JP3064655B2 - 非水電解液二次電池およびその正極活物質の製造法 - Google Patents

非水電解液二次電池およびその正極活物質の製造法

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JP3064655B2
JP3064655B2 JP04090529A JP9052992A JP3064655B2 JP 3064655 B2 JP3064655 B2 JP 3064655B2 JP 04090529 A JP04090529 A JP 04090529A JP 9052992 A JP9052992 A JP 9052992A JP 3064655 B2 JP3064655 B2 JP 3064655B2
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和典 原口
茂雄 小林
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電解液二次電池、
特にリチウム複合酸化物を正極の活物質材料に用いた電
池の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、AV機器あるいはパソコン等の電
子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでお
り、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギ
ー密度を有する二次電池への要求が高い。このような点
で非水系二次電池、特にリチウム二次電池は、とりわけ
高電圧、高エネルギー密度を有する電池として期待が大
きい。
【0003】上記の要望を満たす正極活物質材料として
リチウムをインターカレートおよびデインタカレートす
ることのできる層状化合物、例えばLi1-xNiO2(但
し0≦x<1)(米国特許第4302518号明細
書)、LiyNi2-y2(特開平2−40861号公
報)あるいはLiyNixCo1-x2(但し0<x≦0.
75、y≦1)(特開昭63−299056号公報)な
どのリチウムと遷移金属を主体とする複合酸化物(以
下、リチウム複合酸化物と記す)が提案された。そのほ
か、Axyz2(但しAはアルカル金属、Mは遷移金
属、NはAl,In,Snの中の少なくとも1種で0.
05≦x≦1.10、0.85≦y≦1.00、0.0
01≦z≦0.10)(特開昭62−90863号公
報)の複合酸化物や、Lixyz2(但しMは遷移金
属の少なくとも1種、Nは非遷移金属の少なくとも1種
で0.05≦x≦1.10、0.85≦y≦1.00、
0≦z≦0.10)を主活物質、リチウム・銅複合酸化
物を副活物質とする提案(特開平4−22066号公
報)などがあった。
【0004】そしてこれらの活物質材料を用いて4V級
の放電電圧をもった高エネルギー密度の二次電池の具体
化開発が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここでLi1-xNiO2
(但し0≦x<1)(以下、LiNiO2と記す)は、
リチウムに対し4V以上の電位を示し、正極活物質とし
て用いると高エネルギー密度を有する二次電池が実現で
きる。しかし、その充放電特性は、サイクル初期で10
0mAh/g以上の放電容量が得られるが、サイクル数
の増加にともなって充放電特性が劣化し、50サイクル
数では初期容量の65%にまで低下し、良好なサイクル
特性が得られないという課題があった。
【0006】このような課題に対し、上記式で表された
組成のうち、遷移金属としてニッケルを用い、その一部
を非遷移金属であるインジウム、アンモニウム、スズな
どで置換した複合酸化物を合成し、正極活物質を改良す
ることにより優れた電池としてのサイクル特性が得られ
るという提案がなされている。
【0007】しかし、上記のような元素でニッケルの一
部を置換したリチウム複合酸化物は、放電電圧が低くな
る傾向があり、本来要望されている高電圧、高エネルギ
ー密度という特徴を減ずる結果となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、化学式LiyNi1-xMex2(但しMe
はTi,V,Mn,Feのいずれか)で表されるもので
あって、式中x,yのモル数は0.2<y≦1.3、M
eがTi,V,Feの場合は0<x<0.5、MeがM
nの場合は0<x<0.6で、六方晶系の結晶構造をも
ち、X線回折図から同定される格子定数a0が2.83
〜2.89Å、c0が14.15〜14.31Åである
正極であり、yの範囲が0.2<y<1.0の時、Me
がTi,V,Feの場合0<x<0.5、MeがMnの
場合0<x<0.6で、また、1.0≦y≦1.3の
時、MeがTi,V,Feの場合0<x<0.5、Me
がMnの場合0.01≦x≦0.4である活物質材料を
正極に用いるものである。
【0009】特に、化学式LiyNi1-xMex2におい
てMeがMnであって、式中x,yのモル数が1.0≦
y≦1.3、0.01≦x≦0.4で表され、格子定数
0が2.87〜2.89Å、c0が14.15〜14.
25Åであり、六方晶系のミラー指数が示す(006)
面および(101)面の回折ピークの強度比(006)
/(101)が0.60以下、また単位格子体積の大き
さが101〜103(Å3)である正極活物質を用いれ
ば、さらに良好な特性が得られる。
【0010】化学式LiyNi1-xMex2においてMe
がMnであって、式中x,yのモル数が1.0≦y≦
1.3、0.01≦x≦0.4で表される上記複合酸化
物は、xが示すMnの原子モル数に相当するマンガン酸
化物もしくは水酸化物と1−xが示すNiの原子モル数
に相当するNi(OH)2、NiCO3水和物、NiOの
群の中から選ばれた少なくとも1種のニッケル化合物と
yが示す1.1〜1.3倍のLi原子モル数に相当する
LiNO3水和物、Li2CO3、Li2Oの群の中から選
ばれた少なくとも1種のリチウム化合物を出発物質と
し、焼成処理温度700〜900℃で空気または酸素に
よる酸化雰囲気で合成するものである。
【0011】また、活物質材料が化学式LiyNi
2(1-x)Me2x4(但しMeはTi,V,Mn,Feの
いずれか)で表されるものであって、式中x,yのモル
数は0.2<y≦1.0、MeがTi,Vの場合は0.
1<x<0.5、MeがMn,Feの場合は0.1<x
<0.6で、スピネル構造類縁の立方晶系の結晶構造を
もち、X線回折図から同定される格子定数a0が8.1
5〜8.30Åである活物質材料を正極に用いたもので
ある。
【0012】このような正極活物質材料を用いることに
より、高い電池作動電圧をもち、優れたサイクル特性を
示す非水電解液二次電池が得られることを見出したもの
である。
【0013】
【作用】六方晶系を持つLiNiO2の骨格構造を決定
する主なカチオン種、Ni(3価)はロースピン型の電
子構造配置を有しており、その3d準位には7個の電子
が収容されている。このような酸化物の6番目と7番目
の電子では電子状態が大きく異なる。すなわち7番目か
ら一個電子が減ると3d準位を形成する大きな二つの軌
道の下方軌道にフェルミレベルが下がるため、もともと
部分的に電子が満たされていた上方軌道による電子伝導
性が低下したり、占有軌道自身が変化することにより、
スピンモーメントが変化する。この結果、結晶構造を左
右する結晶場が変化し、これによる元の基本骨格の六方
晶系の維持が困難になる。したがって、LiNiO2
正極とする場合、充放電の中で酸化反応すなわち充電操
作を繰り返す毎に結晶構造が徐々に劣化し、減極能が次
第に低下していくことが懸念される。これが良好なサイ
クル特性を阻害する一つの因子と考えられる。
【0014】また、たとえばNiを用いたスピネル系酸
化物LiNi24を考えた場合、過充電時では上記理由
により3d準位に6個の電子を持つ高次酸化物状態の実
現が困難であるため、極めて不安定な物質で実用性が乏
しい。
【0015】本発明では、3d準位が空位である遷移金
属Ti(形式価電子数4価)、V(形式価電子数5価)
を含むNi複合酸化物を合成することにより、これら遷
移金属酸化物が形成するさらに低いエネルギー準位の空
位軌道との混成化を可能とし、充電においても交換作用
による安定な結晶場を得てサイクル特性を改善しようと
するものである。また、3d準位に電子が3〜4個のM
n(形式価電子数4価〜3価)、あるいは5〜6個のF
e(形式価電子数3価〜2価)を含むNi複合酸化物を
合成することにより、これら混合原子価状態が可能な遷
移金属酸化物が有する部分に満たされた3d準位の二つ
の軌道と前記のNi(3価)の軌道とが混成化され、両
金属元素の部分的に満たされたバンドの形成で電子伝導
性の改善を図り、同時に充電においても交換作用による
安定な結晶場を得てサイクル特性を改善しようとするも
のである。
【0016】従来、提案されていたAlを含む非遷移金
属はd軌道が存在せず、またSn,Inは満たされた4
d準位が存在する。しかし、前者のような元素で置換し
ても軌道が異なることで混成化が困難であったり、後者
のような3d準位よりもエネルギー準位の高い電子状態
である元素で置換されても高い作動電圧が期待できない
が、占有バンドがNiと同様3d準位に存在するTi,
V,Mn,Feでは、Ni酸化物が示す電位とほぼ同様
の電位を形成すると期待できる。
【0017】このようなNiの一部を種々の遷移金属元
素で置換した複合酸化物は、特定の範囲内の格子定数を
示す層構造の六方晶系あるいはスピネル類縁構造の立方
晶系を形成することが可能であり、その合成も容易に行
える。
【0018】
【実施例】以下、図面とともに本発明を具体的な実施例
に沿って説明する。
【0019】(実施例1)LiyNi1-xMex2(但し
MeはTi,V,Mn,Feのいずれか)の合成に当た
っては、例えば主材料としてLi2OとNiOを、置換
遷移金属元素としてTi系の場合、TiO2(ルチル
型)、V系の場合、V25、Mn系の場合、MnO2
Fe系の場合、αあるいはγ型のFe23を所定の組成
比率になるように混合した後、錠剤に成形して850℃
で20時間空気中で焼成する。これを粉砕して水洗した
後、110℃で乾燥し、平均粒径4μmの粒子を得る。
【0020】次にLiyNi2(1-x)Me2x4(但しMe
はTi,V,Mn,Feのいずれか)の合成に当たって
は、例えば主材料としてLi2OとNiOを、置換遷移
金属元素としてTi系の場合、TiO2(ルチル型)、
V系の場合、V25、Mn系の場合、MnO2、Fe系
の場合、αあるいはγ型のFe23を所定の組成比率に
なるように混合した後、錠剤に成形して800℃で20
時間空気中で焼成する。これを粉砕して水洗した後、1
10℃で乾燥し、平均粒径5μmの粒子を得る。
【0021】得られた試料のうち、yを0.1,1.
0,1.3,1.5とした時、種々のx値に対応した組
成を有する複合酸化物のX線回折図から算出した格子定
数の結果を図1〜図6に示す。
【0022】図1〜図4からわかるように、LiyNi
1-xMex2(但しMeはTi,V,Mn,Feのいず
れか)で表される六方晶系の複合酸化物の格子定数は、
0が2.83〜2.89、c0が14.15〜14.3
1、同様に図5,図6からわかるように、LiyNi
2(1-x)Me2x4(但しMeはTi,V,Mn,Feの
いずれか)で表される立方晶系の複合酸化物の格子定数
は、a0が8.15〜8.30となった。
【0023】これらの正極活物質の最適値を選択するた
め、試料極の電位走査を行ってカソード応答電流のピー
ク電流値およびピーク電流波形の半値を形成する電圧幅
を検討した。なお試料電極の構成は、正極活物質とアセ
チレンブラックとフッ素樹脂系結着剤が重量比で7:
1.5:1.5となるように混合した正極合剤を8cm2
の電極に充填し、対極Li、参照極を別のLi、電解液
をエチレンカーボネートとジエチレンカーボネート1:
1の混合溶媒にLiPF61モル/l溶解した溶液と
し、走査速度は2mV/sで3.1V〜4.5Vの範囲
で行った。
【0024】yを1.0とした時の各x値に対応するカ
ソード応答電流のピーク電流値を図7,図8に示す。
【0025】図7からわかるようにLiyNi1-xMex
2(但しMeはTi,V,Mn,Feのいずれか)で
表される六方晶系の複合酸化物はTi,V,Feの場合
(0<x<0.5)、Mnの場合(0<x<0.6)で
良好であるが、とりわけMnの場合(0.01≦x≦
0.4)で極めて良好なピーク電流値の結果となってい
る。一方、LiyNi2(1-x)Me2x4(但しMeはT
i,V,Mn,Feのいずれか)で表される立方晶系の
複合酸化物は図8からわかるようにTi,Vの場合
(0.1<x<0.5)、Mn,Feの場合(0.1<
x<0.6)の時、ピーク電流値が良好であった。
【0026】次に六方晶系で良好な特性を示すx値の範
囲の中でx=0.2とした時、種々のyに対するカソー
ド応答電流のピーク電流値を図9に示す。
【0027】図9からわかるようにyが0.2〜1.5
にかけて70mA以上の特性を示すが、特に1.0〜
1.3では最も良い。yが1.5の時も良好ではある
が、反応に預らない過剰のLiが正極に残存する傾向が
現れ始めるため、この場合のy値としては1.3とする
のが良いと考えられる。またyが0.1で合成された試
料はカソードピーク電流値は半減する結果となった。こ
のことからyの下限値は0.2、上限値は1.3で合成
するのが良好な合成条件である。
【0028】なお、図には示さなかったが、立方晶系で
yが0.1で合成された試料もカソードピーク電流値は
半減する結果となった。この場合もyの下限値は0.2
で合成するのが良好であり、また1.0を越えるLiを
ドープすることは合成上困難である。このような結果か
らyは(0.2<y≦1.0)が最適条件の一つと考え
られる。
【0029】次に電圧幅の平均値を図10,図11に示
す。これらの図より電圧幅の平均値は上記x値の範囲に
属する場合、下限上限値が3.85V〜4.03Vとな
り、ほぼ4V系の高電圧を有する正極活物質として成り
立つ。
【0030】以上の結果から、六方晶系の場合、yは
(0.2<y≦1.3)が最適合成条件でとりわけ置換
遷移金属元素がMnの場合、1.0≦y≦1.3がさら
に良好な条件であると考えられる。また、このx,yの
限定範囲に属す結晶の格子定数は、前記のカソードピー
ク電流測定の結果と合わせてa0の範囲が2.83から
2.89、c0が14.15から14.31となり、特
に置換元素がMnの場合、0.01≦x≦0.4の組成
範囲に相当するa0の範囲が2.87から2.89、c0
が14.15から14.25となり、この領域でさらに
良好な特性が得られる。
【0031】一方、立方晶系の場合、yは(0.2<y
≦1.0)が最適合成条件であると考えられる。また、
このx,yの限定範囲に属す結晶の格子定数は、前記の
カソードピーク電流測定の結果と合わせてa0の範囲が
8.15から8.30となり、この領域で良好な特性が
得られる。
【0032】次に六方晶系で特に特性の良好であったL
yNi1-xMex2(但しx,yの範囲0.01≦x≦
0.4、1.0≦y≦1.3)の製造法について説明す
る。
【0033】(実施例2)六方晶系の化学式LiyNi
1-xMex2は空間群R3mに属す。結晶構造とy値と
の関連は多くの研究者が検討している。例えば、置換物
質をもたない純ニッケル系六方晶の菱面体セルとしての
セル体積とy値の関係をJ.B.グッドイナフら(J.
Phys.Chem.Solids 5(1958)1
07)は、ほぼ負の直線関係があるとしている。すなわ
ち、y値の増加にともなってセル体積は減少するという
ものである。また、J.R.ダーンら(Solid S
tate Ionics 44(1990)87)はこ
の結晶構造のX線回折図から同定されるミラー指数(1
01)面に対する(006)面の回折ピーク強度比(以
下Iと記す)を算出し、先のグッドイナフらの結果と合
わせて次のような結論を出している。すなわち、Iと菱
面体セル体積は互いに増加関数として位置づけられ、逆
にIとy値は負の関数として表される。これは、y値の
増加にともないIが減少するものである。なお、報文中
でy=1におけるIは約0.5となっている。
【0034】このことから、回折ピーク強度比Iは、結
晶構造のキャラクターを示す重要な結晶パラメーターと
して位置づけられる。
【0035】本発明者らは、このような報告結果と電気
化学特性に及ぼす影響、さらには合成出発物質との関連
を見出すべく鋭意検討を重ねた。
【0036】例えば実施例1で述べた合成方法、すなわ
ち主材料としてLi2OとNiO、添加物質としてMn
2を出発物質として所定組成比になるように調整し、
850℃で20時間空気雰囲気中で合成した試料のIと
カソードピーク電流値の関係を図12に示す。図からわ
かるように、Iが増加するに伴ってカソードピーク電流
値は減少し、不活性化している。Iが0.6以下では、
電流値は80mA以上得られ活性状態にあることがわか
る。
【0037】次に、Iと格子定数との関係について図1
3,図14に示す。図からわかるように、格子定数
0,c0ともIが増加するに伴って格子定数は急激に大
きくなっている。図12で得られたようなカソードピー
ク電流値が80mA以上得られるIが0.6以下の範囲
では格子定数は、2.87<a0<2.89、14.1
5<c0<14.25の範囲以内にあり、電気化学的な
活性度と結晶パラメーターが実施例1で説明した範囲と
合致することがわかってきた。すなわち、合成した複合
酸化物が回折ピーク強度比(006)/(101)<
0.6を満たすような試料であれば、電気化学的に活性
でしかも格子定数2.87<a0<2.89、14.1
5<c0<14.25の範囲であるという情報が得られ
る。格子定数a0,c0の下限値については、a0が2.
87以下、c0が14.15以下を示す試料を実験上合
成して得ることができなかったので、この事実に基づい
て決定した。なお、Iが0.6の時のy値は化学分析の
結果、1.02であることがわかった。
【0038】次に、六方晶の単位格子体積とI値との関
係について図15に示す。単位格子体積の計算は格子定
数に基づいて算出した。この結果、101〜103(Å
3)の範囲でI値が0.6以下を示し、電気化学的に活
性であることが期待できる。
【0039】なお、格子体積が101以下の試料につい
ては、実験的に合成できなかった。 (実施例3)このような結晶パラメーターを有する正極
活物質を合成する製造方法について具体的に説明する。
合成出発材料となるリチウム化合物は、Li2O、Li2
2、Li2CO3、Li2SO4、LiNO3水和物、Li
I、Li(OH)水和物などが挙げられ、ニッケル化合
物は、NiO、Ni(NO32、NiCO3水和物、N
i(OH)2、NiSO4、Ni(C2332水和物な
どが挙げられ、マンガン化合物はMnO2、αMn
23、γMnOOHなどが挙げられる。
【0040】しかし上記リチウム化合物のうち、Li2
2、LiI、Li(OH)水和物を出発物質とした場
合、格子定数a0は2.89以上、且つI値は0.6以
上となり、目的の結晶構造を有した正極活物質を得るこ
とは困難であった。
【0041】同様に上記ニッケル化合物のうち、Ni
(NO32、NiSO4を出発物質とした場合、格子定
数a0は2.89以上、且つI値は0.6以上となり、
やはり目的の結晶構造を有した正極活物質を得ることは
困難であった。
【0042】(実施例4)化学式LiyNi1-xMnx2
のx,yがx=0.01、y=1.0を基本組成とする
活物質の合成法を説明する。
【0043】(表1)は、上記x,yが示す量論量のL
i原子モル数のリチウム化合物ならびに量論量のNi原
子モル数のニッケル化合物を用いた場合の合成例であ
る。なお、用いるマンガン化合物は二酸化マンガンと
し、x値が示す量論量のMn原子モル数の二酸化マンガ
ンを用いた。合成に当たっては、リチウム化合物、二酸
化マンガン、ニッケル化合物の所定量を混合し、1g単
位で総圧3トンで加圧成形して錠剤を得る。これを燃焼
ボートで、焼成温度850℃、20時間、空気雰囲気で
処理した。これを粉砕して水洗した後、110℃で乾燥
し、平均粒径4μmの粒子を得る。
【0044】
【表1】
【0045】(表2)は、上記x,yが示す量論量の
1.1倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0046】
【表2】
【0047】(表3)は、上記x,yが示す量論量の
1.3倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0048】
【表3】
【0049】(表4)は、上記x,yが示す量論量の
1.5倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0050】
【表4】
【0051】以上の結果から、添加すべきリチウム化合
物は量論比の場合、I値が0.60以上となり良好な特
性が期待できないが、量論比の1.1〜1.5倍加える
と、I値は0.6以下となり良好な特性が期待できる。
【0052】Liを量論比以上添加しなければならない
理由の詳細は、現在まだ不明であるが、Liの熱拡散の
しやすさに起因するものと推察している。1.1倍から
1.3倍の範囲では、結晶性が発達過程にあり、Liの
固相内への固溶が起こっていると考えられる。しかし、
1.3倍以上ではほとんど変化が認められず、Liの固
相内への固溶が起こりにくくなってきている。また、
1.3倍以上のリチウム化合物を添加した場合、極板構
成時に反応に預らなかった余剰のリチウム化合物が残存
し、正極集電体に腐食作用をもたらすので不具合であ
る。また、例えばLi2OとNiOを出発物質とした場
合、Li量論比に対して等倍、1.1、1.3、1.5
倍とした時のy値を分析した結果、それぞれ0.93、
0.99、1.08、1.08となり、量論量に対して
過剰のLi化合物添加が必要である。
【0053】このような実験結果および製造時の品質管
理の観点から、添加すべきリチウム化合物は量論比に対
して1.1〜1.3倍とすることが望ましい。
【0054】(実施例5)化学式LiyNi1-xMnx2
のx,yがx=0.4、y=1.0を基本組成とする活
物質の合成法を説明する。
【0055】(表5)は、上記x,yが示す量論量のL
i原子モル数のリチウム化合物ならびに量論量のNi原
子モル数のニッケル化合物を用いた場合の合成例であ
る。なお、他の合成条件は実施例4と同一とする。
【0056】
【表5】
【0057】(表6)は、上記x,yが示す量論量の
1.1倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0058】
【表6】
【0059】(表7)は、上記x,yが示す量論量の
1.3倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0060】
【表7】
【0061】(表8)は、上記x,yが示す量論量の
1.5倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0062】
【表8】
【0063】以上の結果から、先の実施例4と同様、添
加すべきリチウム化合物は量論比に対して1.1〜1.
3倍が望ましい。
【0064】(実施例6)化学式LiyNi1-xMnx2
のx,yがx=0.01、y=1.3を基本組成とする
活物質の合成法を説明する。
【0065】(表9)は、上記x,yが示す量論量のL
i原子モル数のリチウム化合物ならびに量論量のNi原
子モル数のニッケル化合物を用いた場合の合成例であ
る。なお、他の合成条件は実施例5と同一とする。
【0066】
【表9】
【0067】(表10)は、上記x,yが示す量論量の
1.1倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0068】
【表10】
【0069】(表11)は、上記x,yが示す量論量の
1.3倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0070】
【表11】
【0071】(表12)は、上記x,yが示す量論量の
1.5倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0072】
【表12】
【0073】以上の結果から、y=1.3の場合は、添
加すべきリチウム化合物は量論比でも良好であるが、好
ましくは1.1〜1.3倍が望ましい。
【0074】(実施例7)化学式LiyNi1-xMnx2
のx,yがx=0.4、y=1.3を基本組成とする活
物質の合成法を説明する。
【0075】(表13)は、上記x,yが示す量論量の
Li原子モル数のリチウム化合物ならびに量論量のNi
原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の合成例であ
る。なお、他の合成条件は実施例5と同一とする。
【0076】
【表13】
【0077】(表14)は、上記x,yが示す量論量の
1.1倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0078】
【表14】
【0079】(表15)は、上記x,yが示す量論量の
1.3倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0080】
【表15】
【0081】(表16)は、上記x,yが示す量論量の
1.5倍のLi原子モル数のリチウム化合物ならびに量
論量のNi原子モル数のニッケル化合物を用いた場合の
合成例である。
【0082】
【表16】
【0083】以上の結果から、先の実施例6と同様、添
加すべきリチウム化合物は量論比通りでも良いが、好ま
しくは1.1〜1.3倍が望ましい。
【0084】以上の実施例で説明したように、化学式L
yNi1-xMnx2の合成にあたっては、式中のx,y
のモル数が1.0≦y≦1.3、0.01≦x≦0.4
であって、xが示すMnの原子モル数に相当する二酸化
マンガンと1−xが示すNiの原子モル数に相当するニ
ッケル化合物、NiO,Ni(OH)2、NiCO3の中
から少なくとも1種と、yが示す1.1〜1.3倍のL
i原子モル数に相当するリチウム化合物、Li2O、L
iNO3、Li2CO3の中から少なくとも1種を空気中
で850℃、20時間焼成すれば、格子定数a0が2.
87〜2.89Å、c0が14.15〜14.25Åと
なり、I値が0.6以下の結晶パラメータが得られる。
【0085】上記リチウムあるいはニッケル化合物の群
で2もしくは3種を組み合わせて合成出発材料としても
良い。なお、実施例4〜7では示さなかったが、リチウ
ム化合物としてLi2SO4、ニッケル化合物としてNi
(C2322水和物を用いても前記出発物質と同様の
結果が得られる。
【0086】しかし、前者では硫黄ガスの発生が、後者
では熱的に不安定である理由から製造上あるいは品質の
安定した正極材料を得るという観点からは必ずしも良い
とはいえない。
【0087】また焼成温度が本実施例では850℃とし
ているが、700℃以下では結晶の半値幅が大きく結晶
化度が低くなるため、充放電時における活物質の結晶構
造劣化が起こりやすい。これが電池のサイクル特性に悪
影響をもたらす。また、低温領域ではLiの固相内への
拡散が制限される傾向があるため、Liドープ量も十分
制御できない。
【0088】逆に900℃以上では、結晶構造上の問題
点は少ないが、800℃付近で結晶成長が安定化してく
るので、あまり高温にする意味はない。従って焼成温度
は、700〜900℃の範囲以内で処理することが望ま
しい。
【0089】また、焼成は酸化雰囲気で行うことが重要
である。酸素不足では、Liイオンをトラップする場が
減るため結晶へのLiドープ量が減少し、結果としてI
値が大きくなる傾向が現れる。このような状態では、電
気化学的に活性な活物質が得られにくくなる。従って、
酸素不足の回避できる雰囲気で焼成処理を行う必要があ
り、空気もしくは酸素雰囲気で合成することが望まし
い。
【0090】(実施例8)次に得られた正極活物質を電
池に用いた際のサイクル特性を評価するため円筒形電池
を試作して検討した。
【0091】上記の正極活物質100重量部、アセチレ
ンブラック4重量部、グラファイト4重量部、フッ素樹
脂系結着剤7重量部を混合して正極合剤とし、カルボキ
シメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状にし
た。このペーストをアルミ箔の両面に塗着し、乾燥後圧
延して極板とした。
【0092】負極は、コークスを焼成した炭素材100
重量部に、フッ素樹脂系結着剤10重量部を混合し、カ
ルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト
状にした。そしてこのペーストを銅箔の両面に塗着し、
乾燥後圧延して負極板とした。
【0093】図16にこれらの極板を用いて構成した円
筒形電池の縦断面図を示す。電池の構成は帯状の正、負
極板それぞれにリードを取りつけ、ポリプロピレン製の
セパレータを介して渦巻き状に巻回し、電池ケース内に
収納した。電解液にはプロピレンカーボネートとエチレ
ンカーボネートとの等容積混合溶媒に、過塩素酸リチウ
ムを1モル/lの割合で溶解したものを用い、これを所
定量注入し封口したものを試験電池とした。
【0094】この図16において、1は耐有機電解液性
のステンレス鋼板を加工した電池ケース、2は安全弁を
設けた封口板、3は絶縁パッキングを示す。4は極板群
であり、正極板および負極板がセパレータを介して渦巻
き状に巻回されてケース内に収納されている。そして上
記正極からは正極リード5が引き出されて封口板2に接
続され、負極からは負極リード6が引き出されて電池ケ
ース1の底部に接続されている。7は絶縁リングで極板
群4の上下部にそれぞれ設けられている。
【0095】これらの試験電池を充放電電流100m
A、充電終止電圧4.1V、放電終止電圧3.0Vの条
件下で定電流充放電試験を50サイクルまで常温で行っ
た。
【0096】正極活物質のうち、yが1.0、xが0.
2に相当する正極材料を用いた場合の単位重量当りの放
電容量とサイクル数との関係を図17に示す。比較のた
めy=1.0、x=0に相当する試料(LiNiO2
の結果を図中に実線で示した。
【0097】図17からわかるように、Niの一部をT
i,V,Mn,Feのいずれかの元素で置換した正極活
物質は、六方晶系、立方晶系のいずれであっても初期サ
イクルからLiNiO2より放電容量が良好で、その後
のサイクル特性でも良好な結果となった。なお、ここで
は示さなかったが、先に述べたLiyNi1-xMex
2(MeはTi,V,Mn,Feのいずれか)で表され
る六方晶系の複合酸化物で式中x,yのモル数が0.2
<y≦1.3、Ti,V,Feの場合(0<x<0.
5)、Mnの場合(0<x<0.6)、同様にLiy
2(1-x)Me2x4(MeはTi,V,Mn,Feのい
ずれか)で表される立方晶系の複合酸化物で式中x,y
のモル数が0.2<y≦1.0、Ti,Vの場合(0.
1<x<0.5)、Mn,Feの場合(0.1<x<
0.6)に限定した正極活物質を用いても同様の結果が
得られた。
【0098】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば正極活物質材料にLiyNi1-xMe x2(MeはT
i,V,Mn,Feのいずれか)であり、式中yが0.
2<y≦1.3、MeがTi,V,Feの場合のxが
(0<x<0.5)、Mnの場合のxが0<x<0.6
で、好ましくはyが1.0≦y≦1.3、0.01≦x
≦0.4もしくはLiyNi2(1-x)Me2x4(MeはT
i,V,Mn,Feのいずれか)で、式中のyが0.2
<y≦1.0、MeがTi,Vの場合のxが0.1<x
<0.5、Mn,Feの場合0.1<x<0.6を用い
ることにより、サイクル特性に優れた非水電解液二次電
池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】LiyNi1-xMex2でMeがTi,Vの六方
晶系の格子定数を示す図(y=0.1,1.0の場合)
【図2】LiyNi1-xMex2でMeがTi,Vの六方
晶系の格子定数を示す図(y=1.3,1.5の場合)
【図3】LiyNi1-xMex2でMeがMn,Feの六
方晶系の格子定数を示す図(y=0.1,1.0の場
合)
【図4】LiyNi1-xMex2でMeがMn,Feの六
方晶系の格子定数を示す図(y=1.3,1.5の場
合)
【図5】LiyNi2(1-x)Me2x4でMeがTi,Vの
立方晶系の格子定数を示す図(y=0.1,1.0の場
合)
【図6】LiyNi2(1-x)Me2x4でMeがMn,Fe
の立方晶系の格子定数を示す図(y=0.1,1.0の
場合)
【図7】LiyNi1-xMex2のカソード電流ピーク値
を示す図
【図8】LiyNi2(1-x)Me2x4のカソード電流ピー
ク値を示す図
【図9】LiyNi1-xMex2のカソード電流ピーク値
を示す図
【図10】カソードピーク電流の電圧幅の平均値を表す
【図11】カソードピーク電流の電圧幅の平均値を表す
【図12】カソードピーク電流と回折ピーク強度比I
((006)/(101))の関係を示す図
【図13】格子定数c0と回折ピーク強度比I((00
6)/(101))の関係を示す図
【図14】格子定数a0と回折ピーク強度比I((00
6)/(101))の関係を示す図
【図15】六方晶の単位格子体積と回折ピーク強度比I
((006)/(101))の関係を示す図
【図16】本発明の実施例における円筒形電池の縦断面
【図17】放電容量とサイクル特性の関連を示す図
【符号の説明】
1 電池ケース 2 封口板 3 絶縁パッキング 4 極板群 5 正極リード 6 負極リード 7 絶縁リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 一広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−210028(JP,A) 特開 平4−141954(JP,A) 特開 平4−267053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/38 - 4/58 H01M 10/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質材料が化学式LiyNi1-xMex
    2(但しMeはTi、V、Feのいずれか)で表さ
    れるものであって、式中xyのモル数は0.2<y≦
    1.3、0<x<0.5で、六方晶系の結晶構造をも
    ち、X線回折図から同定される格子定数a0が2.83
    〜2.89Å、c0が14.15〜14.31Åである
    正極と、リチウム、リチウム合金あるいはリチウムをイ
    ンターカレートした炭素材料のいずれかからなる負極
    と、非水電解液とから構成された非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 活物質材料が化学式LiyNi1-xMex
    2(但しMeはTiMnFeのいずれか)
    で表されるものであって、式中xyのモル数は0.2
    <y<1.0、MeがTiFeの場合は0<x<
    0.5、MeがMnの場合は0<x<0.6で、六方晶
    系の結晶構造をもち、X線回折図から同定される格子定
    数a0が2.83〜2.88Å、c0が14.15〜1
    4.31Åである正極と、リチウム、リチウム合金ある
    いはリチウムをインターカレートした炭素材料のいずれ
    かからなる負極と、非水電解液とから構成された非水電
    解液二次電池。
  3. 【請求項3】 活物質材料が化学式LiyNi1-xMex
    2(但しMeはMn)で表されるものであって、式
    中xyのモル数は1.0≦y≦1.3、0.01≦x
    ≦0.4で、六方晶系の結晶構造をもち、X線回折図か
    ら同定される格子定数a02.87〜2.89Å、c0
    が14.15〜14.25Åであり、六方晶系のミラー
    指数が示す(006)面および(101)面の回折ピー
    クの強度比(006)/(101)が0.60以下であ
    正極と、リチウム、リチウム合金あるいはリチウムを
    インターカレートした炭素材料のいずれかからなる負極
    と、非水電解液とから構成された非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 活物質材料が化学式Li y Ni 1-x Me x
    2 (但し、MeはMn)で表されるものであって、式
    中x、yのモル数は1.0≦y≦1.3、Meは00.
    01≦x≦0.4で、六方晶系の結晶構造をもち、X線
    回折図から同定される格子定数a 0 が2.87〜2.8
    9Å、c 0 が14.15〜14.25Åであり、六方晶
    系が示す単位格子体積の大きさが101〜103
    (Å 3 )である正極 と、リチウム、リチウム合金あるい
    はリチウムをインターカレートした炭素材料のいずれか
    からなる負極と、非水電解液とから構成された非水電解
    液二次電池。
  5. 【請求項5】 活物質材料が化学式LiyNi1-xMex
    2においてMeがMnで、式中x、yのモル数が1.
    0≦y≦1.3、0.01≦x≦0.4で表されるもの
    であって、xが示すMnの原子モル数に相当するマンガ
    ン酸化物もしくは水酸化物と1−xが示すNiの原子モ
    ル数に相当するNi(OH) 2 、NiCO 3 水和物、Ni
    Oの群の中から選ばれた少なくとも1種のニッケル化合
    物とyが示す1.1〜1.3倍のLi原子モル数に相当
    するLiNO 3 水和物、Li 2 CO 3 、Li 2 Oの群の中か
    ら選ばれた少なくとも1種のリチウム化合物を出発物質
    とし、焼成処理温度700〜900℃で酸化雰囲気で合
    成することを特徴とする非水電解液二次電池用正極活物
    質の製造法。
  6. 【請求項6】 化学式Li y Ni 1-x Mn x 2 である正極
    活物質の合成において用いる酸化雰囲気が空気であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の非水電解液二次電池用正
    極活物質の製造法。
  7. 【請求項7】 化学式LiyNi1-xMnx2である正極
    活物質の合成において用いる酸化雰囲気が酸素であるこ
    とを特徴とする請求項記載の非水電解液二次電池用正
    極活物質の製造法。
  8. 【請求項8】 活物質材料が化学式Li y Ni 2(1-x)
    2x 4 (但しMeはTi、V、Mn、Feのいずれ
    か)で表されるものであって、式中x、yのモル数は
    0.2<y≦1.0、MeがTi、Vの場合は0.1<
    x<0.5、MeがMn、Feの場合は0.1<x<
    0.6で、スピネル構造類縁の立方晶系の結晶構造をも
    ち、、X線回折図から同定される格子定数a 0 が8.1
    5〜8.30Åである正極と、リチウム、リチウム合金
    あるいはリチウムをインターカレートした炭素材料のい
    ずれかからなる負極と、非水電解液とから構成された非
    水電解液二次電池。
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