JP3083348B2 - ピリジン−2,3−ジカルボン酸ジアルキルの製造方法 - Google Patents

ピリジン−2,3−ジカルボン酸ジアルキルの製造方法

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JP3083348B2 JP03163371A JP16337191A JP3083348B2 JP 3083348 B2 JP3083348 B2 JP 3083348B2 JP 03163371 A JP03163371 A JP 03163371A JP 16337191 A JP16337191 A JP 16337191A JP 3083348 B2 JP3083348 B2 JP 3083348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の目的はジクロロこはく酸ジアルキ
ル、脱ハロゲン化水素剤、アンモニア源及び適当に置換
したα,β−不飽和アルデヒド又はケトンを使用する置
換及び非置換−2,3−ピリジンジカルボン酸エステル
の製造のための効率的で有効な方法を提供することにあ
る。
【0002】ここに記述する本発明は式I
【0003】
【化4】
【0004】式中でRはC1〜C6アルキルであり;X及
びZは独立して水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C
1〜C4アルコキシ又はC2〜C5アルケニルであり、且つ
Yは水素、ハロゲン、場合によっては1〜3のハロゲ
ン、ヒドロキシ基、C1〜C4アルコキシ基又はC1〜C4
アルキルチオ基で置換してあるC1〜C6アルキル、C1
〜C4アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、フェ
ニルチオ、置換したフェニルチオ、フェノキシ、置換し
たフェノキシ、フェニル又は置換したフェニルである、
の置換及び非置換2,3−ピリジンジカルボン酸エステ
ルの製造のための新規方法に関する。式Iの化合物は除
草作用を有する2−(2−イミダゾリン−2−イル)ニ
コチン酸エステルの製造の中間体として有用である。該
除草剤ニコチン酸エステルの製造方法は米国特許第4,
758,667号中に記されており、次のように表わさ
れる。
【0005】
【化5】
【0006】上式中でR1は水素又はC1〜C4アルキル
であり;R2は水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C3
〜C6シクロアルキルであり又はR1及びR2は共同して
場合によってはメチルで置換してあるC3〜C6シクロア
ルキルを形成することができ且つX、Y及びZは式Iに
対して記したとおりである。
【0007】ここに、式Iのピリジン−2,3−ジカル
ボン酸エステルは式IIのジクロロこはく酸ジアルキル
を、たとえば低級アルキルアルコールのような溶剤の存
在において、少なくとも1モル当量の、たとえば酢酸ア
ンモニウム又はトリアルキルアミンのような、脱ハロゲ
ン化水素剤と反応させて中間体を生成させ、該中間体
を、場合によっては加熱下に、アンモニア源と反応させ
て第二の中間体を生成させ且つ該第二の中間体を、ぎ酸
又は酢酸などのような酸の存在において、少なくとも1
モル当量の式III(式中でX、Y及びZは式Iに対し
て先に記したとおりである)のα,β−不飽和アルデヒ
ド又はケトンと反応させることによって式IIのジクロ
ロこはく酸ジアルキルから効率的に且つ効果的に製造で
きることが見出された。この方法を次に示す。
【0008】
【化6】
【0009】本発明の方法において使用するために適す
る脱ハロゲン化水素剤は、たとえば酢酸アンモニウム、
炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、スルフ
ァミン酸アンモニウムなどのような、アンモニア源とし
ても働らくことができるものである。同じく適当なもの
は、トリアルキルアミン、ピリジン、ピコリン、ハロゲ
ン化テトラアルキルアンモニウムのような第四アンモニ
ウム塩などの試薬である。いうまでもなく、上記のアン
モニア源に加えて、アンモニア自体をも本発明の方法に
おいて使用することができる。
【0010】本発明の一実施形態において、使用する溶
剤はアルコール、アセトニトリルのようなニトリル、
N,N−ジメチルホルムアミドのようなカルボン酸アミ
ド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドのよ
うなスルホキシド、スルホンなどのような極性溶剤とす
ることができる。
【0011】本発明の方法において用いることができる
式IIIのα,β−不飽和アルデヒド又はケトンはアク
ロレイン、メタクロレイン、エタクロレイン、クロトン
アルデヒド、メチルビニルケトン、α−n−ブチルアク
ロレイン、4−メチル−2−ヘキサナール、α−メトキ
シメタクロレイン、α−クロロメタクロレイン、α−ト
リフルオロメタクロレイン、シンナムアルデヒド、α−
エトキシアクロレイン、α−ホルミルアクリル酸メチ
ル、α−(2−シアノエチル)アクロレインなどであ
る。
【0012】本発明の別の実施形態においては、上記の
ようにして生成させた第二の中間体と式IIIのα,β
−不飽和アルデヒド又はケトンから成る反応混合物を、
白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ニッケ
ル、鉄、銅、アンチモン、コバルト、ロジウムなどの金
属又は化合物を包含する、この分野で一般的であるよう
な脱水素触媒で処理することができる。脱水素触媒は一
般に、アルミナ、炭素、白土、ゼオライト、クロミア、
ジルコニアなどのような適当な担体上に析出させた脱水
素金属又はその化合物の形態で使用する。
【0013】本発明の方法の使用により、式IIのジク
ロロこはく酸ジアルキルを適当な溶剤中で少なくとも1
モル当量の脱ハロゲン化水素剤と混合し、場合によって
は不溶解物を濾別し、濾液又は濾過しない反応混合物を
無水アンモニアで処理し、場合によっては該反応混合物
をエナミン中間体の生成が完了するまで加熱し、場合に
よっては不溶解物を濾別し、濾液又は濾過しない反応混
合物に酸、たとえば硫酸及びりん酸のような鉱酸、ぎ
酸、酢酸又はプロピオン酸のような有機酸を加え、次い
で、場合によっては脱水素触媒を加えて少なくとも1モ
ル当量のα,β−不飽和アルデヒド又はケトンで処理
し、場合によっては生じる反応混合物を式Iのピリジン
ジカルボン酸エステルの生成が完了するまで加熱するこ
とによって、4、5、及び6位に置換基を含有するピリ
ジンジカルボン酸エステルを具合よく製造することがで
きる。
【0014】反応の完了後に、所望のピリジン−2,3
−ジカルボン酸エステルを、たとえば、抽出、蒸留、再
結晶、クロマトグラフィーなどのような常法を用いて単
離及び精製することができる。
【0015】第二の中間体エナミン及び式Iの生成物の
生成の速度は温度に依存するから、反応混合物を約45
℃以上の温度に加熱することによって反応時間を効果的
に低下させることができる。
【0016】本発明の理解を一層容易とするために、主
として本発明の一層詳細ないくつかの細部を例証するた
めの以下の実施例を提示するが、本発明をこれらの実施
例によって制限しようとするものではない。1HNMR
及びIRは、それぞれ、陽子磁気共鳴及び赤外スペクト
ルを意味する。他のことわりがない限りは、部数はすべ
て重量による部数である。
【0017】
【実施例1】酢酸アンモニウムを使用するジクロロこは
く酸ジエチルからの5−エチル−2,3−ピリジンジカ
ルボン酸ジエチルの製造 無水エタノール中のジクロロこはく酸ジエチル(12.
2g、0.05モル)と酢酸アンモニウム(15.4
g、0.20モル)の撹拌混合物を60℃で6時間加熱
し、20℃に冷却し、過剰の無水アンモニア(5.0
g、0.29モル)で処理し、過剰のアンモニアを除去
するために部分的に蒸留し、30℃まで冷却したのち濾
過する。濾過ケーキをエタノールで洗浄し、濾液を合わ
せて真空濃縮する。このようにして濃縮した反応溶液を
酢酸で処理し、2−エタクロレインのエタノール溶液の
滴下により70℃において11/2時間、さらに70℃で
4時間(ガスクロマトグラフィー分析によって反応が完
了するまで)にわたって処理し、真空下に濃縮して粗製
の油状残留物を取得する。油状の残留物を蒸留して、沸
点151〜152℃/2mmHgの黄褐色の油状物とし
て標記の生成物を取得する。
【0018】
【実施例2】トリエチルアミンを使用するジクロロこは
く酸ジエチルからの5−エチル−2,3−ピリジンジカ
ルボン酸ジエチルの製造 エタノール中のジクロロこはく酸ジエチル(24.6
g、0.10モル)の溶液を5分間にわたってトリエチ
ルアミン(12.2g、0.12モル)で処理し、室温
で12時間撹拌し、無水アンモニア(7.3g、0.4
3モル)により20℃で処理し、45〜50℃で3時間
加熱したのち濾過する。濾過ケーキをエタノールで洗浄
し、濾液を合わせ、真空下に濃縮して溶剤とアンモニア
を除去する。かくして得た粘稠な油をエタノールと酢酸
で希釈し、2−エタクロレイン(19.5g、0.23
2モル)で処理し、70℃で6時間加熱したのち、60
℃で真空蒸留して溶剤を除く。残留物をトルエン中にと
り、水洗後に真空濃縮して粗製の油状残留物を得る。油
状残留物の真空蒸留は沸点151〜152℃/2mmH
gの黄褐色油状物として首題の生成物を与える。
【0019】
【実施例3】ジクロロこはく酸ジアルキルからの置換し
た2,3−ピリジンジカルボン酸ジアルキルの製造 実施例2中に記したものと実質的に同一の手順を用いて
特定の異なるジクロロこはく酸ジアルキルと適当なα,
β−不飽和アルデヒドを使用して行なう反応は、下記の
式Iのピリジンジカルボン酸エステルを与える。
【0020】
【表1】
【0021】上記の各化合物は1HNMRとIR分光分
析によって同定することができる。
【0022】本発明の主な特徴及び態様を記すと次のと
おりである。
【0023】1.式II
【0024】
【化7】
【0025】式中でRはC1〜C6アルキルであるのジク
ロロこはく酸ジアルキルを溶剤の存在において脱ハロゲ
ン化水素剤と反応させて第一の中間体を生成させ、該第
一の中間体をアンモニア源と反応させて第二の中間体を
生成させ、該第二の中間体を溶剤の存在において式II
【0026】
【化8】
【0027】式中でX及びZは独立して水素、ハロゲ
ン、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ又はC2
5アルケニルであり、且つYは水素、ハロゲン、場合
によっては1〜3のハロゲン、ヒドロキシ基、C1〜C4
アルコキシ基又はC1〜C4アルキルチオ基で置換してあ
るC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシカルボニル、
アミノカルボニル、フェニルチオ、置換したフェニルチ
オ、フェノキシ、置換したフェノキシ、フェニル又は置
換したフェニルである、のα,β−不飽和アルデヒド又
はケトン及び酸と反応させて式I
【0028】
【化9】
【0029】式中でX、Y、Z及びRは前記のとおりで
ある、のピリジンジカルボン酸エステル化合物を生成さ
せることを特徴とする該式Iの化合物の製造方法。
【0030】2.式I中でX及びZは水素であり且つY
は水素、ハロゲン、1〜3個のハロゲン、C1〜C4アル
コキシ基又はC1〜C4アルキルチオ基で置換されていて
もよいC1〜C4アルキル基である式Iのピリジンジカル
ボン酸エステルの製造のための上記第1項記載の方法。
【0031】3.脱ハロゲン化水素剤はアンモニア塩で
あり、溶剤は極性溶剤であり、酸は酢酸であり且つ第二
の中間体を45℃以上の温度で生成させる上記第1項記
載の方法。
【0032】4.式Iのピリジンジカルボン酸エステル
化合物を45℃以上の温度で生成させる上記第1項記載
の方法。
【0033】5.式IIIのα,β−不飽和アルデヒド
又はケトンを少なくとも1モル当量の量で存在させる上
記第1項記載の方法。
【0034】6.製造する式Iの化合物はピリジン−
2,3−ジカルボン酸ジアルキル、5−メチル−2,3
−ピリジンジカルボン酸ジアルキル、5−エチル−2,
3−ピリジンジカルボン酸ジアルキル、5−(メトキシ
メチル)−2,3−ピリジンジカルボン酸ジアルキル及
び5−(クロロメチル)−2,3−ピリジンジカルボン
酸ジアルキルから成るグループから選択する上記第2項
記載の方法。
【0035】7.製造する式Iの化合物はピリジン−
2,3−ジカルボン酸ジエチル、5−メチル−2,3−
ピリジンジカルボン酸ジエチル、5−エチル−2,3−
ピリジンジカルボン酸ジエチル、5−(メトキシメチ
ル)−2,3−ピリジンジカルボン酸ジエチル、及び5
−(クロロメチル)−2,3−ピリジンジカルボン酸ジ
エチルから成るグループから選択する上記第6項記載の
方法。
【0036】8.上記第1項記載の方法によって製造し
た式(I)のピリジンジカルボン酸化合物。
【0037】9.上記第1項記載の方法によって製造し
た5−エチル−2,3−ピリジンジカルボン酸ジエチル
である式(I)のピリジンジカルボン酸エステル化合
物。
【0038】10.上記第1項記載の方法によって製造
した5−(メトキシメチル)−2,3−ピリジンジカル
ボン酸ジエチルである式(I)のピリジンジカルボン酸
エステル化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヨージ・アネロ・チアレロ アメリカ合衆国ニユージヤージイ州 08620ヤードビル・ドードライブ44 (72)発明者 ウイリアム・フレデリツク・リーカー アメリカ合衆国ニユージヤージイ州 08536プレインズボロ・フエザントハロ ウドライブ7−06 (56)参考文献 特開 平2−204481(JP,A) 特開 平1−316362(JP,A) 特開 平2−286660(JP,A) 特開 平1−139566(JP,A) 特開 平1−135769(JP,A) 特開 平1−135768(JP,A) 特開 昭63−301867(JP,A) 特開 平4−230262(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 213/803 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式II 【化1】 式中でRはC1〜C6アルキルであるのジクロロこはく酸
    ジアルキルを溶剤の存在において脱ハロゲン化水素剤と
    反応させて第一の中間体を生成させ、該第一の中間体を
    アンモニア源と反応させて第二の中間体を生成させ、該
    第二の中間体を溶剤の存在において式III 【化2】 式中でX及びZは独立して水素、ハロゲン、C1〜C4
    ルキル、C1〜C4アルコキシ又はC2〜C5アルケニルで
    あり、且つYは水素、ハロゲン、場合によっては1〜3
    のハロゲン、ヒドロキシ基、C1〜C4アルコキシ基又は
    1〜C4アルキルチオ基で置換してあるC1〜C6アルキ
    ル、C1〜C4アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
    ル、フェニルチオ、置換したフェニルチオ、フェノキ
    シ、置換したフェノキシ、フェニル又は置換したフェニ
    ルである、のα,β−不飽和アルデヒド又はケトン及び
    酸と反応させて式I 【化3】 式中でX、Y、Z及びRは前記のとおりである、のピリ
    ジンジカルボン酸エステル化合物を生成させることを特
    徴とする該式Iの化合物の製造方法。
JP03163371A 1990-06-15 1991-06-10 ピリジン−2,3−ジカルボン酸ジアルキルの製造方法 Expired - Lifetime JP3083348B2 (ja)

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