JP3102481B1 - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置

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JP3102481B1
JP3102481B1 JP13489899A JP13489899A JP3102481B1 JP 3102481 B1 JP3102481 B1 JP 3102481B1 JP 13489899 A JP13489899 A JP 13489899A JP 13489899 A JP13489899 A JP 13489899A JP 3102481 B1 JP3102481 B1 JP 3102481B1
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豊 古畑
真理 酒井
佳直 宮田
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Abstract

【要約】 【課題】 圧電体層の絶縁破壊を防止すると共に、振動
板の初期撓み量を低減したインクジェット式記録ヘッド
及びインクジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通する圧力発生室12
と、この圧力発生室12に対応する領域に絶縁層55を
介して設けられた下電極60、該下電極60上に設けら
れた圧電体層70及び該圧電体層70上に設けられた上
電極80からなる圧電素子300とを備えるインクジェ
ット式記録ヘッドにおいて、前記圧力発生室12に対向
する前記下電極60の少なくとも幅方向両端部が当該圧
力発生室12に対向する領域内に位置し且つ前記圧電体
層70が前記下電極60の幅方向両端の側面を覆ってい
ることにより、圧電体層の絶縁耐圧が向上すると共に振
動板の初期撓み量が低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部に振動板を介
して圧電素子を形成して、圧電素子の変位によりインク
滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインク
ジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子が軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た薄膜技術およびリソグラフィ法による製造方法では、
薄膜のパターニング後に圧力発生室を形成するが、その
際、上電極及び圧電体層の内部応力緩和の影響により、
振動板が圧力発生室側に撓んでしまい、この撓みが弾性
膜の初期変形として残留してしまうという問題がある。
【0008】また、このように薄膜技術及びリソグラフ
ィ法により製造した圧電素子で、下電極の腕部をパター
ニングして除去した構造では、圧電体層が薄いため、下
電極の幅方向両端の側面で絶縁耐圧が低く、絶縁破壊が
生じるという問題がある。
【0009】本発明はこのような事情に鑑み、圧電体層
の絶縁破壊を防止すると共に、振動板の初期撓み量を低
減したインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット
式記録装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室
と、この圧力発生室に対応する領域に絶縁層を介して設
けられた下電極、該下電極上に設けられた圧電体層及び
該圧電体層上に設けられた上電極からなる圧電素子とを
備えるインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記圧力
発生室に対向する前記下電極の少なくとも幅方向両端部
が当該圧力発生室に対向する領域内に位置すると共に前
記圧電体層が前記下電極の幅方向両端の側面を覆い且つ
当該圧電体層は結晶が優先配向していることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0011】かかる第1の態様では、圧力発生室内にパ
ターニングした下電極の幅方向両端の側面が圧電体層で
覆われているので、沿面での絶縁耐圧が向上し、且つ絶
縁層と圧電体層とが密着されているため、振動板の初期
撓み量が低減される。また、圧電体層が薄膜工程で成膜
された結果、結晶が優先配向している。
【0012】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記圧電体層は、結晶が柱状となっていることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0013】かかる第2の態様では、圧電体層が薄膜工
程で成膜された結果、結晶が柱状となっている。
【0014】本発明の第3の態様は、ノズル開口に連通
する圧力発生室と、この圧力発生室に対応する領域に絶
縁層を介して設けられた下電極、該下電極上に設けられ
た圧電体層及び該圧電体層上に設けられた上電極からな
る圧電素子とを備えるインクジェット式記録ヘッドにお
いて、前記圧力発生室に対向する前記下電極の少なくと
も幅方向両端部が当該圧力発生室に対向する領域内に位
置すると共に前記圧電体層が前記下電極の幅方向両端の
側面を覆い且つ当該圧電体層の幅方向両端が前記圧力発
生室内に位置することを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドにある。
【0015】かかる第3の態様では、圧力発生室内にパ
ターニングした下電極の幅方向両端の側面が圧電体層で
覆われているので、沿面での絶縁耐圧が向上し、且つ絶
縁層と圧電体層とが密着されているため、振動板の初期
撓み量が低減される。また、圧電体層の幅方向両端部が
圧力発生室内に位置するため、圧力発生室の幅方向両側
に対応する領域の膜厚が薄くなるため、振動板の変位量
が向上する。
【0016】本発明の第4の態様は、ノズル開口に連通
する圧力発生室と、この圧力発生室に対応する領域に絶
縁層を介して設けられた下電極、該下電極上に設けられ
た圧電体層及び該圧電体層上に設けられた上電極からな
る圧電素子とを備えるインクジェット式記録ヘッドにお
いて、前記圧力発生室に対向する前記下電極の少なくと
も幅方向両端部が当該圧力発生室に対向する領域内に位
置すると共に前記圧電体層が前記下電極の幅方向両端の
側面を覆い、前記圧電体層及び前記上電極が一括でパタ
ーニングされていることを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドにある。
【0017】かかる第4の態様では、圧力発生室内にパ
ターニングした下電極の幅方向両端の側面が圧電体層で
覆われているので、沿面での絶縁耐圧が向上し、且つ絶
縁層と圧電体層とが密着されているため、振動板の初期
撓み量が低減される。また、圧電体層及び上電極を一括
でパターニングすることにより、比較的容易に圧電素子
を形成することができ、製造工程が簡略化される。
【0018】本発明の第5の態様は、第3又は4の態様
において、前記圧電体層の厚さ方向の一部が、前記圧力
発生室の領域外まで延設されていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
【0019】かかる第5の態様では、腕部上には、圧電
体層の端部が存在しないため、初期不良が回避されると
共に耐久性が向上する。
【0020】本発明の第6の態様は、第3〜5の何れか
の態様において、前記圧電体層は、結晶が優先配向して
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0021】かかる第6の態様では、圧電体層が薄膜工
程で成膜された結果、結晶が優先配向している。
【0022】本発明の第7の態様は、第6の態様におい
て、前記圧電体層は、結晶が柱状となっていることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0023】かかる第7の態様では、圧電体層が薄膜工
程で成膜された結果、結晶が柱状ととなっている。
【0024】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記絶縁層は、前記下電極が形成され
ている下側の領域が他の領域よりも厚いことを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0025】かかる第8の態様では、圧電体層が圧電素
子の駆動による曲げの中立軸から離れた位置にあるの
で、変位効率が向上する。
【0026】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れか
の態様において、前記絶縁層の厚さ方向最上部は前記圧
電体層と密着性の良好な材料からなる密着性絶縁層から
なり、当該密着性絶縁層と前記下電極の幅方向両端の側
面を覆う前記圧電体層とが密着していることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0027】かかる第9の態様では、圧力発生室に対向
する領域の下電極が圧電体層で完全に覆われ、沿面での
絶縁耐圧がさらに向上する。
【0028】本発明の第10の態様は、第9の態様にお
いて、前記密着性絶縁層の材料は、前記圧電体層の構成
元素から選択される少なくとも一種の元素の酸化物又は
窒化物であることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
【0029】かかる第10の態様では、絶縁層と圧電体
層の密着性が向上する。
【0030】本発明の第11の態様は、第10の態様に
おいて、前記密着性絶縁層が酸化ジルコニウムからなる
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0031】かかる第11の態様では、絶縁層の剛性が
向上し、耐久性が向上する。
【0032】本発明の第12の態様は、第9〜11の何
れかの態様において、前記絶縁層が前記密着性絶縁層か
らなることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
【0033】かかる第12の態様では、絶縁層を容易に
形成され、製造工程が簡素化される。
【0034】本発明の第13の態様は、第12の態様に
おいて、前記絶縁層がシリコン単結晶基板上に直接形成
されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ドにある。
【0035】かかる第13の態様では、酸化ジルコニウ
ム膜は単独でも、十分な耐久性を示す。
【0036】本発明の第14の態様は、第12の態様に
おいて、前記絶縁層が前記シリコン単結晶基板上に形成
された二酸化シリコン膜上に形成され且つ当該二酸化シ
リコン膜の前記圧力発生室に対応する部分が除去されて
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0037】かかる第14の態様では、アクチュエータ
の変位効率を向上することができる。
【0038】本発明の第15の態様は、第9〜14の何
れかの態様において、前記圧電体層がPZTからなり、
前記密着性絶縁層が酸化ジルコニウムからなることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0039】かかる第15の態様では、圧電体層と絶縁
層との密着性が向上される。
【0040】本発明の第16の態様は、第1〜15の何
れかの態様において、前記上電極の幅WTEは、前記下電
極の幅WBE及び前記圧電体層の厚みTとの関係が、 (WBE−5T)<WTE<(WBE+5T) であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
【0041】かかる第16の態様では、上電極及び下電
極に挟まれる圧電体層が有効に駆動される。
【0042】本発明の第17の態様は、第1〜16の何
れかの態様において、前記圧力発生室の長手方向一端部
に前記下電極の端部があり、且つ前記圧電体層及び前記
上電極はその外側まで延設され、当該下電極の端部が前
記圧電素子の実質的な駆動部となる圧電体能動部の一端
部となっていることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドにある。
【0043】かかる第17の態様では、圧電体能動部の
駆動を妨げることがなく、圧電体層の絶縁破壊が防止さ
れる。
【0044】本発明の第18の態様は、第17の態様に
おいて、前記圧電体能動部の端部が前記圧力発生室の周
壁より内側に位置することを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドにある。
【0045】かかる第18の態様では、圧電体能動部の
駆動を妨げることがなく、圧電体層の絶縁破壊が防止さ
れる。
【0046】本発明の第19の態様は、第1〜16の何
れかの態様において、前記圧力発生室の長手方向一端部
に前記下電極の端部があり、且つ当該下電極の端部より
も内側に前記上電極の端部があり、前記圧電体層がその
外側まで延設され、当該上電極の端部が前記圧電体層の
実質的な駆動部となる圧電体能動部の一端部となってい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0047】かかる第19の態様では、圧電体能動部の
端部と下電極の端部との距離を離すことができ、圧電体
能動部の長手方向端部での電界集中による絶縁破壊が防
止される。
【0048】本発明の第20の態様は、第17〜19の
何れかの態様において、前記圧力発生室の端部と周壁と
の境界部分に対向する領域には、前記下電極とは不連続
の不連続下電極膜が設けられていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
【0049】かかる第20の態様では、圧電体層及び上
電極が圧力発生室外の領域に引き出される部分の振動板
の剛性が高く保持され、この部分での振動板及び圧電体
層の破壊が防止される。
【0050】本発明の第21の態様は、第20の態様に
おいて、前記不連続下電極とは不連続に設けられ且つ一
端が外部配線に接続される配線用下電極が前記各圧電素
子毎に設けられていることを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドにある。
【0051】かかる第21の態様では、圧電体能動部か
ら配線を容易且つ効率よく引き出すことができる。
【0052】本発明の第22の態様は、第17〜20の
何れかの態様において、前記下電極は、前記圧電体能動
部の他端部から前記圧力発生室の周壁上まで延設されて
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0053】かかる第22の態様では、各圧電素子の配
線を容易に行うことができる。
【0054】本発明の第23の態様は、第22の態様に
おいて、前記下電極は、前記圧力発生室の一端部近傍に
対向する領域に少なくとも前記圧力発生室より幅の広い
幅広部を有し、当該幅広部が前記圧力発生室の長手方向
端部から周壁上まで延設されていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
【0055】かかる第23の態様では、圧力発生室の端
部近傍の振動板の剛性が増加され、耐久性が向上する。
【0056】本発明の第24の態様は、第1〜23の何
れかの態様において、前記上電極若しくはその上に接続
されたリード電極及び前記圧電体層が、前記圧力発生室
に対向する領域の長手方向からその外側へ延設されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0057】かかる第24の態様では、圧力発生室の周
壁に対向する領域に、上電極と外部配線との接続部を容
易に形成できる。
【0058】本発明の第25の態様は、第24の態様に
おいて、前記下電極の周壁上までの延設方向と前記上電
極若しくはその上に接続されたリード電極及び前記圧電
体層の周壁上までの延設方向とが異なることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0059】かかる第25の態様では、電圧印加により
駆動する圧電体能動部が、圧力発生室に対向する領域内
に存在し、また、層間絶縁膜及びコンタクトホールを必
要とすることなく、配線を容易に引き出すことができ
る。
【0060】本発明の第26の態様は、第24の態様に
おいて、前記下電極の周壁上までの延設方向と前記上電
極若しくはその上に接続されたリード電極及び前記圧電
体層の周壁上までの延設方向とが同方向であることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0061】かかる第26の態様では、層間絶縁膜及び
コンタクトホールを必要とすることなく、配線を容易に
引き出すことができる。
【0062】本発明の第27の態様は、第25又は26
の態様において、前記下電極又は前記上電極の何れか一
方が共通電極となっていることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドにある。
【0063】かかる第27の態様では、各圧電素子の配
線を容易に行うことができる。
【0064】本発明の第28の態様は、第1〜22の何
れかの態様において、前記下電極は、前記圧力発生室に
対向する領域の長手方向の少なくとも一端部近傍から幅
方向外側へ延設されて共通電極となっていることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0065】かかる第28の態様では、層間絶縁膜及び
コンタクトホールを必要とすることなく、配線を容易に
引き出すことができる。
【0066】本発明の第29の態様は、第1〜3の何れ
かの態様において、前記圧電体層の長手方向両端部は、
前記圧力発生室に対向する領域内にパターニングされ、
前記上電極は前記圧力発生室の幅方向に横断して連続的
に形成されて共通電極となっていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
【0067】かかる第29の態様では、層間絶縁膜及び
コンタクトホールを必要とすることなく、配線を容易に
引き出すことができる。
【0068】本発明の第30の態様は、第1〜28の何
れかの態様において、前記圧力発生室の幅方向両側の隔
壁上には前記下電極と同一の層によって構成される残留
部が設けられていることを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドにある。
【0069】かかる第30の態様では、下電極を除去す
る面積が小さくなるため、圧電体層をパターニングされ
た下電極上に略均一な膜厚で形成される。
【0070】本発明の第31の態様は、第30の態様に
おいて、前記圧電体能動部の一端部の外側には、前記下
電極とは不連続の不連続下電極が設けられ、前記残留部
が当該不連続下電極から連続的に延設されていることを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0071】かかる第31の態様では、圧電素子を構成
する下電極と残留部との間隔を狭くすることができ、圧
電体層がより確実に均一な膜厚で形成される。
【0072】本発明の第32の態様は、第30の態様に
おいて、前記残留部が前記圧電素子を構成する前記下電
極と連続的に設けられていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
【0073】かかる第32の態様では、圧電素子を構成
する下電極と残留部との間隔を比較的狭くすることがで
き、圧電体層が均一な膜厚で形成される。
【0074】本発明の第33の態様は、第30〜32の
何れかの態様において、前記下電極の幅方向端面と前記
残留部の幅方向端面との間隔が、前記圧電体層の厚さよ
りも広く且つ前記下電極の幅よりも狭いことを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0075】かかる第33の態様では、圧電体層の幅方
向の膜厚が略均一となり、圧電特性を低下させることが
ない。
【0076】本発明の第34の態様は、第30〜33の
何れかの態様において、前記下電極が周壁上まで延設さ
れる前記圧力発生室の端部近傍に前記圧電体層の長手方
向端部が存在し、当該端部から外側に延設された前記下
電極が幅広となるまでの距離が、前記圧電体層の厚さよ
りも広く且つ前記下電極の幅よりも狭いことを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0077】かかる第34の態様では、圧力発生室の長
手方向端部近傍の圧電体層の膜厚が均一となり、圧電体
層をパターニングしてもその下側の下電極が薄くなるこ
とがない。
【0078】本発明の第35の態様は、第30〜34の
何れかの態様において、前記残留部の幅が、隣接する圧
力発生室間の隔壁の幅の50%以上であることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドにある。
【0079】かかる第35の態様では、残留部を所定幅
で形成することにより、圧電体層の膜厚が、より確実に
均一な膜厚で形成される。
【0080】本発明の第36の態様は、第30〜35の
何れかの態様において、前記下電極及び前記残留部が、
並設された複数の前記圧力発生室及びその幅方向両側の
隔壁に対応する領域の50%以上の幅の領域に形成され
ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
【0081】かかる第36の態様では、下電極及び残留
部を所定の大きさとすることにより、圧電体層の膜厚が
確実に均一となる。
【0082】本発明の第37の態様は、第30〜34の
何れかの態様において、前記下電極及び前記残留部が、
前記流路形成基板の全面積の50%以上の領域に形成さ
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
【0083】かかる第37の態様では、下電極及び残留
部を所定の大きさとすることにより、圧電体層の膜厚が
確実に均一となる。
【0084】本発明の第38の態様は、第1〜37の何
れかの態様において、前記圧電体層の結晶組織が前記下
電極上と前記絶縁層上とで略同一であることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0085】かかる第38の態様では、絶縁層上に形成
される圧電体層の結晶状態が下電極上に形成される圧電
体層と同一の結晶状態となるため、クラックが発生せ
ず、パターン境界で異常な応力も発生しない。
【0086】本発明の第39の態様は、第38の態様に
おいて、前記絶縁層の表面に前記圧電体層の結晶の核と
なる結晶種が形成されていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
【0087】かかる第39の態様では、結晶種により圧
電体層の結晶構造が一方向に配向して略一様に形成さ
れ、クラック等の発生が防止される。
【0088】本発明の第40の態様は、第39の態様に
おいて、前記結晶種が島状に形成されていることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0089】かかる第40の態様では、島状の結晶種か
ら圧電体層の結晶が成長する。
【0090】本発明の第41の態様は、第17〜40
何れかの態様において、前記下電極の端部の外側には、
第2の絶縁層が設けられていることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドにある。
【0091】かかる第41の態様では、下電極の端部近
傍の圧電体層の膜厚が薄くなることがなく、圧電体層の
電界集中による絶縁破壊が防止される。
【0092】本発明の第42の態様は、第41の態様に
おいて、前記第2の絶縁層が前記下電極と略同一の膜厚
を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
【0093】かかる第42の態様では、下電極と第2の
絶縁層との段差が小さく、これらの上に膜厚が略均一の
圧電体層を形成することができる。
【0094】本発明の第43の態様は、第41又は42
の態様において、前記第2の絶縁層が前記絶縁層とは異
なる絶縁材料からなることを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドにある。
【0095】かかる第43の態様では、第2の絶縁層
は、絶縁材料の種類を問わず、機能を発揮する。
【0096】本発明の第44の態様は、第17〜40
何れかの態様において、前記下電極の端部の外側の前記
絶縁層に厚膜部が設けられていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
【0097】かかる第44の態様では、下電極の端部近
傍の圧電体層の膜厚が薄くなることがないため、圧電体
層の電界集中による絶縁破壊を防止できる。
【0098】本発明の第45の態様は、第44の態様に
おいて、前記厚膜部が前記下電極と略同一の膜厚である
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0099】かかる第45の態様では、下電極と厚膜部
との段差が小さく、これらの上に膜厚が略均一の圧電体
層を形成することができる。
【0100】本発明の第46の態様は、第17〜40
何れかの態様において、前記下電極の端部には前記圧電
体能動部の外側に向かって前記下電極の膜厚が漸小する
膜厚漸小部が設けられていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
【0101】かかる第46の態様では、下電極の端部に
膜厚漸小部が設けられているため、下電極の端部近傍に
形成される圧電体層の膜厚が薄くなることがなく、圧電
体能動部の端部近傍での絶縁破壊が防止される。
【0102】本発明の第47の態様は、第46の態様に
おいて、前記膜厚漸小部は、前記下電極の膜厚が連続的
に漸小する傾斜面となっていることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドにある。
【0103】かかる第47の態様では、圧電体層が膜厚
漸小部の傾斜面に沿って形成されて、圧電体能動部の端
部の圧電体層の膜厚が薄くなることがない。
【0104】本発明の第48の態様は、第46の態様に
おいて、前記膜厚漸小部は、前記下電極の膜厚が階段状
に漸小していることを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドにある。
【0105】かかる第48の態様では、圧電体層が膜厚
漸小部の形状に沿って形成されて、他の部分と略同一の
膜厚となる。
【0106】本発明の第49の態様は、第46の態様に
おいて、前記膜厚漸小部は、前記下電極の膜厚が連続的
に漸小する傾斜曲面となっていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
【0107】かかる第49の態様では、圧電体層が膜厚
漸小部の形状に沿って形成されて、他の部分と略同一の
膜厚となる。
【0108】本発明の第50の態様は、第46〜49の
何れかの態様において、前記膜厚漸小部上に形成される
前記圧電体層の膜厚が、他の部分の膜厚よりも厚いこと
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0109】かかる第50の態様では、圧電体能動部の
端部近傍での圧電体層の電界集中がなく、絶縁破壊が防
止される。
【0110】本発明の第51の態様は、第17〜50
何れかの態様において、前記圧電体能動部の一端部とは
反対側の他端部が、前記一端部と同様の構造を有するこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0111】かかる第51の態様では、圧電体能動部の
一端部と同様に、他端部も破壊が防止される。
【0112】本発明の第52の態様は、第17〜50
何れかの態様において、前記圧電体能動部の他端部は、
前記圧電体層及び前記上電極の端部により形成され、こ
の圧電体能動部の端部は、前記圧電体層とは不連続の不
連続圧電体層によって覆われていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
【0113】かかる第の態様52では、圧電体能動部の
端部が不連続圧電体層によって保護され、圧電体層及び
上電極の剥離等が防止される。
【0114】本発明の第53の態様は、第17〜50
何れかの態様において、前記圧電体能動部の他端部は、
前記圧電体層及び前記上電極の端部により形成され、こ
の圧電体能動部の端部は、接着剤によって固定されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0115】かかる第53の態様では、圧電体能動部の
端部が固定され、圧電体層及び上電極の剥離等が防止さ
れる。
【0116】本発明の第54の態様は、第1〜53の何
れかの態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶
基板に異方性エッチングにより形成され、前記下電極、
圧電体層、上電極の各層が成膜及びリソグラフィ法によ
り形成されたものであることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
【0117】かかる第54の態様では、高密度のノズル
開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ
比較的容易に製造することができる。
【0118】本発明の第55の態様は、第1〜54の何
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0119】かかる第55の態様では、ヘッドの駆動効
率が向上され、インク吐出を良好に行うことができるイ
ンクジェット式記録装置を実現することができる。
【0120】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0121】(実施形態1) 図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、平面図及び
その1つの圧力発生室の長手方向における断面構造を示
す図である。
【0122】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
【0123】流路形成基板10の一方の面は開口面とな
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ0.1〜2μmの弾性膜50が形成
されている。
【0124】一方、流路形成基板10の開口面には、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
ノズル開口11、圧力発生室12が形成されている。
【0125】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
【0126】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。なお、弾性膜50は、シ
リコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵さ
れる量がきわめて小さい。
【0127】一方、各圧力発生室12の一端に連通する
各ノズル開口11は、圧力発生室12より幅狭で且つ浅
く形成されている。すなわち、ノズル開口11は、シリ
コン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハー
フエッチング)することにより形成されている。なお、
ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行わ
れる。
【0128】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口11の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口11は数十μmの溝幅で精度よく形成する必要
がある。
【0129】また、各圧力発生室12と後述する共通イ
ンク室31とは、後述する封止板20の各圧力発生室1
2の一端部に対応する位置にそれぞれ形成されたインク
供給連通口21を介して連通されており、インクはこの
インク供給連通口21を介して共通インク室31から供
給され、各圧力発生室12に分配される。
【0130】封止板20は、前述の各圧力発生室12に
対応したインク供給連通口21が穿設された、厚さが例
えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下
で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラ
スセラミックスからなる。なお、インク供給連通口21
は、図3(a),(b)に示すように、各圧力発生室1
2のインク供給側端部の近傍を横断する一つのスリット
孔21Aでも、あるいは複数のスリット孔21Bであっ
てもよい。封止板20は、一方の面で流路形成基板10
の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外
力から保護する補強板の役目も果たす。また、封止板2
0は、他面で共通インク室31の一壁面を構成する。
【0131】共通インク室形成基板30は、共通インク
室31の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、イ
ンク滴吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を
打ち抜いて作製されたものである。本実施形態では、共
通インク室形成基板30の厚さは、0.2mmとしてい
る。
【0132】インク室側板40は、ステンレス基板から
なり、一方の面で共通インク室31の一壁面を構成する
ものである。また、インク室側板40には、他方の面の
一部にハーフエッチングにより凹部40aを形成するこ
とにより薄肉壁41が形成され、さらに、外部からのイ
ンク供給を受けるインク導入口42が打抜き形成されて
いる。なお、薄肉壁41は、インク滴吐出の際に発生す
るノズル開口11と反対側へ向かう圧力を吸収するため
のもので、他の圧力発生室12に、共通インク室31を
経由して不要な正又は負の圧力が加わるのを防止する。
本実施形態では、インク導入口42と外部のインク供給
手段との接続時等に必要な剛性を考慮して、インク室側
板40を0.2mmとし、その一部を厚さ0.02mm
の薄肉壁41としているが、ハーフエッチングによる薄
肉壁41の形成を省略するために、インク室側板40の
厚さを初めから0.02mmとしてもよい。
【0133】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、0.1〜2μ
mの絶縁膜55が形成され、さらに、この絶縁膜55上
には、厚さが例えば、約0.2〜0.5μmの下電極膜
60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜70と、厚
さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述す
るプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成し
ている。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧
電体膜70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般
的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極
とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力発生室12
毎にパターニングして構成する。そして、ここではパタ
ーニングされた何れか一方の電極及び圧電体膜70から
構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じ
る部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、
下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極
膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動
回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れ
の場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形
成されていることになる。また、ここでは、圧電素子3
00と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる弾
性膜とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、
本実施形態では、後述するように、下電極膜60がパタ
ーニングされているため、弾性膜50及び絶縁膜55が
振動板として作用する。
【0134】ここで、シリコン単結晶基板からなる流路
形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセス
を図4を参照しながら説明する。
【0135】図4(a)に示すように、まず、流路形成
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
【0136】次に、図4(b)に示すように、弾性膜5
0上に、絶縁膜55を形成する。この絶縁膜55は、圧
電体膜70との密着性の良好な材料からなる密着性絶縁
膜であることが好ましく、例えば、圧電体膜70の構成
元素から選択される少なくとも一種の元素の酸化物又は
窒化物で形成されることが好ましい。本実施形態では、
弾性膜50上にジルコニウム層を形成後、例えば、50
0〜1200℃の拡散炉で熱酸化して酸化ジルコニウム
からなる絶縁膜55とした。
【0137】次に、図4(c)に示すように、スパッタ
リングで下電極膜60を形成し、圧力発生室12に対応
する領域に、少なくとも幅方向両側の端部が圧力発生室
12に対向する領域内に位置するようにパターニングす
る。この下電極膜60の材料としては、白金等が好適で
ある。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル法で成膜
する後述の圧電体膜70は、成膜後に大気雰囲気下又は
酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度で焼成し
て結晶化させる必要があるからである。すなわち、下電
極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲気下で導
電性を保持できなければならず、殊に、圧電体膜70と
してチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた場合に
は、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ないことが望
ましく、これらの理由から白金が好適である。
【0138】次に、図4(d)に示すように、圧電体膜
70を成膜する。本実施形態では、金属有機物を触媒に
溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、
さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体
膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成し
た。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジルコン酸
鉛(PZT)系の材料がインクジェット式記録ヘッドに
使用する場合には好適である。なお、この圧電体膜70
の成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリン
グ法で形成してもよい。
【0139】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
【0140】何れにしても、このように成膜された圧電
体膜70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体膜70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体膜の厚さは、一般的に0.5〜5μmであ
る。
【0141】次に、図4(e)に示すように、上電極膜
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多
くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態
では、白金をスパッタリングにより成膜している。
【0142】その後、図5に示すように、圧電体膜70
及び上電極膜80を一括してエッチングして全体パター
ン及び圧電体能動部320のパターニングを行う。本実
施形態では、圧電体膜70が少なくとも下電極膜60の
幅方向両端の側面を覆い且つ圧電体膜70の幅方向両端
が圧力発生室12に対向する領域内に位置するようにパ
ターニングされる。
【0143】このように形成した本実施形態のインクジ
ェット式記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図を図
6に示す。
【0144】本実施形態のインクジェット式記録ヘッド
は、図6(a)に示すように、下電極膜60、圧電体膜
70及び上電極膜80からなる圧電素子300が圧力発
生室12に対応する領域に設けられ、圧力発生室12に
対向する領域で且つ周壁に接触しない領域に、圧電体膜
70及び上電極膜80からなる圧電体能動部320が形
成されている。本実施形態では下電極膜60をパターニ
ングしてあるため、従来の圧電体膜形成時に下電極膜が
パターニングされていない構造に比べて、圧力発生室を
形成した後の下電極膜の応力緩和量が少なく、初期撓み
量を低減できる。
【0145】また、圧電体能動部320の一方の電極と
なる下電極膜60は、長手方向一端部から圧力発生室1
2の周壁上に延設され、各圧電素子300から延設され
た下電極膜60と周壁上で連結されて、各圧電素子30
0の共通電極となっており、図示しないが端部近傍で外
部配線と接続されている。
【0146】また、他方側の電極となる上電極膜80
は、圧電体膜70と共に各圧力発生室12の長手方向一
端部、本実施形態では、下電極膜60の延設方向とは反
対側の端部から周壁上に延設され、各圧電体能動部32
0毎に電圧が印加できるように、図示しないが上電極膜
80の端部近傍に外部配線が接続されている。
【0147】このように本実施形態では、下電極膜60
と上電極膜80とが、長手方向端部から反対方向に周壁
上まで延設されているため、層間絶縁膜及びコンタクト
ホールを用いることなく配線を引き出すことができ、変
位効率及び耐久性を向上することができる。
【0148】また、このような下電極膜60は、図6
(b)に示すように、幅方向両端部が圧力発生室12に
対向する領域内に位置するように形成され、下電極膜6
0の幅方向両端部が圧電体膜70により覆われている。
また、この下電極膜60の幅方向両端部を覆う圧電体膜
70と絶縁膜55との接触面は密着するように形成され
ている。
【0149】このように、駆動中に振動される下電極膜
60の両側面は完全に圧電体膜70で覆われているので
絶縁耐圧が向上し、圧電体膜70の絶縁破壊を防止する
ことができる。特に、本実施形態では、圧電体膜70が
薄膜工程で製造されているため膜厚が薄く絶縁耐圧が低
いが、このような構成により絶縁耐圧が著しく向上し、
圧電体膜70の絶縁破壊を確実に防止することができ
る。また、圧電体膜70と絶縁膜55とが完全に密着さ
れているので、振動板の初期撓み量が低減される。
【0150】さらに、上電極膜80は、この圧電体膜7
0の上に、上電極膜80の幅WTEと、下電極膜60の幅
BE及び圧電体膜70の厚みTとの関係が (WBE−5T)<WTE<(WBE+5T) となるように形成されている。このような構成では、上
電極膜80と下電極膜60との間に電圧を印加した際の
電界が圧電体膜70に有効に作用し、圧電体能動部32
0を有効に駆動することができる。
【0151】また、本実施形態では、絶縁膜55を密着
性絶縁膜のみの一層で構成するようにしたが、これに限
定されず、例えば、二層以上の複数層で構成するように
してもよいが、この場合には、最上層を密着性絶縁膜と
することが好ましい。また、勿論、密着性絶縁層を複数
層で構成するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0152】以上説明した一連の膜形成及び異方性エッ
チングによって、一枚のウェハ上に多数のチップを同時
に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチ
ップサイズの流路形成基板10毎に分割する。また、分
割した流路形成基板10を、封止板20、共通インク室
形成基板30、及びインク室側板40と順次接着して一
体化し、インクジェット式記録ヘッドとする。
【0153】このように構成したインクジェットヘッド
は、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導
入口42からインクを取り込み、共通インク室31から
ノズル開口11に至るまで内部をインクで満たした後、
図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、下電
極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜
50、絶縁膜55、下電極膜60及び圧電体膜70をた
わみ変形させることにより、圧力発生室12内の圧力が
高まりノズル開口11からインク滴が吐出する。
【0154】なお、本実施形態では、下電極膜60を圧
力発生室12の長手方向端部から周壁上に延設するよう
にしたが、これに限定されず、例えば、図7に示すよう
に、下電極膜60の圧力発生室12と周壁との境界部分
に対応する領域に、圧力発生室12よりも幅の広い幅広
部60aを設け、圧力発生室12と周壁との境界部に対
応する領域を下電極膜60で覆うようにしてもよい。な
お、本実施形態では、幅広部60aによって隣接する圧
電素子300の下電極膜が連結された構造となってい
る。
【0155】また、本実施形態では、下電極膜60を共
通電極として、上電極膜80及び下電極膜60を長手方
向の逆の端部から延設するようにしたが、これに限定さ
れない。
【0156】例えば、図8(a)に示すように、上電極
膜80を共通電極として、上述の実施形態同様、上電極
膜80と下電極膜60とをそれぞれを長手方向の反対側
の端部から周壁上に延設するようにしてもよい。
【0157】また、例えば、図8(b)に示すように、
共通電極となる、例えば、下電極膜60を圧力発生室1
2の長手方向端部から幅方向外側の周壁上に延設するよ
うにしてもよい。このとき、下電極膜60が圧力発生室
12の端部を横切る位置は、圧力発生室12の長手方向
端部から幅の寸法以内であることが好ましい。これは、
圧電体能動部320の駆動による変形を妨げないためで
ある。なお、このような構成の場合には、上電極膜80
と下電極膜60との間に電圧を印加することにより、圧
力発生室12に対向する領域の上電極膜80と下電極膜
60とに挟まれた領域の圧電体膜70が駆動されること
になる。これらの構成によっても、上述と同様の効果を
得ることができる。また、圧力発生室12に対向する領
域内の圧電体能動部320のみが、実際には駆動される
ため、変位効率を向上することができる。
【0158】また、例えば、図8(c)に示すように、
上電極膜80と下電極膜60とを同一長手方向端部から
周壁上に延設するようにしてもよい。この場合には、圧
力発生室12に対向する領域の圧電体能動部320を構
成する下電極膜60、上電極膜80及び圧電体膜70が
周壁に対向する領域まで連続的に延設されることになる
が、他の点では、上述の実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0159】さらに、例えば、図9に示すように、下電
極膜60を個別電極として、各圧電体能動部320毎に
長手方向一端部から圧力発生室12の周壁上に延設し、
上電極膜80を幅方向に並設された圧電体能動部320
上に連続して形成して、各圧電体能動部320の共通電
極としてもよい。なお、この構成は、圧電体膜70をパ
ターニング後に上電極膜80を成膜し、その後、上電極
膜80のみをパターニングすることにより形成すること
ができる。この構成によっても、上述と同様の効果を得
ることができる。また、上電極膜80を幅方向に並設さ
れた圧電体能動部320に連続して形成することによ
り、圧電体能動部320の幅方向両側のいわゆる振動板
腕部に対向する領域にも形成されることになり、腕部の
強度が向上される。
【0160】(実施形態2) 図10は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッ
ドの要部断面図である。
【0161】本実施形態は、図10に示すように、下電
極膜60が形成されている領域の下側に他の領域よりも
膜厚が厚い絶縁厚膜部55aを形成するようにした以外
は、実施形態1と同様である。このような構成によって
も、実施形態1と同様の効果が得られる。また、圧電体
膜70が、前記圧電素子300の駆動による変位の中立
軸から離れて位置するため、変位効率が向上され、排除
体積を向上することができる。
【0162】ここで、本実施形態の成膜プロセスを図1
1を参照しながら説明する。流路形成基板10上に、弾
性膜50、絶縁膜55及び下電極膜60を形成するプロ
セスは、実施形態1と同様である。この後、図11
(a)に示すように、下電極膜60と絶縁膜55とをエ
ッチングすることによりパターニングする。このとき、
絶縁膜55を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエ
ッチング)する。すなわち、下電極膜60が存在しない
領域の膜厚を薄くして絶縁薄膜部55bとすることによ
り、下電極膜60が存在する領域の下側に他の部分より
も膜厚の厚い絶縁厚膜部55aを形成することができ
る。
【0163】次に、図11(b),(c)に示すよう
に、圧電体膜70及び、上電極膜80を成膜する。
【0164】その後、図11(d)に示すように、圧電
体膜70及び上電極膜80をエッチングして全体パター
ン及び圧電体能動部320のパターニングを行う。な
お、この後の工程は実施形態1と同様である。
【0165】(実施形態3) 図12は、実施形態3に係るインクジェット式記録ヘッ
ドの要部を示す断面図である。
【0166】本実施形態は、図12に示すように、圧力
発生室12に対応する領域に、弾性膜50を除去した弾
性膜除去部350を設け、絶縁膜55及び下電極膜60
で振動板を構成するようにした以外は、実施形態1と同
様である。
【0167】この弾性膜除去部350の形成方法は、特
に限定されず、例えば、圧力発生室12を形成後に、エ
ッチング等により形成すればよい。
【0168】このような構成によっても、実施形態1と
同様の効果が得られる。また、弾性膜除去部350を設
けたことにより、振動板の腕部が絶縁膜55のみで構成
されるため、圧電体能動部320の駆動による振動板の
変位効率が向上され、排除体積を向上することができ
る。
【0169】なお、本実施形態では、弾性膜50に、圧
力発生室12を形成後に弾性膜除去部350を設けるよ
うにしたが、これに限定されず、例えば、最初から弾性
膜50を設けずに、絶縁膜55を流路形成基板10上に
直接形成し、絶縁膜55のみで振動板を構成するように
してもよい。また、実施形態2のように絶縁膜55の下
電極膜60に対向する領域の膜厚を他の部分よりも厚く
してもよいことは言うまでもない。
【0170】(実施形態4) 図13は、実施形態4に係るインクジェット式記録ヘッ
ドの要部を示す平面図及び断面図である。
【0171】本実施形態は、図13に示すように、圧電
体膜70を圧力発生室12に対向する領域から幅方向両
側の隔壁に対向する領域まで連続的に設けるようにした
以外は、実施形態1と同様である。
【0172】すなわち、本実施形態では、圧力発生室に
対向する領域に、下電極膜60、圧電体厚膜部70a及
び上電極膜80からなる圧電体能動部320が設けら
れ、圧電体能動部320の幅方向両側には圧電体厚膜部
70aよりも厚さの薄い圧電体薄膜部70bが連続的に
圧力発生室12に対向する領域の外側まで延設されてい
る。
【0173】このような構成により、駆動中に振動され
る下電極膜60の両側面は確実に圧電体膜70で覆われ
ているので、絶縁耐圧が著しく向上する。また、圧電体
膜70bと絶縁体膜55とが完全に密着されているの
で、振動板の初期撓み量が低減される。
【0174】また、本実施形態のように、圧電体膜70
を圧力発生室12から周壁上まで連続的に形成する場合
には、圧電体膜70の結晶組織が下電極膜60上と絶縁
膜55上とで同じであることが好ましい。そのため、本
実施形態では、圧電体膜70を以下のように形成するよ
うにした。
【0175】すなわち、本実施形態では、図14(a)
に示すように、圧電体膜70の成膜の前に、下電極膜6
0及び絶縁膜55上にチタン又は酸化チタンからなる結
晶種75をスパッタ法により島状に形成した後、図14
(b)に示すように、未結晶の圧電体前駆体層71を成
膜し、その後、図14(c)に示すように、焼成するこ
とにより結晶化させて圧電体膜70とする。
【0176】白金などの下電極膜60上に圧電体膜70
を形成する場合に結晶種を形成して結晶を略一方向に配
向させる技術は、先に出願している。しかしながら、本
実施形態のように、下電極膜60をパターニングした
後、圧電体膜70を成膜するという特殊な構造において
は、下電極膜60上に予め結晶種が形成されていても、
絶縁膜55上では、異なる結晶構造となり、クラックが
発生しやすいという問題が発生した。そこで、本実施形
態では、絶縁膜55上にも結晶種75を形成することに
より、下電極膜60及び絶縁膜55上で圧電体膜70の
結晶構造を略同じとし、これによりクラックの発生及び
異常な応力の発生を防止する。なお、絶縁膜55上の結
晶種は、下電極膜60をパターニングした後、同時に形
成してもよく、または、下電極膜60上の結晶種を形成
し、さらにパターニングした後、絶縁体膜55上だけ別
途行ってもよい。また、本実施形態では、結晶種を島状
に形成したが、これに限定されず、例えば、膜状に形成
するようにしてもよい。
【0177】また、本実施形態では、上述の実施形態と
同様に、圧電体能動部320の一方の電極となる下電極
膜60が、長手方向一端部から圧力発生室12の周壁上
に延設され、各圧電体能動部320から延設された下電
極膜60が周壁上で連結されて、各圧電体能動部320
の共通電極となっており、共通部分60bの端部近傍の
実装部60cで図示しないが外部配線と接続されてい
る。
【0178】ここで、本実施形態ではゾル−ゲル法を用
いて圧電体膜を成膜しているため、エッチング前の圧電
体膜70の表面の段差が小さく形成され、エッチング後
に圧電体薄膜部70bになる領域の圧電体膜70は比較
的厚くなる。したがって、圧電体層70を圧力発生室1
2に対向する領域内にパターニングしようとすると、共
通部分の露出は別工程としなければならないが、圧電体
薄膜部70bを形成することにより、共通部分の実装部
60cの露出も同時に行うことができる。
【0179】(実施形態5) 図15は、実施形態5に係るインクジェット式記録ヘッ
ドの要部平面図及び断面図である。
【0180】本実施形態は、図15に示すように、圧力
発生室12の端部と周壁との境界に対向する領域の圧電
体膜70の下側に、下電極膜60とは不連続の不連続下
電極61を設けた例である。すなわち、本実施形態で
は、圧力発生室12の圧電体膜70及び上電極膜80が
延設される側の端部近傍には、下電極膜60が除去され
た下電極膜除去部330が、例えば、本実施形態では、
圧力発生室12の形状に沿ってその並設方向に細溝状に
設けられ、圧力発生室12の端部と周壁との境界部分の
下電極膜が、圧電体能動部320の下電極膜60とは不
連続な不連続下電極膜61となっている。
【0181】また、本実施形態では、不連続下電極膜6
1の外側の周壁上には、下電極膜60を各圧電体能動部
320毎に独立してパターニングすることにより、各圧
電体能動部320の配線として用いられる配線用下電極
膜62が設けられている。そして、圧電体膜70及び上
電極膜80は不連続下電極膜61上を介して配線用下電
極膜62上まで延設され、リード電極100によって上
電極膜80と配線用下電極膜62とが接続されている。
なお、本実施形態では、弾性膜50上に絶縁膜55を設
けずに、弾性膜50上に、直接、下電極膜60が形成さ
れている。
【0182】ここで、下電極膜60と不連続下電極膜6
1とを分離する下電極膜除去部330の幅は、少なくと
も下電極膜60と不連続下電極膜61との絶縁強度を保
持可能な幅とする必要があるが、できるだけ狭い幅とし
て振動板の剛性を保持することが好ましい。
【0183】また、このような構成では、不連続下電極
膜61は、他の何れにも電気的に接続されないフローテ
ィング電極となり、下電極膜60上に存在する圧電体膜
70及び上電極膜80が実質的な駆動部となる圧電体能
動部320を構成し、不連続下電極膜61上の圧電体膜
70及び上電極膜80は強く駆動されることがない。
【0184】したがって、圧力発生室12と周壁との境
界部分は、圧電体能動部320への電圧印加によっても
強く駆動されることがないため、圧力発生室12の長手
方向端部での振動板の剛性が高く、この部分での振動板
の破壊あるいは圧電体膜70の破壊等を防止することが
できる。
【0185】なお、本実施形態では、不連続下電極膜6
1を複数の圧力発生室12の並設方向に亘って形成する
ようにしたが、これに限定されず、例えば、図16に示
すように、各圧電体能動部320毎に分離するようにし
てもよい。これにより、不連続下電極膜61上の圧電体
膜70及び上電極膜80が完全に駆動されることがな
く、振動板又は圧電体膜70の破壊等をより確実に防止
することができる。
【0186】また、本実施形態では、不連続下電極膜6
1を、他の部分とは電気的に接続されることのないフロ
ーティング電極としたが、これに限定されず、例えば、
充電される時定数が圧電体能動部320の駆動パルスよ
りも大きくなるように、所定の抵抗値の抵抗を介して電
極層と接続するようにしてもよい。
【0187】(実施形態6) 図17は、実施形態6に係るインクジェット式記録ヘッ
ドの要部平面図及び断面図である。
【0188】本実施形態は、図17に示すように、圧力
発生室12の幅方向の隔壁上に、下電極膜60と同一層
で構成される残留部63を設けた例であり、この残留部
63は、本実施形態では、圧電体能動部320の下電極
膜60と連続的に圧力発生室12の長手方向に亘って設
けられている。すなわち、圧力発生室12の幅方向両側
の隔壁との境界に対向する領域に下電極膜60を除去し
た下電極膜除去部330を設けることにより、隔壁に対
向する領域に残留部63が形成されている。
【0189】ここで、下電極膜60の幅方向の端部側面
と残留部63の幅方向の端部側面との間隔h1、及び圧
電体膜70の長手方向端部の側面と周壁上に延設された
下電極膜60が幅広となるまでの間隔h2は、それぞ
れ、圧電体膜70の膜厚より広く、且つ下電極膜60の
幅よりも狭いことが好ましい。
【0190】また、残留部63の幅は、隔壁の幅の50
%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、80
%以上である。さらには、並設された複数の圧力発生室
12及びその幅方向両側の隔壁に対向する領域の少なく
とも50%以上の領域に下電極膜60又は残留部63が
形成されていることが好ましい。
【0191】また、本実施形態では、圧力発生室12の
圧電体膜70及び上電極膜80が延設される側の端部近
傍で、下電極膜60が圧力発生室12の並設方向に亘っ
て細溝状に除去された下電極膜除去部330によって分
離され、圧力発生室12の周壁に対向する領域の下電極
膜が、圧電体能動部320を構成する下電極膜60とは
不連続な不連続下電極膜61となっている。そして、こ
の不連続下電極膜61上に、圧電体膜70及び上電極膜
80が延設され、図示しないがその端部近傍で上電極膜
80と外部配線とが接続されている。
【0192】このように本実施形態では、圧力発生室1
2の幅方向両側の隔壁に対向する領域に残留部63を、
好ましくは上述した条件下で設けるようにしたので、下
電極膜60が除去される領域が非常に少なく、パターニ
ングされた下電極膜60上に圧電体膜70を成膜して
も、圧電体膜70の膜厚が全体的に略均一となり局部的
に圧電体膜70の膜厚が薄くなることがない。
【0193】また、圧電体膜70の長手方向端部の側面
と周壁上に延設された下電極膜60が幅広となる間での
距離を比較的狭くしているため、圧力発生室12の長手
方向端部近傍でも圧電体膜70の膜厚が均一となる。こ
れにより、圧力発生室12の下電極膜60を引き出す側
の端部近傍の圧電体膜70をイオンミリング等の選択性
のないエッチング方法でエッチングする場合にも、圧電
体膜70の下側の下電極膜60が一緒に除去されて膜厚
が薄くなることがない。したがって、圧力発生室12の
端部近傍の下電極膜60の剛性が低下することがなく耐
久性が向上する。また、このような効果は、上述のよう
に圧電体膜70をゾル−ゲル法等のスピンコート法で形
成した場合に特に顕著であり、その他に、例えば、MO
D法(有機金属熱塗布分解法)等で形成するようにして
もよい。
【0194】(実施形態7) 図18は、実施形態7に係るインクジェット式記録ヘッ
ドの要部平面図である。
【0195】本実施形態では、図18に示すように、圧
力発生室12の幅方向の隔壁上に設けられる残留部63
が、圧電体能動部320を構成する下電極膜60ではな
く、不連続下電極膜61と連続的に設けられている以
外、実施形態6と同様である。
【0196】このような構成によっても、圧電体膜70
の膜厚が薄くなることがなく、実施形態6と同様の効果
を得ることができる。
【0197】なお、実施形態6及び実施形態7では、残
留部63が圧電素子300を構成する下電極膜60又は
不連続下電極膜61と連続的に設けられているが、これ
に限定されず、例えば、残留部63を独立して設けるよ
うにしてもよい。
【0198】また、残留部63は常に残されているが、
これに限定されず、圧電素子300の形成後であれば、
残留部63を除去するようにしてもよい。このような構
成でも、圧電体膜70の膜厚は略均一に形成されるた
め、勿論、上述同様の効果が得られる。
【0199】(実施形態8) 図19は、実施形態8に係るインクジェット式記録ヘッ
ドの要部平面図及び断面図である。
【0200】図19に示すように、本実施形態では、圧
電体能動部320を構成する下電極膜60の端部に、圧
電体能動部320の外側に向かって下電極膜60の膜厚
が漸小する膜厚漸小部64を設けた例である。また、こ
の膜厚漸小部64の形状は、特に限定されないが、例え
ば、本実施形態では、下電極膜60の膜厚が連続的に漸
小する傾斜面となっている。
【0201】なお、本実施形態では、厚膜漸小部64の
外側の周壁上には、下電極膜60を各圧電体能動部32
0毎に独立してパターニングすることにより、各圧電体
能動部320の配線として用いられる配線用下電極膜6
2が設けられており、圧電体膜70及び上電極膜80は
圧力発生室12に対向する領域でパターニングされて、
上電極膜80と配線用下電極膜62とがリード電極10
0によって接続されている。
【0202】このような本実施形態の構成では、圧電体
能動部320の端部となる下電極膜60の端部に、圧電
体能動部320の外側に向かって膜厚が漸小する膜厚漸
小部64が設けられているので、この膜厚漸小部64を
含む下電極膜60上に圧電体膜70を成膜すると、下電
極膜60の形状に沿って形成されて全体の膜厚が略均一
となる。すなわち、下電極膜60の端部での圧電体膜7
0の膜厚が薄くなることがなく、圧電体能動部320の
端部近傍での圧電体膜70の電界集中等による絶縁破壊
を形成することができる。
【0203】なお、本実施形態では、膜厚漸小部64を
膜厚が連続的に漸小する傾斜面とするようにしたが、こ
れに限定されず、例えば、図20(a)に示すように、
膜厚漸小部64Aを、膜厚が間欠的に漸小して断面が略
階段状とするようにしてもよい。このような膜厚漸小部
64Aの形成方法も、特に限定されず、例えば、下電極
膜60上に、レジストを複数回塗布して下電極膜60の
膜厚漸小部64Aとなる領域に膜厚漸小部64Aと略同
一の階段状のレジスト膜を形成後、下電極膜60をパタ
ーニングすることにより形成することができる。
【0204】また、例えば、図20(b)に示すよう
に、断面が傾斜曲面で構成される膜厚漸小部64Bとし
てもよい。このような膜厚漸小部64Bの形成方法も特
に限定されず、例えば、弾性膜50上の下電極膜60を
形成しない領域及び膜厚漸小部64Bとなる領域をマス
クで覆い、いわゆるマスク蒸着によって下電極膜60を
成膜することにより形成される。すなわち、下電極膜6
0が、マスクで覆った領域の一部にも、マスクの隙間か
ら回り込んで形成され断面が傾斜曲面の膜厚漸小部64
Bとなる。また、勿論上述のように、下電極膜60上に
膜厚漸小部64Bと略同一形状のレジスト膜を形成後、
下電極膜60をパターニングすることにより形成するこ
とができる。
【0205】また、本実施形態では、圧電体膜70は、
何れにしても下電極膜60上に均一な厚さで形成されて
いるが、これに限定されず、例えば、圧電体膜70は、
その表面が略平面となっていてもよい。すなわち、厚膜
漸小部64Bに対向する領域の圧電体膜70は、他の領
域の膜厚よりも実質的に厚くなっていてもよく、この場
合、圧電体能動部320の端部近傍での圧電体膜70の
電界集中が抑えられ、絶縁破壊が防止される。
【0206】また、本実施形態では、圧電体膜70及び
上電極膜80を圧力発生室12に対向する領域でパター
ニングするようにしたが、勿論、配線用下電極膜62上
まで延設するようにしてもよい。
【0207】さらに、本実施形態では、リード電極10
0を介して上電極膜80と配線用下電極膜62とを接続
するようにしたが、これに限定されず、例えば、圧電体
膜70及び上電極膜80を配線用下電極膜62上まで延
設して、上電極膜80と配線用下電極膜62とを直接接
続するようにしてもよい。
【0208】(実施形態9) 図21は、実施形態9に係るインクジェット式記録ヘッ
ドの要部平面図及び断面図である。
【0209】本実施形態は、下電極膜60の長手方向外
側に絶縁材料からなる絶縁膜を設けた例である。すなわ
ち、本実施形態では、図21に示すように、圧力発生室
12に対向する領域の弾性膜50上に下電極膜60、圧
電体膜70及び上電極膜80からなる圧電体能動部32
0が形成されており、圧電体能動部320の端部である
下電極膜60の端部の外側に、例えば、下電極膜60の
膜厚と略同一の膜厚を有する第2の絶縁膜65を形成す
るようにした以外は、実施形態8と同様である。なお、
この第2の絶縁膜65の材料は、特に限定されず、例え
ば、絶縁膜55とは異なる絶縁材料であってもよい。
【0210】また、本実施形態では、下電極膜60をパ
ターニング後、その長手方向一端部外側に設けられた下
電極膜除去部330に第2の絶縁膜65を形成し、その
上に、圧電体膜70及び上電極膜80を成膜及びパター
ニングして圧電体能動部320を形成するようにした。
これにより、下電極膜60の端部で圧電体膜70の膜厚
が薄くなることがなく、この部分での圧電体膜70の電
界集中等による絶縁破壊を防止することができる。ま
た、このような構成においても、勿論、上述の実施形態
と同様の効果を得ることができる。
【0211】(実施形態10) 図22は、実施形態10に係るインクジェット式記録ヘ
ッドの要部平面図及び断面図である。
【0212】本実施形態は、図22に示すように、圧電
体能動部320の端部である下電極膜60の端部の外側
に第2の絶縁膜65の代わりに、弾性膜50の膜厚が他
の部分よりも厚い、例えば、本実施形態では、下電極膜
60とほぼ同一の高さとなる厚膜部51を設けるように
した以外は、実施形態9と同様である。
【0213】また、本実施形態では、弾性膜50をパタ
ーニングして所定位置に厚膜部51を形成後、圧電体膜
70及び上電極膜80を成膜及びパターニングして圧電
体能動部320を形成するようにした。これにより、下
電極膜60の端部に対応する領域の圧電体膜70の膜厚
が他の部分より薄くなることがなく、この部分での圧電
体膜70の電界集中等による絶縁破壊を形成することが
できる。また、このような構成においても、上述の実施
形態と同様の効果が得られる。
【0214】(実施形態11) 図23は、実施形態11に係るインクジェット式記録ヘ
ッドの要部平面図及び断面図である。
【0215】本実施形態は、図23に示すように、下電
極膜60の端部よりも内側に上電極膜80の端部を形成
した例であり、この上電極膜80の端部が圧電体能動部
320の端部となっている。また、例えば、本実施形態
では、圧電体膜70の端部は下電極膜60の端部と略同
一位置であり上電極膜80の端部よりも外側に突出した
下電極膜60上にも圧電体膜70は形成されているが、
この部分は実質的に駆動されない圧電体非能動部340
となっている。
【0216】また、この圧電体非能動部340側の圧力
発生室12の周壁上には、上述の実施形態8等と同様
に、配線用下電極膜62が設けられており、圧電体非能
動部340上に延設されたリード電極100を介して圧
電体能動部320の上電極膜80と接続されている。
【0217】なお、この配線用下電極膜62と下電極膜
60との間の下電極膜60が除去された下電極膜除去部
330には、本実施形態では、圧電体膜70が除去され
ずに残留されており下電極膜60とリード電極100と
が絶縁されている。
【0218】このように本実施形態では、圧電体能動部
320のリード電極100の引き出し側の端部外側に、
例えば、上電極膜80を除去することにより、連続的に
圧電体非能動部340を設けるようにした。これによ
り、圧電体能動部320の端部である上電極膜80の端
部と下電極膜60の端部との距離を大きくすることがで
きる。このため、圧電体能動部320への電圧印加によ
っても、圧電体能動部320の端部での電界強度が大き
くなることがなく、圧電体膜70の絶縁破壊等を防止す
ることができる。また、圧電体能動部320の圧電体膜
70の厚さが均一となるため圧電特性が向上する。な
お、このような構成によっても、上述の実施形態と同様
の効果が得られる。
【0219】(他の実施形態) 以上、本発明の各実施形態を説明したが、インクジェッ
ト式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定され
るものではない。
【0220】例えば、上述した各実施形態では、下電極
膜60の端部を圧電体能動部320の一端部とし、その
上の圧電体膜70及び上電極膜80は、それより外側ま
で延設するようにして、圧電体能動部320の端部の破
壊を防止しているが、この圧電体能動部320の一端部
とは反対側の他端部は、下電極膜60が周壁上まで引き
出され、圧力発生室12内で圧電体膜70及び上電極膜
80をパターニングすることにより圧電体能動部320
の端部としている。このような端部は圧電体膜70及び
上電極膜80の剥がれ等が生じる可能性があるが、例え
ば、接着剤等により固定したり、あるいは圧電素子30
0の圧電体膜70とは不連続の不連続圧電体膜等で覆う
ことにより圧電体能動部320の端部を保護して、耐久
性を向上するようにしてもよい。
【0221】また、例えば、上述の実施形態では、圧電
体能動部320の一端部側の構造について説明している
が、これに限定されず、勿論、圧電体能動部320の他
端部を同様な構造としてもよい。
【0222】また、例えば、上述した封止板20の他、
共通インク室形成基板30をガラスセラミックス製とし
てもよく、さらには、薄肉膜41を別部材としてガラス
セラミックス製としてもよく、材料、構造等の変更は自
由である。
【0223】さらに、上述した実施形態では、ノズル開
口11を流路形成基板10の端面に形成しているが、面
に垂直な方向に突出するノズル開口を形成してもよい。
【0224】このように構成した実施形態の分解斜視図
を図24、その流路の断面を図25にぞれぞれ示す。こ
の実施形態では、ノズル開口11が圧電素子とは反対の
ノズル基板120に穿設され、これらノズル開口11と
圧力発生室12とを連通するノズル連通口22が、封止
板20、共通インク室形成基板30及び薄肉板41A及
びインク室側板40Aを貫通するように配されている。
【0225】なお、本実施形態は、その他、薄肉板41
Aとインク室側板40Aとを別部材とし、インク室側板
40Aに開口40bを形成した以外は、基本的に上述し
た実施形態と同様であり、同一部材には同一符号を付し
て重複する説明は省略する。
【0226】また、勿論、共通インク室を流路形成基板
内に形成したタイプのインクジェット式記録ヘッドにも
同様に応用できる。
【0227】このように、本発明は、その趣旨に反しな
い限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
【0228】また、これら各実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図26
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
【0229】図26に示すように、インクジェット式記
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0230】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
【0231】
【発明の効果】このように、本実施形態では、圧力発生
室に対向する領域に下電極がパターニングされ、その幅
方向両端部が圧電体層で覆われているので、沿面での絶
縁耐圧が向上し、絶縁破壊を防止することができる。特
に、薄膜工程で製造された圧電体層は膜厚が薄いため絶
縁耐圧が低く絶縁破壊が起こり易いが、このような構成
とすることにより、圧電体層の絶縁破壊を確実に防止す
ることができる。
【0232】また、この圧電体層と絶縁層とが密着され
ているため、圧力発生室形成の際の振動板の初期撓み量
を低減することができる。さらに、上電極の幅を所定範
囲内で形成しているため、圧電体能動部の電圧印加によ
る変位効率の低下を防止することができる。したがっ
て、振動板の圧電体能動部を有効に駆動することができ
る。
【0233】さらに、圧力発生室の幅方向両側の隔壁上
に下電極と同一の層で構成される残留部を設け、下電極
膜除去部の面積が狭くなるようにすれば、圧電体層を略
均一な膜厚で形成することができ、圧電体層の部分的な
圧電特性の低下を抑えることができる。さらに、圧電体
層の膜厚が略均一であるため、圧力発生室の下電極を引
き出す側の端部で圧電体層をパターニングする際に、下
電極の膜厚が薄くなることがなく、下電極等の破壊を防
止でき耐久性が向上する。
【0234】また、圧電体能動部の端部となる下電極の
端部外側に、第2の絶縁層又は厚膜部等を設け、その上
に圧電体層及び上電極を成膜してパターニングすれば、
下電極の端部近傍の圧電体層の膜厚が他の部分よりも薄
くなることがなく、電界集中等による圧電体層の絶縁破
壊を防止することができる。
【0235】さらには、層間絶縁膜及びコンタクトホー
ルを用いることなく、配線を引き出すことができ、変位
効率及び耐久性を向上することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドを示す図であり、図1の平面図及び断面図であ
る。
【図3】図1の封止板の変形例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す図で
ある。
【図5】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す図で
ある。
【図6】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの要部平面図及び断面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの変形例を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの変形例を示す平面図である。
【図9】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの変形例を示す平面図及び断面図である。
【図10】本発明の実施形態2に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部断面図である。
【図11】本発明の実施形態2の薄膜製造工程を示す図
である。
【図12】本発明の実施形態3に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部断面図である。
【図13】本発明の実施形態4に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部平面図及び断面図である。
【図14】本発明の実施形態4の薄膜製造工程を示す図
である。
【図15】本発明の実施形態5に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部平面図及び断面図である。
【図16】本発明の実施形態5に係るインクジェット式
記録ヘッドの変形例を示す要部平面図である。
【図17】本発明の実施形態6に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部平面図及び断面図である。
【図18】本発明の実施形態7に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部平面図である。
【図19】本発明の実施形態8に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部平面図及び断面図である。
【図20】本発明の実施形態8に係るインクジェット式
記録ヘッドの変形例を示す要部断面図である。
【図21】本発明の実施形態9に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部平面図及び断面図である。
【図22】本発明の実施形態10に係るインクジェット
式記録ヘッドの要部平面図及び断面図である。
【図23】本発明の実施形態11に係るインクジェット
式記録ヘッドの要部平面図及び断面図である。
【図24】本発明の他の実施形態に係るインクジェット
式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図25】本発明の他の実施形態に係るインクジェット
式記録ヘッドを示す断面図である。
【図26】本発明の一実施形態に係るインクジェット式
記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 12 圧力発生室 50 弾性膜 55 絶縁膜 60 下電極膜 70 圧電体膜 80 上電極膜 300 圧電素子 320 圧電体能動部 330 下電極膜除去部 340 圧電体非能動部
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−313659 (32)優先日 平成10年11月4日(1998.11.4) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−73025 (32)優先日 平成11年3月18日(1999.3.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 宮田 佳直 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 守谷 壮一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−296974(JP,A) 特開 平11−188867(JP,A) 特開 平10−181016(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/16

Claims (55)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室と、こ
    の圧力発生室に対応する領域に絶縁層を介して設けられ
    た下電極、該下電極上に設けられた圧電体層及び該圧電
    体層上に設けられた上電極からなる圧電素子とを備える
    インクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記圧力発生室に対向する前記下電極の少なくとも幅方
    向両端部が当該圧力発生室に対向する領域内に位置する
    と共に前記圧電体層が前記下電極の幅方向両端の側面を
    覆い且つ当該圧電体層は結晶が優先配向していることを
    特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記圧電体層は、結
    晶が柱状となっていることを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 ノズル開口に連通する圧力発生室と、こ
    の圧力発生室に対応する領域に絶縁層を介して設けられ
    た下電極、該下電極上に設けられた圧電体層及び該圧電
    体層上に設けられた上電極からなる圧電素子とを備える
    インクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記圧力発生室に対向する前記下電極の少なくとも幅方
    向両端部が当該圧力発生室に対向する領域内に位置する
    と共に前記圧電体層が前記下電極の幅方向両端の側面を
    覆い且つ当該圧電体層の幅方向両端が前記圧力発生室内
    に位置することを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 ノズル開口に連通する圧力発生室と、こ
    の圧力発生室に対応する領域に絶縁層を介して設けられ
    た下電極、該下電極上に設けられた圧電体層及び該圧電
    体層上に設けられた上電極からなる圧電素子とを備える
    インクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記圧力発生室に対向する前記下電極の少なくとも幅方
    向両端部が当該圧力発生室に対向する領域内に位置する
    と共に前記圧電体層が前記下電極の幅方向両端の側面を
    覆い、前記圧電体層及び前記上電極が一括でパターニン
    グされていることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4において、前記圧電体層
    の厚さ方向の一部が、前記圧力発生室の領域外まで延設
    されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5の何れかにおいて、前記圧
    電体層は、結晶が優先配向していることを特徴とするイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記圧電体層は、結
    晶が柱状となっていることを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記絶
    縁層は、前記下電極が形成されている下側の領域が他の
    領域よりも厚いことを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記絶
    縁層の厚さ方向最上部は前記圧電体層と密着性の良好な
    材料からなる密着性絶縁層からなり、当該密着性絶縁層
    と前記下電極の幅方向両端の側面を覆う前記圧電体層と
    が密着していることを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記密着性絶縁層
    の材料は、前記圧電体層の構成元素から選択される少な
    くとも一種の元素の酸化物又は窒化物であることを特徴
    とするインクジェット式記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記密着性絶縁
    層が酸化ジルコニウムからなることを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11の何れかにおいて、前
    記絶縁層が前記密着性絶縁層からなることを特徴とする
    インクジェット式記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記絶縁層がシ
    リコン単結晶基板上に直接形成されていることを特徴と
    するインクジェット式記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 請求項12において、前記絶縁層が前
    記シリコン単結晶基板上に形成された二酸化シリコン膜
    上に形成され且つ当該二酸化シリコン膜の前記圧力発生
    室に対応する部分が除去されていることを特徴とするイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 請求項9〜14の何れかにおいて、前
    記圧電体層がPZTからなり、前記密着性絶縁層が酸化
    ジルコニウムからなることを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15の何れかにおいて、前
    記上電極の幅WTEは、前記下電極の幅WBE及び前記圧電
    体層の厚みTとの関係が、 (WBE−5T)<WTE<(WBE+5T) であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16の何れかにおいて、前
    記圧力発生室の長手方向一端部に前記下電極の端部があ
    り、且つ前記圧電体層及び前記上電極はその外側まで延
    設され、当該下電極の端部が前記圧電素子の実質的な駆
    動部となる圧電体能動部の一端部となっていることを特
    徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  18. 【請求項18】 請求項17において、前記圧電体能動
    部の端部が前記圧力発生室の周壁より内側に位置するこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  19. 【請求項19】 請求項1〜16の何れかにおいて、前
    記圧力発生室の長手方向一端部に前記下電極の端部があ
    り、且つ当該下電極の端部よりも内側に前記上電極の端
    部があり、前記圧電体層がその外側まで延設され、当該
    上電極の端部が前記圧電体層の実質的な駆動部となる圧
    電体能動部の一端部となっていることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッド。
  20. 【請求項20】 請求項17〜19の何れかにおいて、
    前記圧力発生室の端部と周壁との境界部分に対向する領
    域には、前記下電極とは不連続の不連続下電極膜が設け
    られていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  21. 【請求項21】 請求項20において、前記不連続下電
    極とは不連続に設けられ且つ一端が外部配線に接続され
    る配線用下電極が前記各圧電素子毎に設けられているこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  22. 【請求項22】 請求項17〜20の何れかにおいて、
    前記下電極は、前記圧電体能動部の他端部から前記圧力
    発生室の周壁上まで延設されていることを特徴とするイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  23. 【請求項23】 請求項22において、前記下電極は、
    前記圧力発生室の一端部近傍に対向する領域に少なくと
    も前記圧力発生室より幅の広い幅広部を有し、当該幅広
    部が前記圧力発生室の長手方向端部から周壁上まで延設
    されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  24. 【請求項24】 請求項1〜23の何れかにおいて、前
    記上電極若しくはその上に接続されたリード電極及び前
    記圧電体層が、前記圧力発生室に対向する領域の長手方
    向からその外側へ延設されていることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッド。
  25. 【請求項25】 請求項24において、前記下電極の周
    壁上までの延設方向と前記上電極若しくはその上に接続
    されたリード電極及び前記圧電体層の周壁上までの延設
    方向とが異なることを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッド。
  26. 【請求項26】 請求項24において、前記下電極の周
    壁上までの延設方向と前記上電極若しくはその上に接続
    されたリード電極及び前記圧電体層の周壁上までの延設
    方向とが同方向であることを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッド。
  27. 【請求項27】 請求項25又は26において、前記下
    電極又は前記上電極の何れか一方が共通電極となってい
    ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  28. 【請求項28】 請求項1〜22の何れかにおいて、前
    記下電極は、前記圧力発生室に対向する領域の長手方向
    の少なくとも一端部近傍から幅方向外側へ延設されて共
    通電極となっていることを特徴とするインクジェット式
    記録ヘッド。
  29. 【請求項29】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記
    圧電体層の長手方向両端部は、前記圧力発生室に対向す
    る領域内にパターニングされ、前記上電極は前記圧力発
    生室の幅方向に横断して連続的に形成されて共通電極と
    なっていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  30. 【請求項30】 請求項1〜28の何れかにおいて、前
    記圧力発生室の幅方向両側の隔壁上には前記下電極と同
    一の層によって構成される残留部が設けられていること
    を特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  31. 【請求項31】 請求項30において、前記圧電体能動
    部の一端部の外側には、前記下電極とは不連続の不連続
    下電極が設けられ、前記残留部が当該不連続下電極から
    連続的に延設されていることを特徴とするインクジェッ
    ト式記録ヘッド。
  32. 【請求項32】 請求項30において、前記残留部が前
    記圧電素子を構成する前記下電極と連続的に設けられて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  33. 【請求項33】 請求項30〜32の何れかにおいて、
    前記下電極の幅方向端面と前記残留部の幅方向端面との
    間隔が、前記圧電体層の厚さよりも広く且つ前記下電極
    の幅よりも狭いことを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッド。
  34. 【請求項34】 請求項30〜33の何れかにおいて、
    前記下電極が周壁上まで延設される前記圧力発生室の端
    部近傍に前記圧電体層の長手方向端部が存在し、当該端
    部から外側に延設された前記下電極が幅広となるまでの
    距離が、前記圧電体層の厚さよりも広く且つ前記下電極
    の幅よりも狭いことを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッド。
  35. 【請求項35】 請求項30〜34の何れかにおいて、
    前記残留部の幅が、隣接する圧力発生室間の隔壁の幅の
    50%以上であることを特徴とするインクジェット式記
    録ヘッド。
  36. 【請求項36】 請求項30〜35の何れかにおいて、
    前記下電極及び前記残留部が、並設された複数の前記圧
    力発生室及びその幅方向両側の隔壁に対応する領域の5
    0%以上の幅の領域に形成されていることを特徴とする
    インクジェット式記録ヘッド。
  37. 【請求項37】 請求項30〜34の何れかにおいて、
    前記下電極及び前記残留部が、前記流路形成基板の全面
    積の50%以上の領域に形成されていることを特徴とす
    るインクジェット式記録ヘッド。
  38. 【請求項38】 請求項1〜37の何れかにおいて、前
    記圧電体層の結晶組織が前記下電極上と前記絶縁層上と
    で略同一であることを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッド。
  39. 【請求項39】 請求項38において、前記絶縁層の表
    面に前記圧電体層の結晶の核となる結晶種が形成されて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  40. 【請求項40】 請求項39において、前記結晶種が島
    状に形成されていることを特徴とするインクジェット式
    記録ヘッド。
  41. 【請求項41】 請求項17〜40の何れかにおいて、
    前記下電極の端部の外側には、第2の絶縁層が設けられ
    ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  42. 【請求項42】 請求項41において、前記第2の絶縁
    層が前記下電極と略同一の膜厚を有することを特徴とす
    るインクジェット式記録ヘッド。
  43. 【請求項43】 請求項41又は42において、前記第
    2の絶縁層が前記絶縁層とは異なる絶縁材料からなるこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  44. 【請求項44】 請求項17〜40の何れかにおいて、
    前記下電極の端部の外側の前記絶縁層に厚膜部が設けら
    れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  45. 【請求項45】 請求項44において、前記厚膜部が前
    記下電極と略同一の膜厚であることを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  46. 【請求項46】 請求項17〜40の何れかにおいて、
    前記下電極の端部には前記圧電体能動部の外側に向かっ
    て前記下電極の膜厚が漸小する膜厚漸小部が設けられて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  47. 【請求項47】 請求項46において、前記膜厚漸小部
    は、前記下電極の膜厚が連続的に漸小する傾斜面となっ
    ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  48. 【請求項48】 請求項46において、前記膜厚漸小部
    は、前記下電極の膜厚が階段状に漸小していることを特
    徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  49. 【請求項49】 請求項46において、前記膜厚漸小部
    は、前記下電極の膜厚が連続的に漸小する傾斜曲面とな
    っていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  50. 【請求項50】 請求項46〜49の何れかにおいて、
    前記膜厚漸小部上に形成される前記圧電体層の膜厚が、
    他の部分の膜厚よりも厚いことを特徴とするインクジェ
    ット式記録ヘッド。
  51. 【請求項51】 請求項17〜50の何れかにおいて、
    前記圧電体能動部の 一端部とは反対側の他端部が、前記
    一端部と同様の構造を有することを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  52. 【請求項52】 請求項17〜50の何れかにおいて、
    前記圧電体能動部の一端部とは反対側の他端部は、前記
    圧電体層及び前記上電極の端部により形成され、この圧
    電体能動部の他端部は、前記圧電体層とは不連続の不連
    続圧電体層によって覆われていることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッド。
  53. 【請求項53】 請求項17〜50の何れかにおいて、
    前記圧電体能動部の一端部とは反対側の他端部は、前記
    圧電体層及び前記上電極の端部により形成され、この圧
    電体能動部の他端部は、接着剤によって固定されている
    ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  54. 【請求項54】 請求項1〜53の何れかにおいて、前
    記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチング
    により形成され、前記下電極、圧電体層、上電極の各層
    が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものである
    ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  55. 【請求項55】 請求項1〜54の何れかのインクジェ
    ット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジ
    ェット式記録装置。
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