JP3099315B2 - ガスバッグ被覆フード - Google Patents

ガスバッグ被覆フード

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JP3099315B2 JP09123406A JP12340697A JP3099315B2 JP 3099315 B2 JP3099315 B2 JP 3099315B2 JP 09123406 A JP09123406 A JP 09123406A JP 12340697 A JP12340697 A JP 12340697A JP 3099315 B2 JP3099315 B2 JP 3099315B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術】この発明は、自走車両の計器盤に
収められるガスバッグの被覆フードに関する。
【０００２】
【従来の技術】この種の被覆フードはその環境への材料
的および外観的な状況についての機能的および美的な基
盤に基づいて適合される。すなわち上記被覆フードは、
上記計器盤の出来るだけ目立たない乗員席の壁部分を構
成するように設けられる。
【０００３】上記計器盤はしばしば射出成形された合成
樹脂の硬い表面を持つが、比較的柔らかくもありかつ手
触りの粗い革様表面に形成される。それ故上記被覆フー
ド自体は、硬くて形状の安定した芯部と、上記計器盤の
表面にマッチする柔らかい表面部とで形成される。
【０００４】ところでこの種の計器盤は非常に高い生産
費用にもかかわらず、多くの小型車両の場合にも標準装
備の一部となっている。したがって自走車両の生産費が
急激に低下する傾向下において、特に価格的に有利な若
干の車両形式の場合、上記計器盤は比較的硬い合成樹脂
から一体に形成される傾向にある。なおこの計器盤の仕
上げは本質的に簡単となるが、しかし必然的に硬い表面
を持つことになるから従来の被覆フードとはマッチしな
い。しかしながらこのような使用場合にも、被覆フード
は計器盤にマッチされるべきである。
【０００５】
【発明が解決しょうとする課題】かくして上記ガスバッ
グが急速に膨張し上記被覆フードを跳ねる際に、もし被
覆フードが硬い合成樹脂から成るとすればこの樹脂は割
裂する傾向にあるという問題がその結果として生じる。
この合成樹脂の破片の分離はそれと結びつく傷害を顧慮
すると無条件に避けねばならないから、硬い計器盤用と
して用意された合成樹脂は被覆フードの製造には適しな
い。したがって上記被覆フードの上記計器盤への上記適
合は、明らかに相当困難である。
【０００６】したがって一方では、上記被覆フード囲り
の計器盤と相違しないように形成されが、他方では、上
記ガスバッグの作動時に割裂して破片が勝手に飛散し、
崩壊するようなことのない上記技術の被覆フードを提案
することが課題になる。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この課題は本発明の被覆
フードにより解決する。すなわちこの被覆フードは軟ら
かくかつ弾性のある合成樹脂の下部層と、硬い合成樹脂
の表面層とから成ることを特徴とする。なおこれらの両
層は、互いに全く本質的に密着結合されている。
【０００８】
【発明の実施の形態】かくして上記軟らかくかつ弾性の
ある下部層、およびこの下部層と上記表面層との間の上
記完全な密着結合により、上記硬い表面層が割裂しても
全ての破片は上記下部層にしっかりと保持され、被害は
全く生じないことになる。
【０００９】本発明の被覆フードの表面層は、視覚的、
触覚的および音響学的属性において上記計器盤表面の材
料と一致する合成樹脂から成るのが好ましい。
【００１０】また上記下部層２は、板形状の補強４、織
物または金網を備えることができ、この下部層２には、
フレーム部分５および／または締結棒６が一体に形成さ
れてよい。
【００１１】また上記下部層２と、上記フレーム部分５
または締結棒６との間の移行域には少なくとも破断点７
が設けられ、上記下部層２には少なくとも曲げ撓み線８
が、また上記表面層３にはこの曲げ撓み線８に対応する
破断線９が設けられてよい。
【００１２】また上記被覆フードは、上記ガスバッグが
膨張するとき上記曲げ撓み線８に沿って枢支状に撥ね上
げられ、上記下部層２に含まれる補強４はヒンジとして
働くように構成するとよい。さらに枢支状に働くさらな
る曲げ撓み線または破断線を上記下部層２および表面層
３内に設けてよい。
【００１３】また上記２つの層２、３は熱可塑性樹脂か
ら成ることができる。上記表面層３はポリプロピレン、
ポリフェニールオキシド、ポリカーボネート、アクリロ
ニトリルブタジエンスチレン、熱可塑性エラストマー、
ポリアミドおよび／またはこれらの共重合体から成ると
よく、また上記下部層２は熱可塑性エラストマーから成
るとよい。
【００１４】また上記表面層３は９２以上のショアＡ硬
さを有するのがよく、上記下部層２は９２以下のショア
Ａ硬さを有するのがよい。
【００１５】また上記両層２、３は化学結合または機械
的結合によって互いに結合されるのがよく、さらに上記
両層２、３は、２成分の射出成形手段によって形成され
るのがよい。
【００１６】
【実施例】図１に本発明の１実施例である被覆フード１
を示す。この被覆フードは囲りの計器盤と一体化したと
き、やヽ凹で鞍状の形状を図の紙面に直角な方向で示
す。この被覆フードは軟らかくかつ弾性のある合成樹脂
から成る下部層２と、硬い合成樹脂から成る表面層３と
から成る。なお本発明ではこれら両層２、３は、互いに
本質的完全に密着結合されている。かくして上記ガスバ
ッグの作動時に上記硬い表面層３が割裂しても、全ての
破片は上記下部層２から離れることがない。したがって
破片が乗員室の方へ勝手に飛び去ることもない。
【００１７】上記下部層２は薄板、織物、金網またはこ
れらに類するものから成り、上記ガスバッグが急激に膨
張して上記被覆フード１が上方に撥ね上げられたとき、
上記被覆フード１が上記計器盤と共に結合されたままで
あるという目的を持つ補強４を有する。
【００１８】この補強４は直接、上記計器盤または車体
に固定されるが、上記被覆フード１の下部層２と一体に
形成され、上記被覆フード１、ガスバッグケース、計器
盤あるいは車体間の結合を行う締結棒６（リンク）の内
部にも達している。
【００１９】このような場合、通常はフレーム部分５や
さらなる対向締結棒６（図の右側）も設けられるが、上
記対向締結棒６は破断点７を経て上記一方の締結棒６と
同様、上記下部層と一体に形成されている。なお上記フ
レーム部分５は、構造の周囲に関して上記被覆フード１
の安定と３次元的な固定とに奉仕する。
【００２０】上記補強４をも組み込んだ締結棒（リン
ク）６と、上記被覆フード１の下部層２との間の移行域
には構成材を弱化させる曲げ撓み線８が設けられ、上記
被覆フード１が撥ね上げられるとき、上記表面層３に設
けられると共に、構成材を同様に弱化させる破断線９と
協働する。
【００２１】この発明に係る被覆フード１は比較的硬い
材料から成り、それ故有利な費用で生産できる全ての計
器盤に直ちに適合することが出来る。何故なら破損しに
くい材料から成る下部層２との親密完全な密着によっ
て、被覆フード１が突然撥ね上げられた際に、勝手に飛
び散る破片を生まないからである。上記表面層３の全部
分はむしろより軟らかい下部層２によって安全にしっか
りと保持されるから、被害の発生は有り得ない。
【００２２】
【発明の効果】本発明は上述のような構成であるから、
ガスバッグが収められる自走車両の計器盤に価格的およ
び生産的な理由から比較的硬い合成樹脂が使用されて
も、この計器盤とマッチし、しかも安全であるガスバッ
グ被覆フードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】被覆フードの断面図である。
【符号の説明】
１ 被覆フード ２ 下部層 ３ 表面層 ４ 補強 ５ フレーム部分 ６ 締結棒 ７ 破断点 ８ 曲げ撓み線 ９ 破断線
フロントページの続き (72)発明者 アルブレヒト・ヒューフガルド ドイツ連邦共和国97837エルレンバッ ハ・マルクトハイデンフェルダー・シュ トラーセ13 (72)発明者 シュテファン・ボーン ドイツ連邦共和国63773ゴルトバッハ・ リンゼングラーベン18 (56)参考文献 特開 平９−267708（ＪＰ，Ａ) 国際公開95／24328（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B60R 21/16 - 21/32 ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】自走車両の計器盤に収められるガスバッグ
    の被覆フードにおいて、 軟らかくかつ弾性のある合成樹脂製の下部層２と、硬い
    合成樹脂製の表面層３とから成り、 これら両層２、３は互いに全く本質的に密着結合され、
    上記下部層２には曲げ撓み線８が設けられ、上記表面層
    ３にはこれと対応する破断線９が設けられて、上記ガス
    バッグが膨張するとき上記曲げ撓み線８に沿って枢支状
    に撥ね上げられることを特徴とするガスバッグ被覆フー
    ド。
  2. 【請求項２】上記合成樹脂製の表面層３は視覚的、触覚
    的および音響学的属性において上記計器盤表面の材料と
    一致することを特徴とする請求項１記載の被覆フード。
  3. 【請求項３】上記下部層２は板形状の補強４、織物また
    は金網を有することを特徴とする請求項１または２記載
    の被覆フード。
  4. 【請求項４】上記下部層２にはフレーム部分５または締
    結棒６が一体的に形成されることを特徴とする請求項
    １、２または３記載の被覆フード。
  5. 【請求項５】上記下部層２と、上記フレーム部分５また
    は締結棒６との間の移行域には少なくとも破断点７が設
    けられることを特徴とする請求項４記載の被覆フード。
  6. 【請求項６】上記下部層２に含まれる補強４はヒンジと
    して働くことを特徴とする請求項３、４または５記載の
    被覆フード。
  7. 【請求項７】枢支状に働くさらなる曲げ撓み線または破
    断線が上記下部層２および表面層３内に設けられること
    を特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載の被覆フー
    ド。
  8. 【請求項８】上記２つの層２、３は熱可塑性樹脂から成
    ることを特徴とする請求項１〜７の いずれかに記載の被
    覆フード。
  9. 【請求項９】上記表面層３は９２以上のショアＡ硬さを
    有することを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載
    の被覆フード。
  10. 【請求項１０】上記下部層２は９２以下のショアＡ硬さ
    を有することを特徴とする請求項１〜９のいずれかに記
    載の被覆フード。
  11. 【請求項１１】上記表面層３はポリプロピレン、ポリフ
    ェニールオキシド、ポリカーボネート、アクリロニトリ
    ルブタジエンスチレン、熱可塑性エラストマー、ポリア
    ミドまたはこれらの共重合体から成ることを特徴とする
    請求項１〜１０のいずれかに記載の被覆フード。
  12. 【請求項１２】上記下部層２は熱可塑性エラストマーか
    ら成ることを特徴とする請求項１〜１１のいずれかに記
    載の被覆フード。
  13. 【請求項１３】上記両層２、３は化学結合によって互い
    に結合されることを特徴とする請求項１〜１２のいずれ
    かに記載の被覆フード。
  14. 【請求項１４】上記両層２、３は機械的結合によって互
    いに結合されることを特徴とする請求項１〜１３のいず
    れかに記載の被覆フード。
  15. 【請求項１５】上記両層２、３は２成分の射出成形手段
    により形成されることを特徴とする請求項１〜１４のい
    ずれかに記載の被覆フード。
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