JP3085740U - 熱湯により加熱調理される冷凍食品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍋で加熱調理し易い各種丼物の素を提供する
とともに、カツ丼の素等においては、トンカツ片等のト
ッピング具材が外から見えるようにする。 【解決手段】 カツ丼の素等の丼物の素を円盤形状に成
形して凍結し、これを真空包装用フィルムで真空包装す
る。カツ丼の素や牛丼の素の場合は、トンカツ片や玉ネ
ギ等のトッピング食材を最上部に配材する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本願考案は、牛丼の素、カツ丼の素、カレー丼の素、中華丼の素などのように 熱湯により加熱調理される冷凍食品に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、牛丼の素、カツ丼の素などの種々の丼物の素が市販されているが、 それらの丼物の素は、四角形状の袋に収容されており、これを小鍋に入れて熱湯 で加熱調理する場合は、図４に示すように袋３１の４隅３１ａ，３１ａ・・が鍋 ３２の上縁３２ａに引掛り、袋３１全体が均等に熱湯３３内につからないことが あった。これを避けようとすると、大容量の鍋を使用する必要があるが、鍋の容 量が大きくなると、加熱される水量も増え、燃料費が嵩むとともに、調理時間も 長くかかるという問題が生じる。

【０００３】 又、従来のこの種の丼物の素は、具材や煮汁などの材料全体が均一に混合され てレトルトパウチなどのように不透明な袋に入れられていたため、加熱後、袋か ら取り出してご飯の上にのせる場合には、たとえばカツ丼の素におけるトンカツ などのような主材料であっても、ご飯の上でどのような配置状態になるかわから ないという、見栄え上の問題もあった。

【０００４】 さらに、カツ丼の素の場合は、主材料であるトンカツ片と煮汁（とじ卵）とを 均一混合状態で長期間、袋詰めしておくと、煮汁の水分がトンカツのコロモに移 行し、トンカツのコロモがふやけて食感が悪くなってしまうという問題も生じる 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本願考案は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、熱湯による加熱に便 利で、喫食時の見栄えも良好にすることのできる冷凍食品を提供することを目的 とするものである。

【０００６】 又、本願考案は、カツ丼のコロモにほとんどふやけが生じない状態を保持する ことのできる食感のよいカツ丼の素を提供することを他の目的とするものである 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本願考案では上記目的を達成するための手段として、先ず、牛丼、カツ丼、カ レー丼、中華丼などの丼物の素を円盤形状に成形して凍結し、これを透明又は半 透明の真空包装用フィルムで真空包装する。

【０００８】 その場合、カツ丼の素の場合におけるトンカツや牛丼の素の場合における玉ネ ギなどの主たる固形具材は、外から見えるように凍結体の最上部に配材するとよ い。

【０００９】

【実施例】

次に、図１ないし図３を参照して本願考案の好適な実施例を説明する。

【００１０】 図１及び図２は本願考案を、カツ丼の素に適用した実施例を示しており、図１ 、図２において符号１は凍結したカツ丼の素である。この凍結状態にあるカツ丼 の素１は、柔軟性をもつ透明又は半透明の真空包装フィルム２で真空包装されて いる。

【００１１】 図１、図２において、符号１１は煮汁ととじ卵の混合体で、符号１２は細切り した玉ねぎなどの固形具材、１３はカツ丼のトッピング食材であるトンカツ片で ある。トンカツ片１３は、最上部に見栄えよく配材されているとともに、加熱後 の喫食時にはそのままの状態でご飯の上に載せられる。

【００１２】 このカツ丼の素は、コロモつきのトンカツ片１３が最上部に載せられた状態で 凍結されているので、トンカツ片１３の上側のコロモには煮汁からの水分が移行 することがない。又、煮汁と接触している下側のコロモも、煮汁がきわめて短時 間で凍結されるために、水分の移行も僅かで、トンカツ片全体としては、ふやけ の少ない良好な食感を維持することができる。

【００１３】 本願考案にかかる各種丼物の素は、通常は図３に示すように鍋３２を使用して 熱湯で加熱される（約１２分）。その場合、本願考案の各種丼物の素は、本体部 分が円盤形状に成形されているから、鍋の形状と一致し、従来例のように袋のカ ドが鍋３２の上縁３２ａに引掛るということがなく、全体を均一に加熱すること ができる。なお、凍結した円盤形状の丼物の素の周辺にある真空包装用のフィル ム片（２ａ，２ａ・・）は、柔軟性を有しているから容易に鍋の中へ引込まれ、 本体の丼物の素の加熱に妨げとなることがない。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本願考案の冷凍食品は、使用した素材が円盤 形状をし、さらに柔軟性をもつフィルムで真空包装されているため鍋の中に入れ る際にも周辺の４隅が鍋の上縁に引掛ることがない。したがって、各種丼物の素 を短時間で均一に加熱することができる効果がある。又、加熱に使用する湯量も 少なくてよく、燃料費の節減にも寄与することができる。

【００１５】 さらに本願考案の冷凍食品は、透明又は半透明のフィルムを使用して真空包装 しているため、内部の各種食材の状態が外から見え、たとえば、カツ丼の素や牛 丼の素のような場合には、トンカツ片や玉ネギ等を中央部に位置させたままのカ ツ丼の素や牛丼の素をご飯の上に載せることができ、見栄えもよくなるという効 果がある。

【００１６】 さらに本願考案をカツ丼の素に適用した場合に、トンカツ片を凍結体の最上部 に配材すれば、トンカツのコロモに対する煮汁からの水分の移行が少なくなり、 食感の向上にも寄与する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の実施例にかかる冷凍食品の斜視図。

【図２】図１の冷凍食品のII-II断面図。

【図３】図１の冷凍食品の加熱調理状態説明図。

【図４】従来の丼物の素の加熱調理状態説明図。

【符号の説明】

１は凍結状態にある丼物の素、２は真空包装用フィル
ム、１１は煮汁などの凍結体、１２は玉ネギや牛肉片な
どの固形具材、１３はトンカツ片などのトッピング具材
である。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 牛丼、カツ丼、カレー丼、中華丼などの
   丼物の素を円盤形状に成形して凍結した凍結食品が柔軟
   性をもつ透明又は半透明の真空包装用フィルムで真空包
   装されていることを特徴とする冷凍食品。
2. 【請求項２】 カツ丼の素の場合におけるトンカツ、牛
   丼の場合における玉ネギなどの主たる固形具材が可視状
   態で凍結食品の最上部に配材されていることを特徴とす
   る請求項１記載の冷凍食品。
3. 【請求項３】 カツ丼用煮汁の上にトンカツを載置した
   状態のカツ丼の素を円盤形状に成形して凍結した凍結食
   品が柔軟性をもつ透明又は半透明の真空包装用フィルム
   で真空包装されていることを特徴とする冷凍食品。