JPH08267744A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH08267744A
JPH08267744A JP7075359A JP7535995A JPH08267744A JP H08267744 A JPH08267744 A JP H08267744A JP 7075359 A JP7075359 A JP 7075359A JP 7535995 A JP7535995 A JP 7535995A JP H08267744 A JPH08267744 A JP H08267744A
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JP
Japan
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ink
piezoelectric
piezoelectric body
resin
voltage
Prior art date
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Pending
Application number
JP7075359A
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English (en)
Inventor
Hideo Yasutomi
英雄 保富
Kenji Masaki
賢治 正木
Nan Touno
楠 東野
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14379Edge shooter

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 インクジェット記録装置は、複数の溝状凹部
21を形成した天板20と、上記凹部21を覆って凹部
内部にインク室23を形成する隔壁22と、接着層sを
介して隔壁22にのみ固着され、各インク室23に隔壁
を介してそれぞれ対向する複数の圧電体26と、を備え
ている。電圧印加手段により電圧を印加すると上記圧電
体26はインク室23に沿う方向に変形する。 【効果】 圧電体は他の部材に固定されることなく接着
層を介して隔壁にのみ固着されているので、1の圧電体
の振動が隣接する他の圧電体に伝播して連動変位させる
ことがなく、クロストークによる不必要なインク飛翔や
インク滴径のばらつきを抑えることができ、印字品質を
向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像信号に応じてイン
ク滴を飛翔させことにより、紙等の被記録媒体に記録す
るインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像信号に応じて圧電体に電
圧を印加し、圧電体の変形に基づきインクを加圧してノ
ズルからインク滴を飛翔させることにより、紙等の被記
録媒体に記録するインクジェットヘッドがプリンタなど
の記録装置に用いられている。
【0003】上記インクジェットヘッドとして、例えば
特開平6−143563号公報に、図10に示すものが
提案されている。このインクジェットヘッド70は、イ
ンク室74用の複数の凹部71が並列に形成された流路
基板72上に弾性膜73が接合されている。この弾性膜
73上に、基板75と接着された複数の駆動用積層圧電
振動子76及びダミー用積層圧電振動子77が配置され
ている。駆動用積層振動子76とダミー積層圧電振動子
77は、基板75に1枚の積層圧電振動子からなる板を
接着した後スリット加工によって分離されたものであ
る。そして、これら流路基板72、弾性膜73、積層圧
電振動子76,77および基板75の接合体が2枚の剛
体固定板78,79で挾持されている。このように構成
されるインクジェットヘッド70では、駆動用の積層圧
電振動子76に電圧を印加して変形させ、弾性膜73を
介してインク室74の容積を変化させてインクを加圧す
ることにより、ノズルからインク滴が飛翔するようにな
っている。
【0004】また、インクが充填された複数のインク室
のそれぞれに、例えばPZTなどの圧電材料と金属板を
2層以上に接合したバイモルフ構成の振動板を配置し、
かかる振動板に電圧を印加して振動板を変形させ、この
変形に基づきインクを加圧吐出させるカイザー方式のイ
ンクジェットヘッドがよく知られている(アメリカ特許
第3,946,398号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記イ
ンクジェットヘッド70では、奥行き方向(図10にお
いて紙面の表裏方向)に伸びる駆動用の積層圧電振動子
76と基板75との接触面が全面に亘って接着固定され
ているため、積層圧電振動子76の個々の振動が基板7
5を介して隣接する積層圧電振動子76にも伝播して連
動変位を生じさせていた。このため、インク吐出を欲し
ないインク室74からインク滴が吐出したり、または、
インク滴が吐出しないまでもインク室74内のインクの
流れに乱れを生じ、次の吐出の際にインク滴径が不均一
になるという、いわゆるクロストークと呼ばれるインク
吐出特性の相互干渉が発生し、印字品質が劣悪なものに
なるという問題がある。
【0006】また、上記カイザー方式のインクジェット
ヘッドにおいて、バイモルフ構成の振動板を作用させて
インクを吐出させるには、大きな作用面積を有する振動
板を用いる必要があるため、多ノズル化による印字ドッ
トの高密度化が困難であり、その結果、印字速度を速く
することができないという問題がある。
【0007】そこで、本発明は上記問題点を解決するた
めになされたもので、クロストークのない安定したイン
ク滴の飛翔を実現して印字品質を向上させることがで
き、かつ、多ノズル化による印字ドットの高密度化が容
易で印字速度を速くすることができるインクジェット記
録装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明は、第1の非圧電部材に複数の溝状凹部を
形成し、上記凹部を覆って凹部内部にインク室を形成す
る隔壁を設け、この隔壁を介して上記各インク室に対向
する複数の圧電体をそれぞれ配置するとともに、これら
の圧電体を覆う第2の非圧電部材を上記隔壁を介して上
記第1の非圧電部材に固定し、電圧印加手段により上記
圧電体に画像信号に応じて電圧を印加して変形させ、こ
の圧電体の変形に基づき上記インク室に充填されたイン
クを加圧吐出するようにしたインクジェット記録装置に
おいて、上記圧電体が接着層を介して上記隔壁にのみ固
着され、上記電圧印加手段により電圧を印加したときに
上記圧電体がインク室に沿う方向に変形するようにした
ことを特徴とする(請求項1)。
【0009】また、第2発明は、上記第2の非圧電部材
の隔壁対向面に上記第1の非圧電部材の凹部に対応する
複数の溝部を形成し、この溝部内に上記圧電体をそれぞ
れ収容したことを特徴とする(請求項2)。
【0010】さらに、第3発明は、上記各圧電体をそれ
ぞれ連結された部分を有する櫛歯状に形成したことを特
徴とする(請求項3)。
【0011】
【作用】上記第1発明にかかるインクジェット記録装置
では、圧電体に電圧を印加して電界を形成すると、圧電
体はインク室に沿う方向に収縮変形または膨張変形する
が、このとき、圧電体は接着層を介して隔壁に固着され
ているので、圧電体の接着面の変形が拘束される。した
がって、圧電体が収縮変形しようとするときには、接着
面とは反対側の非接着面の収縮量が大きくなり、圧電体
は接着面側に湾曲してインク室の容積を減じる方向に急
峻に変形し、この変形によって加圧されたインクが液滴
状となって飛翔する。そして、電圧印加が解除され、圧
電体が元の状態に戻るときにインク室の容積が増加して
インク室内部に負圧が生じ、これによりインクが補充さ
れて次のインク飛翔の準備ができる。
【0012】一方、電圧印加により圧電体がインク室に
沿って膨張変形するときには、接着面での変形が拘束さ
れることにより、圧電体の非接着面における伸長量が大
きくなる。このため、圧電体は非接着面側に湾曲してイ
ンク室の容積を増加させる方向に変形する。この変形で
インク室内部に生じた負圧によりインクが補充され、電
圧印加の解除により圧電体が元の状態に戻るときに、イ
ンク室内のインクが加圧されて飛翔する。
【0013】上記いずれの場合にも、圧電体は隔壁にの
み固着され、他の部材に固定されていないので、1の圧
電体の振動が伝播して他の圧電体を連動変位させること
がなく、クロストークが発生することもない。
【0014】上記第2発明にかかるインクジェット記録
装置では、圧電体の変形にねじれが発生した場合でも、
第2の非圧電部材に形成され、かつ各圧電体が収容され
ている溝部の側壁面がガイドの役割を果たすため、圧電
体の変形がインク室の容積を減少または増加させる方向
に確実に導かれる。
【0015】上記第3発明にかかるインクジェット記録
装置では、櫛歯状に形成することで各圧電体の構造的強
度が増加するとともに、加工・組立面におけるハンドリ
ングが容易になり、組立ばらつきが少なくなり精度がよ
くなる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。図1は本発明の実施例であるインクジ
ェット記録装置1の全体構成を概略的に示したものであ
る。このインクジェット記録装置1は大別して、コネク
タ2aを備えた電源部2と、駆動系3と、メカコントロ
ーラ4と、メモリ5と、コントローラ6と、インク供給
部7と、スキャンキャリッジ8と、給紙部9と、ケース
10と、操作パネル11とから構成されている。上記ス
キャンキャリッジ8は通紙方向(矢印a方向)に直交す
る方向(図1において紙面の表裏方向)にスキャン可能
になっており、その内部にはブラック、シアン、マゼン
タおよびイエロの各色用に4つのインクジェットヘッド
12が通紙方向に沿い、かつインク吐出ノズルを下方に
向けて配置されている。
【0017】上記インクジェットヘッド12は、図2に
示すように、第1の非圧電部材である天板20を備えて
いる。この天板20は、例えばアルミナなどの非圧電材
料からなるプレートで構成され、図3に示すように、そ
の下面には複数の溝状凹部21がダイシング加工等によ
り形成されている。これら凹部21は天板20の幅方向
に所定ピッチで形成され、天板20の長手方向にそれぞ
れ平行に伸びている。天板20の凹部21形成面には、
例えばアラミド樹脂からなる隔壁22が設けてあり、天
板20との接触面において接着固定されている。そし
て、この隔壁22で覆われた各凹部21内部にインク室
23が形成されている。
【0018】上記隔壁22には、各インク室23に隔壁
22を介して対向する複数の圧電体26が接着層sを介
してそれぞれ固着されている。この圧電体26は、例え
ばPZT圧電セラミックからなるプレートをダイシング
ソーで切断して形成され、矩形断面を有し、かつインク
室23に沿う方向に柱状体をなしている。上記隔壁22
に接着されている圧電体26の上面には共通電極27が
形成され、共通電極27とは反対側の圧電体26の下面
には個別電極28が形成されている。これらの電極は、
各圧電体26に切断する前の圧電セラミックプレートの
上下面に、メッキ法によるAu/Ni膜、または、スパ
ッタリングによるAu/(Ni,Cr)膜を付着させる
ことによって形成され、その厚さは0.1〜10μm程
度である。また、圧電体26は個別電極28から共通電
極27へ向かう方向(矢印P方向)に分極処理がなされ
ている。なお、圧電体26の表面には、大気中の湿気が
浸透することによる電圧を印加したときの変形量の低下
を防止するため、例えばポリイミド樹脂をスピンコート
法で塗布し、180℃で1時間焼き付けてオーバコート
処理するのが好ましいが、湿度抵抗の高い圧電材料を圧
電体26に用いた場合には、この処理を省略してもよ
い。
【0019】上記天板20の幅方向両端側の隔壁22に
は、スペーサ19(一方のみ図示)がそれぞれ接着固定
され、その下部には、各圧電体26の下方を覆う第2の
非圧電部材である基板24が接着固定されている。この
基板24は、天板20と同様に、非圧電材料からなるプ
レートで構成され、圧電体26の個別電極28形成面と
の間に空間を形成している。このように、圧電体26は
他の部材には全く固定されることなく、隔壁22にのみ
固着されて支持されている。なお、天板20へのスペー
サ19および基板24の固定には、2枚の固定板とボル
トなどの締め付け具を用いて上下方向から挾持するか、
または、これらの周囲を一体的に樹脂モールディングす
る等の方法を併用してもよい。
【0020】上記天板20、隔壁22、スペーサ19お
よび基板24の接合体の前端面には、図2または図4に
示すように、例えば厚さ25〜200μm程度のポリイ
ミドフィルムからなるノズルプレート30が接着固定さ
れている。このノズルプレート30には、例えばエキシ
マレーザなどによって複数のノズル孔30aが上記イン
ク室23と等ピッチで形成され、このピッチは例えば約
42.3〜254μm(画素密度:600〜100dp
i)程度である。
【0021】上記天板20の後端面には、図4に示すよ
うに、各インク室23に対応するインク供給口31aを
備えたオリフィスプレート31が接着されている。この
オリフィスプレート31には、図4の上方から見てコ字
状のバックプレート32が接着され、オリフィスプレー
ト31との間にすべてのインク供給口31aと連通し、
かつ上方に開口するインク分配路33が形成されてい
る。上記隔壁22の後端部はバックプレート32の下部
に接着され、インク分配路33の下方を封止している。
天板20の後方上部には、上記インク分配路33を覆う
インクマニホールド34が固定され、その上部にインク
チューブ34aが突設されている。
【0022】上記圧電体26の後端側の個別電極28
は、引き出し配線支持材35に支持され、かつ各圧電体
26に対応する引き出し配線36にワイヤボンディング
等の方法でそれぞれ接続されている。この引き出し配線
36は図示しない駆動用ICを介して電圧印加手段であ
るコントローラ6(図1参照)に接続され、このコント
ローラ6により圧電体26に画像信号に応じて電圧が印
加される。一方、圧電体26上面の共通電極27は、ア
ースされている。このアースへの接続は図示していない
が、例えば、隔壁22を導電性を有する樹脂または金属
で形成するか、または、導電性接着剤を用いて隔壁22
と各圧電体26を接着してすべての共通電極27に導通
する接着剤層を形成し、このような隔壁22または接着
剤層に1箇所だけアースする等の方法で行う。
【0023】続いて、上記構成からなるインクジェット
ヘッド12のインク吐出動作について説明する。インク
は、図4に示すように、インク供給部7(図1参照)か
らインクチューブ34aに供給され、インク分配路33
およびインク供給口31aを介して各インク室23に充
填される。圧電体26の個別電極28に図5(a)に示
すような正極性のパルス状電圧を印加すると、図6
(a),(b)に示すように、圧電体26には個別電極
28から共通電極27に向かう方向(矢印E方向)、即
ち、分極方向(矢印P方向)と平行に電界が形成され、
圧電体26はいわゆる厚み方向振動モード(圧電体26
の長手方向に見れば長手方向振動モード)によりインク
室23に沿う方向に変形、振動する。ここで、圧電体2
6を全く接着固定しない場合には、図6(a)中破線で
示すように、圧電体26は電圧印加により厚み方向に膨
張変形する一方、長さ方向および奥行き方向に収縮変形
する。
【0024】しかし、本実施例では圧電体26を接着層
sを介して隔壁22に固着しているために、共通電極2
7を形成した圧電体26の接着面における収縮変形が拘
束され、個別電極28を形成した非接着面の収縮量の方
が大きくなる。その結果、圧電体26は、図6(b)中
破線で示すように、接着面側に湾曲して変形する。この
変形によって、図4中破線で示すように、隔壁22が急
峻に押し上げられてインク室23の容積が減少し、これ
により加圧されたインクがノズル孔30aより液滴状と
なって飛翔し、図示しない記録紙上に付着する。
【0025】個別電極27への電圧印加が解除され電界
が消滅すると、圧電体26は元の状態に戻り、隔壁22
も同時に復元する。このとき、インク室23の容積が増
加して内部に負圧が生じ、マニホールド34、インク分
配路33及びインク供給口31aを介してインク室23
にインクが補給され、次のインク吐出の準備ができる。
【0026】ただし、上記インク補給時に、図5(a)
に示すように電圧を瞬時にゼロにして圧電体26の弾性
に基づき復元させ、急峻にインク室23の容積を増加さ
せると、ノズル孔30aからインク室23内に気泡が吸
引され、次のパルス電圧の印加時に気泡が圧力を吸収し
てインク飛翔を妨げるおそれがある。このため、図5
(b)に示すように、圧電体26が復元動作の際の電圧
のパルス形状に傾斜をもたせ、圧電体26および隔壁2
2が気泡の吸引が生じない範囲で最も速く戻るようにし
て、これを防止する。
【0027】また、図5(a)に対して同電圧でパルス
幅を変えたパルス電圧を印加して圧電体26の変形量を
調節すれば、飛翔するインク滴径を変えることができ、
これにより記録紙上に付着するドット径を変えられるの
で、中間調再現が可能になる。例えば、図5(c)に示
すように、パルス幅を小さくすると、ドット径が小さく
なる。図5(d)に示すパルス電圧は、主パルスに対し
て逆極性で小電圧の後パルスを印加したものである。こ
の波形のパルス電圧を圧電体26に印加すれば、主パル
スによってインク滴が飛翔した後にノズル孔30aから
伸びるインク柱をサブパルスによって強制的にインク室
23に引き込むことができるので、サテライトノイズを
軽減できる。図5(e)に示すパルス電圧は、主パルス
に対して同極性で小電圧の前パルスを印加するもので、
この波形のパルス電圧によれば主パルスの電圧値を低く
抑えることができ、これによってドライバー負担が小さ
くなるため、ドライバーコストを低減できる。
【0028】上記のようなインク吐出動作が画像信号に
応じて各インク室23毎に独立して行われることによ
り、1ライン分の画像が描かれ、これが記録紙の移動に
同期して繰り返されることで、画像信号に応じた画像が
記録紙上に描かれる。
【0029】以上に説明したように本実施例では、圧電
体26を他の部材に固定することなく、接着層を介して
隔壁22にのみ固着してあるだけなので、従来のインク
ジェットヘッドのように、1の圧電体26の振動が隣接
する他の圧電体26に基板24を介して伝播することが
なく、連動変位を完全に抑制することができる。また、
隔壁22の天板20との接触部はすべて接着されている
ので、隔壁22を介して振動が伝播することもない。こ
のため、クロストークによる不必要なインク吐出やイン
ク室32内のインク流の乱れもなく、インク吐出を非常
に安定して行うことができ、その結果、インク飛翔滴の
ドット間のバラツキがなくドット径が安定し、印字品質
を格段に向上させることができる。
【0030】また、本実施例の構成によれば、圧電体2
6の変形に基づく隔壁22を押し上げ量を大きくとるこ
とができる。したがって、従来のインクジェットヘッド
に比べ、低電圧で同程度のインク飛翔を達成できるの
で、ドライバーICを安価な低電圧(例えば、60ボル
ト以下)用のものを使用でき、ドライバーコストの低減
を図ることができる。
【0031】さらに、従来のカイザー方式のインクジェ
ットヘッドに比べ、電歪素子に相当する圧電体26を高
密度に配置することが容易であるため、安価に多ノズル
化することができ、これにより印字速度の高速化が可能
になる。
【0032】ところで、上記実施例では、図5(a)〜
(e)に示すパルス電圧を印加して圧電体26を長さ方
向に収縮変形させ、この変形に基づき隔壁22を押し上
げてインクを飛翔させ、圧電体26とともに隔壁22が
復元するときにインクを補充するようにしたが、これと
は反対に、圧電体26に図5(f)または(g)に示す
ような逆極性のパルス電圧を印加してもよい。この場
合、圧電体26には、図6(c)に示すように、共通電
極27から個別電極28に向かう方向(矢印E方向)に
電界が形成され、圧電体26は長さ方向に膨張変形する
が、接着面での変形が拘束されるために個別電極28を
形成した非接着面における伸長量が大きくなり、圧電体
26は非接着面側に湾曲して変形する。この変形によっ
てインク室23の容積が増加してインクが補充され、電
圧印加の解除により圧電体26が復元するときにインク
が飛翔することになる。ここで、図5(g)のパルスの
立ち上げ部を傾斜させてある理由は、上記図5(b)の
場合と同様である。なお、電圧を印加したときに圧電体
26を非接着面側に湾曲するように変形させるには、図
5(f),(g)のパルス電圧を印加する以外に、圧電
体26の分極方向を逆にする、接着層sの硬度や隔壁2
2の弾性定数を変更する等の方法によっても可能であ
る。
【0033】次に、上記実施例の変形例について図7〜
9を参照して説明するが、特記する以外の部材および作
用効果は上記実施例と同一であるため説明を省略する。
上記スペーサ19および基板24に代えて、図7に示す
ように、隔壁22に対向する面に天板20の各凹部21
に対応する複数の溝部37を形成した基板38を用いて
もよい。この基板38は、隔壁22に接着された圧電体
26を上記各溝部37内にそれぞれ収容した状態で、接
着層sおよび隔壁22を介して天板20に対して固定さ
れている。なお、この場合にも圧電体26は、上記溝部
37の内壁面と接触することなく、隔壁22にのみ固着
されている。
【0034】上記基板38を用いたインクジェット記録
装置によれば、圧電体26の変形にねじれが発生した場
合にも、上記溝部37の側壁面がガイドの役割を果た
し、圧電体26の変形がインク室23の容積を減少また
は増加させる方向に確実に導かれるので、インク滴径が
不均一になることがなく安定したインク飛翔が達成され
る。また、隔壁22は、天板20の各凹部21を仕切る
凸部先端と、基板38の各溝部37を仕切る凸部先端と
の間に挾持されて固定されている。このため、インク室
23の一壁を形成する隔壁22の振動が他のインク室2
3に伝播するのをより完全に遮断でき、隔壁22を介し
てのクロストークの発生を確実に防止することができ
る。さらに、上下方向から固定されることによってイン
ク室23の一壁を形成する隔壁22の構造的強度が高く
なるので、寿命が伸びて装置の耐久性が増すとともに、
振動の減衰が早くなるので次のインク飛翔を早く行うこ
とができ、その結果、高周波応答性が上がり印字速度を
速くすることができる。
【0035】上記実施例およびその変形例では単層の圧
電体26を使用したが、図8に示すように、公知のグリ
ーンシート法により圧電材料を2層以上の多層に積層
し、内部に接着層を兼ねた個別電極および共通電極を形
成した積層型圧電体40を使用すれば、積層数に応じて
大きな実効変位を得ることができるので、駆動電圧を低
くすることができ、ドライバーコストの低減を図れる。
なお、この場合も積層型圧電体40の変形をガイドする
溝部37を形成した上記基板38を使用するのが好まし
い。
【0036】また、上記実施例およびその変形例では、
平板状の圧電材料をダイシング加工により各圧電体26
を完全に分割して細長い柱状体に形成したが、図9に示
すように、いわゆる櫛歯状に形成した圧電部材41を用
いるようにしてもよい。この圧電部材41は、インク室
23に対応する領域では各圧電体42は細長い柱状体に
分割されているが、その後部領域rでは、個別電極28
形成面より一段低くなった面を有する連結部43によっ
て各圧電体42がそれぞれ連結されている。なお、連結
部43は、プレート状の圧電材料をダイシングソーによ
りスリット加工する際に、連結部43のところで切削深
さを浅くすることによって形成される。また、この連結
部43に対応する各圧電体42の後部領域rには個別電
極28を形成しない。これは、この後部領域rに変形が
生じないようにして、各圧電体42間で振動が影響し合
うのを防止するためである。
【0037】このように圧電体42を櫛歯状に形成する
ことで、各圧電体42の構造的強度が増し、装置の耐久
性、信頼性が向上するとともに、加工・組立面のハンド
リングが容易になり、組立バラツキが少なく精度が高く
なるので、歩留まりが良くなり製造コストを安価にする
ことができる。また、連結部43の存在によって各圧電
体42の下面の共通電極27も共通化されて導通するた
め、導電性接着剤層を用いなくても一か所の接続で各圧
電体42の共通電極27のアースが可能になり、接続を
容易に行うことができる。
【0038】次に、上記実施例のインクジェットヘッド
に使用できる材料等について説明する。圧電体の材料 上記圧電体26,40,42の材料としては、以下に示
す圧電材料を用いることができる。 (1) 圧電結晶 水晶(SiO2) ,ロッシェル塩(RS:NaKC4
46・4H2O) 酒石酸エチレンジアミン(ETD:C61426
,酒石酸カリウム(DKT:K2446・1/2H
2O) ,第2リン酸アンモニウム(ADP:NH42
PO4) ,プロブスカイト系結晶(ex.CaTi
3,BaTiO3,PLZT) ,タングステンブロン
ズ系結晶(ex.NaxWO3 〔0.1<x<0.2
8〕) ,ニオブ酸バリウムナトリウム(Ba2NaN
515) ,ニオブ酸カリウム鉛(Pb2KNb
515) ,ニオブ酸リチウム(LiNbO3) ,タン
タル酸リチウム(LiTaO3) ,さらに、塩素酸ソ
ーダ(NaClO3),電気石(Tourmalin
e), 閃亜鉛鉱(ZuS) ,硫酸リチウム(LiS
42O) ,メタガリウム酸リチウム(LiGa
2) ,ヨウ素酸リチウム(LiIO3) ,硫酸グリ
シン(TGS) ,ゲルマニウム酸ビスマス(Bi12
eO20) ,ゲルマニウム酸リチウム(LiGeO3
,チタニウム酸バリウム ,ゲルマニウム(Ba2
2TiO3) 等の結晶。
【0039】(2) 圧電半導体 ウルツ鉱 ,BeO ,ZnO ,CdS ,CdSe
,AlN。 (3) 圧電セラミックス チタニウム酸バリウム(BaTiO3) ,チタニウム
酸ジルコニウム酸鉛(PbTiO3・PbZrO3) ,
チタニウム酸鉛(PbTiO3) ,ニオブ酸バリウム
酸鉛((Ba−Pb)Nb26)。 (4) 上記(1)圧電結晶、(2)圧電性半導体、
(3)圧電セラミックス材料の粉をプラスチック類に分
散して成型したものでも良い。 (5) 圧電性高分子 ポリフッ化ビニリデンPVDF(−CH2−CF2−)n
,ポリフッ化ビニリデン/PZT ,ゴム/PZT
,トリフルオロエチレンとフッ化ビニリデンの共重合
体 ,シアン化ビニリデンと酢酸ビニルの共重合体 ,
ポリシエン化ビニリデン等。 以上に挙げた圧電材料を分極処理した後、圧電体として
加工して用いるか、もしくは圧電体として加工した後分
極処理して用いてもよい。
【0040】圧電体のオーバコート処理 上記圧電体26,40,42のオーバコート処理は、次
の(1)〜(5)に挙げる方法で行うこともできる。 (1) プラスチック類の塗布 飽和ポリエステル樹脂 ,ポリアミド樹脂 ,ポリイミ
ド樹脂 ,アクリル樹脂 ,アラミド樹脂 ,エチレン
−酢酸ビニル樹脂 ,イオン架橋オレフィン共重合体
(アイオノマー) ,スチレン−ブタジェンブロック共
重合体 ,ポリアセタール ,ポリカーボネード ,塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ,セルロースエステル
,ポリイミド ,スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂。
【0041】エポキシ樹脂 ,フェノキシ樹脂 ,ウレ
タン樹脂 ,ナイロン類 ,シリコーン樹脂 ,フルオ
ロシリコン樹脂 ,フェノール樹脂 ,メラミン樹脂
,キシレン樹脂 ,アルキッド樹脂 ,熱硬化アクリ
ル樹脂等の熱硬化性樹脂。ポリビニルカルパゾール ,
ポリビニルピレン ,ポリビニルアントラセン,ポリビ
ニロール等の光導電性樹脂。
【0042】これらは単独で、または組み合わせて使用
することができる。その他、液晶ポリマー等のエンジニ
アプラスチック類、プラスチック類と粉末、ウィスカー
との混合物でも良い。感光性樹脂 ,厚膜用フォトレジ
スト樹脂等が使用可能である。ベークライト ,フッ素
系樹脂 ,ガラス・エポキシ樹脂(エポキシ中にガラス
フィラー混入)でもよい。これらは、塗布,ディップ,
スプレー法等、公知の液体塗布方法を用いればよい。上
記の中では特に、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノキシ樹脂、フルオロシリコーン樹脂、
フッ素樹脂、ガラス・エポキシ樹脂の効果が優れてい
る。
【0043】(2) 酸化・窒化・硫化金属化合物等の
蒸着 酸化金属化合物(SiO2,SiO,CrO,Al23
等)や、窒化金属化合物(Si34,AlN等)や、硫
化金属化合物(ZnS等)、あるいはこれらの合金を、
真空蒸着やスパッタ等でコートする。また、上記(1)
のプラスチックを蒸着によって塗布してもよいし、パリ
レン樹脂蒸着してもよい。上記の中では、Al23、S
34の効果が優れている。
【0044】(3) 炭化水素化合物の塗布 炭化水素,酸素含有炭化水素,硫黄含有炭化水素を始め
とするIV属元素含有炭化水素 、窒素含有炭化水素,ケ
イ素含有炭化水素,フッ素含有炭化水素を始めとするハ
ロゲン含有炭化水素 、III属元素含有炭化水素を、P
−CVD(プラズマCVD)によって塗布し、オーバコ
ート処理する。あるいは、これらの混合気相下でP−C
VDにより塗布してもよい。上記の中ではフッ素含有炭
化水素の効果が優れている。なお、これらの膜は、圧電
体との接着性の相性にしたがって適宜、a−Si(アモ
ルファスシリコン),a−SiC,a−SiN等による
アンダーコートを設ける必要がある。 (4) 上記(1)のプラスチック類を、塗液状態で圧
電体プレート表面の塗布する代わりに、減圧下で圧電体
形成部に置換,含浸させて成形する。 (5) 圧電体プレートの表面を撥インク性の溶剤で表
面処理する。
【0045】以上の(1)〜(5)に挙げる方法で形成
したオーバコート膜を比較すると、次のような特徴が見
られる(ただし(3)はアンダーコート有りの場合)。 強度 : 強 (2),(3)>(1),(4)>(5) 弱 平滑性 : 良 (1),(4)>(2),(3),(5) 悪 接着性(耐振動性を含む) : 強 (1),(4)>(2),(3)>(5) 弱 耐久性(耐インク性を含む): 良 (1),(4)>(2),(3)>(5) 悪 その他、(5)は処理が簡便であり、(1)〜(4)の
後処理として利用することもできる。また、コスト面に
おいては、(1),(4)が特に安価である。なお、上
記(1)〜(5)に挙げる方法を、圧電体やインク種に
応じて適宜組み合わせて使用してもよい。
【0046】天板,基板の材料 天板20,基板24,38を構成する非圧電材料に用い
ることができるものとして、次の(1)〜(4)に挙げ
るものがある。 (1) セラミックス Al23 ,SiC ,C ,BaTiO3 ,BiO3
・3SnO2 ,Pb(Zrx,Ti1-x)O3 ,ZnO
,SiO2 ,(1−x)Pb(Zrx,Ti1-x)O3
+(x)La23 ,Zn1-xMnxFe23 ,γ−F
23 ,Sr・6Fe23 ,La1-xCaxCrO3
,SnO2 ,遷移金属酸化物 ,ZnO−Bi23
,半導体BaTiO3 ,β−Al23 ,安定化ジ
ルコニア,LaB6 ,B4C ,ダイヤモンド ,Ti
N ,TiC ,Si34 ,Y22S:Eu ,PL
ZT ,ThO2 ,−CaO・nSiO2 ,Ca
5(F,Cl)P312 ,TiO2 ,K2O・nAl2
3
【0047】(2) ガラス類 元素ガラス=Si ,Se ,Te ,As 水素結合ガラス=HPO3 ,H3PO4 ,SiO2
22 ,P25 ,GeO2 ,As23 酸化物ガラス=SbO3 ,Bi23 ,P23 ,V2
5 ,Sb25 ,As23 ,So3 ,ZrO2 フッ化物ガラス=BeF2 ,塩化物ガラス=ZnCl2 硫化物ガラス=GeS2 ,As23 炭酸塩ガラス=K2CO3 ,MgCO3 硝酸塩ガラス=NaNO3 ,KNO3 ,AgNO3 硫酸塩ガラス=Na223 ,H2O ,Tl2SO
4 ,ミョウバン ケイ酸ガラス=SiO2 ケイ酸アルカリガラス=Na2O−CaO−SiO カリ石灰ガラス=KO−CaO−SiO2 ソーダ石灰ガラス=Na2O−CaO−SiO2 鉛ガラス バリウムガラス ホウケイ酸ガラス。
【0048】(3) プラスチック類 飽和ポリエステル樹脂 ,ポリアミド樹脂 ,ポリイミ
ド樹脂 ,アラミド樹脂 ,アクリル樹脂 ,エチレン
−酢酸ビニル樹脂 ,イオン架橋オレフィン共重合体
(アイオノマー) ,スチレン−ブタジェンブロック共
重合体 ,ポリアセタール ,ポリカーボネード ,塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ,セルロースエステル
,ポリイミド ,スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂。
エポキシ樹脂 ,ウレタン樹脂 ,ナイロン樹脂 ,シ
リコーン樹脂 ,フェノール樹脂 ,メラミン樹脂 ,
キシレン樹脂 ,アルキッド樹脂 ,熱硬化アクリル樹
脂等の熱硬化性樹脂。ポリビニルカルパゾール ,ポリ
ビニルピレン ,ポリビニルアントラセン,ポリビニロ
ール等の光導電性樹脂。
【0049】上記(1)〜(3)に挙げるものは単独
で、または組み合わせて使用することができる。その
他、液晶ポリマー等のエンジニアプラスチック類、プラ
スチック類と粉末、ウィスカーとの混合物でも良い。感
光性樹脂、厚膜用フォトレジスト樹脂等も使用可能であ
り、ベークライト、フッ素系樹脂、ガラス・エポキシ樹
脂(エポキシ中にガラスフィラー混入)でもよい。
【0050】(4) その他 インク室に接する側面を絶縁膜コートする場合は、全て
の金属が使用できる。これらの非圧電材料は、板状にし
た後、天板20等に加工するか、もしくは型成型した
り、パターンエッチング、光硬化等を利用して最初から
天板20等の形状に成型しても良い。
【0051】隔壁の材料 上記隔壁22の材料としては、以下に挙げるものを用い
ることができる。 (1)エポキシ樹脂 ,フェノキシ樹脂 ,ウレタン樹
脂 ,ナイロン類 ,シリコーン樹脂 ,フルオロシリ
コン樹脂 ,フェノール樹脂 ,メラミン樹脂,キシレ
ン樹脂 ,アルキッド樹脂 ,熱硬化アクリル樹脂等の
熱硬化性樹脂。上記の中では、エポキシ樹脂、フェノキ
シ樹脂、フルオロシリコーン樹脂が好適い用いられる。
【0052】(2) ポリエステル樹脂 ,ポリアミド
樹脂 ,アクリル樹脂 ,アラミド樹脂 ,エチレン−
酢酸ビニル樹脂 ,イオン架橋オレフィン共重合体(ア
イオノマー) ,スチレン−ブタジェンブロック共重合
体 ,ポリアセタール ,ポリフェニレンサルファイド
,ポリカーボネイト ,塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体 ,セルロースエステル ,ポリイミド ,スチロ
ール樹脂等の熱可塑性樹脂。上記の中では、アラミド樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン−酢酸
ビニル樹脂が好適に用いられる。
【0053】(3) 液晶ポリマ (4) 感光性樹脂 ,厚膜用フォトレジスト樹脂 (5) ゴム ,合成ゴム (6) ニッケル ,ステンレス ,チタン ,タング
ステン等の薄板 なお、上記(1)〜(5)に挙げた材料は、単体もしく
は組み合わせて用いてもよい。
【0054】以上の(1)〜(6)に挙げた材料の優劣
を比較すると、(1)〜(3)についてはほぼ同等であ
るが、 優 (1)〜(3)>(4)>(6)>(5) 劣 という特徴が見られる。さらに、材料の厚さは100μ
m以下、できれば50μm以下とするのが好ましい。
【0055】接着剤の材料 インクジェットヘッドの組み立てに用いる接着剤として
は、次の(1)〜(4)に挙げるものが使用できる。た
だし、接着剤層を共通電極をアースする際の導体として
用いる場合には、当然に導電性を有する必要がある。 (1) エポキシ樹脂 ,フェノール樹脂 ,フェノキ
シ樹脂 ,アクリル系樹脂 ,フラン樹脂 ,ポリウレ
タン樹脂 ,ポリイミド樹脂 ,シリコーン樹脂等の熱
硬化性樹脂接着剤。 (2) ポリ酢酸ビニル ,ポリ塩化ビニル ,ビニル
アセタール ,ポリビニルアルコール ,ポリビニルブ
チラール等の熱可塑性樹脂接着剤。 (3) UV硬化樹脂接着剤。 (4) 嫌気性硬化型接着剤。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、第1発
明のインクジェット記録装置では、圧電体を接着層を介
して隔壁にのみ固着してあり、電圧を印加したときに圧
電体がインク室に沿って変形するようにしてある。この
ため、圧電体を他の剛性を有する部材に固定した場合の
ように、1の圧電体の振動がその剛性部材を介して隣接
する圧電体に伝播することがなく、連動変位を完全に抑
えることができる。したがって、クロストークによる不
必要なインク吐出やインク室内のインク流の乱れもな
く、インク吐出を非常に安定して行うことができ、その
結果、インク飛翔滴のドット間のバラツキがなくドット
径が安定し、印字品質を向上させることができる。
【0057】また、圧電体の変形に基づく隔壁の押し上
げ量を大きくとることができるので、低電圧駆動が可能
となり、ドライバーコストを低減することができる。さ
らに、圧電体の高密度配置が可能であるため、安価に多
ノズル化することができ、印字速度を速くすることがで
きる。
【0058】第2発明にかかるインクジェット記録装置
によれば、第2の非圧電部材に第1の非圧電部材の凹部
に対応した複数の溝部を形成し、各溝部に圧電体をそれ
ぞれ収容した状態で上記第2の非圧電部材を第1の非圧
電部材に固定しているため、圧電体の変形にねじれを生
じた場合にも、上記溝部の側壁面がガイドとなって圧電
体の変形がインク室の容積を減少または増加させる方向
に確実に導かれ、安定したインク飛翔を達成することが
できる。
【0059】第3発明にかかるインクジェット記録装置
によれば、各圧電体がそれぞれ連結された部分を有する
櫛歯状に形成されることにより、各圧電体の構造的強度
が増し、装置の耐久性、信頼性が向上するとともに、加
工・組立面のハンドリングが容易になり、組立バラツキ
が少なく精度が高くなるので、歩留まりが良くなり製造
コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット記録装置の概略構成図であ
る。
【図2】 インクジェットヘッドの全体斜視図である。
【図3】 図2に示すインクジェットヘッドの幅方向断
面図である。
【図4】 図2に示すインクジェットヘッドの長手方向
断面図である。
【図5】 圧電体に印加する電圧のパルス形状を示す図
である。
【図6】 圧電体の分極方向、電界形成方向および電圧
印加時の変形状態を示す図である。
【図7】 インクジェットヘッドの変形例を示す図であ
る。
【図8】 積層型圧電体を用いたインクジェットヘッド
の幅方向断面図である。
【図9】 櫛歯状に形成された圧電部材の斜視図であ
る。
【図10】 従来のインクジェットヘッドの一例を示す
部分断面図である。
【符号の説明】
1…インクジェット記録装置、6…コントローラ(電圧
印加手段)、20…天板(第1の非圧電部材)、21…
凹部、22…隔壁、23…インク室、37…溝部、38
…基板(第2の非圧電部材)、41…櫛歯状に形成され
た圧電部材、s…接着層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の非圧電部材に複数の溝状凹部を形
    成し、この凹部を覆って凹部内部にインク室を形成する
    隔壁を設け、この隔壁を介して上記各インク室に対向す
    る複数の圧電体をそれぞれ配置するとともに、これらの
    圧電体を覆う第2の非圧電部材を上記隔壁を介して上記
    第1の非圧電部材に固定し、電圧印加手段により上記圧
    電体に画像信号に応じて電圧を印加して変形させ、この
    圧電体の変形に基づき上記インク室に充填されたインク
    を加圧吐出するようにしたインクジェット記録装置にお
    いて、 上記圧電体を接着層を介して上記隔壁にのみ固着し、上
    記電圧印加手段により電圧を印加したとき上記圧電体が
    上記インク室に沿う方向に変形するようにしたことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 上記第2の非圧電部材の隔壁対向面に上
    記第1の非圧電部材の凹部に対応する複数の溝部を形成
    し、この溝部内に上記圧電体をそれぞれ収容したことを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 上記各圧電体がそれぞれ連結された部分
    を有する櫛歯状に形成されていることを特徴とする請求
    項1または2に記載のインクジェット記録装置。
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