JP3974396B2 - リチウム二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広い電圧範囲で使用可能であり、初期容量が高く、初期充放電効率が高く、充放電サイクル耐久性、及び安全性に優れたリチウム二次電池用の正極活物質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の電子機器のポータブル化、コードレス化が進むにつれ、小型、軽量でかつ高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池に対する需要が増大し、以前にも増して特性の優れた非水電解液二次電池の開発が望まれている。
【0003】
一般に、非水電解液二次電池に用いられる正極活物質は、主活物質であるリチウムにコバルト、ニッケル、マンガンをはじめとする遷移金属を固溶させた複合酸化物からなる。その用いられる遷移金属の種類によって、電気容量、可逆性、作動電圧、安全性などの電極特性が異なる。
【0004】
例えば、LiCoO2、LiNi0.8Co0.22のようにコバルトやニッケルを固溶させたR−3m菱面体岩塩層状複合酸化物を正極活物質に用いた非水電解液二次電池は、それぞれ140〜160mAh/gおよび180〜200mAh/gと比較的高い容量密度を達成できるとともに2.5〜4.3Vといった高い電圧域で良好な可逆性を示す。しかしながら、電池を加温した際に、充電時の正極活物質と電解液溶媒との反応により電池が発熱し易い問題がある。
【0005】
特開平10−027611号公報には、LiNi0.8Co0.22の特性を改良すべく、例えばLiNi0.75Co0.20Mn0.052の提案と、その正極活物質中間体のアンモニウム錯体を利用した製造方法の開示がなされている。また、特開平10−81521号公報には、特定の粒度分布を有するリチウム電池用ニッケル−マンガン2元系水酸化物原料のキレート剤を用いた製造方法について提案がなされている。しかし、これら従来の正極活物質においては、いずれも、初期容量、初期充放電効率が高く、充放電サイクル耐久性、及び安全性を同時に充分満足する正極活物質は今なお得られていない。
【0006】
他方において、比較的安価なマンガンを原料とするLiMn24からなるスピネル型複合酸化物を活物質に用いた非水電解液二次電池は、充電時の正極活物質と電解液溶媒との反応によっては比較的発熱しにくい。しかし、その充放電容量は、上述のコバルト系およびニッケル系活物質に比較して100〜120mAh/gと低く、充放電サイクル耐久性が乏しいという問題があるとともに、3V未満の低い電圧領域で急速に劣化する問題もある。
【0007】
また、斜方晶Pmnm系あるいは単斜晶C2/m系のLiMnO2、LiMn0.95Cr0.052あるいはLiMn0.9Al0.12を用いた電池は、安全性は高く、初期容量が高く発現する例はあるものの、充放電サイクルにともなう結晶構造の変化が起こりやすく、サイクル耐久性が不充分となる問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の非水電解液二次電池用の正極活物質が有する問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、広い電圧範囲での使用を可能とし、初期容量が高く、初期充放電効率が高く、充放電サイクル耐久性、及び安全性に優れた高安全性の非水電解液二次電池用正極の製造方法を提供することにある。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、出発原料として、少なくともニッケル及びコバルトを含み、かつ特定の物性を有する複合酸化物を使用し、該複合酸化物とリチウム化合物との混合物を酸化雰囲気下に焼成することにより製造した、特定の組成からなるリチウム二次電池用正極活物質が上記目的を達成することを見出し、本発明に達したものであり、本発明は下記の要旨を有する。
(1)一般式、LiNiCo(但し、Mは、Al、Mn及びCrから選ばれる少なくとも1種の元素、0.9≦p≦1.1、0.5<x≦0.95、0.05≦y≦0.4、0≦z≦0.3、0.8≦x+y+z≦1)で表されるリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、ニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む、比表面積が10〜150m/gである複合酸化物と、リチウム化合物との混合物を酸化雰囲気下に600〜1000℃で焼成することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
(2)前記複合酸化物は、CuKα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.5±1°における回折角の半値幅が0.2〜2.3°でありかつ2θ=63.5±1°における回折角の半値幅が0.3〜2.4°である(1)に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
(3)前記複合酸化物は、ニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む混合水溶液からアルカリにより共沈させて得られる複合水酸化物の300〜600℃での焼成物である上記(1)または(2)に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
(4)前記複合酸化物のプレス密度が2.4〜3.3g/cmである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
(5)前記複合酸化物は、その形状が球状もしくは楕円状で平均粒径2〜14μmを有し、かつ該複合酸化物とリチウム化合物との混合物を焼成する前に450〜550℃で予備焼成する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
(6)前記リチウム化合物が水酸化リチウムである上記(1)〜(5)のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
(7) 酸素原子の一部がフッ素原子で置換された、一般式、LiNiCo2‐a但し、Mは、Al、Mn及びCrから選ばれる少なくとも1種の元素、0.9≦p≦1.1、0.5<x≦0.95、0.05≦y≦0.4、0≦z≦0.3、0< a ≦0.40、0.8≦x+y+z≦1である)で表されるリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、ニッケル、コバルト及び必要に応じて元素Mを含む、比表面積が10〜150m /gである複合酸化物と、リチウム化合物との混合物を酸化雰囲気下に600〜1000℃で焼成することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法
(8)ニッケルとコバルトを少なくとも含む、比表面積が10〜150m/gであり、かつその形状が球状もしくは楕円状であり、かつCuKα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.5±1°における回折角の半値幅が0.2〜2.3°でありかつ2θ=63.5±1°における回折角の半値幅が0.3〜2.4°であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質用複合酸化物。
【0010】
かくして、本発明によれば、下記の特性を有するリチウム二次電池の正極活物質が提供される。
1.単位重量当たりの初期放電容量が高い。
2.初期充放電効率が高い。
3.単位体積当たりの初期放電容量が高い(これは正極粉末のプレス密度に比例する)。
4.充放電サイクル安定性が高い。
5.安全性が高い。
【0011】
本発明により、何故に上記のような優れた特性を有する正極活物質が得られるについての機構は明らかではないが、本発明で使用される特定の複合水酸化物はリチウム化反応活性が極めて高いため、凝集体水酸化物におけるリチウム化が均質に進行し、緻密な結晶構造を生成されるためと思われる。
以下に、本発明について更に詳しく説明をする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において製造されるリチウム二次電池用の正極活物質は、上記のように、一般式、LipNixCoyz2を有する。かかる一般式における、M、p、x、y、及びzは上記したのと同じである。なかでも、元素Mとしては、MnまたはAlである場合、安全性が向上するので好ましい。また、p、x、y、zは、なかでも、0.97≦p≦1.05、0.70≦x≦0.90、0.10≦y≦0.30、0.03≦z≦0.2、0.95≦x+y+z≦1が好ましい。さらに、本発明の正極活物質には、その特性に支障とならない範囲で他の元素が含まれていてもよい。
【0013】
上記リチウム二次電池用正極活物質の製造は、本発明では、出発原料として、ニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む、比表面積が10〜150m2/gである複合酸化物が使用される。該複合酸化物に中に元素Mが含まれる場合は、最終的に製造されるリチウム二次電池用の正極活物質に元素Mが含まれるときである。複合酸化物に含まれる各成分の含有量は、上記目的とする正極活物質の各成分の割合に応じて決められる。
【0014】
上記複合酸化物の比表面積は重要であり、比表面積が10m2/gより小さい場合には、初期単位重量当りの放電容量が低下し、逆に150m2/gを越える場合にも、初期単位体積当りの放電容量が低下し、本発明の目的の優れた正極活物質は得られない。比表面積はなかでも、20〜100m2/gが好適である。
【0015】
また、上記複合酸化物は、さらに、CuKα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.5±1°における回折角の半値幅、及びθ=63.5±1°における回折角の半値幅がそれぞれ所定の範囲を有する場合に、初期体積容量密度、初期重量容量密度、初期充放電効率およびサイクル耐久性の点で優れた特性が得られることが判明した。かくして上記複合酸化物は、CuKα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.5±1°における回折角の半値幅は0.2〜2.3°が好ましく、特には、0.7〜2.0°が好適であり、かつ2θ=63.5±1°における半値幅は、0.3〜2.4°好ましく、特には、0.5〜2.3°が好適である。
【0016】
更に、本発明の上記複合酸化物はプレス密度として、好ましくは、2.4〜3.3g/cm3を有することが好ましい。プレス密度が2.4g/cm3よりも小さいときは、リチウム化後の正極の初期体積容量密度が低くなり、逆に3.3g/cm3よりも大きいときは、リチウム化後の正極の初期重量容量密度が低下したり、ハイレート放電特性が低下するので好ましくない。なかでも、複合酸化物のプレス密度は、2.6〜3.1g/cm3 が好適である。なお、本発明において“プレス密度”とは、複合酸化物粉末あるいは正極粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量から求めたものを“プレス密度”と定義する。
【0017】
本発明において、複合酸化物粒子はSEM観察において、1次粒子が無数に凝集して二次粒子を形成したものであり、かつその形状が球状または楕円状であるものが、電池特性向上および、プレス密度向上の見地より好ましい。
【0018】
本発明の上記複合酸化物の製造法は必ずしも制限されず、例えば、共沈法によって製造される複合炭酸塩、複合塩基性炭酸塩、複合有機酸塩、複合酸化物を加熱することによって製造することができる。なかでも、ニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む混合水溶液からアルカリにより共沈させて得られる複合水酸化物を酸化雰囲気下に300〜600℃で焼成して得られる複合酸化物(以下、共沈複合酸化物ともいう。)が好適であることが判明した。かかる共沈複合酸化物は、上記混合水溶液の組成、共沈及び焼成条件を変えることにより、上記した複合酸化物に要求される比表面積、CuKα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.5±1°における回折角の半値幅、及び2θ=63.5±1°における回折角の半値幅、更にはプレス密度を容易に満たすことができる。
【0019】
上記共沈複合酸化物を製造する場合、ニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む混合水溶液とアルカリとして、好ましくはアルカリ金属水酸化物水溶液と反応させて共沈させることにより、ニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む、複合水酸化物(以下、共沈複合水酸化物ともいう。)を生成させる。ます、ニッケル、コバルト、及び元素Mを含む混合水溶液としては、硫酸塩水溶液、硝酸塩水溶液、蓚酸塩水溶液等が例示される。混合水溶液における、ニッケル、コバルト、及び元素Mを含む金属塩の濃度は、製造する正極活物質の組成によって異なるが、いずれも0.5〜2.5モル/Lが好ましい。アルカリ金属水酸化物水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムの水溶液が好ましく例示される。このアルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は、15〜35モル/Lが好ましい。
【0020】
上記共沈複合水酸化物の製造では、好ましくは、アンモニウムイオンを共存させることにより、緻密かつ球状の複合水酸化物が得られる。アンモニウムイオン供給体としては、アンモニア水または硫酸アンモニウム水溶液または硝酸アンモニウム等が好ましく例示される。アンモニアまたはアンモニウムイオンの濃度は4〜20モル/Lが好ましい。
【0021】
本発明における上記共沈複合水酸化物の製造を、より具体的に説明すると、ニッケル、コバルト、及び元素Mを含む混合水溶液と、アルカリ金属水酸化物水溶液と、好ましくはアンモニウムイオン供給体とを、連続的もしくは間欠的に反応槽に供給し、反応槽のスラリーを強力に攪拌しつつ、反応槽のスラリーの温度を好ましくは30〜70℃に制御する。反応槽のスラリーのpHは、好ましくは、10〜13の範囲内の所定のpHになるようにアルカリ水酸化物水溶液の供給速度を制御することにより保持する。
【0022】
反応槽における滞留時間は、0.5〜30時間が好ましく、特に5〜15時間が好ましい。スラリー濃度は500〜1200g/Lとするのが好ましい。本発明では、上記の温度、pH、滞留時間、スラリー濃度およびスラリー中イオン濃度を適宜制御することにより、所望の平均粒径、粒径分布、粒子密度を有する共沈複合水酸化物を得ることができる。反応は1段で行なう方法より、多段で反応させる方法が緻密、かつ好ましい粒度分布を有する球状粒子が得られる。
【0023】
得られた共沈複合水酸化物は、これを焼成して、直接に共沈複合酸化物を生成してもよいが、該共沈複合水酸化物に酸化剤を作用せしめ、ニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む複合オキシ水酸化物に転化して、これを焼成して、複合酸化物を製造することもできる。上記複合水酸化物を複合オキシ水酸化物に転化する好ましい手段としては、複合水酸化物のスラリー中に空気、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素水、過硫酸カリ、臭素等の酸化剤を供給し、20〜60℃で5〜20時間反応させる。
【0024】
上記で得られた複合水酸化物、または複合オキシ水酸化物を、好ましくは、温度300〜600℃、特に好ましくは350〜550℃で、好ましくは、4〜24時間、酸素含有雰囲気下で焼成することにより、ニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む共沈複合酸化物が製造できる。複合酸化物は好ましくは、平均粒径が2〜14μm、特には3〜10μmを有するのが好適である。
【0025】
このように得られたニッケル、コバルト、及び必要に応じて元素Mを含む共沈複合酸化物は、次いでリチウム化合物と混合され、焼成される。この場合、リチウム化合物としては、リチウム化を均一に行わせるため、水酸化リチウムの使用が好ましい。焼成は、酸化雰囲気下で、600〜1000℃にて焼成し、目的とする正極活物質を製造する。酸化雰囲気としては、酸素濃度を好ましくは15容量%以上、特に40容量%以上含む含酸素雰囲気の使用が好ましい。焼成時間は、焼成温度にもよるが、好ましくは4〜48時間、特には8〜20時間である。
【0026】
なお、本発明では、上記複合酸化物とリチウム化合物との混合物の焼成にあたっては、リチウム化合物を均一に複合酸化物と混合させるため、予備焼成するのが好ましい。予備焼成は、酸化雰囲気にて、好ましくは450〜550℃で、好ましくは4〜20時間で行うのが好適である。
【0027】
かくして、一般式、LiNiCo(M、p、x、y、zは上記と同じである。)表される正極活物質が製造される。なお、本発明のかかる正極活物質では、酸素原子の一部をフッ素原子で置換することもでき、この場合の正極活物質は、一般式、LiNiCo2‐a但し、Mは、Al、Mn及びCrから選ばれる少なくとも1種の元素、0.9≦p≦1.1、0.5<x≦0.95、0.05≦y≦0.4、0≦z≦0.3、0< a ≦0.40、0.8≦x+y+z≦1である)で表される。なかでも、0.05<a≦0.30であるのが好ましい。かかる酸素原子の一部がフッ素原子で置換された正極活物質は安全性が向上する。
【0028】
上記酸素原子の一部がフッ素原子で置換された正極活物質は、例えば、上記の複合酸化物とリチウム化合物とフッ化リチウムとを混合し、焼成することにより製造できる。
【0029】
上記本発明の正極活物質からリチウム二次電池用の正極を得る方法は、常法に従って実施できる。例えば、本発明の正極活物質の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛、ケッチエンブラック等のカーボン系導電材と、結合材とを混合することにより正極合剤が形成する。結合材には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂等が用いられる。上記の正極合剤を、N−メチルピロリドンなどの分散媒に分散させたスラリーをアルミニウム箔等の正極集電体に塗工・乾燥およびプレス圧延せしめて正極活物質層を正極集電体上に形成する。
【0030】
本発明の正極活物質を正極に使用するリチウム電池において、電解質溶液の溶媒としては炭酸エステルが好ましい。炭酸エステルは環状、鎖状いずれも使用できる。環状炭酸エステルとしてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が例示される。鎖状炭酸エステルとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が例示される。
【0031】
上記炭酸エステルは単独でも2種以上を混合して使用してもよい。また、他の溶媒と混合して使用してもよい。また、負極活物質の材料によっては、鎖状炭酸エステルと環状炭酸エステルを併用すると、放電特性、サイクル耐久性、充放電効率が改良できる場合がある。また、これらの有機溶媒にフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(例えばアトケム社カイナー)、フッ化ビニリデン−パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体を添加し、下記の溶質を加えることによりゲルポリマー電解質としても良い。
【0032】
電解質溶液の溶質としては、ClO4−、CF3SO3−、BF4−、PF6−、AsF6−、SbF6−、CF3CO2−、(CF3SO22N−等をアニオンとするリチウム塩のいずれか1種以上を使用することが好ましい。上記の電解質溶液またはポリマー電解質は、リチウム塩からなる電解質を前記溶媒または溶媒含有ポリマーに0.2〜2.0mol/Lの濃度で添加するのが好ましい。この範囲を逸脱すると、イオン伝導度が低下し、電解質の電気伝導度が低下する。より好ましくは0.5〜1.5mol/Lが選定される。セパレータには多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレンフィルムが使用される。
【0033】
本発明の正極活物質を正極に使用するリチウム電池の負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料である。負極活物質を形成する材料は特に限定されないが、例えばリチウム金属、リチウム合金、炭素材料、周期表14、15族の金属を主体とした酸化物、炭素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化チタン、炭化ホウ素化合物等が挙げられる。
【0034】
炭素材料としては、様々な熱分解条件で有機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土壌黒鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛等を使用できる。また、酸化物としては、酸化スズを主体とする化合物が使用できる。負極集電体としては、銅箔、ニッケル箔等が用いられる。
本発明における正極活物質を使用するリチウム電池の形状には、特に制約はない。シート状(いわゆるフイルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒形、ボタン形等が用途に応じて選択される。
【0035】
【実施例】
次に、本発明を具体的な実施例1〜6および比較例1〜3について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
なお、実施例において、X線回析分析は、株式会社リガクのRINT-2000型を用い、Cu-Kα管球、管電圧40KV、管電流40mA、受光スリット0.15mm、サンプリング幅0.02°の条件で行った。本発明において、粒度分析には、Leed+Northrup社のMicrotrac HRA X-100型を用いた。
【0036】
実施例1
反応槽に硫酸ニッケルと硫酸コバルトを含有する硫酸塩水溶液と、アンモニア水溶液と、苛性ソーダ水溶液とをそれぞれ連続的に、反応槽のスラリーのPHが11、温度が50℃になるように反応槽内を強力に攪拌しつつ供給した。オーバーフロー方式で反応系内の液量を調節し、オーバーフローした共沈スラリーを濾過、水洗し、次いで100℃で乾燥することにより、ニッケル-コバルト複合水酸化物粉体を得た。
【0037】
このニッケル-コバルト複合水酸化物粉体を400℃で大気中で10時間焼成し、ニッケル-コバルト複合酸化物(Ni/Co原子比0.82/0.18)を得た。Cu-Kα線を使用した粉末X線回折の、2θ=37.2°における回折角の半値幅が1.62°であり2θ=43.3°における回折角の半値幅が1.61°であり、かつ2θ=62.8°における回折角の半値幅が2.00°であり、菱面体晶系(R-3m)、あるいは立方晶系(Fm3m)に属する酸化物構造を有しており、ニッケルあるいはコバルト水酸化物由来の回折は認められなかった。また、この複合酸化物粉末の窒素吸着法による比表面積は73m2/gであった。この複合酸化物の粒度分布をレーザー散乱式で測定した。その結果体積平均粒径D50は8.2μm、D90は11.7μm、D10は5.8μmであった。また、この複合酸化物粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量からプレス密度を測定した結果、2.56g/cm3であった。この複合酸化物粉末粒子はSEM観察において、1次粒子が無数に凝集して二次粒子を形成したものであり、かつその形状が球状もしくは楕円状であった。
【0038】
この複合酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物を混合し、酸素濃度40%、窒素濃度60%の雰囲気下490℃で10時間焼成した後、混合し、酸素濃度60%、窒素濃度40%の雰囲気下で780℃で16時間焼成し、混合粉砕することにより、LiNi0.82Co0.18O2粉末を得た。この正極粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量からプレス密度を測定した結果、3.45g/cm3であった。また、この正極粉末の窒素吸着法による比表面積は0.60m2/gであり、体積平均粒径D50は9.0μm、D90は16.9μm、D10は5.7μmであった。Cu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であり、2θ=65°における(110)面の回折ピークの半値幅は0.125°であった。この正極粉末粒子はSEM観察において、1次粒子が無数に凝集して二次粒子を形成したものであり、かつその形状が球状もしくは楕円状であった。
【0039】
この正極粉末と、アセチレンブラックと、ポリテトラフルオロエチレン粉末とを80/16/4の重量比で混合し、トルエンを添加しつつ混練、乾燥して厚さ150μmの正極板を作製した。
【0040】
そして、厚さ20μmのアルミニウム箔を正極集電体とし、セパレータには厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンを用い、厚さ500μmの金属リチウム箔を負極に用い、負極集電体にニッケル箔20μmを使用し、電解液には1M LiPF6/EC+DEC(1:1)を用いてステンレス製簡易密閉型リチウム電池セルをアルゴングローブボックス内で組立てた。この電池について、まず、25℃にて正極活物質1gにつき20mAの負荷電流で4.3VまでCC-CVで充電し、正極活物質1gにつき20mAの負荷電流にて2.5Vまで放電して初期放電容量を求めた。更に充放電サイクル試験を11回行なった。
【0041】
25℃における2.5〜4.3Vにおける初期放電容量は205mAh/gであり、初期充放電効率は96.2%であり、11回充放電サイクル後の容量維持率は98.5%であった。
【0042】
実施例2
ニッケルーコバルト複合水酸化物を500℃で焼成した他は実施例1と同様にしてニッケル-コバルト複合酸化物(Ni/Co原子比0.82/0.18)を得た。このニッケル-コバルト複合酸化物粉体のCu-Kα線を使用した粉末X線回折の、2θ=37.2°における回折角の半値幅は0.84°であり、2θ=43.2°における回折角の半値幅が0.74°であり、かつ2θ=62.8°における回折角の半値幅が0.88°であり、菱面体晶系(R-3m)、あるいは立方晶系(Fm3m)に属する酸化物構造を有しており、ニッケルあるいはコバルト水酸化物由来の回折は認められなかった。また、この複合酸化物粉末の窒素吸着法による比表面積は24m2/gであった。この複合酸化物の粒度分布をレーザー散乱方式で測定した。その結果体積平均粒径D50は8.1μm、D90は11.8μm、D10は5.7μmであった。また、この複合酸化物粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量からプレス密度を測定した結果、2.88g/cm3であった。この複合酸化物粉末粒子はSEM観察において、1次粒子が無数に凝集して二次粒子を形成したものであり、かつその形状が球状もしくは楕円状であった。
【0043】
この複合酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物を混合し、実施例1と同様にしてLiNi0.82Co0.18O2粉末を得た。正極粉末のプレス密度を測定した結果、3.41g/cm3であった。また、この正極粉末の窒素吸着法による比表面積は0.53m2/gであり、体積平均粒径D50は9.3μm、D90は16.5μ、D10は6.0μmであった。Cu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であり、(110)面の回折ピークの半値幅は0.130°であった。
この正極粉末を用いて実施例1と同様にしてステンレス製簡易密閉セルを組立て充放電性能を評価した。
25℃における初期放電容量は205mAh/gであり、初期充放電効率は96.0%であった。また、11回充放電サイクル後の容量維持率は98.7%であった。
【0044】
実施例3
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンを含有する硫酸塩水溶液を用いた他は実施例1と同様にしてニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物(Ni/Co/Mn原子比0.70/0.20/0.10)を得た。このニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物粉体のCu-Kα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.7°における回折角の半値幅が1.50°であり、かつ2θ=63.5°における回折角の半値幅が2.00°であり、菱面体晶系(R-3m)、あるいは立方晶系(Fm3m)に属する酸化物構造を有しており、ニッケルあるいはコバルトあるいはマンガン水酸化物由来の回折は認められなかった。また、この複合酸化物粉末の窒素吸着法による比表面積は75m2/gであった。また、この複合酸化物粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量からプレス密度を測定した結果、2.41g/cm3であった。この複合酸化物粉末粒子はSEM観察において、1次粒子が無数に凝集して二次粒子を形成したものであり、かつその形状が球状もしくは楕円状であった。この複合酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物を混合し、実施例1と同様にしてLiNi0.70Co0.20Mn0.10O2粉末を得た。この正極粉末のCu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であった。
この正極粉末を用いて実施例1と同様にしてステンレス製簡易密閉セルを組立て充放電性能を評価した。
【0045】
25℃における初期放電容量は190mAh/gであり、11回充放電サイクル後の容量維持率は98.5%であった。また、4.3Vで10時間充電し、アルゴングローブボックス内でセルを解体して、充電後の正極体シートを取り出し、その正極体シートを洗滌した。該正極体シートを径3mmに打ち抜き、エチレンカーボネートとともにアルミカプセルに密閉し、走査型差動熱量計にて5℃/分の速度で昇温して発熱開始温度を実施例1と比較した結果、発熱開始温度は実施例1より上昇していた。
実施例4
【0046】
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムを含有する硫酸塩水溶液を用いた他は実施例1と同様にしてニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物(Ni/Co/Al原子比0.80/0.17/0.03)を得た。このニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物粉体のCu-Kα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.4°における回折角の半値幅が1.75°であり、かつ2θ=62.9°における回折角の半値幅が2.14°であり、菱面体晶系(R-3m)、あるいは立方晶系(Fm3m)に属する酸化物構造を有しており、ニッケルあるいはコバルトあるいはアルミニウム水酸化物由来の回折は認められなかった。
【0047】
また、この複合酸化物粉末の窒素吸着法による比表面積は95m2/gであった。また、この複合酸化物粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量からプレス密度を測定した結果、2.42g/cm3であった。この複合酸化物粉末粒子はSEM観察において、1次粒子が無数に凝集して二次粒子を形成したものであり、かつその形状が球状もしくは楕円状であった。この複合酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物を混合し、実施例1と同様にしてLiNi0.80Co0.17Al0.03O2粉末を得た。この正極粉末のCu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であった。
この正極粉末を用いて実施例1と同様にしてステンレス製簡易密閉セルを組立て充放電性能を評価した。
【0048】
25℃における初期放電容量は193mAh/gであり、11回充放電サイクル後の容量維持率は98.1%であった。また、4.3Vで10時間充電し、アルゴングローブボックス内でセルを解体し、充電後の正極体シートを取り出し、その正極体シートを洗滌した。該正極体シートを径3mmに打ち抜き、エチレンカーボネートとともにアルミカプセルに密閉し、走査型差動熱量計にて5℃/分の速度で昇温して発熱開始温度を実施例1と比較した結果、発熱開始温度は実施例1より上昇していた。
【0049】
実施例5
硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンを含有する硫酸塩水溶液を用いた他は実施例1と同様にしてニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物(Ni/Co/Mn原子比0.58/0.27/0.15)を得た。このニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物粉体のCu-Kα線を使用した粉末X線回折の、2θ=44.0°における回折角の半値幅が1.59°であり、かつ2θ=64.1°における回折角の半値幅が1.67°であり、菱面体晶系(R-3m)、あるいは立方晶系(Fm3m)に属する酸化物構造を有しており、ニッケルあるいはコバルトあるいはマンガン水酸化物由来の回折は認められなかった。
【0050】
また、この複合酸化物粉末の窒素吸着法による比表面積は81m2/gであった。また、この複合酸化物粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量からプレス密度を測定した結果、2.43g/cm3であった。この複合酸化物粉末粒子はSEM観察において、1次粒子が無数に凝集して二次粒子を形成したものであり、かつその形状が球状もしくは楕円状であった。この複合酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物を混合し、実施例1と同様にしてLiNi0.58Co0.27Mn0.15O2粉末を得た。この正極粉末のCu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であった。
この正極粉末を用いて実施例1と同様にしてステンレス製簡易密閉セルを組立て充放電性能を評価した。
【0051】
25℃における初期放電容量は185mAh/gであり、11回充放電サイクル後の容量維持率は97.9%であった。また、4.3Vで10時間充電し、アルゴングローブボックス内でセルを解体し、充電後の正極体シートを取り出し、その正極体シートを洗滌した。該正極体シートを径3mmに打ち抜き、エチレンカーボネートとともにアルミカプセルに密閉し、走査型差動熱量計にて5℃/分の速度で昇温して発熱開始温度を実施例1と比較した結果、発熱開始温度は実施例1より上昇していた。
なお、本実施例において、マンガンの代わりにクロムを使用して同様にしてクロムを含む正極粉末を製造し、該正極粉末の特性を試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0052】
実施例6
実施例1で合成したニッケル-コバルト複合酸化物(Ni/Co原子比0.82/0.18)を用い、該複合酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物とフッ化リチウム粉末を混合し、実施例1と同様にしてLi1.05Ni0.81Co0.17O1.95F0.05粉末を得た。正極粉末のCu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であった。
この正極粉末を用いて実施例1と同様にしてステンレス製簡易密閉セルを組立て充放電性能を評価した。
【0053】
25℃における初期放電容量は190mAh/gであり、11回充放電サイクル後の容量維持率は97.7%であった。また、4.3Vで10時間充電し、アルゴングローブボックス内でセルを解体し、充電後の正極体シートを取り出し、その正極体シートを洗滌した。該正極体シートを径3mmに打ち抜き、エチレンカーボネートとともにアルミカプセルに密閉し、走査型差動熱量計にて5℃/分の速度で昇温して発熱開始温度を実施例1と比較した結果、発熱開始温度は実施例1より上昇していた。
【0054】
比較例1
ニッケルーコバルト複合水酸化物を焼成しなかった他は実施例1と同様にしてニッケル-コバルト複合水酸化物(Ni/Co原子比0.82/0.18)を得た。このニッケル-コバルト複合水酸化物粉体のCu-Kα線を使用した粉末X線回折には2θ=19.0°、33.0°、38.4°に回折ピークが認められ、六方晶系(P-3m1)の水酸化ニッケル構造に近似できることを確認した。また、ニッケルあるいはコバルト酸化物由来の回折は認められなかった。この複合水酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物を混合し、実施例1と同様にしてLiNi0.82Co0.18O2粉末を得た。この正極粉末のプレス密度を測定した結果、3.30g/cm3であった。Cu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であった。
この正極粉末を用いて実施例1と同様にしてステンレス製簡易密閉セルを組立て充放電性能を評価した。
【0055】
25℃における初期放電容量は201mAh/gであり、初期充放電効率は94.9%であった。また、11回充放電サイクル後の容量維持率は96.2%であった。
【0056】
比較例2
ニッケルーコバルト複合水酸化物を800℃で焼成した他は実施例1と同様にしてニッケル-コバルト複合酸化物(Ni/Co原子比0.82/0.18)を得た。このニッケル-コバルト複合酸化物粉体のCu-Kα線を使用した粉末X線回折の、2θ=37.1°における回折角の半値幅は0.12°であり2θ=43.1°における回折角の半値幅が0.12°であり、かつ2θ=62.6°における回折角の半値幅が0.13°であり、菱面体晶系(R-3m)、あるいは立方晶系(Fm3m)に属する酸化物構造を主体として有しており、ニッケルあるいはコバルト水酸化物由来の回折は認められなかった。
【0057】
また、この複合酸化物粉末の窒素吸着法による比表面積は1.1m2/gであった。この複合酸化物の粒度分布をレーザー散乱方式で測定した。その結果体積平均粒径D50は7.6μm、D90は10.1μm、D10は5.7μmであった。また、この複合酸化物粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量からプレス密度を測定した結果、3.67g/cm3であった。この複合酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物を混合し、実施例1と同様にしてLiNi0.82Co0.18O2粉末を得た。正極粉末のプレス密度を測定した結果、3.09g/cm3であった。また、この正極粉末の窒素吸着法による比表面積は0.44m2/gであり、体積平均粒径D50は13.3μm、D90は25.8μm、D10は7.6μmであった。Cu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であり、(110)面の回折ピークの半値幅は0.204°であった。
この正極粉末を用いて実施例1と同様にしてステンレス製簡易密閉セルを組立て充放電性能を評価した。
25℃における初期放電容量は144mAh/gであり、初期充放電効率は75.8%であった。また、11回充放電サイクル後の容量維持率は85.3%であった。
【0058】
比較例3
ニッケルーコバルト複合水酸化物を300℃で焼成した他は実施例1と同様にしてニッケル-コバルト複合酸化物(Ni/Co原子比0.82/0.18)を得た。このニッケル-コバルト複合酸化物粉体のCu-Kα線を使用した粉末X線回折の、2θ=37.4°における回折角の半値幅は2.24°であり2θ=43.5°における回折角の半値幅が2.42°であり、かつ2θ=63.0°における回折角の半値幅が2.36°であり、菱面体晶系(R-3m)、あるいは立方晶系(Fm3m)に属する酸化物構造を主体として有しており、ニッケルあるいはコバルト水酸化物由来の回折は認められなかった。
【0059】
また、この複合酸化物粉末の窒素吸着法による比表面積は160m2/gであった。この複合酸化物の粒度分布をレーザー散乱方式で測定した。その結果体積平均粒径D50は8.2μm、D90は11.9μm、D10は5.8μmであった。また、この複合酸化物粉末約5gを3.14cm2につき6Tの圧力をかけることにより体積と重量からプレス密度を測定した結果、2.42g/cm3であった。この複合酸化物粉末に水酸化リチウム1水和物を混合し、実施例1と同様にしてLiNi0.82Co0.18O2粉末を得た。この正極粉末のプレス密度を測定した結果、3.27g/cm3であった。また、この正極粉末の窒素吸着法による比表面積は0.59m2/gであり、体積平均粒径D50は9.7μm、D90は19.1μm、D10は6.4μmであった。Cu-Kα線を使用した粉末X線回折スペクトルは菱面体系(R-3m)であり、(110)面の回折ピークの半値幅は0.139°であった。
この正極粉末を用いて実施例1と同様にしてステンレス製簡易密閉セルを組立て充放電性能を評価した。
25℃における初期放電容量は203mAh/gであり、初期充放電効率は95.3%であった。また、11回充放電サイクル後の容量維持率は97.1%であった。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、下記の特性を有するリチウム二次電池の正極活物質の新規な製造方法が提供される。
1.単位重量当たりの初期放電容量が高い。
2.初期充放電効率が高い。
3.単位体積当たりの初期放電容量が高い(これは正極粉末のプレス密度に比例する)。
4.充放電サイクル安定性が高い。
5.安全性が高い。

Claims (8)

  1. 一般式、LipNixCoyz2(但し、Mは、Al、Mn 及びCrから選ばれる少なくとも1種の元素、0.9≦p≦1.1、0.5<x≦0.95、0.05≦y≦0.4、0≦z≦0.3、0.8≦x+y+z≦1)で表されるリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、ニッケル、コバルト及び必要に応じて元素Mを含む、比表面積が10〜150m2/gである複合酸化物と、リチウム化合物との混合物を酸化雰囲気下に600〜1000℃で焼成することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記複合酸化物は、CuKα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.5±1°における回折角の半値幅が0.2〜2.3°でありかつ2θ=63.5±1°における回折角の半値幅が0.3〜2.4°である請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記複合酸化物は、ニッケル、コバルト及び必要に応じて元素Mを含む混合水溶液からアルカリにより共沈させて得られる複合水酸化物の300〜600℃での焼成物である請求項1または2に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記複合酸化物のプレス密度が2.4〜3.3g/cm3である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記複合酸化物は、その形状が球状もしくは楕円状で平均粒径2〜14μmを有し、かつ該複合酸化物とリチウム化合物との混合物を焼成する前に450〜550℃で予備焼成する請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記リチウム化合物が水酸化リチウムである請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 酸素原子の一部がフッ素原子で置換された、一般式、LiNiCo2‐a(但し、Mは、Al、Mn及びCrから選ばれる少なくとも1種の元素、0.9≦p≦1.1、0.5<x≦0.95、0.05≦y≦0.4、0≦z≦0.3、0< a ≦0.40、0.8≦x+y+z≦1である)で表されるリチウム二次電池用正極活物質の製造方法であって、ニッケル、コバルト及び必要に応じて元素Mを含む、比表面積が10〜150m /gである複合酸化物と、リチウム化合物との混合物を酸化雰囲気下に600〜1000℃で焼成することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法
  8. ニッケルとコバルトを少なくとも含む、比表面積が10〜150m/gであり、かつその形状が球状もしくは楕円状であり、かつCuKα線を使用した粉末X線回折の、2θ=43.5±1°における回折角の半値幅が0.2〜2.3°でありかつ2θ=63.5±1°における回折角の半値幅が0.3〜2.4°であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質用複合酸化物。
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