JP5874799B2 - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置および圧電素子 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射装置および圧電素子 Download PDF

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Description

本発明は、液体噴射ヘッド、液体噴射装置および圧電素子に関する。
液体噴射ヘッドは、液体噴射装置の構成として、例えば、インクジェットプリンター等に用いられる。この場合、液体噴射ヘッドは、インクの小滴を吐出して飛翔させるために用いられ、これによりインクジェットプリンターは、当該インクを紙等の媒体に付着させて印刷を行うことができる。
液体噴射ヘッドは、一般に、ノズルから液体を吐出するために液体に圧力を加えるアクチュエーターを有している。アクチュエーターとしては、電気機械変換機能を呈する圧電材料、例えば、結晶化した圧電性セラミックス等からなる圧電体層を、2つの電極で挟んだ構成を有するものがある。圧電体層は、2つの電極によって電圧が印加されることによって変形することができ、この変形を利用してアクチュエーターを、例えば、撓み振動モードで動作させることができる。
このようなアクチュエーターにおいて、圧電素子の圧電体層が複数形成され、圧電体を覆う電極(以下、「上部電極」とも言う)が、複数の圧電素子を連続して覆うように形成される共通上部電極構造が知られている(特許文献1)。
特開2009−172878号公報
圧電体層が下部電極および上部電極に挟まれた構造の圧電素子の場合、圧電体層は、2つの電極に挟まれた能動領域と電極に挟まれていない非能動領域が形成される場合があった。この場合、圧電体層が変位するとき、能動領域の歪みが非能動領域によって押さえ込まれる結果、能動領域と非能動領域の境界付近に応力の集中が生じる。
一方、液体噴射装置の液体の噴射量を大きくする等の理由から、圧電体層の変位量は、より大きくすることが求められている。変位量を大きくすると、能動領域と非能動領域の境界付近には、より大きな応力が集中し、例えば、圧電体層にクラックが生じてしまうことがあった。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、クラックが生じにくい圧電体層を有する信頼性の良好な液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、クラックの生じにくい圧電体層を含む信頼性の良好な圧電素子を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明にかかる液体噴射ヘッドの一態様は、
第1電極と、
前記第1電極を覆って形成された圧電体層と、
前記圧電体層の上に形成された第2電極と、
前記第2電極の上に形成され、タングステンまたはチタンからなる被覆層と、
を有する圧電素子を備え、
前記第1電極および前記第2電極は、平面視において、互いに重複する長方形の重複領域を形成し、
前記第1電極は、前記重複領域の長辺を規定し、
前記第2電極は、前記重複領域の短辺を規定し、
前記重複領域は、平面視において、一対の前記短辺に隣接する一対の第1領域および前記一対の第1領域の間に位置する第2領域を有し、
前記被覆層は、平面視において、前記重複領域の前記第2領域を避けて、少なくとも前記第1領域に形成されている。
本適用例の液体噴射ヘッドは、圧電素子の圧電体層の能動領域と非能動領域の境界付近に被覆層が形成されている。これにより圧電素子が動作するときに、圧電体層の能動領域と非能動領域の境界付近に生じる歪みを小さくすることができる。そのため、能動領域と非能動領域の境界付近への応力の集中が緩和され、圧電体層にクラックが生じにくい。これにより、本適用例の液体噴射ヘッドは、信頼性が高まっている。
[適用例2]
適用例1において、
前記圧電素子は、前記圧電体層の上に、前記第1電極と電気的に接続するリード電極を有し、
前記リード電極の材質は、ニッケルおよびクロムを含有することができる。
本適用例の液体噴射ヘッドは、製造時に、圧電素子のリード電極に、電蝕を生じにくい。すなわち、ニッケルおよびクロムの標準電極電位、並びに、タングステンおよびチタンの標準電極電位の差が小さいため、例えば、タングステンおよびチタンからなる被覆層をウエットエッチングする際に、電蝕を生じにくい。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記第2電極の材質は、イリジウムを主成分とすることができる。
本適用例の液体噴射ヘッドは、第2電極の導電性が良好であるとともに、第2電極によって圧電体層が保護される。
[適用例4]
本発明にかかる液体噴射装置の一態様は、
適用例1ないし適用例3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを備える。
本適用例の液体噴射装置は、上述の液体噴射ヘッドを備えるため、信頼性が高まっている。
[適用例5]
本発明にかかる圧電素子の一態様は、
第1電極と、
前記第1電極を覆って形成された圧電体層と、
前記圧電体層の上に形成された第2電極と、
前記第2電極の上に形成され、タングステンまたはチタンからなる被覆層と、
を有し、
前記第1電極および前記第2電極は、平面視において、互いに重複する長方形の重複領域を形成し、
前記第1電極は、前記重複領域の長辺を規定し、
前記第2電極は、前記重複領域の短辺を規定し、
前記重複領域は、平面視において、一対の前記短辺に隣接する一対の第1領域および前記一対の第1領域の間に位置する第2領域を有し、
前記被覆層は、平面視において、前記重複領域の前記第2領域を避けて、少なくとも前記第1領域に形成されている。
本適用例の圧電素子は、圧電体層の能動領域と非能動領域の境界付近に被覆層が形成されている。これにより第1電極および第2電極の間に電界が印加されたときに、圧電体層の能動領域と非能動領域の境界付近に生じる歪みを小さくすることができる。そのため、能動領域と非能動領域の境界付近への応力の集中が緩和され、圧電体層にクラックが生じにくく素子の信頼性が高い。
実施形態の液体噴射ヘッド1000の要部を模式的に示す平面図 実施形態の液体噴射ヘッド1000の要部の断面の模式図。 実施形態の液体噴射ヘッド1000の要部の断面の模式図 実施形態の液体噴射ヘッド1000の分解斜視図。 実施形態の液体噴射装置2000の斜視図。 被覆層40の厚みと歪みの関係のシミュレーション結果を示すグラフ。 被覆層40の断面の一例を示す透過型電子顕微鏡写真。 被覆層40の断面の一例を示す透過型電子顕微鏡写真。
以下に本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお以下の実施形態は、本発明の一例を説明するものである。そのため、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で実施される各種の変形例も含む。なお、下記の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.液体噴射ヘッド
図1は、本実施形態の液体噴射ヘッド1000を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態の液体噴射ヘッド1000の他の断面の模式図である。図3は、本実施形態の液体噴射ヘッド1000の断面の模式図である。図1のA−A線の断面が図2に、図1のB−B線の断面が図3にそれぞれ相当する。
本実施形態の液体噴射ヘッド1000は、少なくとも圧電素子100を備えている。
1.1.圧電素子
圧電素子100は、基板1と、第1電極10と、圧電体層20と、第2電極30と、被覆層40と、を有する。圧電素子100は、基板1が可撓性を有し、圧電体層20の動作によって変形(屈曲)することのできる振動板(絶縁層)である場合には、振動板が振動する圧電アクチュエーター102とみなすことができる。
1.1.1.基板
基板1は、平板状の形状を有している。基板1は、可撓性を有することができ、圧電体層20の動作によって変形(屈曲)することのできる振動板(絶縁層)であってもよい。
基板1が振動板である場合は、基板1の材質としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機酸化物、無機窒化物、およびステンレス鋼などの合金を例示することができる。これらのうち、基板1(振動板)の材質としては、化学的安定性および剛性の点で、酸化ジルコニウムが特に好適である。基板1は、例示した物質の2種以上の積層構造であってもよい。
また、基板1は、シリコン基板や水晶基板であってもよい。この場合、基板1を例えば音叉型に形成し、圧電体層20の動作によって基板1を励振する、または、圧電体層20の歪みによって基板1の動作を検出するタイミングデバイスを構成することができる。また、この場合、超音波発振器等の超音波デバイス、超音波モーターのような機械的出力を有するデバイス、および、基板1に加わる応力や基板1の変形を圧電体層20の歪み等によって検出する圧力センサー等の圧電デバイスを構成することができる。
本実施形態では、基板1は、可撓性を有し、液体噴射ヘッド1000の圧力室の壁面を構成する振動板となっている。そのため、圧電体層20の動作により、基板1が変形することにより、圧力室の容積を変化させることができ、これにより、液体噴射ヘッド1000のノズル孔から液体を噴射させることができる。
1.1.2.第1電極
第1電極10は、基板1の上に形成される。第1電極10は、圧電体層20に覆われ、圧電体層20の上に形成される第2電極30とともに、圧電体層20を挟む領域を有するように設けられる。第1電極10は、基板1の上に設けられるが、基板1の全面を覆う必要はない。第1電極10は、層状、薄膜状あるいは平板状の形状を有する。第1電極10の厚みは、例えば、20nm以上60nm以下とすることができる。第1電極10の厚みが20nmよりも小さいと、第1電極10の導電性が不足する場合がある。
第1電極10は、平面的に見たとき(基板1の法線方向から見たとき)に、長手を有する形状を有する。第1電極10の平面的な形状は、例えば、長方形である。第1電極10は、圧電素子100が複数の可動部を有する場合の個別電極であることができる。
第1電極10は、平面的に見たときに、第2電極30とオーバーラップする重複領域50を形成する。重複領域50は、平面視において長方形の形状を有し、当該重複領域50の長辺50aを、第1電極10の長手方向に平行な辺が規定している。
第1電極10の機能の一つとしては、圧電体層20に電界を印加するための一方の電極(例えば、圧電体層20の下方に形成された下部電極)となることが挙げられる。
第1電極10の材質としては、例えば、ニッケル、イリジウム、白金などの各種の金属、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物(SrRuOx:SRO)、ランタンとニッケルの複合酸化物(LaNiOx:LNO)などを例示することができる。第1電極10は、例示した材料の単層構造でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
第1電極10は、例えば、蒸着、スパッタ、CVD(Chemical Vapour
Deposition)等により形成することができる。そしてフォトリソグラフィ法等によって、上記の形状にパターニングされることができる。なお、第1電極10は、印刷、インプリンティングなどの方法で形成することもでき、この場合は、基板1に直接、第1電極10を形成することができる。
1.1.3.圧電体層
圧電体層20は、第1電極10を覆って形成される。圧電体層20は、第1電極10がパターニングされている場合には、基板1の上に形成されていてもよい。圧電体層20は、第1電極10および第2電極30によって挟まれた領域を有する。本明細書ではこのような圧電体層20の領域のことを能動領域20aと称することがある。圧電体層20の能動領域20aは、平面視において、第1電極10および第2電極30とが重複する重複領域50と一致している。
圧電体層20は、第1電極10を覆って形成され、上記の能動領域20aを有するが、重複領域50(能動領域20a)以外の領域(非能動領域)には、圧電体層20が形成されていない部分があってもよい。例えば、図1の例では、圧電体層20の非能動領域に貫
通穴22が形成されている。圧電体層20に貫通穴22が設けられると、例えば、圧電体層20による基板1の振動の阻害を低減することができる。
本実施形態では、圧電体層20が第1電極10を覆って形成されるため、圧電体層20によって第1電極10を、例えば外部から侵入する不純物等から保護することができる。
第1電極10および圧電体層20の間には、他の層が形成されてもよい。他の層としては、例えばチタン層などが挙げられる。図2、図3の例では、圧電体層20は、第1電極10に接して設けられている、圧電体層20の厚さは、例えば、100nm以上2000nm以下とすることができる。圧電体層20の厚みがこの範囲であれば、圧電素子100(圧電アクチュエーター102)の十分な変形(電気機械変換)が得られる。また、圧電体層20のより好ましい厚みとしては、1000nm以上、1500nm以下である。圧電体層20の厚みが、このような範囲内であると、圧電素子100の変位量を十分大きくとることができるとともに、圧電素子100の薄膜化に寄与することができる。
圧電体層20は、ペロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物を主成分として形成され圧電性を有する。圧電体層20に用いられるペロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物としては、例えば、化学組成が、一般式MAB3(式中MAで表される元素が酸素を12配位し、MBで表される元素が酸素を6配位する)で表される酸化物が挙げられる。圧電体層20の主成分となる酸化物は、圧電性を有するものであるかぎり特に限定されないが、例えば、一般式MAB3において、MAが、Pb、K、Ba、Sr、およびBiからなる群より選択される少なくとも1種であり、MBが、Zr、Ti、Nb、Na、TaおよびLaからなる群より選択される少なくとも1種である酸化物が好ましい。
これらのうち、圧電体層20の材質としてより好ましくは、少なくとも鉛、ジルコニウム、チタンおよび酸素を含む酸化物を主成分とすることが好適である。圧電体層20の主成分として好適な酸化物の具体例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)(以下これを「PZT」と略記することがある)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3)などが挙げられる。
このような酸化物は、いずれも式中、MAサイトの酸化物とMBサイトの酸化物の固溶体を形成することができる。そして、このような複合酸化物は、結晶化により、ペロブスカイト型の結晶構造をとることができる。このような酸化物は、ペロブスカイト型の結晶構造をとることにより、圧電性を呈することができる。これにより、圧電体層20は、第1電極10および第2電極30によって電界が印加されることで変形することができる(電気機械変換)。圧電素子100が圧電体層20の変形によって変形するため、例えば、基板1が振動板である場合には、基板1を変形させたり(たわませたり)、振動させたりすることができる。
圧電体層20は、積層構造であってもよい。例えば、互いに異なる組成の圧電体の層や
、同一の組成の圧電体の層が、複数層積層していてもよい。また、圧電体層20には、厚みの方向に組成が傾斜していてもよい。さらに積層する層の数も任意である。
圧電体層20は、例えば、スパッタ法(DCスパッタ、イオンスパッタ、マグネトロンスパッタを含む)、蒸着法、MOCVD法、MOD(Metal−Organic Decomposition)法、PLD(Pulsed Laser Deposition)(レーザーアブレーション)法、ミスト成膜法、およびゾルゲル法などの薄膜法により形成されることができる。このような薄膜法によって、厚みの大きい圧電体層20を形成する場合には、例えば、スパッタ法、蒸着法、MOCVD法などの物質を堆積させる種の方法では堆積時間を長くすることにより形成することができ、また例えば、MOD法やゾルゲル法などのコーティング−焼成を行う種の方法では、該方法を繰り返して積層することにより形成することができる。さらに、積層する場合には、各層毎に異なる薄膜法を用いて積層してもよい。
1.1.4.第2電極
第2電極30は、圧電体層20の上に形成される。第2電極30は、圧電体層20の上に設けられるが、圧電体層20の全面を覆う必要はない。また、第2電極30は、圧電体層20に貫通穴22等が設けられている場合には、当該貫通穴22等の部分において、例えば基板1の上に形成されていてもよい。第2電極30は、圧電体層20に覆われている第1電極10とともに、圧電体層20を挟む領域を有するように設けられる。第2電極30は、層状、薄膜状あるいは平板状の形状を有する。第2電極30の厚みは、例えば、20nm以上300nm以下とすることができる。第2電極30の厚みが20nmよりも小さいと、第2電極30の導電性が不足する場合がある。
第2電極30は、平面的に見たとき(基板1の法線方向から見たとき)に、第1電極10とオーバーラップする重複領域50を形成する。重複領域50は、平面視において長方形の形状を有し、当該重複領域50の短辺50bを、第2電極30が規定している。第2電極30の平面的な形状は、例えば、長方形である。第2電極30は、圧電素子100が複数の可動部を有する場合の共通電極であることができる。
第2電極30の機能の一つとしては、圧電体層20に電界を印加するための一方の電極(例えば、圧電体層20の上方に形成された上部電極)となることが挙げられる。
第2電極30の材質としては、第1電極10と同様のものを挙げることができる。第2電極30は、例示した材料の単層構造でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。これらのうち、第2電極30は、イリジウムを主成分として形成されることにより、第2電極30の導電性を良好とするとともに、第2電極30によって圧電体層20を、例えば、外部から侵入する水分や水素から保護する作用を高めることができる。
第2電極30は、例えば、蒸着、スパッタ、CVD(Chemical Vapour
Deposition)等により形成することができる。そしてフォトリソグラフィ法等によって、上記の形状にパターニングされることができる。なお、第2電極30は、印刷、インプリンティングなどの方法で形成することもできる。
1.1.5.重複領域
上述のように、第1電極10および第2電極30は、平面視において、互いに重複する重複領域50を有する。重複領域50は、平面視において、長方形の形状を有する。平面視における重複領域50の長方形形状の長辺50aは、第1電極10によって規定され、短辺50bは、第2電極30によって規定される。
重複領域50は、一対の短辺50bに隣接する一対の第1領域51を有する。第1領域51は、平面視における重複領域50の長方形の長手方向の両端部に位置する。すなわち、第1領域51は、平面視における重複領域50の長方形の長手方向の中央部を避けた領域のことを指す。平面視における第1領域51の面積は、重複領域50の面積の2%以上98%未満である。また、圧電体層20の能動領域20aと非能動領域の境界における変位の抑制と、圧電体層20の能動領域20aの変位の大きさとのバランスがより好ましくなる点で、平面視における第1領域51の面積は、重複領域50の面積の10%以上80%未満であることがより好ましい。
また、重複領域50は、上記一対の第1領域51の間に位置する第2領域52を有する。第2領域52は、平面視における重複領域50の長方形の長手方向の中央部を含んでいる。すなわち、第2領域52は、平面視における重複領域50の長方形の長手方向の端部を避けた領域のことを指す。平面視における第2領域52の面積は、重複領域50の面積の2%以上98%未満である。また、圧電体層20の能動領域20aと非能動領域の境界における変位の抑制と、圧電体層20の能動領域20aの変位の大きさとのバランスがより好ましくなる点で、平面視における第2領域52の面積は、重複領域50の面積の20%以上90%未満であることがより好ましい。
1.1.6.被覆層
被覆層40は、第2電極30の上に設けられる。被覆層40は、平面視において、重複領域50の第2領域52を避けて設けられる。また、被覆層40は、平面視において、少なくとも重複領域50の第1領域51に形成される。被覆層40は、第2電極30の上の他の部分に設けられてもよく、また、第2電極30上の第2領域52を避けた領域全体に設けられる必要はない。被覆層40の厚みは、例えば、20nm以上200nm以下とすることができる。被覆層40は、タングステンまたはチタンによって形成される。
被覆層40の機能の一つとしては、圧電体層20の駆動領域(重複領域50)に電界が印加され変形が生じたときに、第1領域51に位置する圧電体層20の変形を抑制することが挙げられる。また、被覆層40の機能の一つとしては第2電極30の導電性を補助することが挙げられる。
被覆層40は、平面視において、重複領域50の第2領域52に位置する長辺50aよりも外側に設けられる。そのため、被覆層40によって、圧電体層20の能動領域20aの短辺50b方向の変位の抑制の程度は小さい。したがって、圧電体層20の変位は、十分に大きくすることができる。
1.1.7.その他の構成
本実施形態の圧電素子100は、圧電体層20の上に、第1電極10と電気的に接続されたリード電極60を有してもよい。
リード電極60の平面的な形状は、第1電極10と電気的に接続し、第2電極30と電気的に分離している限り特に限定されない。
リード電極60は、例えば、圧電体層20に、第1電極10に連通する貫通孔20bを設け、貫通孔20bの内側および圧電体層20上の所望の領域にニッケルおよびクロムの合金からなる下地層62を形成し、下地層62の上に、例えば金を積層してリード電極層64を形成して設けられる。
リード電極60の材質は、特に限定されないが、少なくとも下地層62をニッケルおよびクロムの合金とすることで、圧電体層20とリード電極60との密着性を高めることが
できる。
リード電極60の機能の一つとしては、圧電体層20によって第1電極10が覆われた状態を維持したまま圧電体層20の上において第1電極10と電気的接続を可能にすることが挙げられる。これにより、例えば、製造時に第1電極10と外部との電気的接続を形成することを容易化することができる。また、これにより、例えば、圧電素子100の平面的な専有面積を小さくすることができ、例えば液体噴射ヘッド1000のノズル孔612の配置の密度を向上させることができる。
1.1.8.圧電素子の特徴
本実施形態の圧電素子100(圧電アクチュエーター102)は、以下のような特徴を有する。
本実施形態の圧電素子100は、被覆層40がタングステンまたはチタンからなる。タングステンまたはチタンは、比較的ヤング率の高い材料であり、これらの材料からなる被覆層40が第1領域51に形成されることにより、第1領域51の圧電体層20の変位を本来の変位よりも小さく抑えることができる。一方、第2領域52には、被覆層40が形成されないため、第2領域52に位置する圧電体層20の変位は、抑制されることがなく、圧電素子100の変位量を十分に大きく確保することができる。
ここで、圧電体層20に生じる応力について述べる。圧電体層20の能動領域20aは、第1電極10および第2電極30によって電界が印加されることにより、伸縮等の変形を生じる。このとき能動領域20aに隣接する圧電体層20の領域には、電界がほとんど印加されず変形しないため、これらの領域の境界部分では変位が拘束されて、応力が発生する。この応力は、能動領域20aが圧電体層20の平面内で膨張または収縮するときに発生するが、特に能動領域20aが収縮するときには、圧電体層20を引っ張る方向の成分を有する応力が発生する。この応力が特定の大きさ以上になると、圧電体層20の能動領域20aと非能動領域の境界にクラック(亀裂)が生じることになる。このようなクラックは、能動領域20a(重複領域50)が長手を有するため、能動領域20aの収縮の成分が大きくなる長手方向の端(重複領域50の短辺50bに沿う位置)において他の部位よりも先に発生しやすい。
一方、圧電体層20にクラックを生じさせる応力は、変位の拘束の程度に依存する。すなわち、変位の拘束の度合いが大きいと、より大きな応力が発生する。したがって、圧電体層20の隣り合う領域の間の変位量の差が大きければ、より大きな応力が発生する。逆に、圧電体層20の隣り合う領域の間の変位量の差を小さくすることにより、発生する応力を小さくすることができる。
本実施形態の圧電素子100は、被覆層40が、変位領域20aの長手方向の端に対応する位置の第1領域51に形成されている。したがって被覆層40によって、能動領域20aの長手方向の端における変位が本来の変位よりも小さく抑えられる。これにより、能動領域20aと非能動領域の境界における変位の拘束の程度が小さくなり、当該境界部分に発生する応力を小さくすることができる。よって、本実施形態の圧電素子100は、被覆層40が形成されることにより、圧電体層20に発生する応力が抑制され、圧電体層20にクラック等の破壊を生じにくいという特徴を有する。
また、被覆層40の材質であるタングステンおよびチタンは、標準電極電位の値が、ニッケルおよびクロムに近い。具体的には、WO2+4H++4e-←→W+2H2Oの反応、およびW25+2H++2e-←→W+2H2Oの反応における標準電極電位は、いずれも−0.119Vであり、Ti2++2e-←→Tiの反応における標準電極電位は、−1.
63V、Ti3++e-←→Ti2+の反応における標準電極電位は、−0.360Vである。これに対して、Ni2++2e-←→Niの反応における標準電極電位は、−0.257V、Cr2++2e-←→Crの反応における標準電極電位は、−0.9Vである。
一方、Ir3++3e-←→Irの反応における標準電極電位は、+1.156Vである。
したがって、ニッケルおよびクロムを含有するリード電極60を設ける態様であって、プロセス上、ウエットエッチングを行う必要がある場合に、被覆層40が第2電極30の上に設けられることにより、エッチャントによるニッケルまたはクロムの電蝕を小さく抑えることができる。すなわち、被覆層40が形成されていない場合には、当該エッチングの際に、エッチャントに、標準電極電位の高いイリジウムと、標準電極電位の低いニッケルおよびクロムとが、浸漬され、電気化学的反応が生じやすい。これに対して、本実施形態の圧電素子100においては、被覆層40を形成しているため、ニッケルおよびクロムを含有するリード電極60を設ける態様において、イリジウムがエッチャントに接触する面積が減少するとともに、標準電極電位がニッケルおよびクロムに近いタングステンまたはチタンに覆われるため、このような電気化学的反応が抑制され、ニッケルおよびクロムの電蝕が生じにくいという特徴がある。
1.2.その他の構成
本実施形態の液体噴射ヘッド1000は、上述の圧電素子100を有し、振動板1a、圧力室基板620、およびノズル板610を有する。液体噴射ヘッド1000の振動板1aは、上述の圧電素子100で述べた基板1が振動板である場合に相当する。なお、図1ではノズル板610は省略されている。
ノズル板610は、ノズル孔612を有する。ノズル孔612からは、インクが吐出されることができる。ノズル板610には、例えば、多数のノズル孔612が一列に設けられている(図4参照)。ノズル板620の材質としては、例えば、シリコン、ステンレス鋼(SUS)などを挙げることができる。
圧力室基板620は、ノズル板610上(図4の例では下)に設けられている。圧力室基板620の材質としては、例えば、シリコンなどを例示することができる。圧力室基板620がノズル板610と振動板1aとの間の空間を区画することにより、図4に示すように、リザーバー(液体貯留部)624と、リザーバー624と連通する供給口626と、供給口626と連通する圧力室622と、が設けられている。この例では、リザーバー624と、供給口626と、圧力室622とを区別して説明するが、これらはいずれも液体の流路であって、このような流路はどのように設計されても構わない。また例えば、供給口626は、図示の例では流路の一部が狭窄された形状を有しているが、設計にしたがって任意に形成することができ、このような形状は必ずしも必須の構成ではない。リザーバー624、供給口626および圧力室622は、ノズル板610と圧力室基板620と振動板1aとによって区画されている。リザーバー624は、外部(例えばインクカートリッジ)から、振動板1aに設けられた貫通孔628を通じて供給されるインクを一時貯留することができる。リザーバー624内のインクは、供給口626を介して、圧力室622に供給されることができる。圧力室622は、振動板1aの変形により容積が変化する。圧力室622はノズル孔612と連通しており、圧力室622の容積が変化することによって、ノズル孔612からインク等が吐出される。
圧電素子100は、圧力室基板620上(図4の例では下)に設けられている。圧電素子100は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて動作することができる。振動板1aは、圧電素子100の動作によって変形
し、圧力室622の内部圧力を適宜変化させることができる。
筐体630は、図4に示すように、ノズル板610、圧力室基板620および圧電素子100を収納することができる。筐体630の材質としては、例えば、樹脂、金属などを挙げることができる。
液体噴射ヘッド1000は、圧電素子100を有する。そのため、圧電体層20にクラック等の破壊を生じにくく信頼性が高い。
本実施形態の液体噴射ヘッド1000は、たとえば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)、電気泳動ディスプレイ等の電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料噴射ヘッドとしても好適に利用することができる。
また、なお上記説明では、本発明にかかる圧電素子(圧電アクチュエーター)の一例として、基板1が撓み等の変形動作される振動板1aとなっている場合について説明した。本発明にかかる圧電素子(圧電アクチュエーター)としては、例えば、基板1が音叉型の振動片となっているようなタイミングデバイスや、基板1が超音波領域の周波数で振動され超音波を発生する超音波発振器等の超音波デバイス、基板1が超音波領域の周波数で振動して他の部材を駆動する超音波モーターのような機械的出力を有するデバイス、および、基板1に加わる応力や基板1の変形を検出するような圧力センサー等、他の圧電デバイスも例示することができる。
2.液体噴射装置
図5は、液体噴射装置2000を模式的に示す斜視図である。
液体噴射装置2000は、図5に示すように、ヘッドユニット730と、駆動部710と、制御部760と、を含む。さらに、液体噴射装置2000は、装置本体720と、給紙部750と、記録用紙Pを設置するトレイ721と、記録用紙Pを排出する排出口722と、装置本体720の上面に配置された操作パネル770と、を含むことができる。
ヘッドユニット730は、上述した液体噴射ヘッド1000(以下単に「ヘッド」ともいう)を有する。ヘッドユニット730は、さらに、ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ731と、ヘッドおよびインクカートリッジ731を搭載した運搬部(キャリッジ)732と、を備える。
駆動部710は、ヘッドユニット730を往復動させることができる。駆動部710は、ヘッドユニット730の駆動源となるキャリッジモーター741と、キャリッジモーター741の回転を受けて、ヘッドユニット730を往復動させる往復動機構742と、を有する。
往復動機構742は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸744と、キャリッジガイド軸744と平行に延在するタイミングベルト743と、を備える。キャリッジガイド軸744は、キャリッジ732が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ732を支持している。さらに、キャリッジ732は、タイミングベルト743の一部に固定されている。キャリッジモーター741の作動により、タイミングベルト743を走行させると、キャリッジガイド軸744に導かれて、ヘッドユニット730が往復動する。この往復動の際に、ヘッドから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
なお、本実施形態では、液体噴射ヘッド1000および記録用紙Pがいずれも移動しながら印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッド1000および記録用紙Pが互いに相対的に位置を変えて記録用紙Pに印刷される機構であればよい。また、本実施形態では記録用紙Pに印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置によって印刷を施すことができる記録媒体としては、紙に限定されず、布、フィルム、金属など、広範な媒体を挙げることができ、適宜構成を変更することができる。
制御部760は、ヘッドユニット730、駆動部710および給紙部750を制御することができる。
給紙部750は、記録用紙Pをトレイ721からヘッドユニット730側へ送り込むことができる。給紙部750は、その駆動源となる給紙モーター751と、給紙モーター751の作動により回転する給紙ローラー752と、を備える。給紙ローラー752は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラー752aおよび駆動ローラー752bを備える。駆動ローラー752bは、給紙モーター751に連結されている。制御部760によって供紙部750が駆動されると、記録用紙Pは、ヘッドユニット730の下方を通過するように送られる。
ヘッドユニット730、駆動部710、制御部760および給紙部750は、装置本体720の内部に設けられている。
液体噴射装置2000は、液体噴射ヘッド1000を有する。したがって信頼性が良好なものとなっている。
なお、上記例示した液体噴射装置2000は、1つの液体噴射ヘッド1000を有し、この液体噴射ヘッド1000によって、記録媒体に印刷を行うことができるものであるが、複数の液体噴射ヘッドを有してもよい。液体噴射装置が複数の液体噴射ヘッドを有する場合には、複数の液体噴射ヘッドは、それぞれ独立して上述のように動作されてもよいし、複数の液体噴射ヘッドが互いに連結されて、1つの集合したヘッドとなっていてもよい。このような集合となったヘッドとしては、例えば、複数のヘッドのそれぞれのノズル孔が全体として均一な間隔を有するような、ライン型のヘッドを挙げることができる。
以上、本発明にかかる圧電素子(圧電アクチュエーター)を有する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンターとしての液体噴射装置2000を説明したが、本発明にかかる液体噴射装置は、工業的にも利用することができる。この場合に吐出される液体(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したものなどを用いることができる。本発明にかかる液体噴射装置は、例示したプリンター等の画像記録装置以外にも、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)、電気泳動ディスプレイ等の電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料噴射装置としても好適に用いられることができる。
3.実験例
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実験例によってなんら限定されるものではない。
3.1.計算機実験
有限要素法により、上記実施形態で説明した圧電体層20の能動領域20aと非能動領
域との境界に生じるせん断歪みを評価した。
有限要素法では、第1電極10を厚み200nmの白金で形成し、その上に、PZT層(圧電体層)を1000nmの厚みで形成し、その上に第2電極30を厚み50nmのイリジウムで形成したものをモデルとした。また、重複領域50の長辺50aを500μm、短辺50bを100μmとし、被覆層40の平面的な形状は、短辺50bから重複領域50の内側に向かって、50μmの部分が覆われる形状とした。本実験例では、被覆層40の材質はタングステンとした。
有限要素法において、各素材のヤング率は、イリジウムは、300GPa、タングステンは、210GPa、PZTは、75GPa、とした。また、イリジウムおよびタングステンのポアソン比は、0.3とした。
そして、被覆層40の厚みを、0nmから150nmまで変化させ、圧電体層20を駆動させたときに生じるせん断歪みを計算した。なお、PZTの歪みの態様は、面内方向の収縮とし、いずれの計算においても0.00376%収縮させたときに生じるせん断歪みを求めた。
その結果を図6に示す。図6は、横軸に被覆層40の厚みをとり、縦軸に被覆層40の厚みが0nmであるときのせん断歪みを1(100%)として規格化したものをとっている。
図6をみると、被覆層の厚みが大きくなるにつれて、圧電体層の能動領域と非能動領域との境界に生じるせん断歪みは小さくなっていることが分かった。この結果から、第2電極の上に、被覆層を設けることにより、圧電体層の能動領域と非能動領域との境界に生じる応力が小さく抑えられることが判明した。
3.2.電子顕微鏡観察
図7および図8は、圧電体層20(PZT)の上の第2電極30(イリジウム)の上に、被覆層40として、それぞれ、タングステンおよびチタンを形成した試料の透過型電子顕微鏡写真である。
図7および図8をみると、いずれの試料においても、第2電極30の上に、被覆層40が隙間等の欠陥を有することなく均一に形成されている。これらの結果は、圧電体層20、第2電極30および被覆層40の密着性がいずれも良好であることを示しており、これにより、被覆層40によって、圧電体層20に生じる歪みを抑制する効果が発揮できるものと考えられる。
以上に述べた実施形態等は、任意の複数の形態を適宜組み合わせることが可能である。これにより、組み合わされた実施形態は、それぞれの実施形態が有する効果または相乗的な効果を奏することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…基板、1a…振動板、10…第1電極、20…圧電体層、20a…能動領域、22…貫通穴、30…第2電極、40…被覆層、50…重複領域、50a…長辺、50b…短辺、51…第1領域、52…第2領域、60…リード電極、62…下地層、64…リード電極層、100…圧電素子、102…圧電アクチュエーター、610…ノズル板、612…ノズル孔、620…圧力室基板、622…圧力室、624…リザーバー、626…供給口、628…貫通孔、630…筐体、710…駆動部、720…装置本体、721…トレイ、722…排出口、730…ヘッドユニット、731…インクカートリッジ、732…キャリッジ、741…キャリッジモーター、742…往復動機構、743…タイミングベルト、744…キャリッジガイド軸、750…給紙部、751…給紙モーター、752…給紙ローラー、752a…従動ローラー、752b…駆動ローラー、760…制御部、770…操作パネル、1000…液体噴射ヘッド、2000…液体噴射装置

Claims (3)

  1. 第1電極と、
    前記第1電極を覆って形成された圧電体層と、
    前記圧電体層の上に形成された第2電極と、
    前記第2電極の上に形成され、チタンからなる被覆層と、
    前記圧電体層の上に形成され、前記第1電極と電気的に接続するリード電極と、
    を有する圧電素子を備え、
    前記第1電極および前記第2電極は、平面視において、互いに重複する長方形の重複領域を形成し、
    前記第1電極は、前記重複領域の長辺を規定し、
    前記第2電極は、前記重複領域の短辺を規定し、
    前記重複領域は、平面視において、一対の前記短辺に隣接する一対の第1領域および前記一対の第1領域の間に位置する第2領域を有し、
    前記被覆層は、平面視において、前記重複領域の前記第2領域を避けて、少なくとも前記第1領域に形成され、
    前記リード電極の材質は、ニッケルおよびクロムを含有し、
    前記第2電極の材質は、イリジウムを主成分とする、液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体噴射ヘッドを備えた、液体噴射装置。
  3. 第1電極と、
    前記第1電極を覆って形成された圧電体層と、
    前記圧電体層の上に形成された第2電極と、
    前記第2電極の上に形成され、チタンからなる被覆層と、
    を有し、
    前記第1電極および前記第2電極は、平面視において、互いに重複する長方形の重複領域を形成し、
    前記第1電極は、前記重複領域の長辺を規定し、
    前記第2電極は、前記重複領域の短辺を規定し、
    前記重複領域は、平面視において、一対の前記短辺に隣接する一対の第1領域および前
    記一対の第1領域の間に位置する第2領域を有し、
    前記被覆層は、平面視において、前記重複領域の前記第2領域を避けて、少なくとも前記第1領域に形成され、
    前記リード電極の材質は、ニッケルおよびクロムを含有し、
    前記第2電極の材質は、イリジウムを主成分とする、圧電素子。
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