JPH08222221A - 固体ポリマー二次電池 - Google Patents

固体ポリマー二次電池

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JPH08222221A
JPH08222221A JP7046232A JP4623295A JPH08222221A JP H08222221 A JPH08222221 A JP H08222221A JP 7046232 A JP7046232 A JP 7046232A JP 4623295 A JP4623295 A JP 4623295A JP H08222221 A JPH08222221 A JP H08222221A
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JP
Japan
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electrode
active material
composite oxide
cobalt composite
low temperature
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Application number
JP7046232A
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English (en)
Inventor
Yumiko Suzuki
由美子 鈴木
Yoshitaka Hayashi
嘉隆 林
Nobuo Katagiri
伸夫 片桐
Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Toshiyuki Osawa
利幸 大澤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3.0〜4.0Vの放電電位平坦部を持ち、
高エネルギー密度で電位平坦性、機械的強度に優れ加工
性のよい二次電池の提供。 【構成】 少なくとも一種類の導電性高分子材料および
少なくとも一種類の低温焼成リチウムコバルト複合酸化
物を含有する電極活物質から構成される電極において、
前記低温焼成リチウムコバルト複合酸化物がリチウム塩
とコバルト酸化物、またはコバルト塩とを500℃以下
の温度で熱処理することにより得られたものであること
を特徴とする電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、非水電解液二次電池用電極、お
よび該電極を使用した非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来技術】近年の電子機器の小型化、薄型化、軽量化
の進歩はめざましいものがあり、とりわけOA分野にお
いては、デスクトップ型からラップトップ型、ノートブ
ック型へと小型軽量化している。加えて、電子手帳、電
子スチルカメラ等の小型電子機器の分野も出現し、さら
には従来のハードディスク、フロッピーディスクの小型
化に加えて、新しい小型のメモリーメディアであるメモ
リーカードの研究も進められている。このような電子機
器の小型化、薄型化、軽量化の波の中で、これらの電力
をささえる二次電池にも高性能化が要求されてきてい
る。このような要望の中、鉛電池やニッケルカドミウム
電池にかわる高エネルギー密度電池としてリチウム二次
電池の開発が急速に進められてきた。リチウム二次電池
の活物質としては、TiS2、MoS2、CoO2、V2
5、FeS2、NbS2、ZrS2、VSe2MnO2などの
遷移金属酸化物、あるいは遷移金属カルコゲン化合物で
あり、無機材料を活物質として使用した例が数多く研究
されている。このような材料は、リチウムイオンを電気
化学的に可逆的にその構造内に出し入れが可能であり、
この性質を利用することによりリチウム二次電池の開発
が進められてきた。このような無機材料を活物質とする
リチウム二次電池は、一般に活物質自体の密度が高いた
め、高いエネルギー密度の電池を構成しやすいという特
徴を持つ反面、電池の充放電に伴う電極反応における活
物質中のリチウムイオンの拡散速度が遅く、このため、
高負荷時に電圧降下をおこし、急速充放電が損なわれや
すい。また、無機活物質自体加工性がないとともに、導
電性も乏しいことが多いため、電極への加工には、結着
剤や導電剤を添加するのが一般的である。この際に用い
られる結着剤の条件として、電解液に溶解せず、高融点
物質であるといったことが挙げられ、現在、テフロンあ
るいはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系の結着剤によって固定され、その間にあるアセチ
レンブラックなどの導電助剤から集電を行っている。充
放電の繰り返し、即ち、無機活物質結晶中への電解質カ
チオンの挿入−放出を繰り返す際、活物質としての能力
を持たないポリオレフィン系の結着剤が上記の電解質カ
チオンの挿入−放出の効率を下げ、且つ、重量当り、体
積当りのエネルギー効率の低下をも招くこととなる。こ
のような無機材料を活物質とするリチウム二次電池の開
発過程の中で、近年になってリチウム二次電池の電極活
物質の可能性としてアニオンを可逆的に吸蔵放出させる
ことで電極反応を行える導電性高分子の発見があった。
導電性高分子の電池材料としての例としては、、ポリア
セチレン(例えば、特開昭56−136489)、ポリ
ピロール(例えば、第25回電池討論会、講演要旨集、
p2561・1984)、ポリアニリン(例えば、電気
化学協会 第50回大会、講演要旨集、p2281・1
984)などが報告されている。導電性高分子は、電極
材料として軽量で高出力密度等の特徴を有するほか、材
料特有の性質である導電性により集電性に優れ100%
の放電深度に対しても高いサイクル特性を示す。また、
自己結着性が良好であるなど無機材料にない特徴を有し
ている。しかしながら、導電性高分子はかさ密度が無機
活物質に比べ低いため、体積エネルギー密度が小さい。
また、大電流がとれないなどの欠点を有している。これ
らの問題を解決するため、導電性高分子と無機活物質を
複合し、導電性高分子を導電剤と結着剤のかわりに用
い、互いの短所を補うということが提案されており、無
機活物質の例としてはV25が報告されている(例え
ば、特開平6−132028)。二次電池の特性として
高エネルギー密度であること、電位平坦性が良いことは
重要であるが、導電性高分子とV25との混合物質を電
極に用いた二次電池のエネルギー密度は充分でない。低
温焼成リチウムコバルト複合酸化物は、V25より理論
エネルギー密度が高く、放電電位平坦部は使用する導電
性高分子と同様の3V級であり、電位平坦性に優れてい
ることが報告されている(Mat.Res.Bull.
Vol.27,pp.327−337,1992)。
【0003】
【目的】本発明は、こうした実情の下に、3.0〜4.
0Vの放電電位平坦部を持ち、高エネルギー密度で電位
平坦性、機械的強度に優れ加工性のよい二次電池の提供
を目的とする。
【0004】
【構成】上記課題を解決するため、本発明は、導電性高
分子〔以下、活物質(1)という〕を用いた電極に、無
機活物質として低温焼成リチウムコバルト複合酸化物
〔以下、活物質(2)という〕を混合することにより、
さらに高エネルギー密度で電位平坦性、機械的強度に優
れた正極を開発することに成功したものである。本発明
者らは導電性高分子を用いた電極に低温焼成リチウムコ
バルト複合酸化物を混合することにより該電極のエネル
ギー密度、電位平坦性を大幅に改善できることを見いだ
し本発明に至った。本発明の導電性高分子とは、I.活
物質としての能力を有する、II.電解液に溶解しない、
III.高分子材料間の結着性を有している、IV.導電性
を示す材料、であり、ポリアセチレン、ポリピロール、
ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリジフェニルベンジ
ン、ポリビニルカルバソール、ポリトリフェニルアミン
等のRedox活性導電性高分子材料を挙げることがで
きるが、本発明電極では可溶性高分子を用いる場合に特
に効果は大きい。可溶性導電性高分子としてはポリヘキ
シルチオフェン、ポリドデシルチオフェン等のポリ長鎖
アルキルチオフェン、ポリアルコキシルチオフェン、ポ
リアルコキシルピロール、ポリアニリン等を使用するこ
とができる。これらの中でも、重量当りの電気容量が比
較的大きく、比較的安定に充放電を行うことができるポ
リアニリン、アルキルチオフェンが好ましい。これらの
高分子材料は、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロ
リドン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解して使
用できる。
【0005】本発明における低温焼成リチウムコバルト
複合酸化物とは、I.リチウム塩とコバルト酸化物、ま
たはコバルト塩とを500℃以下の温度で熱処理するこ
とにより得られる、II.放電電位平坦部が3〜4V級で
ある、III.電位平坦性にすぐれている、という特性を
示す材料である。熱処理時間は、好ましくは12時間以
上、さらに好ましくは24時間以上である。リチウム塩
とコバルト酸化物、またはコバルト塩の使用割合は1:
1〜1:5の範囲のものが好ましい。また、リチウム塩
とコバルト塩としては、分解する温度が500℃以下で
ある炭酸塩が好ましい。本発明の低温焼成リチウムコバ
ルト複合酸化物として、例えばLiCO3とCoCO3
ヘキサン中で混合し、大気雰囲気下で400℃7日間焼
成した材料がある。この低温焼成リチウムコバルト複合
酸化物の結晶構造は菱面体晶系でありこれは従来の90
0℃で焼成したものと同一である。前記電極は、少なく
とも一種類の導電性高分子材料〔活物質(1)〕に低温
焼成リチウムコバルト複合酸化物〔活物質(2)〕を混
合した電極活物質を使用することにより軽量で高出力密
度、集電性に優れ、成形加工性に優れるといった無機材
料にない特徴を有する電極を実現できる。本発明の正極
活物質中における活物質(1)の量は10重量%未満で
は結着力やイオン導電性の点で問題があり、70重量%
以上ではエネルギー密度的に不利であり、両者の活物
質、特に活物質(2)の性能を充分に引き出すことはで
きない。電極の機械的強度も考慮すると、活物質(2)
の量は30〜90重量%、好ましくは50〜80重量
%、さらに好ましくは60〜80重量%である。また、
導電性高分子材料である活物質(1)は結着剤として活
物質(2)を固定する。この時、活物質(2)は、活物
質(1)に全体を包含される形態となり、その結果、活
物質(2)の回り全てが導電性を帯びることとなる。活
物質(1)と活物質(2)の複合方法としては、I.活
物質(1)と低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を適
量採取し、十分混合する方法、II.活物質(1)が溶解
あるいは一部溶媒中で活物質(1)と低温焼成リチウム
コバルト複合酸化物を十分混合する方法、III.低温焼
成リチウムコバルト複合酸化物の存在下で活物質(1)
を化学的あるいは電気化学的に製造することにより複合
する方法などが好ましく用いられる。特に、均一な割合
で活物質(1)、低温焼成リチウムコバルト複合酸化物
を複合化するためには、手法Iでメカノケミカル的手法
による複合を行うことがさらに好ましく、高密度の複合
電極を得るという点においては、IIの手法を用いること
が好ましい。また、I、IIの手法を両方用いることも可
能である。前記活物質(2)は最大粒径20μm以下、
平均粒径10μm以下の粒子が均一に存在することが必
要であり、好ましくは最大粒径10μm以下、平均粒径
3μm以下であることが好ましい。20μmより大きい
粒径の場合、電極の加工面で強固でフレキシブルな電極
を構成することが困難であるとともに電極の電圧降下が
大きくなり、電位平坦性が失われる傾向にある。
【0006】本発明における電解質塩としては、通常の
電解質として用いられるものであれば特に制限はない
が、例えば、LiBR4(Rはフェニル基、アルキル
基)、LiPF6、LiSbF6、LiAsF6、LiB
4、LiClO4、CF3SO3Li、(CF3SO22
NLi、(CF3SO23CLi、C69SO3Li、C
817SO3Li、LiTFPB、LiAlCl4、等を
例示することができる。好ましくはCF3SO3Li、
(CF3SO22NLi、(CF3SO23CLi、C6
9SO3Li、C817SO3Li等のスルフォン酸系ア
ニオンの電解質である。電解質の構成要素である非水溶
媒としては、通常、カーボネート溶媒(プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートな
ど)、アミド溶媒(N−メチルホルムアミド、N−エチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−
メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン)、ラクトン溶媒(γ−ブチルラクト
ン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メ
チル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等)、アルコ
ール溶媒(エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、メチルセロソルブ、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ジグリセリン、ポリオキシアルキレングリコー
ル、シクロヘキサンジオール、キシレングリコール
等)、エーテル溶媒(メチラール、1,2−ジメトキシ
エタン、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−2
−ジメトキシエタン、アルコキシポリアルキレンエーテ
ル等)、ニトリル溶媒(ベンゾニトリル、アセトニトリ
ル、3−メトキシプロピオニトリル等)、燐酸類及び燐
酸エステル溶媒(正燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐
酸、亜燐酸、トリメチルホスフェート等)、2−イミダ
ゾリジノン類(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等)、ピロリドン類、スルホラン溶媒(スルホラン、
テトラメチレンスルホラン)、フラン溶媒(テトラヒド
ロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジ
メトキシテトラヒドロフラン)、ジオキソラン、ジオキ
サン、ジクロロエタンを単独あるいは混合で用いられて
いる。セパレータとしては、電解質溶液のイオン移動に
対して低抵抗であり、かつ、溶媒保持性に優れたものが
用いられ、例えば、ガラス、ポリエステル、テフロン、
ポリプロピレン、PTFE等の1種以上の材質から選ば
れる不織布、または織布が挙げられる。
【0007】本発明の電池において、これら電解液、セ
パレータの代わりあるいは併用して固体電解質を用いる
ことが好ましく、これによれば電解液の偏りや、漏液が
なく、ガス発生もなく、電池の変形に対しても信頼性の
高い電池を得ることができる。中でもゲル状高分子固体
電解質を用いることにより、より信頼性の高い薄型偏平
電池を得ることが可能となる。材料としては、例えば、
無機系ではAgCl、AgBr、AgI、LiI等の金
属ハロゲン化物、RbAg45、RbAg44CN等が
挙げられる。また、有機系ではポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリアクリルアミド等をポリマーマトリックスと
し、前記の電解質塩をポリマーマトリックス中に溶解し
た複合体、あるいはこれらのゲル架橋体、低分子量ポリ
エチレンオキサイド、クラウンエーテル等のイオン解離
基をポリマー主鎖にグラフト化した高分子固体電解質、
あるいは高分子量重合体に前記電解液を含有させたゲル
状高分子固体電解質が挙げられる。
【0008】本発明の二次電池の負極活物質としては、
ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレ
ン、ポリピリジン等のn型導電性高分子、リチウム等の
アルカリ金属を吸蔵可能なインターカレート材料が挙げ
られ、インターカレート材料がデンドライトの発生がな
く安全であり、高サイクル寿命であることから好まし
い。負極活物質に用いるインターカレート材料としては
BC2N等のセラミック材料、炭素系材料が例示できる
が、これらを活物質(2)として可溶性導電性高分子
(1)中に分散した電極では低温焼成リチウムコバルト
複合酸化物の添加が有効である。上記のような電極を用
いることにより、これらが高エネルギー密度、高強度の
シート電極であるため、巻回、積層など多様な実装方法
が可能である。二次電池の形態としては特に限定するも
のではないが、円筒型、コイン型、ガム型、偏平型二次
電池への実装が可能である。
【0009】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳
細に説明する。しかし、本発明はなんら実施例に限定さ
れるものではない。
【0010】実施例1 硫酸、酸化剤として過硫酸アンモニウムを用いて化学重
合で合成したポリアニリン13g、400℃で7日間焼
成した平均粒径が3.0μm、最大粒径が8μm低温焼
成リチウムコバルト複合酸化物30.3g、N−メチル
ピロリドン87gをロールミル法を用いて不活性ガス雰
囲気中で混合、分散し、塗料溶液とする。この塗料溶液
をワイヤーバーを用いて150μmの厚さで集電体上に
塗布し、これを大気中で100℃の温度で15分間乾燥
させ、45μmの厚さの電極を得る。この電極を正極と
して、負極にLi板を用い、電解液には、エチレンカー
ボネート:DME=7:3の混合液1リットルにたい
し、LiN(CF3SO22を2モルの割合で溶解した
ものを用いて、充放電特性を測定した。測定方法は、北
斗電工(株)製HJ−201B型の充放電測定装置を用
い、まず充電方向から0.4mAの電流で、電池電圧が
4.2Vになるまで充電し、1時間の休止時間の後、
0.4mAの電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電
し、以下、充放電の繰り返しを行い、電池特性を評価し
た。その結果を表1および図1に示した。
【0011】実施例2 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を60%の重量比
で用いる以外は実施例1と同様に電極を作製し、電池特
性を評価した。その結果を表1に示した。
【0012】実施例3 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を90%の重量比
で用いる以外は実施例1と同様に電極を作製し、電池特
性を評価した。その結果を表1に示した。
【0013】比較例1 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を用いないこと以
外は実施例1と同様に電極を作製し、電池特性を評価し
た。その結果を表1に示した。
【0014】比較例2 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物のかわりに900
℃で20時間焼成したリチウムコバルト複合酸化物を用
いる以外は実施例1と同様に電極を作製し、電池特性を
評価した。その結果を図1に示した。
【0015】比較例3 重合液として0.5Mアニリン、5.5NH2SO4を水
に溶解したものを用い、集電体として20μmのSUS
箔を作用極として0.75V vs SCE定電位重合
法により、集電体表面に厚さ80μmのポリアニリン膜
を析出させ、シート状電極を作製した。以上のように電
解重合で作製した膜はポリアニリン層表面が粉状であ
り、曲げ等により粉落ち、脱落等が激しく、たとえば本
シート状電極をスパイラル状に巻くことは無理であっ
た。
【0016】実施例4 リチウムを電気化学的に挿入、脱離することのできる炭
素とテフロン粉末を9:1で混合、混練し、ステンレス
メッシュに圧着、プレス成形し、シート状負極とした
(4×7cm)。実施例1で作製したシート状正極を用
意した(4×7cm)。電解液はLiN(CF3SO2
220重量部、エチレンカーボネート48重量部、ジメ
トキシエタン19重量部、エトキシエチレングリコール
アクリレート12.8重量部、トリメチロールプロパン
トリアクリレート0.2重量部、0.1重量部のベンゾ
インイソプロピルエーテルを混合した液を調整した。こ
の液を正、負極及び多孔性ポリプロピレンセパレータに
含浸、高圧水銀灯を照射し、各電池要素に高分子固体電
解質を複合した。この複合体を積層し、これらを熱融着
性のポロプロピレンのフレームで減圧封止した。このペ
ーパー状電池の大きさは90mm×60mm×405μ
mであった。3.7〜2.5Vで充放電した結果を表2
に示す。
【0017】比較例4 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物のかわりに結晶性
五酸化バナジウムを用いる以外は実施例1と同様に電極
を作製し、それを正極に用いて実施例3と同様に電池を
作成し電池特性を評価した。その結果を表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】以下、本発明の実施態様を示す。 1.少なくとも一種類の導電性高分子材料および少なく
とも一種類の低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を含
有する電極活物質から構成される電極において、前記低
温焼成リチウムコバルト複合酸化物がリチウム塩とコバ
ルト酸化物、またはコバルト塩とを500℃以下の温度
で熱処理することにより得られたものであることを特徴
とする電極。 2.前記1の電極において、前記導電性高分子材料が可
溶性導電性高分子材料である電極。 3.前記2の電極において、可溶性導電性高分子材料が
ポリヘキシルチオフェン、ポリドデシルチオフェン等の
ポリ長鎖アルキルチオフェン、ポリアルコキシルチオフ
ェン、ポリアルコキシルピロールおよびポリアニリンよ
りなる群から選ばれたものである電極。 4.前記1、2または3の電極において、前記低温焼成
リチウムコバルト複合酸化物が放電電位平坦部が3.0
〜4.0Vの範囲のものである電極。
【0021】5.前記4の電極において、低温焼成リチ
ウムコバルト複合酸化物がLiCO3とCoCO3をヘキ
サン中で混合し、大気雰囲気下で500℃以下で焼成し
たものである電極。 6.前記4または5の電極において、前記電極活物質中
の前記低温焼成リチウムコバルト複合酸化物の量が30
〜90重量%、好ましくは50〜80重量%、さらに好
ましくは60〜80重量%である電極。 7.前記4、5または6記載の電極において、前記低温
焼成リチウムコバルト複合酸化物が最大粒径20μm以
下、平均粒径10μm以下の粒子が均一に存在するもの
である電極。 8.前記1、2、3、4、5、6または7記載の電極に
おいて、導電性高分子材料と低温焼成リチウムコバルト
複合酸化物が、I.前記両者を適量採取し、十分混合す
る方法、II.導電性高分子材料が溶解あるいは一部溶解
する溶媒中で導電性高分子材料と低温焼成リチウムコバ
ルト複合酸化物を十分混合する方法、およびIII.低温
焼成リチウムコバルト複合酸化物の存在下で導電性高分
子材料を化学的あるいは電気化学的に製造する方法、で
複合されたものである電極。
【0022】9.前記1、2、3、4、5、6、7また
は8記載の電極を用いたことを特徴とする二次電池。 10.前記1、2、3、4、5、6、7または8記載の
電極を正極とし、負極がアルカリ金属を電気化学的に挿
入、脱離し得るインターカレート材料で形成されたもの
である二次電池。 11.前記10の二次電池において、インターカレート
材料がBC2N等のセラミック材料および/または炭素
系材料である二次電池。 12.前記9、10または11の二次電池において、電
解質として高分子固体電解質を用いたものである二次電
池。
【0023】
【効果】
1.活物質(1)に無機活物質として活物質(2)を添
加し、それを電極として用いることにより、V25を活
物質として使用するよりさらに高エネルギー密度の複合
電極が得られた。 2.活物質(1)として可溶性導電性高分子材料を用い
ることにより、加工性に優れた複合電極が得られた。 3.活物質(2)の放電電位平坦部が3V級であるた
め、活物質(1)との相性がよく電位平坦性に優れた高
エネルギー密度の電極が得られた。 4.機械的強度に優れた、高エネルギー密度を有する電
極が得られた。 5.粒子径を制御することにより、充放電特性に優れた
電極が得られた。 6.高エネルギー密度、電位平坦性に優れた二次電池を
提供できた。 7.高分子固体電解質を用いることにより、安全性、加
工性に優れた二次電池を提供できた。 8.電位平坦性のよい正極と炭素を用いた負極を用いる
ことにより、安全性に優れた電位平坦性の良い二次電池
を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例3の電池の電池特性を示
す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、非水電解液二次電池用電極、お
よび該電極を使用した非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来技術】近年の電子機器の小型化、薄型化、軽量化
の進歩はめざましいものがあり、とりわけOA分野にお
いては、デスクトップ型からラップトップ型、ノートブ
ック型へと小型軽量化している。加えて、電子手帳、電
子スチルカメラ等の小型電子機器の分野も出現し、さら
には従来のハードディスク、フロッピーディスクの小型
化に加えて、新しい小型のメモリーメディアであるメモ
リーカードの研究も進められている。このような電子機
器の小型化、薄型化、軽量化の波の中で、これらの電力
をささえる二次電池にも高性能化が要求されてきてい
る。このような要望の中、鉛電池やニッケルカドミウム
電池にかわる高エネルギー密度電池としてリチウム二次
電池の開発が急速に進められてきた。リチウム二次電池
の活物質としては、TiS2、MoS2、CoO2、V2
5、FeS2、NbS2、ZrS2、VSe2MnO2などの
遷移金属酸化物、あるいは遷移金属カルコゲン化合物で
あり、無機材料を活物質として使用した例が数多く研究
されている。このような材料は、リチウムイオンを電気
化学的に可逆的にその構造内に出し入れが可能であり、
この性質を利用することによりリチウム二次電池の開発
が進められてきた。このような無機材料を活物質とする
リチウム二次電池は、一般に活物質自体の密度が高いた
め、高いエネルギー密度の電池を構成しやすいという特
徴を持つ反面、電池の充放電に伴う電極反応における活
物質中のリチウムイオンの拡散速度が遅く、このため、
高負荷時に電圧降下をおこし、急速充放電が損なわれや
すい。また、無機活物質自体加工性がないとともに、導
電性も乏しいことが多いため、電極への加工には、結着
剤や導電剤を添加するのが一般的である。この際に用い
られる結着剤の条件として、電解液に溶解せず、高融点
物質であるといったことが挙げられ、現在、テフロンあ
るいはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系の結着剤によって固定され、その間にあるアセチ
レンブラックなどの導電助剤から集電を行っている。充
放電の繰り返し、即ち、無機活物質結晶中への電解質カ
チオンの挿入−放出を繰り返す際、活物質としての能力
を持たないポリオレフィン系の結着剤が上記の電解質カ
チオンの挿入−放出の効率を下げ、且つ、重量当り、体
積当りのエネルギー効率の低下をも招くこととなる。こ
のような無機材料を活物質とするリチウム二次電池の開
発過程の中で、近年になってリチウム二次電池の電極活
物質の可能性としてアニオンを可逆的に吸蔵放出させる
ことで電極反応を行える導電性高分子の発見があった。
導電性高分子の電池材料としての例としては、、ポリア
セチレン(例えば、特開昭56−136489)、ポリ
ピロール(例えば、第25回電池討論会、講演要旨集、
p2561・1984)、ポリアニリン(例えば、電気
化学協会 第50回大会、講演要旨集、p2281・1
984)などが報告されている。導電性高分子は、電極
材料として軽量で高出力密度等の特徴を有するほか、材
料特有の性質である導電性により集電性に優れ100%
の放電深度に対しても高いサイクル特性を示す。また、
自己結着性が良好であるなど無機材料にない特徴を有し
ている。しかしながら、導電性高分子はかさ密度が無機
活物質に比べ低いため、体積エネルギー密度が小さい。
また、大電流がとれないなどの欠点を有している。これ
らの問題を解決するため、導電性高分子と無機活物質を
複合し、導電性高分子を導電剤と結着剤のかわりに用
い、互いの短所を補うということが提案されており、無
機活物質の例としてはV25が報告されている(例え
ば、特開平6−132028)。二次電池の特性として
高エネルギー密度であること、電位平坦性が良いことは
重要であるが、導電性高分子とV25との混合物質を電
極に用いた二次電池のエネルギー密度は充分でない。低
温焼成リチウムコバルト複合酸化物は、V25より理論
エネルギー密度が高く、放電電位平坦部は使用する導電
性高分子と同様の3V級であり、電位平坦性に優れてい
ることが報告されている(Mat.Res.Bull.
Vol.27,pp.327−337,1992)。
【0003】
【目的】本発明は、こうした実情の下に、3.0〜4.
0Vの放電電位平坦部を持ち、高エネルギー密度で電位
平坦性、機械的強度に優れ加工性のよい二次電池の提供
を目的とする。
【0004】
【構成】上記課題を解決するため、本発明は、導電性高
分子〔以下、活物質(1)という〕を用いた電極に、無
機活物質として低温焼成リチウムコバルト複合酸化物
〔以下、活物質(2)という〕を混合することにより、
さらに高エネルギー密度で電位平坦性、機械的強度に優
れた正極を開発することに成功したものである。本発明
者らは導電性高分子を用いた電極に低温焼成リチウムコ
バルト複合酸化物を混合することにより該電極のエネル
ギー密度、電位平坦性を大幅に改善できることを見いだ
し本発明に至った。本発明の導電性高分子とは、I.活
物質としての能力を有する、II.電解液に溶解しない、
III.高分子材料間の結着性を有している、IV.導電性
を示す材料、であり、ポリアセチレン、ポリピロール、
ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリジフェニルベンジ
ン、ポリビニルカルバソール、ポリトリフェニルアミン
等のRedox活性導電性高分子材料を挙げることがで
きるが、本発明電極では可溶性高分子を用いる場合に特
に効果は大きい。可溶性導電性高分子としてはポリヘキ
シルチオフェン、ポリドデシルチオフェン等のポリ長鎖
アルキルチオフェン、ポリアルコキシルチオフェン、ポ
リアルコキシルピロール、ポリアニリン等を使用するこ
とができる。これらの中でも、重量当りの電気容量が比
較的大きく、比較的安定に充放電を行うことができるポ
リアニリン、アルキルチオフェンが好ましい。これらの
高分子材料は、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロ
リドン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解して使
用できる。
【0005】本発明における低温焼成リチウムコバルト
複合酸化物とは、I.リチウム塩とコバルト酸化物、ま
たはコバルト塩とを500℃以下の温度で熱処理するこ
とにより得られる、II.放電電位平坦部が3〜4V級で
ある、III.電位平坦性にすぐれている、という特性を
示す材料である。熱処理時間は、好ましくは12時間以
上、さらに好ましくは24時間以上である。リチウム塩
とコバルト酸化物、またはコバルト塩の使用割合は1:
1〜1:5の範囲のものが好ましい。また、リチウム塩
とコバルト塩としては、分解する温度が500℃以下で
ある炭酸塩が好ましい。本発明の低温焼成リチウムコバ
ルト複合酸化物として、例えばLiCO3とCoCO3
ヘキサン中で混合し、大気雰囲気下で400℃7日間焼
成した材料がある。この低温焼成リチウムコバルト複合
酸化物の結晶構造は菱面体晶系でありこれは従来の90
0℃で焼成したものと同一である。前記電極は、少なく
とも一種類の導電性高分子材料〔活物質(1)〕に低温
焼成リチウムコバルト複合酸化物〔活物質(2)〕を混
合した電極活物質を使用することにより軽量で高出力密
度、集電性に優れ、成形加工性に優れるといった無機材
料にない特徴を有する電極を実現できる。本発明の正極
活物質中における活物質(1)の量は10重量%未満で
は結着力やイオン導電性の点で問題があり、70重量%
以上ではエネルギー密度的に不利であり、両者の活物
質、特に活物質(2)の性能を充分に引き出すことはで
きない。電極の機械的強度も考慮すると、活物質(2)
の量は30〜90重量%、好ましくは50〜80重量
%、さらに好ましくは60〜80重量%である。また、
導電性高分子材料である活物質(1)は結着剤として活
物質(2)を固定する。この時、活物質(2)は、活物
質(1)に全体を包含される形態となり、その結果、活
物質(2)の回り全てが導電性を帯びることとなる。活
物質(1)と活物質(2)の複合方法としては、I.活
物質(1)と低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を適
量採取し、十分混合する方法、II.活物質(1)が溶解
あるいは一部溶媒中で活物質(1)と低温焼成リチウム
コバルト複合酸化物を十分混合する方法、III.低温焼
成リチウムコバルト複合酸化物の存在下で活物質(1)
を化学的あるいは電気化学的に製造することにより複合
する方法などが好ましく用いられる。特に、均一な割合
で活物質(1)、低温焼成リチウムコバルト複合酸化物
を複合化するためには、手法Iでメカノケミカル的手法
による複合を行うことがさらに好ましく、高密度の複合
電極を得るという点においては、IIの手法を用いること
が好ましい。また、I、IIの手法を両方用いることも可
能である。前記活物質(2)は最大粒径20μm以下、
平均粒径10μm以下の粒子が均一に存在することが必
要であり、好ましくは最大粒径10μm以下、平均粒径
3μm以下であることが好ましい。20μmより大きい
粒径の場合、電極の加工面で強固でフレキシブルな電極
を構成することが困難であるとともに電極の電圧降下が
大きくなり、電位平坦性が失われる傾向にある。
【0006】本発明における電解質塩としては、通常の
電解質として用いられるものであれば特に制限はない
が、例えば、LiBR4(Rはフェニル基、アルキル
基)、LiPF6、LiSbF6、LiAsF6、LiB
4、LiClO4、CF3SO3Li、(CF3SO22
NLi、(CF3SO23CLi、C69SO3Li、C
817SO3Li、LiTFPB、LiAlCl4、等を
例示することができる。好ましくはCF3SO3Li、
(CF3SO22NLi、(CF3SO23CLi、C6
9SO3Li、C817SO3Li等のスルフォン酸系ア
ニオンの電解質である。電解質の構成要素である非水溶
媒としては、通常、カーボネート溶媒(プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートな
ど)、アミド溶媒(N−メチルホルムアミド、N−エチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−
メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン)、ラクトン溶媒(γ−ブチルラクト
ン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メ
チル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等)、アルコ
ール溶媒(エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、メチルセロソルブ、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ジグリセリン、ポリオキシアルキレングリコー
ル、シクロヘキサンジオール、キシレングリコール
等)、エーテル溶媒(メチラール、1,2−ジメトキシ
エタン、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−2
−ジメトキシエタン、アルコキシポリアルキレンエーテ
ル等)、ニトリル溶媒(ベンゾニトリル、アセトニトリ
ル、3−メトキシプロピオニトリル等)、燐酸類及び燐
酸エステル溶媒(正燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐
酸、亜燐酸、トリメチルホスフェート等)、2−イミダ
ゾリジノン類(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等)、ピロリドン類、スルホラン溶媒(スルホラン、
テトラメチレンスルホラン)、フラン溶媒(テトラヒド
ロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジ
メトキシテトラヒドロフラン)、ジオキソラン、ジオキ
サン、ジクロロエタンを単独あるいは混合で用いられて
いる。セパレータとしては、電解質溶液のイオン移動に
対して低抵抗であり、かつ、溶媒保持性に優れたものが
用いられ、例えば、ガラス、ポリエステル、テフロン、
ポリプロピレン、PTFE等の1種以上の材質から選ば
れる不織布、または織布が挙げられる。
【0007】本発明の電池において、これら電解液、セ
パレータの代わりあるいは併用して固体電解質を用いる
ことが好ましく、これによれば電解液の偏りや、漏液が
なく、ガス発生もなく、電池の変形に対しても信頼性の
高い電池を得ることができる。中でもゲル状高分子固体
電解質を用いることにより、より信頼性の高い薄型偏平
電池を得ることが可能となる。材料としては、例えば、
無機系ではAgCl、AgBr、AgI、LiI等の金
属ハロゲン化物、RbAg45、RbAg44CN等が
挙げられる。また、有機系ではポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリアクリルアミド等をポリマーマトリックスと
し、前記の電解質塩をポリマーマトリックス中に溶解し
た複合体、あるいはこれらのゲル架橋体、低分子量ポリ
エチレンオキサイド、クラウンエーテル等のイオン解離
基をポリマー主鎖にグラフト化した高分子固体電解質、
あるいは高分子量重合体に前記電解液を含有させたゲル
状高分子固体電解質が挙げられる。
【0008】本発明の二次電池の負極活物質としては、
ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレ
ン、ポリピリジン等のn型導電性高分子、リチウム等の
アルカリ金属を吸蔵可能なインターカレート材料が挙げ
られ、インターカレート材料がデンドライトの発生がな
く安全であり、高サイクル寿命であることから好まし
い。負極活物質に用いるインターカレート材料としては
BC2N等のセラミック材料、炭素系材料が例示できる
が、これらを活物質(2)として可溶性導電性高分子
(1)中に分散した電極では低温焼成リチウムコバルト
複合酸化物の添加が有効である。上記のような電極を用
いることにより、これらが高エネルギー密度、高強度の
シート電極であるため、巻回、積層など多様な実装方法
が可能である。二次電池の形態としては特に限定するも
のではないが、円筒型、コイン型、ガム型、偏平型二次
電池への実装が可能である。
【0009】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳
細に説明する。しかし、本発明はなんら実施例に限定さ
れるものではない。
【0010】実施例1 硫酸、酸化剤として過硫酸アンモニウムを用いて化学重
合で合成したポリアニリン13g、400℃で7日間焼
成した平均粒径が3.0μm、最大粒径が8μm低温焼
成リチウムコバルト複合酸化物30.3g、N−メチル
ピロリドン87gをロールミル法を用いて不活性ガス雰
囲気中で混合、分散し、塗料溶液とする。この塗料溶液
をワイヤーバーを用いて150μmの厚さで集電体上に
塗布し、これを大気中で100℃の温度で15分間乾燥
させ、45μmの厚さの電極を得る。この電極を正極と
して、負極にLi板を用い、電解液には、エチレンカー
ボネート:DME=7:3の混合液1リットルにたい
し、LiN(CF3SO22を2モルの割合で溶解した
ものを用いて、充放電特性を測定した。測定方法は、北
斗電工(株)製HJ−201B型の充放電測定装置を用
い、まず充電方向から0.4mAの電流で、電池電圧が
4.2Vになるまで充電し、1時間の休止時間の後、
0.4mAの電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電
し、以下、充放電の繰り返しを行い、電池特性を評価し
た。その結果を表1および図1に示した。
【0011】実施例2 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を60%の重量比
で用いる以外は実施例1と同様に電極を作製し、電池特
性を評価した。その結果を表1に示した。
【0012】実施例3 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を90%の重量比
で用いる以外は実施例1と同様に電極を作製し、電池特
性を評価した。その結果を表1に示した。
【0013】比較例1 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を用いないこと以
外は実施例1と同様に電極を作製し、電池特性を評価し
た。その結果を表1に示した。
【0014】比較例2 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物のかわりに900
℃で20時間焼成したリチウムコバルト複合酸化物を用
いる以外は実施例1と同様に電極を作製し、電池特性を
評価した。その結果を図1に示した。
【0015】実施例4 リチウムを電気化学的に挿入、脱離することのできる炭
素とテフロン粉末を9:1で混合、混練し、ステンレス
メッシュに圧着、プレス成形し、シート状負極とした
(4×7cm)。実施例1で作製したシート状正極を用
意した(4×7cm)。電解液はLiN(CF3SO2
220重量部、エチレンカーボネート48重量部、ジメ
トキシエタン19重量部、エトキシエチレングリコール
アクリレート12.8重量部、トリメチロールプロパン
トリアクリレート0.2重量部、0.1重量部のベンゾ
インイソプロピルエーテルを混合した液を調整した。こ
の液を正、負極及び多孔性ポリプロピレンセパレータに
含浸、高圧水銀灯を照射し、各電池要素に高分子固体電
解質を複合した。この複合体を積層し、これらを熱融着
性のポロプロピレンのフレームで減圧封止した。このペ
ーパー状電池の大きさは90mm×60mm×405μ
mであった。3.7〜2.5Vで充放電した結果を表2
に示す。
【0016】比較例3 低温焼成リチウムコバルト複合酸化物のかわりに結晶性
五酸化バナジウムを用いる以外は実施例1と同様に電極
を作製し、それを正極に用いて実施例3と同様に電池を
作成し電池特性を評価した。その結果を表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】以下、本発明の実施態様を示す。 1.少なくとも一種類の導電性高分子材料および少なく
とも一種類の低温焼成リチウムコバルト複合酸化物を含
有する電極活物質から構成される電極において、前記低
温焼成リチウムコバルト複合酸化物がリチウム塩とコバ
ルト酸化物、またはコバルト塩とを500℃以下の温度
で熱処理することにより得られたものであることを特徴
とする電極。 2.前記1の電極において、前記導電性高分子材料が可
溶性導電性高分子材料である電極。 3.前記2の電極において、可溶性導電性高分子材料が
ポリヘキシルチオフェン、ポリドデシルチオフェン等の
ポリ長鎖アルキルチオフェン、ポリアルコキシルチオフ
ェン、ポリアルコキシルピロールおよびポリアニリンよ
りなる群から選ばれたものである電極。 4.前記1、2または3の電極において、前記低温焼成
リチウムコバルト複合酸化物が放電電位平坦部が3.0
〜4.0Vの範囲のものである電極。
【0020】5.前記4の電極において、低温焼成リチ
ウムコバルト複合酸化物がLiCO3とCoCO3をヘキ
サン中で混合し、大気雰囲気下で500℃以下で焼成し
たものである電極。 6.前記4または5の電極において、前記電極活物質中
の前記低温焼成リチウムコバルト複合酸化物の量が30
〜90重量%、好ましくは50〜80重量%、さらに好
ましくは60〜80重量%である電極。 7.前記4、5または6記載の電極において、前記低温
焼成リチウムコバルト複合酸化物が最大粒径20μm以
下、平均粒径10μm以下の粒子が均一に存在するもの
である電極。 8.前記1、2、3、4、5、6または7記載の電極に
おいて、導電性高分子材料と低温焼成リチウムコバルト
複合酸化物が、I.前記両者を適量採取し、十分混合す
る方法、II.導電性高分子材料が溶解あるいは一部溶解
する溶媒中で導電性高分子材料と低温焼成リチウムコバ
ルト複合酸化物を十分混合する方法、およびIII.低温
焼成リチウムコバルト複合酸化物の存在下で導電性高分
子材料を化学的あるいは電気化学的に製造する方法、で
複合されたものである電極。
【0021】9.前記1、2、3、4、5、6、7また
は8記載の電極を用いたことを特徴とする二次電池。 10.前記1、2、3、4、5、6、7または8記載の
電極を正極とし、負極がアルカリ金属を電気化学的に挿
入、脱離し得るインターカレート材料で形成されたもの
である二次電池。 11.前記10の二次電池において、インターカレート
材料がBC2N等のセラミック材料および/または炭素
系材料である二次電池。 12.前記9、10または11の二次電池において、電
解質として高分子固体電解質を用いたものである二次電
池。
【0022】
【効果】 1.活物質(1)に無機活物質として活物質(2)を添
加し、それを電極として用いることにより、V25を活
物質として使用するよりさらに高エネルギー密度の複合
電極が得られた。 2.活物質(1)として可溶性導電性高分子材料を用い
ることにより、加工性に優れた複合電極が得られた。 3.活物質(2)の放電電位平坦部が3V級であるた
め、活物質(1)との相性がよく電位平坦性に優れた高
エネルギー密度の電極が得られた。 4.機械的強度に優れた、高エネルギー密度を有する電
極が得られた。 5.粒子径を制御することにより、充放電特性に優れた
電極が得られた。 6.高エネルギー密度、電位平坦性に優れた二次電池を
提供できた。 7.高分子固体電解質を用いることにより、安全性、加
工性に優れた二次電池を提供できた。 8.電位平坦性のよい正極と炭素を用いた負極を用いる
ことにより、安全性に優れた電位平坦性の良い二次電池
を提供できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加幡 利幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大澤 利幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種類の導電性高分子材料お
    よび少なくとも一種類の低温焼成リチウムコバルト複合
    酸化物を含有する電極活物質から構成される電極におい
    て、前記低温焼成リチウムコバルト複合酸化物がリチウ
    ム塩とコバルト酸化物、またはコバルト塩とを500℃
    以下の温度で熱処理することにより得られたものである
    ことを特徴とする電極。
  2. 【請求項2】 前記導電性高分子材料が可溶性導電性高
    分子材料である請求項1記載の電極。
  3. 【請求項3】 前記低温焼成リチウムコバルト複合酸化
    物が放電電位平坦部が3.0〜4.0Vの範囲のもので
    ある請求項1または2記載の電極。
  4. 【請求項4】 前記電極活物質中の前記低温焼成リチウ
    ムコバルト複合酸化物の量が30〜90重量%である請
    求項1、2または3記載の電極。
  5. 【請求項5】 前記低温焼成リチウムコバルト複合酸化
    物が最大粒径20μm以下、平均粒径10μm以下の粒
    子が均一に存在するものである請求項4記載の電極。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載の電
    極を用いたことを特徴とする二次電池。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4または5記載の電
    極を正極とし、負極がアルカリ金属を電気化学的に挿
    入、脱離し得るインターカレート材料で形成されたもの
    であることを特徴とする二次電池。
  8. 【請求項8】 電解質として高分子固体電解質を用いた
    請求項6または7記載の二次電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002100357A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Seimi Chem Co Ltd リチウム二次電池
JP2006252997A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質電池

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JP2002100357A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Seimi Chem Co Ltd リチウム二次電池
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