JP5962216B2 - 配送伝票 - Google Patents

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Description

本発明は、配送伝票に関し、さらに詳しくは、配送伝票の配達票などの剥離可能な剥離片でも製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中でも捲れや脱落が生じ難く、また製造から運用における環境の変化でも捲れや脱落が生じ難い配送伝票に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。
(背景技術)従来、配送伝票は、少なくとも配達票と貼付票とで構成され、配達票は剥離可能に、貼付票は強接着状態で、基材又はラベル用紙に接着層を介して積層されている。しかしながら、配送伝票の配達票などの剥離可能な剥離片は、製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化によって捲れや脱落が生じる恐れがある。
(従来技術)従来、裏面が貼着面となった貼着シートの表面に、表面に配送情報印字部を有する印字シートを接着剤で接着してなる配送票を、印字時の移送方向に複数連接してなる印字用配送票であって、前記貼着シートと前記印字シートの接着面の少なくとも一方の所定部分には、この接着面の周縁の少なくとも移送方向に直交する二辺に沿って間隔をおいて存する複数の非設置部分を形成した接着剤遮蔽層を設けて前記接着面を剥離可能となすとともに、移送方向に隣接する各配送票において互いの連接辺に沿って設けた接着剤遮蔽層の非設置部分同士を、移送方向と直交する方向に相対的にずらして形成した印字用配送票(請求項1)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、表面に配送情報記入部を有する貼付票と、同じく表面に配送情報記入部を有する配達票兼受領票と、同じく表面に配送品名記入部を有する配送品名記入票とを、貼着シートの表面に接着剤で接着する一方、前記貼着シートの裏面には粘着剤を塗布するとともに剥離紙で被覆し、前記配達票兼受領票は前記貼着シートの対応部分に対して剥離可能に構成し、前記配送品名記入票は前記貼着シート及び剥離紙の対応部分とともに分離可能に構成し(請求項1)、貼着シートに対する配達票兼受領票及び配送品名記入票の剥離可能な構成は、接着面の少なくとも一方に接着剤遮蔽層を設けてなる(請求項3)配送票が知られている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、少なくとも2枚の基材を備え、基材間の一部領域に剥離層を介在させて両基材を接着剤で貼り合わせてなる部分的に剥離可能な部分を有する貼り合わせシートにおいて、前記剥離可能な部分の剥離する際の終端側となる最外側の少なくとも一部に狭幅の剥離層のない部分を設け、その剥離層のない部分で接着剤が基材面に直接接するようにした貼り合わせシート(請求項1)が知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献1〜3では、剥離可能な剥離片の剥離開始部は剥離力が低いので、製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化によって捲れや脱落が生じる恐れがある。さらにまた、所定方向に延長する辺を具備するスリットに囲まれることによって分離可能となる分離領域が区画形成された第1のシートと、該第1のシートに貼着された第2のシートとを有し、前記所定方向と直交する方向に引張力が加わる分離シートにおいて、前記スリットは、前記所定方向に延長する辺に当該スリットが途切れる途切れ部を有し、前記所定方向に延長する辺のうち、前記分離領域を分離する際の分離開始部を含まない辺に設けられた前記途切れ部によって途切れる部分の2つの端部のうち前記分離開始部側の端部が前記分離領域側に向き、かつ、前記分離開始部を含む辺に設けられた前記途切れ部によって途切れる部分の2つの端部のうち前記分離開始部側ではない方の端部が前記分離領域側に向いている形状である分離シート(請求項1)が知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、特許文献4では、途切部と斜め端部によって、分離方向を変えることなく分離領域を容易に分離することができるが、分離可能な分離領域の全面が同一な剥離力(剥離できる接着力)であり、高速度での製造、及びプリンタ印字によって捲れや脱落が生じる恐れがある。また、特に製造から運用における環境の変化による点では、耐久性が少なく、捲れや脱落が生じる恐れがあるという欠点がある。さらに、特許文献4とは、分離領域の全面が同一な剥離力であり、分離領域の各部分に接着力の差を設ける点で異なり、分離領域に接着力の差を設けることについては記載も示唆もされていない。
特開特開平8−282152号公報 特開平8−300853号公報 特開2003−48269号公報 特開2007−290281号公報
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、配達票などの剥離可能な剥離片でも、製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化でも捲れや脱落が生じ難い配送伝票を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる配送伝票は、プリンタで印字できる少なくとも配達票101と貼付票103とが連設され、前記配達票101の部分は剥離可能な状態で、かつ、前記貼付票103の部分は強接着状態で、基材21へ接着層31を介して積層された配送伝票10であって、前記配達票101と前記貼付票103との間に設けられたハーフカット部41を境界にして前記配達票101の剥離開始端部71から剥離して前記配達票101を分離でき、かつ、前記剥離開始端部71から剥離して前記配達票101を分離する際に、前記配達票101の外周の前記剥離開始端部71を含む少なくとも2辺の剥離開始領域301の接着力をニとし、前記剥離開始領域301に平行して隣接する前記剥離開始領域の隣接領域303の接着力をロとし、剥離が終わって前記配達票101が分離する剥離終端領域307の接着力をイとし、前記剥離開始領域301、前記剥離開始領域の隣接領域303、及び前記剥離終端領域307を除く剥離中間領域305の接着力をハとしたときに、ニ<ハ<ロ≦イの接着力の関係であることを特徴とする配送伝票である。
請求項1の本発明によれば、配送伝票の配達票などの剥離可能な剥離片でも、製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化でも捲れや脱落が生じ難い効果を奏する。
本発明の1実施例を示す配送伝票の平面図である。 本発明の1実施例を示す配送伝票の領域毎の接着力の差を説明する平面図及びYY’断面図である。 本発明の1実施例を示す配送伝票の領域毎に接着力差を設ける方法を説明する図2のYY’断面図の詳細な断面図である。 従来の配送伝票の接着力を説明する平面図及びZZ’断面図である。 アンカット、斜めカットを説明するハーフカット部の拡大図である。 図5のアンカット、小ハーフカット、斜めカットの1組を説明する説明図である。 図5のアンカット、小ハーフカット、斜めカットの他の1組を説明する説明図である。 図6のアンカット、小ハーフカット、斜めカットの他の1組を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(配送伝票)本発明の配送伝票10は、図1に示すように、プリンタで印字できる少なくとも配達票101と貼付票103とが連設され、配達票101の部分は剥離可能な状態で、かつ、貼付票103の部分は強接着状態で、基材21へ接着層31を介して積層されている。かつ、配達票101と前記貼付票103との間に設けられたハーフカット部41を境界にして配達票101の剥離開始端部71から剥離して記配達票101を分離できる。かつまた、剥離開始端部71から剥離して配達票101を分離する際に、配達票101の外周の剥離開始端部71を含む少なくとも2辺の剥離開始領域301の接着力をニとし、剥離開始領域301に平行して隣接する剥離開始領域の隣接領域303の接着力をロとし、剥離が終わって配達票101が分離する剥離終端領域307の接着力をイとし、剥離開始領域301、剥離開始領域の隣接領域303、及び剥離終端領域307を除く剥離中間領域305の接着力をハとしたときに、ニ<ハ<ロ≦イの接着力の関係とする。なお、剥離開始領域301などの領域は、図面では作図の都合で大きめに図示しているが、剥離中間領域305を除いては極狭い幅の領域である。
配送伝票10は、図1に示すように連続伝票でもよいが、1面の単一伝票であってもよく、また、図1の配送伝票10が左右に複数面が連設されていてもよい。また、図1の左側のように少なくとも片側のリブ部107付きでも、リブ部107がなしでも、貼付票103及び配達票101のいずれかの周囲がカス取りされたアイランド型などでもよい。要は、配達票101と貼付票103とが連設されていれば、特に限定されるものではないが、配達票101と貼付票103との連設はプリンタ搬送方向に連設されていることが好ましい。また、プリンタへの搬送方向は、配達票101側からでも、貼付票103側からでもよいが、接着力のより強い配達票101側からプリンタへ搬送する方が好ましい。
(ハーフカット部)ハーフカット部41とは伝票用紙11のみが切断され、基材21が単独の場合には基材21が切断されておらず、また、図2に示すように、通常粘着層33及び剥離紙25が積層されたラベル用紙20を用いている場合にはラベル用紙20を構成する基材21/粘着層33/剥離紙25部分が切断されていない。
剥離力が最も弱い剥離開始領域301ではあるが、隣接する隣接領域303の接着力は強く、かつ、剥離終端領域307の接着力も強いので、その効果で製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化でも捲れたり、破れたり、脱落したりが防止でき、製造、プリンタでの印字などが高効率で作業できる。しかも、配達票101を剥離開始端部71から剥離して分離する際には、ハーフカット部41線からカットされ、剥離力の最も弱い剥離開始領域301がきっかけとなって、剥離開始領域301の隣接領域303、剥離中間領域305、剥離終端領域307の順に剥離が進行するので容易に分離されるのである。
また、図5に示すように、ハーフカット部41は、複数のアンカット61と複数の小ハーフカット65と小ハーフカット65の剥離開始端部71側を起点とし該剥離開始端部71側に傾く斜めカット63とからなる。なお、アンカットとは隣り合う小ハーフカット65との間にあり、伝票用紙11が連続する部分であり、「アンカット、小ハーフカット、斜めカット」についての詳細は次項で説明する。ハーフカット部41の形状は、所謂ジッパーミシンの片側の形状であり、配達票101を剥離開始端部71から剥離し分離する際に、引き裂く方向に「く」の字状になるように、小ハーフカット65の端部、又は小ハーフカット65のアンカット61近傍に斜めカット63が設け、該斜めカット63の先端はアンカット61方向に向ける。なお、剥離開始端部71と反対の端部の小ハーフカット65にはアンカット61のみで、斜めカット63を設けなくてもよい。また、アンカット61のみの部分はハーフカット部41の全長の1/3以下程度であればよい。
(アンカット、小ハーフカット、斜めカットの1組の例)図6に示すように、斜めカット63と小ハーフカット65とのなす角度をθとし、アンカット61の距離をaとし、斜めカット63の剥離開始端部71側の端部と小ハーフカット65との距離をbとしたときに、θ=30°〜45°、a=0.8mm以上、及びb=0.8mm以上とする。なお、θ=30°〜45°の範囲であるが、鋭角ほど好ましい。また、a=0.8mm以上及びb=0.8mm以上であればよいが、a=0.8〜4mm程度及びb=0.8〜4mm程度であるが、距離が長いと外観が悪くなるので短い方が好ましい。
また、図7に示すように、斜めカット63と小ハーフカット65とのなす角度をθとし、アンカット61の距離をaとし、斜めカット63の剥離開始端部71側の端部と前記小ハーフカット65との距離をbとし、斜めカット63と小ハーフカット65との交点81と隣接するアンカット61の端部との距離をcとしたときに、θ=30°〜45°、a=0.2mm以上、b=0.8mm以上、及びc=0.3mm以上としてもよい。なお、θ=30°〜45°の範囲であるが、鋭角ほど好ましい。また、a=0.2〜1mm程度、b=0.8〜4mm程度、及びc=0.3〜1.5mm程度であるが、距離が長いと外観が悪くなるので短い方が好ましい。
さらに、図8に示すように、斜めカット63と小ハーフカット65とのなす角度をθとし、アンカット61の距離をaとし、斜めカット63と小ハーフカット65との交点81と隣接する前記アンカット61の端部との距離をcとし、斜めカット63の剥離開始端部71側と反対側の端部と小ハーフカット65との距離をdとしたときに、θ=30°〜45°、a=0.2mm以上、c=0.3mm以上、及びd=0.8mm以上としてもよい。なお、θ=30°〜45°の範囲であるが、鋭角ほど好ましい。また、a=0.2〜1mm程度、c=0.3〜1.5mm程度であるが、距離が長いと外観が悪くなるので短い方が好ましい。この場合のbには制限はないが外観の点で0.4〜2mm程度であるが、距離が長いと外観が悪くなるので短い方が好ましい。また、dは強接着部分に達しているので0.8〜4mm程度であるが、特に限定されるものではない。
アンカット61、小ハーフカット65、及び斜めカット63の角度や距離を上記のようにすることで、配達票101を剥離開始端部71から剥離して分離する際に、小ハーフカット65、アンカット61、斜めカット63の順にカットされて行く。即ち、片側ジッパー状のハーフカット部41とすることで、従来の剥がし方や使用環境によって配達票101が捲れたり、破れたり、脱落したりすることが防止できる。よって、本発明の配送伝票10の配達票などの剥離可能な剥離片である配達票101でも、製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化でも捲れたり、破れたり、脱落したりが防止でき、製造、プリンタでの印字、保管や輸送などでも高効率である。
ハーフカット部41を設け、配達票101の領域によって接着力に差を設けても、異常な剥がし方や予期しない使用環境によっては配達票101が捲れたり、破れたり、脱落したりするおそれがあるので、配達票101の接着力によっては破れる恐れもあるので、ハーフカット部41に、斜めカット63、アンカット61、及び小ハーフカット65を設けてもよい。
(接着力差)領域によって接着力に差をつける方法について説明する。配送伝票10は、図3に示すように、プリンタで印字できる少なくとも配達票101と貼付票103とが連設された伝票用紙11が、配達票101の部分は剥離可能な状態で、かつ、貼付票103の部分は強接着状態で、基材21、粘着層33及び剥離紙25からなるラベル用紙20の基材21の面に接着層31を介して積層され、伝票用紙11の裏面側には剥離層13が、基材21の表面側には目止め層23が設けられている。
この剥離層13、接着層31、及び目止め層23の組合せによって、領域による接着力の差を設けることができる。剥離層13の面積、又はインキ量を多く印刷すると、接着力が弱くなる。目止め層23を設けると接着力が強くなり、設けないと接着力が弱くなる。但し、接着層31として感圧接着剤を用いた圧着方式の場合には、上記とは逆に作用し、目止め層を設けると接着力が弱くなり、設けないと接着力が強くなる。接着層31を形成する接着剤として接着力の強弱が異なる複数の接着剤などを使い分けたり、接着層31の塗布形状を全面のベタ状塗布や、ドット状の面積や密度の異なるドットパターンとすることで接着力を制御することができる。このように、剥離層13、接着層31、及び目止め層23の組合せによって、領域による接着力の差を設ける。接着力がニ<ハ<ロ≦イの接着力の関係となればよく、接着力の絶対値としては特に限定されるものではない。
(従来)従来の配送伝票10は図4に示すように、全面剥離領域309は領域内の接着力に差はなく、全体的に弱いので、配送伝票10の配達票101などの剥離可能な剥離片は、製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化でも捲れや脱落が生じ易い。このために、製造工程やプリンタでの印字作業での効率が低下する。
(剥離開始領域)剥離開始領域301は、配達票101の外周の剥離開始端部71を含む少なくとも2辺の剥離開始領域301の接着力で、、該接着力をニとする。図3では外周の剥離開始端部71を含む3辺の剥離開始領域301の例を示している。剥離開始領域301は最も接着力を低く設定する。なお、剥離開始領域301は、ハーフカット部41部分をすべて含むようにを設け、また、ハーフカット部41部分に斜めカット63、アンカット61及び小ハーフカット65とを設けた場合にはこれらのすべて含むようにを設ける。
(剥離終端領域)剥離終端領域307は、剥離が終わって配達票101が最後に分離する領域の接着力で、該接着力をイとする。図3のように、剥離終端領域307の全面、又は部分的に接着力の強い部分を設ける。また、剥離終端領域307は配達票101の貼付票103側にずらして設けてもよく、このずらしの幅としては0mmより大きく、1mm程度以下、好ましくは0.8mm以下が好ましい。かつ、剥離開始領域301、剥離中間領域305の接着力より強く、剥離開始領域の隣接領域303の接着力と同じかそれ以上にして、ニ<ハ<ロ≦イの接着力の関係となるようにする。
剥離終端領域307の接着力は、通常剥離層13を剥離終端領域307の部分だけ未塗工部を設けたり、又は部分的に未塗工部を設けたらりすることで、接着力を強くする。しかしながら、剥離終端領域307の接着力が強過ぎると、配達票101を剥離する際に配達票101が破れたり、紙剥けが生じたりするので、剥離終端領域307の幅としては0mmより大きく、1mm程度以下、好ましくは0.8mm以下が好ましい。例えば、前記未塗工部を直径0.3mmのドット状としたり、幅が0.5mmで長さが5mmの矩形を6mmピッチで設けたり、した場合には、プリンタで印字の際も配達票101の捲れもなく良好で、しかも、配達票101を容易に分離することができる。また、幅が0.8mmで長さが5mmの矩形を6mmピッチで未塗工部を設けた場合には、プリンタで印字の際は配達票101の捲れもなく良好であったが、配達票101を40℃90%RHの環境下で分離すると若干紙剥けが生じたが、25℃60%RHの環境下では紙剥けもなく、容易に分離できるので、実用上の問題は少ない。
(隣接領域)剥離開始領域301に平行して隣接する剥離開始領域の隣接領域303の接着力をロとする。図6では外周の剥離開始端部71を含む1辺の剥離開始領域301の例を示している。剥離開始領域301は剥離終端領域307と同等又はそれに近い強い接着力に設定する。なお、剥離開始領域の隣接領域303の接着力は、剥離終端領域307の接着力と同様の方法で調整することができる。剥離開始領域の隣接領域303の幅としては0mmより大きく、1mm程度以下、好ましくは0.8mm以下が好ましい。
(剥離中間領域)剥離中間領域305の接着力は、剥離開始領域301、剥離開始領域の隣接領域303、及び剥離終端領域307を除く領域の接着力で、該接着力をハとする。剥離中間領域305は配達票101の大半の部分を占め、かつ設計通りの接着力で剥離できるように構成されている。剥離開始領域301よりは強く、剥離開始領域の隣接領域303及び剥離終端領域307よりは弱く設定する。
このようにすることで、剥離開始端部71から剥離して配達票101を分離する際には配達票101を破れずに分離し易く、しかも、配送伝票10の剥離可能な剥離片(配達票101など)でも、製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化でも捲れや脱落が生じ難い。
(伝票用紙)伝票用紙11としては、充分な強度と印刷やプリンタによる印刷、印字適性及び搬送適性を有するものであれば使用でき、例えば、上質紙、NIP用紙、コート紙、アート紙、クラフト紙、複写用紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、合成紙、樹脂フィルムによりラミネートされた紙等の紙が好適に用いられるが、セロファン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムであってもよい。印字適性の点からNIP用紙が好ましい。伝票用紙11の厚さとしては、印字適性及び取扱性から、20〜200μm程度、好ましくは50〜150μmである。また、伝票用紙11へは必要に応じて、絵柄や説明文などの印刷を施してもよい。
(剥離層)伝票用紙11の裏面側には剥離層13を設けてもよい。伝票用紙11の所望の分離可能になるように設ける剥離層13としては、配達票101が基材21から容易に剥離できるような接着性の低い樹脂のフィルム又は印刷層を使用することが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のオレフィン系(共)重合体を用いることが最も好ましいが、他にも、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、セルロース樹脂等の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物からなるフィルムでもよい。また、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂等から形成されたフィルムを用いてもよい。また、後述する接着層31と剥離性を持つインキを用いた印刷層でもよい。さらに、所望に応じて、剥離層13には酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、フィラー等が添加されていてもよい。剥離層21,32を形成するための樹脂の塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜10μmである。
(ラベル用紙)ラベル用紙20としては、基材21、粘着層33及び剥離紙25からなっている。基材21の表面側には必要に応じて目止め層23が設けられている。
(基材)基材21としては、伝票用紙11と同様の紙やフィルムが使用できる。また、基材21の表面及び/又は裏面へは、必要に応じて、絵柄や説明文などの自由な印刷を施してもよい。
(目止め層)目止め層23としては、基材21と後述の接着層31との間に、接着層31が基材21へ浸透を防止し、伝票用紙11と基材21との接着力を調整するために、基材21面へ目止め層23を設けてもよい。目止め層23としては、所謂バインダと呼ばれる、従来公知の塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース誘導体などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用し、必要に応じて添加剤を加えて、公知のコーティング法又は印刷法で塗布又は印刷すればよい。
(粘着層)粘着層33としては、荷物などに配送伝票10を貼付可能とする感圧接着剤であり、アクリル系粘着剤が最も好ましいが、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤等でもよい。粘着剤層33を形成するための粘着剤の塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜50g/m2で程度、好ましくは3〜30g/m2であり、塗布厚は0.1〜50μm程度、好ましくは3〜30μmである。
(剥離紙)剥離紙25(セパレート紙、セパ紙とも呼ばれる)としては、上質紙、コート紙、含浸紙及びプラスチックフィルムなどの基材の片面に離型層を有している。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。
(接着層)接着層31としては、基材21と伝票用紙11を一体化するためのものであり、例えば、ウレタン系、アクリル系、酢酸ビニール系などの熱可塑性樹脂を使用することができ、フレキソ法、グラビア法などの公知の印刷法又はコーティング法によって、厚み0.1〜50μm程度、好ましくは2〜15μmに塗布し、貼り合わせ前又は後に、必要に応じて乾燥させる。基材21と伝票用紙11とを接着剤(又は樹脂)が乾燥していない状態で貼り合わせるウェット又はセミウェットラミネート方式、熱圧着方式や感圧方式によって貼り合わせることが好ましいが、特に限定されるものではない。
(積層)伝票用紙11に設けられた剥離層13の部分が、図1に示すように、分離可能な配達票101となり、基材21から容易に剥離できて分離可能となる。分離後の配達票101には受領書を兼務させてもよい。
(ハーフカット部)ハーフカット部41の加工は公知のビク刃によるハーフカット法などが適用できる。また、図5に示すように、ハーフカット部41は、複数のアンカット61と複数の小ハーフカット65と小ハーフカット65の剥離開始端部71側を起点とし該剥離開始端部71側に傾く斜めカット63とからなる。アンカット61を除いて、小ハーフカット65及び斜めカット63を加工する方法は、公知の伝票用紙11側からのハーフカット法でよいが、寸法が細かいので、エッチング刃を用いる加工方法が好ましい。
本発明は、剥離可能な剥離片では製造中、プリンタでの印字中、輸送などの運用中、又は製造から運用における環境の変化でも捲れや脱落が生じ難い配送伝票に利用することができる。しかしながら、部分的に剥離可能な剥離片を必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
10:配送伝票
11:伝票用紙
13:剥離層
20:ラベル用紙
21:基材
23:目止め層
25:剥離紙
31:接着層
33:粘着層
41:ハーフカット部
53:切離部
61:アンカット
63:斜めカット
65:小ハーフカット
71:剥離開始端部
81:交点
101:配達票
103:貼付票
107:リブ部
301:剥離開始領域
303:剥離開始領域の隣接領域
305:剥離中間領域
307:剥離終端領域
309:全面剥離領域

Claims (1)

  1. プリンタで印字できる少なくとも配達票と貼付票とが連設され、前記配達票の部分は剥離可能な状態で、かつ、前記貼付票の部分は強接着状態で、基材へ接着層を介して積層された配送伝票であって、
    前記配達票と前記貼付票との間に設けられたハーフカット部を境界にして前記配達票の剥離開始端部から剥離して前記配達票を分離でき、
    かつ、前記剥離開始端部から剥離して前記配達票を分離する際に、
    前記配達票の外周の前記剥離開始端部を含む少なくとも2辺の剥離開始領域の接着力をニとし、
    前記剥離開始領域に平行して隣接する前記剥離開始領域の隣接領域の接着力をロとし、
    剥離が終わって前記配達票が分離する剥離終端領域の接着力をイとし、
    前記剥離開始領域、前記剥離開始領域の隣接領域、及び前記剥離終端領域を除く剥離中間領域の接着力をハとしたときに、
    ニ<ハ<ロ≦イの接着力の関係であることを特徴とする配送伝票。
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