JP2013169061A - 液滴噴射ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】クラックの発生を抑制することができる信頼性の高い液滴噴射ヘッドを提供すること。
【解決手段】本発明に係る液滴噴射ヘッドは、圧力発生室に対応して設けられた個別電極と、前記個別電極上に形成された圧電体層と、前記圧電体層上に形成され、複数の前記圧力発生室に亘って設けられた共通電極と、を含み、前記個別電極および前記共通電極に挟まれた前記圧電体層の能動部の長手方向外側において、前記圧電体層上に形成され、前記個別電極および前記共通電極と絶縁された導電性部材が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴噴射ヘッドに関する。
例えば、インクなどの液滴を噴射するためのインクジェットプリンターなどの液滴噴射装置として、圧電素子を備えた液滴噴射ヘッドが知られている。このような液滴噴射ヘッドは、例えば、駆動信号などによって圧電素子を変位させることにより、圧電素子の下方に形成された圧力発生室内の圧力を変化させることができ、ノズル孔から圧力発生室内に供給されたインクなどの液滴を噴射させることができる。
このような液滴噴射ヘッドにおいて、例えば、湿気などの外的要因に対して弱い圧電素子の圧電体層を保護する目的として、圧電体層を共通電極で覆った構造を有したものがある(特許文献1)。このような圧電素子は、圧電体層に個別電極と共通電極よって挟まれた能動部を有しているが、一般的に、その能動部は、平面視において特定の方向に延びた形状をなしている。
このような圧電素子では、能動部の長手方向の端部の変位量が大きくなりすぎる場合がある。その結果、圧電素子の圧電体層にクラックが生じて信頼性が低下する可能性がある。したがって、クラックの発生を抑制することができる信頼性の高い液滴噴射ヘッドが望まれている。
特開2005−88441号公報
本発明のいくつかの態様によれば、クラックの発生を抑制することができる信頼性の高い液滴噴射ヘッドを提供することができる。
(1)本発明の態様の1つである液滴噴射ヘッドは、
圧力発生室に対応して設けられた個別電極と、
前記個別電極上に形成された圧電体層と、
前記圧電体層上に形成され、複数の前記圧力発生室に亘って設けられた共通電極と、
を含み、
前記個別電極および前記共通電極に挟まれた前記圧電体層の能動部の長手方向外側において、前記圧電体層上に形成され、前記個別電極および前記共通電極と絶縁された導電性部材が設けられている。
本発明において、「上」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「A」という)の「上」に他の特定のもの(以下「B」という)を形成する」などと用いている。本発明において、この例のような場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上」という文言を用いている。同様に、「下」という文言は、A下に直接Bを形成するような場合と、A下に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとする。
本発明によれば、能動部の長手方向外側において、圧電体層上に形成され、個別電極および共通電極と絶縁された導電性部材が設けられている。能動部の長手方向外側は変位量が大きくなり過ぎるためにクラックが発生しやすいが、導電性部材が設けられることで、変位量を抑制することができる。故に、本発明によれば、クラックの発生を抑制することができる信頼性の高い液滴噴射ヘッドを提供することができる。
(2)本発明の態様の1つである液滴噴射ヘッドは、
前記導電性部材は、前記圧力発生室の端部の一部とオーバーラップするように設けられていてもよい。
(3)本発明の態様の1つである液滴噴射ヘッドは、
前記導電性部材は、前記共通電極と同じ材質で形成されていてもよい。
(4)本発明の態様の1つである液滴噴射ヘッドは、
前記個別電極に電気的に接続されたリード配線が、前記圧電体層上に設けられ、
前記導電性部材は、前記リード配線と同じ材質で形成されていてもよい。
(5)本発明の態様の1つである液滴噴射ヘッドは、
前記個別電極に電気的に接続されたリード配線が、前記圧電体層上に設けられ、
前記導電性部材は、前記共通電極と同じ材質で形成される第1の層と、前記リード配線と同じ材質で形成される第2の層を含んでいてもよい。
(6)本発明の態様の1つである液滴噴射ヘッドは、
前記導電性部材は、互いに隣り合う複数の部材からなっていてもよい。
本実施形態の液滴噴射ヘッドの要部を模式的に示す平面図および断面図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドの要部を模式的に示す断面図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドを模式的に示す分解斜視図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドの要部の第1変形例を模式的に示す平面図および断面図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドの要部の第2変形例を模式的に示す平面図および断面図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドの要部の第3変形例を模式的に示す平面図および断面図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドの要部の第4変形例を模式的に示す平面図および断面図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態の液滴噴射ヘッドの製造工程を模式的に示す断面図。 液滴噴射装置を模式的に示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。まず、本実施形態に係る液滴噴射ヘッド600の構成の一例を説明した後、本実施形態に係る液滴噴射ヘッド600の要部である圧電素子100を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.液滴噴射ヘッド
[液滴噴射ヘッドの構成]
液滴噴射ヘッド600の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1(A)は、本実施形態の液滴噴射ヘッド600の要部である圧電素子100を模式的に示す平面図、図1(B)は、図1(A)に示すIB−IB線の断面図である。図2は、本実施形態の液滴噴射ヘッドの要部を模式的に示す断面図である。図3は、本実施形態に係る液滴噴射ヘッド600の分解斜視図であり、通常使用される状態とは上下を逆に示したものである。なお、図3では、圧電素子100を簡略化して図示している。
液滴噴射ヘッド600は、図1〜図3に示すように、ノズル孔612を有するノズル板610と、圧力発生室622を形成するための流路形成板620と、圧電素子100と、を含む。圧電素子100の数は特に限定されず、複数形成されていてよい。さらに、液滴噴射ヘッド600は、図3に示すように、筐体630を有することができる。
ノズル板610は、図1〜図3に示すように、ノズル孔612を有する。ノズル孔612からは、インクなどの液体等(液体のみならず、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したもの、又は、メタルフレーク等を含むものなどを含む。以下同じ。)を液滴として吐出されることができる。ノズル板610には、例えば、多数のノズル孔612が一列に設けられている。ノズル板610の材質としては、例えば、シリコン、ステンレス鋼(SUS)などを挙げることができる。
流路形成板620は、ノズル板610上(図3の例では下)に設けられている。流路形成板620の材質としては、例えば、シリコンなどを例示することができる。流路形成板620がノズル板610と基板1との間の空間を区画することにより、図3に示すように、リザーバー(液体貯留部)624と、リザーバー624と連通する供給口626と、供給口626と連通する圧力発生室622と、が設けられている(図1(A)では破線で示される部分)。この例では、リザーバー624と、供給口626と、圧力発生室622とを区別して説明するが、これらはいずれも液体等の流路であって、このような流路はどのように設計されても構わない。また例えば、供給口626は、図示の例では流路の一部が狭窄された形状を有しているが、設計にしたがって任意に形成することができ、必ずしも必須の構成ではない。リザーバー624、供給口626および圧力発生室622は、ノズル板610と流路形成板620と基板1とによって区画されている。リザーバー624は、外部(例えばインクカートリッジ)から、基板1に設けられた貫通孔628を通じて供給されるインクを一時貯留することができる。リザーバー624内のインクは、供給口626を介して、圧力発生室622に供給されることができる。圧力発生室622は、基板1の変形により容積が変化する。圧力発生室622はノズル孔612と連通しており、圧力発生室622の容積が変化することによって、ノズル孔612から液体等が吐出される。ここで、図1(A)および図1(B)に示すように、圧力発生室622の端部(側面)を端部623とする。
圧電素子100は、流路形成板620上(図3の例では下)に設けられている。圧電素子100は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。振動板(基板1)は、積層構造(圧電体層20)の動作によって変形し、圧力発生室622の内部圧力を適宜変化させることができる。
筐体630は、図3に示すように、ノズル板610、流路形成板620および圧電素子100を収納することができる。筐体630の材質としては、例えば、樹脂、金属などを挙げることができる。
なお、ここでは、液滴噴射ヘッド600がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本発明の液滴噴射ヘッドは、例えば、液晶ディスプレイなどのカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)などの電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
[圧電素子の構成]
以下において、液滴噴射ヘッド600に含まれる圧電素子100の構成を説明する
図1(A)に示すように、圧電素子100は、個別電極10と、個別電極10上に形成された圧電体層20と、圧電体層20上に形成された共通電極30と、を含む。
図1(A)および図1(B)に示すように、圧電素子100は基板1上に形成される。圧電素子100は、平面視において特定の方向に延びた能動部25(個別電極10および共通電極30に挟まれた圧電体層20)を有していてもよい。
ここで、能動部25の平面視における長手方向を第1の方向110とし、第1の方向と交差する方向を第2の方向120(短手方向)とする。
本発明において、「平面視」という文言は、「基板1の圧電素子100が形成される面の法線方向から見た平面視」を意味する文言として用いる。以下同様である。
図2は、能動部25(中央部分)における第2の方向120の断面図に相当する。図2に示すように、第2の方向120に沿って、複数の圧電素子100が並設されていてもよい。複数の圧電素子100は、圧力発生室622にそれぞれ対応して設けられていてもよい。
圧電素子100が形成される基板1は、例えば、導電体、半導体、絶縁体で形成された平板とすることができる。基板1は、単層であっても、複数の層が積層された構造であってもよい。また、基板1は、上面が平面的な形状であれば内部の構造は限定されず、例えば、内部に空間等が形成された構造であってもよい。
液滴噴射ヘッド600において、基板1は振動板であって、圧電素子100が動作したときに機械的な出力を行う部材となる。基板1は、圧電素子100を含む圧電アクチュエーターの可動部分となることができ、圧力発生室622などの壁の一部を構成していてもよい。基板1の厚みは、後述される圧力発生室622の寸法や駆動周波数、用いる材質の弾性率などにしたがって最適に選ばれる。基板1の厚みは、例えば、200nm以上3000nm以下であってもよい。基板1の厚みが200nmよりも薄いと、振動等の機械的出力を取り出しにくくなることがあり、3000nmよりも厚いと、振動等が生じなくなる場合がある。基板1は、圧電体層20の動作により、撓んだり、振動したりすることができる。
基板1の材質には、剛性および機械的強度の高い材料を含むことが望ましい。基板1の材質としては、例えば、酸化ジルコニウム、窒化シリコン、酸化シリコンなどの無機酸化物、ステンレス鋼などの合金を用いることができる。これらのうち、基板1の材質としては、化学的安定性および剛性の点で、酸化シリコンおよび酸化ジルコニウムが好適である。基板1は、例示した物質の2種以上の積層構造であってもよい。
個別電極10は、図1(A)〜図2に示すように、基板1上で、圧力発生室622に対応して設けられる。個別電極10の形状は、後述される共通電極30とオーバーラップし、圧力発生室622の上方において能動部25を形成できる限り、特に限定されない。図1(A)に示すように、第1の方向110に延びるように形成されていてもよい。
ここで、平面視における形状が「第1の方向110に延びている」とは、第1の方向の幅が、直交する第2の方向120における幅よりも大きいことを意味する。
また「個別電極」とは、複数の圧電素子間において、それぞれの個別電極10が互いに電気的に絶縁されており、駆動電圧が個別に印加される電極であることを意味する。図示はされないが、個別電極10は、それぞれ駆動回路(図示せず)電気的に接続される。
個別電極10の構造および材料は、導電性を有する限り特に限定されない。個別電極10の材料には、例えば、Ni、Ir、Au、Pt、W、Ti、Pd、Ag、Ta、Mo、Crなどの各種の金属およびこれらの金属の合金、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、SrとRuの複合酸化物、LaとNiの複合酸化物などを用いることができる。また、個別電極10は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。個別電極10の厚みは、特に限定されないが、例えば、20nm以上400nm以下とすることができる。
また、図示はされないが、個別電極10は、Ti、Ti−W合金などを含むバリア層を含んでいてもよい。バリア層は、個別電極10と基板1(振動板)との境界面に設けてもよいし、個別電極10と圧電体層20との境界面に設けてもよい。
また、図示はされないが、個別電極10は、基板1(振動板)との間に、密着強度を上げるための層(密着層)を含んでいてもよい。密着層はチタンやチタニア(TiO)やジルコニア、ジルコニウムなどで形成されていてもよい。
圧電体層20は、図1(B)に示すように、個別電極10上に形成される。図2に示すように、圧電体層20は、基板1上においても形成される。圧電体層20の形状は、圧力発生室622の上方において、個別電極10を覆う(被覆する)ように形成される限り特に限定されない。図1および図2に示すように、圧電体層20は一体的に形成されたプレート状の部材であって、隣り合う圧電素子100同士(各セグメント)を離間させるための開口部22が形成されていてもよい。ここで、図2に示すように、圧電体層20の側面が開口部22の一部を構成していてもよい。
図2に示すように、圧電体層20の基板1と接する面を下面と称した場合、圧電体層20は上面21と側面22を有していると称することができる。
圧電体層20は、圧電特性を有した多結晶体からなり、圧電素子100において電圧を印加されることにより振動することができる。圧電体層20の構造は、圧電特性を有していればよく、特に限定されない。圧電体層20の材質としては、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。このような材質の具体的な例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O)、チタン酸バリウム(BaTiO)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)NbO)、または上記化合物に少量(たとえば数mol%以下)の元素を添加した化合物などが挙げられる。圧電体層20の厚みは、特に限定されないが、例えば、300nm以上、5000nm以下とすることができる。
また、図1(B)に示すように、圧電体層20には、個別電極10の一部が露出するコンタクトホール26が形成されてもよい。コンタクトホール26の位置は、圧力発生室622が下方に設けられていない個別電極10の上であって、かつ、後述される共通電極30が設けられる領域および露出領域28から離間している限り、特に限定されない。コンタクトホール26の形状は、個別電極10を露出させることができればよく、特に限定されない。
圧電体層20は、図1(B)に示されるように、圧力発生室622の上方に形成された第1の部分20aを含む。また、圧電体層20は、第1の部分20aを囲み、圧力発生室622の壁部等を構成する流路形成基板620の上方に形成された第2の部分20bを含む。
また、圧電体層20の第1の部分20aは、個別電極10と後述される共通電極30に挟まれた部分である能動部25が形成される。能動部25に電界が印加されて圧電体層20自体が変形することで(逆圧電効果)、基板1が撓んだり、振動したりすることができる。図1(A)に示すように、能動部25は平面視において第1の方向110に延びた形状(グレースケールで図示された部分)を有する。また、図1(B)に示すように、能動部25と非能動部と間には境界面25aが形成される。
共通電極30は、図1〜図2に示すように、圧電体層20上に形成され、複数の圧力発生室622に亘って設けられる。これにより、圧力発生室622上方の圧電体層20において、個別電極10と共通電極30に挟まれた能動部25が形成される。共通電極30の形状は、圧力発生室622上方の圧電体層20において能動部25を形成できる限り、特に限定されない。
ここで「共通電極」とは、複数の圧電素子間を連続するように設けられた導電層からなる電極であって、同じ駆動電圧が共通して印加されたり、共通の接地電極となったりすることができる電極であることを意味する。図示はされないが、共通電極30は、駆動回路(図示せず)電気的に接続される。
図1(A)および図1(B)に示すように、共通電極30は、圧電体層20の第1の部分20aの上方で、第1の方向110における端部31、32を含む。図1(B)に示すように、端部31、32により、能動部25の境界面25aが規定される。
また、共通電極30は、図1(A)および図1(B)に示すように、能動部25の第1の方向110(長手方向)外側において、圧電体層20の上面21が露出した露出領域28を形成するようにパターニングされる。共通電極30のパターニングは、端部31が開口部を構成する端部の一部となるように行われてもよい。また、端部32が、櫛歯状(または凹状)端部の一部となるように行われてもよい。これにより、第1の方向(長手方向)110において、能動部25を覆う共通電極30の端部31、32と隣り合う露出領域28が形成される。
共通電極30の構造および材料は、導電性を有する限り特に限定されない。共通電極30の材料には、例えば、Ni、Ir、Au、Pt、W、Ti、Pd、Ag、Ta、Mo、Crなどの各種の金属およびこれらの金属の合金、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、SrとRuの複合酸化物、LaとNiの複合酸化物などを用いることができる。また、共通電極30は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。共通電極30の厚みは、特に限定されないが、例えば、10nm以上400nm以下とすることができる。
また、図示はされないが、共通電極30は、複数の圧電素子100が設けられる領域外へ延びるように形成され、能動部25に電界を印加するためのリード配線の一部を構成していてもよい。
リード配線40(図1(A)において左斜め斜線で示される部分)は、共通電極30上に形成されていてもよい。したがって、リード配線40は、上部電極である共通電極30用の引き出し配線である。リード配線40は図示されない駆動回路と電気的に接続される。これにより、共通電極30と駆動回路が電気的に接続される。ただし、リード配線40が形成されない場合、上述のように、共通電極30自体がリード配線として延び、駆動回路と電気的に接続することができる。
リード配線40は、少なくとも能動部25を覆う共通電極30の中央部分(第1の方向110において両端部31、32に挟まれた部分)および圧電体層20の露出領域28を避けてパターニングされる。例えば、リード配線40は、能動部25上の共通電極30の第1の方向110における両端部31、32をそれぞれ覆うように設けられていてもよい。このようにリード配線40を配置することで、リード配線40が重石として物理的に作用し、圧電素子100の長手方向における過剰な変位を抑制することができるため、圧電体層20でのクラックの発生を抑制することができる。
また、図示はされないが、リード配線40は、複数の圧電素子100が設けられる領域外へ延びるように形成され、能動部25に電界を印加するためのリード配線の一部を構成することができる。リード配線40は、共通電極30と積層されて全体としてリード配線を構成してもよいし、リード配線40単層でリード配線を構成してもよい。
リード配線40の材料は、導電性を有する限り、特に限定されない。好適には、共通電極30よりも導電性が高い材料を用いることができる。例えば、リード配線40は、Auを含んでいてもよい。また、リード配線40は、さらに銅(Cu)やNi、Ni−Cr合金、パラジウム(Pb)などを含んでいてもよい。リード配線40に高導電性材料(共通電極30と比較した場合に高い導電性を有する材料)を用いることで、共通電極30には、圧電体層20との密着性や生産コスト等を考慮した材質を選択しつつ、駆動回路と圧電素子100間のリード配線自体の抵抗による電圧降下を抑制することができる。したがって、より多くの圧電素子セグメントを高集積する必要がある場合であっても、複数のセグメント間において設定電圧値と、実際に印加される電圧値との差を小さくすることができ、吐出される液滴の体積をより所望の体積とすることができる。
また、図1(B)に示されるように、リード配線40とは別に、個別電極10に電気的に接続されたリード配線41が、圧電体層20上に設けられる。図1(A)および図1(B)に示すように、リード配線41は、コンタクトホール26において、個別電極10と直接的または間接的に接続される。したがって、リード配線41は、下部電極である個別電極10用の引き出し配線である。リード配線41は図示されない駆動回路と電気的に接続される。これにより、個別電極10と駆動回路が電気的に接続される。
リード配線41の材料は、導電性を有する限り、特に限定されない。好適には、共通電極30よりも導電性が高い材料を用いることができる。また、リード配線41は、リード配線40と同じ材質からなり、製造時にリード配線40と一体的に形成されてもよい。
図1(A)には図示されないが、図1(B)に示すように、個別電極10とリード配線41の間に導電層36が設けられていてもよい。導電層36は、共通電極30をパターニングする際に、一体的に形成される導電層であって、露出した個別電極10表面に対するエッチング等のプロセス上のダメージを防ぐことができる。
図1(A)および図1(B)に示すように、導電性部材50が、能動部25の長手方向外側の露出領域28の圧電体層20上に形成される。導電性部材50は、共通電極30およびリード配線41と絶縁性が保てる程度に離間して設けられる。例えば、導電性部材50と共通電極30やリード配線41のピッチ幅は、5μm以上であれば、絶縁性を確保することができる。これにより、導電性部材50は、個別電極10および共通電極30と絶縁された部材であることができる。
能動部25(境界面25a付近)の長手方向外側の圧電体層20は、電界が印加されて能動的に変形する能動部25aと、電界が印加されず能動的には変形しない非能動部との境界領域であるために、応力が集中しクラックが発生しやすい領域である。このような領域に、電極としては機能せず、物理的な重石効果によって圧電体層20の変位を抑制することができる導電性部材50を設けることで、クラックの発生を効果的に抑制することができる。
また、導電性部材50は、図1(A)および図1(B)に示されるように、平面視において、圧力発生室622の端部623の一部とオーバーラップするように設けられる。圧力発生室622の端部623上方の圧電体層20は、応力が集中しやすい部分であるため、このように導電性部材50を配置することで、効果的にクラックの発生を抑制することができる。
導電性部材50の平面形状や、大きさは特に限定されないが、例えば、図1(A)に示すように、平面形状が矩形であってもよい。また、図示はされないが、角部を有さない平面形状であってもよい。
導電性部材50の材質は、共通電極30と同じ材質であってもよい。言い換えれば、導電性部材50は、共通電極30と一体的に製造される部材であってもよい。これによれば、途新たな部材の成膜・パターニング工程を設ける必要がないため、簡便な製造方法で製造することができる。
なお、圧電素子100の導電性部材50の形態は、上記において説明したものに限られない。以下において、液滴噴射装置600の変形例について、図面を参照しながら説明する。なお、既に説明した部材と同様の構成の部材は、同じ符号を付して、その説明を省略する。
[第1変形例]
図4(A)は、第1変形例に係る圧電素子101の要部を模式的に説明する平面図であり、図4(B)は、図4(A)のIVB−IVB線断面図である。
第1変形例においては、図4(A)および図4(B)に示すように、導電性部材51は、互いに隣り合う複数の部材(51a、51b)から形成される。例えば、図4(A)に示すように、導電性部材51は、互いに第1の方向110における幅が異なる複数の部材を含んでいてもよい。最も第1の方向110における幅が大きい部材(最も面積が大きい部材)を第1の部材51aとしたとき、第1の部材51aよりも第1の方向110における幅が小さい部材を第2の部材51bとする。図示はされないが、第2の部材51bよりも第1の方向110における幅が小さい部材を第3の部材が形成されていてもよい。
複数の部材からなる導電性部材51の平面形状や配置は、応力集中を考慮して適宜決定することができる。図4(B)に示すように、圧電体層20には、(i)電界印加により能動的に変形する部分(能動部25)、(ii)下面は固定されていないが、能動的には変形しない部分(能動部25を除く第1の部分20a)、(iii)下面が固定され、能動的には変形しない部分(第2の部分20b)の3つの領域が存在している。さらに、駆動電圧等の製品の使用条件や、構成する部材の剛性等の条件によって、応力が集中するために変位を抑制すべき領域と、一定の変位量を確保するために、変位を適度に抑制すべき領域に個体差が生じる。
したがって、導電性部材51が互いに隣り合う複数の部材(51a、51b)から形成される第1変形例では、端部623とオーバーラップし、第1の部分20aと第2の部分20bの境界にあるために、応力が集中しやすい圧電体層20上に第1の部材51aを配置し、その他の変位を適度に抑制すべき領域に第2の部材51bを配置してもよい。これによれば、クラックの発生を抑制しつつ、圧電素子の一定の変位量を確保することができる。
また、前述のように、複数の部材からなる導電性部材51の形状および配置は、応力集中を考慮して適宜決定することができる。図4(A)においては、第2の方向120に延びた形状を有する複数の部材51a、51bを例示したが、その他の方向に延びる形状を備えた部材を応力緩和のために適宜配置してもよい(図示せず)。
[第2変形例]
図5(A)は、第2変形例に係る圧電素子102の要部を模式的に説明する平面図であり、図5(B)は、図5(A)のVB−VB線断面図である。
第2変形例においては、図5(A)および図5(B)に示すように、導電性部材52は、リード配線41(リード配線40)と同じ材質で形成される。したがって、導電性部材50は、共通電極30よりも導電性が高い部材(例えばAu等)から形成される。
また、導電性部材52の膜厚Hは、共通電極30の膜厚Hよりも厚く形成される。共通電極30の膜厚Hが、例えば5nm以上、200nm以下である場合、導電性部材52の膜厚Hを500μm以上、2000μm以下とすることができる。
共通電極30は能動部25の上面を覆う部材であり、その膜厚(剛性)は圧電素子の変位量に影響を有する。したがって、有用な変位量を確保するためには、共通電極30の膜厚は制限される。また、共通電極30の材質としては、イリジウムなどの材質が選択されるため、成膜のプロセス条件から更なる膜厚化を図るには技術的な困難性が伴う。
しかしながら、導電性部材52をリード配線41と同じ材質で一体的に成膜する場合、膜厚における制限がない。加えて、リード配線41の材質としては、金などの材質が選択されるため、プロセス条件からミクロン単位での成膜が可能となり、簡便に膜厚化を図ることができる。
したがって、導電性部材52がリード配線41と同じ材質で形成される第2変形例では、導電性部材52を上述された導電性部材50、51よりも厚い膜厚で形成することができ、より高い重石効果を発揮することがでる。したがって、より効果的にクラックの発生を抑制することができる。
また、リード配線40、41のさらなる膜厚化を図ることができるため、リード配線自体の全体としての電気抵抗を低下させることができ、電圧降下を抑制することができる。
[第3変形例]
図6(A)は、第3変形例に係る圧電素子103の要部を模式的に説明する平面図であり、図6(B)は、図6(A)のVIB−VIB線断面図である。
第3変形例においては、図6(A)および図6(B)に示すように、導電性部材53は、第2変形例と同様に、リード配線41と同じ材質で形成される。また、導電性部材53は、第1変形例と同様に、導電性部材53は、互いに隣り合う複数の部材(53a、53b)から形成される。つまりは、第3変形例は第1変形例と第2変形例を組み合わせた形態を有する。具体的には、第1の部材53aや第2の部材53bは、第1の部材51aや第2の部材51bと同様に、応力集中の分布を考慮して適宜配置されるが、その膜厚は共通電極30の膜厚よりも厚い。
したがって、第3変形例によれば、応力歪が局所的に大きくなる場合において、局所的にクラックの発生を抑制しつつ、圧電素子の一定の変位量を確保することができる。
[第4変形例]
図7(A)は、第4変形例に係る圧電素子104の要部を模式的に説明する平面図であり、図7(B)は、図7(A)のVIIB−VIIB線断面図である。
第4変形例においては、図7(A)および図7(B)に示すように、導電性部材54は、共通電極30と同じ材質からなる第1の層54aと、リード配線41(リード配線40)と同じ材質からなる第2の層54bの積層体を含む。したがって、第4変形例は、圧電素子100と同様の特徴を備え、かつ導電性部材54を導電性部材50よりも膜厚化することができるため、より効果的にクラックの発生を抑制することができる。
また、図示はされないが、第4変形例に、第1変形例の形態を適用してもよい。具体的には、導電性部材54は、互いに隣り合う複数の部材(54a、54b、図示せず)から形成されていてもよい。
本実施形態に係る液滴噴射ヘッド600は、上記いずれかの圧電素子100〜104を備える。したがって、クラックの発生を抑制することができる信頼性の高い液滴噴射ヘッド600を提供することができる。
2.液滴噴射ヘッドの製造方法
次に、本実施形態に係る液滴噴射ヘッド600の製造方法について説明する。図8(A)〜図10は、本実施形態の液滴噴射ヘッド600の製造工程を模式的に示す断面図(例えば、図1のIB−IB線に対応する断面図)である。ただし、液滴噴射ヘッド600の製造方法は、公知の成膜・パターニング技術を適用することができ、以下の説明に限定さるものではない。
まず、図8(A)に示すように、基板1を準備する。圧電素子100を含む液滴噴射ヘッド600を製造する場合、基板1として、流路形成板620の上に形成された振動板を準備する。ここで準備される流路形成板620は、圧力発生室622などの流路が形成されていてもよいし、されていなくてもよい。本実施形態においては、圧力発生室622などの流路が形成されていない流路形成板620であって、圧力発生室622となる領域622aを有するものを準備する。なお、基板1の詳細は上述されているため省略する。
次に、図8(A)に示すように、基板1(振動板)の上に個別電極10を形成する。個別電極10の形成方法は特に限定されず、公知の成膜方法を用いることができる。例えば、CVD法やPVD法などの蒸着法、めっき法、スパッタ法、MOD法、スピンコート法などにより導電膜を形成し、該導電膜を公知のパターニング方法によって、所望の形状を有した個別電極10を形成することができる。なお、個別電極10の詳細は上述されているため省略する。
上記の公知の成膜方法は、以下の導電層性の各部材の形成方法においても適用することができる。また、本実施形態における圧電素子の製造方法において用いられる公知のパターニング方法としては、所望の形状に合わせて適宜レジスト層を形成した後、公知のフォトリソグラフィー技術および/またはエッチング技術によって行われることができる。エッチング技術を用いる場合、適宜、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。
ここで、図示はされないが、個別電極10の上や、基板1(振動板)の上に、窒化チタン膜などの酸化防止膜や、チタン膜、ランタンニッケル酸化物膜などの圧電体層の配向を制御する配向制御膜を形成してもよい。また、個別電極10と基板1(振動板)との間にチタンやクロムなどなどの密着層を含んでいてもよい。
次に、図8(A)に示すように、個別電極10の上に圧電体層20を形成する。圧電体層20の形成方法は特に限定されず、公知の形成方法を用いることができる。例えば、ゾルゲル法などによって圧電材料膜を形成する。圧電材料膜は、スピンコート法、CVD法、MOD法、スパッタ法、レーザーアブレーション法などにより形成されてもよい。次に、圧電材料膜を、圧電材料の結晶化を目的として熱処理する。これによって結晶化した圧電体からなる圧電体膜を形成することができる。熱処理の条件は、用いられた圧電材料膜を結晶化できる温度であれば、特に限定されない。熱処理は、例えば、酸素雰囲気中において、500度以上、800度以下で行われてもよい。なお、圧電体層20の詳細は上述されているため省略する。
次に、圧電体膜を所望の形状にパターニングして、圧電体層20を形成することができる。パターニングする際、開口部22やコンタクトホール26を形成する(図2、図8(A)参照)。
次に、図8(A)に示すように、圧電体層20の上に、導電層60を形成する。ここで、導電層60の材質は、イリジウムが主成分であってもよい。導電層60をパターニングし、共通電極30と導電性部材50を形成してもよい。これによれば、同じ材質からなる共通電極30と導電性部材50を同一プロセスで一体的に形成することができる。
ここで、図8(A)に示すように、コンタクトホール26内の導電層60を残すようにパターニングし、導電層36を形成してもよい。これによれば、エッチングを行う場合、コンタクトホール26内で露出する個別電極10の表面をエッチングダメージから防ぐことができる。
次に、図8(B)に示すように、導電層70を成膜し、所望の形状にパターニングを行って、リード配線40、41を形成してもよい。導電層70の材質は、導電層60よりも導電性が高い材質が好適には選択され、例えば、金が主成分であってもよい。
以上から圧電素子100を製造することができる。ここで、図示はされないが、導電層60と導電層70を連続して成膜した後、所望の形状となるようにパターニングを行ってもよい。
また、第1変形例における圧電素子101を製造する場合、導電層60をパターニングする際、図4(A)に示される形態となるようにパターニングすることで圧電素子101を製造することができる。また、第4変形例における圧電素子104を製造する場合、圧電体層20の上に導電層60を成膜し、パターニングする際、導電層60と導電層70を連続して成膜して、第1の層54aと第2の層54bを形成することができる。
次に、第2変形例における圧電素子102の製造方法を、図面を参照して説明する。図9(A)に示すように、個別電極10、圧電体層20を上述された方法と同様の方法で形成する。しかしながら、導電層60をパターニングする際、露出領域28には導電層は形成せず、共通電極30のみを形成する。
次に、図9(B)に示すように、導電層70を、導電層60の膜厚よりも厚い膜厚(H)を有するように成膜する。この導電層70をパターニングすることで、リード配線40、41と同時に、導電性部材52を形成する。これによれば、同じ材質からなるリード配線41(リード配線40)と導電性部材52を同一プロセスで一体的に形成することができる。
また、第3変形例における圧電素子103を製造する場合、導電層70をパターニングする際、図6(A)に示される形態となるようにパターニングすることで圧電素子103を製造することができる。
次に、圧電素子100(102、103、104)を含む液滴噴射ヘッド600を製造する場合、図10に示すように、圧電素子100(102、103、104)の下方の流路形成板620に圧力発生室622などの流路を形成し、ノズル板610を設ける。また、図10に示すように、圧電素子100(102、103、104)を封止するように封止板を含む筐体630などを設ける。図示はされないが、封止板を設けた後に、流路形成板620などを加工してもよい。
3.液滴噴射装置
次に、本実施形態に係る液滴噴射装置について、図面を参照しながら説明する。液滴噴射装置は、上述の液滴噴射ヘッドを有する。以下では、液滴噴射装置が上述の液滴噴射ヘッド600を有するインクジェットプリンターである場合について説明する。図11は、本実施形態に係る液滴噴射装置700を模式的に示す斜視図である。
液滴噴射装置700は、図11に示すように、ヘッドユニット730と、駆動部710と、制御部760と、を含む。さらに、液滴噴射装置700は、装置本体720と、給紙部750と、記録用紙Pを設置するトレイ721と、記録用紙Pを排出する排出口722と、装置本体720の上面に配置された操作パネル770と、を含むことができる。
ヘッドユニット730は、上述した液滴噴射ヘッド600から構成されるインクジェット式記録ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)を有する。ヘッドユニット730は、さらに、ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ731と、ヘッドおよびインクカートリッジ731を搭載した運搬部(キャリッジ)732と、を備える。
駆動部710は、ヘッドユニット730を往復動させることができる。駆動部710は、ヘッドユニット730の駆動源となるキャリッジモーター741と、キャリッジモーター741の回転を受けて、ヘッドユニット730を往復動させる往復動機構742と、を有する。
往復動機構742は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸744と、キャリッジガイド軸744と平行に延在するタイミングベルト743と、を備える。キャリッジガイド軸744は、キャリッジ732が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ732を支持している。さらに、キャリッジ732は、タイミングベルト743の一部に固定されている。キャリッジモーター741の作動により、タイミングベルト743を走行させると、キャリッジガイド軸744に導かれて、ヘッドユニット730が往復動する。この往復動の際に、ヘッドから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
なお、本実施形態では、液滴噴射ヘッド600および記録用紙Pがいずれも移動しながら印刷が行われる例を示しているが、本発明の液滴噴射装置は、液滴噴射ヘッド600および記録用紙Pが互いに相対的に位置を変えて記録用紙Pに印刷される機構であってもよい。また、本実施形態では、記録用紙Pに印刷が行われる例を示しているが、本発明の液滴噴射装置によって印刷を施すことができる記録媒体としては、紙に限定されず、布、フィルム、金属など、広範な媒体を挙げることができ、適宜構成を変更することができる。
制御部760は、ヘッドユニット730、駆動部710および給紙部750を制御することができる。
給紙部750は、記録用紙Pをトレイ721からヘッドユニット730側へ送り込むことができる。給紙部750は、その駆動源となる給紙モーター751と、給紙モーター751の作動により回転する給紙ローラー752と、を備える。給紙ローラー752は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラー752aおよび駆動ローラー752bを備える。駆動ローラー752bは、給紙モーター751に連結されている。制御部760によって供紙部750が駆動されると、記録用紙Pは、ヘッドユニット730の下方を通過するように送られる。
ヘッドユニット730、駆動部710、制御部760および給紙部750は、装置本体720の内部に設けられている。
液滴噴射装置700は、本実施形態に係る液滴噴射ヘッド600を含んでいる。したがって、信頼性の向上した液滴噴射装置を実現できる。
なお、上記例示した液滴噴射装置は、1つの液滴噴射ヘッドを有し、この液滴噴射ヘッドによって、記録媒体に印刷を行うことができるものであるが、複数の液滴噴射ヘッドを有してもよい。液滴噴射装置が複数の液滴噴射ヘッドを有する場合には、複数の液滴噴射ヘッドは、それぞれ独立して上述のように動作されてもよいし、複数の液滴噴射ヘッドが互いに連結されて、1つの集合したヘッドとなっていてもよい。このような集合となったヘッドとしては、例えば、複数のヘッドのそれぞれのノズル孔が全体として均一な間隔を有するような、ライン型のヘッドを挙げることができる。
以上、本発明に係る液滴噴射装置の一例として、インクジェットプリンターとしてのインクジェット記録装置700を説明したが、本発明に係る液滴噴射装置は、工業的にも利用することができる。この場合に吐出される液体など(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したものなどを用いることができる。本発明の液滴噴射装置は、例示したプリンターなどの画像記録装置以外にも、液晶ディスプレイなどのカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)、電気泳動ディスプレイなどの電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料噴射装置としても好適に用いられることができる。
なお、上述した実施形態および各種の変形は、それぞれ一例であって、本発明は、これらに限定されるわけではない。例えば実施形態および各変形は、複数を適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 基板(振動板)、10 個別電極、20 圧電体層、21 上面、22 側面、
25 能動部、26 コンタクトホール、28 露出領域、30 共通電極、
31、32 端部、36 導電層、40 リード配線、41 リード配線、
50、51、52、53、54 導電性部材、60 導電層、70 導電層、
100、101、102、103、104 圧電素子、110 第1の方向、
120 第2の方向、600 液滴噴射ヘッド、610 ノズル板、612 ノズル孔、
620 流路形成基板、622 圧力発生室、624 リザーバー、626 供給口、
628 貫通孔、630 筐体、700 液滴噴射装置、710 駆動部、
720 装置本体、721 トレイ、722 排出口、730 ヘッドユニット、
731 インクカートリッジ、732 キャリッジ、741 キャリッジモーター、
742 往復動機構、743 タイミングベルト、744 キャリッジガイド軸、
750 給紙部、751 給紙モーター、752 給紙ローラー、
752a 従動ローラー、752b 駆動ローラー、760 制御部、
770 操作パネル

Claims (6)

  1. 圧力発生室に対応して設けられた個別電極と、
    前記個別電極上に形成された圧電体層と、
    前記圧電体層上に形成され、複数の前記圧力発生室に亘って設けられた共通電極と、
    を含み、
    前記個別電極および前記共通電極に挟まれた前記圧電体層の能動部の長手方向外側において、前記圧電体層上に形成され、前記個別電極および前記共通電極と絶縁された導電性部材が設けられている、液滴噴射ヘッド。
  2. 請求項1において、
    前記導電性部材は、前記圧力発生室の端部の一部とオーバーラップするように設けられる、液滴噴射ヘッド。
  3. 請求項1または2において、
    前記導電性部材は、前記共通電極と同じ材質で形成される、液滴噴射ヘッド。
  4. 請求項1または2において、
    前記個別電極に電気的に接続されたリード配線が、前記圧電体層上に設けられ、
    前記導電性部材は、前記リード配線と同じ材質で形成される、液滴噴射ヘッド。
  5. 請求項1または2において、
    前記個別電極に電気的に接続されたリード配線が、前記圧電体層上に設けられ、
    前記導電性部材は、前記共通電極と同じ材質で形成される第1の層と、前記リード配線と同じ材質で形成される第2の層を含む、液滴噴射ヘッド。
  6. 請求項1から5のいずれか1項において、
    前記導電性部材は、互いに隣り合う複数の部材からなる、液滴噴射ヘッド。
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