JP5741867B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は液体噴射ヘッド、液体噴射装置及びアクチュエーター装置に関し、特に圧電体素子の上電極を共通電極とする場合に適用して有用なものである。
液滴を噴射する液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、圧力発生室が形成された流路形成基板と、流路形成基板の一方面側に設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを具備し、この圧電素子の変位によって圧力発生室内に圧力を付与することで、ノズルからインク滴を噴射するものがある。このようなインクジェット式記録ヘッドに採用されている圧電素子は、例えば、湿気等の外部環境に起因して破壊され易いという問題がある。この問題を解決するために、例えば、圧電体層の外周面を上電極膜で覆うように構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−88441号公報
特許文献1に記載されているように、圧電体層を上電極膜で覆うようにすることで、湿気に伴う圧電体層の破壊を抑制することはできるが、流路形成基板上に振動板を介して下電極をパターニングし、かかる下電極の上に圧電体層をスピンコート法等により形成した場合、前記圧電体層の厚さは、下電極の長手方向の一端部とこれに相対向する圧電体層の長手方向の端部との間で若干薄くなる。この部分には下電極膜が形成されていないからである。この結果、圧電体層の当該部分の剛性が低くなり、特に下電極の長手方向の一端部に相対向する位置及び圧力発生室の一端部に相対向する位置での応力集中により圧電体層が破損する場合がある。
また、圧電体層をパターニングした後、上電極膜を形成した場合には、上電極膜の圧電体層に対する密着性が悪く両者の境界部分に剥離を生起する場合がある。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドに限らず、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上電極を共通電極にする場合において、圧電体層の剛性を向上させ、同時に圧電体層と上電極膜との間の密着性も良好に確保し得る液体噴射ヘッド、液体噴射装置及びアクチュエーター装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液滴を吐出するノズルに連通する圧力発生室が複数並設された流路形成基板と、前記流路形成基板の一方面側に設けられた個別電極としての下電極、圧電体層及び前記圧力発生室の並設方向に亘って連続的に設けられた共通電極としての上電極と、を具備し、前記圧電体層は、前記圧力発生室の長手方向における前記下電極の一端部および前記圧力発生室の一端部を超えて設けられるともに、前記並設方向において前記下電極よりも広い幅で且つ前記圧力発生室よりも狭い幅の第1の部分と、複数の前記圧力発生室に亘って共通化された第2の部分と、前記第1の部分から前記第2の部分にかけて幅が漸増する第3の部分を有し、前記第3の部分と前記第2の部分との境界が、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の一端部よりも前記圧力発生室の他端側にあることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
本態様によれば、圧電体層が、圧力発生室の長手方向における下電極の一端部および圧力発生室の一端部を超えて設けられているので、特に第3の部分での圧電体層の剛性を高めることができ、圧電素子の変位に伴い圧電体層の一部に応力集中が発生してもこの部分の破損を有効に回避することができる。
また、圧電体層をエッチングにより形成すると上電極の付きまわりが悪く、剥離し易いという問題を生起し、しかもかかる剥離は圧電体層を細くエッチングした場合に顕著になる。これに対し、本態様によれば第3の部分ではある程度の幅を確保することができ、また第2の部分ではエッチングの必要がないので上電極の付着性を向上させることができる。この結果、上電極の剥離を有効に防止することができ、当該液体噴射ヘッドの信頼性の向上に資することができる。
さらに、本態様では、前記下電極の一端部よりも前記圧力発生室の他端側にあるので、大きな応力が集中する下電極の前記端部での圧電体層の破壊を有効に防止することができる。ここで、前記下電極の一端部が、前記圧力発生室対応する領域に位置するのが望ましい。
本発明の他の態様は、液滴を吐出するノズルに連通する圧力発生室が複数並設された流路形成基板と、前記流路形成基板の一方面側に設けられた個別電極としての下電極、圧電体層及び前記圧力発生室の並設方向に亘って連続的に設けられた共通電極としての上電極と、を具備し、前記圧電体層は、前記圧力発生室の長手方向における前記下電極の一端部および前記圧力発生室の一端部を超えて設けられるともに、前記並設方向において前記下電極よりも広い幅で且つ前記圧力発生室よりも狭い幅の第1の部分と、複数の前記圧力発生室に亘って共通化された第2の部分と、前記第1の部分から前記第2の部分にかけて幅が漸増する第3の部分を有し、前記第1の部分と前記第3の部分との境界が、前記圧力発生室の長手方向において前記下電極の一端部よりも前記圧力発生室の他端側にあることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
本態様によれば、圧電体層が、圧力発生室の長手方向における下電極の一端部および圧力発生室の一端部を超えて設けられているので、特に第3の部分での圧電体層の剛性を高めることができ、圧電素子の変位に伴い圧電体層の一部に応力集中が発生してもこの部分の破損を有効に回避することができる。
また、圧電体層をエッチングにより形成すると上電極の付きまわりが悪く、剥離し易いという問題を生起し、しかもかかる剥離は圧電体層を細くエッチングした場合に顕著になる。これに対し、本態様によれば第3の部分ではある程度の幅を確保することができ、また第2の部分ではエッチングの必要がないので上電極の付着性を向上させることができる。この結果、上電極の剥離を有効に防止することができ、当該液体噴射ヘッドの信頼性の向上に資することができる。
さらに、本態様では、前記第1の部分と前記第3の部分との境界が、前記圧力発生室の長手方向において前記下電極の一端部よりも前記圧力発生室の他端側にあるので、大きな応力が集中する下電極の前記端部での圧電体層の破壊を有効に防止することができる。ここで、前記下電極の一端部が、前記圧力発生室対応する領域に位置するのが望ましい。
さらに、本発明の他の態様は、液滴を吐出するノズルに連通する圧力発生室が複数並設された流路形成基板と、前記流路形成基板の一方面側に設けられた個別電極としての下電極、圧電体層及び前記圧力発生室の並設方向に亘って連続的に設けられた共通電極としての上電極と、を具備し、前記圧電体層は、前記圧力発生室の長手方向における前記下電極の一端部および前記圧力発生室の一端部を超えて設けられるともに、前記並設方向において前記下電極よりも広い幅で且つ前記圧力発生室よりも狭い幅の第1の部分と、複数の前記圧力発生室に亘って共通化された第2の部分と、前記第1の部分から前記第2の部分にかけて幅が漸増する第3の部分を有することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。

本態様によれば、圧電体層が、圧力発生室の長手方向における下電極の一端部および圧力発生室の一端部を超えて設けられているので、特に第3の部分での圧電体層の剛性を高めることができ、圧電素子の変位に伴い圧電体層の一部に応力集中が発生してもこの部分の破損を有効に回避することができる。
また、圧電体層をエッチングにより形成すると上電極の付きまわりが悪く、剥離し易いという問題を生起し、しかもかかる剥離は圧電体層を細くエッチングした場合に顕著になる。これに対し、本態様によれば第3の部分ではある程度の幅を確保することができ、また第2の部分ではエッチングの必要がないので上電極の付着性を向上させることができる。この結果、上電極の剥離を有効に防止することができ、当該液体噴射ヘッドの信頼性の向上に資することができる。
ここで、前記下電極の一端部が、前記圧力発生室に対応する領域に位置するのが望ましい。また、前記第3の部分第2の部分との境界が、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の一端部よりも前記圧力発生室の他端側あるのが好ましい。この場合には大きな応力が集中する圧力発生室の前記端部での圧電体層の破壊を有効に防止することができる。また、前記第1の部分と前記第3の部分との境界が、前記圧力発生室の長手方向において前記下電極の一端部よりも前記圧力発生室の他端側にあるのが好ましい。この場合には大きな応力が集中する下電極の前記端部での圧電体層の破壊を有効に防止することができる。
本発明の他の態様は、上述の如き液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置にある。
本態様によれば圧電素子での破損及び上電極の剥離を良好に回避し得る信頼性の高い液体噴射ヘッドにより長期に亘り安定した性能の液体噴射装置を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 本発明の一実施形態に係る圧電素子の詳細な構造を示す拡大図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの要部を示す断面図である。 一実施形態に係る記録装置の概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では結晶面方位が(110)であるシリコン単結晶基板からなり、その一方面には酸化膜からなる弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、隔壁11によって区画され一方側の面が弾性膜50で構成される複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。
流路形成基板10には、圧力発生室12の長手方向一端部側に、隔壁11によって区画され各圧力発生室12に連通するインク供給路13と連通路14とが設けられている。連通路14の外側には、各連通路14と連通する連通部15が設けられている。この連通部15は、後述する接合基板30のリザーバー部32と連通して、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるリザーバー100の一部を構成する。
ここで、インク供給路13は、圧力発生室12よりも狭い断面積となるように形成されており、連通部15から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。例えば、インク供給路13は、リザーバー100と各圧力発生室12との間の圧力発生室12側の流路を幅方向に絞ることで、圧力発生室12の幅より小さい幅で形成されている。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、各連通路14は、圧力発生室12の幅方向両側の隔壁11を連通部15側に延設してインク供給路13と連通部15との間の空間を区画することで形成されている。
なお、流路形成基板10の材料として、本実施形態ではシリコン単結晶基板を用いているが、勿論これに限定されず、例えば、ガラスセラミックス、ステンレス鋼等を用いてもよい。
流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路13とは反対側の端部近傍に連通するノズル21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、弾性膜50とは異なる材料の酸化膜からなる絶縁体膜55が形成されている。絶縁体膜55上には、下電極膜60と圧電体層70と上電極膜80とからなる圧電素子300が形成されている。この圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を有する部分だけでなく、少なくとも圧電体層70を有する部分を含む。
また、ここでは圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエーターと称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、弾性膜50、絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみを残して下電極膜60を振動板としてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
流路形成基板10上には、このような圧電素子300の駆動を阻害しない空間となる圧電素子保持部31を有する接合基板30が接着剤35によって接着されている。圧電素子保持部31は、圧電素子保持部31内への大気の侵入を抑制できるように構成されている。つまり、圧電素子保持部31は、大気の侵入を抑制できれば、必ずしも密封されている必要はない。そして圧電素子300は、このような圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。
ここで、図2に基づき本実施形態に係る圧電素子300の構造についてさらに説明する。図2に示すように、圧電素子300を構成する下電極膜60は、各圧力発生室12に対向する領域毎に、圧力発生室12の幅よりも狭い幅で設けられて各圧電素子300の個別電極を構成している。また、圧電素子300の長手方向に関する一端部側(図2中の右端部側;以下同じ)では、下電極膜60の端部が圧力発生室12内に位置しており、圧電素子300の長手方向に関する他端部側(図2中の左端部側;以下同じ)では、下電極膜60が圧力発生室12の端部の外側まで延設されている。
圧電体層70は、下電極膜60の幅よりも広い幅で且つ圧力発生室12の幅よりも狭い幅で設けられている。また、圧電体層70の長手方向における一端部側には、各下電極膜60に対応させて設けられた個別部70Aと、各個別部70Aに一体的に接続され圧力発生室12の長手方向に関する一端部に向けて幅が漸増されている拡幅部70Bと、各拡幅部70Bに一体的に接続され圧力発生室12の並設方向において隣接するセグメントが一体化された共通部70Cとの3つの部分からなる。このように、本実施形態においては拡幅部70B及び共通部70Cを形成することで、剛性の向上及び上電極膜80の剥離防止を図っている。
上述の如き個別部70A、拡幅部70B及び共通部70Cと他の部分との関係について図3に基づきさらに詳細に説明する。図3は圧電素子300の構造をさらに詳細に説明するための拡大図であり、(a)が圧電素子300及びその近傍部分を縦断面で示し、(b)が圧電素子300の部分を平面で示したものである(ただし、上電極膜80は省略している)。両図に示すように、圧電体層70(図3(b)中に網点で示す部分)の長手方向における一端部側には、上述の如く個別部70A、拡幅部70B及び共通部70Cが形成されているが、本実施形態においては、個別部70Aと拡幅部70Bとの境界B1が下電極膜60の長手方向に関する一端部60Aの内側にあるように構成するとともに、拡幅部70Bと共通部70Cとの境界B2が圧力発生室12の長手方向に関する一端部12Aの内側にあるように構成してある。さらに、拡幅部70Bと共通部70Cとの境界B2における拡幅部70Bの幅W−PZT1が、圧力発生室12の幅W−CAVよりも大きくなるように、また拡幅部70Bのうち下電極膜60の一端部60Aに対応する位置における拡幅部70Bの幅W−PZT2が、個別部70Aの幅W−PZT3よりも大きくなるように構成してある。なお、本実施形態における拡幅部70Bは図3(b)に示すような曲線形状としたが、これに限定するものではない。共通部70Cに向けてその幅が漸増するような形状であればそれ以上の限定はない。例えば、個別部70Aとの境界B1と共通部70Cとの境界B2との間を直線で結んだ形状であっても構わない。
かかる構造によれば、従来技術において下電極膜60が形成されないことにより剛性が低下している下電極膜60の一端部60Aと圧力発生室12の一端部12Aとの間において効果的に当該部分の剛性を向上させることができる。特に応力が集中する圧力発生室12の一端部12A及び下電極膜60の一端部60Aに対応する位置において大きな剛性を有するものとなる。さらに拡幅部70Bではある程度の幅を確保することができ、また共通部70Cではエッチングの必要がないので上電極膜80の付着性を向上させることができる。
図1及び図2に明示するように、本実施形態における圧電体層70の長手方向に関する他端部側は、圧力発生室12の端部の外側までそれぞれ延設され、圧力発生室12に対向する領域の下電極膜60の上面及び端面を完全に覆うように設けられている。したがって、本実施形態の構成では、圧電素子300の長手方向に関する他端部側で圧力発生室12内に位置する下電極膜60の端部は、圧電体層70によって完全に覆われている。
圧電素子300の長手方向に関する他端部側では、圧電体層70は、接合基板30の圧電素子保持部31の周縁部が接着される流路形成基板10の接着領域200まで延設されており、特に、接着領域200の外側まで延設されていることが好ましい。また、このように接着領域200まで延設された圧電体層70の外側には、下電極膜60がさらに延設されており、下電極膜60の端部には、例えば、金(Au)等からなる実装用電極90が接続されてボンディングワイヤ等からなる接続配線(図示なし)が接続される端子部95が形成されている。つまり、下電極膜60と実装用電極90とは、圧電素子保持部31内ではなく、接着領域200又は接着領域200の外側で接続されている。そして、この端子部95(実装用電極90)を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加されるようになっている。
上電極膜80は、複数の圧力発生室12に対向する領域に連続的に形成され、圧電素子300の長手方向の一端部側では、上電極膜80の端部は圧力発生室12の外側に位置しており、圧電素子300の長手方向の他端部側では、上電極膜80の端部は圧力発生室12に対向する領域内に位置している。同時に、上電極膜80は、圧力発生室12に対向する領域の圧電体層70の上面及び圧電素子300が並設された方向における圧電体層70の側面(端面)を覆っている。
すなわち、図2(a)のB−B′断面である図4に示すように、圧電体層70の幅は下電極膜60側ほど広い台形状となっており、圧電体層70の側面が傾斜面となって圧力発生室12に対向する領域において上電極膜80が圧電体層70の側面を覆っている。なお、本実施形態では、圧電素子300の長手方向の一端部側の圧電体層70の側面も、上電極膜80によって覆われている。
また、このような上電極膜80は実質的に圧電素子保持部31内のみに設けられている。実際には、上電極膜80は、圧電素子保持部31内のみに形成されているが、上電極膜80に接続された実装用電極91が圧電素子保持部31の外側まで延設され、下電極膜60の場合と同様に、実装用電極91の先端部が接続配線(図示なし)に接続される端子部95となっている。つまり上電極膜80は、端子部95を除いて圧電素子保持部31内に形成されている。
このような構成では、下電極膜60は圧電素子保持部31の外側のみで露出される一方、上電極膜80は圧電素子保持部31内のみで露出され、これら下電極膜60の露出部分と上電極膜80の露出部分との間には、接合基板30と流路形成基板10とを接着するための接着剤35が存在する。したがって、この接着剤35によって下電極膜60と上電極膜80とが絶縁され、これら下電極膜60と上電極膜80との間で生じる絶縁破壊に起因する圧電素子300の破壊を防止することができる。
接合基板30と流路形成基板10とを接着する接着剤35は、このように上電極膜80と下電極膜60との絶縁を図る役割を果たすため、絶縁性の接着剤を用いることが好ましい。これにより下電極膜60と上電極膜80とをより確実に絶縁することができる。
また上電極膜80によって圧電体層70の表面を覆って設けられているため、保護膜を別途設けることなく、圧電体層70への大気中の水分(湿気)の浸透を防止することができる。保護膜を必要としないため製造コストが大幅に低減し、水分(湿気)に起因する圧電素子300(圧電体層70)の破壊を防止することができ、圧電素子300の耐久性を向上することができる。
さらに本実施形態では、上述したように圧電素子300の長手方向一端部側の上電極膜80の端部は、圧力発生室12に対向する領域内に位置しており、圧電素子300の実質的な駆動部が圧力発生室12に対向する領域内に設けられている。すなわち、圧電素子300は、圧力発生室12内に位置する下電極膜60の端部と上電極膜80の端部との間の部分が実質的な駆動部となっている。このため圧電素子300を駆動しても、圧力発生室12の長手方向両端部近傍の振動板(弾性膜50、絶縁体膜55)には大きな変形が生じることはないため、この部分の振動板に割れが発生するのを防止することができる。
なお接合基板30には、流路形成基板10の連通部15に対応する領域にリザーバー部32が設けられている。このリザーバー部32は、本実施形態では、接合基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の並設方向に沿って設けられており、上述したように流路形成基板10の連通部15と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。
さらに、接合基板30の圧電素子保持部31のリザーバー部32とは反対側の領域には、接合基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられ、上述した下電極膜60及び上電極膜80の端子部95がこの貫通孔33内に形成されている。そして図示しないが、これら下電極膜60及び上電極膜80の各端子部95は、貫通孔33内に延設される接続配線によって圧電素子300を駆動するための駆動IC等に接続される。
なお、接合基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
接合基板30上には、さらに、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバー部32の一方面が封止されている。固定板42は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板42のリザーバー100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバー100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバー100からノズル21に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない駆動ICからの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの圧電素子300に電圧を印加し、圧電素子300をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル21からインク滴が吐出する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、勿論上述した実施形態に限定されるものではない。少なくとも前記一端部側に、個別部70Aと、拡幅部70B及び共通部70Cが形成されていれば本発明の範囲に含まれる。例えば、個別部70Aと拡幅部70Bとの境界B1の位置及び拡幅部70Bと共通部70Cとの境界B2の位置を上記実施形態の位置に限定する必要はない。ただ、境界B1、B2の位置を上記実施形態のように限定した場合、最も応力が集中する下電極膜60の一端部60A及び圧力発生室12の一端部12Aでの剛性を高めることができるので、最も効果的に圧電体層70の破損防止を図ることができる。また、拡幅部70Bと共通部70Cとの境界B2における拡幅部70Bの幅W−PZT1を、圧力発生室12の幅W−CAVよりも大きくなるように構成することで拡幅部における剛性を大きくすることはできるが、かかる構成も必須ではない。
さらに、拡幅部70B及び共通部70Cを前記一端部だけではなく、これを他端部側にも形成しても良い。この場合も拡幅部70B及び共通部70C部分での剛性の向上と、上電極膜80の剥離防止機能は期待できる。ただ、他端部側では圧電体層70の下に下電極膜60が存在する構成となっているので、剛性向上効果は一端部側程顕著ではない。
また、本実施形態では、圧電素子保持部31の外側のみで露出される下電極膜60と圧電素子保持部31内のみで露出される上電極膜80との間で接合基板30の一部を接着剤35を介して圧電体層70の表面に接合し、圧電体層70及び接着剤35で下電極膜60と上電極膜80とを隔離することにより両者間の電気的な絶縁を図っているが、本発明の基本構造においては、必ずしもこのような絶縁構造を採用する必要はない。下電極膜60及び上電極膜80間の絶縁性は劣るが接合基板30の一部が下電極膜60上に接合されるような構造でも勿論構わない。
上述した実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図5に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
なお上述の実施形態では、インクジェット式記録ヘッドがキャリッジに搭載されて主走査方向に移動するタイプのインクジェット式記録装置を例示したが、本発明は、他のタイプのインクジェット式記録装置にも適用することができる。例えば、固定された複数のインクジェット式記録ヘッドを有し、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、いわゆるライン式のインクジェット式記録装置にも本発明を適用することができる。
また上述した実施形態では、本発明の液体噴射ヘッド及び液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を説明したが、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル、 30 接合基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 70A 個別部、 70B 拡幅部、 70C 共通部、 80 上電極膜、 100 リザーバー、 300 圧電素子

Claims (4)

  1. 液滴を吐出するノズルに連通する圧力発生室が複数並設された流路形成基板と、
    前記流路形成基板の一方面側に設けられた個別電極としての下電極、圧電体層及び前記圧力発生室の並設方向に亘って連続的に設けられた共通電極としての上電極と、を具備し、
    前記圧電体層は、前記圧力発生室の長手方向における前記下電極の一端部および前記圧力発生室の一端部を超えて設けられるともに、前記並設方向において前記下電極よりも広い幅で且つ前記圧力発生室よりも狭い幅の第1の部分と、複数の前記圧力発生室に亘って共通化された第2の部分と、前記第1の部分から前記第2の部分にかけて幅が漸増する第3の部分を有し、前記第3の部分と前記第2の部分との境界が、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の一端部よりも前記圧力発生室の他端側にあることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 液滴を吐出するノズルに連通する圧力発生室が複数並設された流路形成基板と、
    前記流路形成基板の一方面側に設けられた個別電極としての下電極、圧電体層及び前記圧力発生室の並設方向に亘って連続的に設けられた共通電極としての上電極と、を具備し、
    前記圧電体層は、前記圧力発生室の長手方向における前記下電極の一端部および前記圧力発生室の一端部を超えて設けられるともに、前記並設方向において前記下電極よりも広い幅で且つ前記圧力発生室よりも狭い幅の第1の部分と、複数の前記圧力発生室に亘って共通化された第2の部分と、前記第1の部分から前記第2の部分にかけて幅が漸増する第3の部分を有し、前記第1の部分と前記第3の部分との境界が、前記圧力発生室の長手方向において前記下電極の一端部よりも前記圧力発生室の他端側にあることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
    前記下電極の一端部が、前記圧力発生室に対応する領域に位置することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する液体噴射ヘッドを有することを特徴とする液体噴射装置。
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