JP4082855B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良された正極活物質層を備えたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、機器のポータブル化、コードレス化が進むにつれ、小型、軽量でかつ高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池に対する期待が高まっている。非水電解液二次電池用の活物質には、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnOなどのリチウムと遷移金属の複合酸化物が知られている。
【0003】
その中で特に最近では、安全性が高くかつ安価な材料として、リチウムとマンガンの複合酸化物の研究が盛んに行なわれており、これらを正極活物質に用いて、リチウムを吸蔵、放出することができる炭素材料等の負極活物質とを組み合わせることによる、高電圧、高エネルギー密度の非水電解液二次電池の開発が進められている。
【0004】
一般に、非水電解液二次電池に用いられる正極活物質は、主活物質であるリチウムにコバルト、ニッケル、マンガンをはじめとする遷移金属を固溶させた複合酸化物からなる。その用いられる遷移金属の種類によって、電気容量、可逆性、作動電圧、安全性などの電極特性が異なる。例えば、LiCoO、LiNi0.8Co0.2のようにコバルトやニッケルを固溶させたR−3m菱面体岩塩層状複合酸化物を正極活物質に用いた非水電解液二次電池は、それぞれ140〜160mAh/gおよび180〜200mAh/gと比較的高い容量密度を達成できるとともに、2.5〜4.3Vといった高い電圧域では良好な可逆性を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電池を加温した際に、充電時の正極活物質と電解液溶媒との反応により電池が発熱し易い問題や、原料となるコバルトやニッケルが高価であるので活物質のコストが高くなる問題がある。一方、比較的安価なマンガンを原料とするLiMnからなるスピネル型複合酸化物を活物質に用いた非水電解液二次電池は、充電時の正極活物質と電解液溶媒との反応により電池が比較的発熱しにくいものの、容量が上述のコバルト系およびニッケル系活物質にくらべ100〜120mAh/gと低く、充放電サイクル耐久性が乏しいという課題があるとともに、3V未満の低い電圧領域で急速に劣化する課題もある。
【0006】
これらの単独のリチウム−遷移金属複合酸化物を正極活物質として使用する代わりに、斜方晶系のLiMnOと、LiNiO、LiCoOおよびLiMnからなる群より選択される少なくとも一種のリチウム−遷移金属複合酸化物を混合することが特開平9−180718号公報に提案されている。かかる混合物を用いた電池はLiMnOに起因して、充放電サイクル耐久性が不足する問題がある。
【0007】
また、特開平11−3698号公報にはLiMn、LiNiOおよびLiCoOの3種混合物からなるリチウム二次電池が提案されている。かかるLiMn、LiNiOおよびLiCoOの3種混合物を用いた電池は充放電電圧4.3〜3.0V範囲では単位重量当たりのLiMnの放電容量が低いので必然的に混合物も放電容量が低い問題がある。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的は、広い電圧範囲での使用を可能とし、容量が高く、充放電サイクル耐久性に優れた高安全性の非水電解液二次電池用正極材料を用いた高エネルギー密度かつ高電流放電特性の良い非水電解液二次電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、リチウム遷移金属複合酸化物を主成分とする正極活物質層を備えたリチウム二次電池において、上記リチウム遷移金属複合酸化物が、LNiMn1−y−z(ただし、xは0.9≦x≦1.2、yは0.40≦y≦0.60、zは0≦z≦0.2であり、MはFe,Co,Cr,Al原子のいずれかから選択される。)で表され、かつ、Ni/Mn=0.6/0.4〜0.4/0.6(原子比)であるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物と、R−3m菱面体構造を有し、LiCoO(ただし、xは0.9≦x≦1.1である。)で表されるリチウム−コバルト複合酸化物との混合物からなることを特徴としている。
【0010】
本発明において、上記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物はR−3m菱面体構造であることが好ましい。なお、yが0.40未満であると安定なR−3m菱面体構造をとりにくくなるので好ましくない。また、yが0.60を超えると安全性が低下するので好ましくない。yは特に好ましくは0.45〜0.55が採用される。xは容量発現のため、0.9≦x≦1.2が採用される。
【0011】
このリチウム−ニッケル−マンガンM複合酸化物に対し、さらにFe,Co,Cr,Alのいずれかの原子を加えることにより、充放電サイクル耐久性、安全性、容量等の向上が図れる。M原子の添加量zは0〜0.2で、好ましくは0.01〜0.18、特に好ましくは0.05〜0.16である。
【0012】
本発明で用いるもう一方の上記リチウム複合酸化物は、R−3m菱面体構造を有し、LiCoO(ただし、xは0.9≦x≦1.1である。)で表されるリチウム−コバルト複合酸化物である。また、このリチウム−コバルト複合酸化物に対して、充放電サイクル耐久性や放電特性改良のため、さらにカルシウム、マグネシウム、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウムなどの金属をコバルトに対して原子比で0.001〜5%添加し、例えばリチウム−コバルト−カルシウム複合酸化物としてもよい。
【0013】
本発明において、上記混合物中の上記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物の含有量は20〜70重量%であることが好ましい。上記含有量が20重量%未満であるとリチウム電池の安全性が乏しくなり、高価なコバルト酸リチウムの使用量が多くなるので好ましくない。また、上記含有量が70重量%を超えるとリチウム二次電池の高電流放電特性が低下したり、容量が低下するので好ましくない。特に好ましい上記含有量は30〜60重量%である。
【0014】
本発明において、上記複合酸化物の混合物粉末は粉末のみを1t/cmの圧力でプレス充填したときの粉体プレス密度が3.0g/cm以上であることが好ましい。これによれば、上記混合物をスラリーとなして集電体アルミ箔に塗工・乾燥・プレスした際に体積当たりの容量を高くすることができる。特に好ましくは粉体プレス密度は3.15g/cm以上である。3.0g/cm以上の粉体プレス密度は、混合物粉体の粒径分布を適正化することにより達成される。すなわち、粒径分布に幅があり、少粒径の体積分率が20〜50%であり、大粒径の粒径分布を狭くすること等により高密度化が計られる。
【0015】
本発明の混合物を用いると、混合に用いたそれぞれの単独のリチウム遷移金属複合酸化物を用いた場合より、容量、安全性のバランスが向上した電池性能が発現できる。また、単独のリチウム遷移金属化合物からなり、かつ、混合に用いた遷移金属元素含量と同じである正極活物質を用いた場合より容量と安全性並びに充放電サイクル安定性の優れた電池性能を得ることができる。かかる、物理的混合物の方が単独物質より優れる原因は明らかではないが、リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物(Ni/Mn=0.6/0.4〜0.4/0.6)が特段に安全性が高く、容量の発現性が比較的良いため、混合により相乗効果が発現したものと考えられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる結晶構造が菱面体のR−3mからなる、LiNiMn1−y−z(リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物)製法としては、例えばマンガン化合物とリチウム化合物とニッケル化合物の混合物を不活性ガス雰囲気下あるいは大気中で固相法500〜1000℃焼成すること、500〜850℃での溶融塩法が挙げられる。
【0017】
また、本発明に用いる結晶構造が菱面体層状岩塩型構造からなる、リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物は、例えばニッケル−マンガン−金属元素からなる複合酸化物あるいは複合水酸化物とマンガン化合物とリチウム化合物の混合物を酸素ガス含有雰囲気下で固相法500〜1000℃焼成すること、500〜850℃のリチウム含有溶融塩中にニッケル−マンガン−金属元素M含有化合物を添加する溶融塩法により得ることができる。
【0018】
ニッケル源原料としては、酸化物(NiOなど)、水酸化物(NiOH)、オキシ水酸化物(NiOOH)などが挙げられる。マンガン源原料としては、酸化物(MnO3,MnO,MnOなど)、これら酸化物の水和物、オキシ水酸化物などが挙げられる。マンガン源原料としては、3価のマンガンの化合物がより好ましい。これらのマンガン源原料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
金属元素(M)源原料としては、単体金属、水酸化物、酸化物、オキシ水酸化物、塩化物、硝酸塩等が使用される。これらの金属元素(M)源原料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
本発明の混合物の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛、ケッチエンブラック等のカーボン系導電材と結合材を混合することにより正極合剤が形成される。結合材には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂等が用いられる。本発明の混合物の粉末と導電材と結合材ならびに結合材の溶媒または分散媒からなるスラリーをアルミニウム箔等の正極集電体に塗工・乾燥およびプレス圧延せしめて正極活物質層を正極集電体上に形成する。
【0021】
本発明のリチウム電池において、電解質溶液の溶媒としては炭酸エステルが好ましい。炭酸エステルは環状、鎖状いずれも使用できる。環状炭酸エステルとしてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が例示される。鎖状炭酸エステルとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が例示される。
【0022】
本発明では、上記炭酸エステルを単独でまたは2種以上を混合して使用できる。また、他の溶媒と混合して使用してもよい。また、負極活物質の材料によっては、鎖状炭酸エステルと環状炭酸エステルを併用すると、放電特性、サイクル耐久性、充放電効率が改良できる場合がある。また、これらの有機溶媒にフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(例えばアトケム社カイナー)、フッ化ビニリデン−パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体等を添加し、下記の溶質を加えることによりゲルポリマー電解質としてもよい。
【0023】
溶質としては、ClO−、CFSO−、BF−、PF−、AsF−、SbF−、CFCO−、(CFSON−等をアニオンとするリチウム塩のいずれか1種以上を使用することが好ましい。上記の電解質溶液またはポリマー電解質は、リチウム塩からなる電解質を上記溶媒または溶媒含有ポリマーに0.2〜2.0mol/lの濃度で添加するのが好ましい。この範囲を逸脱すると、イオン伝導度が低下し、電解質の電気伝導度が低下する。より好ましくは0.5〜1.5mol/lが選定される。セパレータには多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレンフィルムが使用される。
【0024】
本発明における負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料である。これらの負極活物質を形成する材料は特に限定されないが、例えばリチウム金属、リチウム合金、炭素材料、周期表14、15族の金属を主体とした酸化物、炭素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化チタン、炭化ホウ素化合物等が挙げられる。
【0025】
炭素材料としては、様々な熱分解条件で有機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土壌黒鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛等を使用できる。また、酸化物としては、酸化スズを主体とする化合物が使用できる。負極集電体としては、銅箔、ニッケル箔等が用いられる。
【0026】
本発明における正極および負極は、活物質を有機溶媒と混練してスラリとし、このスラリを金属箔集電体に塗布、乾燥、プレスして得ることが好ましい。本発明のリチウム電池の形状には特に制約はない。シート状(いわゆるフイルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒形、ボタン形等が用途に応じて選択される。
【0027】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例1〜8および比較例1〜4について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0028】
《実施例1》
硫酸ニッケルと硫酸マンガン(モル比1:1)混合水溶液に、アンモニア水と水酸化ナトリウム水溶液を加えて共沈させ、150℃で加熱・乾燥により、ニッケル−マンガン共沈水酸化物(ニッケル:マンガン原子比=1:1)を得た。このニッケル−マンガン共沈水酸化物を550℃大気中で焼成・粉砕し、ニッケル−マンガン酸化物粉末を得た。ニッケル−マンガン酸化物粉末と炭酸リチウム粉末を混合し、800℃で窒素ガス雰囲気中で焼成・粉砕して平均粒径4μmのLiNi0.5Mn0.5を合成した。この粉末のCuKαによるX線回折分析の結果、R−3m菱面体層状岩塩型構造であることが判った。
また、酸化コバルト粉末と炭酸リチウム粉末を乾式混合し、大気中で820℃15時間焼成して粉砕・分級して平均粒径7μmのLiCoO粉末を得た。この粉末のCuKαによるX線回折分析の結果、R−3m菱面体層状岩塩型構造であることが判った。
LiNi0.5Mn0.5と、LiCoOとを重量比で50:50の割合で混合し、この混合物粉末を1t/cmの圧力で油圧プレスして体積と重量から粉体プレス密度を求めたところ、3.17g/cmであった。この混合物粉末とアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンとを83/10/7の重量比でN−メチルピロリドン加えつつボールミル混合し、スラリーとした。このスラリーを厚さ20μのアルミニウム箔正極集電体上に塗布し、150℃にて乾燥してN−メチルピロリドンを除去した。しかる後にロールプレス圧延をして正極体を得た。
セパレータには厚さ25μの多孔質ポリエチレンを用い、厚さ300μの金属リチウム箔を負極に用い負極集電体にニッケル箔を使用し、電解液には1M LiPF/EC+DEC(1:1)を用いてコインセル2030型をアルゴングローブボックス内で組立た。
25℃の温度雰囲気下において、1mAで終止電圧4.3Vで充電し、定電流5mA(放電率1C)にて2.7Vまで放電して高電流放電特性を調べる一方、1mAで終止電圧4.3Vで充電し、定電流1mA(放電率0.2C)にて2.7Vまで放電する充放電サイクル試験を20回行ない、2回充放電後の初期放電容量と20回充放電後の放電容量との比率から容量維持率を求めた。また、電池安全性評価のため、4.3V充電後のセルを解体し、正極をエチレンカーボネートとともに密閉容器に入れて試料となし、示差走査熱量測定装置を用い、昇温せしめた時の発熱開始温度を求めた。その結果、初期容量は143mAh/g、1C容量/0.2C容量は93%、容量維持率は94%、発熱開始温度は203℃であった。
【0029】
《実施例2》
リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物のニッケルとマンガンの原子比を0.60:0.40としたLiNi0.60Mn0.40と、LiCoOとを重量比で50:50の割合で混合した他は、上記実施例1と同様に正極体および電池を作製し特性を評価した。その結果、初期容量は145mAh/g、1C容量/0.2C容量は92%、容量維持率は94%、発熱開始温度は198℃であった。
【0030】
《実施例3》
リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物のニッケルとマンガンの原子比が0.50:0.50であるLiNi0.50Mn0.50と、LiCoOとを重量比で40:60の割合で混合した他は、上記実施例1と同様に正極体および電池を作製し特性を評価した。その結果、初期容量は150mAh/g、1C容量/0.2C容量は94%、容量維持率は94%、発熱開始温度は195℃であった。
【0031】
《実施例4》
リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物のニッケルとマンガンの原子比を0.55:0.45としたLiNi0.55Mn0.45と、LiCoOとを重量比で30:70の割合で混合した他は、上記実施例1と同様に正極体および電池を作製し特性を評価した。その結果、初期容量は148mAh/g、1C容量/0.2C容量は94%、容量維持率は95%、発熱開始温度は185℃であった。
【0032】
《実施例5》
上記実施例1の硫酸ニッケルと硫酸マンガン(モル比1:1)混合水溶液に代えて、硫酸ニッケルと硫酸マンガンと硫酸コバルト(モル比9:9:2)混合水溶液を用いた他は、上記実施例1と同様にして正極活物質として平均粒径5μmのLiNi0.45Mn0.45Co0.1を合成した。この粉末のCuKαによるX線回折分析の結果、R−3m菱面体層状岩塩型構造であることが判った。
LiNi0.45Mn0.45Co0.1と、LiCoOとを重量比で50:50の割合で混合し、この混合物粉末を1t/cmの圧力で油圧プレスして体積と重量から粉体プレス密度を求めた結果3.17g/cmであった。
そして、上記実施例1と同様にして正極体および電池を作製し特性を評価したところ、初期容量は148mAh/g、1C容量/0.2C容量は94%、容量維持率は95%、発熱開始温度は201℃であった。
【0033】
《実施例6》
上記実施例1の硫酸ニッケルと硫酸マンガン(モル比1:1)混合水溶液に代えて、硫酸ニッケルと硫酸マンガンと硫酸クロム(モル比9:9:2)混合水溶液を用いた他は、上記実施例1と同様にして正極活物質として平均粒径5μmのLiNi0.45Mn0.45Cr0.1を合成した。この粉末のCuKαによるX線回折分析の結果、R−3m菱面体層状岩塩型構造であることが判った。
LiNi0.45Mn0.45Cr0.1と、LiCoOとを重量比で50:50の割合で混合し、この混合物粉末を1t/cmの圧力で油圧プレスして体積と重量から粉体プレス密度を求めた結果3.14g/cmであった。
そして、上記実施例1と同様にして正極体および電池を作製し特性を評価したところ、初期容量は149mAh/g、1C容量/0.2C容量は93%、容量維持率は95%、発熱開始温度は203℃であった。
【0034】
《実施例7》
上記実施例1の硫酸ニッケルと硫酸マンガン(モル比1:1)混合水溶液に代えて、硫酸ニッケルと硫酸マンガンと硫酸鉄(モル比9:9:2)混合水溶液を用いた他は、上記実施例1と同様にして正極活物質として平均粒径5μmのLiNi0.45Mn0.45Fe0.1を合成した。この粉末のCuKαによるX線回折分析の結果、R−3m菱面体層状岩塩型構造であることが判った。
LiNi0.45Mn0.45Fe0.1と、LiCoOとを重量比で50:50の割合で混合し、この混合物粉末を1t/cmの圧力で油圧プレスして体積と重量から粉体プレス密度を求めた結果3.15g/cmであった。
そして、上記実施例1と同様にして正極体および電池を作製し特性を評価したところ、初期容量は143mAh/g、1C容量/0.2C容量は93%、容量維持率は95%、発熱開始温度は206℃であった。
【0035】
《実施例8》
上記実施例1の硫酸ニッケルと硫酸マンガン(モル比1:1)混合水溶液に代えて、硫酸ニッケルと硫酸マンガンと硫酸アルミニウム(モル比9:9:2)混合水溶液を用いた他は、上記実施例1と同様にして正極活物質として平均粒径5μmのLiNi0.45Mn0.45Al0.1を合成した。この粉末のCuKαによるX線回折分析の結果、R−3m菱面体層状岩塩型構造であることが判った。
LiNi0.45Mn0.45Al0.1と、LiCoOとを重量比で50:50の割合で混合し、この混合物粉末を1t/cmの圧力で油圧プレスして体積と重量から粉体プレス密度を求めた結果3.15g/cmであった。
そして、上記実施例1と同様にして正極体および電池を作製し特性を評価したところ、初期容量は141mAh/g、1C容量/0.2C容量は94%、容量維持率は95%、発熱開始温度は206℃であった。
【0036】
〈比較例1〉
上記実施例1において使用したLiNi0.5Mn0.5を単独で使用した他は、上記実施例1と同様に正極体および電池を作製し特性を評価した。その結果、初期容量は130mAh/g、1C容量/0.2C容量は85%、容量維持率は92%、発熱開始温度は230℃であった。
【0037】
〈比較例2〉
硫酸ニッケルと硫酸マンガン(モル比0.70:0.30)混合水溶液に、アンモニア水と水酸化ナトリウム水溶液を加えて共沈させ、150℃で加熱・乾燥により、ニッケル−コバルト−マンガン共沈水酸化物(ニッケル:マンガン原子比=0.70:0.30)を得た。このニッケル−マンガン共沈水酸化物を550℃で大気中で焼成・粉砕し、ニッケル−マンガン酸化物粉末を得た。このニッケル−マンガン酸化物粉末と水酸化リチウム粉末を混合し、480℃で焼成し、さらに大気中で800℃で焼成・粉砕してLiNi0.7Mn0.3を合成した。
このLiNi0.7Mn0.3を単独で使用した他は、上記実施例1と同様に正極体および電池を作製し特性を評価した。その結果、初期容量は170mAh/g、1C容量/0.2C容量は86%、容量維持率は91%、発熱開始温度は200℃であった。
【0038】
〈比較例3〉
上記実施例1において使用したLiCoOを単独で使用した他は、上記実施例1と同様に正極体および電池を作製し特性を評価した。その結果、初期容量は151mAh/g、1C容量/0.2C容量は95%、容量維持率は95%、発熱開始温度は156℃であった。
【0039】
〈比較例4〉
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガン(モル比0.25:0.50:0.25)混合水溶液に、アンモニア水と水酸化ナトリウム水溶液を加えて共沈させ、150℃で加熱・乾燥により、ニッケル−コバルト−マンガン共沈水酸化物(ニッケル:コバルト:マンガン原子比=0.25:0.50:0.25)を得た。このニッケル−コバルト−マンガン共沈水酸化物を550℃で大気中で焼成・粉砕し、ニッケル−コバルト−マンガン酸化物粉末を得た。このニッケル−コバルト−マンガン酸化物粉末と水酸化リチウム粉末を混合し、480℃で焼成し、さらに大気中で800℃で焼成・粉砕してLiNi0.25Co0.50Mn0.25を合成した。
このLiNi0.25Co0.50Mn0.25を単独で使用した他は、上記実施例1と同様に正極体および電池を作製し特性を評価した。その結果、初期容量は160mAh/g、1C容量/0.2C容量は88%、容量維持率は87%、発熱開始温度は187℃であった。
【0040】
参考として、次表に上記実施例1〜8および比較例1〜4で用いた複合酸化物と評価結果をまとめて示す。
【表1】
Figure 0004082855
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、リチウム遷移金属複合酸化物を主成分とする正極活物質層を備えたリチウム二次電池において、リチウム遷移金属複合酸化物に本発明の混合物を用いることにより、混合に用いたそれぞれの単独のリチウム遷移金属複合酸化物を用いた場合より、高電流放電特性、容量、安全性のバランスが向上した電池性能が発現できる。
【0042】
また、単独のリチウム遷移金属化合物からなり、かつ、混合に用いた遷移金属元素含量と同じである正極活物質を用いた場合より容量と安全性並びに充放電サイクル安定性の優れた電池性能を得ることができる。

Claims (4)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物を主成分とする正極活物質層を備えたリチウム二次電池において、
    上記リチウム遷移金属複合酸化物が、LiNiMn1−y−z(ただし、xは0.9≦x≦1.2、yは0.40≦y≦0.60、zは0≦z≦0.2であり、MはFe,Co,Cr,Al原子のいずれかから選択される。)で表され、かつ、Ni/Mn=0.6/0.4〜0.4/0.6(原子比)であるリチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物と、R−3m菱面体構造を有し、LiCoO(ただし、xは0.9≦x≦1.1である。)で表されるリチウム−コバルト複合酸化物との混合物からなることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 上記混合物中の上記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物の含有量が20〜70重量%であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 上記混合物の粉体プレス密度が3.0g/cm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 上記リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物がR−3m菱面体構造であることを特徴とする請求項1,2または3に記載のリチウム二次電池。
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