JPH08276578A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JPH08276578A
JPH08276578A JP7865995A JP7865995A JPH08276578A JP H08276578 A JPH08276578 A JP H08276578A JP 7865995 A JP7865995 A JP 7865995A JP 7865995 A JP7865995 A JP 7865995A JP H08276578 A JPH08276578 A JP H08276578A
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JP
Japan
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ink
piezoelectric
ink chamber
acting member
voltage
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Pending
Application number
JP7865995A
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English (en)
Inventor
Hideo Yasutomi
英雄 保富
Kenji Masaki
賢治 正木
Nan Touno
楠 東野
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication of JPH08276578A publication Critical patent/JPH08276578A/ja
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 インクジェット記録装置は、複数の溝状凹部
21を形成した天板20と、上記凹部21を覆って凹部
内部にインク室23を形成する基板24と、各インク室
23に対応して設けられた複数の駆動部25とを備えて
いる。駆動部25は、一部分がインク室23内に延びた
作用部材26と、作用部材26のインク室23外にある
部分に固定された圧電体27,28とから構成され、圧
電体27,28に電圧を印加すると変形し、この変形に
基づき作用部材26のインク室23内に延びた部分が変
位してインク室23に充填されたインクを加圧吐出す
る。 【効果】 圧電体にインクが接触しないため、インク浸
透によるインク飛翔効率の低下を防止できる。また、一
の駆動部の振動が隣接する他の駆動部に伝播して作用部
材を連動変位させることがなく、クロストークを防止で
き、印字品質を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像信号に応じてイン
ク滴を飛翔させことにより、紙等の被記録媒体に記録す
るインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像信号に応じて圧電体に電
圧を印加し、圧電体の変形に基づきインクを加圧してノ
ズルからインク滴を飛翔させることにより、紙等の被記
録媒体に記録するインクジェットヘッドがプリンタなど
の記録装置に用いられている。
【0003】上記インクジェットヘッドとして、例えば
特開昭62−56150号公報に、図10に示すものが
開示されている。このインクジェットヘッド60は、複
数の凹部61が形成された圧電部材62と、これら複数
の凹部61を覆うカバープレート63を有し、各凹部6
1の内部にインク室64が形成されている。また、上記
凹部61の底面には凸部65が形成されており、この凸
部65の上面と、圧電部材62の背面の上記凸部65に
対応する位置には、電極66,67がそれぞれ配置され
ている。このように構成されるインクジェットヘッド6
0では、電極66,67間に電圧を印加することによっ
て上記圧電部材62の凸部65を変形させ、インク室6
4の容積を急峻に減少させてインク室64に充填された
インクを加圧することで、ノズルからインク滴を吐出す
るようになっている。
【0004】また、金属フィルムを圧電材料で挟み込
み、圧電材料の上下面に電極層を形成したバイモルフ構
成の円形振動板をインク室に配置し、上記電極層を介し
て電圧を印加して振動板を変形させ、この変形に基づき
インク室に充填されたインクを加圧吐出させるカイザー
方式のインクジェットヘッドがよく知られている(アメ
リカ特許第3,946,398号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記イ
ンクジェットヘッド60では、インク室64を形成する
凹部61の側壁も圧電材料であるため、電極66,67
間の電界が回り込むことによって側壁にも変形が生じ
る。また、このような電界の回り込みを小さくできたと
しても、各凹部61および凸部65は一体的に形成され
ているため、凸部65の振動が隣接するインク室64の
側壁や凸部65に伝播して連動変位が発生する。その結
果、インク吐出を欲しない隣接するインク室64からイ
ンク滴が吐出したり、または、インク滴が吐出しないま
でもインク室64内のインクの流れに乱れを生じ、次の
吐出の際にインク滴径が不均一になるという、いわゆる
クロストークと呼ばれるインク吐出特性の相互干渉が発
生し、印字品質が劣悪なものになるという問題がある。
【0006】また、圧電材料である凸部65とインクが
直接接触しているために、時間の経過とともに凸部65
にインクが浸透して低抵抗化を招き、これにより電極6
6,67に電圧を印加しても凸部65に実効電圧がかか
らなくなり、凸部65の変形量が低下してインクの飛翔
効率が悪くなるという問題がある。さらに、圧電部材6
2に複雑な形状の溝加工を施す必要があるために製造コ
ストが高くなるのに加えて、インク室64を高密度に配
置して多ノズル化することが困難であり、印刷速度の高
速化を図るうえで構造的に適さないという問題もある。
【0007】上記カイザー方式のインクジェットヘッド
についても、上記インクジェットヘッド60と同様の問
題がある。すなわち、圧電材料に電極層を介してインク
が浸透してインク飛翔効率の低下を招くうえに、バイモ
ルフ構成の円形振動板を作用させてインクを吐出させる
には、大きな作用面積を有する振動板を用いる必要があ
るため、インク室の高密度配置が困難であり、多ノズル
化による印字速度の高速化を図ることができない。
【0008】そこで、本発明は上記問題点を解決するた
めになされたもので、圧電材料へのインク浸透による飛
翔効率の低下を防止し、クロストークのない安定したイ
ンク滴の飛翔を実現して印字品質を向上させることがで
き、かつ、高密度配置の多ノズル化が容易で印字速度を
速くすることができるインクジェット記録装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明のインクジェット記録装置は、複数の溝状
凹部を形成した非圧電プレートと、上記非圧電プレート
の凹部形成面に設けられ、各凹部を覆って凹部内部にイ
ンク室を形成する基板と、上記各インク室に対応して設
けられ、一部分が各インク室内に延びている作用部材
と、この作用部材のインク室外にある部分に固定された
圧電体とを有し、この圧電体を介して上記基板に固定さ
れた複数の駆動部と、画像信号に応じて上記圧電体に電
圧を印加して変形させ、この変形に基づき上記作用部材
のインク室内に延びた部分を変位させ、この変位により
インク室に充填されたインクを加圧してノズルから吐出
させる電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする(請
求項1)。
【0010】また、第2発明のインクジェット記録装置
は、上記駆動部が上記作用部材を2つの圧電体で挟み込
んで構成され、上記電圧印加手段によって電圧を印加す
ることにより上記2つの圧電体が上記作用部材に沿って
相反する方向に変形するようにしたことを特徴とする
(請求項2)。
【0011】さらに、第3発明のインクジェット記録装
置は、上記2つの圧電体の作用部材に沿う方向の長さが
異なることを特徴とする(請求項3)。
【0012】加えて、第4発明のインクジェット記録装
置は、上記2つの圧電体について、各駆動部間で作用部
材の同じ側に位置する圧電体を、連結部でそれぞれ連結
して櫛歯状に形成したことを特徴とする(請求項4)。
【0013】
【作用】上記第1発明のインクジェット記録装置では、
電圧印加手段によりインク室外に配置された圧電体に電
圧を印加して変形させると、この変形に伴い圧電体が固
定されている作用部材のインク室内に延びた部分にも変
位が生じる。この作用部材の変位によってインク室に充
填されたインクが加圧され、ノズルからインク滴となっ
て飛翔する。一方、圧電体への電圧印加を解除すると、
圧電体とともに作用部材も元の状態に戻る。このときに
インク室内部に負圧が生じ、これによりインク室にイン
クが補給されて次のインク飛翔の準備ができる。
【0014】上記圧電体はインク室外に配置されてお
り、インクと直接接触しないため、インクが浸透して低
抵抗化することがない。また、駆動部は圧電体を介して
基板に固定されているが、一の駆動部の振動が基板を介
して隣接する他の駆動部に伝播することはなく、たとえ
伝播したとしても間接的に固定されている作用部材を連
動変位させるまでには至らず、クロストークは生じな
い。
【0015】上記第2発明のインクジェット記録装置で
は、2つの圧電体が作用部材を挟み込んで固定され、こ
れら2つの圧電体に電圧を印加すると作用部材に沿って
互いに相反する方向に膨張変形または収縮変形する。こ
のような圧電体の相反する変形によって、1の圧電体の
変形による場合よりも作用部材のインク室内に延びた部
分について大きな変位が得られる。また、作用部材に固
定した2つ圧電体の長さを異ならせた第3発明のインク
ジェット記録装置では、作用部材が変形しやすくなるた
めにインク室内に延びた部分についてさらに大きな変位
が得られる。
【0016】上記第4発明のインクジェット記録装置で
は、櫛歯状に形成することで各圧電体の構造的強度が増
加するとともに、加工・組立面におけるハンドリングが
容易になり、組立ばらつきが少なくなり精度がよくな
る。
【0017】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例に
ついて説明する。図1は本発明の実施例であるインクジ
ェット記録装置1の全体構成を概略的に示したものであ
る。このインクジェット記録装置1は大別して、コネク
タ2aを備えた電源部2と、駆動系3と、メカコントロ
ーラ4と、メモリ5と、コントローラ6と、インク供給
部7と、スキャンキャリッジ8と、給紙部9と、ケース
10と、操作パネル11とから構成されている。上記ス
キャンキャリッジ8は通紙方向(矢印a方向)に直交す
る方向(図1において紙面の表裏方向)にスキャン可能
になっており、その内部にはブラック、シアン、マゼン
タおよびイエロの各色用に4つのインクジェットヘッド
12が通紙方向に沿い、かつインク吐出ノズルを下方に
向けて配置されている。
【0018】上記インクジェットヘッド12は、図2に
示すように、非圧電プレートである天板20を備えてい
る。この天板20は、例えばアルミナなどの非圧電材料
で形成され、図3に示すように、その下面には複数の溝
状凹部21がダイシング加工等により形成されている。
これら凹部21は天板20の幅方向(図3において左右
方向)に所定ピッチで形成され、天板20の長手方向
(図3において奥行き方向)にそれぞれ平行に延びてい
る。
【0019】上記天板20の凹部21形成面には、天板
20と同様に非圧電プレートからなる基板24が設けて
あり、この基板24で覆われた凹部21の内部にインク
室23が形成されている。天板20と基板24は接着剤
で接着したり、2枚の挾持板とボルトなどの締め付け具
を用いて上下方向から挾持したり、あるいは、それらの
周囲を一体的に樹脂モールディングするなどの方法によ
って固定される。
【0020】天板20と基板24との接合体の前端面に
は、図2および図4に示すように、例えば厚さ25〜2
00μm程度のポリイミドフィルムからなるノズルプレ
ート31が固定されている。このノズルプレート31に
は、例えばエキシマレーザなどによって複数のノズル孔
31aがインク室23と等ピッチで形成され、このピッ
チは例えば約42.3〜254μm(画素密度:600
〜100dpi)程度である。
【0021】上記天板20の後端面には、図4に示すよ
うに、バックプレート32が固定されている。このバッ
クプレート32の下部には、後述する駆動部25の作用
部材26を余裕をもって収容可能な寸法を備えた複数の
切欠溝33が各インク室23に対応して形成されてい
る。また、天板20の凹部21の底部には、各インク室
23にそれぞれ連通する複数のインク供給口34が形成
され、これらインク供給口34を覆うようにして、上部
にインクチューブ35を突設したインクマニホールド3
6が設けてある。
【0022】基板24の後方領域の上面24aは、イン
ク室23に対応する前方領域より一段低く形成されてい
る。この上面24aには、各インク室23に対応して複
数の駆動部25が設置されている。この駆動部25は、
バックプレート32の切欠溝33を介して前半部分がイ
ンク室23内に延びている作用部材26と、この作用部
材26のインク室23の外部にある後半部分に上下から
作用部材26を挟み込んで接着固定された第1の圧電体
27および第2の圧電体28とで構成されている。
【0023】上記作用部材26は、インク室23内に延
びた部分が常時インクと接触することになるため、装置
の長寿命化を図るうえで、インク浸透によって劣化する
ことのない耐インク性に優れた材料で形成されるのが好
ましい。また、インク室23内に延びた作用部材26の
両側面と、インク室23を形成する凹部21の側壁面と
の間隔は、作用部材26の急峻な変位によって加圧され
たインクが作用部材26の両側を通って下側に回り込む
のを抑え、加圧力のロスによるインク飛翔効率の低下を
防止するため、30μm以下となるように形成するのが
好ましい。
【0024】上記第1,第2の圧電体27,28の作用
部材26との接触面には共通電極29が、また、この接
触面とは反対側の面は個別電極30がそれぞれ形成され
ている。上記共通電極29はアースされる一方、上記個
別電極30は図示しないドライバーICを介して電圧印
加手段であるコントローラ6(図1参照)に接続されて
いる。これにより、各圧電体27,28に画像信号に応
じて電圧が印加されるようになっている。また、図4に
おいて矢印Pでそれぞれ示すように、第1の圧電体27
は共通電極29から個別電極30に向かう方向に、第2
の圧電体28は個別電極30から共通電極29に向かう
方向に分極処理されている。なお、上記共通電極29の
アースは、導電性接着剤を用いて第1,第2の圧電体2
7,28のすべての共通電極29に導通する接着剤層を
形成し、この接着剤層にアースする等の方法で行うが、
第1,第2の圧電体27,28を作用部材26に固定す
るのに導電性接着剤を用いた場合には、各共通電極2
9,29の形成を省略することもできる。
【0025】上記駆動部25は、上記第1の圧電体27
を介して、すなわち上記第1の圧電体27の個別電極3
0形成面を接着されて基板24に固定されているが、固
定される部材は基板24に限られず、その他の部材であ
ってもよい。
【0026】上記駆動部25は、作用部材26の原材料
となる平板を挟んで、第1,第2の圧電体27,28と
なる例えばPZT圧電プレートを接着したものを基板2
4に固定したのち、例えばダイシングソーで切断するこ
とによって形成され、作用部材26および各圧電体2
7,28はそれぞれ矩形断面を有し、かつインク室23
4に沿う方向に柱状体をなしている。上記各圧電体2
7,28に形成された共通電極29および個別電極30
は、切断前の圧電プレートの両側面に、無電界メッキに
よるAu/Ni膜、または、スパッタリングによるAu
/(Ni,Cr)膜を付着させることによって形成さ
れ、その厚さは0.1〜10μm程度である。なお、圧
電体27,28の表面には、大気中の湿気が浸透するこ
とによる電圧を印加したときの変形量の低下を防止する
ため、例えば、ポリイミド樹脂をスピンコート法で塗布
し、180℃で1時間焼き付けるなどによってオーバコ
ート処理するのが好ましいが、湿度抵抗の高い圧電材料
を圧電体27,28に用いた場合には、この処理を省略
してもよい。
【0027】上記作用部材26が挿入されているバック
プレート32の切欠溝33は、インク室23に充填され
たインクが作用部材26との間の隙間から漏れないよう
に、例えばフルオロシリコンゴムなどの封止材37で封
止されている。ただし、この封止材37は作用部材26
の変位を拘束しないように弾性を有する必要がある。
【0028】続いて、上記構成からなるインクジェット
ヘッド12のインク吐出動作について説明する。インク
は、図4に示すように、インク供給部7(図1参照)か
らインクチューブ35に供給され、インク供給口34を
介して各インク室23に充填される。電圧印加手段であ
るコントローラ6により、図5(a)に示すような正極
性のパルス状電圧を上記第1,第2の圧電体27,28
に印加すると、各圧電体27,28には個別電極30か
ら共通電極29に向かう方向に電界がそれぞれ形成さ
れ、各圧電体27,28はいわゆる厚み方向振動モード
により変形、振動する。
【0029】しかし、上述したように、第1の圧電体2
7は共通電極29から個別電極30に向かう方向に分極
処理される一方、第2の圧電体28は個別電極30から
共通電極29に向かう方向に分極処理されているため、
各圧電体27,28は作用部材26に沿って、互いに相
反する方向に変形することになる。すなわち、第1の圧
電体27は、全く固定されていない状態にあるときに
は、長手方向(図4において左右方向、以下第2の圧電
体28についても同様。)に均一に膨張変形するととも
に厚み方向に収縮変形するが、基板24および作用部材
26との固定面の変形が拘束される傾向にあるため、第
1の圧電体27は図4中破線で示すように長手方向両端
面が湾曲して膨らむように変形する。一方、これとは逆
に、第2の圧電体28は長手方向に均一に収縮変形しよ
うとするが、作用部材26に対する固定面の変形が拘束
される傾向にあるため、図4中破線で示すように側面形
状が台形状に変形する。
【0030】上記のような第1,第2の圧電体27,2
8の変形に基づき、これらの圧電体が固定された作用部
材26に以下のような変形および変位が生じる。すなわ
ち、作用部材26について、第1の圧電体27が固定さ
れている下面には、引っ張り力が作用して僅かに伸び変
形を生じ、第2の圧電体が固定された上面には圧縮力が
作用して僅かに縮み変形を生じる。その結果、作用部材
26のインク室23内に延びた自由端部分が図4中破線
で示すように急峻に変位する。この際、封止材37は弾
性を有しているので、作用部材26の変位を拘束するこ
とはない。この作用部材26の変位によってインク室2
3に充填されたインクが加圧され、ノズル孔31aから
液滴状となって飛翔し、図示しない記録紙上に付着す
る。
【0031】個別電極30ヘの電圧印加が解除され電界
が消滅すると、各圧電体27,28は元の状態に戻り、
作用部材26も同時に復元する。このとき、作用部材2
6とインク室23の側壁との間の隙間は僅かであること
から、インク室23の内部に負圧が生じ、インクマニホ
ールド36及びインク供給口34を介してインク室23
にインクが補給され、次のインク吐出の準備ができる。
【0032】ただし、上記インク補給時に、図5(a)
に示すように電圧を瞬時にゼロにして各圧電体27,2
8の弾性に基づき復元させ、インク室23内にある作用
部材26を急峻に復元させると、ノズル孔30aからイ
ンク室23内に気泡が吸引され、次のパルス電圧の印加
時に気泡が圧力を吸収してインク飛翔を妨げるおそれが
ある。このため、図5(b)に示すように、圧電体2
7,28が復元動作する際の電圧のパルス形状に傾斜を
もたせ、作用部材26が気泡の吸引が生じない範囲で最
も速く戻るようにして、これを防止する。
【0033】また、図5(a)に対して同一値でパルス
幅を変えたパルス電圧を印加し、各圧電体27,28の
変形量を調節することで作用部材26の自由端部分の変
位量を制御すれば、飛翔するインク滴径を変えることが
でき、これにより記録紙上に付着するドット径を変えら
れるので、中間調再現が容易になる。例えば、図5
(c)に示すように、パルス幅を小さくすると、ドット
径も小さくなる。図5(d)に示すパルス電圧は、主パ
ルスに対して逆極性で小電圧の後パルスを印加したもの
である。この波形のパルス電圧を各圧電体27,28に
印加すれば、主パルスによってインク滴が飛翔した後に
ノズル孔31aから延びるインク柱を後パルスによって
強制的にインク室23に引き込むことができるので、サ
テライトノイズを軽減できる。図5(e)に示すパルス
電圧は、主パルスに対して同極性で小電圧の前パルスを
印加するもので、この波形のパルス電圧によれば主パル
スの電圧値を低く抑えることができ、これによってドラ
イバー負担が小さくなるため、ドライバーコストを低減
できる。
【0034】上記のようなインク吐出動作が画像信号に
応じて各インク室23毎に独立して行われることによ
り、1ライン分の画像が描かれ、これが記録紙の移動に
同期して繰り返されることで、画像信号に応じた画像が
記録紙上に描かれる。
【0035】以上に説明したように本実施例では、イン
クを加圧吐出させるための駆動部25のうち、作用部材
26のみがインク室23内に延設されてインクと直接接
触しており、インク室23外に配置されている第1,第
2の圧電体27,28にインクが接触することはない。
したがって、インクが浸透して低抵抗化することによっ
て各圧電体27,28に実効電圧がかからなくなり、各
圧電体27,28の変形量とともに作用部材26の変位
量が小さくなってインク飛翔効率が低下するという事態
を防止できる。
【0036】また、上記駆動部25は第1の圧電体27
を介して基板24に固定されているが、一の駆動部25
の振動が基板24を介して隣接する他の駆動部に伝播す
ることはなく、たとえ伝播したとしても第1の圧電体2
7を介して間接的に固定されている作用部材26を連動
変位させるまでには至らず、クロストークによる不必要
なインク吐出やインク流の乱れを生じることがない。し
たがって、飛翔するインク滴径をバラツキのない安定し
たものにすることができ、印字品質の向上を図ることが
できる。
【0037】さらに、本実施例におけるインク室23用
の凹部21や駆動部25は、ダイシング加工等により比
較的容易に高密度に形成することができるので、多ノズ
ル化による印字速度の高速化が可能になる。
【0038】加えて、本実施例では作用部材26を第
1,第2の圧電体27,28で挟み込んで固定したバイ
モルフ構成としたことで、各圧電体27,28の変形量
を作用部材26のより大きな変位量に変換することがで
きる。このため、低電圧駆動が可能になり、その結果、
ドライバーICを安価な低電圧用のものを使用でき、ド
ライバーコストの低減を図ることができる。
【0039】ところで、上記実施例では、図5(a)〜
(e)に示すパルス電圧を印加して作用部材26を図4
中破線で示すように変位させるようにしたが、第1,第
2の圧電体27,28について分極処理をそれぞれ逆方
向にするとともに、作用部材26との接触面に個別電極
30をそれぞれ形成し、図5(f)または(g)に示す
パルス電圧を印加するようにしても、作用部材26につ
いて同様の変位を得ることができる。なお、図5(g)
のパルスの立ち上げ部を傾斜させてある理由は、上記図
5(b)の場合と同様である。
【0040】次に、上記実施例の変形例について図6〜
9を参照して説明するが、特記する以外の部材および作
用効果は上記実施例と同一であるため説明を省略する。
上記駆動部25では第1,第2の圧電体27,28を同
一長さに形成したが、図6(a),(b)に示すよう
に、作用部材26に沿う方向の長さを互いに異なるよう
に形成してもよい。このように形成すると、各圧電体2
7,28の変形に基づいて作用部材26が変形しやすく
なり、自由端部における変位量をさらに大きくとること
ができので、より低い電圧での駆動が可能となり、ドラ
イバーコストの一層の低減を図ることができる。
【0041】また、上記実施例では、第1,第2の圧電
体27,28を用いて作用部材26を変位させるように
したが、図7(a)に示すように、第2の圧電体28を
省略して第1の圧電体27のみを用いて作用部材26を
変位させてもよい。この際、第1の圧電体27の一部分
のみを基板24に固定してもよく、この場合には第1の
圧電体27の非固定領域が図7(b)中破線で示すよう
に反り変形し、この反り変形によって作用部材26が変
位する。
【0042】上記実施例およびその変形例では単層の圧
電体を使用したが、図8に示すように、公知のグリーン
シート法により圧電材料を2層以上の多層に積層し、内
部に接着層を兼ねた個別電極30および共通電極29を
形成した積層型圧電体を第1,第2の圧電体27,28
として使用すれば、積層数に応じて大きな変形量を得る
ことができ、かつ作用部材26を変位させる際の発生力
が強くなるために、低電圧駆動によるドライバーコスト
の低減を図れるとともに、インク滴の飛翔安定性が向上
する。
【0043】また、上記実施例およびその変形例では、
ダイシング加工等により各駆動部25を完全に分割して
第1,第2の圧電体27,28を細長い柱状体に形成し
たが、図9に示すように、各駆動部間で作用部材26の
同じ側に位置する圧電体、すなわち、第1の圧電体27
相互間(図示せず。)、および第2の圧電体28相互間
を連結部40でそれぞれ連結して櫛歯状に形成してもよ
い。なお、連結部40は、プレート状の圧電材料をダイ
シングソーによりスリット加工する際に、連結部43の
ところで切削深さを浅くすることによって形成される。
また、この連結部40に対応する各圧電体27,28の
後部領域には個別電極30を形成しない。これは、この
後部領域に変形が生じないようにして、各圧電体間で振
動が影響し合うのを防止するためである。
【0044】このように各圧電体27,28を櫛歯状に
形成することで、各圧電体27,28の構造的強度が増
し、装置の耐久性、信頼性が向上するとともに、加工・
組立面のハンドリングが容易になり、組立バラツキが少
なく精度が高くなるので、歩留まりが良くなり製造コス
トを安価にすることができる。また、連結部40の存在
によって各圧電体27,28の作用部材26接触面に形
成した共通電極29も共通化されて導通するため、導電
性接着剤層を用いなくても一か所の接続で各圧電体2
7,28の共通電極29のアースが可能になり、接続を
容易に行うことができる利点もある。
【0045】次に、上記実施例のインクジェットヘッド
に使用できる材料等について説明する。圧電体の材料 上記圧電体27,28の材料としては、以下に示す圧電
材料を用いることができる。 (1) 圧電結晶 水晶(SiO2) ,ロッシェル塩(RS:NaKC4
46・4H2O)酒石酸エチレンジアミン(ETD:C6
1426) ,酒石酸カリウム(DKT:K244
6・1/2H2O) ,第2リン酸アンモニウム(AD
P:NH42PO4) ,プロブスカイト系結晶(e
x.CaTiO3,BaTiO3,PLZT) ,タング
ステンブロンズ系結晶(ex.NaxWO3 〔0.1<
x<0.28〕) ,ニオブ酸バリウムナトリウム(B
2NaNb515) ,ニオブ酸カリウム鉛(Pb2
Nb515) ,ニオブ酸リチウム(LiNbO3) ,
タンタル酸リチウム(LiTaO3) ,さらに、塩素
酸ソーダ(NaClO3),電気石(Tourmali
ne), 閃亜鉛鉱(ZuS) ,硫酸リチウム(Li
SO42O) ,メタガリウム酸リチウム(LiGaO
2) ,ヨウ素酸リチウム(LiIO3) ,硫酸グリシ
ン(TGS) ,ゲルマニウム酸ビスマス(Bi12Ge
20) ,ゲルマニウム酸リチウム(LiGeO3
,チタニウム酸バリウム ,ゲルマニウム(Ba2
2TiO3) 等の結晶。
【0046】(2) 圧電半導体 ウルツ鉱 ,BeO ,ZnO ,CdS ,CdSe
,AlN。 (3) 圧電セラミックス チタニウム酸バリウム(BaTiO3) ,チタニウム
酸ジルコニウム酸鉛(PbTiO3・PbZrO3) ,
チタニウム酸鉛(PbTiO3) ,ニオブ酸バリウム
酸鉛((Ba−Pb)Nb26)。 (4) 上記(1)圧電結晶、(2)圧電性半導体、
(3)圧電セラミックス材料の粉をプラスチック類に分
散して成型したものでも良い。 (5) 圧電性高分子 ポリフッ化ビニリデンPVDF(−CH2−CF2−)n
,ポリフッ化ビニリデン/PZT ,ゴム/PZT
,トリフルオロエチレンとフッ化ビニリデンの共重合
体 ,シアン化ビニリデンと酢酸ビニルの共重合体 ,
ポリシエン化ビニリデン等。以上に挙げた圧電材料を分
極処理した後、圧電体として加工して用いるか、もしく
は圧電体として加工した後分極処理して用いてもよい。
また、必要に応じて積層化し、低電圧駆動できるように
してもよい。
【0047】圧電体のオーバコート処理 上記圧電体27,28のオーバコート処理は、次の
(1)〜(5)に挙げる方法で行うこともできる。 (1) プラスチック類の塗布 飽和ポリエステル樹脂 ,ポリアミド樹脂 ,ポリイミ
ド樹脂 ,アクリル樹脂 ,アラミド樹脂 ,エチレン
−酢酸ビニル樹脂 ,イオン架橋オレフィン共重合体
(アイオノマー) ,スチレン−ブタジェンブロック共
重合体 ,ポリアセタール ,ポリカーボネード ,塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ,セルロースエステル
,ポリイミド ,スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂。
【0048】エポキシ樹脂 ,フェノキシ樹脂 ,ウレ
タン樹脂 ,ナイロン類 ,シリコーン樹脂 ,フルオ
ロシリコン樹脂 ,フェノール樹脂 ,メラミン樹脂
,キシレン樹脂 ,アルキッド樹脂 ,熱硬化アクリ
ル樹脂等の熱硬化性樹脂。ポリビニルカルパゾール ,
ポリビニルピレン ,ポリビニルアントラセン,ポリビ
ニロール等の光導電性樹脂。
【0049】これらは単独で、または組み合わせて使用
することができる。その他、液晶ポリマー等のエンジニ
アプラスチック類、プラスチック類と粉末、ウィスカー
との混合物でも良い。感光性樹脂 ,厚膜用フォトレジ
スト樹脂等が使用可能である。ベークライト ,フッ素
系樹脂 ,ガラス・エポキシ樹脂(エポキシ中にガラス
フィラー混入)でもよい。これらは、塗布,ディップ,
スプレー法等、公知の液体塗布方法を用いればよい。上
記の中では特に、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノキシ樹脂、フルオロシリコーン樹脂、
フッ素樹脂、ガラス・エポキシ樹脂の効果が優れてい
る。
【0050】(2) 酸化・窒化・硫化金属化合物等の
蒸着 酸化金属化合物(SiO2,SiO,CrO,Al23
等)や、窒化金属化合物(Si34,AlN等)や、硫
化金属化合物(ZnS等)、あるいはこれらの合金を、
真空蒸着やスパッタ等でコートする。また、上記(1)
のプラスチックを蒸着によって塗布してもよいし、パリ
レン樹脂蒸着してもよい。上記の中では、Al23、S
34、パリレン樹脂の効果が優れている。
【0051】(3) 炭化水素化合物の塗布 炭化水素,酸素含有炭化水素,硫黄含有炭化水素を始め
とするIV属元素含有炭化水素 、窒素含有炭化水素,ケ
イ素含有炭化水素,フッ素含有炭化水素を始めとするハ
ロゲン含有炭化水素 、III属元素含有炭化水素を、P
−CVD(プラズマCVD)によって塗布し、オーバコ
ート処理する。あるいは、これらの混合気相下でP−C
VDにより塗布してもよい。上記の中ではフッ素含有炭
化水素の効果が優れている。なお、これらの膜は、圧電
体との接着性の相性にしたがって適宜、a−Si(アモ
ルファスシリコン),a−SiC,a−SiN等による
アンダーコートを設ける必要がある。 (4) 上記(1)のプラスチック類を、塗液状態で圧
電体プレート表面の塗布する代わりに、減圧下で圧電体
形成部に置換,含浸させて成形する。 (5) 圧電体プレートの表面を撥インク性の溶剤で表
面処理する。
【0052】以上の(1)〜(5)に挙げる方法で形成
したオーバコート膜を比較すると、次のような特徴が見
られる(ただし(3)はアンダーコート有りの場合)。 強度 : 強 (2),(3)>(1),(4)>(5) 弱 平滑性 : 良 (1),(4)>(2),(3),(5) 悪 接着性(耐振動性を含む) : 強 (1),(4)>(2),(3)>(5) 弱 耐久性(耐インク性を含む): 良 (1),(4)>(2),(3)>(5) 悪 その他、(5)は処理が簡便であり、(1)〜(4)の
後処理として利用することもできる。また、コスト面に
おいては、(1),(4)が特に安価である。なお、上
記(1)〜(5)に挙げる方法を、圧電体やインク種に
応じて適宜組み合わせて使用してもよい。
【0053】天板,基板,作用部材の材料 天板20,基板24,作用部材26に用いることができ
る材料として、次の(1)〜(4)に挙げるものがあ
る。 (1) セラミックス Al23 ,SiC ,C ,BaTiO3 ,BiO3
・3SnO2 ,Pb(Zrx,Ti1-x)O3 ,ZnO
,SiO2 ,(1−x)Pb(Zrx,Ti1-x)O3
+(x)La23 ,Zn1-xMnxFe23 ,γ−F
23 ,Sr・6Fe23 ,La1-xCaxCrO3
,SnO2 ,遷移金属酸化物 ,ZnO−Bi23
,半導体BaTiO3 ,β−Al23 ,安定化ジ
ルコニア,LaB6 ,B4C ,ダイヤモンド ,Ti
N ,TiC ,Si34 ,Y22S:Eu ,PL
ZT ,ThO2 ,−CaO・nSiO2 ,Ca
5(F,Cl)P312 ,TiO2 ,K2O・nAl2
3
【0054】(2) ガラス類 元素ガラス=Si ,Se ,Te ,As 水素結合ガラス=HPO3 ,H3PO4 ,SiO2
22 ,P25 ,GeO2 ,As2 酸化物ガラス=SbO ,Bi23 ,P23 ,V
25 ,Sb25 ,As23 ,So3 ,ZrO2 フッ化物ガラス=BeF2 ,塩化物ガラス=ZnCl2 硫化物ガラス=GeS2 ,As23 炭酸塩ガラス=K2CO3 ,MgCO3 硝酸塩ガラス=NaNO3 ,KNO3 ,AgNO3 硫酸塩ガラス=Na223 ,H2O ,Tl2SO
4 ,ミョウバン ケイ酸ガラス=SiO2 ケイ酸アルカリガラス=Na2O−CaO−SiO2 カリ石灰ガラス=K2O−CaO−SiO2 ソーダ石灰ガラス=Na2O−CaO−SiO2 鉛ガラス バリウムガラス ホウケイ酸ガラス。
【0055】(3) プラスチック類 飽和ポリエステル樹脂 ,ポリアミド樹脂 ,ポリイミ
ド樹脂 ,アラミド樹脂 ,アクリル樹脂 ,エチレン
−酢酸ビニル樹脂 ,イオン架橋オレフィン共重合体
(アイオノマー) ,スチレン−ブタジェンブロック共
重合体 ,ポリアセタール ,ポリフェニレンサルファ
イド,ポリカーボネード ,塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体 ,セルロースエステル ,ポリイミド ,スチ
ロール樹脂等の熱可塑性樹脂。エポキシ樹脂 ,フェノ
キシ樹脂,ウレタン樹脂 ,ナイロン樹脂 ,シリコー
ン樹脂 ,フェノール樹脂 ,メラミン樹脂 ,キシレ
ン樹脂 ,アルキッド樹脂 ,熱硬化アクリル樹脂等の
熱硬化性樹脂。ポリビニルカルパゾール ,ポリビニル
ピレン ,ポリビニルアントラセン,ポリビニロール等
の光導電性樹脂。
【0056】上記(1)〜(3)に挙げるものは単独
で、または組み合わせて使用することができる。その
他、液晶ポリマー等のエンジニアプラスチック類、プラ
スチック類と粉末、ウィスカーやガラスフィラー等との
混合物でも良い。感光性樹脂、厚膜用フォトレジスト樹
脂等も使用可能であり、ベークライト、フッ素系樹脂、
ガラス・エポキシ樹脂(エポキシ中にガラスフィラー混
入)でもよい。
【0057】(4) その他 ゴム、合成ゴムも使用できるほか、インク室に接する側
面を絶縁膜コートする場合は全ての金属が使用できる。
上記(1)〜(4)に挙げる材料は、板状にした後、天
板20等に加工するか、もしくは型成型したり、パター
ンエッチング、光硬化等を利用して最初から天板20等
の形状に成型しても良い。
【0058】接着剤の材料 インクジェットヘッドの組み立てに用いる接着剤として
は、次の(1)〜(4)に挙げるものが使用できる。た
だし、接着剤層を共通電極をアースする際の導体として
用いる場合には、当然に導電性を有する必要がある。 (1) エポキシ樹脂 ,フェノール樹脂 ,フェノキ
シ樹脂 ,アクリル系樹脂 ,フラン樹脂 ,ポリウレ
タン樹脂 ,ポリイミド樹脂 ,シリコーン樹脂等の熱
硬化性樹脂接着剤。 (2) ポリ酢酸ビニル ,ポリ塩化ビニル ,ビニル
アセタール ,ポリビニルアルコール ,ポリビニルブ
チラール等の熱可塑性樹脂接着剤。 (3) UV硬化樹脂接着剤。 (4) 嫌気性硬化型接着剤。
【0059】封止材の材料 上記封止材37の材料としては、フルオロシリコンゴム
等のゴム類のほか、上記接着剤を使用することもでき
る。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、第1発
明のインクジェット記録装置では、駆動部を構成する作
用部材と圧電体のうち、一部分がインク室内に延びて配
置されている作用部材のみがインクと直接接触し、イン
ク室外に配置されている圧電体はインクと接触しない。
したがって、圧電体へのインク浸透に起因するインク飛
翔効率の低下を防止することができる。
【0061】また、上記駆動部は圧電体を介して基板ま
たはその他の部材に固定されているが、一の駆動部の振
動が基板等を介して隣接する他の駆動部に伝播すること
がなく、たとえ伝播したとしても間接的に固定されてい
る作用部材を連動変位させるまでには至らず、クロスト
ークは生じない。このため、不必要なインク吐出やイン
ク室内のインク流の乱れを防止でき、その結果、飛翔す
るインク滴径をバラツキのない安定したものにすること
ができ、印字品質を向上させることができる。
【0062】上記駆動部を作用部材を2つの圧電体で挟
み込んで構成するとともに、上記2つの圧電体を作用部
材に沿って互いに相反する方向に変形するようにした第
2発明のインクジェット記録装置によれば、圧電体が1
つの場合よりも作用部材のインク室内に延びた部分につ
いて大きな変位量を得ることができる。したがって、低
電圧駆動が可能になり、ドライバーコストの低減を図る
ことができる。また、上記2つの圧電体の作用部材に沿
う方向の長さを互いに異なるように形成した第3発明の
インクジェット記録装置によれば、作用部材が変形しや
すくなることから、作用部材のインク室に延びた部分に
ついてさらに大きな変位量を得ることができ、より一層
の低電圧駆動が可能になる。
【0063】上記各圧電体をそれぞれ連結した部分を有
する櫛歯状に形成した第4発明のインクジェット記録装
置によれば、各圧電体の構造的強度が増し、装置の耐久
性、信頼性が向上するとともに、加工・組立面のハンド
リングが容易になり、組立バラツキが少なく精度が高く
なるので、歩留まりが良くなり製造コストを安価にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット記録装置の概略構成図であ
る。
【図2】 インクジェットヘッドの全体斜視図である。
【図3】 図2に示すインクジェットヘッドの幅方向断
面図である。
【図4】 図2に示すインクジェットヘッドの長手方向
断面図である。
【図5】 駆動部の圧電体に印加する電圧のパルス形状
を示す図である。
【図6】 作用部材に沿う方向の長さが異なる2つの圧
電体を備えた駆動部の側面図である。
【図7】 駆動部の変形例を示す図である。
【図8】 積層型圧電体を用いた駆動部の側面図と部分
拡大図である。
【図9】 櫛歯状に形成された圧電体を備えた駆動部の
斜視図である。
【図10】 従来のインクジェットヘッドの一例を示す
部分断面図である
【符号の説明】
1…インクジェット記録装置、6…コントローラ(電圧
印加手段)、20…天板(非圧電プレート)、21…凹
部、23…インク室、24…基板、25…駆動部、26
…作用部材、27,28…圧電体。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の溝状凹部を形成した非圧電プレー
    トと、 上記非圧電プレートの凹部形成面に設けられ、各凹部を
    覆って凹部内部にインク室を形成する基板と、 上記各インク室に対応して設けられ、一部分が各インク
    室内に延びている作用部材と、この作用部材のインク室
    外にある部分に固定された圧電体とを有し、この圧電体
    を介して上記基板に固定された複数の駆動部と、 画像信号に応じて上記圧電体に電圧を印加して変形さ
    せ、この変形に基づき上記作用部材のインク室内に延び
    た部分を変位させ、この変位によりインク室に充填され
    たインクを加圧してノズルから吐出させる電圧印加手段
    と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 上記駆動部が上記作用部材を2つの圧電
    体で挟み込んで構成され、上記電圧印加手段によって電
    圧を印加することにより上記2つの圧電体が上記作用部
    材に沿って相反する方向に変形するようにしたことを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 上記2つの圧電体の作用部材に沿う方向
    の長さが異なることを特徴とする請求項2に記載のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 上記2つの圧電体について、各駆動部間
    で作用部材の同じ側に位置する圧電体を、連結部でそれ
    ぞれ連結して櫛歯状に形成したことを特徴とする請求項
    2または3に記載のインクジェット記録装置。
JP7865995A 1995-01-12 1995-04-04 インクジェット記録装置 Pending JPH08276578A (ja)

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