JP3041693B2 - 平型可撓性回路用電気コネクタ - Google Patents

平型可撓性回路用電気コネクタ

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JP3041693B2 JP10303295A JP30329598A JP3041693B2 JP 3041693 B2 JP3041693 B2 JP 3041693B2 JP 10303295 A JP10303295 A JP 10303295A JP 30329598 A JP30329598 A JP 30329598A JP 3041693 B2 JP3041693 B2 JP 3041693B2
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  • Multi-Conductor Connections (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、電気コネクタの技術
に関するもので、特に平型可撓性回路に電気的に相互接
続する電気コネクタに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、平型可撓性回路は、細長い平型可
撓性誘電性基板で構成されており、基板の片側または両
側に横方向に離間する導体を有している。導体は、平型
可撓性回路の片側または両側において薄い可撓性保護層
で被覆される構成とすることができる。保護層が使用さ
れる場合には、導体が、第二の平型可撓性回路、プリン
ト回路基板または相手方電気コネクタの端子である可能
性がある相補型の相手方接続装置の導体に係合される所
定の接合位置で、下にある導体を露出させるために上記
の薄い可撓性保護層に開口部が形成されている。
【０００３】種々の電気コネクタは、平型可撓性回路を
相補型の相手方接続装置に接続または相互接続するため
に、長い年月に亘って設計されてきた。特にコストや、
複雑さや信頼性の面において、このような電気コネクタ
を悩まし続けた問題がある。この電気コネクタの直接材
料費が、非常に高いばかりではなく、電気コネクタの組
立において過度の量の労働時間が必要とされる。さら
に、各電気コネクタは、特定の平型可撓性回路寸法に対
応するために、設計され製造されており、従って、各寸
法の平型可撓性回路に対して、一つの電気コネクタを設
計および製造し、在庫としなければならない。さらに、
電気コネクタとその平型可撓性回路用の適用工具に連関
したコストおよび時間もまた、この電気コネクタに関連
した問題を増大させている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来にはな
かった、簡単で、安価で、信頼できる電気コネクタ構造
を提供することによりこれらの課題を解決するものであ
る。
【０００５】従って、本発明の目的は、新規であり改良
された平型可撓性回路用の電気コネクタを提供すること
にある。
【０００６】本発明のもう一つの目的は、平型可撓性回
路の導体を相補型の相手方接続装置の導体に電気的に相
互接続するための新規であり改良された雌型コネクタを
提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、断面Ｕ
字状の前側折り返し部を前側上下に配し、これら前側折
り返し部間の後方に断面Ｕ字状の後ろ側折り返し部を配
して折り畳まれて、前側折り返し部間に相手側接続装置
を受け入れるための開口部を開口した状態の平型可撓性
回路の端部に取り付けるための雌型ハウジングであっ
て、柔軟性裏打ち構造が組み込み可能である開口状態
と、前記平型可撓性回路の前記上方の前側折り返し部か
ら後ろ側折り返し部までの部分と、前記後ろ側折り返し
部から下方の前側折り返し部若しくは前記下方の前側折
り返し部から先端までの部分を収容するキャビティを形
成する閉鎖状態との間で相対的に可動である、互いに対
向する壁部を有する雌型ハウジングと、前記開口部を通
して相手方接続装置を受け入れた時に、キャビィティに
収容される平型可撓性回路の導体を相手方接続装置の導
体に対して弾性的に付勢するための、少なくとも一つの
壁部の前記キャビィティ側に設けられた柔軟性裏打ち構
造とで構成される、可撓性回路の導体を相補型の相手方
接続装置の導体に電気的に相互接続するための雌型コネ
クタが提供される。
【０００８】上記の雌型コネクタの構成において、前記
雌型ハウジングは、プラスチック材料で成形され、前記
壁部は、該壁部の前記相対運動を行うために一体に成形
された一体ヒンジにより接合されることが好ましい。さ
らに好ましくは、前記雌型ハウジングは、Ｕ字形状であ
り、キャビィティの両側を規定する一対の互いに対向す
る側壁部と、キャビィティの背面部を規定する後壁部を
有する構成とする。
【０００９】さらに、各前記側壁部のキャビィティ側
に、少なくとも一つの前記柔軟性裏打ち構造を有してい
る。また、前記後壁部に、平型可撓性回路を挿通可能と
したスロットを有している。前記雌型ハウジングを実質
的に包囲し、キャビィティと整列される開口部を有す
る、剛性の外部ケーシングを有する構成とすることも出
来る。前記雌型ハウジングは、プラスチック材料で成形
され、前記側壁部は、該側壁部の前記相対運動を行うた
めに、一体に成形された一体ヒンジにより後壁部に接合
される。前記雌型ハウジングは、平型可撓性回路を収容
する前側開口部を有する箱状構造を規定するために、前
記側壁部および後壁部と協働する端壁部を有する構成と
することが出来る。全ての壁部を箱状形状に保持するた
めに、少なくとも幾つかの前記壁部間でともに連関され
るラッチ手段を有している。
【００１０】本発明によれば、前記の如くの雌型コネク
タと組み合わせて用いられる雄型コネクタであって、第
二の平型可撓性回路に取り付けられるとともに、雌型コ
ネクタのキャビィティ内に挿入可能であり、第二の平型
可撓性回路の導体を前記キャビィティに収容された平型
可撓性回路の折り畳まれた端部の導体に柔軟性裏打ち構
造による付勢を介して接合するように構成されたことを
特徴とする雄型コネクタが提供される。
【００１１】更に、本発明によれば、断面Ｕ字状の前側
折り返し部を前側上下に配し、これら前側折り返し部間
の後方に断面Ｕ字状の後ろ側折り返し部を配して折り畳
まれた平型可撓性回路の端部に取り付けて、前記上方の
前側折り返し部から後ろ側折り返し部までの部分と、前
記後ろ側折り返し部から下方の前側折り返し部若しくは
前記下方の前側折り返し部から先端までの部分を収容す
るキャビィティを形成する互いに対向する壁部を有する
雌型ハウジングを設ける工程と、雌型コネクタが相手方
接続装置に接合された時に、キャビィティに収容される
平型可撓性回路の導体を相手方接続装置の導体に対して
弾性的に付勢するために、少なくとも一つの壁部の前記
キャビィティ側に柔軟性裏打ち構造を成形する工程で構
成される、平型可撓性回路の導体を相補型の相手方接続
装置の導体に電気的に相互接続するための雌型コネクタ
の製造方法が提供される。
【００１２】前記柔軟性裏打ち構造は、少なくとも一つ
の壁部の前記キャビィティ側にイン サート成形される。
また、前記雌型ハウジングは、プラスチック材料で成形
され、前記柔軟性裏打ち構造は、二段階成形作業でエラ
ストマ材料で成形され、続いて同時に硬化される。
【００１３】以上のように、本発明による雌型コネクタ
は、平型可撓性回路の折り畳まれた端部を収容するキャ
ビィティを規定する壁手段を有する、雌型ハウジングを
有している。壁手段は、柔軟性の裏打ち構造を少なくと
も一つの壁部のキャビィティ側に組み込み可能な開口状
態と、キャビィティを規定する閉鎖状態との間で相対的
に可動となっている壁部を有している。柔軟性裏打ち構
造は、雌型コネクタが相手方接続装置に接合された時
に、キャビィティに収容される平型可撓性回路の導体を
相手方接続装置の導体に対して弾性的に付勢するため
に、少なくとも一つの壁部のキャビィティ側に設けられ
ている。
【００１４】上述したように、雌型ハウジングは、プラ
スチック材料で成形され、相対的に可動な壁手段は、一
体に成形された一体ヒンジにより接合されている。柔軟
性裏打ち構造は、壁手段が開口状態である時に、壁部に
組み込まれる別体の部材である構成とすることができ
る。柔軟性裏打ち構造は、開口状態で壁手段とともに形
成される埋め込み成形（molded-in-place)部材である構
成とすることができる。
【００１５】本発明の実施例において、雌型ハウジング
は、Ｕ字形状であり、キャビィティの両側を規定する一
対の側壁部と、キャビィティの背面部を規定する後壁部
を有している。一つの柔軟性裏打ち構造が、各側壁部の
キャビィティ側に設けられている。スロットが、平型可
撓性回路が挿通される後壁部に設けられる構成とするこ
とができる。また、本発明において、雌型ハウジング
は、雌型ハウジングのキャビィティと整列される開口部
を有する剛性の外部ケーシングにより包囲される。
【００１６】本発明の変形例において、雌型ハウジング
は、平型可撓性回路を収容する前側開口部を有する箱状
構造を規定するために、側壁部および後壁部と協働する
端壁部を有している。ラッチ手段は、全ての壁部を箱状
形状に保持するために、少なくとも幾つかの壁部間でと
もに連関されている。この実施例において、剛性の外部
ケーシングを不要とする構成とすることができる。
【００１７】本発明において、個々の端子が不要となる
ため、同じサイズの平型可撓性回路の範囲内で、一つの
サイズの電気コネクタで、ある程度の平型可撓性回路の
導体設計に対応することができる。さらに、電気コネク
タは、端子を使用しないため、適用工具に連関したコス
トおよび時間が完全に不必要となる。
【００１８】
【発明の実施形態】図面について非常に詳細に説明すれ
ば、雌型コネクタと雄型コネクタで構成される本発明に
よる電気コネクタ装置が示されている。図１乃至１０に
おいて、雌型コネクタの種々の実施例が示されており、
図１１乃至１９において、雄型コネクタの種々の実施例
が示されている。電気コネクタ装置として、雌型コネク
タが雄型コネクタと接合されることが可能であるか、ま
たは、平型可撓性回路の導体を種々の他の相補型の相手
方接続装置に電気的に相互接続させるために、雌型コネ
クタまたは雄型コネクタの一方のみが使用されることが
可能である。
【００１９】例えば、図１において、平型可撓性回路１
２に接続し、平型可撓性回路１２の導体１４を剛性のプ
リント回路基板１８の片側または両側の導体または回路
パッド１６に電気的に相互接続させる、参照符号１０で
示される雌型コネクタが示されている。
【００２０】図２において、組立の目的のために折り畳
まれた平型可撓性回路１２とともに、雌型コネクタ１０
が示されている。平型可撓性回路１２は、折り畳まれ
て、断面Ｕ字状の上側の前側折り返し部１２ａと下側の
前側折り返し部１２ｂを有しており、上下の前側折り返
し部１２ａ、１２ｂ間の後方に断面Ｕ字状の後ろ側折り
返し部１２ｃを規定するために、上側の前側折り返し部
１２ａと下側の前側折り返し部１２ｂ間で平型可撓性回
路がＵ字状に折り曲げられている。この形状により、参
照符号２０で示される開口部が上下の前側折り返し部１
２ａ、１２ｂ間に規定されている。図示のように、平型
可撓性回路１２の先端１２ｄは、後ろ向き方向に折り返
されている。
【００２１】さらに図２について説明すると、雌型コネ
クタ１０は、参照符号２２で示される雌型ハウジング
と、参照符号２４で示される箱状の外部ケーシングで構
成されている。雌型ハウジング２２は、Ｕ字状であり、
参照符号２６で示されるキャビィティ２６の両側を規定
する一対の側壁部２２ａと、キャビィティ２６の背面部
を規定する後壁部２２ｂを有している。上側の側壁部２
２ａは、その両端縁に一対のタブ２８を有しており、タ
ブ２８は、平型可撓性回路１２を雌型ハウジング２２に
対して適当に位置決めし、平型可撓性回路１２のひずみ
開放を行うために、平型可撓性回路１２の両側縁の溝３
０内に衝合される。雌型ハウジング２２は、プラスチッ
ク等の誘電性材料で一体に成形される一体構造である。
側壁部２２ａは、一体に成形された一体ヒンジ３２によ
り後壁部２２ｂに接合されており、後述するように、一
体ヒンジ３２により、雌型ハウジング２２の側壁部２２
ａが開口状態と閉鎖状態との間で可動となっている。
【００２２】雌型コネクタ１０の剛性の外部ケーシング
２４（図２）もまた、上壁および底壁２４ａ、２４ｂ
と、一対の両側壁２４ｃで構成される一体構造である。
後述する目的のために、側壁２４ｃには、ラッチ孔３４
が設けられている。外部ケーシング２４は、前側開口部
３６を有している。前側開口部３６は、雌型コネクタ１
０が図１に示すように組み立てられた状態である時に、
雌型ハウジング２２のキャビティ２６と整列される。
【００２３】本発明において、雌型コネクタ１０が相手
方接続装置と接続された時に、キャビィティ２６に収容
される平型可撓性回路１２の導体１４を（プリント回路
基板１８等の）相手方接続装置の導体に対して弾性的に
付勢するために、雌型ハウジング２２には、片側または
両側の側壁部２２ａのキャビィティ２６側に柔軟性裏打
ち構造３８が設けられている。図２に示すように折り畳
まれた平型可撓性回路１２において、上側の前側折り返
し部１２ａが、上側の側壁部２２ａを包囲し、下側の前
側折り返し部１２ｂが、下側の側壁部２２ａを包囲する
ので、両側壁部２２ａには一つの柔軟性裏打ち構造３８
が設けられている。各柔軟性裏打ち構造３８は、少なく
とも、柔軟性裏打ち構造３８が、平型可撓性回路１２の
全ての導体１４を相補型の相手方接続装置の各導体に対
して弾性的に付勢するのに十分広くなるように、平型可
撓性回路１２の幅方向に細長くなっていることは、図２
において明らかである。さらに、柔軟性裏打ち構造３８
は、寸法が均一であり、いかなる導体形状または導体厚
みを有する平型可撓性回路１２も弾性的に付勢すること
ができることは明らかである。換言すれば、雌型コネク
タ１０において別個の端子がないため、平型可撓性回路
１２のレイアウトおよびその上の導体１４の位置決め
は、実際の電気コネクタまたはコネクタ寸法にとって重
大なことではない。従って、導体厚みが、他の低電流用
途よりも厚い可能性がある高電流用途等の用途において
も、電気コネクタの形状は同じままでよい。
【００２４】図２において、後述するように、柔軟性裏
打ち構造３８が、埋め込み成形（molded-in-place)部材
で構成されている本発明の実施例が示されている。図３
において、柔軟性裏打ち構造３８Ａは、雌型ハウジング
２２の側壁部２２ａの孔４２内に挿入されるタブ４０に
より、適所に取り付けられる別体の成形部材である実施
例が示されている。柔軟性裏打ち構造３８Ａをさらに適
所に固定するために、接着剤が使用される構成とするこ
とができる。雌型ハウジング２２は、比較的堅いまたは
剛性のプラスチック材料で成形されているのに対して、
柔軟性裏打ち構造３８または３８Ａは、シリコーンゴム
等のエラストマ材料で成形または他の方法で形成されて
いる。
【００２５】図４において、図２の閉鎖されたＵ字状状
態と比較して、部分的に開口状態の雌型ハウジング２２
が示されている。特に、雌型ハウジング２２全体が、平
らな完全に開口状態となるまで、後壁部２２ｂに対して
一体ヒンジ３２を中心として、側壁部２２ａを移動また
は回転させることができる。この状態において、柔軟性
裏打ち構造３８は、非常に容易に、すなわち、雌型ハウ
ジング２２が剛性の閉鎖された構造である場合よりも非
常に容易に、側壁部２２ａに対して組み込みまたは形成
されることができる。図３の実施例において、柔軟性裏
打ち構造３８Ａは、単に、開口した側壁部２２ａに配置
され、熱焼き付けや、ラッチや、超音波溶接等の方法に
より適所に固定される。図２の実施例において、柔軟性
裏打ち構造３８は、側壁部２２ａを平らな開口状態にし
て、側壁部２２ａの細長い凹部に容易に埋め込み成形
（molded-in-place)されることが可能である。本発明に
おいて、埋め込み成形（molded-in-place)される柔軟性
裏打ち構造３８は、側壁部２２ａの凹部内にインサート
成形されることが可能である。一方、柔軟性裏打ち構造
３８は、一段階において、雌型ハウジング２２のプラス
チック材料が射出され、二段階において、柔軟性裏打ち
構造３８のシリコーンゴムが射出されて、材料が順次に
硬化される、すなわち、二段階における射出時にプラス
チックが硬化される、「二段階(two-shot)」射出工程で
成形されることができる。
【００２６】図５において、図２の実施例と非常に類似
した実施例が示されているが、細長いスロット４４が、
上側の側壁部２２ａのすぐ下の雌型ハウジング２２の後
壁部２２ｂに形成されている。このスロット４４によ
り、雌型コネクタ１０を「両面のある」平型可撓性回路
１２に使用することができる。換言すれば、平型可撓性
回路１２は、その両側に導体１４を有している。両面の
ある平型可撓性回路１２のスロット４４を有する雌型ハ
ウジング２２への組み込みにおいて、平型可撓性回路１
２の後ろ側折り返し部１２ｃが雌型ハウジング２２の後
壁部２２ｂの外側に配置されるように、平型可撓性回路
１２は、４６でスロット４４を貫通して突出する。次
に、平型可撓性回路１２の先端１２ｄが、下側の柔軟性
裏打ち構造３８の上部のキャビィティ２６の内側に配置
されるまで、平型可撓性回路１２は、下側の側壁部２２
ａの外側の回りに折り返される。従って、平型可撓性回
路１２の裏面の導体１４は、上向きにキャビィティ２６
内の方を向くことになり、平型可撓性回路１２の両側の
導体１４は、適当な相補型の相手方接続装置の両側の導
体と係合可能となる。
【００２７】図５の両面のある実施例において、上述し
たように、柔軟性裏打ち構造３８は、埋め込み成形（mo
lded-in-place)部材となっている。図６において、実質
的に同じ実施例が示されているが、図３に関連して上述
したように、柔軟性裏打ち構造３８Ａは、機械的に固定
されて適所に接着される。
【００２８】図７および８について説明すれば、参照符
号２２Ａで示される雌型ハウジングの変形例が示されて
いる。図７のハウジング構造は、両側壁部２２ａと後壁
部２２ｂを有しているばかりではなく、一対の両端壁部
２２ｃを有している。両端壁部２２ｃは、一体ヒンジ４
５により側壁部２２ａに回動可能に接合されている。側
壁部２２ａには、雌型ハウジング構造を閉鎖した箱状形
状で保持するために、両端壁部２２ｃのラッチ孔４８内
でラッチ状態で係合するフック状ラッチアーム４６が設
けられている。外部ケーシング２４を無くすために、こ
の構造を使用することができる。雌型ハウジング２２Ａ
は、さらに完全に開口され、柔軟性裏打ち構造３８（ま
たは３８Ａ）を側壁部２２ａに組み込みまたは埋め込み
成形（molded-in-place)可能であり、その後、構造は閉
鎖されて、折り畳まれた平型可撓性回路１２を収容する
キャビィティ２６を規定することができる。
【００２９】図９および１０において、パネルの開口部
に取り付け可能となっている、参照符号１０Ａで示され
る雌型コネクタが図示されている。雌型ハウジング２２
は、上述したものと実質的に同一のものである。しかし
ながら、外部ケーシング２４Ａは、外部ケーシング２４
Ａ、すなわち雌型コネクタ１０Ａをパネルの開口部に配
置してパネルの両側に係合する、可撓性アーム５０およ
び剛性アーム５２を有している。しばしば、このような
パネル取り付け型電気コネクタは、「ブラインド接合」
(blind mating)環境において取り付けられる。従って、
外向きに拡開したフランジまたはリップ５４が、雌型ハ
ウジング２２のキャビィティ２６と一直線上に外部ケー
シング２４Ａの前側開口部３６に設けられており、それ
により、相手方電気コネクタ等の相補型の相手方接続装
置に自己整列機能を与えるものである。
【００３０】図１１および１２において、平型可撓性回
路１２の導体１４を相補型の接続装置の導体に電気的に
相互接続させる、参照符号６０で示される雄型コネクタ
が図示されている。例えば、雄型コネクタ６０は、その
両端に、雌型コネクタ１０の外部ケーシング２４の側壁
２４ｃのラッチ孔３４（図１および２）内に、ラッチ状
態で係合するフック状ラッチアーム６２を設ける構成と
することができる。雄型コネクタ６０は、外部ケーシン
グ２４の前側開口部３６を貫通して、雌型ハウジング２
２のキャビィティ２６内に挿入されるように適当に寸法
決めされている。
【００３１】さらに、雄型コネクタ６０は、両側面６４
ａと前端縁６４ｂを規定する、参照符号６４で示される
本体部有している。図１１および１２の実施例におい
て、柔軟性裏打ち構造６６は、本体部６４の片側または
両側面６４ａの凹部に埋め込み成形（molded-in-place)
されている。雌型コネクタ１０の雌型ハウジング２２お
よび柔軟性裏打ち構造３８と同様に、本体部６４は、比
較的剛性のプラスチック材料で成形可能であり、柔軟性
裏打ち構造６６は、シリコーンゴム等のエラストマ材料
で成形可能である。柔軟性裏打ち構造６６は、本体部６
４にインサート成形されるか、または、上述したよう
に、「二段階(two-shot)」射出工程として、柔軟性裏打
ち構造６６および本体部６４を同時に成形することがで
きる。
【００３２】平型可撓性回路１２の雄型コネクタ６０へ
の組み込みにおいて、平型可撓性回路１２は、図１２に
図示したように、平型可撓性回路１２の導体１４を本体
部６４から離間する方向に向けて本体部６４の前端縁６
４ｂで折り返される。位置決め孔６８は、本体部６４の
両側のボス７０に圧接係合して、本体部６４に対して巻
き付けられる平型可撓性回路１２のひずみ開放を行うた
めに、平型可撓性回路１２に設けられている。柔軟性裏
打ち構造６６は、雄型コネクタ６０が相手方接続装置に
接合された時に、平型可撓性回路１２の導体１４を相手
方接続装置の導体に対して弾性的に付勢するために、平
型可撓性回路１２の下に位置している。
【００３３】図１３において、雄型コネクタ６０の各両
端部における雌型ラッチ構造７２の変形例が示されてい
る。これらの雌型ラッチ構造７２は、相補型の雌型接続
装置の適当なラッチとラッチ状態で相互係合する構成と
することができる。一方、雌型ラッチ構造７２は、ラッ
チアーム６２（図１１および１２）を挿入することがで
きる程度まで本体部６４の平面から上向きにオフセット
していることは、図１３において明らかであり、二つの
別体の雄型コネクタ６０で、二つの各平型可撓性回路１
２を互いに対して付勢して、その各導体１４を相互係合
させるべく、各雄型コネクタ６０の各柔軟性裏打ち構造
６６で二つの平型可撓性回路１２を相互接合させること
ができる。
【００３４】図１４は、本体部６４から切り離して成形
され、その後で本体部６４の片側または両側面６４ａの
凹部７４内に配置される柔軟性裏打ち構造６６Ａを有し
ていることを除いて、図１１と同様の雄型コネクタ６０
の図である。柔軟性裏打ち構造６６は、凹部７４内に固
定されることができる。
【００３５】図１５において、片面の平型可撓性回路１
２が、雄型コネクタ６０の両側に接続される、すなわち
二重接合形状の雄型コネクタ６０の実施例が示されてい
る。図１１および１４に図示した実施例とは異なり、本
体部６４の回りに巻き付ける代わりに、平型可撓性回路
１２は、矢印「Ｂ」の方向にスロット８２を貫通して上
側段部８４の下に挿入される。次に、平型可撓性回路１
２は、重ねられる柔軟性裏打ち構造６６の回りに巻き付
けられ、本体部６４の下側のスロット８２と同様のスロ
ット（図示せず）を貫通して外側に突出する。各柔軟性
裏打ち構造６６は、一体に成型された落ち込んだ壁 (su
nken wall)８０の両側の凹部７４に配置され、図１４に
示すように別体として成形されるか、または図１１に示
すように埋め込み成形（molded-in-place)される構成と
することができる。
【００３６】図１６において、図１５と同様の実施例が
示されているが、柔軟性裏打ち構造６６Ｂは、雄型コネ
クタ６０の本体部６４と一体に成形されたバーとして図
示されており、落ち込んだ壁 (sunken wall)８０は、比
較的剛性の柔軟性裏打ち構造６６Ｂに弾性を与える柔軟
性構造となっており、平型可撓性回路１２の導体１４を
相補型の相手方接続装置の各導体に対して付勢させるこ
とが可能である。
【００３７】図１７において、図１５および１６の実施
例と同様に、平型可撓性回路１２が、この場合もやはり
矢印「Ｂ」の方向にスロット８２を貫通して上側段部８
４の下に挿入される、雄型コネクタ６０の実施例が示さ
れている。この実施例において、柔軟性裏打ち構造に
は、平型可撓性回路１２がスロット８２を貫通した後
に、平型可撓性回路１２の裏面に係合する、複数の可撓
性バネフィンガ６６ｃが設けられている。平型可撓性回
路１２は、前側段部８６の下を通過して、前側スロット
８８を通って外に延び、９０で雄型コネクタ６０の下に
折り返される。
【００３８】図１８において、一体に成形された一体ヒ
ンジ９４により本体部６４に接合されるクランプアーム
またはクランプバー９２を有する、雄型コネクタ６０の
実施例が示されている。クランプアーム９２は、矢印
「Ｄ」の方向に一体ヒンジ９４を中心として回動し、平
型可撓性回路１２を雄型コネクタ６０に対してクランプ
し、平型可撓性回路１２のひずみ開放を行う。従って、
平型可撓性回路１２自体に力が付与された場合には、ク
ランプアーム９２は、平型可撓性回路１２が本体部６４
から引き抜かれる可能性を最小限とする。どちらかとい
えば、力はクランプアームまたはひずみ開放クランプア
ーム９２に付与される。クランプアーム９２は、クラン
プアーム９２をクランプ位置で保持するために、ボス７
０に摩擦係合する孔９６を有している。図１９におい
て、ひずみ開放クランプアーム９２を有する、同様の雄
型コネクタ６０が示されている。ひずみ開放クランプア
ーム９２には、ラッチ機構が設けられており、係合解除
可能なラッチ構造１０２によりひずみ開放クランプアー
ム９２を適所に保持する。
【００３９】また、図１８および１９の雄型コネクタ６
０は、相補型の相手方接続装置の導体に係合するため
に、平型可撓性回路１２が露出されるウィンドウ９８を
有している。雄型コネクタ６０において使用される平型
可撓性回路１２が両面のものである場合には、もう一つ
のウィンドウ９８を雄型コネクタ６０の裏面に同様に配
置する構成とすることができ、一つまたは複数の相手方
コネクタを平型可撓性回路１２の両側に接合することが
できる。ウィンドウ９８内の平型可撓性回路１２の凹部
位置により明白なように、図１８および１９に図示した
雄型コネクタ６０は、柔軟性裏打ち構造を有していな
い。どちらかといえば、図１乃至１０に示されたタイプ
等の相手方コネクタは、一つ以上のウィンドウ９８内で
接合して平型可撓性回路１２と接続するために、柔軟性
裏打ち構造を有している。
【００４０】
【発明の効果】本発明によれば、雌型コネクタを、断面
Ｕ字状の前側折り返し部を前側上下に配し、これら前側
折り返し部間の後方に断面Ｕ字状の後ろ側折り返し部を
配して折り畳まれて、前側折り返し部間に相手側接続装
置を受け入れるための開口部を開口した状態の平型可撓
性回路の端部に取り付けるための雌型ハウジングであっ
て、柔軟性裏打ち構造が組み込み可能である開口状態
と、前記平型可撓性回路の前記上方の前側折り返し部か
ら後ろ側折り返し部までの部分と、前記後ろ側折り返し
部から下方の前側折り返し部若しくは前記下方の前側折
り返し部から先端までの部分を収容するキャビティを形
成する閉鎖状態との間で相対的に可動である、互いに対
向する壁部を有する雌型ハウジングと、前記開口部を通
して相手方接続装置を受け入れた時に、キャビィティに
収容される平型可撓性回路の導体を相手方接続装置の導
体に対して弾性的に付勢するための、少なくとも一つの
壁部の前記キャビィティ側に設けられた柔軟性裏打ち構
造とで構成して、平型可撓性回路の導体を相補型の相手
方接続装置の導体に電気的に相互接続できるようにした
ので、相補型の相手方接続装置との電気接続を導体同士
の接合により形成することができて、端子が不要とな
る。
【００４１】また、上記のように端子を不要とすること
により、同一サイズの平型可撓性回路の範囲内で、一つ
のサイズの電気コネクタで、種々の設計の導体パターン
に対応することができる。さらに、電気コネクタは、端
子を使用しないため、適用工具に関連したコストおよび
時間が完全に不必要となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】雌型コネクタと接合可能なプリント回路基板
と、本発明による平型可撓性回路に接続する雌型コネク
タの斜視図である
【図２】雌型コネクタと平型可撓性回路の分解斜視図で
ある。
【図３】柔軟性裏打ち構造を別体の部材として示す、図
２と同様の図である。
【図４】部分的に開口状態の雌型ハウジングの斜視図で
ある。
【図５】雌型コネクタが両面のある平型可撓性回路に接
続可能である、図２と幾分同様の図である。
【図６】柔軟性裏打ち構造が別体の部材として示されて
いる、図５の雌型コネクタの分解斜視図である。
【図７】実質的に開口状態である変形例の雌型ハウジン
グの斜視図である。
【図８】閉鎖されてラッチされる直前の、図７の雌型ハ
ウジングの斜視図である。
【図９】パネルに取り付け可能な雌型コネクタの実施例
の分解斜視図である。
【図１０】図９の雌型コネクタの斜視図である。
【図１１】柔軟性裏打ち構造が埋め込み成形（molded-i
n-place)部材である、本発明の一実施例による平型可撓
性回路に接続する雄型コネクタの斜視図である。
【図１２】平型可撓性回路が接続された、図１１の雄型
コネクタの斜視図である。
【図１３】異なる形状のラッチ構造を有している、図１
２と同様の図である。
【図１４】柔軟性裏打ち構造が別体の部材である、図１
１と同様の図である。
【図１５】雄型コネクタが両面のある雄型コネクタとし
て適用される、図１４と同様の図である。
【図１６】一体に成形されたスロットに平型可撓性回路
を通過させることにより、平型可撓性回路のひずみ開放
を行う変形手段を有している、図１１と同様の図であ
る。
【図１７】柔軟性裏打ち構造が複数の一体に成形された
バネフィンガである、図１６と同様の図である。
【図１８】可動のクランプアームを有する実施例の雄型
コネクタの斜視図である。
【図１９】ラッチ機構に組み込まれる可動のクランプア
ームを有する、図１８と同様の実施例の雄型コネクタの
斜視図である。
【符号の説明】 １０ 雌型コネクタ １２ 平型可撓性回路１２ａ、１２ｂ 前側折り返し部 １２ｃ 後ろ側折り返し部 １２ｄ 先端 １４ 導体２０ 開口部 ２２ 雌型ハウジング２２ａ 側壁部 ２２ｂ 後壁部 ２６ キャビィティ ３８、３８Ａ 柔軟性裏打ち構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラッセル ジェイ ワット アメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ エルム 11 イー アパートメント ３ ダブル (56)参考文献 特開 昭64−668（ＪＰ，Ａ) 実開 平６−15283（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01R 12/28

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 断面Ｕ字状の前側折り返し部（１２ａ、
    １２ｂ）を前側上下に配し、これら前側折り返し部（１
    ２ａ、１２ｂ）間の後方に断面Ｕ字状の後ろ側折り返し
    部（１２ｃ）を配して折り畳まれて、前側折り返し部
    （１２ａ、１２ｂ）間に相手側接続装置を受け入れるた
    めの開口部（２０）を開口した状態の平型可撓性回路
    （１２）の端部に取り付けるための雌型ハウジング（２
    ２）であって、 柔軟性裏打ち構造（３８、３８Ａ）が組み込み可能であ
    る開口状態と、前記平型可撓性回路（１２）の前記上方
    の前側折り返し部（１２ａ）から後ろ側折り返し部（１
    ２ｃ）までの部分と、前記後ろ側折り返し部（１２ｃ）
    から下方の前側折り返し部（１２ｂ）若しくは前記下方
    の前側折り返し部（１２ｂ）から先端（１２ｄ）までの
    部分を収容するキャビティ（２６）を形成する閉鎖状態
    との間で相対的に可動である、互いに対向する壁部（２
    ２ａ、２２ｂ）を有する 雌型ハウジング（２２）と、前記開口部（２０）を通して 相手方接続装置を受け入れ
    た時に、キャビィティ（２６）に収容される平型可撓性
    回路（１２）の導体（１４）を相手方接続装置の導体に
    対して弾性的に付勢するための、少なくとも一つの壁部
    （２２ａ）の前記キャビィティ側に設けられた柔軟性裏
    打ち構造（３８、３８Ａ）とで構成される、平型可撓性
    回路（１２）の導体（１４）を相補型の相手方接続装置
    の導体に電気的に相互接続するための雌型コネクタ（１
    ０）。
  2. 【請求項２】 前記雌型ハウジング（２２）は、プラス
    チック材料で成形され、前記壁部（２２ａ、２２ｂ）
    は、該壁部の前記相対運動を行うために一体に成形され
    た一体ヒンジ（３２）を有していることを特徴とする請
    求項１に記載の雌型コネクタ。
  3. 【請求項３】 前記雌型ハウジング（２２）は、Ｕ字形
    状であり、キャビィティ（２６）の両側を規定する互い
    に対向する一対の側壁部（２２ａ）と、キャビィティ
    （２６）の背面部を規定する後壁部（２２ｂ）を有して
    いることを特徴とする請求項１に記載の雌型コネクタ。
  4. 【請求項４】 各前記側壁部（２２ａ）のキャビィティ
    （２６）側に、少なくとも一つの前記柔軟性裏打ち構造
    （３８、３８Ａ）を有していることを特徴とする請求項
    ３に記載の雌型コネクタ。
  5. 【請求項５】 前記後壁部（２２ｂ）に、平型可撓性回
    路（１２）を挿通可能としたスロット（４４）を有して
    いることを特徴とする請求項３に記載の雌型コネクタ。
  6. 【請求項６】 前記雌型ハウジング（２２）を実質的に
    包囲し、キャビィティ（２６）と整列される開口部（３
    ６）を有する、剛性の外部ケーシング（２４）を有して
    いることを特徴とする請求項３に記載の雌型コネクタ。
  7. 【請求項７】 前記雌型ハウジング（２２）は、プラス
    チック材料で成形され、前記側壁部（２２ａ）は、該側
    壁部の前記相対運動を行うために、一体に成形された一
    体ヒンジ（３２）により後壁部（２２ｂ）に接合される
    ことを特徴とする請求項３に記載の雌型コネクタ。
  8. 【請求項８】 前記雌型ハウジング（２２）は、折り畳
    まれた平型可撓性回路（１２）の端部を収容する前側開
    口部を有する箱状構造を規定するために、前記側壁部
    （２２ａ）および後壁部（２２ｂ）と協働する端壁部
    （２２ｃ）を有していることを特徴とする請求項３に記
    載の雌型コネクタ。
  9. 【請求項９】 全ての壁部（２２ａ−２２ｃ）を箱状形
    状に保持するために、少なくとも幾つかの前記壁部（２
    ２ａ−２２ｃ）間でともに連関されるラッチ手段（４
    ６、４８）を有していることを特徴とする請求項８に記
    載の雌型コネクタ。
  10. 【請求項１０】 前記雌型ハウジング（２２）を実質的
    に包囲し、キャビィティ（２６）と整列される開口部
    （３６）を有する、剛性の外部ケーシング（２４）を有
    していることを特徴とする請求項１に記載の雌型コネク
    タ。
  11. 【請求項１１】 前記壁部を閉鎖状態で保持するため
    に、前記相対的に可動な壁部間でともに連関されるラッ
    チ手段（４６、４８）を有していることを特徴とする請
    求項１に記載の雌型コネクタ。
  12. 【請求項１２】 請求項１に記載の雌型コネクタ（１
    ０）と組み合わせて用いられる雄型コネクタ（６０）で
    あって、第二の平型可撓性回路（１２）に取り付けられ
    るとともに、雌型コネクタ（１０）のキャビィティ（２
    ６）内に挿入可能であり、第二の平型可撓性回路（１
    ２）の導体（１４）を前記キャビィティ（２６）に収容
    された平型可撓性回路（１２）の折り畳まれた端部の導
    体（１４）に柔軟性裏打ち構造（３８、３８Ａ）による
    付勢を介して接合するように構成されたことを特徴とす
    る雄型コネクタ。
  13. 【請求項１３】 断面Ｕ字状の前側折り返し部（１２
    ａ、１２ｂ）を前側上下に配し、これら前側折り返し部
    （１２ａ、１２ｂ）間の後方に断面Ｕ字状の後ろ側折り
    返し部（１２ｃ）を配して折り畳まれた平型可撓性回路
    （１２）の端部に取り付けて、前記上方の前側折り返し
    部（１２ａ）から後ろ側折り返し部（１２ｃ）までの部
    分と、前記後ろ側折り返し部（１２ｃ）から下方の前側
    折り返し部（１２ｂ）若しくは前記下方の前側折り返し
    部（１２ｂ）から先端（１２ｄ）までの部分を収容する
    キャビィティ（２６）を形成する互いに対向する壁部
    （２２ａ、２２ｂ）を有する雌型ハウジング（２２）を
    設ける工程と、 雌型コネクタ（１０）が相手方接続装置に接合された時
    に、キャビィティ（２６）に収容される平型可撓性回路
    （１２）の導体（１４）を相手方接続装置の導体に対し
    て弾性的に付勢するために、少なくとも一つの壁部（２
    ２ａ）の前記キャビィティ側に柔軟性裏打ち構造（３
    ８、３８Ａ）を成形する工程で構成される、平型可撓性
    回路（１２）の導体（１４）を相補型の相手方接続装置
    の導体に電気的に相互接続するための雌型コネクタ（１
    ０）の製造方法。
  14. 【請求項１４】 前記柔軟性裏打ち構造（３８）は、少
    なくとも一つの壁部（２２ａ）の前記キャビィティ側に
    インサート成形されることを特徴とする請求項１３に記
    載の方法。
  15. 【請求項１５】 前記雌型ハウジング（２２）は、プラ
    スチック材料で成形され、前記柔軟性裏打ち構造（３
    ８）は、二段階成形作業でエラストマ材料で成形され、
    続いて同時に硬化されることを特徴とする請求項１３に
    記載の方法。
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