JP3037196B2 - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法

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JP3037196B2 JP9113694A JP11369497A JP3037196B2 JP 3037196 B2 JP3037196 B2 JP 3037196B2 JP 9113694 A JP9113694 A JP 9113694A JP 11369497 A JP11369497 A JP 11369497A JP 3037196 B2 JP3037196 B2 JP 3037196B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,プリンタ
ー,あるいはファクシミリ等の電子写真プロセスにより
画像形成を行う際に用いられる電子写真感光体およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体を用いた画像形成システ
ムは、光導電性を有する感光体の表面にコロナ放電など
で電荷を放電させた後、画像露光を行う静電潜像を形成
させ、トナーによる現像で可視化することにより画像形
成を行うシステムである。このシステムに用いられる電
子写真感光体で問題となるのが、感光体上の欠陥等によ
る局所的帯電不良であり、黒点やかぶりといった著しい
画像不良となることが多い。局所的帯電不良を引き起こ
す原因には様々なことが考えられるが、その多くは導電
性支持体と光導電層の間で局所的に電荷注入が起こるた
めと考えられている。導電性支持体は、その多くがアル
ミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を基体
として使用しているが、問題改善のためアルミニウム基
体と光導電層の間にブロッキング層を設けることが考え
られ、従来から公知技術としてポリアミドやポリイミ
ド,ポリビニルアルコール,ポリウレタン,カゼイン,
セルロース類等の樹脂層や、酸化アルミニウムや水酸化
アルミニウム等の無機層を設ける方法がある。無機層、
つまり陽極酸化皮膜はこれ自体ピンホールのない均質な
皮膜であるが、陽極酸化処理時に基体のアルミニウムイ
オンを消費するため、基体組成により皮膜の均質性が左
右される。晶出物等が基体に存在すると、ピットと呼ば
れる窪みによって表面に凹凸を生じ、光導電層の製膜時
に影響を及ぼすばかりでなく、画像欠陥の原因となる。
【0003】導電性支持体に用いられるアルミニウム合
金には、一定強度を保つため若干量のMg,Si,C
u,Ti等が添加されるが、アルミニウム地金に由来す
るFe,Mn等の不純物も含有されている。これらの元
素はアルミニウム合金を鋳塊し、管状の基体に造形する
過程で晶出物を形成する。これらの晶出物は、アルミニ
ウムとは化学的性質が異なるため、陽極酸化処理におい
て優先的に溶解し、表面近傍の晶出物が脱落してピット
を生じる。
【0004】そこで、Fe不純物の混入量を2000p
pm以下(素材純度 99.8重量%以上)にして光導
電層の製膜欠陥を未然に防止する方法(特開昭59−1
93463号公報)や、陽極酸化処理時の電解条件の制
御により欠陥を減少させる方法(特開平7−31919
4号公報)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
技術では純度が高いアルミニウム合金を使用してもピッ
ト等の欠陥を防止しえなく、陽極酸化処理の工程で欠陥
を減少させる方法もアルミニウム合金を鋳塊し管状に造
形する過程で、すでに形成された晶出物の変化を防止す
るものではない。これらの方法は高純度のアルミニウム
合金を使ったり、高精度な電流の整流操作が必要なた
め、コスト的にも高価にならざるを得ない。
【0006】また、これらの方法で得られた陽極酸化皮
膜や高分子樹脂を用いて行われるブロッキング層は、黒
点やかぶり等の画像欠陥をなくすことは難しく、特に高
温高湿環境下でのかぶり発生が著しいことが挙げられ
る。
【0007】また、陽極酸化皮膜を使用する方法では、
ブロッキング効果にバラツキを生じ易く、耐熱性に劣る
という欠点があるため、乾燥工程中に表面にクラックが
入ったり、光導電層形成の際の塗工ムラや絶縁破壊強度
の低下、光導電層へのクラックの成長等の問題を引き起
こすことになった。
【0008】本発明の目的は、上記問題点を改善し、あ
らゆる使用環境下で良好な画像が得られる電子写真感光
体およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真感光体
は、アルミニウム合金のアルミニウム基体上に、電荷発
生層と電荷輸送層とを積層させてなる電子写真感光体で
あり、前記アルミニウム合金を鋳魂後に加熱・押し出
し、抽伸、洗浄させた管状の前記アルミニウム基体であ
り、これ迄の全ての加熱処理工程で、前記アルミニウム
合金の前記鋳魂または前記押し出し品を温度430℃
550℃の範囲で、3時間以上加熱処理が施され、前記
アルミニウム基体の表面に陽極酸化被膜が形成され、
いで、その陽極酸化被膜に封孔処理を施した前記陽極酸
化被膜の純水に対する接触角が、30゜〜80゜の範囲
で、かつアドミッタンスが0.4〜30S/m2の範囲
にある。
【0010】さらに、本発明の電子写真感光体におい
て、アルミニウム基体は、Feが0.3重量%以下、M
gが0.4〜0.6重量%、Mnが0.1重量%であ
り、アルミニウム基体の表面上に生じた晶出物の個数
が、1000個/mm2以下で、この晶出物の最大径の
平均が3μm以下である。
【0011】さらに、本発明の電子写真感光体におい
て、陽極酸化皮膜は、表面が酢酸ニッケル水溶液で封孔
処理して構成される。
【0012】さらに、本発明の電子写真感光体におい
て、酢酸ニッケル水溶液による封孔処理温度が50〜7
0℃で、封孔処理時間が4〜10分である。
【0013】本発明による電子写真感光体の製造方法
は、アルミニウム合金を鋳塊後に加熱・押し出し後、抽
伸,洗浄した管状のアルミニウム基体を作成する全ての
熱処理工程において、鋳塊または押し出し品を430℃
以上550℃以下で3時間以上加熱処理する工程を有
し、アルミニウム基体上に酢酸ニッケル水溶液による封
孔処理を施すことにより実現される。
【0014】さらに、本発明による電子写真感光体の製
造方法において、酢酸ニッケル水溶液による封孔処理温
度が50〜70℃で、封孔処理時間が4〜10分であ
る。
【0015】さらに、本発明の電子写真感光体におい
て、封孔処理後の陽極酸化皮膜の純水による接触角が3
0゜〜80゜の範囲で、かつアドミッタンスが0.4〜
30S/m2 の範囲にあるようにして構成される。
【0016】すなわち、局所的な欠陥による黒点等の画
像欠陥や高温高湿環境下でのかぶり発生等を解決するた
めに、アルミニウム基体の製造方法を加味して検討をし
た結果、アルミニウム合金を鋳塊後に加熱・押し出し
後、抽伸,洗浄して管状のアルミニウム基体を作成する
全ての熱処理工程で特定の条件を用いて処理し、特定の
陽極酸化皮膜を有するアルミニウム基体を用いることに
よって、耐熱性に富み、高温高湿環境下でも良好な画像
特性を示す電子写真感光体が得られた。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】検討の結果、局所的な画像欠陥は、局所的
な表面電位の低下が生じたためであり、局所的な電位低
下が生じる背景には、アルミニウム基体表面の晶出物、
晶出物脱落によるビットの大きさやその数があることが
判明した。アルミニウム基体表面の晶出物による微細な
欠陥が、光導電層との間で局所的に電荷注入を起こして
いるためである。また、晶出物は、アルミニウム合金を
鋳塊し、押し出す工程およびその後行われる軟化処理工
程の加熱温度域によって、発生量が異なることを見い出
した。従来、管状造形物の寸法精度を上げるために、鋳
塊後押し出し,抽伸し、軟化処理後抽伸を繰り返す方法
を主に行っており、軟化処理は含有するアルミニウム以
外の元素を不純物として析出しようとする働きから、後
処理がしやすいように素材を柔らかくする工程である
が、結果として素材の表面近傍には晶出物の析出や抽出
が見られた。つまり、鋳塊加熱時や軟化処理の温度域を
適切に管理または除外することによって、局所的な欠陥
をもたらす晶出物やピットの発生を防ぐことが可能にな
った。
【0019】以上より、本発明の鋳塊加熱処理または軟
化処理等の加熱処理の温度域を430℃以上550℃以
下で制御することによって、晶出物の最大径の平均が3
μm以下で、晶出物の分布は1000個/mm2 以下の
アルミニウム基体が得られる。
【0020】また、アルミニウム以外の元素は、機械的
強度を上げ切削性を向上させる効果をもたらす反面、晶
出物となる絶対量となるため、Feが0.3重量%以
下、Mgが0.4〜0.6重量%、Mnが0.1重量%
以下の条件が得られた。
【0021】本発明の電子写真感光体は、前記処理で得
られたアルミニウム基体上に特定の陽極酸化皮膜を施し
た後、光導電層を設けて作成する。
【0022】アルミニウム基体の材料はJIS規格にお
ける6000系の合金が望ましい。アルミニウム基体
は、陽極酸化処理を施す前にアルキレン等の有機溶剤や
界面活性剤,乳化脱脂剤等で脱脂処理した後、さらにエ
ッチング処理することが好ましい。
【0023】陽極酸化皮膜は公知の方法、例えば硫酸や
シュウ酸,クロム酸,ホウ酸等の酸性浴中で陽極酸化処
理することにより形成されるが、硫酸中での陽極酸化処
理が望ましい。硫酸中で陽極酸化処理した場合、硫酸濃
度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は
1〜10g/l、液温は25℃前後、電解電圧は約20
V、電流密度は0.5〜2A/cm2 で行うことが望ま
しいが、これに限られるものではない。形成された陽極
酸化皮膜は封孔処理を施すが、例えば酢酸ニッケルを含
有する水溶液中に浸漬させて封孔処理を施す場合、濃度
は5〜10g/l、処理温度は50〜70℃、処理時間
は4〜10分間、pHは4〜6の範囲で行うことが好ま
しい。陽極酸化皮膜の膜厚は20μm以下、好ましくは
5〜10μmである。このようにして形成された陽極酸
化皮膜は必要に応じて純水等により洗浄される。
【0024】なお、上記の陽極酸化皮膜上には、後述す
る有機材料を用いた光導電層が順次積層されるが、均一
かつ安定的に形成するために良好な分散性と溶解性を有
する塗料が必要になってくる。そこで、様々な溶剤、特
に高沸点溶剤が使用されており、溶剤成分の除去のため
当然ながら高温での乾燥工程が必要になってくる。陽極
酸化皮膜は自然酸化が進みやすいと、乾燥工程中に表面
にクラックが発生するので、耐熱性に富んだ封孔状態を
検討したところ、アドミッタンスが0.4S/m2 以上
必要であった。
【0025】以上のように形成された陽極酸化皮膜のア
ドミッタンスは次のように測定することができる。常温
の環境下でサンプル試料面上に非導電性セルを取り付
け、3.5重量%の硫酸カリウム水溶液をセルに満たし
た状態で30分間放置した後、アドミッタンス測定機の
電極の一方を素地に接続して、他方を水溶液で満たした
セルに挿入し、周波数1kHzのもとでアドミッタンス
Yを測定する。測定されるアドミッタンスの値が0.4
〜30S/m2 の範囲内にあるためには、封孔処理温度
と浸漬時間の関係で決定される。
【0026】また、同時に封孔処理温度と浸漬時間との
関係は純水による接触角が30゜〜80゜の範囲にある
ことを加味して決定される。
【0027】陽極酸化皮膜上に設ける光導電層は少なく
とも電荷発生層,電荷輸送層の順に積層されるが、陽極
酸化皮膜と光導電層の間に各種の中間層を設けることも
できる。
【0028】中間層は、ポリアミドやポリビニルアルコ
ール,ポリウレタン,ポリアクリル酸,エポキシ樹脂,
またはこれらの樹脂に導電性微粒子等,各種添加剤を混
ぜることができる。これらの中間層は、単層でも、2層
以上に積層されたものでも良い。中間層の膜厚は0.1
〜10μm、好ましくは0.2〜4μm程度が適当であ
る。
【0029】電荷発生層には公知の電荷発生材料、例え
ば無金属フタロシアニン顔料や金属フタロシアニン顔
料,アゾ顔料,ジスアゾ顔料,インジゴ顔料,キナクリ
ドン顔料等が用いられる。これらの電荷発生材料は1種
または2種以上組み合わせて使用できる。電荷発生層を
形成するにはバインダー樹脂中に電荷発生材料を分散さ
せる。バインダー樹脂としては、ポリ塩化ビニル,ポリ
酢酸ビニル,ポリビニルブチラール,ポリビニルホマー
ル,ポリエステル,ポリウレタン,ポリカーボネート,
アクリル樹脂,フェノール樹脂等を単独で、または2種
以上組み合わせて用いる。
【0030】電荷発生層は、電荷発生材料とバインダー
樹脂を、トルエン,キシレン,モノクロルベンゼン,メ
チルアルコール,エチルアルコール,酢酸エチル,塩化
メチレン,テトラヒドロフラン,シクロヘキサン等の溶
媒に溶解または分散した塗料を塗布することにより形成
する。これらの溶媒は単独で、または混合して用いられ
る。これらの塗布方法は、スピンコーター,アプリケー
ター,スプレーコーター,バーコーター,ディップコー
ター,ドクターブレード等公知の手法が用いられる。電
荷発生層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.1
〜2μm程度が適当である。
【0031】電荷発生層の上に形成される電荷輸送層
は、電荷輸送材料とこれらを分散固定するためのバイン
ダー樹脂を溶媒中に溶解、または分散して構成される電
荷輸送用塗料を塗工することにより形成される。電荷輸
送層用塗料には、酸化防止剤,表面潤滑剤,紫外線吸収
剤等の添加剤等を用いることができる。電荷輸送材料
は、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体,
ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体,ポ
リシランおよびその誘導体,オキサゾール誘導体,オキ
サジアゾール誘導体,モノアリールアミン誘導体,ジア
リールアミン誘導体,トリアリールアミン誘導体,スチ
ルベン誘導体,ベンジジン誘導体,ピラゾリン誘導体,
ヒドラゾン誘導体,ブタジエン誘導体等公知の材料が挙
げられる。電荷輸送材料は1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。電荷輸送材料を分散固定する
ためのバインダー樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル,ポリビニルブチラール,ポリビニルホマー
ル,ポリエステル,ポリウレタン,ポリカーボネート,
アクリル樹脂,フェノール樹脂等が用いられる。これら
の樹脂は1種または2種以上組み合わせて用いることが
できる。溶媒は、トルエン,キシレン,モノクロルベン
ゼン,メチルアルコール,エチルアルコール,酢酸エチ
ル,塩化メチレン,テトラヒドロフラン,シクロヘキサ
ン等が用いられる。これらの溶媒も単独で、または混合
して用いられる。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好
ましくは15〜25μm程度が適当である。電荷輸送層
の塗工方法は、スピンコーター,アプリケーター,スプ
レーコーター,バーコーター,ディップコーター,ドク
ターブレード等公知の手法が用いられる。
【0032】本発明により得られる電子写真感光体は、
高温高湿条件を含めた幅広い環境条件下でかぶり発生は
もとより、微少な黒点等の欠陥の無い良好な画像特性を
有する電子写真感光体が得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】次に本発明を実施例により具体的
に説明するが、その趣旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。
【0034】図1は、本発明で製造した電子写真感光体
の一部断面図である。図1において、電子写真感光体
は、アルミニウム基体10と、アルミニウム基体10に
施した陽極酸化膜11と、陽極酸化膜11の上に塗布さ
れた電荷発生層12と、電荷発生層12の上に塗布され
た電荷輸送層13とから構成される。
【0035】アルミニウム基体10の材料として、JI
S規格における6000系のアルミニウム合金を用い
て、鋳塊後表1に示す条件で加熱して直径80mm、肉
厚1.0mm、長さ400mmの円筒形パイプを押し出
し、各々のパイプを有機溶剤で脱脂洗浄し、エッチング
を行った。続いて、水洗浄後、電解質溶液として150
g/lの硫酸を用い、直流電圧20Vで液温25℃に維
持しながら15分間陽極酸化処理を行い、平均膜厚7μ
mの陽極酸化皮膜11を形成した。次に、水洗後、表1
に示す条件で酢酸ニッケルを主成分とする水溶液6g/
lを用いて封孔処理を行った。続いて十分水洗後、乾燥
して管状のアルミニウム基体を得た。
【0036】
【表1】
【0037】このようにして得られた各基体の陽極酸化
皮膜11の単位面積当たりのアドミッタンスと純水によ
る接触角を表2に示す。また、サンプル表面を電子顕微
鏡で観察し、画像解析装置により表面の晶出物やピット
の径や数を表3に示し、含有元素の量を表2に示す。ま
た、得られた基体の加熱によるクラックの発生具合を見
るために耐熱試験を実施し、その結果を表4に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】実施例1〜3 得られたアルミニウム基体a〜cを用いて、基体上に、
チタニルフタロシアニン2.5重量部、ポリビニルブチ
ラール2重量部をテトラヒドロフラン100重量部に加
えたものをボールミルで24時間分散した塗料を塗布
し、加熱乾燥して約0.2μmの電荷発生層12を形成
した。
【0042】次に、下記の構造式1に示す電荷輸送材料
を20重量部とポリカーボネイト(Z−200,三菱瓦
斯化学)20重量部を塩化メチレン100重量部に溶解
して、電荷発生層上に浸漬塗布した後、加熱乾燥して約
20μmの電荷輸送層13を形成して電子写真感光体を
作成した。
【0043】
【化1】
【0044】このようにして得られた電子写真感光体を
ドラムA〜Cとする。
【0045】比較例1〜3 得られたアルミニウム基体d〜fを用いて、実施例1と
同様な方法で電子写真感光体を作成し、ドラムD〜Fと
した。
【0046】以上のようにして作成したドラムをページ
プリンタ(NEC製)に搭載し、25℃,50%RHの
環境下で露光部電位および保持率を測定するとともに、
各種環境下で画像特性を評価した。評価結果を表5,表
6に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】表2〜表6を参照すると、晶出物およびピ
ットの最大径の平均はいずれも3μm以下でその数も1
000個/mm2 未満であった。これらのアルミニウム
基体を用いて、ドラムにしたものは黒点の発生が無く良
好であった。アルミニウム基体に含まれる含有元素量を
比較すると、必ずしも含有量だけに左右されるものでは
なく、晶出物やピットの最大径や数に影響することが判
る。
【0050】また、基体a〜cおよびeには加熱による
クラックは発生しなかったが、基体dおよびfには無数
のクラックが発生した。アドミッタンスの値が低く、表
面の封孔が進んだ状態であることが判る。
【0051】ドラムの電位特性のうち、露光部電位測定
からドラムA〜Cに比べ、ドラムD〜Fは感度が低い結
果が得られた。次に帯電性の指標として保持率をみる
と、比較例のドラムD〜Fはいずれも不十分な値であ
り、総合的に画像濃度に問題のある値であった。また、
各種環境下で画像特性を評価したところ、ドラムA〜C
は全ての環境下でかぶりや黒点といった欠陥のない良好
な画像が得られたが、比較例のドラムD〜Fはいずれも
欠陥が存在し、特に高温高湿環境ではかぶりがひどく実
用に耐えられないものであった。
【0052】これらの結果から、画像欠陥となる黒点発
生にはアルミニウム基体表面の晶出物やピットの最大径
および数が影響を及ぼすため、アルミニウム基体作成工
程での加熱処理温度を430℃以上550℃以下に管理
することが必要である。
【0053】また、陽極酸化皮膜のアドミッタンスが
0.4S/m2 未満では耐熱性が悪くなりクラックが発
生しやすくなる。80S/m2 より大きいと、ブロッキ
ング効果が十分働かなくなるため、帯電性が悪くなって
しまう。また、接触角は光導電層を形成する際、塗料の
塗れ性をみる指標となるが、30゜より小さいと吸着性
が大きく空気中のコンタミ等を付着しやすくなるため、
塗料のレベリングが抑制されて塗工ムラや黒点を生じや
すくなる。逆に、80゜より大きいと吸着性が小さくな
るためレベリングしやすくなるが、画像濃度を保つため
塗料濃度や塗工スピードを変化させて対応すると塗工ム
ラを生じる結果となった。
【0054】図2は、陽極酸化皮膜の表面の塗れ性を評
価する接触角測定方法を示す側面図である。図2におい
ては、測定は、アルミニウム基体10上に落とした純水
による水滴14との角度15を接触角とする。
【0055】アドミッタンスと接触角は傾向として比例
の関係にあるが、アドミッタンスが高めであると、経時
変化によってもアドミッタンス変化は少なく、接触角ば
かり変化して電子写真感光体を製造する上で問題とな
る。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は電子写真
感光体に用いられるアルミニウム基体表面の晶出物やピ
ットの大きさや数を制御し、基体上の設けられる陽極酸
化膜のアドミッタンスと接触角の範囲を規定することに
より、基体の耐熱性を良好にし、かつ帯電性や各環境下
で欠陥のない良好な画像を有する優れた感光体を提供す
ることができる。よって、電子写真感光体の品質の向
上、歩留まりの向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造した電子写真感光体の一部断面図
である。
【図2】陽極酸化皮膜の表面の塗れ性を評価する接触角
測定方法を示す側面図である。
【符号の説明】
10 アルミニウム基体 11 陽極酸化皮膜 12 電荷発生層 13 電荷輸送層 14 純水による水滴 15 角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−295266(JP,A) 特開 平8−248662(JP,A) 特開 昭61−23739(JP,A) 特開 昭61−9546(JP,A) 特開 平8−160644(JP,A) 特開 平8−211642(JP,A) 特公 平2−40728(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/10 G03G 5/14 101

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金のアルミニウム基体上
    に、電荷発生層と電荷輸送層とを積層させてなる電子写
    真感光体において、 前記アルミニウム基体には、Feが0.3重量%以下、
    Mgが0.4〜0.6重量%、Mnが0.1重量%以下
    を含有し、 前記 アルミニウム合金を鋳魂後に加熱・押し出し後、洗
    させて管状の前記アルミニウム基体形成される迄の
    全ての加熱処理工程で、前記アルミニウム合金の前記
    魂または前記押し出し成形体を温度430℃550℃
    の範囲で、3時間以上加熱処理が施され、 前記アルミニウム基体の表面に陽極酸化被膜が形成さ
    れ、次いで、封孔処理を施した前記陽極酸化被膜の純水
    対する接触角が、30゜〜80゜の範囲で、かつアド
    ミッタンスが0.4〜30S/m2の範囲にあることを
    特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】前記アルミニウム基体の表面上に生じた晶
    出物の個数が、1000個/mm2以下で、前記晶出物
    の最大径の平均が3μm以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】アルミニウム合金のアルミニウム基体上
    に、電荷発生層と電荷輸送層とを積層させてなる電子写
    真感光体の製造方法において、 前記アルミニウム基体は、Feが0.3重量%以下、M
    gが0.4〜0.6重量%、Mnが0.1重量%であ
    り、 前記アルミニウム合金を鋳魂後に加熱・押し出し成形さ
    せ、抽伸、洗浄させて管状の前記アルミニウム基体を
    製し、 前記管状のアルミニウム基体を作製させる全ての加熱処
    理工程の前記アルミニウム合金の前記鋳魂または前記押
    し出し成形を温度430℃550℃の範囲で、3時間
    以上の加熱処理を施し、 前記アルミニウム基体の表面に陽極酸化被膜を形成し、
    次いで、封孔処理を施 得られた前記アルミニウム基体上に前記電荷発生層と前
    記電荷輸送層とを積層させる ことを特徴とする電子写真
    感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記封孔処理が、陽極酸化被膜を形成させ
    た後の前記アルミニウム基体を温度50〜70℃の酢酸
    ニッケル水溶液に、4〜10分間の範囲で浸漬させるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体の製造
    方法。
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