクドライブやフロッピー(登録商標)ディスクドライブなどの各種のドライブにも利用可能である。
本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図 本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置の回路図 本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置におけるタイミングチャート 本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置のモータ回転数と運転方式の関係のグラフ 従来例の駆動回路のブロック図 従来例のモータの回転数と運転方式の関係のグラフ
符号の説明
1 3相モータコイル
2 駆動回路
3 PWMソフトスイッチングタイミング制御部
21 起動発振ロジック
22〜24 コンパレータ
25 セレクタ
26 コミュテーションロジック
27 プリドライバ
28 ドライバ
29,30 コンパレータ
31 発振器
32 パルス幅変調器
33 スロープ回路
34 位相制御回路
35 電流制限アンプ
36 抵抗

Claims (6)

  1. 3相モータコイルと、前記3相モータコイルの各相に、前記3相モータコイルの逆起電圧のゼロクロス点を基準にした位相でコイル電圧を供給する駆動回路と、前記コイル電圧をパルス幅変調ソフトスイッチング制御するためのスロープコンデンサおよびスロープコンデンサ充放電電流制御抵抗を有するパルス幅変調ソフトスイッチング制御部とを備え、起動直後の少なくともモータ同期運転時に、前記パルス幅変調ソフトスイッチング制御の動作を停止する手段を設けたことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記駆動回路より出力されるモータ回転数に同期した信号を用いて前記スロープコンデンサ充放電電流制御抵抗の抵抗値を制御する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記駆動回路の回転数出力信号を用いて前記スロープコンデンサ充放電電流制御抵抗の抵抗値を制御する手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のモータ駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のモータ駆動装置を備えたことを特徴とするファンモータ。
  5. 請求項4に記載のファンモータを備えたことを特徴とする送風ファン。
  6. 請求項5に記載の送風ファンを備えたことを特徴とする電子機器。
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