JP2000225699A - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置Info
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Abstract
破壊を防止したインクジェット式記録ヘッド及びインク
ジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通する圧力発生室12
と、この圧力発生室12に対応する領域に設けられた下
電極60、該下電極60上に設けられた圧電体層70及
び該圧電体層70の表面に設けられた上電極80からな
り、前記圧力発生室12に対向する領域に実質的な駆動
部となる圧電体能動部320を有する圧電素子とを備え
るインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記圧電体能
動部320を構成する前記圧電体層70及び前記上電極
80が前記圧力発生室12に対向する領域内から領域外
まで延設されており、該上電極80の前記圧力発生室1
2の端部と周壁との境界部分に対応する領域に、膜厚が
他の部分よりも厚い厚膜部85を設け、圧電体層70の
破壊を防止する。
Description
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
ような構造では、一般的に圧電素子が圧力発生室の周壁
上まで延設されているため、圧力発生室の端部と周壁と
の境界部分で圧電素子への応力が大きくなり、圧電体層
が破壊してしまうという問題がある。
生室と周壁との境界部での圧電体層の破壊を防止したイ
ンクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装
置を提供することを課題とする。
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室
と、この圧力発生室に対応する領域に設けられた下電
極、該下電極上に設けられた圧電体層及び該圧電体層の
表面に設けられた上電極からなり、前記圧力発生室に対
向する領域に実質的な駆動部となる圧電体能動部を有す
る圧電素子とを備えるインクジェット式記録ヘッドにお
いて、前記圧電体能動部を構成する前記圧電体層及び前
記上電極が前記圧力発生室に対向する領域内から領域外
まで延設されており、該上電極は、前記圧力発生室の端
部と周壁との境界部分に対応する領域に、膜厚が他の部
分よりも厚い厚膜部を有することを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
動の際、厚膜部によって圧力発生室の長手方向端部での
変位が抑えられ、応力集中による圧電体層の破壊が抑え
られる。
て、前記厚膜部は、当該厚膜部以外の上電極を形成する
層と、この上に形成される異なる材料の厚膜部形成層と
からなることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
材料の厚膜部形成層を形成することによって厚膜部とな
る。
て、前記厚膜部形成層がAu、Ag、Cu及びAlから
なる群から選択される材料からなることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
伝導率の高い特定の材料で形成することにより、この厚
膜部形成層を介して圧電体能動部の駆動による熱が容易
に放熱される。
の態様において、前記厚膜部の表面は、パターニングさ
れて表面積が広くなっていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
動による熱がより確実に放熱される。
の態様において、前記厚膜部形成層が凹凸形状を形成す
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
面積を容易に広くすることができる。
の態様において、前記厚膜部の膜厚が、該厚膜部以外の
膜厚より5%〜20%だけ厚くなっていることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドにある。
動を妨げることなく、圧力発生室の長手方向端部での応
力集中による圧電体層の破壊が抑えられる。
の態様において、前記厚膜部が、前記境界部分から前記
圧力発生室の内方に向かって前記圧電体能動部の幅方向
中央部に延設されていることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
方向端部近傍の変位量を段階的に変化させることがで
き、応力集中による圧電体層の破壊がより確実に抑えら
れる。
て、前記境界部分から前記圧力発生室の内方に向かって
前記圧電体能動部の幅方向中央部に延設された前記厚膜
部の幅が、前記圧力発生室の端部から内方に向かって徐
々に細くなっていることを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドにある。
方向端部近傍の変位量を徐々に変化させることができ、
応力集中による圧電体層の破壊がより確実に抑えられ
る。
の態様において、少なくとも前記圧力発生室の端部とそ
の周壁との境界を横切る部分の前記圧電体層及び前記上
電極が、他の部分よりも広い幅を有することを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
力発生室の端部での変位量がさらに抑えられる。
かの態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶基
板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の
各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたもので
あることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ
比較的容易に製造することができる。
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
向上し、信頼性を向上したインクジェット式記録装置を
実現することができる。
て詳細に説明する。
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、その平面図及び1つの圧力発生室の長
手方向における断面図である。
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
ノズル開口11、圧力発生室12が形成されている。
結晶基板を水酸化カリウム等のアルカリ溶液に浸漬する
と、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(1
11)面と、この第1の(111)面と約70度の角度
をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第
2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチン
グレートと比較して(111)面のエッチングレートが
約1/180であるという性質を利用して行われるもの
である。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の
(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形
成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工
を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列する
ことができる。
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。なお、弾性膜50は、シ
リコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵さ
れる量がきわめて小さい。
各ノズル開口11は、圧力発生室12より幅狭で且つ浅
く形成されている。すなわち、ノズル開口11は、シリ
コン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハー
フエッチング)することにより形成されている。なお、
ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行わ
れる。
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口11の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口11は数十μmの溝幅で精度よく形成する必要
がある。
ンク室31とは、後述する封止板20の各圧力発生室1
2の一端部に対応する位置にそれぞれ形成されたインク
供給連通口21を介して連通されており、インクはこの
インク供給連通口21を介して共通インク室31から供
給され、各圧力発生室12に分配される。
対応したインク供給連通口21が穿設された、厚さが例
えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下
で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラ
スセラミックスからなる。なお、インク供給連通口21
は、図3(a),(b)に示すように、各圧力発生室1
2のインク供給側端部の近傍を横断する一つのスリット
孔21Aでも、あるいは複数のスリット孔21Bであっ
てもよい。封止板20は、一方の面で流路形成基板10
の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外
力から保護する補強板の役目も果たす。また、封止板2
0は、他面で共通インク室31の一壁面を構成する。
室31の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、イ
ンク滴吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を
打ち抜いて作製されたものである。本実施形態では、共
通インク室形成基板30の厚さは、0.2mmとしてい
る。
なり、一方の面で共通インク室31の一壁面を構成する
ものである。また、インク室側板40には、他方の面の
一部にハーフエッチングにより凹部40aを形成するこ
とにより薄肉壁41が形成され、さらに、外部からのイ
ンク供給を受けるインク導入口42が打抜き形成されて
いる。なお、薄肉壁41は、インク滴吐出の際に発生す
るノズル開口11と反対側へ向かう圧力を吸収するため
のもので、他の圧力発生室12に、共通インク室31を
経由して不要な正又は負の圧力が加わるのを防止する。
本実施形態では、インク導入口42と外部のインク供給
手段との接続時等に必要な剛性を考慮して、インク室側
板40を0.2mmとし、その一部を厚さ0.02mm
の薄肉壁41としているが、ハーフエッチングによる薄
肉壁41の形成を省略するために、インク室側板40の
厚さを初めから0.02mmとしてもよい。
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.5μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体膜70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
膜70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施
形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極と
し、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としてい
るが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障は
ない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体
能動部が形成されていることになる。また、ここでは、
圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位
が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称す
る。
形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセス
を図4を参照しながら説明する。
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
リングで下電極膜60を形成する。下電極膜60の材料
としては、白金等が好適である。これは、スパッタリン
グ法やゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、
成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜10
00℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるか
らである。すなわち、下電極膜60の材料は、このよう
な高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければなら
ず、殊に、圧電体膜70としてチタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)を用いた場合には、酸化鉛の拡散による導電
性の変化が少ないことが望ましく、これらの理由から白
金が好適である。
70を成膜する。本実施形態では、金属有機物を溶媒に
溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、
さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体
膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成し
た。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジルコン酸
鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使用する場
合には好適である。なお、この圧電体膜70の成膜方法
は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法で形成
してもよい。
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多
くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態
では、白金をスパッタリングにより成膜している。
70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電体能動
部320のパターニングを行う。
すように、各上電極膜80上に厚膜層81を成膜及びパ
ターニングして上電極膜80の所定の位置を厚膜部85
とする。この厚膜層81の材料は、例えば、上電極膜8
0と同一材料、あるいは、Au、Ag、Cu又はA1等
の熱伝導率の高い材料を用いることが好ましい。本実施
形態では、上電極膜80と同一材料である白金を用いて
いる。
して膜形成を行った後、図5(c)に示すように、前述
したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エ
ッチングを行い、圧力発生室12等を形成する。
録ヘッドの要部平面及び断面を図6に示す。
極膜60が複数の圧力発生室12に対応する領域に連続
して設けられている。また、圧電体膜70及び上電極膜
80が基本的には各圧力発生室12に対向する領域内に
設けられて圧電体能動部320が形成されている。この
圧電体能動部320の圧電体膜70及び上電極膜80
は、圧力発生室12の長手方向一端部から周壁に対向す
る領域まで延設されており、その端部近傍で外部端子と
接続されている。また、圧電体膜70及び上電極膜80
が周壁上に引き出される部分は、他の部分よりも幅が広
い幅広部330となっている。さらに、圧力発生室12
の長手方向端部に対向する領域の上電極膜80上には、
厚膜層81が設けられて他の部分よりも膜厚の厚い厚膜
部85となっている。この厚膜層81は、本実施形態で
は、上電極膜80と同一材料である白金で形成されてい
る。この厚膜部81の厚さは、全体の膜厚の5%〜20
%程度であることが好ましく、本実施形態では、約20
0〜500nmの範囲としている。
12の長手方向端部と周壁との境界部分の圧電体膜70
及び上電極膜80を他の部分よりも幅広の幅広部330
とすると共に上電極膜80上に厚膜層81を設けて膜厚
の厚い厚膜部85とした。これにより、圧電体膜70及
び上電極膜80の周壁上への引き出し部分の剛性が向上
するため変位量が減少し、応力集中による破壊が防止で
きる。
発生室12等の一連の膜形成及び異方性エッチングは、
一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセ
ス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路
形成基板10毎に分割する。また、分割した流路形成基
板10を、封止板20、共通インク室形成基板30、及
びインク室側板40と順次接着して一体化し、インクジ
ェット式記録ヘッドとする。
ヘッドは、図示しない外部インク供給手段と接続したイ
ンク導入口42からインクを取り込み、共通インク室3
1からノズル開口11に至るまで内部をインクで満たし
た後、図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従
い、上電極膜80と下電極膜60との間に電圧を印加
し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70をたわ
み変形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高
まりノズル開口11からインク滴が吐出する。
インクジェット式記録ヘッドの要部平面図である。
部85が圧力発生室12の端部と周壁との境界部分から
圧力発生室12の内方に向かって圧電体能動部320の
幅方向中央部に延設されている。すなわち、厚膜層81
の圧力発生室12側には、幅広部330を越えて張り出
し部81aが延設されている。また、この厚膜層81が
上電極膜80と共に周壁に対向する領域に延設されてい
る以外、実施形態1と同様な構成である。
態では、例えば、Au、Ag、Cu又はAl等の熱伝導
率の高い材料で形成するようにし、この厚膜層81を圧
電体能動部320の駆動による発熱に対するヒートシン
クとしても機能させている。
生室12の内方に向かって延設されて厚膜部85となっ
ているので、圧力発生室12対向する領域の幅広部33
0の端部近傍の剛性が向上し、この部分での応力集中に
よる破壊が防止される。また、勿論、圧電体層70及び
上電極膜80の周壁上への引き出し部分の剛性もさらに
向上し、確実に変位量が低下し応力集中による破壊が防
止できる。
伝導率の高い材料で形成しているため、圧電体能動部3
20を駆動する際の発熱に対するヒートシンクとしての
働きをさせることがする。また、厚膜層81を周壁に対
向する領域まで延設されているため、表面積が増加され
てヒートシンクとしての性能も向上される。
インクジェット式記録ヘッドの要部平面図である。
81の張り出し部81aは、その幅が圧力発生室12の
内方ほど幅狭となっている以外は、実施形態2と同様で
ある。
上電極膜80の周壁上への引き出し部分の剛性がより向
上される。また、張り出し部81aの幅が圧力発生室1
2の内方ほど幅狭となっているので、圧力発生室12の
長手方向端部側ほど、剛性が高くなっている。したがっ
て、変位量が徐々に減少されて応力集中による破壊を確
実に防止することができる。また、この厚膜層81は、
勿論、実施形態2と同様に、ヒートシンクとしての機能
も果している。
インクジェット式記録ヘッドの要部断面である。
としての性能を向上させた例であり、図9に示すよう
に、厚膜層81の表面に厚さ方向の一部を除去した複数
の凹部82を設けて厚膜層81の表面積を増加させた以
外は実施形態2と同様である。
態と同様に、圧電体膜70及び上電極膜80の周壁上へ
の引き出し部分の剛性が向上され、変位量が低下して応
力集中による破壊を防止できる。また、本実施形態で
は、厚膜層81の表面に複数の凹部82を設けて表面積
を増加させたので、大気との接触面積が増加して放熱さ
れやすくなり、ヒートシンクとしての性能がさらに向上
する。
方向の一部除去した凹部82を設けるようにしたが、こ
れに限定されず、例えば、図10に示すように、厚膜層
81に厚さ方向に完全に除去した凹部82Aを設けるよ
うにしてもよい。
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
部320の圧力発生室12の長手方向端部から周壁上に
引き出される部分を、他の部分よりも幅の広い幅広部3
30としたが、これに限定されず、勿論、幅広部330
は設けなくてもよい。
ンク室形成板30をガラスセラミックス製としてもよ
く、さらには、薄肉膜41を別部材としてガラスセラミ
ックス製としてもよく、材料、構造等の変更は自由であ
る。
を流路形成基板10の端面に形成しているが、面に垂直
な方向に突出するノズル開口を形成してもよい。
を図11、その流路の断面を図12にぞれぞれ示す。こ
の実施形態では、ノズル開口11が圧電振動子とは反対
のノズル基板120に穿設され、これらノズル開口11
と圧力発生室12とを連通するノズル連通口22が、封
止板20,共通インク室形成板30及び薄肉板41A及
びインク室側板40Aを貫通するように配されている。
Aとインク室側板40Aとを別部材とし、インク室側板
40Aに開口40bを形成した以外は、基本的に上述し
た実施形態と同様であり、同一部材には同一符号を付し
て重複する説明は省略する。
み合わせて実施することにより、より一層の効果を奏す
るものであることは言うまでもない。
びリソグラフィプロセスを応用することにより製造でき
る薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、
勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積
層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシ
ートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を
形成するもの、又は水熱法等の結晶成長により圧電体膜
を形成するもの等、各種の構造のインクジェット式記録
ヘッドに本発明を採用することができる。
い限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図13
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿
ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図
示しない紙送りモータの駆動力により回転できるように
なっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記
録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられ
て搬送されるようになっている。
圧電体膜及び上電極膜の圧力発生室の端部を横切る部分
に、上電極膜が他の部分の膜厚よりも厚い厚膜部を設け
るようにした。これにより、圧力発生室の端部近傍での
剛性が増加して変位量が減少するため、応力集中による
破壊を防止することができる。また、この厚膜部を熱伝
導率の高い材料で形成することにより、圧電体能動部の
駆動による発熱に対するヒートシンクとして機能させる
ことができる。また、この厚膜部は複雑な形成プロセス
を必要とせず、容易に形成することができる。
録ヘッドの分解斜視図である。
録ヘッドを示す図であり、図1の平面図及び断面図であ
る。
図である。
図である。
録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図である。
録ヘッドの要部を示す平面図である。
録ヘッドの要部を示す平面図である。
録ヘッドの要部を示す断面図である。
記録ヘッドの変形例を示す断面図である。
式記録ヘッドの分解斜視図である。
式記録ヘッドを示す断面図である。
記録装置の概略図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室と、こ
の圧力発生室に対応する領域に設けられた下電極、該下
電極上に設けられた圧電体層及び該圧電体層の表面に設
けられた上電極からなり、前記圧力発生室に対向する領
域に実質的な駆動部となる圧電体能動部を有する圧電素
子とを備えるインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記圧電体能動部を構成する前記圧電体層及び前記上電
極が前記圧力発生室に対向する領域内から領域外まで延
設されており、該上電極は、前記圧力発生室の端部と周
壁との境界部分に対応する領域に、膜厚が他の部分より
も厚い厚膜部を有することを特徴とするインクジェット
式記録ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1において、前記厚膜部は、当該
厚膜部以外の上電極を形成する層と、この上に形成され
る異なる材料の厚膜部形成層とからなることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項3】 請求項2において、前記厚膜部形成層が
Au、Ag、Cu及びAlからなる群から選択される材
料からなることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記厚
膜部の表面は、パターニングされて表面積が広くなって
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項2〜4の何れかにおいて、前記厚
膜部形成層が凹凸形状を形成することを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッド。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記厚
膜部の膜厚が、該厚膜部以外の膜厚より5%〜20%だ
け厚くなっていることを特徴とするインクジェット式記
録ヘッド。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記厚
膜部が、前記境界部分から前記圧力発生室の内方に向か
って前記圧電体能動部の幅方向中央部に延設されている
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項8】 請求項7において、前記境界部分から前
記圧力発生室の内方に向かって前記圧電体能動部の幅方
向中央部に延設された前記厚膜部の幅が、前記圧力発生
室の端部から内方に向かって徐々に細くなっていること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、少なく
とも前記圧力発生室の端部とその周壁との境界を横切る
部分の前記圧電体層及び前記上電極が、他の部分よりも
広い幅を有することを特徴とするインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングに
より形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラ
フィ法により形成されたものであることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項11】 請求項1〜10の何れかのインクジェ
ット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジ
ェット式記録装置。
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---|---|---|---|
JP2926899A JP3611016B2 (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | インクジェット式記録ヘッド |
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JP2926899A JP3611016B2 (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | インクジェット式記録ヘッド |
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JP2926899A Expired - Fee Related JP3611016B2 (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | インクジェット式記録ヘッド |
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JP (1) | JP3611016B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004034293A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-02-05 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
JP2010208071A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置 |
JP2013169061A (ja) * | 2012-02-15 | 2013-08-29 | Seiko Epson Corp | 液滴噴射ヘッド |
-
1999
- 1999-02-05 JP JP2926899A patent/JP3611016B2/ja not_active Expired - Fee Related
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