JP3331373B2 - リチウム二次電池用正極材料及びその製造方法ならびにその正極材料を用いたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用正極材料及びその製造方法ならびにその正極材料を用いたリチウム二次電池

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lithium secondary
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光春 田渕
博之 蔭山
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なリチウム二
次電池用正極材料及びその製造方法ならびにその正極材
料を用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来技術】リチウム二次電池は、携帯機器用電源とし
て各方面で広く実用化されてきている。近年、マイクロ
マシーン技術、非接触型ICカード等の関連技術の発展
に伴って電源のダウンサイジング化を進めた半導体基板
搭載型薄膜電池が脚光を浴びている。
【0003】最近の研究では、4V級正極材料としてリ
チウムコバルト及びリチウムマンガン複酸化物を用いる
ことによってエネルギー密度を大幅に向上させた薄膜電
池が作製されている。優れたサイクル寿命をもつ薄膜電
池は、例えば S.D.Jones etal., J Power Sources, 43-
44, 505-505(1993)、 J.B.Bates et al., Solid State
Ionics, 70/71, 619-928(1994)等で報告されている。こ
れらの正極材料は、大きな重量エネルギー密度(電力容
量/重量(Wh/kg))を示すものの、体積エネルギ
ー密度(電力容量/体積(Wh/リットル))について
は必ずしも十分なものとは言えない。このため、薄膜電
池の欠点である電池容量の小ささを補うためにはより一
層の高エネルギー密度化を図る必要がある。特に、体積
エネルギー密度の向上は、限られた体積で高エネルギー
密度を達成するために重要である。このような体積エネ
ルギー密度の改善を目的とした研究としては、例えば
H.Kobayashi et al., J Power sources, 68, 686-691(1
997)等で報告されている。この報告によれば、正極材料
としてイリジウムを用いることにより体積エネルギー密
度を改善できるとされている。特に、イリジウムの一部
を鉄で置換することによってコスト及び体積エネルギー
密度の改善を試みる研究もなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イリジ
ウムの一部を鉄で置換した材料では、その初期充放電率
が50%程度であり、電池容量が大きく減少するという
問題がある。すなわち、この技術においても、体積エネ
ルギー密度を十分に満足できる程度に改善するには至っ
ていない。
【0005】従って、本発明は、高い体積エネルギー密
度を発揮できる正極材料、ひいては優れたサイクル特性
を発揮できるリチウム二次電池を提供することを主な目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これら従来
技術の問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定組成を
もつ酸化物を正極材料として採用することにより、上記
目的を達成できることを見出し、ついに本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記のリチウム二次
電池用正極材料及びその製造方法ならびにその正極材料
を用いたリチウム二次電池に係るものである。
【0008】1.リチウム−イリジウム系複合酸化物又
はリチウム−ルテニウム系複合酸化物を含有する正極材
料であって、かつ、当該複合酸化物がコバルト及びニッ
ケルの少なくとも1種を含むことを特徴とするリチウム
二次電池用正極材料。
【0009】2.リチウム及びリチウム化合物の少な
くとも1種、コバルト及びコバルト化合物ならびにニ
ッケル及びニッケル化合物の少なくとも1種、(i)イ
リジウム及びイリジウム化合物の少なくとも1種又は(i
i)ルテニウム及びルテニウム化合物の少なくとも1種を
含有する混合物を焼成することを特徴とするリチウム二
次電池用正極材料の製造方法。
【0010】3.上記第1項に記載のリチウム二次電池
用正極材料を用いたリチウム二次電池。
【0011】
【発明の実施の形態】1)リチウム二次電池用正極材料
及びその製造方法 本発明リチウム二次電池用正極材料は、リチウム−イリ
ジウム系複合酸化物又はリチウム−ルテニウム系複合酸
化物を含有する正極材料であって、かつ、当該複合酸化
物がコバルト及びニッケルの少なくとも1種を含むこと
を特徴とする。
【0012】すなわち、本発明は、コバルト及びニッケ
ルの少なくとも1種を含むリチウム−イリジウム系複合
酸化物を含有する正極材料と、コバルト及びニッケルの
少なくとも1種を含むリチウム−ルテニウム系複合酸化
物を含有する正極材料とを包含する。
【0013】 本発明の複合酸化物は、特に、一般式L
1.5+xM(I)1.5-2x-yM(II)x+y3(但し、M(I)はC
o及びNiの少なくとも1種、M(II)はIr又はRu、
0<x<0.5、0<y<0.5を示す。)で示される
組成を有することが望ましい。このような組成とするこ
とによってα−NaFeO2型結晶構造又はLi2MnO
3型結晶構造を容易かつ確実に形成させることが可能と
なる。
【0014】本発明の複合酸化物は、その全体がα−N
aFeO2型結晶構造又はLi2MnO3型結晶構造を有
することが好ましいが、本発明の効果を妨げない範囲内
で他の結晶構造が一部含まれていても良い。
【0015】本発明の正極材料は、例えばリチウム及
びリチウム化合物の少なくとも1種、コバルト及びコ
バルト化合物ならびにニッケル及びニッケル化合物の少
なくとも1種、(i)イリジウム及びイリジウム化合物
の少なくとも1種又は(ii)ルテニウム及びルテニウム化
合物の少なくとも1種を含有する混合物を焼成すること
によって製造することができる。
【0016】リチウム原料としては、リチウム(金属リ
チウム)及びリチウム化合物の少なくとも1種を用い
る。リチウム化合物としては、リチウムを含有するもの
であれば特に制限されず、例えばLi2O、Li22
の酸化物、Li2CO3、LiNO3等の塩類、LiOH
・H2O等の水酸化物等が挙げられる。これらの中で
も、特にLi2CO3、LiOH・H2O等が好ましい。
【0017】コバルト原料としては、コバルト(金属コ
バルト)及びコバルト化合物の少なくとも1種を用い
る。コバルト化合物としては、コバルトを含有するもの
であれば特に制限されず、例えば、Co34、CoO等
の酸化物、CoCO3、Co(NO32、CoCl2等の
塩類、Co(OH)2等の水酸化物、CoOOH等の酸
化水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、特にCo
34等が好ましい。
【0018】ニッケル原料としては、ニッケル(金属ニ
ッケル)及びニッケル化合物の少なくとも1種を用い
る。ニッケル化合物としては、ニッケルを含有するもの
であれば特に制限されず、例えばNiO等の酸化物、N
iCO3、Ni(NO32・6H2O、NiCl2等の塩
類、Ni(OH)2等の水酸化物、NiOOH等の酸化
水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、特にNiO
等が好ましい。
【0019】イリジウム原料としては、イリジウム(金
属イリジウム)及びイリジウム化合物の少なくとも1種
を用いる。イリジウム化合物としては、イリジウムを含
有するものであれば特に制限されず、例えばIrO2
の酸化物、IrCl3・3H2O等の塩類等が挙げられ
る。これらの中でも、特にIrO2等が好ましい。
【0020】ルテニウム原料としては、ルテニウム(金
属ルテニウム)及びルテニウム化合物の少なくとも1種
を用いる。ルテニウム化合物としては、ルテニウムを含
有するものであれば特に制限されず、例えばRuO2
の酸化物、RuCl3・3H2O等の塩類等が挙げられ
る。これらの中でも、特にRuO2等が好ましい。
【0021】これらを含む混合物を調製する。これらの
混合割合は、α−NaFeO2型結晶構造又はLi2Mn
3型結晶構造が生成するような割合で混合することが
好ましい。具体的には、前記の一般式で示された組成と
なるようにすれば良い。例えば、モル比でリチウム/コ
バルト及び/又はニッケルが3〜5程度、好ましくは
3.5〜4.5となるように混合すれば良い。同様に、
リチウム/イリジウム又はルテニウムが3〜5程度、好
ましくは3.5〜4.5となるように混合すれば良い。
【0022】また、混合方法は、これらを均一に混合で
きる限り特に限定されず、例えばミキサー等の公知の混
合機を用いて各原料を同時又は適当な順序で配合し、湿
式又は乾式で混合すれば良い。
【0023】次いで、混合物を焼成する。焼成温度は、
混合物の組成等に応じて適宜設定することができるが、
通常は600〜1200℃程度、好ましくは800〜1
050℃とすれば良い。また、焼成雰囲気も特に限定的
でないが、通常は酸化性雰囲気又は大気中で実施すれば
良い。焼成時間は、焼成温度等に応じて適宜変更するこ
とができる。冷却方法は特に制限されないが、通常は自
然放冷(炉内放冷)又は徐冷すれば良い。
【0024】焼成後は、必要に応じて焼成物を公知の方
法で粉砕し、さらに上記の焼成工程を実施しても良い。
すなわち、本発明方法では、上記混合物の焼成、徐冷及
び粉砕を2回以上繰り返して実施することが好ましい。
なお、粉砕の程度は、焼成物の組成等に応じて適宜調節
すれば良い。 2)リチウム二次電池 本発明のリチウム二次電池は、前記リチウム二次電池用
正極材料を用いるものである。すなわち、正極材料とし
て本発明の複合酸化物を用いる以外は、公知のリチウム
二次電池(コイン型、ボタン型、円筒型等)の電池要素
をそのまま採用することができる。
【0025】従って、例えば本発明の複合酸化物に必要
に応じて導電剤、結着剤等を配合してなる正極合剤を調
製し、これを集電体に圧着することにより正極を作製で
きる。本発明では、集電体としては、好ましくはステン
レスメッシュ、アルミ箔等を用いることができる。導電
剤としては、好ましくはアセチレンブラック、ケッチェ
ンブラック等を用いることができる。結着剤としては、
好ましくはテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリ
デン等を用いることができる。
【0026】正極合剤における複合酸化物、導電剤、結
着剤等の配合割合も特に限定的でないが、通常は導電剤
が1〜30重量%程度(好ましくは5〜15重量%)、
結着剤が0〜30重量%程度(好ましくは3〜10重量
%)とし、残部を複合酸化物となるようにすれば良い。
【0027】本発明リチウム二次電池において、上記正
極に対する対極としては、例えば金属リチウム、カーボ
ン系材料、合金系材料等の公知のものを採用することが
できる。また、セパレータ、電池容器等も公知の電池要
素を採用すれば良い。
【0028】また、電解液としても公知のものが適用で
きる。例えば、過塩素酸リチウム、6フッ化リン酸リチ
ウム等の電解質を、エチレンカーボネート(EC)、ジ
メチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネー
ト(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の溶媒
に溶解させたものを電解液として使用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明の正極材料は特定の複合酸化物か
ら構成されていることから、優れた体積エネルギー密度
を達成することができる。このため、本発明材料はリチ
ウム二次電池用、特に薄膜リチウム二次電池用として好
適に用いることができる。
【0030】また、上記材料を正極材料(正極活物質)
とする本発明のリチウム二次電池は、高体積エネルギー
密度だけでなく、優れた充放電サイクル特性をも発揮す
ることができ、実用性の高いものである。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴とするところをより一層明確にする。本発明は、これ
ら実施例に限定されるものではない。
【0032】実施例1 炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化コバルト(Co
34)及び酸化イリジウム(IrO2)をモル比で6:
1:3の割合で均一に混合した。混合物を空気中105
0℃で24時間焼成した後、炉内で徐冷した。得られた
焼成体を粉砕した後、X線回折測定により単一相が得ら
れるまで上記の一連の操作(焼成、徐冷及び粉砕)を繰
り返し、実質的に単一相からなる生成物を得た。得られ
た生成物のX線回折図形を図1に示す。生成物は、α−
NaFeO2と同様の層状岩塩構造を示しており、六方
晶の格子(格子定数:a=2.912Å、c=14.2
8Å)で指数付けが可能であった。この生成物はLi
1.8Ir0.6Co0.63で示されることがICP発光分析
・X線リートベルト法から確認できた。
【0033】実施例2 炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化コバルト(Co
34)及び酸化イリジウム(IrO2)をモル比で6:
1:3の割合で均一に混合した。混合物を空気中100
0℃で24時間焼成した後、炉内で徐冷した。得られた
焼成体を粉砕した後、X線回折測定により単一相が得ら
れるまで上記の一連の操作(焼成、徐冷及び粉砕)を繰
り返し、実質的に単一相からなる生成物を得た。得られ
た生成物のX線回折図形を図1に示す。生成物は、α−
NaFeO2と同様の層状岩塩構造を示しており、六方
晶の格子(格子定数:a=2.912Å、c=14.2
8Å)で指数付けが可能であった。
【0034】実施例3 炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化コバルト(Co
34)及び酸化イリジウム(IrO2)をモル比で6:
1:3の割合で均一に混合した。混合物を空気中900
℃で24時間焼成した後、炉内で徐冷した。得られた焼
成体を粉砕するという一連の操作(焼成、徐冷及び粉
砕)を3回繰り返し、一部に不純物相を有するがそのほ
とんど(主成分相)は、α−NaFeO2と同様の層状
岩塩構造であった。
【0035】試験例1 実施例1で得られた生成物を正極材料とする正極合剤を
用いたコイン型電池を作製した。正極合剤は、実施例1
で得られた生成物、ケッチェンブラック及びポリテトラ
フルオロエチレンを重量比で87:9:4で混合したも
のを用いた。対極には金属リチウムを用いた。有機電解
液は、過塩素酸リチウム濃度が1Mとなるように、EC
及びDMCの体積比1:1の混合溶媒に溶解させた溶液
を用いた。また、セパレータとしてポリオレフィン微多
孔質セパレータを用いた。コイン型電池の作製は、公知
のコイン型電池の組立て方法に従って行った。
【0036】このコイン型電池について、電流密度0.
5mA/cm2で充放電サイクル特性を調べた。その結
果を図2に示す。4.3−2.5Vのカットオフ電位で
初期充電容量135mAh/g、初期放電容量117m
Ah/g(779mA/cm 3)を示した。この電池
は、5サイクル終了後も109mAh/g程度の放電容
量を維持していた。
【0037】試験例2 正極材料として実施例2で得られた生成物を用いたほか
は、試験例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0038】このコイン型電池について、電流密度0.
5mA/cm2で充放電サイクル特性を調べた。4.3
−2.5Vのカットオフ電位で初期充電容量153mA
h/g、初期放電容量123mAh/g(823mA/
cm3)を示した。この電池は、5サイクル終了後も1
15mAh/g程度の放電容量を維持していた。
【0039】試験例3 正極材料として実施例3で得られた生成物を用いたほか
は、試験例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0040】このコイン型電池について、電流密度0.
5mA/cm2で充放電サイクル特性を調べた。その結
果を図3に示す。4.3−2.5Vのカットオフ電位で
初期充電容量166mAh/g、初期放電容量147m
Ah/g(978mA/cm 3)を示した。この電池
は、20サイクル終了後も146mAh/g程度の放電
容量を維持していた。
【0041】試験例4 実施例2で得られた生成物を正極材料とする正極合剤を
用いたコイン型電池を作製した。正極合剤は、実施例2
で得られた生成物、ケッチェンブラック及びポリテトラ
フルオロエチレンを重量比で87:9:4で混合したも
のを用いた。対極には金属リチウムを用いた。有機電解
液は、LiPF6濃度が1Mとなるように、EC及びD
MCの体積比1:1の混合溶媒に溶解させた溶液を用い
た。また、セパレータとしてポリオレフィン微多孔質セ
パレータを用いた。コイン型電池の作製は、公知のコイ
ン型電池の組立て方法に従って行った。
【0042】このコイン型電池について、電流密度0.
5mA/cm2で充放電サイクル特性を調べた。4.3
−2.5Vのカットオフ電位で初期充電容量162mA
h/g、初期放電容量119mAh/g(796mA/
cm3)を示した。この電池は、5サイクル終了後も1
16mAh/g程度の放電容量を維持していた。
【0043】実施例4 炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化ニッケル(NiO)
及び酸化イリジウム(IrO2)をモル比で2:1:1
の割合で均一に混合した。混合物を空気中1050℃で
24時間焼成した後、炉内で徐冷した。得られた焼成体
を粉砕した後、X線回折測定により単一相が得られるま
で上記の一連の操作(焼成、徐冷及び粉砕)を繰り返
し、単一相からなる生成物を得た。得られた生成物のX
線回折図形を図4に示す。生成物は、α−NaFeO2
と同様の層状岩塩構造を示しており、六方晶の格子(格
子定数:a=2.962Å、c=14.40Å)で指数
付けが可能であった。
【0044】実施例5 炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化ニッケル(NiO)
及び酸化イリジウム(IrO2)をモル比で2:1:1
の割合で均一に混合した。混合物を空気中900℃で2
4時間焼成した後、炉内で徐冷した。得られた焼成体を
粉砕するという上記の一連の操作(焼成、徐冷及び粉
砕)を3回繰り返し、生成物を得た。得られた生成物の
X線回折図形を図4に示す。生成物は、Li2MnO3
同様の層状岩塩構造を示しており、単斜晶の格子(格子
定数:a=5.131Å、b=8.878Å、c=9.
745Å、β=99.96°)で指数付けが可能であっ
た。
【0045】試験例5 実施例5で得られた生成物を正極材料とする正極合剤を
用いたコイン型電池を作製した。正極合剤は、実施例5
で得られた生成物、ケッチェンブラック及びポリテトラ
フルオロエチレンを重量比で87:9:4で混合したも
のを用いた。対極には金属リチウムを用いた。有機電解
液は、過塩素酸リチウム濃度が1Mとなるように、EC
及びDMCの体積比1:1の混合溶媒に溶解させた溶液
を用いた。コイン型電池の作製は、公知のコイン型電池
の組立て方法に従って行った。
【0046】このコイン型電池について、電流密度0.
5mA/cm2で充放電サイクル特性を調べた。その結
果を図5に示す。4.3−2.5Vのカットオフ電位で
初期充電容量151mAh/g、初期放電容量126m
Ah/g(808mA/cm 3)を示した。この電池
は、5サイクル終了後も117mAh/g程度の放電容
量を維持していた。
【0047】実施例6 炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化コバルト(Co
34)及び酸化ルテニウム(RuO2)をモル比で6:
1:3の割合で均一に混合した。混合物を空気中100
0℃で24時間焼成した後、炉内で徐冷した。得られた
焼成体を粉砕した後、X線回折測定により単一相が得ら
れるまで上記の一連の操作(焼成、徐冷及び粉砕)を繰
り返し、単一相からなる生成物を得た。得られた生成物
のX線回折図形を図6に示す。生成物は、α−NaFe
2と同様の層状岩塩構造を示しており、六方晶の格子
(格子定数:a=2.879Å、c=14.34Å)で
指数付けが可能であった。
【0048】実施例7 炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化ニッケル(NiO)
及び酸化ルテニウム(RuO2)をモル比で2:1:1
の割合で均一に混合した。混合物を空気中1000℃で
24時間焼成した後、炉内で徐冷した。得られた焼成体
を粉砕した後、X線回折測定により単一相が得られるま
で上記の一連の操作(焼成、徐冷及び粉砕)を繰り返
し、単一相からなる生成物を得た。得られた生成物のX
線回折図形を図6に示す。生成物は、α−NaFeO2
と同様の層状岩塩構造を示しており、六方晶の格子(格
子定数:a=2.941Å、c=14.39Å)で指数
付けが可能であった。
【0049】試験例6 正極材料として実施例6で得られた生成物を用いたほか
は、試験例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0050】このコイン型電池について、電流密度0.
5mA/cm2で充放電サイクル特性を調べた。その結
果を図7に示す。4.3−2.5Vのカットオフ電位で
初期充電容量216mAh/g、初期放電容量174m
Ah/g(879mA/cm 3)を示した。この電池
は、5サイクル終了後も171mAh/g程度の放電容
量を維持していた。
【0051】試験例7 正極材料として実施例7で得られた生成物を用いたほか
は、試験例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0052】このコイン型電池について、電流密度0.
5mA/cm2で充放電サイクル特性を調べた。その結
果を図8に示す。4.3−2.5Vのカットオフ電位で
初期充電容量221mAh/g、初期放電容量169m
Ah/g(815mA/cm 3)を示した。この電池
は、5サイクル終了後も143mAh/g程度の放電容
量を維持していた。
【0053】試験例8 各試験例で作製したコイン型電池について、体積エネル
ギー密度を測定した。その結果、Ir−Co系では約3
800Wh/リットル(平均電位3.7V)、Ir−N
i系では約3000Wh/リットル(平均電位3.7
V)、Ru−Co系では約2900Wh/リットル(平
均電位3.6V)、Ru−Ni系では約3000Wh/
リットル(平均電位3.7V)であった。これは、リチ
ウムコバルト複酸化物(LiCoO2)を正極材料とし
て用い、各試験例と同様の条件で作製したコイン型電池
(約2300Wh/リットル)よりも大きな値である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び実施例2の生成物のX線回折図形
を示す図である。
【図2】実施例1の生成物を正極材料として用いたリチ
ウム二次電池の充放電サイクル特性を示す図である。図
中、「c」は充電、「d」は放電を示し、各数値はサイ
クル数を示す。
【図3】実施例3の生成物を正極材料として用いたリチ
ウム二次電池の充放電サイクル特性を示す図である。図
中、「c」は充電、「d」は放電を示し、各数値はサイ
クル数を示す。
【図4】実施例4及び実施例5の生成物のX線回折図形
を示す図である。
【図5】実施例5の生成物を正極材料として用いたリチ
ウム二次電池の充放電サイクル特性を示す図である。図
中、「c」は充電、「d」は放電を示し、各数値はサイ
クル数を示す。
【図6】実施例6及び実施例7の生成物のX線回折図形
を示す図である。
【図7】実施例6の生成物を正極材料として用いたリチ
ウム二次電池の充放電サイクル特性を示す図である。図
中、「c」は充電、「d」は放電を示し、各数値はサイ
クル数を示す。
【図8】実施例7の生成物を正極材料として用いたリチ
ウム二次電池の充放電サイクル特性を示す図である。図
中、「c」は充電、「d」は放電を示し、各数値はサイ
クル数を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧川 靖雄 大阪府寝屋川市初町18番8号 大阪電気 通信大学工学部内 審査官 天野 斉 (56)参考文献 特開 平4−328259(JP,A) 特開 平10−321228(JP,A) 特開 平10−1316(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/58 H01M 4/02 H01M 10/40 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム−イリジウム系複合酸化物又は
    リチウム−ルテニウム系複合酸化物を含有する正極材料
    であって、かつ、当該複合酸化物がコバルト及びニッケ
    ルの少なくとも1種を含むことを特徴とし、複合酸化物
    が、α−NaFeO2型結晶構造又はLi2MnO3型結
    晶構造を有し、 一般式Li 1.5+x M(I) 1.5-2x-y M(II) x+y 3 (但し、M
    (I)はCo及びNiの少なくとも1種、M(II)はIr又
    はRu、0<x<0.5、0<y<0.5を示す。)で
    示される組成を有する リチウム二次電池用正極材料。
  2. 【請求項2】 リチウム及びリチウム化合物の少なく
    とも1種、コバルト及びコバルト化合物ならびにニッ
    ケル及びニッケル化合物の少なくとも1種、(i)イリ
    ジウム及びイリジウム化合物の少なくとも1種又は(ii)
    ルテニウム及びルテニウム化合物の少なくとも1種を含
    有する混合物を焼成することを特徴とし、 リチウム−イリジウム系複合酸化物又はリチウム−ルテ
    ニウム系複合酸化物を含有する正極材料であって、か
    つ、当該複合酸化物がコバルト及びニッケルの少なくと
    も1種を含むことを特徴とし、複合酸化物が、α−Na
    FeO2型結晶構造又はLi2MnO3型結晶構造を有
    し、 一般式Li 1.5+x M(I) 1.5-2x-y M(II) x+y 3 (但し、M
    (I)はCo及びNiの少なくとも1種、M(II)はIr又
    はRu、0<x<0.5、0<y<0.5を示す。)で
    示される組成を有する リチウム二次電池用正極材料の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 焼成温度が600〜1200℃である請
    求項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項に記載のリチウム二次電池用正
    極材料を用いたリチウム二次電池。
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