JP4285311B2 - コネクタ - Google Patents
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ここで、カバーを装着する手段としては、スライド式や、後方からの嵌合式等の各種のものがあるが、以下のような場合は回動式が便利である。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、回動式のカバーにおいてその係止力を高めるところにある。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記ハウジングの後端部の両端には、前記カバーの軸部を支持する支持部が設けられ、かつこの支持部は、前記カバーの係止部に係止する機能を兼備しているところに特徴を有する。
カバーは、開口端側に設けられた軸部を中心に回動して開閉され、反対の開口していない端部側に設けられた係止部がハウジングに係止して、閉鎖状態に保持される。
係止部がカバーにおけるいわゆる閉鎖端側に設けられているから、電線が引っ張られる等に起因して端部が開くことが抑えられ、その結果係止が外れ難くなる。すなわちカバーの係止力を高めることができる。
押圧操作部を押圧することで一対の係止片が強制的に弾性変形し、係止が解除される。
カバー付きのコネクタを相手のコネクタに対して嵌合・離脱する場合、カバーの両側面を摘んで行うことが多い。そこで本発明では、押圧操作部が両係止片にわたるように、すなわちカバーの側面とは隣り合った端面に配されているから、嵌合・離脱の操作時に指を触れる可能性が少なく、不用意に押圧操作部を押圧して係止を解除することが防止される。
押圧操作部が、係止片に異物が当たる等から保護し、係止が不用意に外れることが防止される。
<請求項4の発明>
カバーを長さ方向の逆向きの姿勢において、回動可能に装着できる。同一のカバーでもって、電線群の導出方向を変更することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図21によって説明する。
この実施形態では、ECU(電子制御ユニット)集合搭載型のコネクタを例示しており、図1及び図2に示すように、縦長の扁平な箱形をなすECUケースCの一面に、図示3個の雄コネクタ10が並んで配設され、各雄コネクタ10に、カバー60付きの雌コネクタ20が嵌合されるようになっている。なおECUケースCは、さらに複数個が並んで設置される。
各端子挿入孔15には、それぞれタブ状をなす雄端子金具12の一端が挿入され、嵌合凹部13に整列して突出しているとともに、各雄端子金具12の他端側は基壁14から後方に突出し、所定位置から下方へ直角曲げされたのちさらに後方に直角曲げされて接続部12Aとされている。
このように雄コネクタ10を搭載した基板Kが、ECUケースC内に収容され、それに伴い各雄コネクタ10が、ケースCの一面に開口された窓孔Caに嵌って臨んでいる。
この雌端子金具30はキャビティ22内に後方から挿入され、正規位置に至ると、キャビティ22の底壁に設けられたランス23が、本体部31に設けられた係止部36に弾性的に係止する。また、雌ハウジング21の下面には、サイドタイプのリテーナ25が装着され、リテーナ25が本係止位置まで押し込まれたところで、係止突部26が本体部31のあご部37に係止し、これにより雌端子金具30は、キャビティ22内に二重に抜け止めされて収容される。そして電線Wは、キャビティ22の入口22Aから後方に引き出されるようになっている。また、雌ハウジング21の後面には、各キャビティ22の入口22Aにおける下縁の一側に寄った位置に、テスタTの検査ピンTpを挿入するテスタ挿入口28が、キャビティ22の入口22Aに開口して形成されている。
また、雌ハウジング21の下面後縁における幅方向の中央部には、指掛部46が突出形成されている。
このカバー60は、また回動開閉式となっている。そのため、雌ハウジング21の後縁側における幅方向の中心を挟んだ左右両端部には、その上下両面からそれぞれ軸50が立てられている。
両軸孔65には、軸受板64A,64Bの突出方向の前縁において、軸50の抜止突部52を嵌めて逃がす逃がし孔66が切り欠き形成されている。また、一方の軸受板64Bでは、軸孔65から基端側に達する切割溝67が切られている。切割溝67が切られた分、撓み変形しやすくなっている。
閉鎖端60B側では、短くなった両側板62の外面上から、係止片70がカバー60の開口縁63を越えて突設されている。両係止片70は、同じく雌ハウジング21の後面側を上下に挟むことができる間隔を開けて形成されており、その突出端には軸受板64A,64Bとは反対側に直角曲げされた鈎部71が形成され、図12(A)に示すように、上記した軸50の係止面51に係止可能となっている。
押圧操作部73の押圧壁74を図13の矢線方向に押圧すると、両係止片70を鈎部71が軸受板64A,64Bに接近するように撓み変形させることが可能である。また、押圧壁74の残った部分が、両係止片70の特に鈎部71の前方を保護することに機能している。
雌コネクタ20側では、雌ハウジング21のキャビティ22内に雌端子金具30が挿入される(図6参照)。雌ハウジング21の後面側に引き出された電線Wは、ほぼ一まとめとされる。続いて、図13に示すように、電線群Waを開口端60A側から挿通溝61に通しつつ、カバー60が雌ハウジング21の後面側において、例えば背面から見た左側で略直交姿勢に配され、特に軸孔65の逃がし孔66と軸50の抜止突部52とが、同一方向を向いて並んだ状態とされる。
このとき、カバー60の指当部78を挟むようにして持てば、ロックアーム40の解除操作部42に触れることがなく、したがってロックが掛かった際にロックアーム40が勢い良く復動し、係止音を発する等、良好なロックフィーリングが得られる。
カバー60を雌ハウジング21に残したまま開いて導通検査が行えること、また電線導出口76に電線群Waを沿わせてテープ巻きすることで、電線群Waのオフセットが確定できることも同様である。
しかしながら電線群Waの中心xは、カバー60の幅方向の中心Xから同図の左側に寸法sだけオフセットされた位置から導出されているから、上段の雌コネクタ20を引き抜いた際に、中段の雌コネクタ20から導出された電線群Waと干渉する度合いが少なく、上段の雌コネクタ20を比較的スムーズに取り外すことができる。
カバー60は長さ方向の逆向きの姿勢において、雌ハウジング21の後面に回動可能に装着できるようになっているから、同一のカバー60でもって、電線群Waの導出方向を変更することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)カバーの軸支構造は上記実施形態のものに限らず、例えばカバー側に軸を、雌ハウジング側に軸受孔が設けられていてもよい。同様に、係止構造も任意に変更できる。
(2)カバーの軸支部分と、係止部分とは兼用できない個別の構造に形成されていてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(3)本発明は、ECUに搭載されるものに限らず、回動式のカバーを備えたコネクタ全般に広く適用することが可能である。
Wa…電線群
20…雌コネクタ
21…雌ハウジング
30…雌端子金具
50…軸(支持部)
51…係止面
60…カバー
60A…(カバー60の)開口端
60B…(カバー60の)閉鎖端
61…挿通溝
64A,64B…軸受板
65…軸孔(軸部)
70…係止片(係止部)
71…鈎部
73…押圧解除部
Claims (4)
- 電線の端末に固着された端子金具が収容されたハウジングと、このハウジングの後面側を覆って装着されハウジングの後面から引き出された電線群を収容して所定方向に導出するカバーとを具備したコネクタであって、
前記カバーが前面開放の細長い箱形をなし、
前記カバーの一端側は、一対の側板の間の天井面に電線を挿通する挿通溝が開口されることで開口端とされ、この開口端側における前記側板に、前記ハウジングの後端部の一端側に回動可能に支持される軸部が設けられるとともに、
前記カバーの他端側は、一対の前記側板が天井面で繋がった閉鎖端とされ、この閉鎖端における前記側板に、前記ハウジングの後端部の他端側に弾性的に係止可能な係止部が設けられていることを特徴とするコネクタ。 - 前記係止部は、前記カバーの閉鎖端側の両側板から前記ハウジングの後端部の両側面を挟むようにして突設された一対の係止片によって構成され、両係止片を強制的に弾性変形させて係止を解除するべく押圧操作部が、前記両係止片の間にわたるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記押圧操作部が、前記両係止片の外方を覆うように形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
- 前記ハウジングの後端部の両端には、前記カバーの軸部を支持する支持部が設けられ、かつこの支持部は、前記カバーの係止部に係止する機能を兼備していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
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