JP3125301U - 転写テープ - Google Patents

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Abstract


【課題】基材の縦方向に塗膜を単純に不連続的に塗布すると被転写体上の転写終了端に塗膜を存在させられない点、塗膜の面積と間隔を調整しても粘着力の高低により被転写体と転写具本体の間で転写終了時の塗膜が伸びることを一定的に抑制できない点を解消する。【解決手段】塗膜3を多角形形状の点状に形成して、基材3の幅方向に複数の列状で、かつ、ある塗膜3における該基材2の縦方向の先端部位が隣接する他の塗膜3における該基材2の縦方向の途中部位に位置させて、基材2上の単位面積あたり68〜82%の占有率となるように均一に塗布した。
【効果】塗膜の粘着力に左右されることなく、被転写体上の転写終了端に塗膜を存在させることができ、かつ転写終了時の塗膜が被転写体と転写具との間で伸びることが防止され、もともとの粘着力が低下することがない。
【選択図】 図1

Description

本考案は、転写具に用いられる両面粘着型の塗膜が基材上に塗布された転写テープに係り、転写の終了時に該塗膜が被転写体と転写具本体との間で伸びたりしないで必要な箇所で確実に切断でき、かつ被転写体上の所望の箇所で転写を終了させたときにその終了端に塗膜が存在し、また、塗膜の粘着力を維持できる技術に関する。
長尺帯状の基材上に塗布された各種の塗膜を被転写体に転写するために、塗膜を塗布した基材を巻装した送出軸と、被転写体へ転写した後の基材を巻き取る巻取軸と、送出軸と巻取軸との間の基材搬送経路上に設けられた転写部とを備えた転写具が知られている。
この種の転写具に用いられる塗膜には、両面に粘着力を有し、基材から紙などの被転写体に転写された後、被転写体に転写された塗膜上に該被転写体とは別の貼着体を貼着する両面粘着型のものがある。
上記塗膜は、上記したように粘着力としては強力さが要求される一方、使い勝手としては必要な場所で、被転写体上に転写された塗膜と、被転写体から離反させた転写具本体との間で塗膜がその粘着力により伸びて糸を引くような状態(以下、糸引きという)にならないことが要求される。
従来、糸引きを解消する構成とされた塗膜を有した転写テープについて、以下の特許文献1〜3が存在する。
実開昭59−24747号公報 特開2000−63769号公報 2001−192625号公報
特許文献1には、塗膜をブロック状に分けて基材上に塗布することが記載されている。特許文献2には、所定間隔の切離部を所定大きさの塗膜間に設けることが記載されている。特許文献3には、塗膜の大きさと間隔を規定することが記載されている。
確かに特許文献1〜3は、塗膜が単純に基材上の縦方向に不連続(予め区切られた状態)で塗布されているから、不連続部分で転写を終了すれば糸引きを回避できる。しかしながら、特許文献1〜3は、塗膜における基材の縦方向の途中で転写を終了させる場合、被転写体上の転写終了端に塗膜が存在しなかったり、転写終了端からはみ出て余分に塗膜が転写されてしまうことがあった。
上記の点を解消するためには、塗膜の不連続部分の間隔を短くしたり、塗膜の面積を小さくすれば、転写終了端で的確に塗膜を存在させることが可能かもしれないが、この場合、塗膜の間隔と面積を過剰に小さくすると転写時の押圧により塗膜同士が接触して繋がってしまい糸引きが生じる可能性が高くなり、また、塗膜の面積が小さく、塗膜の間隔が広いと粘着力が低下する。
そこで塗膜の面積と塗膜の間隔を規定する手法(特許文献3)が考えられる。しかし、特許文献3の規定を満たしたとしても次の不具合が生じる可能性がある。特許文献3は、例えば塗膜の面積と間隔の規定が共に規定の最大の限界値に近づくと、転写開始端又は転写終了端の被転写体又は基材に塗膜を適切に存在させることができなかったり、被転写体と基材上に大きい面積の塗膜が跨って糸引きが生じたりする可能性がある。
また、特許文献3は、例えば塗膜の面積と間隔の規定が共に最小の限界値に近づくと、上記の可能性は低減するものの、塗膜の粘着力の高低により効果が一定ではなくなるという可能性がある。
特許文献3において塗膜の面積と間隔の規定を共に最小の限界値に近づけた場合で、塗膜の粘着力が高くなると、塗膜の粘着性に起因して、基材上で転写時の塗膜同士の接触が生じて糸引きが生じやすくなり、これを回避しようとして、塗膜の粘着力を低くすれば、全体としての塗膜の粘着力を維持できない可能性がある。
本考案が解決しようとする問題点は、基材の縦方向に塗膜を単純に不連続的に塗布した場合は転写終了端に塗膜を存在させることができない点、また、塗膜の面積と間隔を規定しても糸引きの発生を回避することと、転写解始端や転写終了端に適切に塗膜を存在させることを達成できない可能性がある点、さらに、粘着力の高低により効果が一定とならない点、を解消することにある。
上記問題を解決するために、本考案の転写テープは、基材上の塗膜を多角形形状の点状に形成して、基材の幅方向に複数の列状で、かつ、ある塗膜における該基材の縦方向の先端部位が隣接する他の塗膜における該基材の縦方向の途中部位に位置するように、基材上の単位面積あたり68〜82%の占有率となるように均一に塗布したのである。
上記構成により本考案に係る転写テープは、単位面積あたりにおける塗膜の配列と占有率を規定すると共に形状を規定して均一的に基材上に塗膜を塗布しているから、被転写体上の転写終了端では任意の箇所で塗膜を糸引きを生じることなく転写できると共に、このときの基材上の(次回の)転写開始端では適正に塗膜を存在させることができる。
また、本考案の転写テープは、上記構成であるから当然に被転写体上の転写終了端をはみ出して余分に塗膜が転写されることが抑制され、かつ被転写体上の転写終了端近傍に確実に塗膜を転写した状態にすることができる。さらに、本考案の転写テープは、上記構成を満たせば、塗膜そのものの所定の粘着力を調整する必要がない。
また、本考案の転写テープにおいて、基材の幅方向両端にドライエッジ部を形成しておけば、転写テープの製造段階において、所定幅に基材を切断する際に、切断刃に塗膜が付着することが防止されるので、作業性が向上する。
本考案は、図1〜図9に示す以下の形態により実施可能である。すなわち、本考案の転写テープ1は、基材2上に塗膜3を多角形形状(図1及び2では菱形)の点状に形成し、基材2の幅方向に複数の列状で、かつ、ある塗膜3における該基材2の縦方向の先端部位が隣接する他の塗膜3における該基材2の縦方向の途中部位に位置させ、さらに、塗膜3を基材2の単位面積あたり68〜82%の占有率となるように均一に塗布している。
本考案は、従来のように塗膜3の面積や塗膜3同士の間隔を調整して糸引きのみを回避する構成ではなく、単位面積あたりの粘着力や塗膜3そのものの粘着力を調整したり低下させることなく、糸引きを回避することはもちろんのこと、被転写体P上における転写終了端である任意の切断部C(図3参照)近傍に的確に塗膜3を存在させると共に基材2上の転写開始端に適正に塗膜3を存在させることを目的としている。
このとき、塗膜3同士の近接による糸引きのみを回避するためならば、塗膜3間の基材2の縦方向の間隔を広くすれば、それだけ糸引きは生じにくいが、転写終了箇所が当該間隔の途中である場合、被転写体P上の転写終了端及び基材2上の転写開始端に塗膜3が存在しない可能性がある。
したがって、本考案の転写テープ1は、糸引きを回避するために塗膜3の粘着力が低下しては該塗膜3の意義がなくなるから、図2に示すように、多角形形状の点状の塗膜3を、基材2上の単位面積(図2中破線で示す塗膜3の塗布範囲)あたりにおける上記占有率で均一に塗布したのである。
上記占有率についての範囲限定理由は次の通りである。塗膜3が単位面積あたり68%より少ない場合は塗膜3の量が少なくて粘着力が低下し、一方、82%より多い場合は塗膜3が高密度なために塗膜3同士が繋がり、糸引きが発生する可能性がある。なお、最も好ましい占有率は70〜80%である。
また、本考案の転写テープ1のように、単位面積あたりにおいて、ある塗膜3における該基材2の縦方向の先端部位が隣接する他の塗膜3における該基材2の縦方向の途中部位に位置させるよう配列すれば、図3に示すように、切断部C近傍においては(黒塗潰の)塗膜3が基材3上に残るから、次回の転写開始端では適正に塗膜3を基材2上に存在させておくことができる。
仮に図3の黒塗潰の塗膜3が、被転写体P上又は基材3上にまばらに存在することになったとしても、被転写体P上又は基材3上には幾つかの黒塗潰の塗膜3が必ず存在するから、被転写体P上において切断部Cから塗膜3は極めて少なく、基材3上において切断部Cに残らない塗膜3もまた極めて少ない。さらには切断部Cからはみ出すこととなる塗膜3も少ない。
したがって、本考案の転写テープ1は、塗膜3の粘着力に左右されることなく糸引きを回避することはもちろん、これ以外に粘着力の維持、被転写体P上における切断部C近傍(転写終了端)及び基材2上の転写開始端に塗膜3を適正に存在させる、という目的を達成することができるのである。
塗膜3は、例えば、アクリル樹脂系、ロジン系、ゴム系、ビニルエーテル系、ポリイソブリレン系などの粘着剤による塗膜3を使用すればよい。特にアクリル樹脂系の水溶性又は水分散性の粘着剤が好ましい。また、アクリル樹脂系の水溶性又は水分散性の粘着剤にロジン系粘着付与剤などを配合してもよい。
また、塗膜3の形状としては、図1〜図3に示したような菱形だけでなく、例えば図4(b)(c)といった多角形とすれば、単位面積あたりに上記占有率を満たすように比較的高密度で塗膜3を塗布する点で無駄な間隔が生じない点で有利である。
塗膜3同士の間に無駄な間隔を生じる点を問題としなければ、塗膜3の形状は、例えば円状でもよいが、単位面積あたりの占有率が高くなるほど、塗膜3の形状が円形よりも多角形形状とした方が同一平面内のあらゆる方向に均一に配列させることができる点で有利となる。
また、塗膜3を、多角形形状の点状とした場合に、さらに、少なくとも図5に示すような(a)角を円弧状にした菱形、(b)角を円弧状にした四角形、(c)角を円弧状にした六角形(角を円弧状にした多角形)、のように角の部分を円弧状とすればよい。なお、例えば角を円弧状にした菱形形状とした塗膜3を基材2上に塗布した転写テープ1としては図8に示すようになる。
また、上記の他に、基材2の縦方向に極端に長い形状としないという規定を満たせば、転写終了時における被転写体P上における切断部C(転写終了端)に確実に塗膜3を位置させ、かつ糸引きを確実に回避することができる。
この理由は、次の通りである。本考案のように、基材2上に効率良く塗膜3を塗布しようとすると、どうしても塗膜3同士の間隔も小さくなる。塗膜3の形状が、図6(a)のように角を有する場合、角部分に転写時の応力が集中し、角を形成する二辺が交差する方向に局部的に面積を拡大するように潰れてしまう可能性がある。
そして、角部分が潰れてしまうと、図6(b)のように間隔を存した隣接する塗膜3の角部分同士が繋がってしまうこととなり、糸引きを生じることになるからである。特に、塗膜3の塗布厚が大きい場合には、塗膜3の転写時の潰れ代も大きく、間隔を存した隣接する塗膜3の角部分同士が繋がってしまうことに起因する糸引きが生じやすくなる。
これに対して、図6(c)のように塗膜3の角部分を円弧状(円形、楕円形)としている場合は、転写時の応力が外形輪郭部分に分散される。したがって、塗膜3が転写時に潰れるにしても、図6(d)のように塗膜3の全体面積を拡大するように、つまり塗膜3の外形輪郭全体が拡大するように潰れるので、間隔を存した隣接する塗膜3同士が繋がる可能性が低く、よって、これに起因する糸引きが生じにくくなる。
さらに、塗膜3は、面積を0.2〜7.0mm2 、好ましくは0.5〜4.0mm2 、最も好ましくは0.5〜2.0mm2 とし、厚みが1〜50μm、好ましくは5〜40μmとすればよい。
塗膜3の面積が0.2mm2 より小さい場合は被転写体Pや基材2への接触面積も小さく点状の塗膜3の1個あたりの粘着力低くなるから、結果的に転写後の全体の粘着力に乏しくなる。また、被転写体Pへの転写性が悪化する虞がある。さらに、塗膜3の1個あたりの基材2への密着性不足によるブロッキング(巻装状態の基材2の背面に塗膜3が貼着する現象)の問題が生じる虞がある。
また、一方、面積が6.0mm2 より大きい場合は後述するように任意の切断部Cにおいて転写を終了させた際に、塗膜3が被転写体Pと基材2とに跨って残る可能性があり糸引きを生じる可能性がある。
したがって、塗膜3は0.2〜6.0mm2 の面積とすることが望ましい。さらに、塗膜3の単位面積あたりの塗布個数は、塗膜3が上記した条件である場合、該塗膜3の塗布範囲幅(例えばドライエッジ部2Aの無い基材2の幅8.4mm)×10mmの範囲に、塗膜3の面積の90%以上が塗布されているものを数えて12〜125個存在することが望ましい。
この理由は、次の通りである。後述するように基材2上における塗膜3の占有率のみの規定であって、単位面積あたりの塗膜3の個数が12個より少ないと、同占有率を満たすために1個あたりの塗膜3の面積を大きくすることとなる。この結果、糸引きが発生したり、転写終了端から不要な塗膜3がはみ出したり、転写終了端に塗膜3が存在しなかったりする可能性がある。
一方、基材2上における塗膜3の占有率のみの規定であって、単位面積あたりの塗膜3の個数が125個より多いと、同占有率を満たすために1個あたりの塗膜3の面積を小さくすることとなる。この結果、被転写体への確実な転写が困難となる、あるいはブロッキングの可能性がある。
また、塗膜3の個数が125個より多いと、多角形形状の点状の塗膜3の1つあたりの粘着力が小さくなって、全体として単位面積あたりの粘着力が不足する可能性がある。したがって、塗膜3の面積を規定する場合に単位面積あたりの個数を規定するのである。
さらに、塗膜3の寸法について言及すると、図7に示すように、塗膜3の寸法は、a:基材2の縦方向の最大長さ、b:基材2の幅方向の最大長さ、としたときに、比率a/bが0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.3を満たせばよい。
a/bが1.5より大きいと、塗膜3における基材2の縦方向の最大長さが大きいことを意味するから、糸引きが発生し、それに起因して、被転写体P上の転写終了端における塗膜3の転写状況がばらつく可能性がある。
一方、a/bが0.5より小さいと、塗膜3における基材2の幅方向の最大長さが大きいことを意味するから、後述するドライエッジ部2Aを有しない場合は、基材2上に塗膜3が塗布された転写テープ1の原反を切断刃によって切断する際に、該切断刃に塗膜3が付着して基材2上から取り除かれてしまう可能性がある。つまり、基材2の幅方向両端部の塗膜3が図7に示すように正しく設けられていない可能性があり、粘着力不足が生じる虞がある。
基材3は、各種紙類や、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類などのプラスチックフィルムを用いればよい。厚みは4〜60μm程度が好ましく、片面又は両面にシリコンなどによる離型層を設けてもよい。
そして、上記した条件を満たした塗膜3は、基材2の幅方向に対して塗膜3を複数列配置するが、図1(b)に示す基材2を側面視したときに該基材2の縦方向に塗膜3同士の隙間が存在しないように配置する。つまり、ある塗膜3における該基材2の縦方向の先端部位が隣接する他の塗膜3における該基材2の縦方向の途中部位に位置させるのである。
こうすることで、図3(a)に示すように、被転写体Pに塗膜3を転写した後、任意の切断部Cで塗膜3の転写を終了させたときには、図3(a)(b)に示すように、基材2に残る塗膜3(黒塗潰)も存在するが、被転写体Pに転写された塗膜3の後端部は、図3(c)に示すように、切断部Cの近傍に塗膜3が存在することになる。
したがって、本考案の転写テープ1は、任意の切断部Cで転写を終了させても、例えば塗膜3が被転写体Pと基材2との間に跨って存在して糸を引く状態になったり、かつ糸引きを回避するために塗膜3間の間隔を広くすることで被転写体Pの切断部Cに塗膜3が存在しない状態にはならない。
さらに、本考案の転写テープ1は、図9(a)に示すように、基材2の幅方向の両端部にドライエッジ部2Aを設けてもよい。ドライエッジとは、基材2上の幅方向の両端において塗膜3が存在しない部位を意味する。ちなみに、ドライエッジ部2Aが設けられていない転写テープ1は、図1〜図3、及び図8に示したように塗膜3が基材2の幅方向端縁部まで存在している。
図9(a)に示すドライエッジ部2Aの幅(A,B)は、点状とされた塗膜3の幅よりも狭くすることが望ましい。この理由は、転写テープ1としての基材2の幅方向における有効粘着面において、塗膜3が存在しない面積が過剰に広いと、前記有効粘着面での粘着力が低下するからである。よって、ドライエッジ部2Aは、点状とされた塗膜3の幅よりも狭く、つまり必要最低限の幅であればよいのである。
ドライエッジ部2Aが設けられた転写テープ1は、塗膜3の材料を装填するセルが刻設された図9(b)に示すグラビアロールGにより塗膜3を幅方向に一体とされた基材2上に塗布し、その後、幅方向に一体とされた状態の転写テープ1の原反を、幅方向において塗膜3が存在しない部位(A+B)の幅中央で切断刃を用いて切断して製造する。
つまりドライエッジ部2Aを設けた転写テープ1は、ドライエッジ部2Aとなるべき部位に前記セルが刻設されていないグラビアロールGを用いて塗膜3を塗布し、ドライエッジ部2Aを設けていない転写テープ1は、周面全域に前記セルが刻設されたグラビアロールGを用いて塗膜3を塗布するということである。
このとき、ドライエッジ部2Aを設けていない場合、本発明の基材2上に粘着剤を点状に設けた塗膜3は、基材2上に均一な層として塗膜3を設けている場合に較べて、基材2との接触面積が小さいため、基材2との密着が小さい。よって塗膜3が切断刃と接触すると塗膜3ごと切断刃に付着する虞がある。
ドライエッジ部2Aを設けている場合、基材2上に塗膜3が点状に塗布された転写テープ1の原反を切断する際、ドライエッジ部2Aを形成した基材2だけを切断することになるから、塗膜3が切断刃に付着することがなく、製造作業性が向上する。さらに製品としては、基材2の幅方向両端に設けた塗膜3が切断刃に付着して取り除かれるということがないから、点状の配列が乱れることが防止され、粘着力が安定する。
以下、本考案に係る転写テープの効果を確認するために行った実験について説明する。
(実験1)
以下の表1に示す実験1は、次のようにして行った。実験1として、下記の条件の転写テープを、2cm使用して転写を終了させることを10回繰り返して、1)糸引きの発生、2)粘着力、について評価した。
「糸引きの発生」については、各々の転写テープについて2cm使用して転写を終了させることを10回繰り返したときの各回で糸引きが発生したか否かを、「粘着力」については、前記各回で被転写体上に転写された塗膜上に貼着体(紙)を貼着し、該貼着体を剥がしたときに貼着体が破れるか否かを調べた。なお、「粘着力」の評価は、貼着体を剥がしたとき、該貼着体が塗膜の転写領域を残して破れることで粘着力の維持力と安定性を調べるためのものである。
転写テープ(以下、本考案を実施例、その他を比較例と記す)は、図9(b)のグラビアロールを用いて塗布し、塗膜のない箇所を切断することにより得られた、図9(a)のようなドライエッジ部を設けた転写テープである。
実施例と比較例の転写テープは、基材の幅が8.4mm(一般的な転写具に用いられる基材幅)、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方面に、下記組成の塗膜を、塗布厚みを20μm、25μm、30μmに異ならせて塗布し、合計三種類の粘着力の異なるものを用意した。これらのうち25μmの厚みのものを基準の粘着力とし、30μmのものを粘着力の強い塗膜とし、20μmのものを粘着力の弱い塗膜とした。
エマルジョン型アクリル系粘着剤 37.0重量部(固形分換算重量部)
ロジン系粘着付与剤 4.5重量部
ブタロシアンブルー着色剤 0.1重量部
はじき防止剤 2.4重量部
水 56.0重量部
合計 100.0重量部
実施例と比較例の塗膜の形状については、実施例及び比較例共に角を円弧状にした菱形とした。そして実施例と比較例において、塗膜を基材の幅方向に複数の列状で、かつ、ある塗膜における該基材の縦方向の先端部位が隣接する他の塗膜における該基材の縦方向の途中部位に位置させて、基材上に塗膜の面積と占有率を各条件で異ならせて塗布した。なお、実施例と比較例とにおける図7に示したa/bの比率は共に1.0で同じとした。
これら実施例1〜5と比較例1〜4の条件において、上記3種類の粘着力の塗膜を適用した。その結果は、以下の表1の通りである。なお、各実験における評価方法は次の通りである。
「糸引き状況」での○は糸引きが生じなかったことを、△は実用上は問題がない程度で若干糸引きが生じたことを、×は糸引きが生じたことを示す。「粘着力」での○は全回とも貼着体の全面が破れたことを、△〜○は1回、貼着体の70〜100%未満破れた(残り9回は全面が破れた)ことを、△は2回、貼着体の70〜100%未満破れた(残り8回は全面が破れた)ことを、×は3回以上、又は貼着体の70%より少ない面積で貼着体が破れたことを、示す。
Figure 0003125301
上記のように、本考案(実施例1〜5)は、占有率が68〜82%内であるときは粘着力の調整により実験結果が変わることなく、転写終了端には確実に塗膜を存在させることができてなおかつ糸引き、粘着力とも良好であった。特に占有率が70〜80%であるとき糸引きが生じることなく転写を終了させることができ、また、粘着力も低下することがなかった。
一方、比較例1〜4は、占有率が条件範囲の下限又は上限を超えたので、粘着力の調整によって糸引き状況、粘着力にばらつきが見られた。すなわち、例え塗膜の面積を小さくした比較例1,2において、占有率が下限を超えたときは、塗布厚が標準あるいは薄い(粘着力が基本あるいは低い)態様は粘着力が不足した。
また、塗膜の面積を小さくした比較例1,2において、占有率が上限を超えたときは、密度が高いことにより塗膜同士が転写時に密着して、糸引きを生じた。
また、塗膜の面積を大きくした比較例3,4において、占有率が下限を超えたときは、塗布厚が薄い(粘着力が低い)態様は粘着力が不足した。
また、塗膜の面積を大きくした比較例3,4において、占有率が上限を超えたときは、密度が高いことにより塗膜同士が転写時に密着して、糸引きを生じることがあった。
以上のことから、本考案の転写テープのように、塗膜の占有率を規定することで、粘着力の強度に左右されずに一定の効果を得ることができるということが判明した。
(実験2)
実験2は、ドライエッジ部の有無による製造作業性について、切断刃の清掃の頻度及び粘着力を評価した。この実験2では、上記実験1で用いた粘着力の低い塗膜を用いた実施例1の態様(実施例A)と、同塗膜を用いた図1〜図3に示したドライエッジ部を設けていない転写テープの態様(比較例a)と、において、切断刃の清掃頻度及び粘着力を比較した。
結果は、ドライエッジ部を設けなかった比較例aは、切断刃を1回の切断作業毎に付着した塗膜を清掃する必要が生じたのに対し、実施例Aは、塗膜が付着しないので、数回の切断作業毎に清掃すれば良かった。このことから、転写テープとしてはドライエッジ部を設けた方が切断刃の清掃の頻度を少なくできるから、効率よく製造ができることが判明した。
さらに、比較例aの粘着力は、実験1における粘着力の評価においては△のレベルになった。これは、切断刃に接触した塗膜が塗膜ごと切断刃に付着してしまった箇所が、転写テープの長さ方向で所々存在していたことが原因と思われる。
(実験3)
以下の表2に示す実験3は、実験1の実施例2の粘着力が基本で、ドライエッジを有しない態様の転写テープにおいて、塗膜の、a:基材の縦方向の最大長さ、b:基材の幅方向の最大長さ、の寸法比率a/bを異ならせた各転写テープを用意し、各々の転写テープについて実験1同様の操作を行うと共に同様の「糸引きの発生」と「粘着力」を同様の基準で評価した。
Figure 0003125301
表2から、a/bが0.5〜1.5であれば、粘着力、糸引き発生状況が共に実用上問題のない評価であったが、a/bが0.5より低い0.3のときは塗膜が基材の幅方向に長い形状、つまり貼着体を基材の縦方向に剥がす方向には面積が小さい傾向にあるため、貼着体が破れずに剥がれてしまうといったような現象、すなわち粘着力不足が生じ、a/bが1.5より高い1.8のときは塗膜が基材の縦方向に長い形状になる傾向にあるため、被転写体と基材との間で塗膜が跨って糸引きが生じることがあった。そして、a/bが0.7〜1.3であれば、粘着力、糸引き発生状況が特に好ましかった。
(実験4)
以下の表3に示す実験4は、実験1の実施例3の、粘着力が基本、高、低の各々で、ドライエッジを有しない態様の転写テープにおいて、塗膜の形状が角が円弧状とされた菱形、角を有する菱形、とされた各転写テープを用意し、各々の転写テープについて実験1同様の操作を行うと共に同様の「糸引きの発生」を同様の基準で評価した。
Figure 0003125301
表3から、塗膜の粘着力を高くすると、角を有する菱形形状の塗膜は、転写時に塗膜が潰れた際の応力が角に集中して、隣接する塗膜同士で繋がって糸引きが生じることがあったが、角を円弧状にした塗膜は、応力が分散されて塗膜の全体輪郭が拡大するように潰れるので糸引きが生じることがなかった。
(実験5)
実験5は、実験1の粘着力が基本で、ドライエッジを有しない態様の転写テープにおいて、占有率を71%に固定して、前記占有率となるように塗膜の面積を調整しつつ単位面積あたりの塗膜の個数を変化させた転写テープについて、実験1同様の操作を行うと共に同様の「糸引きの発生」と「粘着力」を同様の基準で評価した。
Figure 0003125301
表4から、占有率を固定した場合、塗膜の単位面積あたりの個数を125より増やすと塗膜1個あたりの粘着力が小さくなるので、結果的に単位面積全体の粘着力不足が生じることとなった。一方、占有率を固定した場合、塗膜の単位面積あたりの個数を12より減らすと塗膜1個あたりの面積が大きくなるので、塗膜が基材と被転写体に跨って糸引きが生じることがあった。
本考案の転写テープを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、である。 本考案の転写テープにおける占有率を説明するための図である。 本考案の転写テープの使用状況を示し、(a)は転写テープ自体の正面図、(b)は転写具と被転写体との関係を示す側面図、(c)は被転写体の正面図、である。 (a)〜(c)は、本考案の転写テープにおける塗膜の多角形形状の具体例を示す図である。 (a)〜(c)は、本考案の転写テープにおける塗膜の角を円弧状にした多角形形状の具体例を示す図である。 塗膜の転写時の変形状況を示し、(a)は角を有する塗膜形状の転写前の状態を、(b)は角を有する塗膜形状の転写時の状態を、(c)は角を円弧状にした塗膜形状の転写前の状態を、(d)は角を円弧状にした塗膜形状の転写時の状態を、各々示す図である。 本考案の転写テープにおける塗膜の寸法比率を説明するための図である。 本考案の転写テープにおいて角を円弧状にした多角形形状の塗膜を採用した場合であってドライエッジ部を有しない状態の塗膜の塗布状況を示す図である。 本考案のドライエッジ部を有した転写テープを示し、(a)は正面図、(b)は製造工程で用いるグラビアロールを示す図、である。
符号の説明
1 転写テープ
2 基材
2A ドライエッジ部
3 塗膜

Claims (5)

  1. 塗膜を塗布した基材を巻装した送出軸と、被転写体へ転写した後の基材を巻き取る巻取軸と、送出軸と巻取軸との間の基材搬送経路上に設けられた転写部とを備えた転写具に用いられる転写テープであって、前記塗膜を多角形形状の点状に形成して、前記基材の幅方向に複数の列状で、かつ、ある塗膜における該基材の縦方向の先端部位が隣接する他の塗膜における該基材の縦方向の途中部位に位置させて、前記基材上の単位面積あたり68〜82%の占有率となるように均一に塗布したことを特徴とする転写テープ。
  2. 塗膜の多角形形状の角を円弧状としたことを特徴とする請求項1記載の転写テープ。
  3. 塗膜の、a:基材の縦方向の最大長さ、b:基材の幅方向の最大長さ、に基づいて、該塗膜の寸法比率a/bが0.5〜1.5であることを特徴とする請求項1又は2記載の転写テープ。
  4. 基材の幅方向における塗膜の塗布範囲長さ×10mmの単位面積あたりの塗膜の個数が12〜125個であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転写テープ。
  5. 基材の幅方向両端に、ドライエッジ部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転写テープ。
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