JP2018172613A - 粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】使用環境に依らず、被着体と貼付時には優れた粘着力が発現されると共に、被着体から剥離する際には、わずかな力で容易に剥離可能な優れた再剥離性を有する粘着シートを提供する。【解決手段】凹凸表面を有する基材と、当該基材の凹凸表面上に直接積層した粘着剤層とを有し、下記要件(I)を満たす、粘着シート。要件(I):前記粘着シートを被着体に貼付した後、所定方法にて、任意のx方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Nx)[N/25mm]、y方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Ny)[N/25mm]、x方向とy方向とのなす角をθ(0°<θ≦180°)とした際、下記式(F1)から算出される粘着力変化度が10以上となるθが少なくとも一つ以上存在する。式(F1):粘着力変化度=|Nx−Ny|/((Nx+Ny)/2)×100【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シートに関する。
基材上に粘着剤層を有する粘着シートは、ラベル用や仮固定用等の様々な用途に使用されている。このような粘着シートは、用途や状況に応じて、要求性能が異なる場合が多い。
例えば、部品の一時的な固定に使用される仮固定テープや、貼付後に一定期間経過後に貼り替えを前提とした装飾用テープ等においては、被着体との貼付時には優れた粘着力が求められる一方で、剥離時には小さな力で容易に剥離可能な良好な再剥離性が要求される。
そのため、貼付時には優れた粘着力が発揮される一方で、剥離時には容易に剥離し得る優れた再剥離性を有する粘着シートの開発が行われている。
例えば、特許文献1には、2層の粘着剤層を有する粘着剤が開示されている。当該粘着剤は、一方の粘着剤層には、粘着材料と共に、粘着力を低下させ得る離型剤を内包し、所定の温度で溶融する第1のマイクロカプセルを有し、他方の粘着剤層には、粘着材料と、粘着力を低下させ得る離型剤を内包し、所定の温度で溶融する第2のマイクロカプセルと、粘着材料を硬化させる硬化剤を内包し、所定の温度で溶融する第3のマイクロカプセルを有する。
特許文献1によれば、このような離型剤を内包するマイクロカプセルを有する2層の粘着剤層を設けた粘着剤とすることで、剥離する際には、所定の温度で加熱処理するだけで、被着体から容易に、しかも被着体に残渣を残さずに剥離できるとされている。
特開2008−138108号公報
しかしながら、特許文献1に記載の粘着剤は、粘着力を低下させる離型剤を内包するマイクロカプセルが一定の温度以上で溶融して粘着力が低下するため、製造時や保管時、被着体に貼付時の温度環境を管理する必要が生じ、また、高温環境下での使用には適さない。そのため、特許文献1に記載の粘着剤は、使用環境が限定される。
本発明は、使用環境に依らず、被着体と貼付時には優れた粘着力が発現されると共に、被着体から剥離する際には容易に剥離可能な優れた再剥離性を有する粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、剥離する方向によって粘着力が異なるように予め設計された凹凸表面を有する基材を用い、当該凹凸表面上に粘着剤層を直接積層した粘着シートが、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔6〕に関する。
〔1〕凹凸表面を有する基材と、当該基材の凹凸表面上に直接積層した粘着剤層とを有し、下記要件(I)を満たす、粘着シート。
要件(I):前記粘着シートを被着体に貼付した後、JIS Z0237:2000の準拠して、剥離角度180°にて、任意に選択したx方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Nx)[N/25mm]、y方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Ny)[N/25mm]、x方向とy方向とのなす角をθ(0°<θ≦180°)とした際、下記式(F1)から算出される、粘着力(Nx)及び(Ny)の平均値に対する粘着力変化度が10以上となるθが少なくとも一つ以上存在する。
式(F1):粘着力変化度=|Nx−Ny|/((Nx+Ny)/2)×100
〔2〕前記基材が、複数の繊維が存在する凹凸表面を有する繊維基材である、上記〔1〕に記載の粘着シート。
〔3〕前記繊維基材が、繊維状物から構成され、起毛繊維が存在する凹凸表面を有する起毛基材、もしくは、植毛繊維が存在する凹凸表面を有する植毛基材である、上記〔2〕に記載の粘着シート。
〔4〕前記粘着剤層の厚さに対する、前記繊維基材を構成する繊維が固定された固定端部を含む表面である表面(α)を基準とした際の繊維の平均高さの比〔繊維の平均高さ/粘着剤層の厚さ〕が、0.4〜0.99である、上記〔2〕又は〔3〕に記載の粘着シート。
〔5〕前記基材が、凹部及び凸部が存在する凹凸表面を有するエンボス基材である、上記〔1〕に記載の粘着シート。
〔6〕前記エンボス基材を厚さ方向で切断した断面において、前記凹凸表面に存在する前記凹部と前記凸部との平均高低差(H1)が、5〜200μmである、上記〔5〕に記載の粘着シート。
本発明の粘着シートは、剥離する方向によって粘着力が異なるように予め設計された凹凸表面を有する基材を用いることで、使用環境に依らず、被着体と貼付時には優れた粘着力が発現されるが、剥離する際には、所定の方向に沿って剥離すれば、容易に剥離可能であり再剥離性に優れる。
本発明の粘着シートの構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の粘着シートを被着体に貼付後、x方向に沿って剥離する過程を示した断面模式図である。 図2(a)に示された被着体に貼付された粘着シートを基材側から観察した際の平面模式図である。 本発明の一態様である繊維基材を有する粘着シートを粘着剤層の被着体に貼付される貼付表面に対して垂直に切断した際の断面模式図の一例である。 本発明の一態様である繊維基材を有する粘着シートを被着体に貼付した際の当該粘着シートの断面模式図である。 図4に示した複数の繊維のうち、2本の繊維に着目した際の断面模式図の一例である。 本発明の一態様であるエンボス基材を有する粘着シートを、凹凸表面に存在する凹部及び凸部が判別できるような面で切断した、当該粘着シートの断面模式図である。 本発明の一態様で用いる凹凸表面の凹凸表面側から平面視した際の一例を示す平面模式図である。 本発明の一態様で用いる凹凸表面の凹凸表面側から平面視した際の一例を示す平面模式図である。
本発明の粘着シートは、凹凸表面を有する基材と、当該基材の凹凸表面上に直接積層した粘着剤層とを有する。
図1は、本発明の粘着シートの構成の一例を示す断面模式図である。なお、図1においては、基材10が有する凹凸表面11の凹凸形状は省略して記載している。
本発明の粘着シートの構成としては、図1(a)に示すような、基材10の凹凸表面11上に粘着剤層20を直接積層した粘着シート1aが挙げられる。
また、図1(b)に示すような、粘着剤層20の貼付表面21上に、さらに剥離材30を積層した粘着シート1bとしてもよい。
さらに、図1(c)に示すような、両面に凹凸表面11、11’を有する基材10を用いて、凹凸表面11上には粘着剤層20及び剥離材30が積層し、凹凸表面11’上には粘着剤層20’及び剥離材30’が積層した粘着シート1cとしてもよい。この粘着シート1cは、両面テープとしての機能を有する。
そして、本発明の粘着シートは、下記要件(I)を満たすものである。
・要件(I):前記粘着シートを被着体に貼付した後、JIS Z0237:2000の準拠して、剥離角度180°にて、任意に選択したx方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Nx)[N/25mm]、y方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Ny)[N/25mm]、x方向とy方向とのなす角をθ(0°<θ≦180°)とした際、下記式(F1)から算出される、粘着力(Nx)及び(Ny)の平均値に対する粘着力変化度が10以上となるθが少なくとも一つ以上存在する。
式(F1):粘着力変化度=|Nx−Ny|/((Nx+Ny)/2)×100
ここで、要件(I)で規定する、「前記粘着シートを被着体に貼付した後、剥離角度180°にて、任意に選択したx方向に沿って剥離する」という操作について、図2を用いて説明する。なお、図2においても、基材10が有する凹凸表面11の凹凸形状は省略して記載している。
まず、図2(a)のように、粘着シート1が有する粘着剤層20の貼付表面21を、被着体500に貼付した後、始点Aから終点Bに向かって当該粘着シートを被着体500から剥離する場合を考える。
図2(b)には、被着体500から粘着シート1を始点Aから終点Bに向かって剥離する途中を示しているが、この始点Aから終点Bに向かう方向が「剥離方向」であり、図2(b)においては、剥離方向が「方向x」である。
図3は、図2(a)に示された被着体に貼付された粘着シートを基材側から観察した際の平面模式図である。
図3に示すように、上記測定条件にて、任意に選択したx方向に沿って被着体500から剥離した際、測定される粘着力を「粘着力(Nx)」であり、y方向に沿って被着体500から剥離した際、測定される粘着力を「粘着力(Ny)」である。
なお、粘着力(Nx)及び(Ny)は、JIS Z0237:2000の準拠して、剥離角度180°にて測定された値であり、具体的な測定条件は実施例に記載のとおりである。
また、図3に示す角θは、x方向とy方向とのなす角を示し、0°<θ≦180°の範囲で選択される。
本発明の粘着シートは、上記式(F1)から算出される、粘着力(Nx)及び(Ny)の平均値に対する粘着力変化度が10以上となるθが少なくとも一つ以上存在する。
上記式(F1)から算出される粘着力変化度は、粘着力(Nx)及び(Ny)の平均値に対する、粘着力(Nx)及び(Ny)の差の割合を示したものであり、この粘着力変化度の値が大きい程、剥離する方向によって粘着力に大きな差がある粘着シートであるといえる。
本発明の粘着シートは、基材が有する凹凸表面を粘着力変化度が10以上となるθが少なくとも一つ以上存在するように設計することで、剥離する方向によって粘着力が異なるように設計されている。
そのため、本発明の粘着シートは、使用環境に依らず、被着体と貼付時には優れた粘着力が発現される一方、剥離する際には、低粘着力の方向に沿って剥離すれば、わずかな力で容易に剥離可能であり、再剥離性にも優れる。
例えば、x方向における粘着力(Nx)が、y方向における粘着力(Ny)に比べて大きい場合、被着体との貼付時には、x方向における粘着力(Nx)が高いため、被着体との密着性が良好に保たれる。一方、被着体から剥離する際にはy方向に沿って剥離すれば、わずかな力で容易に剥離することができる。
一方で、一般的な粘着シートは、上記要件(I)で規定する粘着力変化度は10未満であり、どの方向に沿って剥離しても、ほぼ同じ力で剥離できるように設計されている。
そのため、一般的な粘着シートの構成について、粘着力を高くすると、被着体から剥離する際に、被着体に粘着剤層の残渣が付着し再剥離性が劣り、粘着力を低くすると、被着体との密着性が劣るため、粘着力と再剥離性とのバランスに問題がある。
本発明の一態様において、上記式(F1)から算出される粘着力変化度としては、10以上であるが、好ましくは30以上、より好ましくは50以上、更に好ましくは70以上、より更に好ましくは85以上である。
また、被着体と貼付時の粘着力と剥離時の再剥離性とのバランスの観点から、上記式(F1)から算出される粘着力変化度としては、好ましくは200以下、より好ましくは180以下、更に好ましくは150以下、より更に好ましくは130以下である。
本発明の粘着シートは、要件(1)を満たすように設計された凹凸表面を有する基材を用いて、当該基材の凹凸表面上に粘着剤層を直接積層した構成としている。つまり、要件(I)は、基材の凹凸表面に関する要件ともいえる。
要件(I)を満たすように設計された凹凸表面を有する基材を用いた粘着シートは、粘着剤層と積層する基材の表面の凸形状により、剥離する際の粘着剤や凸部の変形に差が生じるために、方向により剥離に必要な力が異なると考えられる。また、形状の異なる凸部を有することにより、その瞬間毎の剥離面積を制御出来るため、方向により剥離に必要な力に差が出来ると考えられる。
一方で、一般的な粘着シートは、貼付表面の全面にわたり偏りが無く一様な粘着力を発現させることを目的とすることが多く、基材の平坦な表面上に粘着剤層を積層した構成とする場合がほとんどである。そのような構成の粘着シートの要件(I)で規定する粘着力変化度は10未満となる。
なお、一様な粘着力を発現させることを目的とした場合には、凹凸表面を有する基材を用い、当該凹凸表面上に粘着剤層を積層した粘着シートを設計することは考え難い。
要件(I)を満たす粘着シートを設計する観点から、本発明で用いる基材としては、以下のような、凹凸表面を有する基材が好ましい。
・複数の繊維が存在する凹凸表面を有する繊維基材。
・凹部及び凸部が存在する凹凸表面を有するエンボス基材。
以下、繊維基材及びエンボス基材について説明する。
<繊維基材>
要件(I)を満たす粘着シートを設計する観点から、本発明の一態様の粘着シートが有する基材としては、複数の繊維が存在する凹凸表面を有する繊維基材であることが好ましい。
なお、本発明の一態様で用いる繊維基材は、少なくとも一方の表面に複数の繊維が存在するものであればよく、両面に複数の繊維が存在するものであってもよい。
本発明において、「繊維」とは、アスペクト比が3以上の細長い固体を指し、天然繊維(植物繊維、動物繊維等)であってもよく、化学繊維(合成繊維、半合成繊維、再生繊維、無機繊維等)であってもよい。
本明細書において、繊維(後述の「起毛繊維」や「植毛繊維」も含む)のアスペクト比は、対象となる繊維の「長さ」/「太さ」から算出された値を意味する。
なお、繊維のアスペクト比は、粘着剤層と一体化する前の基材に存在する繊維を光学顕微鏡や電子顕微鏡等を用いた観察により測定するができる。
また、対象となる繊維の一部分が、他の繊維と絡み合い「長さ」の測定が難しい場合には、対象となる繊維のうち、太さの測定が可能な部分のみの長さを測定し、当該部分のアスペクト比が3以上であればよい。
なお、以下の繊維基材に関する記載において、「凹凸表面」とは、当該繊維基材を構成する支持体と複数の繊維を含めた複数の繊維が存在する側の表面全体を指す。一方で、「表面(α)とは、繊維基材を構成する繊維が固定された固定端部を含む表面であって、複数の繊維を固定している支持体部の表面を指す。
繊維基材の凹凸表面を構成する具体的な繊維としては、例えば、木綿、麻等の植物繊維;絹、羊毛等の動物繊維;ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維やポリエチレン系繊維等のポリオレフィン系繊維、ビニロン系繊維、アクリル系繊維、ウレタン系繊維、ナイロン系繊維等のポリアミド系繊維、塩化ビニル系繊維、アクリロニトリル系繊維等の熱可塑性樹脂から形成された合成繊維;アセテート等の半合成繊維;レーヨン等の再生繊維;カーボン系繊維、グラスファイバー等の無機繊維;等が挙げられる。
繊維基材を構成する複数の繊維の平均長さとしては、好ましくは1〜5000μm、より好ましくは50〜1000μm、更に好ましくは100〜800μm、より更に好ましくは150〜650μmである。
繊維基材を構成する複数の繊維の平均太さとしては、好ましくは1〜70μm、より好ましくは3〜60μm、更に好ましくは5〜50μm、より更に好ましくは10〜30μmである。
繊維基材を構成する複数の繊維の平均アスペクト比としては、好ましくは3以上、より好ましくは5〜1000、より好ましくは10〜700、更に好ましくは20〜500、より更に好ましくは30〜200である。
なお、上記の「繊維の長さ」は、対象となる繊維を直線状に伸ばした際の長手方向の長さを指す。
なお、本明細書において、繊維基材の凹凸表面上の複数の繊維から、任意に選択した10〜100本の繊維の「長さ」、「太さ」及び「アスペクト比」を測定し、これらの平均値を、それぞれ、「複数の繊維の平均長さ」、「複数の繊維の平均太さ」及び「複数の繊維の平均アスペクト比」とみなしてもよい。
また、繊維の長さ、太さ、及びアスペクト値の測定は、対象となる繊維基材を凹凸表面に対して垂直に切断した断面を光学顕微鏡や電子顕微鏡等で観察することで測定することができる。
そして、この断面は、粘着剤層と積層した状態で切断して取得してもよく、粘着剤層の積層前の繊維基材のみを切断して取得してもよい。
本発明の一態様で用いる繊維基材は、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、前記複数の繊維が表面(α)から突出している基材が好ましい。
なお、上記の「複数の繊維が表面(α)から突出している」状態とは、対象となる繊維について、基材の表面(α)に固定された固定端部から、他方の端部までで、アスペクト比が3以上の繊維としての形状が確認可能な状態を意味する。
また、「複数の繊維が表面(α)から突出している」状態か否かは、対象となる基材を表面(α)に対して垂直に切断した断面を光学顕微鏡や電子顕微鏡等で観察することで確認することができる。
この断面は、粘着剤層と積層した状態で切断して取得してもよく、粘着剤層の積層前の基材のみを切断して取得してもよい。
なお、本発明の一態様の粘着シートにおいて、繊維基材の凹凸表面上に粘着剤層を形成する場合、上記要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、以下の事項を考慮して粘着剤層を形成することが好ましい。
・粘着剤層を形成する前に、すでに所定の一方向(x)に沿って配向している複数の繊維が存在する凹凸表面を有する繊維基材を使用する。
・粘着剤層を形成する前に、繊維基材の凹凸表面に存在する複数の繊維を、ブラシや刷毛を用いて、所定の一方向(x)に沿って、ブラッシングする。
・繊維基材の凹凸表面上に、粘着剤層の形成材料である粘着剤を所定の一方向(x)に沿って塗布して形成して粘着剤層を形成する。
図4は、本発明の一態様である繊維基材を有する粘着シートを粘着剤層の被着体に貼付される貼付表面に対して垂直に切断した際の断面模式図の一例である。
図4に示す粘着シート2は、上記の事項を考慮して、繊維基材10Aの凹凸表面上に粘着剤層20を形成した態様の一例である。
図4に示す粘着シートのように、粘着剤層20と一体化した複数の繊維12が、粘着剤層20の内部にて、所定の一方向(p)に沿って配向している状態とすることで、要件(I)を満たす粘着シートに調整し易い。
図5は、本発明の一態様である繊維基材を有する粘着シートを被着体に貼付した際の当該粘着シートの断面模式図である。
図5(a)に示すように、粘着シート2を被着体500から剥離する際、複数の繊維12が配向している一方向(p)と同じ方向であるx方向に沿って剥離しようとした場合、容易に剥離可能である。この場合、複数の繊維12が配向している方向(p)と同じ方向であるx方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Nx)は最小値となり易い。
一方で、図5(b)のように、粘着シート2を、複数の繊維12が配向している一方向(p)とは逆の方向であるy方向(x方向とy方向とのなす角θは180°)に沿って剥離しようとした場合、一方向(p)と同じ方向であるx方向に沿って剥離する場合に比べて、剥離し難くなり、粘着力(Ny)は最大値となり易い。
なお、粘着剤層と一体化した繊維の「固定端部と最遠部との直線距離の平均値」としては、好ましくは1〜5000μm、より好ましくは50〜1000μm、更に好ましくは100〜800μm、より更に好ましくは150〜600μmである。
本明細書において、粘着剤層と一体化した繊維の「固定端部と最遠部との直線距離」とは、固定端部と最遠部とを結ぶ直線の長さを指す。
例えば、図6(a)の繊維12aでは、表面(α)11aと固定されている固定端部121aと最遠部である端部122aとを結ぶ直線Laの長さが該当する。また、繊維12bでは、表面(α)11aと固定されている固定端部121bと最遠部123bとを結ぶ直線Lbの長さが該当する。
また、任意に選択した10本の繊維の固定端部と最遠部との直線距離の平均値を、上述の「繊維の固定端部と最遠部との直線距離の平均値」とみなすこともできる。
また、繊維の粘着剤層の厚さに対する、固定端部と最遠部との直線距離の平均値の比〔直線距離の平均値/粘着剤層の厚さ〕としては、繊維が配向している方向(p)に沿って剥離すれば、容易に剥離可能とし、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、好ましくは0.5超、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.8以上、より更に好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.2以上であり、また、粘着剤層の粘着表面を平坦にすると共に、良好な粘着力を発現させる観点から、好ましくは15.0以下、より好ましくは10.0以下、更に好ましくは8.0以下である。
粘着剤層の厚さに対する、表面(α)を基準とした際の繊維の平均高さの比〔繊維の平均高さ/粘着剤層の厚さ〕としては、繊維が配向している方向(p)に沿って剥離すれば、容易に剥離可能とし、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.7以上であり、また、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.99以下である。
なお、本明細書において、任意に選択した10本の繊維の平均高さを、上述の「繊維の平均高さ」とみなすこともできる。
また、本明細書において、「表面(α)を基準とした際の繊維の高さ」とは、繊維の最頂部から表面(α)に下ろした垂線の長さを指す。
例えば、図6(b)に示す、繊維12aにおいては、繊維の端部122aが最頂部と一致するため、最頂部である端部122aから、繊維基材10Aの表面(α)11aに下ろした垂線haの長さが「繊維12aの高さ」に相当する。
また、繊維12bのような湾曲している繊維においては、最頂部124bから、繊維基材10Aの表面(α)11aに下ろした垂線hbの長さが「繊維12bの高さ」に相当する。繊維12bでは、最頂部124bと端部122bは一致しない。つまり、繊維12bのように、「繊維の端部」が「繊維の最頂部」とはならない場合もある。
本発明の一態様の繊維基材を有する粘着シートにおいて、複数の繊維が、粘着剤層の厚さに対する、表面(α)を基準とした際の繊維の高さの比〔繊維の高さ/粘着剤層の厚さ〕が0.5以上である繊維を含むことが好ましい。
このような繊維が存在することで、剥離する際に、繊維が配向している方向(p)に沿って剥離すれば、容易に剥離可能であり、要件(I)を満たす粘着シートとすることができる。
なお、上記の「繊維の固定端部と最遠部との直線距離」や「繊維の高さ」の測定は、粘着シートの粘着剤層の被着体に貼付される貼付表面の繊維が配向している方向(p)に沿った任意の位置において、当該貼付表面に対して垂直に切断した粘着シートの断面を光学顕微鏡や電子顕微鏡等を用いて観察することで算出することができる。
なお、光学顕微鏡や電子顕微鏡等を用いて取得した粘着シートの断面の画像を基に、これらの値を算出してもよい。
本発明の一態様の繊維基材を有する粘着シートにおいて、繊維基材の凹凸表面に積層する粘着剤層の厚さは、好ましくは20〜1000μm、より好ましくは30〜600μm、更に好ましくは50〜400μmである。
本発明の一態様で用いる繊維基材としては、複数の繊維が存在する凹凸表面を有する基材であればよく、例えば、繊維状物から構成され、複数の繊維が表面(α)から突出して凹凸表面を形成している繊維基材が挙げられる。
繊維基材を構成する繊維状物の形成材料としては、上述の複数の繊維を構成するものと同じ天然繊維や化学繊維が挙げられる。
なお、繊維基材について、複数の繊維と、繊維基材から当該複数の繊維を除いた部分である支持体部とは、互いに同一の繊維から構成されていてもよく、互いに異なる繊維から構成されていてもよい。
要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、繊維基材を構成する繊維状物は、後述の粘着剤よりも引張弾性率が大きい材料から形成されたものであることが好ましい。
このような繊維基材の中でも、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、繊維状物から構成され、起毛繊維が存在する凹凸表面を有する起毛基材、もしくは、植毛繊維が存在する凹凸表面を有する植毛基材であることが好ましい。
(起毛基材)
原則として、起毛基材は、凹凸表面を構成する複数の繊維と、起毛基材から当該複数の繊維を除いた部分である支持体部(以下、「起毛基材の支持体部」ともいう)とは、互いに同一の繊維から構成されたものである。
起毛基材の凹凸表面を構成する起毛繊維は、繊維状物の表面に起毛処理を施して形成された繊維であって、少なくとも一方の端部が、起毛基材の支持体部の表面(α)と固定されている繊維を指す。
起毛基材を構成する繊維状物としては、上述の複数の繊維を構成するものと同じ天然繊維や化学繊維から形成された繊維状物が挙げられ、織布であってもよく、不織布であってもよい。
起毛基材の支持体部の厚さとしては、好ましくは100〜50000μm、より好ましくは200〜10000μm、更に好ましくは350〜5000μm、より更に好ましくは500〜1000μmである。
起毛繊維の長さの平均は、好ましくは1〜5000μm、より好ましくは50〜1000μm、更に好ましくは100〜800μm、より更に好ましくは150〜600μmである。
なお、上記の「起毛繊維の長さ」は、対象となる起毛繊維を直線状に伸ばした際の長手方向の長さを指す。
起毛繊維の平均太さは、好ましくは1〜70μm、より好ましくは3〜60μm、更に好ましくは5〜50μm、より更に好ましくは10〜30μmである。
起毛繊維の平均アスペクト比は、好ましくは5〜1000、より好ましくは10〜200、更に好ましくは20〜100、より更に好ましくは30〜70である。
本明細書において、「起毛繊維の平均アスペクト比」は、[起毛繊維の平均長さ]/[起毛繊維の平均太さ]から算出された値を意味する。
なお、本明細書において、起毛基材の凹凸表面を構成する起毛繊維から、任意に選択した10〜100本の起毛繊維の「長さ」、「太さ」及び「アスペクト比」を測定し、これらの平均値を、それぞれ、「起毛繊維の平均長さ」、「起毛繊維の平均太さ」及び「起毛繊維の平均アスペクト比」とみなしてもよい。
また、起毛繊維の長さ、太さ、及びアスペクト値の測定は、対象となる起毛基材を凹凸表面に対して垂直に切断した断面を光学顕微鏡や電子顕微鏡等で観察することで測定することができる。
そして、この断面は、粘着剤層と積層した状態で切断して取得してもよく、粘着剤層の積層前の起毛基材のみを切断して取得してもよい。
起毛基材の凹凸表面に存在する起毛繊維の密度としては、好ましくは1〜1000本/mm、より好ましくは10〜500本/mm、更に好ましくは50〜300本/mm、より更に好ましくは100〜250本/mmである。
なお、本発明において、起毛基材の凹凸表面において任意に選択した所定の領域(例えば、一辺4mmの正方形)内での起毛繊維の密度を、上記「起毛基材の密度」とみなしてもよい。
起毛繊維を形成するための起毛処理としては、例えば、繊維状物の少なくとも一方の表面から、繊維状物を構成する繊維の一部を起立させる処理であって、具体的には、繊維状物を構成する繊維のループ(輪)を剪毛する処理、針布ロール、サンドロール、サンドベルト等により、支持体部を構成する繊維の一部を積極的に引き出す処理、長さの異なる糸状物を複数撚ることによりはみ出させる処理等が挙げられる。
(植毛基材)
本発明の一態様で用いる植毛基材は、支持体部の表面に植毛繊維を固着する植毛処理が施されて形成された植毛繊維が存在する基材を指す。
植毛基材の支持体部としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、グラシン紙等の紙材;織布、不織布等の布帛;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、等のポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂から形成された樹脂フィルム又はシート;アルミニウム、銅、銀、金等の金属材等が挙げられる。
なお、上記紙材に対して、樹脂フィルムの形成材料である上述の熱可塑性樹脂を用いてラミネートしたラミネート紙を支持体部として用いてもよい。
また、上記金属材に対して、上述の熱可塑性樹脂を用いてラミネートしたフィルム又はシート、並びに、上述の樹脂フィルム又はシートの表面に対して、アルミニウム、銅、銀、金等の金属の蒸着処理を行ったフィルム又はシートを支持体部として用いてもよい。
植毛繊維としては、上述の複数の繊維を構成するものと同じ天然繊維や化学繊維が挙げられる。
なお、植毛繊維としては、1種からなるものであってもよく、2種以上の繊維を用いた混紡品を用いてもよい。
植毛基材の支持体部の厚さとしては、好ましくは2〜1000μm、より好ましくは10〜500μm、更に好ましくは20〜200μm、より更に好ましくは50〜100μmである。
植毛繊維の平均長さは、好ましくは5〜1200μm、より好ましくは10〜1000μm、更に好ましくは100〜800μm、より更に好ましくは200〜600μmである。
なお、上記の「植毛繊維の長さ」は、対象となる植毛繊維を直線状に伸ばした際の長手方向の長さを指す。
植毛繊維の平均太さは、好ましくは1〜70μm、より好ましくは3〜60μm、更に好ましくは5〜50μm、より更に好ましくは10〜30μmである。
植毛繊維の平均アスペクト比は、好ましくは5〜1200、より好ましくは8〜400、更に好ましくは12〜100、より更に好ましくは15〜30である。
本明細書において、「植毛繊維の平均アスペクト比」は、[植毛基材の平均長さ]/[植毛繊維の平均太さ]から算出された値を意味する。
なお、本明細書において、植毛基材の凹凸表面に存在する植毛繊維から、任意に選択した10〜100本の植毛繊維の「長さ」、「太さ」及び「アスペクト比」を測定し、これらの平均値を、それぞれ、「植毛繊維の平均長さ」、「植毛繊維の平均太さ」及び「植毛繊維の平均アスペクト比」とみなしてもよい。
また、植毛繊維の長さ、太さ、及びアスペクト値の測定は、対象となる植毛基材を凹凸表面に対して垂直に切断した断面を光学顕微鏡や電子顕微鏡等で観察することで測定することができる。
そして、この断面は、粘着剤層と積層した状態で切断して取得してもよく、粘着剤層の積層前の植毛基材のみを切断して取得してもよい。
植毛基材の凹凸表面に存在する植毛繊維が密度としては、好ましくは1〜6000本/mm、より好ましくは5〜4000本/mm、更に好ましくは10〜2000本/mm、より更に好ましくは100〜1000本/mmである。
なお、本発明において、植毛基材の凹凸表面において任意に選択した所定の領域(例えば、一辺1mmの正方形)内での植毛繊維の密度を、上記「植毛基材の密度」とみなしてもよい。
支持体部の表面に植毛繊維を形成するための植毛処理としては、一般的な方法を用いることができ、例えば、以下の方法が挙げられる。
・静電植毛方式による方法。
・支持体部として、織布、不織布等の布帛を用いる場合、布帛上に植毛繊維を縫い付ける方法。
・植毛繊維が挿入される穴を有する支持体部を用いる場合、平線と呼ばれる抜き止め具を挟んで、植毛繊維を支持体部上の穴に打ち込む方法、もしくは支持体部上の穴に植毛繊維を挿入後に熱溶着して固着する方法。
これらの中でも、支持体部の種類に依らずに植毛繊維の形成が可能であるとの観点から、静電植毛方式による方法が好ましい。
静電植毛方式による方法としては、例えば、静電植毛機の電極に電圧を印加することにより電界を形成し、この電界内に、上述の植毛繊維からなる表面を電着処理したフロックを供給する。また、当該電界内に別途設置した支持体部上に、帯電させた接着剤をスプレー法、ディップ法等によって塗布し、帯電させた接着剤層を形成する。そして、当該フロックを飛翔させて、支持体部上に接着剤を塗布して形成した接着剤層に向けて、当該フロック突き刺した後、接着剤層を乾燥し固化させることで、支持体部上に植毛繊維を植毛することができる。
なお、当該静電植毛方式としては、ダウン式、アップ式、滞留式、及び吹き付け式(ファイバーコート)のいずれの方式であってもよい。
また、植毛後に、支持体部上に存在する余分な植毛繊維を、エアーブローやブラッシングにより除去してもよい。
静電植毛方式で使用する植毛繊維としては、適度に帯電可能な繊維が好ましく、具体的には、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、及びアクリルの1種以上から構成された繊維が好ましい。
静電植毛方式で使用する接着剤としては、溶剤系接着剤でもよく、エマルション系接着剤であってもよい。
溶剤系接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤等が挙げられる。
エマルション系接着剤としては、例えば、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤等が挙げられる。
これらの接着剤は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
<エンボス基材>
要件(I)を満たす粘着シートを設計する観点から、本発明の一態様の粘着シートが有する基材としては、凹部及び凸部が存在する凹凸表面を有するエンボス基材であることが好ましい。
エンボス基材の形成材料としては、凹凸表面の形成の容易さの観点、並びに、凹部及び凸部の形状維持性を良好とする観点から、樹脂材、紙材、金属材、又はこれらを2種以上を積層してなる複合材から構成されていることが好ましい。
樹脂材としては、熱可塑性樹脂から形成されている樹脂シート又はフィルムことが好ましい。
当該熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;アセテート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;及びこれらの樹脂を2種以上混合してなる混合樹脂等が挙げられる。
本発明の一態様において、樹脂基材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び塩化ビニル系樹脂から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂から形成された樹脂又はシートが好ましい。
紙材としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、及びグラシン紙等が挙げられる。
金属材を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、鉄、及びこれらの金属を2種以上混合してなる合金等が挙げられる。
また、複合材としては、例えば、紙材の表面を上述の熱可塑性樹脂でラミネートしたラミネート紙や、樹脂シートの表面に上述の金属材を構成する金属からなる蒸着膜を積層した金属蒸着樹脂シート等が挙げられる。
エンボス基材の凹部及び凸部は、上述の形成材料からなり平坦な表面を有する平坦材に対して、エンボス処理を施すことによって形成することができる。
エンボス処理の方法としては、例えば、シート状に形成した平坦材を、エンボスロール、梨地又は艶消しした表面を持ったドラム、又はエンボスベルト等を通過させて、凹凸を転写させる方法、及び、エンボスパターンが施され、凹凸を有する剥離紙をシート状に形成した平坦材に加熱加圧して転写する方法等が挙げられる。
エンボス基材を厚さ方向に切断した際の凹部及び凸部の断面形状としては、通常長方形であるが、三角形、及び台形等の多角形や、半円形、半楕円径であってもよい。
また、凹部及び凸部の断面形状としては、上記のような定形であってもよく、不定形であってもよい。
図7は、本発明の一態様であるエンボス基材を有する粘着シートを、凹凸表面に存在する凹部及び凸部が判別できるような面で切断した、当該粘着シートの断面模式図である。
エンボス基材を有する粘着シートにおいては、図7(a)に示す粘着シート3aのように、粘着剤層20の貼付表面21が平坦であってもよい。
また、図7(b)に示す粘着シート3bのように、粘着剤層20の貼付表面21及びエンボス基材10Bの凹凸表面11bの双方の水平方向における凹部と凸部の形成位置を対比した際、水平方向での凹部及び凸部の形成位置が、略同一となり易い。
つまり、凹凸表面11bに凹部16が存在する箇所においては、その凹部16の鉛直上方の粘着剤層の貼付表面21にも、凹部26が形成され易い。一方、凹凸表面11bに凸部17が存在する箇所においては、その凸部17の鉛直上方の粘着剤層の貼付表面21には、凸部27が形成され易い。
そのため、本発明の一態様の粘着シートは、図7(b)に示す粘着シート3bのように、粘着剤層20の貼付表面21に凹部26及び凸部27が存在するような構成であってもよい。
なお、本発明の一態様で用いるエンボス基材は、片面のみに凹部及び凸部が存在する凹凸表面を有するものであってもよく、図7(c)に示す粘着シート3cが有するエンボス基材10Bのように、粘着剤層20が積層している側とは反対側の表面も凹部16’及び凸部17’が存在するものであってもよい。
図7(c)の粘着シート3cが有するエンボス基材10Bは、樹脂材等の平坦表面に、エンボスパターンが施されたロールを接触して形成されたものである場合、図7(c)に示すように、凹凸表面11bに凹部16が形成された位置とは反対側の表面11b’には凸部17’が形成され、また、凹凸表面11bに凸部17が形成された位置とは反対側の表面11b’には凹部16’が形成されたものとなる。
本発明の一態様で用いるエンボス基材の厚さ方向に切断した際の断面において、前記凹凸表面に存在する凹部と凸部との平均高低差(H1)としては、好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜150μm、更に好ましくは15〜100μm、より更に好ましくは20〜80μmである。
エンボス基材の厚さ(L1)としては、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは20〜500μm、更に好ましくは30〜300μmである。
なお、本明細書において、上記の「エンボス基材の厚さ(L1)」とは、エンボス基材の両面間の最大距離を意味し、図7に示す「L1」の長さに相当する。
エンボス基材の厚さ(L1)を100とした際の平均高低差(H1)の割合としては、好ましくは10〜98、より好ましくは20〜95、更に好ましくは30〜90、より更に好ましくは40〜85である。
本発明の一態様のエンボス基材を有する粘着シートにおいて、エンボス基材の凹凸表面に積層する粘着剤層の厚さ(L2)としては、好ましくは20〜500μm、より好ましくは30〜450μm、更に好ましくは50〜400μmである。
なお、本明細書において、上記の「粘着剤層の厚さ(L2)」とは、粘着剤層の両面間の最大距離を意味し、例えば、図7に示す「L2」の長さに相当する。
本発明の一態様のエンボス基材を有する粘着シートにおいて、エンボス基材の凹凸表面に存在する凹部と凸部との平均高低差(H1)と粘着剤層の厚さ(L2)との比〔(H1)/(L2)〕は、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、好ましくは1/3〜8/1、より好ましくは1/2〜6/1、更に好ましくは1/1〜4/1である。
本発明の一態様で用いるエンボス基材を凹凸表面側から観察した際の凹凸表面に存在する凹部及び凸部の平面形状としては、三角形、四角形等の多角形、楕円等の定形であってもよく、不定形であってもよいが、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、定形であることが好ましい。
なお、凹凸表面に存在する凹部が複数存在する場合、複数の凹部の平面形状は、すべて略同一の形状であってもよく、2種以上の異なる形状であってもよい。凸部が複数存在する場合の複数の凸部の形状についても同様である。
本発明の一態様で用いるエンボス基材は、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、平面視した際の各形状の長手方向が所定の方向(q)に沿って配列した複数の凹部からなる凹部群(α1)もしくは平面視した際の各形状の長手方向が所定の方向(q)に沿って配列した複数の凸部からなる凸部群(α2)が少なくとも存在する凹凸表面を有するものであることが好ましく、凹部群(α1)及び凸部群(α2)の双方が存在する凹凸表面を有するものであることがより好ましい。
本発明の一態様であるエンボス基材を有する粘着シートを、凹部群(α1)及び/又は凸部群(α2)の配列方向である方向(p)に沿って剥離した際の粘着力は、他の方向に沿って剥離した場合に比べて、小さくなるか、もしくは、大きくなる。
つまり、凹部群(α1)及び/又は凸部群(α2)が存在する凹凸表面を有するエンボス基材を用いることで、要件(I)を満たす粘着シートとし易い。
なお、方向(p)に沿って剥離した際の粘着力が、他の方向に沿って剥離した場合に比べて、小さくなるか、もしくは大きくなるかの違いは、凹部群(α1)及び/又は凸部群(α2)を構成する凹部又は凸部の形状や形成位置の違いに起因する。
本明細書において、「長手方向」とは、凹部又は凸部を平面視した際の各形状を外接する最小面積の長方形(以下、「外接長方形」ともいう)の長辺が向く方向を指す。
例えば、図8に示すエンボス基材101Bにおいて、凹凸表面111bに存在する複数の凹部161及び複数の凸部171の形状は、それぞれ長方形であり、上記の外接長方形と一致する。そのため、当該外接長方形の長辺が向く方向は、方向(q1)及び(q2)であるから、複数の凹部161及び複数の凸部171の長手方向も方向(q1)及び(q2)となる。
また、図9に示すエンボス基材102Bにおいて、凹凸表面112bに存在する複数の凹部162及び複数の凸部172の形状は、それぞれ波形をしているが、当該波形を外接する外接長方形の長辺が向く方向は、方向(q1)及び(q2)である。
そのため、複数の凹部162及び複数の凸部172の長手方向は、方向(q1)及び(q2)となる。
なお、本発明において、凹部又は凸部を平面視した際の各形状の長手方向は、図8及び9の示す「方向(q1)」及び「方向(q2)」のように、互いになす角が180°である正反対の2つの方向のいずれをも含む。
本発明においては、互いになす角が180°である正反対の2つの方向(q1)及び(q2)を、まとめて「方向(q)」とする。
そのため、「所定の方向(q)に沿って配列した凹部もしくは凸部」か否かの判断は、それぞれの凹部又は凸部を平面視した際の各形状の長手方向が、所定の方向(q)(方向(q1)及び(q2))に沿っているか否かによって判断するものとする。
なお、各形状の長手方向が方向(q)に沿っているか否かの判断は、対象となる凹部もしくは凸部の各形状の長手方向の方向(q)に対するなす角が0〜40°であるか否かによって判断する。
また、方向(q)の特定方法としては、各形状の長手方向に対するなす角が0〜40°となるような凹部もしくは凸部をなるべく多く含むように、選択されるものである。
なお、例えば、凹部及び凸部の形状が正方形である場合、「長手方向」は当該正方形の縦方向及び横方向の2種となる。
一方で、例えば、凹部及び凸部の形状が円(アスペクト比が1の円)である場合、「長手方向」は、当該円を外接する正方形の縦方向及び横方向の2種となるが、その「円を外接する正方形」は無限に選択することができる。
このように、長手方向を特定するための各形状の外接長方形(正方形)を無限に選択できるような凹部及び凸部については、単独では「長手方向」を一つに特定することはできない。
図8に示されたエンボス基材101Bの凹凸表面111bには、複数の凹部161及び複数の凸部171は、上述のとおり、方向(q1)及び(q2)に沿って配列している。
そのため、複数の凹部161は、上述の「それぞれの平面視した際の形状の長手方向が所定の方向(q)に沿って配列した複数の凹部」に該当し、一つの「凹部群(α1)」に属するものである。
また、複数の凸部171は、上述の「それぞれの平面視した際の形状の長手方向が所定の方向(q)に沿って配列した複数の凸部」に該当し、一つの「凸部群(α2)」に属するものである。
また、図9に示されたエンボス基材102Bの凹凸表面112bにおいても、複数の凹部162及び複数の凸部172は、上述のとおり、方向(q1)及び(q2)に沿って配列している。
そのため、複数の凹部162は、上述の「それぞれの平面視した際の形状の長手方向が所定の方向(q)に沿って配列した複数の凹部」に該当し、一つの「凹部群(α1)」に属するものである。
また、複数の凸部172は、上述の「それぞれの平面視した際の形状の長手方向が所定の方向(q)に沿って配列した複数の凸部」に該当し、一つの「凸部群(α2)」に属するものである。
ここで、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、エンボス基材の凹凸表面に存在する複数の凹部から構成された凹部群(α1)は、下記要件(1−1)を満たすことが好ましく、下記要件(1−2)を満たすことがより好ましい。
・要件(1−1):凹凸表面を平面視した際に、当該凹凸表面に存在する凹部の総面積100%に対する面積率が60%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上)となる複数の凹部から構成された凹部群(α1)が1群存在する。
・要件(1−2):凹凸表面に、凹部群(α1)が1群のみ存在する。
要件(1−1)で規定するように、多数の凹部から構成された巨大な凹部群(α1)が存在することで、粘着シートの異方粘着性をより発現し易く、要件(I)を満たす粘着シートとし易い。
なお、要件(1−2)の規定は、「凹凸表面に存在する全ての凹部から構成された凹部群(α1)が存在すること」、言い換えると、「要件(1−1)で規定する凹部群(α1)を構成する複数の凹部の面積率が、前記凹凸表面に存在する凹部の総面積に対して、100%である」ことを意味する。
また、上記と同様の観点から、凹部群(α1)が、下記要件(1−3)を満たすことも好ましい。
・要件(1−3):凹凸表面に存在する凹部群(α1)を構成する複数の凹部が、凹凸表面の端部と交差している。
要件(1−3)で規定の凹凸表面の端部とは、エンボス基材を平面視した際の凹凸表面の外辺部を指す。例えば、図8のエンボス基材101Bにおいては、凹凸表面111bを構成する長方形の4辺を指し、図9のエンボス基材102Bにおいては、凹凸表面112bを構成する長方形の4辺を指す。
なお、図8に示すエンボス基材101Bにおいて、凹凸表面111bに存在する複数の凹部161は、いずれも、平面視した際の凹凸表面111bを構成する長方形の縦の2辺(凹凸表面の端部)と交差している。
そのため、図8に示すエンボス基材101Bは、要件(1−3)を満たすものである。
また、同様に、図9に示すエンボス基材102Bも、要件(1−3)を満たすものである。
また、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、エンボス基材の凹凸表面に存在する複数の凸部から構成された凸部群(α2)は、下記要件(2−1)を満たすことが好ましく、下記要件(2−2)を満たすことがより好ましい。
・要件(2−1):凹凸表面を平面視した際に、当該凹凸表面に存在する凸部の総面積100%に対する面積率が60%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上)となる複数の凸部から構成された凸部群(α2)が1群存在する。
・要件(2−2):凹凸表面に、凸部群(α2)が1群のみ存在する。
要件(2−1)で規定するように、多数の凸部から構成された巨大な凸部群(α2)が存在することで、粘着シートの異方粘着性をより発現し易く、要件(I)を満たす粘着シートとし易い。
なお、要件(2−2)の規定は、「凹凸表面に存在する全ての凸部から構成された凸部群(α2)が存在すること」、言い換えると、「要件(2−1)で規定する凸部群(α2)を構成する複数の凸部の面積率が、前記凹凸表面に存在する凸部の総面積に対して、100%である」ことを意味する。
本発明の一態様で用いるエンボス基材において、凹凸表面に凹部が複数存在する場合、複数の凹部の幅は、略同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
前記複数の凹部の幅が略同一である場合、当該複数の凹部の幅の平均としては、好ましくは5〜2000μm、より好ましくは20〜1500μm、更に好ましくは50〜1000μm、より更に好ましくは100〜800μmである。
本発明の一態様で用いるエンボス基材において、凹凸表面に凸部が複数存在する場合、複数の凸部の幅は、略同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
前記複数の凸部の幅が略同一である場合、当該複数の凸部の幅の平均としては、好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜400μm、更に好ましくは10〜300μm、より更に好ましくは20〜200μmである。
本発明の一態様で用いるエンボス基材に存在する、前記凹部の幅の平均と、前記凸部の幅の平均との比〔凹部/凸部〕としては、好ましくは1/20〜20/1、より好ましくは1/15〜15/1、更に好ましくは1/10〜10/1である。
また、本発明の一態様で用いるエンボス基材において、隣り合う一組の凹部と凸部の幅の合計の平均としては、好ましくは10〜2000μm、より好ましくは50〜1500μm、更に好ましくは100〜1000μmである。
なお、「凹部の幅」及び「凸部の幅」とは、図8に示す凹部161及び凸部171のように、平面視した際の凹部及び凸部の形状が、2つの互いに略平行な直線(エッジ)から形成されている場合、この2つの略平行な直線の距離を指す。
つまり、図8に示す凹部161の幅は「d1」であり、凸部171の幅は「d2」に該当する。
また、図9に示す凸部172のように、凹部及び凸部の形状が曲線であり、凹部又は凸部の幅が略同一である場合、平面視した際の凹部又は凸部の形状を構成するエッジ上の任意の点(t)における接線方向に対して垂線を別のエッジとの交点(t)まで引いた際の、点(t)から点(t)までの距離を指す。
つまり、図9に示す凸部172の幅は「d2」となる。
なお、図9に示す凹部162は、幅が一様ではなく、特定はできない。
<粘着剤層>
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限は無く、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤等が挙げられる。
これらの粘着剤は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
また、当該粘着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに粘着剤用添加剤を含有してもよい。
このような粘着剤用添加剤としては、用途に応じて適宜選択されるが、例えば、架橋剤、粘着付与樹脂、軟化剤(可塑剤)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防錆剤、顔料、染料等が挙げられる。
当該粘着剤は、形成される粘着剤層の粘着力を向上させる観点から、架橋剤を含有してもよい。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。
また、当該粘着剤は、使用する粘着性樹脂の種類に応じて、形成される粘着剤層の粘着力を向上させる観点から、粘着付与樹脂を含有してもよい。
粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油ナフサの熱分解で生成するペンテン、イソプレン、ピペリン、1.3−ペンタジエン等のC5留分を共重合して得られるC5系石油樹脂、石油ナフサの熱分解で生成するインデン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等のC9留分を共重合して得られるC9系石油樹脂、及びこれらの水素化樹脂等が挙げられる。
本発明の一態様の粘着シートにおいて、粘着剤層の厚さは、好ましくは20〜1000μmであるが、上述のとおり、使用する基材の種類に応じて適宜調整することが好ましい。
<剥離材>
本発明で用いる剥離材としては、両面剥離処理をされた剥離シートや、片面剥離処理された剥離シート等が用いられ、剥離材用基材の表面上に剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
剥離材用基材としては、例えば、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、又はポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。
剥離剤に含まれる剥離性成分としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
剥離材の厚さは、特に制限ないが、好ましくは10〜200μm、より好ましくは25〜170μm、更に好ましくは35〜80μmである。
<粘着シートの製造方法>
本発明の一態様の粘着シートの製造方法としては、使用する基材の種類に応じて、適宜選択することが好ましい。
例えば、図1(b)に示す粘着シート1bの製造方法としては、下記方向(i)又は(ii)が挙げられる。
・方法(i):基材の凹凸表面上に、粘着剤層の形成材料である粘着剤を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させて粘着剤層を形成した後、当該粘着剤層上に剥離材を積層する。
・方法(ii):剥離材の剥離処理面上に、粘着剤層の形成材料である粘着剤を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させて粘着剤層を形成した後、当該粘着剤層上に基材を積層する。
使用する粘着剤は、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の有機溶媒や水を配合して、粘着剤の溶液の形態として、基材の凹凸表面上もしくは剥離材の剥離処理面上に、公知の塗布方法により、塗布し塗膜を形成することが好ましい。
粘着剤の溶液の有効成分(固形分)濃度としては、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは45〜65質量%である。
粘着剤の溶液の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
なお、形成される粘着剤層中に溶媒や低沸点成分が残留することを防ぐために、形成した塗膜に対して、乾燥処理をし、溶媒や低沸点成分を除去することが好ましい。
なお、繊維基材を用いた粘着シートを製造する方法としては、要件(I)を満たす粘着シートとする観点から、上記(i)の方法が好ましい。
繊維基材を用いる場合、上述のとおり、粘着剤層を形成する前に、繊維基材の凹凸表面に存在する複数の繊維を、ブラシや刷毛を用いて、所定の一方向(x)に沿って、ブラッシングすることが好ましい。
また、繊維基材の凹凸表面上に、粘着剤層の形成材料である粘着剤を所定の一方向(x)に沿って塗布して形成して粘着剤層を形成することが好ましい。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
基材に関する各種物性値の測定方法は以下のとおりである。
<繊維基材の支持体部の厚さ、エンボス基材の厚さ、粘着剤層の厚さ>
JIS K7130に準拠して、定圧厚さ測定器(株式会社テクロック製、製品名「PG−02」)を用いて測定した。
なお、基材として繊維基材を用いた粘着シートの粘着剤層の厚さについては、上記の方法で測定した、粘着シートの厚さ(基材の支持体部と粘着剤層との合計厚さ)と、基材の支持体部の厚さとの差分を、対象となる粘着剤層の厚さとした。
<繊維基材の表面(α)に存在する繊維の平均長さ、平均太さ、平均アスペクト比>
走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、製品名「S−4700」)を用いて、粘着剤を塗布する前の各繊維基材の表面(α)に存在する複数の繊維のうち、無作為に抽出した10本の繊維を観察して、それぞれの「長さ」、「太さ」、「アスペクト比(=長さ/太さ)」を測定した。
そして、10本の繊維の長さ、太さ、及びアスペクト値のそれぞれの平均値を、対象となる複数の繊維の「平均長さ」、「平均太さ」及び「平均アスペクト比」とした。
<繊維基材の表面(α)に存在する繊維の密度>
デジタル顕微鏡(キーエンス社製、製品名「デジタルマイクロスコープVHX−5000」、高解像度ズームレンズVHX−ZST100倍)を用いて、粘着剤を塗布する前の各繊維基材の表面(α)の任意に選択した一辺4mmの正方形で囲まれた領域を、上記デジタル顕微鏡を観察し、深度合成機能によって当該領域のデジタル画像を取得した。
そして、取得したデジタル画像から、領域内に存在する繊維の本数を計数した。
当該領域は5領域選択して、各領域内に確認された繊維の本数の平均値を、対象となる基材の繊維の密度(単位:本/mm)とした。
<繊維基材を用いた場合の粘着剤層の内部にて存在している複数の繊維の観察>
粘着剤層の被着体に貼付する貼付表面から任意に選択した一辺4mmの正方形で囲まれた領域を、デジタル顕微鏡(キーエンス社製、製品名「デジタルマイクロスコープVHX−5000」、高解像度ズームレンズVHX−ZST100倍)を用いて観察した。
<繊維の固定端部と最遠部との直線距離、繊維の平均高さ>
一方向(p)に沿って配向している繊維の存在が確認された場合には、貼付表面の一方向(p)に沿った任意の位置において、当該貼付表面に対して垂直に切断した粘着シートの断面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、製品名「S−4700」)を用いて観察した際の画像を取得した。
そして、取得した画像から、確認できる無作為に抽出した10本の繊維について、「固定端部と最遠部との直線距離」及び「繊維の高さ」を測定し、その平均値を算出した。
実施例1
繊維基材として、以下に示す起毛基材を使用した。
(起毛基材の詳細)
・起毛処理が施され、複数の起毛繊維(ポリエステル繊維)が存在する表面(α)を有するポリエステル布(84dtx/48f)。
・ポリエステル布の厚さ(起毛基材の支持体部の厚さ)=650μm。
・起毛繊維の平均アスペクト比=42、起毛繊維の平均長さ=588μm、起毛繊維の平均太さ=14μm。
・起毛繊維の密度=185本/mm
上記起毛基材の複数の起毛繊維が存在する表面(α)上に、アプリケータ―を用いて、アクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「PAT1」)を、50%以上の起毛繊維が傾斜している一方向(p)(作製する粘着シートの横方向)に沿って塗布し、乾燥して、厚さ190μmの粘着剤層を形成した。
なお、形成した粘着剤層の表出している表面を平面視した際に、起毛基材の表面(α)に存在する複数の起毛繊維のうちの90%以上は、一方向(p)に沿って配向している繊維に該当することが確認された。
また、一方向(p)に沿った任意の位置において、貼付表面に対して垂直に切断した粘着シートの断面を観察した際に、確認された繊維の各種測定値は以下のとおりである。
・繊維の固定端部と最遠部との直線距離の平均値=380μm
・繊維の固定端部と最遠部との直線距離の平均値と粘着剤層の厚さとの比〔直線距離の平均値/粘着剤層の厚さ〕=2.0
・表面(α)を基準とした繊維の平均高さ=185μm
・繊維の平均高さ/粘着剤層の厚さの比=0.97
・粘着剤層の厚さに対する、表面(α)を基準とした際の繊維の高さの比が0.5以上である繊維の割合=表面(α)に存在する繊維の総数(100%)に対して、90%以上。
そして、形成した粘着剤層の表出している表面と、剥離シート(リンテック株式会社製、商品名「SP−PET381031」)の剥離処理面とを貼着して、粘着シート(a)を作製した。
実施例2
繊維基材として、以下に示す植毛基材を使用した。
(植毛基材の詳細)
・支持体部であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の表面上に、植毛処理が施され、レーヨン繊維から構成された複数の植毛繊維が存在する表面(α)を有する植毛基材。
・PETフィルムの厚さ(植毛基材の支持体部の厚さ)=75μm。
・植毛繊維の平均アスペクト比=21.4、植毛基材の平均長さ=300μm、植毛基材の平均太さ=14μm。
・植毛繊維の密度=728本/mm
上記植毛基材の複数の植毛繊維が存在する表面(α)上に、アプリケータ―を用いて、アクリル系エマルション型粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「PC−N」)を、50%以上の植毛繊維が傾斜している一方向(p)(作製する粘着シートの横方向)に沿って塗布し、乾燥して、厚さ60μmの粘着剤層を形成した。
なお、形成した粘着剤層の表出している表面を平面視した際に、植毛基材の表面(α)に存在する複数の植毛繊維のうちの90%以上は、一方向(p)に沿って配向している繊維に該当することが確認された。
また、一方向(p)に沿った任意の位置において、貼付表面に対して垂直に切断した粘着シートの断面を観察した際に、確認された繊維の各種測定値は以下のとおりである。
・繊維の固定端部と最遠部との直線距離の平均値=280μm
・繊維の固定端部と最遠部との直線距離の平均値と粘着剤層の厚さとの比〔直線距離の平均値/粘着剤層の厚さ〕=4.7
・表面(α)を基準とした繊維の平均高さ=58μm
・繊維の平均高さ/粘着剤層の厚さの比=0.97
・粘着剤層の厚さに対する表面(α)を基準とした際の繊維の高さの比が0.5以上である繊維の割合=表面(α)に存在する繊維の総数(100%)に対して、90%以上。
そして、形成した粘着剤層の表出している表面と、剥離シート(リンテック株式会社製、商品名「SP−PET381031」)の剥離処理面とを貼着して、粘着シート(b)を作製した。
実施例3〜4
実施例3では、図8に示すエンボス基材101Bと同様に、複数の凹部及び複数の凸部が存在する凹凸表面を有するエンボス基材(1)を用いた。
また、実施例4では、図9に示すエンボス基材102Bと同様に、複数の凹部及び複数の凸部が存在する凹凸表面を有するエンボス基材(2)を用いた。
なお、エンボス基材(1)及び(2)共に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをエンボス処理して得られたものである。
エンボス基材(1)及び(2)の詳細は、下記表1に記載のとおりである。
表1のエンボス基材(1)及び(2)の凹凸表面に、それぞれ、アクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「PK」)を流れ方向(作製する異方粘着性シートの横方向)に塗布し、乾燥して、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。
そして、形成した粘着剤層の表出している表面と、剥離シート(リンテック株式会社製、商品名「SP−PET381031」)の剥離処理面を重ね合せ、十分に圧着し、粘着シート(c)及び(d)をそれぞれ作製した。
比較例1
基材として、平坦な表面を有する、厚さ50μmのPETフィルム(東レ株式会社製、商品名「ルミラーT60」)である平坦基材を使用した。
上記の平坦基材の凹凸が無く、平坦な表面上に、粘着剤として、アクリル系粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「PAT1」)を用いて、一方向(p)(作製する粘着シートの横方向)に塗布し、乾燥して、厚さ60μmの粘着剤層を形成した。
そして、形成した粘着剤層の表出している表面と、剥離シート(リンテック株式会社製、商品名「SP−PET381031」)の剥離処理面とを貼着して、粘着シート(e)を作製した。
比較例2
粘着剤として、アクリル系エマルション型粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「PC−N」)を用いた以外は、比較例1と同様にして、粘着シート(f)を作製した。
実施例及び比較例で作製した粘着シート(a)〜(f)について、以下の手順で粘着力(Nx)及び(Ny)を測定した。測定した粘着力の結果を表2に示す。
(1)粘着力(Nx)の測定
実施例及び比較例で作製した粘着シート(a)〜(f)を、23℃、50%RH(相対湿度)の雰囲気下で、SUS304(#600研磨面)に、粘着シートの横方向に沿って、2kgゴムローラーを一往復させて貼付し、20分間静置した。
そして、万能型引張試験機(株式会社オリエンテック製、商品名「TENSILON / UTM−4−100」)を用いて、JIS Z0237:2000に準拠し、図6(a)に示すように、剥離角度180°、剥離速度300mm/分にて、表2に記載の方向(x)に沿って被着体から剥離した際の粘着力(Nx)(N/25mm)を測定した。
なお、当該粘着力(Nx)の測定は3回行い、それらの平均値を対象となる粘着シートの「粘着力(Nx)」とし、表2には、その値を記載している。
(2)粘着力(Ny)の測定
実施例及び比較例で作製した粘着シート(a)〜(f)を、23℃、50%RH(相対湿度)の雰囲気下で、SUS304(#600研磨面)に、粘着シートの横方向に沿って、2kgゴムローラーを往復させて貼付し、20分間静置した。
そして、万能型引張試験機(株式会社オリエンテック製、商品名「TENSILON / UTM−4−100」)を用いて、JIS Z0237:2000に準拠し、剥離角度180°、剥離速度300mm/分にて、方向(x)となす角θ°が表2に記載の方向(y)に沿って被着体から剥離した際の粘着力(Ny)(N/25mm)を測定した。
なお、当該粘着力(Ny)の測定は3回行い、それらの平均値を対象となる粘着シートの「粘着力(Ny)」とし、表2には、その値を記載している。
(3)粘着力変化度
上記(1)及び(2)で測定した、粘着力(Nx)及び(Ny)の値に基づき、下記式(F1)から、粘着力(Nx)及び(Ny)の平均値に対する粘着力変化度を算出した。結果を表2に示す。
式(F1):粘着力変化度=|Ny−Nx|/((Ny+Nx)/2)×100
表1より、実施例1〜4で作製した粘着シート(a)〜(d)は、剥離する方向によって、粘着力が異なり、粘着力変化度も10以上であった。
一方、比較例1〜2で作製した粘着シート(e)〜(f)は、粘着シート(a)〜(d)のように、剥離する方向によって粘着力が大きく変化するような現象は見られなかった。
1、1a、1b、1c、2、3a、3b、3c 粘着シート
10 基材
10A 繊維基材
10B、101B、102B エンボス基材
11、11’、11b、111b、112b 凹凸表面
11a 表面(α)
12、12a、12b 繊維
121a、121b 固定端部
122a、122b 端部
123b 最遠部
124b 最頂部
16、16’、161、162 凹部
17、17’、171、172 凸部
20、20’ 粘着剤層
21 貼付表面
26 凹部
27 凸部
30、30’ 剥離材
500 被着体

Claims (6)

  1. 凹凸表面を有する基材と、当該基材の凹凸表面上に直接積層した粘着剤層とを有し、下記要件(I)を満たす、粘着シート。
    要件(I):前記粘着シートを被着体に貼付した後、JIS Z0237:2000の準拠して、剥離角度180°にて、任意に選択したx方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Nx)[N/25mm]、y方向に沿って剥離し測定した当該粘着シートの粘着力(Ny)[N/25mm]、x方向とy方向とのなす角をθ(0°<θ≦180°)とした際、下記式(F1)から算出される、粘着力(Nx)及び(Ny)の平均値に対する粘着力変化度が10以上となるθが少なくとも一つ以上存在する。
    式(F1):粘着力変化度=|Nx−Ny|/((Nx+Ny)/2)×100
  2. 前記基材が、複数の繊維が存在する凹凸表面を有する繊維基材である、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記繊維基材が、繊維状物から構成され、起毛繊維が存在する凹凸表面を有する起毛基材、もしくは、植毛繊維が存在する凹凸表面を有する植毛基材である、請求項2に記載の粘着シート。
  4. 前記粘着剤層の厚さに対する、前記繊維基材を構成する繊維が固定された固定端部を含む表面である表面(α)を基準とした際の繊維の平均高さの比〔繊維の平均高さ/粘着剤層の厚さ〕が、0.4〜0.99である、請求項2又は3に記載の粘着シート。
  5. 前記基材が、凹部及び凸部が存在する凹凸表面を有するエンボス基材である、請求項1に記載の粘着シート。
  6. 前記エンボス基材を厚さ方向で切断した断面において、前記凹凸表面に存在する前記凹部と前記凸部との平均高低差(H1)が、5〜200μmである、請求項5に記載の粘着シート。
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