JPH11185773A - ゲル状電解質電池 - Google Patents

ゲル状電解質電池

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JPH11185773A
JPH11185773A JP9349824A JP34982497A JPH11185773A JP H11185773 A JPH11185773 A JP H11185773A JP 9349824 A JP9349824 A JP 9349824A JP 34982497 A JP34982497 A JP 34982497A JP H11185773 A JPH11185773 A JP H11185773A
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JP
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gel electrolyte
positive electrode
negative electrode
electrolyte layer
active material
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JP9349824A
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Kaoru Nakajima
薫 中島
Yukiko Iijima
由紀子 飯島
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ゲル状電解質の機械強度を向上さ
せ、内部短絡を防止することのできるゲル状電解質電池
を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のゲル状電解質電池は、正極活物
質が正極集電体上に塗布されてなる正極と、負極活物質
が負極集電体上に塗布されてなる負極とが、リチウム塩
を含有する膨潤溶媒がマトリクス高分子中に分散されて
なるゲル状電解質層を介して積層されてなり、上記ゲル
状電解質層中に、非導電性材料からなる粒子が分散され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲル状電解質を使
用したゲル状電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型ビデオテープレコー
ダ、携帯電話、携帯用コンピュータ等のポータブル電子
機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。そ
してこれらの電子機器のポータブル電源となる電池、特
に二次電池についての研究がなされている。二次電池の
なかでもリチウムイオン電池について、薄型や折り曲げ
可能な電池の研究開発が活発に進められている。このよ
うな電池の電解質として電解液を固体化した固体電解質
の研究が盛んに行われており、特に、膨潤溶媒を含んだ
ゲル状の固体電解質(以下、ゲル状電解質と称する。)
が注目を浴びている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゲル状
電解質を正極と負極とを隔離するセパレータとしても用
いる場合、ゲル状電解質のイオン導電性を上げるために
膨潤溶媒を多く投入すると、機械強度が低下してしま
う。例えばゲル状電解質電池に外部から強い圧力がかか
る等の不慮の事態によりゲル状電解質が破断すると、正
極と負極とが電池内において短絡することとなる。正極
と負極とが短絡すると、発熱やガス発生等により電池に
損傷を与えるおそれがある。特に高温時にはゲル状電解
質の強度が低下するため、より破断しやすくなってしま
う。
【0004】本発明は上述した従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、ゲル状電解質の機械強度を向上さ
せ、内部短絡を防止することのできるゲル状電解質電池
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のゲル状電解質電
池は、正極活物質が正極集電体上に塗布されてなる正極
と、負極活物質が負極集電体上に塗布されてなる負極と
が、電解質塩を含有する膨潤溶媒とマトリクス高分子と
を有するゲル状電解質層を介して積層されてなり、上記
ゲル状電解質層中に、非導電性材料からなる粒子が分散
されていることを特徴とする。
【0006】上述したような本発明に係るゲル状電解質
電池では、ゲル状電解質層中に分散された粒子により、
正極と負極との接触が防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0008】本発明のゲル状電解質電池の一構成例を図
1に示す。このゲル状電解質電池1は、正極集電体上に
正極活物質層が形成された正極板2と、負極集電体上に
負極活物質層が形成された負極板3と、ゲル状電解質か
らなるゲル状電解質層4と、正極板2を収容する正極外
装材5と、負極板3を収容する負極外装材6と、正極外
装材5と負極外装材6とを接合させるホットメルト材7
とを有する。
【0009】上記正極板2は、正極集電体となる例えば
アルミニウム箔等の金属箔上に、正極活物質と結着剤と
を含有する正極合剤が塗布、乾燥されて正極活物質層が
形成されている。
【0010】上記正極活物質には、目的とする電池の種
類に応じて金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子を
用いることができる。
【0011】例えばリチウムイオン電池を構成する場
合、正極活物質としては、TiS2、MoS2、NbSe
2、V25等の金属硫化物あるいは酸化物を使用するこ
とができる。また、LixMO2(式中Mは一種以上の遷
移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、
通常0.05以上、1.10以下である。)を主体とす
るリチウム複合酸化物等を使用することができる。この
リチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、C
o、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合
酸化物の具体例としてはLiCoO2、LiNiO2、L
iNiyCo1-y2(式中、0<y<1である。)、L
iMn24等を挙げることができる。上述したようなリ
チウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密
度的に優れた正極活物質となる。正極には、これらの正
極活物質の複数種をあわせて使用してもよい。
【0012】また、上記正極合剤の結着剤としては、公
知の結着剤を用いることができるほか、上記正極合剤に
導電剤等、公知の添加剤を添加することができる。
【0013】上記負極板3は、負極集電体となる例えば
銅箔等の金属箔上に、負極活物質と結着剤とを含有する
負極合剤が塗布、乾燥されて負極活物質層が形成されて
いる。
【0014】リチウムイオン電池を構成する場合、負極
活物質としては、リチウムをドープ、脱ドープできる材
料を使用することが好ましい。リチウムをドープ、脱ド
ープできる材料として難黒鉛化炭素系材料、黒鉛系炭素
材料等がある。
【0015】上述したような炭素系材料として具体的に
は、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素
繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等の
炭素材料を使用することができる。上記コークス類に
は、ピッチコークス、ニートルコークス、石油コークス
等がある。また、上記有機高分子化合物焼成体とは、フ
ェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素
化したものを示す。
【0016】上述した炭素材料のほか、リチウムをドー
プ、脱ドープできる材料として、ポリアセチレン、ポリ
ピロール等の高分子やSn02等の酸化物を使用するこ
ともできる。
【0017】また、上記負極合剤の結着剤としては、公
知の結着剤を用いることができるほか、上記負極合剤に
公知の添加剤等を添加することができる。
【0018】上記ゲル状電解質層4はゲル状電解質から
なり、正極と負極とを隔離するセパレータとしても用い
る。
【0019】ゲル状電解質は、電解質塩を含有する膨潤
溶媒がマトリクス高分子中に溶解されてなる。
【0020】膨潤溶媒としては、例えばプロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、ジメ
トキシエタン、ジメチルアセトアミド、ジメチルフォル
ムアミド等を単独又は混合して用いられる。
【0021】また、上記膨潤溶媒は、電解質塩を含有す
る。電解質塩としては、具体的には、例えばLiP
6、LiBF4、LiAsF6、LiN(CF3
2)、LiSO2CF3、LiClO4等のリチウム塩が
用いられる。その中でも特にLiPF6、LiBF4が酸
化安定性の点から望ましい。電解質塩の濃度は、ゲル状
電解質に対して0.6mol/l〜1.6mol/l程
度とするのが好ましい。
【0022】上述したような膨潤溶媒をゲル化するマト
リクス高分子としては、通常ゲル状電解質を構成するの
に使用されている種々の高分子が使用できる。具体的に
は、ポリビニリデンフルオライドや、ビニリデンフルオ
ライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などの
フッ素系高分子、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエチレンオキシド系共重合体等を単
独、又は混合して使用できる。その中でも特に、フッ素
系高分子を用いることが望ましい。フッ素系高分子を用
いることで、酸化還元安定性を高めることができる。
【0023】マトリクス高分子は、体積比で膨潤溶媒の
1/6〜1/3とすることが好ましい。マトリクス高分
子の膨潤溶媒に対する割合が小さすぎると、イオン導電
率は高いが、機械強度は保てず、ゲル状電解質層4が破
断しやすくなる。マトリクス高分子の膨潤溶媒に対する
割合が大きすぎると、機械強度は大きいが、イオン導電
率は低くなってしまう。マトリクス高分子を膨潤溶媒の
1/6〜1/3とすることで、ゲル状電解質層4のイオ
ン導電率と機械強度とを両立することができる。
【0024】ゲル状電解質層4の厚みは、10μm〜1
00μm程度とすることが好ましい。
【0025】ゲル状電解質層4の厚みが小さすぎると破
断しやすくセパレータとしての機能が十分ではない。ま
た、ゲル状電解質層4の厚みが大きすぎると内部抵抗が
増加して負荷特性が悪化してしまう。ゲル状電解質層4
の厚みを10μm〜100μm程度とすることで、内部
抵抗を増加させずに、セパレータとしての機能も十分に
することができる。
【0026】このゲル状電解質電池1では、図2に示す
ようにゲル状電解質層4中に、非導電性の材料からなる
粒子8が分散されている。
【0027】ゲル状電解質層4中に粒子8を分散させる
と、ゲル状電解質層4の機械強度を向上することができ
る。また、ゲル状電解質層4が破断しても、ゲル状電解
質層4中に分散させた粒子8により正極と負極との接触
を防止することができ、内部短絡を引き起こすことがな
い。
【0028】ゲル状電解質層4中に分散させる粒子8に
は、非導電性であり、ゲル状電解質を構成する材料や溶
媒に不溶のものが用いられる。具体的には、例えば酸化
ケイ素、酸化アルミニウム等が用いられる。また、高分
子架橋体を用いることもできる。高分子架橋体として具
体的にはポリメチルメタクリレートの架橋体、ベンゾグ
アナミンの架橋体、ベンゾグアナミンとメラミンとの共
重合体の架橋体、メラミンの架橋体等があげられる。
【0029】粒子8は、平均粒子径が1μm〜30μm
で、粒子径の揃ったものがよい。粒子径が小さすぎる
と、両電極を隔離する効果が十分でなく、粒子径が大き
すぎるとゲル状電解質層4の厚さを超えてしまい、電極
板にめり込んで電極板を傷つけてしまう。なお、粒子8
の平均粒子径が上述の範囲にあっても、粒子8の粒子径
がゲル状電解質層4の厚みよりも小さくなければならな
いことは言うまでもない。
【0030】また、粒子8は略球状であることが好まし
い。粒子8が略球状でないと、粒子同士が凝集して二次
粒子塊を形成する傾向が見られる。粒子8が凝集して二
次粒子塊を形成すると、その大きさがゲル状電解質層4
の厚みよりも大きくなり、電極板にめり込んで電極板を
傷つけてしまうことがある。
【0031】ゲル状電解質層4中に分散させる粒子8の
量は、ゲル状電解質層4の5重量%〜25重量%程度と
するのが好ましい。粒子8の量が少なすぎると、ゲル状
電解質層4の強度を十分に高めることができない。粒子
8の量が多すぎると、いわゆる臨界顔料体積密度(Crit
ical Pigment Volume Concentration)を過ぎてしまう
ので破断しやすくなってしまう。したがって、粒子8の
量は、ゲル状電解質層4の5重量%〜25重量%程度と
するのが好ましい。
【0032】本発明のゲル状電解質電池1は、次のよう
にして製造される。
【0033】正極板2は、正極活物質と結着剤とを含有
する正極合剤を、正極集電体となる例えばアルミニウム
箔等の金属箔上に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を
形成することにより作製される。上記正極合剤の結着剤
としては、公知の結着剤を用いることができるほか、上
記正極合剤に公知の添加剤等を添加することができる。
【0034】負極板3は、負極活物質と結着剤とを含有
する負極合剤を、負極集電体となる例えば銅箔等の金属
箔上に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成するこ
とにより作製される。上記負極合剤の結着剤としては、
公知の結着剤を用いることができるほか、上記負極合剤
に公知の添加剤等を添加することができる。
【0035】ゲル状電解質層4は次のようにして作製さ
れる。まず、電解質塩を含有する膨潤溶媒と粒子8と
を、マトリクス高分子中に分散させて電解質溶液を調製
する。次に、上記電解質溶液を、正極活物質層及び負極
活物質層上に均一に塗布する。そして、最後に溶媒を除
去して電解質溶液をゲル化させることにより、正極活物
質層及び負極活物質層上にゲル状電解質層4が形成され
る。
【0036】最後に、以上のようにして作製された正極
板2、負極板3をそれぞれ正極外装材5、負極外装材6
に収容し、正極板2が収容された正極外装材5と、負極
板3が収容された負極外装材6とを、ゲル状電解質層4
が対向するように積層する。最後に正極外装材5、負極
外装材6の外周縁部をホットメルト材7を介して熱融着
することで接合、密閉してゲル状電解質電池1が完成す
る。
【0037】本発明のゲル状電解質電池1は、円筒型、
角型、コイン型、ボタン型等、その形状については特に
限定されることはなく、また、薄型、大型等の種々の大
きさにすることができる。
【0038】
【実施例】上述した構成の平板型ゲル状電解質電池を作
製した。
【0039】〈実施例1〉正極を次のように作製した。
【0040】まず、炭酸リチウムと炭酸コバルトとを
0.5mol対1molの比率で混合し、空気中900
℃で5時間焼成して正極活物質となるLiCoO2を得
た。
【0041】次に、得られたLiCoO2を91重量部
と、導電剤を6重量部と、結着剤を10重量部とを混合
して正極合剤を調製した。ここで、導電剤には黒鉛を用
い、結着剤にはビニリデンフルオライドとヘキサフルオ
ロプロピレンとの共重合体を用いた。
【0042】最後に、正極合剤を、N−メチル−2−ピ
ロリドンに分散させてスラリーとした。そして、このス
ラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム
箔の片面に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成し
た後、ロールプレス機で圧縮成形することにより正極を
作製した。
【0043】負極を次のように作製した。
【0044】まず、粉砕した黒鉛粉末90重量部と、結
着剤10重量部とを混合して負極合剤を調製した。ここ
で結着剤には、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオ
ロプロピレンとの共重合体を用いた。次に上記結着剤を
N−メチル−2−ピロリドンに分散させスラリーとし
た。最後に、このスラリーを負極集電体となる厚さ10
μmの帯状銅箔の片面に均一に塗布、乾燥して負極活物
質層を形成した後、ロールプレス機で圧縮成形し、負極
を作製した。
【0045】ゲル状電解質層を次のようにして得た。
【0046】まず、ポリフッ化ビニリデンを10重量部
と、膨潤溶媒を60重量部と、粒子として球状シリカを
30重量部とを均一に混合して電解質溶液を作製した。
【0047】ここで、上記膨潤溶媒は、LiPF6を8
重量部と、N−メチルピロリドンを15重量部と、プロ
ピレンカーボネートを20重量部と、ジメチルカーボネ
ートを15重量部と、ジエチルカーボネートを10重量
部とを均一に混合したものである。また、上記球状シリ
カには、日本触媒化学工業社製の、シーホスターKE−
P150を用いた。このシーホスターKE−P150の
平均粒径は約1.62μmである。
【0048】上記電解質溶液を両電極表面上に塗布し、
膨潤溶媒とマトリクス高分子との比が重量比で9:1に
なるまで乾燥することにより、電解質溶液をゲル化させ
て厚みが約30μmのゲル状電解質層を形成した。
【0049】負極と正極とをゲル状電解質層側を合わせ
て圧着することで面積2.5cm×4.0cm、厚さ
0.3mmの平板型ゲル状電解質電池を作製した。
【0050】〈比較例〉正極を次のように作製した。
【0051】まず、炭酸リチウムと炭酸コバルトとを
0.5mol対1molの比率で混合し、空気中900
℃で5時間焼成して正極活物質となるLiCoO2を得
た。
【0052】次に、得られたLiCoO2を91重量部
と、導電剤を6重量部と、結着剤を10重量部とを混合
して正極合剤を調製した。ここで、導電剤には黒鉛を用
い、結着剤にはビニリデンフルオライドとヘキサフルオ
ロプロピレンとの共重合体を用いた。
【0053】最後に、正極合剤を、N−メチル−2−ピ
ロリドンに分散させてスラリーとした。そして、このス
ラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム
箔の片面に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成し
た後、ロールプレス機で圧縮成形することにより正極を
作製した。
【0054】負極を次のように作製した。
【0055】まず、粉砕した黒鉛粉末90重量部と、結
着剤10重量部とを混合して負極合剤を調製した。ここ
で結着剤には、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオ
ロプロピレンとの共重合体を用いた。次に上記結着剤を
N−メチル−2−ピロリドンに分散させスラリーとし
た。最後に、このスラリーを負極集電体となる厚さ10
μmの帯状銅箔の片面に均一に塗布、乾燥して負極活物
質層を形成した後、ロールプレス機で圧縮成形し、負極
を作製した。
【0056】ゲル状電解質層を次のようにして得た。
【0057】まず、ポリフッ化ビニリデンを5重量部
と、膨潤溶媒を95重量部とを均一に混合して電解質溶
液を作製した。
【0058】ここで、上記膨潤溶媒は、LiPF6を8
重量部と、N−メチルピロリドンを15重量部と、プロ
ピレンカーボネートを20重量部と、ジメチルカーボネ
ートを15重量部と、ジエチルカーボネートを10重量
部とを均一に混合したものである。上記電解質溶液を、
両電極表面上に塗布し、膨潤溶媒とマトリクス高分子と
の比が重量比で9:1になるまで乾燥することにより、
電解質溶液をゲル化させて厚みが約30μmのゲル状電
解質層を形成した。
【0059】ゲル状電解質を塗布した負極と、ゲル状電
解質を塗布した正極とをゲル状電解質側を合わせ、圧着
することで面積2.5cm×4.0cm、厚さ0.3m
mの平板型ゲル状電解質電池を作製した。
【0060】以上のようにして作製されたゲル状電解質
電池は、実施例のゲル状電解質電池も比較例のゲル状電
解質電池も通常の充放電が可能であった。
【0061】実施例及び比較例のゲル状電解質電池をそ
れぞれ所定個数用意し、常温と60℃とにおける内部短
絡率を測定した。その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】ゲル状電解質層に粒子を分散させなかった
比較例のゲル状電解質電池では、常温で約13%の割合
で内部短絡が起こっている。一方、ゲル状電解質層に粒
子を分散させた実施例のゲル状電解質電池では内部短絡
は見られなかった。
【0064】また、60℃の高温では、ゲル状電解質層
の強度が低下し、比較例のゲル状電解質電池では内部短
絡率が21%と高くなったが、実施例のゲル状電解質電
池では内部短絡率は2%と僅かであった。
【0065】よって、ゲル電解質層中に粒子を分散させ
ることにより、正極と負極とを隔離し、内部短絡を防止
することができることがわかった。
【0066】
【発明の効果】本発明のゲル状電解質電池では、ゲル状
電解質層中に粒子が分散されているので、ゲル状電解質
層の機械的強度を高めることができる。また、ゲル状電
解質層が破断しても、ゲル状電解質層中に分散された粒
子が、正極と負極とが接触するのを防止するので内部短
絡が起こらない。従って本発明では安全なゲル状電解質
電池を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゲル状電解質電池の一構成例を示す断
面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゲル状電解質電池、 2 正極板、 3 負極板、
4 ゲル状電解質層、 5 正極外装材、 6 負極
外装材、 7 ホットメルト材、 8 粒子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質が正極集電体上に塗布されて
    なる正極と、負極活物質が負極集電体上に塗布されてな
    る負極とが、電解質塩を含有する膨潤溶媒とマトリクス
    高分子とを有するゲル状電解質層を介して積層されてな
    り、 上記ゲル状電解質層中に、非導電性材料からなる粒子が
    分散されていることを特徴とするゲル状電解質電池。
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