JP3073888B2 - チキソ性フルオロシリコーンゲル組成物 - Google Patents

チキソ性フルオロシリコーンゲル組成物

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JP3073888B2 JP06159511A JP15951194A JP3073888B2 JP 3073888 B2 JP3073888 B2 JP 3073888B2 JP 06159511 A JP06159511 A JP 06159511A JP 15951194 A JP15951194 A JP 15951194A JP 3073888 B2 JP3073888 B2 JP 3073888B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐溶剤性、チキソ性に
優れ、硬化後にゲル状硬化物を与える付加硬化型のフル
オロシリコーンゲル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゲルは、電気絶縁性、電気特
性の安定性及び柔軟性等の特性に優れており、電気、電
子部品のポッティング、封止用として、例えばパワート
ランジスター、IC、コンデンサー等の制御回路素子を
被覆し、熱的及び機械的障害から保護するための被覆材
料として使用されている。
【0003】近年、シリコンチップのピエゾ抵抗効果を
利用した半導体式圧力センサの出現により、各種分野で
のセンサのエレクトロニクス化が進んでいる。例えば、
自動車の燃料噴射制御のための空気量センサ、ガソリン
タンク内のガソリン蒸気圧力センサ、給湯システムの水
圧やガス圧センサとして、上記半導体式圧力センサが使
用されている。しかし、センサが触れる測定媒体中の腐
食性成分により電極部が腐食したり或いは感圧チップ面
に汚染物が付着したりするとセンサ特性が変化しやすい
と言う問題があった。このために、センサ特性に影響を
及ぼさない保護材の開発が望まれている。このような保
護材に望まれる基本特性は、高純度であり、表面の硬
さ、硬化収縮、溶剤等による膨潤などによって、センサ
特性に悪影響を及ぼさないことである。これらの要求を
満たすものとして耐溶剤性に優れるシリコーンゲルが注
目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体式圧
力センサの保護材としてシリコーンゲルを用いる場合に
は、例えばセンサ表面に、ゲル形成能を有するシリコー
ン組成物(シリコーンゲル組成物)でスポットポッティ
ングを行うことが必要である。しかし、従来公知のシリ
コーンゲル組成物は流動性が大きいためスポットポッテ
ィングを行うには適当でなく、センサ上に有効な保護層
を形成することができない。従って、上述した半導体式
圧力センサの保護材用としては、流動性の小さいシリコ
ーンゲル組成物が望まれている。
【0005】また、単にシリコーンゲル組成物の粘度を
高めることにより流動性を小さくした場合には、硬化の
ための加熱時に組成物の低粘度化が生じるため、やはり
センサ上に有効な保護層を形成することができない。
【0006】従って、本発明の課題は、柔軟なゲル硬化
物(シリコーンゲル)を形成することが可能であり、し
かもディスペンサー等によるポッティング作業により剪
断応力が加わった時には、見かけの粘度が低いためにポ
ッティングしやすく、剪断応力が加わっていない時に
は、見かけの粘度が高く流動しないというチキソ性を有
しているシリコーンゲル組成物を提供することにある。
【0007】本発明の他の課題は、半導体式圧力センサ
の保護材としての用途に極めて有用なシリコーンゲル組
成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、 (A)下記平均式(1):
【化3】 式中、Rは、アルケニル基を示し、R1 は、同一でも異
なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基、フ
ェニル基、または3,3,3−トリフルオロプロピル基
を示し、xは、0.3≦x≦2を満足する数、mは、1以
上の整数である、で表され、25℃における粘度が10
0〜10,000cpの範囲にあるアルケニル基含有オ
ルガノポリシロキサン (B)下記一般式(2):
【化4】 式中、R1 は、前記と同じ意味であり、R2 は、同一で
も異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜8の
アルキル基、フェニル基、または3,3,3−トリフル
オロプロピル基であり、p及びqは、それぞれ0以上の
整数であり、rは、1以上の整数である、で表され、2
5℃における粘度が5〜100cpの範囲にあるケイ素
原子結合水素原子を分子中に3個以上有するオルガノハ
イドロジェンポリシロキサン、(C)白金系触媒、
(D)ケイ素原子に結合した有機置換基としてメチル基
のみを有するシラザン、クロロシラン、アルコキシシラ
ンもしくはポリシロキサンにより疎水化処理され、50
2 /g以上の比表面積を有する微粉末シリカ、を含有
しているチキソ性フルオロシリコーンゲル組成物が提供
される。
【0009】尚、本発明において、シリコーンゲルと
は、3次元網目構造を有する架橋構造物であり、AST
M D−1403(1/4コーン)で測定した針入度
が、0〜200の範囲にある硬化物を意味するものであ
る。
【0010】
【発明の好適態様】(A)成分 (A)成分のオルガノポリシロキサンは、前記平均式
(1)から明らかな通り、線状の分子構造を有してお
り、また式中のxの値(0.3〜2)及びRがアルケニル
基であることから、分子鎖両末端の15%以上はアルケ
ニルシロキシ単位で封鎖されていることが理解される。
このアルケニル基と、後述する(B)成分中のSiH基
との付加反応によりシリコーンゲルが形成されるのであ
る。例えば、xの値が0.3よりも小さい場合には、架橋
密度が低く、ゲルを形成することが困難となる。
【0011】またこのアルケニル基含有オルガノポリシ
ロキサンは、実質的に3,3,3−トリフルオロプロピ
ルシロキサン単位のみで主鎖が構成されていることが重
要であり、例えば、(Me2 SiO)単位(ここで、M
eはメチル基を示す)等の他のシロキシ単位が主鎖中に
導入されていると、後述する(D)成分との相互作用が
損なわれ、目的とするチキソ性を発現させることができ
ない。さらに、このような含フッ素シロキサン単位によ
り主鎖が構成されているため、耐溶剤性が良好となる。
即ち、得られるシリコーンゲルは、溶剤等での膨潤によ
る応力の発生が小さく、センサ機能を損なうことなくそ
の保護が可能となる。
【0012】前記平均式(1)において、Rで示される
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、
プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセ
ニル基、シクロヘキセニル基等の炭素原子数2〜8のも
のが代表的で、好ましくは炭素原子数2〜6のものであ
るが、中でも好ましいものはビニル基及びアリル基であ
る。またR1 は炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニ
ル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基から選択
される。ここで炭素原子数1〜8のアルキル基(好まし
くは炭素原子数1〜6のもの)としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オ
クチル基などを例示することができる。本発明におい
て、このR1 として好適な基は、メチル基である。
【0013】また、式中、mは1以上の整数でよいが、
このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、
100〜10,000cp、特に400〜5,000c
pの範囲にあることが必要である。この様な観点から平
均式(1) において、mは10〜200、特に10〜15
0の整数であることが好ましい。粘度範囲が上記範囲外
であると、良好な物性のシリコーンゲルを得ることが困
難となる。
【0014】上述した(A)成分のアルケニル基含有オ
ルガノポリシロキサンは、例えばメチル−3,3,3−
トリフルオロプロピルシロキサン環状三量体の五配位珪
素触媒による開環重合により得られる。この開環重合は
それ自体公知であり、例えば米国特許第3,445,426 号
(特公昭45−1070号公報)に開示されているよう
に、水、末端シラノールオルガノポリシロキサン、トリ
オルガノシラノール等を五配位珪素触媒の存在下でメチ
ル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン環状
三量体と反応させることによって行われる。本発明にお
いて、この反応は50℃以下の温度で行うことが好まし
い。
【0015】即ち、反応温度を50℃よりも高くする
と、一般に、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピ
ルシロキサン環状四量体及び五量体(F4 ,F5 )が多
量に副生し、これは減圧留去することが困難である。例
えば、このようにして調製されたオルガノポリシロキサ
ンを、本発明における(A)成分として使用すると、形
成されるシリコーンゲルには、架橋に関与しないF4
5 が多量に含まれるため、溶剤環境下に置かれた場
合、F4 ,F5 が溶剤により抽出され、ゲルの収縮を生
じる。従って、かかるシリコーンゲルが圧力センサの保
護材として使用された場合、F4 ,F5 の抽出によるゲ
ルの収縮で、センサ特性に悪影響を与えてしまうからで
ある。上記の反応温度を50℃以下に設定すれば、F4
及びF5 の副生を極力抑えることができ、本発明の組成
物の(A)成分として有効に使用することができる。
【0016】(B)成分 (B)成分は、前記一般式(2)で示されるオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンであり、架橋剤として作用
し、上記(A)成分のアルケニル基との付加反応により
シリコーンゲルを形成する。従って、該オルガノハイド
ロジェンポリシロキサンは、ケイ素原子に直結した水素
原子(即ち、SiH基)を分子中に少なくとも3個有す
ることが必要である。
【0017】該式中、R1 は、前記平均式(1)で示し
た通りであり、特に好ましいものは、メチル基である。
またR2 は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル
基、フェニル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル
基から選択される。ここで、炭素原子数1〜8のアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シ
クロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。特にR
2 として好適なものは、メチル基または水素原子であ
る。p及びqは0以上の整数であり、rは1以上の整数
である。また、かかるオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンは、合成の容易さ及び作業性の面から25℃にお
ける粘度が5〜100cpの範囲にあることが必要であ
る。この様な点から、一般式(2) におけるp、q、rは
それぞれについて、pは0〜50、特に3〜20の整
数;qは0〜20の整数;rは1〜20、特に4〜12
の整数であることが好適である。
【0018】(B)成分の配合量は(A)成分中のオル
ガノポリシロキサンが有するアルケニル基1個当り、ケ
イ素原子に直結した水素原子が0.5〜2.0個、特に0.8
〜1.5個となる量とすることが好ましい。
【0019】(C)成分 (C)成分の白金系触媒は、上述した(A)成分中のア
ルケニル基と(B)成分中のSiH基との付加反応を促
進させるための触媒であり、それ自体公知のものであ
る。例えば、代表的なものとして、塩化白金酸、塩化白
金酸のアルコール変性溶液、塩化白金酸とオレフィン類
またはビニルシロキサンとの配位化合物等がある。かか
る(C)成分の配合量は、所謂触媒量でよく、通常、
(A)成分に対して1ppm 以上、好ましくは1〜500
ppm 、より好ましくは3〜100ppm (白金換算)の範
囲である。
【0020】(D)成分 (D)成分の微粉末シリカは、先にも説明した通り、硬
化前の組成物にチキソ性を付与するために重要な働きを
なすフィラー成分である。この成分は、硬化後に溶剤等
で抽出されることがなく、また収縮することもないた
め、組成物をセンサー等の保護材として使用した場合に
も、センサ特性に悪影響を及ぼすことはない。
【0021】かかる微粉末シリカは、(A)成分との相
互作用により充分なチキソ性を発現せしめるものである
が、このためには、少なくとも50m2 /g、好ましく
は50〜400m2 /gの比表面積を有していること及
びケイ素原子に結合した有機置換基としてメチル基のみ
を有するシラザン、クロロシラン、アルコキシシランも
しくはポリシロキサンによりその表面が疎水化処理され
ていることが必要であり、これらの何れを欠いても、目
的とするチキソ性は付与されない。
【0022】上記のような表面処理剤として、具体的に
は、ヘキサメチルジシラザン;トリメチルクロロシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラ
ン;トリメチルアルコキシシラン、ジメチルジアルコキ
シシラン、メチルトリアルコキシシラン(ここで、アル
コキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等が挙げられる);環状あるいは直鎖状
のポリジメチルシロキサン等を例示することができ、こ
れらは単独でも2種以上を組み合わせても使用される。
ジメチルポリシロキサンとしては、環状でも直鎖状でも
よい。通常、疎水化処理された微粉末シリカとしては、
表面処理後の疎水化されたフィラー表面のカーボン量
(疎水化されたシリカ全体に対する)が0.3〜8重量
%であることが好適である。また、この様な表面処理シ
リカは、高純度品であることが望ましい。その純度は、
組成物の純度を大きく左右するからである。
【0023】このような高純度の微粉末シリカとして
は、例えばAerosil−812,R−812S,R
−972,R−974(Degussa社製),Rhe
orosil MT−30(徳山曹達社製),Nips
il SSシリーズ(日本シリカ社製),Cabosi
l TS−720(Cabot社製)等の市販品を使用
することができる。
【0024】かかる微粉末シリカは、通常、(A)及び
(B)成分の合計量 100重量部当り、0.5〜10重量
部、特に2〜7重量部の量で配合されていることが望ま
しい。0.5重量部未満では十分なチキソ性が得られず、
硬化前の組成物をスポットポッティングした場合、たれ
流れてしまう。また10重量部を超えると粘度が増大し
作業性を低下させる原因となる。最も好ましくは、組成
物のチキソ係数が1.5〜3.0、好ましくは2.0〜2.7の
範囲となるような量で配合されているのがよい。尚、チ
キソ係数とは、回転粘度計による粘度測定において、回
転速度の低速(例えば、4〜12rpm)と高速(例え
ば、20〜60rpm)とにおける見掛け粘度の比を意
味する(ただし、高速回転の速度と低速回転の速度の比
が少なくとも5、好ましくは5〜10の範囲内であ
る)。
【0025】その他の配合剤 本発明の組成物においては、上記の(A)〜(D)成分
以外にも、それ自体公知の各種配合剤を添加することも
できる。例えばポリメチルビニルシロキサン環状化合
物、アセチレン化合物、有機リン化合物等の反応制御剤
を添加して硬化反応の制御を行なうことも可能である。
またケイ素原子に結合したSiH基を1分子中に1個有
するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加し、
シリコーンゲルの硬さ等を調整することもできる。
【0026】フルオロシリコーンゲル組成物 本発明のフルオロシリコーンゲル組成物は、上述した各
成分を均一に混合することによって容易に調製される。
この組成物は、チキソ性を有するため、例えばスポット
ポッティング等の作業を有効に行うことができる。また
60〜150℃程度に加熱することにより速やかに硬化
してシリコーンゲルを形成する。このゲルは、適度な柔
軟性を有しており、しかも耐溶剤性に優れ、収縮等を生
じないことから、半導体式圧力センサの保護材としての
用途に極めて有用である。
【0027】
【作用】本発明は、3,3,3−トリフルオロプロピル
シロキサン単位により主鎖が構成されているアルケニル
基含有オルガノポリシロキサンをシリコーンゲル組成物
のベースポリマー(成分A)として使用することによ
り、耐油性等の耐溶剤性を確保するとともに、これと組
み合わせで、ケイ素原子に結合した有機置換基としてメ
チル基のみを有するシラザン、クロロシラン、アルコキ
シシランもしくはポリシロキサンにより疎水化処理され
た微粉末シリカ(成分D)を使用することにより、チキ
ソ性を有するシリコーンゲル組成物を得ることに成功し
たものである。このようなベースポリマーと微粉末シリ
カとの組み合わせによりチキソ性が有効に発生する理由
は明確ではないが、おそらく、ベースポリマー中の3,
3,3−トリフルオロプロピル基と、微粉末シリカ表面
に導入されているメチル基との表面エネルギーが大きく
異なっているためではないかと思われる。
【0028】
【実施例】以下の例において、粘度は全て25℃での測
定値であり、「部」は「重量部」を意味し、Meはメチ
ル基、Viはビニル基を示す。またチキソ係数は、回転
速度の比(低速/高速)を1/5として測定した。シリ
コーンゲル組成物用の原料としては、以下のものを使用
した。
【0029】ポリシロキサン−A1;メチル−3,3,
3−トリフルオロプロピルシロキサン環状三量体 74
2g 水 0.3g トリメチルシラノール 14.2g、及びアセトニトリ
ル 220g の混合物を10℃に保って攪拌し、この混合物に下記
式: [ C 6 H 5 Si(O 2 C 6 H 4 ) 2 ] - ・C 6 H 5 CH2 ( C
H3 ) 3 N + で表される5配位ケイ素触媒0.02gを添加して5時
間重合を行った。次いで、この5時間重合した後の混合
液に、ビニルジメチルクロロシラン 22g、及びジビ
ニルテトラメチルジシラザン 35gを添加して得られ
た重合体の分子末端のシリル化を行った。次いで、溶剤
を加熱減圧留去した後、塩酸塩を濾過することにより、
粘度が3000cpの下記式:
【化5】 で表されるポリシロキサン−A1を得た。
【0030】ポリシロキサン−A2;メチル−3,3,
3−トリフルオロプロピルシロキサン環状三量体 75
8g 〔(CH3 2 SiO〕4 153g 〔CH2 =CH(CH3 2 Si〕2 O 3.
1g 〔(CH3 3 Si〕2 O 2.2g を混合し、得られた混合物に平衡化触媒 CF3 SO3 H 0.45g を添加し、室温で8時間平衡化させた。反応終了後、重
炭酸ナトリウム18gを添加して中和し、生成物を濾過
して中和塩および過剰の重炭酸ナトリウムを除去した。
生成物をストリッピングして粘度が5000cpの下記
式:
【化6】 で表されるポリシロキサンを得た。
【0031】ハイドロジェンポリシロキサンB1; 下
記式:
【化7】 で表されるポリシロキサン(粘度:30cp)
【0032】触媒−C1;塩化白金酸とテトラメチルジ
ビニルジシロキサンを加熱して得られたもの(白金含有
量:白金換算で3重量%)
【0033】微粉末シリカ−D1;Aerosil-R-972(Degu
ssa 社製);ジメチルジクロロシラン処理シリカ(比表
面積:120m2 /g,疎水表面上の炭素含有量:炭素
分換算で0.8重量%) 微粉末シリカ−D2;Cabosil TS-720(Cabot社製);ヘ
キサメチルジシラザン処理シリカ(比表面積:100m
2 /g,疎水表面上の炭素含有量:炭素分換算で4.5
重量%) 微粉末シリカ−D3;ヒュームドシリカをジ(3,3,
3−トリフルオロプロピル)テトラメチルジシラザンで
表面処理したもの(比表面積:200m2 /g,疎水表
面上の炭素含有量:炭素分換算で4.5重量%)
【0034】実施例1 ポリシロキサン−A1 100部、 微粉末シリカ−D1 3.5部、 をプラネタミキサー中で均一になるまで混合し、更に1
50℃で1時間熱処理した。室温に冷却後、この混合物
に、 触媒−C1 0.015部、 エチニルシクロヘキサノール 0.05部、 ハイドロジェンポリシロキサンB1 6.5部、 を添加し、均一になるまで混合してシリコーンゲル組成
物を調製した。
【0035】得られた組成物の粘度を、回転粘度計を用
いて6rpmと30rpmの回転数で測定し、またその
粘度からチキソ係数を求めた。さらに、この組成物を1
50℃×1時間加熱してゲル状物を形成した。このゲル
の針入度(ASTM D−1403 1/4コーン)を
測定した。これらの結果を表1に示す。
【0036】実施例2 微粉末シリカ−D1の使用量を3.0部に変更した以外
は、実施例1と同様に処理してシリコーンゲル組成物を
調製した。実施例1と同様にして測定した組成物の粘
度、チキソ係数及びゲルの針入度を、表1に示す。
【0037】実施例3 微粉末シリカ−D1の代わりに、3.5部の微粉末シリカ
−D2を使用した以外は、実施例1と同様に処理してシ
リコーンゲル組成物を調製した。実施例1と同様にして
測定した組成物の粘度、チキソ係数及びゲルの針入度
を、表1に示す。
【0038】比較例1 微粉末シリカ−D1の代わりに、3.5部の微粉末シリカ
−D3を使用した以外は、実施例1と同様に処理してシ
リコーンゲル組成物を調製した。実施例1と同様にして
測定した組成物の粘度、チキソ係数及びゲルの針入度
を、表1に示す。
【0039】比較例2 ポリシロキサン−A1の代わりにポリシロキサン−A2
を使用し、且つハイドロジェンシロキサンB1の使用量
を1部とした以外は、実施例1と同様に処理してシリコ
ーンゲル組成物を調製した。実施例1と同様にして測定
した組成物の粘度、チキソ係数及びゲルの針入度を、表
1に示す。尚、本例において、組成物の粘度は、4rpm
と20rpm の回転数で測定し、チキソ係数は、この値か
ら算出した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、良好なチキソ性を有す
るシリコーンゲル組成物を形成することができる。この
組成物は、スポットポッテイングによっても有効に保護
層を形成することができ、しかも形成されるシリコーン
ゲルは、耐溶剤性等の特性に優れ、収縮等が有効に抑制
されている。従って、この組成物は、半導体式圧力セン
サの保護材としての用途に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−240569(JP,A) 特開 昭52−47053(JP,A) 特開 昭51−31749(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08K 3/36 C08K 9/06 C08L 83/08 C09D 183/07

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記平均式(1): 【化1】 式中、Rは、アルケニル基を示し、 R1 は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜
    8のアルキル基、フェニル基、または3,3,3−トリ
    フルオロプロピル基を示し、 xは、0.3≦x≦2を満足する数、 mは、1以上の整数である、で表され、25℃における
    粘度が100〜10,000cpの範囲にあるアルケニ
    ル基含有オルガノポリシロキサン (B)下記一般式(2): 【化2】 式中、R1 は、前記と同じ意味であり、 R2 は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素
    原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、または3,
    3,3−トリフルオロプロピル基であり、 p及びqは、それぞれ0以上の整数であり、 rは、1以上の整数である、で表され、25℃における
    粘度が5〜100cpの範囲にあるケイ素原子結合水素
    原子を分子中に3個以上有するオルガノハイドロジェン
    ポリシロキサン、 (C)白金系触媒、 (D)ケイ素原子に結合した有機置換基としてメチル基
    のみを有するシラザン、クロロシラン、アルコキシシラ
    ンもしくはポリシロキサンにより疎水化処理され、50
    2 /g以上の比表面積を有する微粉末シリカ、を含有
    しているチキソ性フルオロシリコーンゲル組成物。
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