JP5114998B2 - 非水系電解質二次電池用正極活物質、その製造方法及びそれを用いた非水系電解質二次電池 - Google Patents
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Description
この中でも、リチウム金属複合酸化物、特に、比較的容易に合成することができるリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。このリチウムコバルト複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池では、優れた初期容量特性及びサイクル特性を得るための開発がこれまで数多く行われてきており、すでにさまざまな成果が得られている。
下記の工程(イ)〜(ハ)を含むことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法が提供される。
工程(イ):40〜90℃の温度に制御した反応槽内へ、ニッケル、コバルト及びマンガンの硫酸塩からなる混合水溶液とアルカリ水溶液とを、同時に連続的に投入しながら、錯化剤を用いずにpHを9〜11に保持し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を共沈させる。
工程(ロ):前記複合水酸化物を、300〜700℃の温度で酸化焙焼した後、水洗し、乾燥して、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得る。
工程(ハ):前記複合酸化物とリチウム化合物とを混合した後、850〜1150℃の温度で焼成する。
前記粉末は、硫酸塩をSO4換算で全量に対し0.2〜1.1質量%含有し、層状の結晶構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の一次粒子が複数個集合して形成された略球状の二次粒子と一次粒子とから構成されることを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質が提供される。
1.非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、一般式:Li1+xNi1−y−zCoyMnzO2(但し、式中、x、y、zは、0≦x≦0.10、0.1≦y≦0.35、0.1≦z≦0.35である。)で表されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の粉末からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、下記の工程(イ)〜(ハ)を含むことを特徴とする。
工程(イ):40〜90℃の温度に制御した反応槽内へ、ニッケル、コバルト及びマンガンの硫酸塩からなる混合水溶液とアルカリ水溶液とを、同時に連続的に投入しながら、pHを9〜11に保持し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を共沈させる。
工程(ロ):前記複合水酸化物を、300〜700℃の温度で酸化焙焼した後、水洗し、乾燥して、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得る。
工程(ハ):前記複合酸化物とリチウム化合物とを混合した後、850〜1150℃の温度で焼成する。
例えば、従来開示されている2種類以上の遷移金属元素が入っているリチウム金属複合酸化物を合成する方法として錯化剤を用いた共沈法がよく行なわれているが、ニッケル、コバルト及びマンガンの3元素を、錯化剤を用いて一緒に共沈させようとすると、錯イオンを形成しやすいニッケルとコバルトに対して、錯イオンを作りにくいマンガンの溶解度に差が生じてしまい、ろ液中に金属イオンが残ってしまったり、或いは組成がずれてしまったりするということが生じる。また、反応速度が遅いため、粒子を成長させるのに長時間がかかってしまうという問題も生じる。
ところが、これに対し、本発明の方法では、錯化剤を用いずに、硫酸塩を含有するニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を共沈生成させ、しかも、水洗せずにそのまま酸化焙焼することにより、原子レベルで3種の元素が均一に混合された複合酸化物が得られる。
上記工程(イ)は、40〜90℃の温度に制御した反応槽内へ、ニッケル、コバルト及びマンガンの硫酸塩からなる混合水溶液とアルカリ水溶液とを、同時に連続的に投入しながら、pHを9〜11に保持し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を共沈させる工程である。
上記工程(ロ)は、前記複合水酸化物を、300〜700℃の温度で酸化焙焼した後、水洗し、乾燥して、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得る工程である。
ここで、複合水酸化物中の金属成分を確実に規則配列させるように完全に固溶し、また水酸化物中に含まれる硫酸を除去する。すなわち、温度が300℃未満では、硫酸塩の分解除去が進まず、複合酸化物への転換が不十分であり、かつ複合酸化物の一次粒子の結合による二次粒子の形成が不十分であり、残留SO4も多くなることがある。一方、温度が700℃を超えると、二次粒子が焼結することがある。
上記酸化焙焼としては、空気気流、酸素気流等の酸化性雰囲気下で行なわれる。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質は、上記製造方法によって得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の粉末からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、前記粉末は、硫酸塩をSO4換算で全量に対し0.2〜1.2質量%含有し、層状の結晶構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の一次粒子が複数個集合して形成された略球状の二次粒子と一次粒子とから構成されることを特徴とする。
さらに、上記粉末の粒子径の平均粒子径としては、5〜11μmであり、タップ密度としては、1.5〜3g/mlであり、かつ比表面積としては、0.1〜1m2/gであることを特徴とする。
ここで、yおよびzは、0.1〜0.35である。すなわち、yが0.1未満、つまりCoが0.1モル未満では、結晶構造の不安定さが増し、電池のサイクル特性が悪くなってしまう。また、zが0.1未満、つまりMnが0.1モル未満では、電池の充電時の熱安定性が不十分になる。一方、y、zがともに0.35を超えると、つまりNiが0.3モル未満では、電池の充放電容量が、現状のリチウムコバルト酸化物よりも小さくなってしまう。
xの値は、0〜0.1の範囲が選ばれる。すなわち、LiとLi以外の金属元素(M)とのモル比:Li/Mは、化学量論比(=1.0)であればよいが、実際には、原料に含まれる硫酸根がLiと反応し、硫酸リチウムを形成して実質的なモル比:Li/Mを下げてしまうため、化学量論比よりも少し多めにする必要がある。
本発明の非水電解質二次電池は、上記非水電解質二次電池用正極活物質を正極として用いてなる高容量で安全性の高いものである。
ここで、上記リチウムイオン二次電池の形態について、各構成要素ごとにそれぞれ詳しく説明する。本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極、負極、非水電解液等、一般のリチウムイオン二次電池と同様の構成要素から構成される。なお、以下で説明する形態は例示に過ぎず、本発明の非水系電解質二次電池は、下記形態をはじめとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本発明の非水系電解質二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
得られた正極合材ペーストを、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して溶剤を飛散させる。また、必要に応じて、電極密度を高めるべくロールプレス等により加圧することもある。このようにしてシート状の正極を作製することができる。得られたシート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断等し、電池の作製に供することができる。
さらに、必要に応じて、正極活物質、導電材、活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加する。この溶剤としては、具体的にはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には電気二重層容量を増加させるために活性炭を添加することができる。
ただし、本発明の非水電解質二次電池は、上記正極活物質を用いる点に特徴を有するものであり、その他の構成要素は特に限定されるものではない。
上記負極としては、例えば、金属リチウム、リチウム合金等、また、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
上記負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を用いることができ、これら活物質および結着剤を分散させる溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
(2)正極活物質の結晶構造の分析:X線回折装置(リガク電機社製:RINT−1400)で分析した。
(3)正極活物質の粒度分布の測定:レーザー散乱式粒度測定装置(日機装製 マイクロトラックHRA)で測定した粒度分布から、D50(累積分布率50質量%での粒度)を求めた。
(4)正極活物質の粉体充填密度(タップ密度)の測定:粉末12gを20mlのガラス製メスシリンダーに入れ、振とう比重測定器(蔵持科学器械製作所製KRS−409)にて500回タップした後の粉体充填密度を求めた。
作製した電池は24時間程度放置し、開路電圧OCV(open circuit voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.5mA/cm2としてカットオフ電圧4.3Vまで充電して初期充電容量とし、1時間の休止後カットオフ電圧3.0Vまで放電したときの容量を初期放電容量とした。充放電容量の測定には,ADVANTEST社製マルチチャンネル電圧/電流発生器(R6741A)を用いた。
ニッケル:コバルト:マンガンのモル比が34:33:33となるように、硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンを混合した水溶液と、濃度24質量%の水酸化ナトリウム溶液とを、反応槽に同時に添加しながら、pHを10.5〜10.6、及び反応槽温度を70℃で一定に制御して、反応溶液内で4時間滞留させることにより、共沈法による複合水酸化物粒子を合成した。この複合水酸化物は、SO4を全量に対し7.5質量%含有し、1μm以下の一次粒子が複数集合した二次粒子からなっていた。
この複合水酸化物中の金属成分を完全に固溶するため、また水酸化物中に含まれる硫酸根を除去するため、500℃で5時間の酸化焙焼を行なった後、水洗をした。得られた複合酸化物粒子のSO4の量は0.6質量%であった。
この複合酸化物と市販の水酸化リチウムとをニッケル、コバルト、及びマンガンの合計量とリチウムの原子比が1:1.05になるように秤量した後、球状の二次粒子の形状が維持される程度の強さで十分に混合した。この混合物を、流量3L/minの酸素気流中で、昇温速度5℃/minで1000℃まで昇温して10時間焼成した後、室温まで炉内で冷却して正極活物質を得た。続いて、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応時のpHを9.0〜9.1とし、炭酸リチウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応時のpHを10.9〜11.0としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応槽の温度を40℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応槽の温度を90℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応槽の滞留時間を2時間としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応槽の滞留時間を6時間としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
酸化焙焼温度を300℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
酸化焙焼温度を700℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
焼成温度を900℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
焼成温度を1100℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応時のpHを8.5〜8.6としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応時のpHを11.2〜11.3としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応槽の温度を30℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
反応槽の温度を95℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
酸化焙焼温度を800℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
酸化焙焼温度を200℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
酸化焙焼と水洗を行なわなかったこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
水洗を行なわなかったこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
焼成温度を800℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
焼成温度を1200℃としたこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質を得て、平均粒子径(d50)、タップ密度、比表面積を測定した。なお、複合水酸化物(共沈後)と複合酸化物(水洗後)のSO4濃度を求めた。
さらに、得られた正極活物質をX線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造を有したリチウム金属複合酸化物であることが確認された。その後、上記正極活物質の充放電容量の評価により、放電容量を求めた。結果を表1、2に示す。
これに対して、比較例1〜10では、工程(イ)〜(ハ)のいずれかにおいてこれらの条件に合わないので、タップ密度、粒子径、比表面積、放電容量のいずれかにおいて満足すべき結果が得られないことが分かる。
2 セパレータ(電解液含浸)
3 正極(評価用電極)
4 ガスケット
5 負極缶
6 正極缶
7 集電体
Claims (6)
- 一般式:Li1+xNi1−y−zCoyMnzO2(但し、式中、x、y、zは、0≦x≦0.10、0.1≦y≦0.35、0.1≦z≦0.35である。)で表されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の粉末からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、
下記の工程(イ)〜(ハ)を含むことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
工程(イ):40〜90℃の温度に制御した反応槽内へ、ニッケル、コバルト及びマンガンの硫酸塩からなる混合水溶液とアルカリ水溶液とを、同時に連続的に投入しながら、錯化剤を用いずにpHを9〜11に保持し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を共沈させる。
工程(ロ):前記複合水酸化物を、300〜700℃の温度で酸化焙焼した後、水洗し、乾燥して、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得る。
工程(ハ):前記複合酸化物とリチウム化合物とを混合した後、850〜1150℃の温度で焼成する。 - 前記工程(イ)で得られるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物は、硫酸塩をSO4換算で全量に対し4〜10質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記工程(ロ)で得られるニッケルコバルトマンガン複合酸化物は、硫酸塩をSO4換算で全量に対し1.1質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の粉末からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
前記粉末は、硫酸塩をSO4換算で全量に対し0.2〜1.1質量%含有し、層状の結晶構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の一次粒子が複数個集合して形成された略球状の二次粒子と一次粒子とから構成されることを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質。 - 前記粉末の粒子径の平均粒子径が5〜11μmであり、タップ密度が1.5〜3g/mlであり、かつ比表面積が0.1〜1m2/gであることを特徴とする請求項4に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項4又は5に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質を正極に用いてなる非水系電解質二次電池。
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