JPH08244221A - 電気機械変換装置及びそれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

電気機械変換装置及びそれを用いたインクジェット記録装置

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JPH08244221A
JPH08244221A JP7055719A JP5571995A JPH08244221A JP H08244221 A JPH08244221 A JP H08244221A JP 7055719 A JP7055719 A JP 7055719A JP 5571995 A JP5571995 A JP 5571995A JP H08244221 A JPH08244221 A JP H08244221A
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JP
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piezoelectric body
fixed
substrate
piezoelectric
ink
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JP7055719A
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Hideo Yasutomi
英雄 保富
Kenji Masaki
賢治 正木
Nan Touno
楠 東野
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電気機械変換装置1は、少なくとも一部が基
板2の上に固定されていない圧電体3を備えている。電
極4,5は、少なくとも圧電体3上に一対配置されてい
る。少なくとも一方の電極4は、圧電体3の基板2に固
定されている面とは反対面であって基板2上に固定され
ていない部分に配置されている。電圧印加手段6は、電
極4,5を介して前記圧電体3に電圧を印加し、該圧電
体3の基板2に固定されていない部分を反るように変位
させる。 【効果】 圧電体3が従来のd33モードやd31モードと
は異なる、反りモードで振動し、変位量や発生力が大き
くなり、適用範囲が拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電体による電気機械変
換装置、及びそれを用いた駆動装置、インクジェット記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電体を用いた電気機械変換装置
がインクジェット記録装置等に適用されている。圧電体
は、その形状と分極方向、及びそれに印加される電界方
向によって、いくつかの振動モードで振動する。例え
ば、厚み方向に分極方向を設けた矩形板状の圧電体に、
分極方向と同じ厚み方向に電界を印加すると圧電体は厚
み方向に膨張し、長手方向に収縮するが、分極方向と逆
方向に電界を印加すると圧電体は長手方向に伸長し、厚
み方向に収縮する(以下、この厚み方向の振動モードを
33モード、長手方向の振動モードをd31モードとい
う。)。また、分極方向と垂直に電界を印加すると、圧
電体の面に沿ってずれを生じる(以下、この振動モード
をd15モードという。)。従来の電気機械変換装置は、
このような圧電体の振動モード、特にd33又はd31モー
ドを利用したものである。
【0003】インクジェット記録装置では、複数のイン
ク室にそれぞれ前述の圧電体からなる電気機械変換装置
を配設し、画像に応じた信号に基づいて各圧電体を前記
いずれかの振動モードで振動させ、その変位量と発生力
をインク室に対して作用させることによりインク室内の
インクをノズルから飛翔させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電気機械変換装置は、変位量が少ないうえ、発生力も小
さいので、適用範囲が限られていた。また、インクジェ
ット記録装置に用いた場合には、複数の圧電体のうちあ
る圧電体がそれに対応するインク室に対して作用してい
るときに、その圧電体の変位に連動して隣接する圧電体
が変位してしまう結果、予期しないインク室からインク
が飛翔してプリント密度や鮮明度を低下させたり、応答
性を悪化させていた。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、変位量や発生力が大きく、広範囲に適用で
きる電気機械変換装置、及びそれを用いることによって
応答性が高くて、連動変位がなく高密度のインクジェッ
ト記録装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明にかかる電気機械変換装置は、少なくとも一
部が基板の上に固定されていない圧電体と、少なくとも
圧電体上に一対配置され、少なくとも一方が圧電体の基
板に固定されている面とは反対面であって基板上に固定
されていない部分に配置されている電極と、該電極を介
して前記圧電体に電圧を印加し、該圧電体の基板に固定
されていない部分を反るように変位させる電圧印加手段
とを備えたものである。
【0007】また、本発明にかかるインクジェット記録
装置は、インクを保持するとともに、一端にインクが噴
出するノズルを有するインク室と、少なくとも一部が基
板の上に固定されていない圧電体と、少なくとも圧電体
上に一対配置され、少なくとも一方が圧電体の基板に固
定されている面とは反対面であって基板上に固定されて
いない部分に配置されている電極と、該電極を介して前
記圧電体に電圧を印加し、該圧電体の基板に固定されて
いない部分を反るように変位させることにより、前記イ
ンク室のインクに変位を生ぜしめ、それによりノズルよ
りインクを噴出させる電圧印加手段とを備えたものであ
る。
【0008】このインクジェット記録装置において、前
記圧電体は連結部を介して櫛歯状に連結された複数の圧
電体からなり、その連結部側の端部が基板に固定され、
連結部のない側の端部が基板の上に固定されていないの
が好ましい。そして、前記各圧電体の電極は共通電極と
個別電極からなり、共通電極は各圧電体の基板に固定さ
れている面に配置されて連結部を介して互いに導通し、
個別電極は圧電体の基板上に固定されていない部分に配
置されているのが好ましい。
【0009】
【作用】前記構成からなる電気機械変換装置では、圧電
体は少なくとも一部が基板に固定されていないので、こ
の圧電体に電圧を印加してその分極方向と平行に電界を
生じさせると、圧電体の基板に固定されていない部分が
反るように変位する。これは、前述のd33やd31モード
とは異なる従来に無い振動モードであり、小さな電圧で
従来の振動モードとは桁違いに大きい変位量と、発生力
を得ることができた。
【0010】前記構成のインクジェット記録装置では、
電圧印加手段により圧電体に電圧を印加して電界を形成
すると、圧電体の基板に固定されていない部分が反るよ
うに変位し、この変位量と発生力がインク室に作用する
結果、インク室の容積が減少し、インク室内に充填され
たインクが加圧されて吐出する。一方、圧電体への電圧
印加を解除して電界を消滅させると、圧電体が元の状態
に復帰する。これにより、インク室の容積が増加して内
部に負圧が生じ、インクが補給されて次のインク吐出の
準備ができる。この場合、圧電体は少なくとも一部が基
板に固定されていないため、一の圧電体の振動が基板を
介して隣接する他の圧電体に伝播して連動変位すること
がなく、クロストークは生じない。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。 1.電気機械変換装置 図1は、本発明にかかる電気機械変換装置1の実施例を
示す。この図において、2は非圧電材料からなる基板
で、3は圧電材料からなる矩形断面の細長い形状を有す
る圧電体である。圧電体3は、その厚み方向(図中Pで
示す。)に予め分極処理されている。そして、この圧電
体3の分極方向Pに垂直な2つの面、すなわち上面と下
面には、それぞれ導電性材料からなる電極4,5が形成
されている。この圧電体3の一端からsの範囲までの部
分は、一方の電極5を介して基板2に接着して固定され
ている(以下、このsの部分を固定領域という。)。他
方の電極4は、圧電体3の固定領域sとは反対側の面上
であって、かつ、固定されていない部分t(以下、非固
定領域という。)に対応する範囲内に形成されている。
そして、これらの電極4,5間には電圧印加手段6によ
り電圧が印加されるようになっている。
【0012】この電気機械変換装置1において、電圧印
加手段6により電極4,5間に電圧を印加し、分極方向
Pに平行な矢印E方向に電界をかけると、圧電体3は本
来なら従来のd33モードで振動して厚み方向に膨張し、
長手方向に収縮するが、圧電体3は固定領域sのみで基
板2に固定され、非固定領域tでは基板2に固定されて
いないため、図1中破線で示すように、基板2に固定さ
れていない非固定領域tが上方に反るように変位する。
このときの変位量は、図2に示すように、接着領域sか
ら離れて自由端に向かうに従って大きくなり、その最大
変位量は従来のd33モードに比して桁違いに大きいこと
が確認されている。前記電圧印加手段6による電圧印加
を解除して電界を消滅させると、基板2に固定されてい
ない非固定領域tの反り変位がなくなり、図1の実線で
示す当初の状態に復帰する。
【0013】前記実施例では、圧電体3を基板2に固定
するのに圧電体3を基板2に接着したが、これ以外の手
段、例えばかしめや、モールドによって基板2に固定し
てもよい。また、図3に示すように、基板2と対向する
保持部材7を設けて、一旦この保持部材7に圧電体3を
接着してこれを基板2に接着することなく押し付けるこ
ともできる。さらに、図4に示すように、保持部材7と
基板2とで圧電体3を挾持して固定することも可能であ
る。
【0014】2.電気機械変換装置を用いたインクジェ
ット記録装置 図5は、前記電気機械変換装置を用いたインクジェット
記録装置11を示す。このインクジェット記録装置11
は大別して、コネクタ12aを備えた電源部12と、駆
動系13と、メカコントローラ14と、メモリ15と、
コントローラ16と、インク供給部17と、スキャンキ
ャリッジ18と、給紙部19と、ケース20と、操作パ
ネル21とから構成されている。上記スキャンキャリッ
ジ18は通紙方向(矢印a方向)に直交する方向(図5
において紙面の表裏方向)にスキャン可能になってお
り、その内部にはブラック、シアン、マゼンタおよびイ
エロの各色用に4つのインクジェットヘッド22が通紙
方向に沿い、かつインク吐出ノズルを下方に向けて配置
されている。
【0015】上記インクジェットヘッド22は、図6に
示すように、天板23を備えている。この天板23は、
例えばアルミナなどの非圧電材料からなるプレートで構
成され、図7に示すように、その下面には複数の溝状凹
部24がダイシング加工等により形成されている。これ
ら凹部24は天板23の幅方向に所定ピッチで形成さ
れ、天板23の長手方向にそれぞれ平行に伸びている。
天板23の凹部24形成面には、例えばアラミド樹脂か
らなる隔壁25が設けてあり、天板23との接触面にお
いて接着されている。そして、この隔壁25で覆われた
各凹部24内部にインク室26が形成されている。
【0016】天板23の凹部24形成面には、基板27
が隔壁25を介して設けてある。基板27は、天板23
と同様に、非圧電材料からなるプレートで構成されてい
る。基板27の隔壁25との接触面には、天板23の凹
部24と同一幅で、かつ等ピッチの複数の溝部28がダ
イシング加工等により形成され、これら溝部28が隔壁
25を挟んで天板23の各凹部24に対向するように基
板27が天板23に対して固定されている。この固定方
法として、隔壁25との接触面を接着する、天板23お
よび基板27をボルトなどの締め付け具を用いて上下方
向から挾持するか、または、これらの周囲を一体的に樹
脂モールディングする等がある。
【0017】上記基板27の溝部28内には、複数の圧
電体29が配置されている。圧電体29は、例えばPZ
T圧電セラミックからなるプレートをダイシングソーで
切断して形成され、矩形断面を有し、かつインク室26
に沿う方向に細長い柱状体をなしている。また、圧電体
29は隔壁25と溝部28の底面28aとの間に挟まれ
て保持されて、その上部はインク室26の一壁を形成す
る隔壁25に接触して作用するようにしてある。
【0018】なお、隔壁25と圧電体29との接触面は
接着してもしなくてもよいが、接着すれば圧電体29の
振動に対する隔壁25の追従が確実となり、高周波応答
性がよくなるという利点がある。一方、圧電体29と基
板27の溝部28の底面28aとの接触面は、後述する
ように、少なくともインク室26に対応する領域では接
着しない。また、圧電体29の高さは、基板27の溝部
28の深さより少し大きくなるように形成され、これに
より圧電体29の上部が天板23の凹部24に沿って浅
く嵌合し、隔壁25がインク室26の内側に押し込まれ
た状態になっている。この代わり、圧電体29の高さと
基板27の溝部28の深さとを等しく形成し、隔壁25
が平面状態を保ったまま圧電体29と接触するようにし
てもよい。さらに、圧電体29と溝部28の側壁との間
隔は50μm以下が好ましく、さらには20μm以下が
特に好ましい。これは、インク室26内のインクの回り
込みによる圧力ロスを小さくするためである。
【0019】図7に示すように、圧電体29の隔壁25
との接触面には個別電極30が形成されている。ただ
し、後述するように、基板27への固定領域に対応する
圧電体29の後部領域には個別電極30を形成しない。
一方、基板27の溝部28の底面28aと接触する圧電
体29の下面には全面に亘り共通電極31が形成されて
いる。これらの電極30,31は、無電界メッキによる
Au/Ni膜、またはAu/(Ni,Cr)のスパッタ
膜で形成され、その厚さは0.1〜10μm程度であ
る。また、圧電体29は個別電極30から共通電極31
に向かう方向(矢印P方向)に分極処理がなされてい
る。なお、圧電体29の表面には、大気中の湿気が浸透
することによる電圧を印加したときの変形量の低下を防
止するため、例えばポリイミド樹脂をスピンコート法で
塗布し、180℃で1時間焼き付けてオーバコート処理
するのが好ましいが、湿度抵抗の高い圧電材料を圧電体
29に用いた場合には、この処理を省略してもよい。
【0020】上記天板23、隔壁25および基板27の
接合体の前端面には、図6に示すように、例えば厚さ2
5〜200μm程度のポリイミドフィルムからなるノズ
ルプレート32が接着固定されている。このノズルプレ
ート32には、例えばエキシマレーザなどによって複数
のノズル孔32aが上記インク室26と等ピッチで形成
され、このピッチは例えば約42.3〜254μm(画
素密度:600〜100dpi)程度である。
【0021】上記天板23の後端面には、バックプレー
ト33が接着され、天板23の後方上部には、フロント
プレート34が固定されている。バックプレート33と
フロントプレート34の間には、インク供給チャンネル
35が形成され、このインク供給チャネンル35と上記
各インク室26との間に、インクインレット36が形成
されている。
【0022】上記圧電体29は、図6に示すように、固
定領域sにおいて上記基板27aの溝部28の底面28
aに接着されている。この固定領域sよりも前方に位置
する、少なくともインク室26に対応する非固定領域t
においては、圧電体29は基板27に接着固定されてお
らず、隔壁25と上記溝部28の底面28aとの間に挟
まれて保持されている。また、圧電体29の非固定領域
tの上下面には、個別電極30、共通電極31がそれぞ
れ形成されているが、上記固定領域sには共通電極31
のみ形成され、個別電極30は形成されていない。
【0023】上記圧電体29はバックプレート33より
も後方に突出している。個別電極30は、導電性接着剤
を介して圧電体29の後方端部に導かれて、図示しない
駆動用ICを介して電圧印加手段であるコントローラ1
6(図5参照)に接続され、このコントローラ16によ
り画像信号に応じて電圧が圧電体29に印加される。一
方、圧電体29下面の共通電極31は、導電性接着剤を
介してアースされている。
【0024】続いて、上記構成からなるインクジェット
ヘッド22のインク吐出動作について説明する。インク
は、図5に示すインク供給部17から図6に示すインク
供給チャンネル35に供給され、インクインレット36
を介して各インク室26に充填される。電圧印加手段で
あるコントローラ16により圧電体29の個別電極30
に正極性のパルス状電圧を印加すると、図6に示すよう
に、圧電体29の非固定領域tには個別電極31から共
通電極30に向かう方向(矢印E方向)、即ち、分極方
向(矢印P方向)と平行に電界が形成され、圧電体29
は反りモードで変位し、振動する。
【0025】このように、反りモードで変位する圧電体
29の非固定領域tが隔壁25に作用することによっ
て、図6中点線で示すように、隔壁25が急峻に押し上
げられてインク室26の容積が減少し、これにより加圧
されたインクがノズル孔32aから液滴状となって吐出
・飛翔し、図示しない記録紙上に付着する。
【0026】個別電極30に印加される電圧がゼロにな
ると、圧電体29は元の状態に戻る。このとき、隔壁2
5はその弾性に基づき、復元動作する圧電体29と接触
しつつ追従する。これにより、インク室26の容積が増
加し、インク供給チャンネル35及びインクインレット
36を介してインク室26にインクが補給され、次のイ
ンク吐出の準備ができる。
【0027】上記のようなインク吐出動作が画像信号に
応じて各インク室26毎に独立して行われることによ
り、1ライン分の画像が描かれ、これが記録紙の移動に
同期して繰り返されることで、画像信号に応じた画像が
記録紙上に描かれる。
【0028】このように、本実施例のインクジェットヘ
ッド22では、圧電体29の非固定領域tを基板27に
全く接着固定することなく隔壁25と、基板27に形成
した溝部28の底面28aとの間に挟んで保持している
だけなので、電圧を印加した際の非固定領域tの振動が
基板27を介して隣接する圧電体29に伝播することが
なく、連動変位を完全に抑制することができる。このた
め、クロストークによる不必要なインク吐出やインク室
26内のインク流の乱れもなく、インク吐出を非常に安
定して行うことができ、その結果、インク飛翔滴のドッ
ト間のバラツキがなくドット径が安定し、印字品質を格
段に向上させることができる。
【0029】さらに、圧電体29は隔壁25によってイ
ンク室26と隔てられ、インクと直接接触しないので、
圧電体29にインクが浸透して低抵抗化することがな
い。したがって、実効電圧の低下に伴って圧電体29の
変形量が減少し、インク飛翔効率が低下するのを防止で
き、結果としてインクジェットヘッド22の安定性、信
頼性が向上する。
【0030】なお、上記実施例では、上記圧電体29の
固定領域sには共通電極31を形成しないことでこの部
分に変形が生じないようにしたが、この部分については
分極処理を行わないことで電界が形成されても変形を生
じないようにしてもよいし、または、固定領域sに変形
が生じても、乾燥後も柔軟性を有する接着剤を用いるこ
とでその変形を吸収し、非固定領域tにたわみ変形が生
じないようにして、インク飛翔に影響を与えないように
してもよい。
【0031】また、上記実施例では単層の圧電体29を
使用したが、図8に示すように、公知のグリーンシート
法により圧電材料を2層以上の多層に積層し、内部に接
着層を兼ねた個別電極および共通電極を形成した積層型
圧電体37を使用すれば、積層数に応じて大きな実効変
位を得ることができるので、駆動電圧を低くすることが
でき、ドライバーコストの低減を図れる。
【0032】さらに、上記実施例では、平板状の圧電材
料をダイシング加工により各圧電体29を完全に分割し
て細長い柱状体に形成したが、図9に示すように、いわ
ゆる櫛歯状に形成した圧電部材38を用いるようにして
もよい。この圧電部材38は、固定領域sおよび非固定
領域tにおいて各圧電体39は細長い柱状体に分割され
ているが、固定領域sの後方領域(図9において左側)
では、個別電極形成面40より一段低くなった面41を
有する連結部42によって各圧電体39が連結されてい
る。連結部42は、プレート状の圧電材料をダイシング
によりスリット加工する際に、固定領域sを過ぎたとこ
ろで切削深さを浅くすることによって形成される。
【0033】このように構成することで、各圧電体39
の構造的強度が増し、インクジェットヘッドの耐久性、
信頼性が向上するとともに、加工・組立面のハンドリン
グが容易になり、組立バラツキが少なくなるので、製造
コストを安価にすることができる。
【0034】以上説明したインクジェット記録装置11
に限らず、本発明に係る圧電体からなる電気機械変換装
置(以下の実施例では、単に圧電体という。)は、他の
型式のピエゾ型インクジェット記録装置のピエゾ素子と
して用いることができる。以下、図10〜図12を参照
して具体的に説明するが、各圧電体の分極方向及び電極
配置は図1に示すものと同一(ただし、電極への電圧印
加方向は図1とは逆)である。
【0035】図10は、グールド型インクジェットヘッ
ドのピエゾ素子として本発明の電気機械変換装置を用い
たものである。この準グールド形インクジェットヘッド
51では、先端にオリフィス52を有し後端にインク供
給チューブ53が接続された円筒形のガラスノズル54
が設けられている。このガラスノズル54の外表面に
は、矩形断面の柱状の圧電体55がガラスノズル54の
長手方向に配置され、そのオリフス側の先端部が固定さ
れることなく自由端となるように後端部がガラスノズル
54に接着固定されている。
【0036】この装置において、インク供給チューブ5
3を介してガラスノズル54にインクを供給し、圧電体
55に画像信号に応じて電圧を印加すると、圧電体55
がガラスノズル54に向かって反りモードで変位するこ
とによりガラスノズル54が収縮し、インクがオリフィ
ス52より突出して図示しない記録紙に画像が形成され
る。
【0037】図11は、サイロニクス型インクジェット
ヘッドのピエゾ素子として本発明の電気機械変換装置を
用いたものである。この準サイロニクス型インクジェッ
トヘッド61では、開口部62とインク供給口63とイ
ンク吐出口64とを有するインク室65が形成されたノ
ズル66が設けられている。このノズル66には、前記
インク室65の開口部62を覆う金属カバー67が設け
られるとともに、該金属カバー67に接し、かつ、一端
が開口部62の壁に固定されるように圧電体68が設け
られている。
【0038】この装置において、インク供給口63を介
してインク室65にインクを供給し、圧電体68に画像
信号に応じて電圧を印加すると、圧電体68の金属カバ
ー67に向かう反りモードの変位により金属カバー67
を介してインク室65が収縮し、インクが吐出口64よ
り突出して図示しない記録紙に画像が形成される。
【0039】図12は、ステムメ型インクジェットヘッ
ドのピエゾ素子として本発明の電気機械変換装置を用い
たものである。この準ステムメ型インクジェットヘッド
71では、ノズル72は、連通路73を介して互いに連
通する圧力室74とインク供給室75とに分割され、前
記圧力室74はカバー76で覆われ、前記インク供給室
76はインク供給口77とインク吐出口78と有してい
る。そして、前記圧力室74のカバー76には、一端が
カバー76の端に固定された圧電体79が設けられてい
る。
【0040】この装置において、インク供給口77を介
してインク供給室75にインクを供給し、圧電体79に
画像信号に応じて電圧を印加すると、圧電体79の反り
モードの変位によりカバー76を介して圧力室74が収
縮し、そのときの圧力が連通路73を介してインク供給
室75に伝搬する結果、インクが吐出口78より突出し
て図示しない記録紙に画像が形成される。
【0041】3.電気機械変換装置を用いた他の記録装
置 以下、本発明の圧電体からなる電気機械変換装置を、イ
ンクジェット記録装置以外の他の記録装置に用いた例を
説明する。各圧電体の分極方向、電極配置及び固定方法
は図1に示すものと同一である。
【0042】図13は、測量機器等に利用されるビーム
スキャナー81を示す。基板82に一端側が固定された
圧電体83は、その固定されていない側の表面が予めダ
イヤモンド研磨により鏡面化され、その上にアルミニウ
ムがスパッタリングされることにより電極兼反射ミラー
84が形成されている。この圧電体83の電極兼反射ミ
ラー84には、画像信号に基づいてオン,オフ(点滅)
するレーザ光がレーザ装置85により照射され、その反
射光がスキャン対象物例えば円筒型の感光体ドラム86
に到達するように構成されている。
【0043】このビームスキャナー81において、圧電
体83に電圧を印加すると、前述のように圧電体83に
反り変位が生じ、この結果、圧電体83の電極兼反射ミ
ラー84の傾斜角度が変化し、レーザ反射光が偏向され
る。これにより、感光体ドラム86が長手方向に線状に
スキャンされ、これを繰り返すことにより、回転する感
光体ドラム86上に静電潜像が形成される。
【0044】図14は、バーチャルリアリティ体験用ヘ
ッドマウントに搭載されるディスプレイ装置91であ
る。この装置91には、R、G、Bの光をそれぞれ帯状
に放射する3つの光源92a,92b,92cと、光源
92aからのR光を反射するとともに光源92bからの
G光を透過してその2つの光を同一平面内で合成する第
1反射ミラー93aと、光源92cからのB光を反射す
るとともに前記RG合成光を透過してこれら3つのRG
B光を同一平面内で合成する第2反射ミラー93bと、
前記RGB合成光を透過するレンズアセンブリ94と、
軸95aを中心に所定の角度範囲を一定周期で回動する
ように設けられ、前記レンズアセンブリ94を透過した
RGB合成光を反射してオペレータの眼に導くガルバノ
ミラー又は共振ミラー95とからなっている。
【0045】第1反射ミラー93aと光源92aの間、
第1反射ミラー93aと光源92bの間、及び第2反射
ミラー93bと光源92cの間には、それぞれシャッタ
ー96a,96b,96cが設けられている。これらの
シャッター96a,96b,96cは、図15に示すよ
うに、基板97に一部が固定されていない前述の構成か
らなる圧電体98を多数独立して又は櫛形に(図9参
照)併設したものである。各圧電体98は、固定されて
いない自由端が光の進行方向に向き、かつ、進行方向に
向かって上昇するように傾斜して設けられるとともに、
電圧が印加されていない状態ではその自由端が光路を開
放し、電圧が印加されて図中破線で示すように変位した
状態では自由端が光路を遮断するように配置されてい
る。
【0046】このディスプレイ装置91では、投影すべ
きある時点の画像を水平方向の線画像に分解し、各線画
像を圧電体98と対応する数の画素に分割して、各画素
の色が得られるように、各圧電体98に電圧を印加す
る。これをさらに具体的に説明すると、ある画素が赤色
である場合には、その画素に対応する各シャッターの圧
電体のうち、Rシャッター96aの圧電体98には電圧
を印加せず、他のGシャッター96b及びBシャッター
96cの圧電体98には電圧を印加する。これにより、
光源92aからのR光はシャッター96aによって遮断
されることなく進行するが、他の光源92b,92cか
らのG光及びB光はシャッター96b,96cにより遮
断される。このため、R光のみが第2反射ミラー93a
で反射してレンズアセンブリ94を透過した後、ガルバ
ノミラー95で反射して眼の前で結像する。同様にして
他の画素も眼前に結像して線画像が形成される。このよ
うにして線画像が順次形成されるが、これらの線画像は
ガルバノミラー95の回動に伴って空間的にずれた位置
に形成されるので、眼には平面画像となって現れる。
【0047】図16は、電子写真式プリンタ101を示
す。このプリンタ101では、ドラム型感光体102の
長手方向に線状の書込み光を照射して感光体102の外
周面上に静電潜像を形成する光書込みヘッド103とし
て、本発明の電気機械変換装置が用いられている。すな
わち、光書き込みヘッド103は、図13と同様に電極
兼反射ミラー104を形成した圧電体105を感光体1
02の長手方向に沿って多数櫛状(図9参照)に併設す
るとともに、各圧電体105の自由端を感光体102に
向けて配置して、それらの自由端の電極兼反射ミラー1
04にハロゲンランプからなる図示しない光源からの光
を光ファイバー106の束を介して線状に照射するよう
になっている。そして、この光ファイバー106を介し
て照射された光は、圧電体105に電圧を印加しない状
態では、圧電体105の電極兼反射ミラー104で反射
してスリット107を経て感光体102上の露光点に照
射される。しかし、圧電体105に電圧を印加した状態
では、圧電体105が図中破線で示すように変位する結
果、圧電体105の電極兼反射ミラー104で反射した
光は、スリット107から外れ、感光体102上には到
達しないようになっている。
【0048】感光体102の露光点に対して回転方向の
上流側には、イレーサー108及び帯電チャージャー1
09が配置され、下流側には現像器110、転写ローラ
111及びクリーナー112が配置されている。また、
転写ローラ111に対して記録紙の搬送方向の下流側に
は定着ローラ113が配置されている。
【0049】このプリンタ101では、感光体102が
矢印方向に回転する間に、イレーサー108によって感
光体102上の残留電荷が除去され、帯電チャージャー
109によって一様に電荷が形成される。画像信号に応
じて各圧電体105への電圧を印加,解除すると、感光
体102上に画像に対応した静電潜像が形成される。こ
の静電潜像は現像器110によって顕像化されトナー像
となり、転写ローラ111によって記録紙上に転写され
る。転写されたトナー像は定着ローラ113によって定
着され排出される。感光体102に残留したトナーはク
リーナー112によって除去される。
【0050】図17は、銀塩写真式カラープリンタ12
1を示す。このプリンタ121では、銀塩印画紙の幅方
向に線状の書込み光を照射して該印画紙に潜像を形成す
る光書込みヘッド122として、図16のプリンタ10
1のヘッド103と同様の光書込みヘッド122が設け
られている。ただし、この光書込みヘッド122の光源
123には、コントローラ124によって切り換え可能
な図示しないRGBフィルタが設けられている。
【0051】このプリンタ121では、まずコントロー
ラ124によって図示しないフィルタがRフィルタに切
り換えられ、印画紙が搬送ローラ125によって矢印方
向に搬送される。この状態で、R用画像信号に基づいて
各圧電体126に電圧を印加すると、印画紙にR画像が
形成される。続いて、印画紙は元に戻され、同様にして
印画紙にG画像、B画像が形成される。次に、このよう
にして画像が形成された印画紙は矢印方向に搬送され、
現像、定着及び乾燥が行われる。
【0052】4.圧電体及びその関連部材の材料 次に、上記実施例のうち特にインクジェットヘッドに使
用できる材料等について説明する。圧電体の材料 上記圧電体の材料としては、以下に示す圧電材料を用い
ることができる。 (1) 圧電結晶 水晶(SiO2) ,ロッシェル塩(RS:NaKC4
46・4H2O) 酒石酸エチレンジアミン(ETD:C61426
,酒石酸カリウム(DKT:K2446・1/2H
2O) ,第2リン酸アンモニウム(ADP:NH42
PO4) ,プロブスカイト系結晶(ex.CaTi
3,BaTiO3,PLZT) ,タングステンブロン
ズ系結晶(ex.NaxWO3 〔0.1<x<0.2
8〕) ,ニオブ酸バリウムナトリウム(Ba2NaN
515) ,ニオブ酸カリウム鉛(Pb2KNb
515) ,ニオブ酸リチウム(LiNbO3) ,タン
タル酸リチウム(LiTaO3) ,さらに、塩素酸ソ
ーダ(NaClO3),電気石(Tourmalin
e), 閃亜鉛鉱(ZuS) ,硫酸リチウム(LiS
42O) ,メタガリウム酸リチウム(LiGa
2) ,ヨウ素酸リチウム(LiIO3) ,硫酸グリ
シン(TGS) ,ゲルマニウム酸ビスマス(Bi12
eO20) ,ゲルマニウム酸リチウム(LiGeO3
,チタニウム酸バリウム ,ゲルマニウム(Ba2
2TiO3) 等の結晶。
【0053】(2) 圧電半導体 ウルツ鉱 ,BeO ,ZnO ,CdS ,CdSe
,AlN。 (3) 圧電セラミックス チタニウム酸バリウム(BaTiO3) ,チタニウム
酸ジルコニウム酸鉛(PbTiO3・PbZrO3) ,
チタニウム酸鉛(PbTiO3) ,ニオブ酸バリウム
酸鉛((Ba−Pb)Nb26)。 (4) 上記(1)圧電結晶、(2)圧電性半導体、
(3)圧電セラミックス材料の粉をプラスチック類に分
散して成型したものでも良い。 (5) 圧電性高分子 ポリフッ化ビニリデンPVDF(−CH2−CF2−)n
,ポリフッ化ビニリデン/PZT ,ゴム/PZT
,トリフルオロエチレンとフッ化ビニリデンの共重合
体 ,シアン化ビニリデンと酢酸ビニルの共重合体 ,
ポリシエン化ビニリデン等。 以上に挙げた圧電材料を分極処理した後、圧電体として
加工して用いるか、もしくは圧電体として加工した後分
極処理して用いてもよい。
【0054】圧電体のオーバコート処理 上記圧電体のオーバコート処理は、次の(1)〜(5)
に挙げる方法で行うこともできる。 (1) プラスチック類の塗布 飽和ポリエステル樹脂 ,ポリアミド樹脂 ,ポリイミ
ド樹脂 ,アクリル樹脂 ,アラミド樹脂 ,エチレン
−酢酸ビニル樹脂 ,イオン架橋オレフィン共重合体
(アイオノマー) ,スチレン−ブタジェンブロック共
重合体 ,ポリアセタール ,ポリカーボネード ,塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ,セルロースエステル
,ポリイミド ,スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂。
【0055】エポキシ樹脂 ,フェノキシ樹脂 ,ウレ
タン樹脂 ,ナイロン類 ,シリコーン樹脂 ,フルオ
ロシリコン樹脂 ,フェノール樹脂 ,メラミン樹脂
,キシレン樹脂 ,アルキッド樹脂 ,熱硬化アクリ
ル樹脂等の熱硬化性樹脂。ポリビニルカルパゾール ,
ポリビニルピレン ,ポリビニルアントラセン,ポリビ
ニロール等の光導電性樹脂。
【0056】これらは単独で、または組み合わせて使用
することができる。その他、液晶ポリマー等のエンジニ
アプラスチック類、プラスチック類と粉末、ウィスカー
との混合物でも良い。感光性樹脂 ,厚膜用フォトレジ
スト樹脂等が使用可能である。ベークライト ,フッ素
系樹脂 ,ガラス・エポキシ樹脂(エポキシ中にガラス
フィラー混入)でもよい。これらは、塗布,ディップ,
スプレー法等、公知の液体塗布方法を用いればよい。上
記の中では特に、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノキシ樹脂、フルオロシリコーン樹脂、
フッ素樹脂、ガラス・エポキシ樹脂の効果が優れてい
る。
【0057】(2) 酸化・窒化・硫化金属化合物等の
蒸着 酸化金属化合物(SiO2,SiO,CrO,Al23
等)や、窒化金属化合物(Si34,AlN等)や、硫
化金属化合物(ZnS等)、あるいはこれらの合金を、
真空蒸着やスパッタ等でコートする。また、上記(1)
のプラスチックを蒸着によって塗布してもよいし、パリ
レン樹脂蒸着してもよい。上記の中では、Al23、S
34の効果が優れている。
【0058】(3) 炭化水素化合物の塗布 炭化水素,酸素含有炭化水素,硫黄含有炭化水素を始め
とするIV属元素含有炭化水素 、窒素含有炭化水素,ケ
イ素含有炭化水素,フッ素含有炭化水素を始めとするハ
ロゲン含有炭化水素 、III属元素含有炭化水素を、P
−CVD(プラズマCVD)によって塗布し、オーバコ
ート処理する。あるいは、これらの混合気相下でP−C
VDにより塗布してもよい。上記の中ではフッ素含有炭
化水素の効果が優れている。なお、これらの膜は、圧電
体との接着性の相性にしたがって適宜、a−Si(アモ
ルファスシリコン),a−SiC,a−SiN等による
アンダーコートを設ける必要がある。 (4) 上記(1)のプラスチック類を、塗液状態で圧
電体プレート表面の塗布する代わりに、減圧下で圧電体
形成部に置換,含浸させて成形する。 (5) 圧電体プレートの表面を撥インク性の溶剤で表
面処理する。
【0059】以上の(1)〜(5)に挙げる方法で形成
したオーバコート膜を比較すると、次のような特徴が見
られる(ただし(3)はアンダーコート有りの場合)。 強度 : 強 (2),(3)>(1),(4)>(5) 弱 平滑性 : 良 (1),(4)>(2),(3),(5) 悪 接着性(耐振動性を含む) : 強 (1),(4)>(2),(3)>(5) 弱 耐久性(耐インク性を含む): 良 (1),(4)>(2),(3)>(5) 悪 その他、(5)は処理が簡便であり、(1)〜(4)の
後処理として利用することもできる。また、コスト面に
おいては、(1),(4)が特に安価である。なお、上
記(1)〜(5)に挙げる方法を、圧電体やインク種に
応じて適宜組み合わせて使用してもよい。
【0060】天板,基板の材料 天板及び基板を構成する非圧電材料に用いることができ
るものとして、次の(1)〜(4)に挙げるものがあ
る。 (1) セラミックス Al23 ,SiC ,C ,BaTiO3 ,BiO3
・3SnO2 ,Pb(Zrx,Ti1-x)O3 ,ZnO
,SiO2 ,(1−x)Pb(Zrx,Ti1-x)O3
+(x)La23 ,Zn1-xMnxFe23 ,γ−F
23 ,Sr・6Fe23 ,La1-xCaxCrO3
,SnO2 ,遷移金属酸化物 ,ZnO−Bi23
,半導体BaTiO3 ,β−Al23 ,安定化ジ
ルコニア,LaB6 ,B4C ,ダイヤモンド ,Ti
N ,TiC ,Si34 ,Y22S:Eu ,PL
ZT ,ThO2 ,−CaO・nSiO2 ,Ca
5(F,Cl)P312 ,TiO2 ,K2O・nAl2
3
【0061】(2) ガラス類 元素ガラス=Si ,Se ,Te ,As 水素結合ガラス=HPO3 ,H3PO4 ,SiO2
22 ,P25 ,GeO2 ,As23 酸化物ガラス=SbO3 ,Bi23 ,P23 ,V2
5 ,Sb25 ,As23 ,So3 ,ZrO2 フッ化物ガラス=BeF2 ,塩化物ガラス=ZnCl2 硫化物ガラス=GeS2 ,As23 炭酸塩ガラス=K2CO3 ,MgCO3 硝酸塩ガラス=NaNO3 ,KNO3 ,AgNO3 硫酸塩ガラス=Na223 ,H2O ,Tl2SO
4 ,ミョウバン ケイ酸ガラス=SiO2 ケイ酸アルカリガラス=Na2O−CaO−SiO2 カリ石灰ガラス=K2O−CaO−SiO2 ソーダ石灰ガラス=Na2O−CaO−SiO2 鉛ガラス バリウムガラス ホウケイ酸ガラス。
【0062】(3) プラスチック類 飽和ポリエステル樹脂 ,ポリアミド樹脂 ,ポリイミ
ド樹脂 ,アラミド樹脂 ,アクリル樹脂 ,エチレン
−酢酸ビニル樹脂 ,イオン架橋オレフィン共重合体
(アイオノマー) ,スチレン−ブタジェンブロック共
重合体 ,ポリアセタール ,ポリカーボネード ,塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ,セルロースエステル
,ポリイミド ,スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂。
エポキシ樹脂 ,ウレタン樹脂 ,ナイロン樹脂 ,シ
リコーン樹脂 ,フェノール樹脂 ,メラミン樹脂 ,
キシレン樹脂 ,アルキッド樹脂 ,熱硬化アクリル樹
脂等の熱硬化性樹脂。ポリビニルカルパゾール ,ポリ
ビニルピレン ,ポリビニルアントラセン,ポリビニロ
ール等の光導電性樹脂。
【0063】上記(1)〜(3)に挙げるものは単独
で、または組み合わせて使用することができる。その
他、液晶ポリマー等のエンジニアプラスチック類、プラ
スチック類と粉末、ウィスカーとの混合物でも良い。感
光性樹脂、厚膜用フォトレジスト樹脂等も使用可能であ
り、ベークライト、フッ素系樹脂、ガラス・エポキシ樹
脂(エポキシ中にガラスフィラー混入)でもよい。
【0064】(4) その他 インク室に接する側面を絶縁膜コートする場合は、全て
の金属が使用できる。これらの非圧電材料は、板状にし
た後、天板20に加工するか、もしくは型成型したり、
パターンエッチング、光硬化等を利用して最初から天板
20の形状に成型しても良い。
【0065】隔壁の材料 上記隔壁の材料としては、以下に挙げるものを用いるこ
とができる。 (1)エポキシ樹脂 ,フェノキシ樹脂 ,ウレタン樹
脂 ,ナイロン類 ,シリコーン樹脂 ,フルオロシリ
コン樹脂 ,フェノール樹脂 ,メラミン樹脂,キシレ
ン樹脂 ,アルキッド樹脂 ,熱硬化アクリル樹脂等の
熱硬化性樹脂。 上記の中では、エポキシ樹脂、フェノ
キシ樹脂、フルオロシリコーン樹脂が好適い用いられ
る。
【0066】(2) 飽和ポリエステル樹脂 ,ポリア
ミド樹脂 ,アクリル樹脂 ,アラミド樹脂 ,エチレ
ン−酢酸ビニル樹脂 ,イオン架橋オレフィン共重合体
(アイオノマー) ,スチレ−ブタジェンブロック共重
合体 ,ポリアセタール ,ポリフェニレンサルファイ
ド ,ポリカーボネイト ,塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体 ,セルロースエステル ,ポリイミド ,スチ
ロール樹脂等の熱可塑性樹脂。上記の中では、アラミド
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン−酢
酸ビニル樹脂が好適に用いられる。
【0067】(3) 液晶ポリマ (4) 感光性樹脂 ,厚膜用フォトレジスト樹脂 (5) ゴム ,合成ゴム (6) ニッケル ,ステンレス ,チタン ,タング
ステン等の薄板 なお、上記(1)〜(5)に挙げた材料は、単体もしく
は組み合わせて用いてもよい。
【0068】以上の(1)〜(6)に挙げた材料の優劣
を比較すると、(1)〜(3)についてはほぼ同等であ
るが、 優 (1)〜(3)>(4)>(6)>(5) 劣 という特徴が見られる。さらに、材料の厚さは100μ
m以下、できれば50μm以下とするのが好ましい。
【0069】接着剤の材料 インクジェットヘッドの組み立てに用いる接着剤として
は、次の(1)〜(4)に挙げるものが使用できる。た
だし、接着剤層を共通電極をアースする際の導体として
用いる場合には、当然に導電性を有する必要がある。 (1) エポキシ樹脂 ,フェノール樹脂 ,フェノキ
シ樹脂 ,アクリル系樹脂 ,フラン樹脂 ,ポリウレ
タン樹脂 ,ポリイミド樹脂 ,シリコーン樹脂等の熱
硬化性樹脂接着剤。 (2) ポリ酢酸ビニル ,ポリ塩化ビニル ,ビニル
アセタール ,ポリビニルアルコール ,ポリビニルブ
チラール等の熱可塑性樹脂接着剤。 (3) UV硬化樹脂接着剤。 (4) 嫌気性硬化型接着剤。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電気機械変換装置によれば、圧電体が従来のモードと
は異なるモードで反るように変位し、変位量及び発生力
が大きいので、適用範囲が広がる。例えば、圧電アクチ
ュエータ、インパクト式プリンターヘッド、圧電リレ
ー、精密X−Y移動台、圧電ポンプ、超音波モータ、光
路変調光学系、圧電ファン、圧電ブザー、圧電センサー
類等に利用可能である。
【0071】また、本発明の電気機械変換装置を用いた
インクジェット記録装置によれば、圧電体が反り方向に
変位して、その変位量及び発生力が大きいので、高応答
性が得られるうえ、低電力で駆動することができローコ
スト化が可能である。また、圧電体の基板に固定されて
いない部分が基板と独立して変位するので、他の圧電体
に連動変位を及ぼすことがなく、高密度かつ鮮明なプリ
ントを行うことができる。
【0072】さらに、複数の圧電体を櫛歯状にしたイン
クジェット記録装置によれば、各圧電体の構造的強度が
増し、耐久性、信頼性が向上するとともに、加工・組立
面のハンドリングが容易になり、組立バラツキが少なく
なるので、製造コストを安価にすることができる。
【0073】また、複数の圧電体を櫛歯状にするととも
に、各圧電体に共通電極と個別電極を配置したインクジ
ェット記録装置によれば、各圧電体の一方の電極が共通
電極になっているので配線が容易で、製造コストが安価
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電気機械変換装置の第1実施例
の側面図である。
【図2】 圧電体の固定端からの距離と変位量の関係を
示す図である。
【図3】 本発明に係る電気機械変換装置の第2実施例
の側面図である。
【図4】 本発明に係る電気機械変換装置の第3実施例
の側面図である。
【図5】 本発明に係る電気機械変換装置を用いたイン
クジェット記録装置の断面図である。
【図6】 図5のインクジェット記録装置のインクジェ
ットヘッドの断面図である。
【図7】 図6のVII−VII線断面図である。
【図8】 積層型圧電体の側面図である。
【図9】 櫛形圧電体の平面及び正面図である。
【図10】 本発明に係る電気機械変換装置を用いた準
グールド型インクジェットヘッドの斜視図である。
【図11】 本発明に係る電気機械変換装置を用いたサ
イロニクス型インクジェットの断面図である。
【図12】 本発明に係る電気機械変換装置を用いたス
テムメ型インクジェットの断面図である。
【図13】 本発明に係る電気機械変換装置を用いたビ
ームスキャナの構成図である。
【図14】 本発明に係る電気機械変換装置を用いたデ
ィスプレイ装置の構成図である。
【図15】 図14のディスプレイ装置の圧電体の反り
変位と光路の説明図である。
【図16】 本発明に係る電気機械変換装置を用いた電
子写真式プリンタの構成図である。
【図17】 本発明に係る電気機械変換装置を用いた銀
塩式カラープリンタの構成図である。
【符号の説明】
1…電気機械変換装置、2…基板、3…圧電体、4,5
…電極、6…電圧印加手段、11…インクジェット記録
装置、16…コントローラ(電圧印加手段)、26…イ
ンク室、27…基板、29…圧電体、30…個別電極、
31…共通電極、37…圧電体、38…圧電部材、51
…準グールド型インクジェットヘッド、55…圧電体、
61…準サイロニクス型インクジェットヘッド、68…
圧電体、71…準ステムメ型インクジェットヘッド、7
9…圧電体、81…ビームスキャナ、83…圧電体、9
1…ディスプレイ装置、98…圧電体、101…電子写
真式プリンタ、105…圧電体、121…銀塩写真式カ
ラープリンタ、126…圧電体。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が基板の上に固定されて
    いない圧電体と、 少なくとも圧電体上に一対配置され、少なくとも一方が
    圧電体の基板に固定されている面とは反対面であって基
    板上に固定されていない部分に配置されている電極と、 該電極を介して前記圧電体に電圧を印加し、該圧電体の
    基板に固定されていない部分を反るように変位させる電
    圧印加手段とを備えたことを特徴とする電気機械変換装
    置。
  2. 【請求項2】 インクを保持するとともに、一端にイン
    クが噴出するノズルを有するインク室と、 少なくとも一部が基板の上に固定されていない圧電体
    と、 少なくとも圧電体上に一対配置され、少なくとも一方が
    圧電体の基板に固定されている面とは反対面であって基
    板上に固定されていない部分に配置されている電極と、 該電極を介して前記圧電体に電圧を印加し、該圧電体の
    基板に固定されていない部分を反るように変位させるこ
    とにより、前記インク室のインクに変位を生ぜしめ、そ
    れによりノズルよりインクを噴出させる電圧印加手段と
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記圧電体は連結部を介して櫛歯状に連
    結された複数の圧電体からなり、その連結部側の端部が
    基板に固定され、連結部がない側の端部が基板の上に固
    定されていないことを特徴とする請求項2に記載のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記各圧電体の電極は共通電極と個別電
    極からなり、共通電極は各圧電体の基板に固定されてい
    る面に配置されて連結部を介して互いに導通し、個別電
    極は圧電体の基板上に固定されていない部分に配置され
    ていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
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WO2001002289A1 (en) * 1999-06-30 2001-01-11 Silverbrook Research Pty. Ltd. Movement sensor in a micro electro-mechanical device
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