JP2000338700A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2000338700A
JP2000338700A JP11151616A JP15161699A JP2000338700A JP 2000338700 A JP2000338700 A JP 2000338700A JP 11151616 A JP11151616 A JP 11151616A JP 15161699 A JP15161699 A JP 15161699A JP 2000338700 A JP2000338700 A JP 2000338700A
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electrophotographic
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Koichi Nakada
浩一 中田
Yosuke Morikawa
陽介 森川
Haruyuki Tsuji
晴之 辻
Kumiko Asano
久美子 浅野
Tomohiro Kimura
知裕 木村
Shintetsu Go
信哲 呉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる環境においても画像欠陥が発生せ
ず、また電位変動の少ない良好な電子写真感光体、該感
光体を容易にかつ安価に安定して製造できる方法を提供
することにある。 【解決手段】 アルミニウム基体上に感光層を有する電
子写真感光体において、該電子写真感光体が感光層上に
保護層を有し、かつ該基体の感光層側の表面がアルミニ
ウム、酸素及びチタニウム、又はアルミニウム、酸素及
びジルコニウムを含有することを特徴とする電子写真感
光体、アルミニウム基体をチタニウムの塩又はジルコニ
ウムの塩を含有する酸性水溶液で化成処理する工程、感
光層を形成する工程、及び感光層上に保護層を形成する
工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方
法、該感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写
真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体、該
感光体の製造方法、及び該感光体を有するプロセスカー
トリッジ及び電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体に、帯電、露光、現像、
転写、定着及びクリーニング等のプロセスを行う電子写
真方法において、帯電プロセスは、従来より殆ど金属ワ
イヤーに5〜8kVもの高い直流電圧(DC電圧)を印
加することにより発生するコロナを用いていた。しか
し、この方法では、コロナ発生時に生成するオゾンやN
X等のコロナ生成物が電子写真感光体表面を変質さ
せ、画像ボケや電子写真特性の劣化を進行させたり、ワ
イヤーの汚れが、画像に白抜けや黒スジを生じさせる等
の問題があった。
【0003】特に、感光層が有機光導電体を主体として
構成される電子写真感光体は、他のセレン感光体やアモ
ルファス感光体に比べて化学的安定性が低く、コロナ生
成物にさらされると化学反応(主に酸化反応)が起こ
り、劣化し易い傾向にある。従って、コロナ帯電を繰り
返し行った場合に、前述の劣化による画像ボケや感度の
低下、残留電位の増加によるコピー濃度薄等が起こり、
耐久寿命が短くなる傾向にあった。
【0004】また、コロナ帯電は、電子写真感光体に向
かう電流が全体の5〜30%に過ぎず、殆とがシールド
板に流れ、帯電手段としては効率の悪いものであった。
【0005】このような問題点を補うために、コロナ放
電器を利用しない、接触帯電方法が特開昭57−178
267号公報、特開昭56−104351号公報、特開
昭58−139156号公報及び特開昭58−1509
75号公報等に提案されている。具体的には、電子写真
感光体表面に接触させた導電性弾性ローラ等の帯電用部
材に、1〜2kV程度の直流電圧を外部より印加するこ
とにより、電子写真感光体表面を所定の所定の電位に帯
電させるものである。
【0006】しかしながら、接触帯電はコロナ帯電に比
べ、帯電の不均一性及び電子写真感光体の放電絶縁破壊
の発生といった点では不利である。帯電の不均一性と
は、電子写真感光体の移動方向に対して直角な方向に、
長さ200mm、幅0.5mm以下程度のスジ状の帯電
ムラを生じてしまうもので、正現像方式の場合には白ス
ジ(ベタ黒又はハーフトーン画像に白いスジが現れる現
象)、反転現像方式の場合には黒スジといった画像欠陥
となる。
【0007】このような問題点を解決して帯電の均一性
を向上させるために、DC電圧に交流電圧(AC電圧)
を重畳した電圧を帯電部材に印加する方法が提案されて
いる(特開昭63−149668号公報)。
【0008】しかしながら、画像欠陥を防ぐために、重
畳するAC電圧を上げていくと、脈流電圧の最大印加電
圧が大きくなるため、感光体内部の僅かな欠陥部位にお
いて放電絶縁破壊が起こり易くなる。特に、絶縁耐圧の
低い有機光導電体を用いた電子写真感光体の場合には、
この傾向が著しい。絶縁破壊が生じると、接触部分の長
手方向にわたって電子写真感光体の表面電位が低下して
しまう。
【0009】更に、接触帯電は、電子写真感光体と帯電
用部材との接触部近傍の微小空隙における放電によって
行われる。つまり、空気中の分子をイオン化し、このイ
オンが電子写真感光体表面に流れることによって行われ
る。
【0010】このように、強電界中をイオンが動くた
め、電子写真感光体に与えるダメージがより大きくな
る。その結果、電子写真感光体の削れ量が多くなり、耐
久性は低下する。
【0011】加えて、コロナ帯電に比べて、桁違いに少
ないものの、それでもオゾンやNO X等が発生すること
には変わりがないので、使用条件によっては画像ボケが
発生する可能性もある。
【0012】これらの問題に対しては、導電性粒子を分
散した樹脂層等の中抵抗層を表面層として有する電子写
真感光体を接触帯電することにより、実質的に放電する
ことなく、該表面層に電荷を直接注入する帯電(注入帯
電)が、特開平7−5748号公報等に記載されてい
る。この方法によって、放電に起因して生じていた帯電
ムラがなくなり、電子写真感光体に与えるダメージが減
少し、耐久性が向上した。更に、オゾンやNOX等の発
生が殆どなく、画像ボケ等の発生もなくなり、上記問題
点が大きく改善される。
【0013】一方、電子写真感光体は、基本的には帯電
及び光を用いた露光により潜像を形成する感光層と、そ
の感光層を設ける基体からなっている。電子写真感光体
は、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特
性及び光学的特性を備えていることが要求される。
【0014】更に、低温低湿から高温高湿のいずれの環
境においても、その特性が十分に発揮されるような環境
安定性を有していることが要求される。
【0015】画像欠陥の代表的なものとしては、画像ス
ジ、白地部分の黒点、黒地部分の白点、白地部分の地カ
ブリ、更には、デジタル複写機やレーザービームプリン
ター等の単一波長を有する光源を使用して露光を行う装
置の場合には、基体の表面形状や電子写真感光体の膜厚
ムラ等の要因によって発生する干渉縞等がある。
【0016】従って、電子写真感光体を作製する場合、
これらの画像欠陥が発生しないように予め何らかの対策
を施しておく必要がある。
【0017】上記のような画像欠陥が発生する場合に大
きな影響を与える要因として、基体の表面の状態が挙げ
られる。
【0018】成形後何らかの処理が施されていない基体
は、通常そのままでは必ずしも電子写真感光体として最
適な表面状態を有していない。そのため表面状態に起因
する問題が発生することも多い。
【0019】この問題を解決するために従来より、例え
ば特開昭54−12733号公報及び特開昭57−62
056号公報等に示されているような、アルミニウム基
体の表面にクロメート処理を行い、クロメート化成皮膜
を生成させる方法や特開昭58−14841号公報及び
特開昭64−29852号公報等に示されているよう
な、アルミニウム基体の表面にベーマイト皮膜を形成す
る方法、あるいは特開昭57−29051号公報に示さ
れているような、アルミニウム基体の表面を高温により
強制的に酸化し、酸化皮膜を形成する方法等の方法が考
えられてきた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
クロメート処理法に関してはある程度の性能の基体は得
られるが、処理液がクロムを含有するため廃液の処理が
非常に困難であり、また環境安全上好ましくない。
【0021】ベーマイト処理に関しては、表面の結晶状
態が必ずしも電子写真感光体の基体に適しているとはい
えず、電子写真特性に関してはある程度の効果が得られ
るが、画像に関しては表面構造や形状が不適切なため十
分な画質が得られない等、全ての特性を満足するような
ものは得られていないのが現状である。
【0022】これらの表面処理は、基体表面に形成され
た皮膜が、基体から感光層へ部分的に注入した電荷によ
って、電子写真特性や画像にムラを生じるのを防ぐこと
を目的としている。
【0023】この部分的な注入を防止して画像欠陥を無
くす方法として、アルミニウム基体の表面を陽極酸化処
理して酸化アルミニウムの層を設ける方法がある(特開
平2−7070号公報及び特開平5−34964号公報
等)。
【0024】この方法は、上記目的を解決するためには
良い方法であるが、基体表面に膜厚ムラを生じないよう
に均一に形成するためには、膜厚を一定以上、通常の形
成条件においては5〜6μm程度以上にする必要があ
る。従って、実際に電荷注入防止層として必要な膜厚よ
りもはるかに厚く形成しなければならず、コストアップ
につながっていた。
【0025】上記の様な問題は、注入帯電においても同
様に生じる。特に、注入帯電に好ましく用いられる保護
層は、1×1010〜1×1015Ω・cm程度の体積抵抗
率を有するが、この抵抗は環境の変化に影響を受け易
く、低温低湿環境下では保護層の抵抗が上昇し、残留電
位が上昇し易く、高温高湿環境下では保護層の抵抗が低
下し、画像ボケ、流れ及びカブリ等が生じ易い。抵抗変
動が画像に与える影響は、層中に直接電荷を注入する注
入帯電の場合は特に大きい。
【0026】従って、本発明の目的は、低温低湿から高
温高湿のいかなる環境においても画像欠陥が発生せず、
また電位変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子
写真感光体、該感光体を容易に、かつ安価に安定して製
造することができる方法、及び該感光体を有するプロセ
スカートリッジ及び電子写真装置を提供することにあ
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに検討を行った結果、感光層上に保護層を形成し、か
つアルミニウム基体の表面に特定の化成処理を施す、即
ち、電気的外力を用いることなく、基体と特定の金属元
素を含有する酸性水溶液との化学反応によって基体上に
特定の組成を有する不溶性の皮膜を形成することが、優
れた特性を有する電子写真感光体を得ることができる、
コスト及び現境への悪影響を極めて小さくすることがで
きる、陽極酸化処理に比べ生産装置を簡便にすることが
できるという点で、非常に有効な手段であることを見い
出だした。
【0028】即ち、本発明は、アルミニウム基体上に感
光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光
体が感光層上に保護層を有し、かつ該基体の感光層側の
表面がアルミニウム、酸素及びチタニウム、又はアルミ
ニウム、酸素及びジルコニウムを含有することを特徴と
する電子写真感光体である。
【0029】また、本発明は、アルミニウム基体をチタ
ニウムの塩又はジルコニウムの塩を含有する酸性水溶液
で化成処理する工程、感光層を形成する工程及び感光層
上に保護層を形成する工程を有することを特徴とする電
子写真感光体の製造方法である。
【0030】更に、本発明は、上記電子写真感光体を有
するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体の層構成
の例を図1に示す。図中、2は電子写真感光体、2aは
保護層、2bは感光層、2cは支持体、2dは酸化膜を
示す。
【0032】本発明における電子写真感光体の保護層の
体積抵抗率は、1×1010〜1×1015Ω・cmである
ことが好ましく、特には1×1011〜1×1014Ω・c
mであることが特に好ましく、更には1×1011〜5×
1012Ω・cmであることが好ましい。体積抵抗率が1
×1010Ω・cm未満では高湿環境で帯電電荷が十分に
保持され難くなるため、画像流れを生し易く、1×10
15Ω・cmを超えると帯電部材からの帯電電荷を十分に
注入することが、できにくくなる。
【0033】保護層の体積抵抗率は、表面に白金を蒸着
させたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
上に表面層を形成し、これに体積抵抗測定装置(ヒュー
レットパッカード社製、4140B pAMATER)
を用いて、23℃、65%の環境で100VのDC電圧
を印加することによって測定する。
【0034】保護層は、金属蒸着膜等の無機の層、導電
性粒子等を結着樹脂中に分散した導電性粒子分散樹脂層
及び帯電促進粒子と呼ばれる導電性の酸化亜鉛等の粒子
そのもの等によって構成され、蒸着層は蒸着、導電性粒
子分散樹脂層はディッピング塗工法、スプレー塗工法、
ロール塗工法及びビーム塗工法にて塗工することによっ
て形成される。また、絶縁性の樹脂に光透過性の高いイ
オン導電性を持つ樹脂を混合もしくは共重合させて構成
するもの、又は中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成
するものでもよい。導電性粒子分散樹脂層の場合、導電
性粒子の添加量は結着樹脂に対して2〜250重量%で
あることが好ましく、特には2〜190重量%であるこ
とが好ましい。2重量%より少ない場合には、所望の体
積抵抗率が得にくくなり、また、250重量%より多い
場合には、層の強度が低下し、層が削りとられ易くな
り、電子写真感光体の寿命が短くなる傾向になり、ま
た、抵抗が低くなってしまい、潜像電位が流れることに
よる画像不良を生じ易くなる。
【0035】保護層の結着樹脂は、その下の層の樹脂と
同じにすることも可能であるが、この場合には、保護層
の塗工時に電荷輸送層の塗工面を乱してしまう可能性が
あるため、塗工方法を特に選択する必要がある。
【0036】保護層に用いられる導電性粒子としては、
例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチ
モン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープし
た酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした
酸化スズ及び酸化ジルコニウム等が挙げられる。これら
は、一種類もしくは二種類以上を混合して用いる。二種
類以上を混合した場合には、固溶体又は融着の形を採っ
てもよい。
【0037】また、保護層用の樹脂としては、例えば、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹
脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ
る。中でも硬化性樹脂を用いることが好ましい。更に、
アクリロイル基を1分子中に2個以上持った光硬化型ア
クリル系モノマー中に導電性粒子を分散し、これを電子
写真感光体の感光層上に塗布、光硬化させることによっ
て形成した表面層を用いることで、膜強度及び導電性粒
子の分散性を共に飛躍的に向上させることができる。
【0038】また、本発明においては、表面層が滑材粒
子を含有することが好ましい。その理由は、帯電時に電
子写真感光体と帯電部材の摩擦が低減されるために帯電
ニップが拡大し、帯電特性が向上するためである。特に
滑材粒子として臨界表面張力の低いフッ素系樹脂、シリ
コーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を用いるのがよ
り好ましい。更に好ましくは、四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)が用いられる。この場合、滑材粒子の添加
は、結着樹脂に対して2〜50重量%であることが好ま
しく、特には5〜40重量%であることが好ましい。2
重量%より少ない場合には、滑材粒子の量が十分ではな
いために、帯電特性の向上が十分でなく、また50重量
%より多い場合には、画像の分解能、電子写真感光体の
感度が大きく低下してしまうことがある。
【0039】本発明における保護層の膜厚は0.1〜1
0μmであることが好ましく、特には1〜7μmである
ことが好ましい。
【0040】本発明における化成処理とは、陽極酸化の
ように電気的外力を加えることなく、基体を特定の溶液
に接触させることにより、基体上に特定組成の皮膜を形
成する処理である。
【0041】本発明に用いる金属塩の金属は、チタニウ
ム及びジルコニウムであり、これらとアルミニウム及び
酸素が共存した本発明の化成皮膜を有するアルミニウム
基体は、電子写真感光体用の基体として、極めて優れた
特性を有する。
【0042】添加するチタニウムの塩及びジルコニウム
の塩は、フッ素化合物であることが好ましい。チタニウ
ムの塩としては、チタニウムフッ化水素酸及びそのナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及び硫酸チタニ
ウム等が挙げられ、ジルコニウムの塩としてはジルコン
フッ化カリウム及びジルコニウム硫酸塩等が挙げられ
る。
【0043】酸性水溶液中の金属塩の濃度は、金属の量
で0.01g〜2g/リットルの範囲であることが好ま
しい。
【0044】また、酸性水溶液中のフッ素イオンの濃度
は、0〜10g/リットルの範囲であることが好まし
い。この範囲では基体表面のエッチング反応が適度に起
こり、均一な皮膜が生成し易い。
【0045】本発明の酸性水溶液のpHは、アンモニア
や水酸化ナトリウム等により、1.0〜5.5の範囲に
調整することが好ましい。
【0046】pH1.0未満ではエッチング反応が激し
く起こり、良好な皮膜を得にくく、pH5.5を超える
と皮膜の生成速度が低く、薄い皮膜しか得られ難いため
に、本発明の顕著な効果が得られ難い。
【0047】本発明においては、反応が安定に行われる
という点で、酸性水溶液を30〜90℃に加温して用い
ることが好ましい。
【0048】基体を酸性水溶液に接触させる方法は、浸
漬法及びスプレーによる噴霧法等いずれの方法でも良い
が、生産効率の点で浸漬法であることが好ましい。
【0049】化成処理後の基体は洗浄され、乾燥されて
から使用される。
【0050】本発明における基体表面の組成は、オージ
ェ電子線分光法によって測定し、基体の最表面から深さ
50Å(5×10-3μm)の範囲におけるものとする。
【0051】本発明においては、チタニウム又はジルコ
ニウムの含有量が、アルミニウムの含有量に対して4〜
100atm%の範囲であることが好ましい。
【0052】基体表面に形成するチタニウム又はジルコ
ニウムを含有する化成皮膜の総膜厚は1μm以下である
ことが好ましく、更には50Å(5×10-3μm)以上
であることが好ましい。膜厚が1μmを超えると電荷が
逃げ難くなり過ぎ、残留電位が上昇したり、ゴーストが
発生し易くなる。一方、50Å(5×10-3μm)に満
たないと本発明の顕著な効果を得にくくなる。
【0053】本発明においては、耐食性や塗膜の密着性
の点で、酸性水溶液が更にリン酸、リン酸塩、タンニン
又はタンニン酸を含有することが好ましい。
【0054】リン酸及びリン酸塩としては、リン酸又は
そのナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩やピロリ
ン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びそれらの
ナトリウム塩やカリウム塩といったアルカリ金属塩の縮
合リン酸塩等が挙げられる。また、フィチン酸、ニトロ
ジエタノールエチレンホスホン酸、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリル−1−アシッドホスホン酸、2−エチルヘ
キシルアシッドホスホン酸及びエタン−1−ヒドロキシ
−1,1−ジホスホン酸等の有機リン酸化合物を使用す
ることもできる。
【0055】酸性水溶液中のリン酸又はリン酸塩の濃度
は、リン酸イオンに換算して0.05〜50g/リット
ルの範囲であることが好ましい。この範囲においては、
特に均一で良好な化成皮膜が得られ、また、処理液の安
定性も特に良好である。
【0056】タンニン又はタンニン酸としては、ケプラ
チョ、デプジト、支那産タンニン酸、トルコ産タンニン
酸、ハマメリタンニン酸、ケプリン酸、スマックタンニ
ン、五倍子タンニン及びエラーグ酸タンニン等が挙げら
れる。
【0057】酸性水溶液中のタンニン又はタンニン酸の
濃度は、0.1〜10g/リットルの範囲であることが
好ましい。
【0058】また、本発明においては、酸性水溶液が、
フッ酸、ホウフッ酸、ケイフッ酸及びそれらの塩を含有
することが好ましい。これらはアルミニウム基体の化成
処理を行う際に、基体表面をエッチングする機能を有す
るので、非常に均一な化成皮膜を得ることができる。
【0059】以上のことから、本発明の化成皮膜中には
リン及びフッ素が含有されていることが好ましい。
【0060】アルミニウム基体は、アルミニウムであれ
ば特に限定されるものではなく、純アルミニウム及びA
l−Mn系、Al−Mg系、Al−Cu系、Al−Si
系、Al−Mg−Si系及びAl−Cu−Si系等のア
ルミニウム合金が挙げられる。より具体的には、JIS
A 6063等の6000系アルミニウム合金やJI
S A 3003等の3000系アルミニウム合金等を
用いることができる。形状も特に限定されないが、ドラ
ム状であることが好ましい。
【0061】次に、本発明に用いる電子写真感光体の感
光層について説明する。
【0062】本発明の感光層の構成は、電荷発生材料と
電荷輸送材料の両方を同一の層に含有する単層型、及び
電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含
有する電荷輸送層を有する積層型に大別される。
【0063】以下、積層型の感光層を有する電子写真感
光体について説明する。
【0064】電子写真感光体の構成としては、基体上に
電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層したものと、
逆に電荷輸送層及び電荷発生層の順に積層したものがあ
る。
【0065】電荷輸送層は、主鎖又は側鎖にビフェニレ
ン、アントラセン、ピレン及びフェナントレン等の構造
を有する多環芳香族化合物;インドール、カルバゾー
ル、オキサジアゾール及びピラゾリン等の含窒素環化合
物;ヒドラゾン化合物及びスチリル化合物等の電荷輸送
材料を成膜性を有する樹脂に溶解した溶液を塗布し、乾
燥することによって形成する。
【0066】成膜性を有する樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル
酸エステル及びポリアリレート等が挙げられる。
【0067】電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜40
μm、より好ましくは10〜30μmである。
【0068】電荷発生層は、スーダンレッド及びダイア
ンブルー等のアゾ顔料;ピレン、キノン及びアントアン
トロン等のキノン顔料;キノシアニン顔料;ペリレン顔
料;インディゴ及びチオインディゴ等のインディゴ顔料
及びフタロシアニン顔料等の電荷発生材料をポリビニル
ブチラール、ポリスチレン及びポリ酢酸ビニル及びアク
リル樹脂等の樹脂に分散した分散液を塗布し、乾燥する
か、前記顔料を真空蒸着することによって形成する。
【0069】電荷発生層の膜厚は、好ましくは5μm以
下、より好ましくは0.01〜3μmである。
【0070】単層型の感光層は、上記電荷発生材料及び
電荷輸送材料を上記樹脂に分散及び溶解した溶液を塗布
し、乾燥することによって形成する。
【0071】感光層の膜厚は、好ましくは5〜40μ
m、より好ましくは10〜30μmである。
【0072】本発明においては、基体と感光層の間に、
バリヤー機能と接着機能を有する下引層を設けることが
できる。下引層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、
ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、
アルコール可溶ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチン
等を溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成
する。
【0073】下引層の膜厚は、0.1〜3μmであるこ
とが好ましい。
【0074】本発明における帯電部材の形状としては、
磁性粒子をスリーブ上に穂立ちさせた磁気ブラシの他、
ファーブラシ、ローラー、平板等用いる電子写真装置に
合わせて選択可能である。
【0075】磁気ブラシは、Zn−Cuフェライト等、
各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持
するための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマ
グネットロールによって構成される。
【0076】また、ファーブラシの材質としては、カー
ボン、硫化銅、金属及び金属酸化物により導電処理され
たポリマー等が用いられる。ポリマーの材質としては、
レーヨン、アクリル、ポリプロピレン、PET及びポリ
エチレン等が用いられる。これらの導電処理されたファ
ーを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り
付けたりすることで帯電部材とする。
【0077】帯電部材は、1×100〜1×l012Ωの
抵抗値を有することが好ましく、特には、1×102
1×1010Ωの抵抗値を有することが好ましい。
【0078】帯電部材の抵抗測定は、実際使用されるの
と同じ条件で、電子写真感光体の代わりにアルミニウム
シリンダーを当接させ、100VのDC電圧を印加した
時に流れる電流値から求めた。
【0079】以上のような帯電部材と電子写真感光体を
用いることによって、帯電開始電圧Vthが小さく、電
子写真感光体の帯電電位を帯電部材に印加する電圧のD
C成分の殆ど90%以上までに帯電させることが可能に
なった。例えば、本発明における帯電部材に絶対値で1
00〜2000Vの直流電圧を印加した時、本発明にお
ける表面層を有する電子写真感光体の帯電電位を印加電
圧の80%以上、更には90%以上にすることができ
る。これに対し、従来の放電を利用した帯電によって得
られる電子写真感光体の帯電電位は、印加電圧が640
V以下では殆ど0Vであり、640Vを超えると印加電
圧から640Vを引いた値の帯電電位程度しか得られな
かった。
【0080】本発明の電子写真感光体を用いた電子写真
装置の具体例を図2に示す。この装置は、電子写真感光
体2の周囲に磁気ブラシ帯電部材1、露光光4、現像手
段5、転写手段6及びクリーニング手段7が配置されて
いる。
【0081】画像形成の方法は、まず、電子写真感光体
2上に接触配置されている帯電部材1に電源3から電圧
を印加し、電子写真感光体2の表面を所定の電位に帯電
し、露光光4によって電子写真感光体2表面に、静電潜
像を形成する。次に、現像手段5中のトナーを電子写真
感光体2に付着させることにより電子写真感光体2上の
静電潜像を現像(可視像化)する。更に、電子写真感光
体2上に形成されたトナー像を供給された紙等の転写材
8上に転写手段6によって転写し、クリーニング手段7
によって、転写材に転写されずに電子写真感光体2上に
残った残トナーを回収する。なお、電子写真感光体上に
残留電荷が残るような場合には、クリーニング後に前露
光手段によって電子写真感光体2に光を当て除電したほ
うがよい。一方、トナー像が形成された転写材は搬送部
(図示せず)によって定着手段9に送られ、トナー像が
定着される。露光光4の光源は、ハロゲン光、蛍光灯及
びレーザー光等を用いることができる。また、必要に応
じて他の補助プロセスを加えてもよい。
【0082】また、本発明においては、電子写真感光体
2及び帯電部材1を一体に支持し、電子写真装置に着脱
自在のプロセスカートリッジ10にすることができる。
プロセスカートリッジ10は、現像手段5及びクリーニ
ング手段7をも有することができる。
【0083】更に、本発明においては、クリーニング手
段7を有さず、帯電部材1や現像手段5により実質的な
クリーニングを行う、所謂クリーナーレスの装置にする
こともできる。
【0084】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0085】(実施例1)外径30mm、長さ260m
mの円筒状アルミニウムシリンダー(JIS A300
3 アルミニウム合金)を用意する。
【0086】有機リン酸としてフィチン酸及び金属の塩
としてチタニウムフッ化水素酸及びチタニウムフッ化ア
ンモニウムを含有する酸性水溶液(商品名:パルコート
3753、日本パーカライジング(株)製、pH3.
8)を40℃の温度に保ち、この水溶液中に上記のアル
ミニウムシリンダーを浸漬し、1分間化成処理を行った
後、純水で洗浄し自然乾燥させた。化成皮膜の膜厚は2
00Aであった。
【0087】次に、τ型無金属フタロシアニン顔料4重
量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレック
BX−1、積水化学工業(株)製)2重量部及びシクロ
ヘキサノン70重量部をサンドミル10時間分散した
後、酢酸エチル100重量部を加えて電荷発生層用の分
散液を調合した。
【0088】この分散液を先に化成処理したアルミニウ
ムシリンダー上に浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾
燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0089】次に、下記式で示されるトリアリールアミ
ン化合物40重量部及びビスフェノールZ型ポリカーボ
ネート樹脂50重量部をモノクロルベンゼン350重量
部に溶解した溶液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、1
10℃で1時間加熱乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層
を形成した。
【0090】
【化1】
【0091】次いで、平均粒径0.02μmのアンチモ
ンドープ酸化スズ(商品名:T−1、三菱マテリアル
(株)製)100重量部、(3,3,3−トリフルオロ
プロピル)トリメトキシシラン(チッソ(株)製)10
重量部、エタノール300重量部を攪拌装置で48時間
攪拌した後、ろ過、洗浄後、更に150℃で2時間加熱
処理を行い、酸化スズの表面処理を行った。
【0092】次に、下記構造式で示されるアクリルモノ
マー18重量部、
【0093】
【化2】 光開始剤として2−メチルチオキサントン3.6重量
部、前記表面処理済酸化スズ40部、四フッ化エチレン
樹脂粒子(数平均粒径:0.18μm)14重量部、エ
タノール320重量部を混合してサンドミルで90時間
分散し、表面保護層用分散液を調製した。この分散液を
前記電荷輸送層上に浸漬塗布し、乾燥後、高圧水銀灯に
て250W/cm2の光強度で60秒間紫外線照射した
後、120℃で2時間熱風乾燥して膜厚3μmの表面保
護層を形成した。
【0094】なお、形成された保護層の体積抵抗率は
2.7×1012Ω・cmであった。
【0095】次に、注入帯電を行うための帯電部材とし
て、数平均粒径25μmのZn−Cuフェライト粒子と
平均粒径10μmのZn−Cuフェライト粒子を重量比
1:0.05で混合してそれぞれの平均粒径の位置にピ
ークを有する数平均粒径25μmのフェライト粒子を中
抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用意した。なお、中
抵抗樹脂層は、導電性酸化チタン粒子及び4フッ化エチ
レン樹脂粒子をポリカーボネート樹脂に分散した溶液を
用いて形成した。
【0096】接触帯電部材は、上記被覆磁性粒子及びこ
れを支持するための非磁性の導電スリーブ、これに内包
されるマグネットロールから構成され、上記被覆磁性粒
子をスリーブ上に厚さ1mmでコートして電子写真感光
体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成されるように
した。該被覆磁性粒子保持スリーブと電子写真感光体と
の間隙は約500μmとした。また、マグネットロール
は固定、スリーブ表面が電子写真感光体表面の周速に対
して2倍の速さで逆方向に摺擦するように回転させ、電
子写真感光体と磁気ブラシが均一に接触するようにし
た。帯電部材の抵抗は5×105Ωであった。
【0097】先に得られた電子写真感光体を、帯電手段
を上記のものに改造したレーザービームプリンター(商
品名:LBP−SX、キヤノン(株)製の改造機)を用
いて評価した。その際、一次帯電の印加電圧をDC電圧
−700Vとした。
【0098】これらの評価サンプルを低温低湿(15
℃、10%RH)及び高温高湿(30℃、80%RH)
の環境下で電子写真特性の評価を行った。その結果、こ
の電子写真感光体は表1に示すように低温低湿及び高温
高湿においても、暗部電位(Vd)と明部電位(Vl)
との間に大きなコントラストを得ることができた。更
に、連続して5000枚の通紙耐久による結果でも、低
温低湿及び高温高湿のいずれの環境下においても暗部電
位と明部電位のどちらも殆ど変化しない。
【0099】また、カブリ画像の評価は上記プリンター
で白画像を出したものをサンプルとし、未使用の用紙を
参照サンプルとした。カブリ画像の定量的な評価は、東
京電色(株)製反射率計TC−6DSを用いて、サンプ
ルである白画像の反射率と参照サンプルの反射濃度の差
をカブリ(%)とした。また、その時、用いたフィルタ
ーは緑であった。この評価結果を表1に示す。不要な黒
点画像やカブリがなく、かつ、他の画像においてもトナ
ーの飛び散りのない高品位な画像が得られた。
【0100】(実施例2)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を形成し、電子写
真感光体を作成した。
【0101】作成した電子写真感光体を、帯電手段をコ
ロナ帯電に改良し、一次帯電の印加電圧を−6.0KV
とした以外は実施例1と同様のレーザービームプリンタ
ー(商品名:LBP−SX、キヤノン(株)製の改造
機)に装着して、実施例1と同様にして電子写真特性の
評価を行った。
【0102】その結果、この電子写真感光体は、表1に
示すように低温低湿及び高温高湿においても、暗部電位
(Vd)と明部電位(Vl)との間に大きなコントラス
トを得ることができた。更に、連続5000枚の通紙耐
久による結果でも、低温低湿及び高温高湿のいずれの環
境下においても暗部電位と明部電位のどちらもあまり変
化しない。
【0103】また、カブリ画像の評価も実施例1と同様
にして評価した。この評価結果を表1に示す。不要な黒
点画像やカブリがなく、かつ、他の画像においてもトナ
ーの飛び散りのない高品位な画像が得られた。
【0104】(実施例3)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を形成し、電子写
真感光体を作成した。
【0105】作成した電子写真感光体を、帯電手段を放
電を伴うローラ帯電器に改良し、一次帯電の印加電圧を
DC電圧−1300Vとした以外は実施例1と同様のレ
ーザービームプリンター(商品名:LBP−SX、キヤ
ノン(株)製の改造機)に装着して、実施例1と同様に
して電子写真特性の評価を行った。
【0106】その結果、この電子写真感光体は、表1に
示すように低温低湿及び高温高湿においても、暗部電位
(Vd)と明部電位(Vl)との間に大きなコントラス
トを得ることができた。更に、連続5000枚の通紙耐
久による結果でも、低温低湿及び高温高湿のいずれの環
境下においても暗部電位と明部電位のどちらもあまり変
化しない。
【0107】また、カブリ画像の評価も実施例1と同様
にして評価した。この評価結果を表1に示す。不要な黒
点画像やカブリがなく、かつ、他の画像においてもトナ
ーの飛び散りのない高品位な画像が得られた。
【0108】(実施例4)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0109】作成した電子写真感光体を、帯電手段を実
施例1の磁気ブラシに代えて、注入帯電用の帯電ローラ
ーを用いて評価した。この帯電ローラーは、芯金上にゴ
ムの中抵抗層を形成することにより作成さた。中抵抗層
は、ウレタン樹脂、導電性粒子(カーボンブラック)、
硫化剤及び発泡剤等により処方され、芯金の上にローラ
ー状に成形した後、表面を研磨して直径12mm、長手
長さ250mmの弾性導電ローラーを作成した。このロ
ーラーの抵抗を測定したところ100kΩであった。ロ
ーラーの芯金に総圧1kgの加重がかかるように電子写
真感光体に圧着した状態で、芯金と導電性支持体に10
0V印加することで計測した。
【0110】本実施例では、電子写真感光体と帯電ロー
ラーが導電性粒子を介して注入帯電されるための導電性
粒子(帯電促進粒子)として、比抵抗が106Ω・c
m、平均粒径3μmの導電性酸化亜鉛粒子を用いた。こ
の帯電促進粒子の層が電子写真感光体の保護層となる。
【0111】ここで抵抗測定は、錠剤法により測定し正
規化して求めた。底面積2.26cm2の円筒内に0.
5gの粉体試料を入れ上下電極に15kgの加圧を行う
と同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後
正規化して比抵抗を算出した。
【0112】また、帯電促進粒子をローラーと感光体の
接触ニップに均一に供給するために、帯電促進粒子塗布
手段を設けた。供給手段としては、規制ブレードを電子
写真感光体に当接させ、電子写真感光体と規制ブレード
の間に帯電促進粒子を保持する構成をとる。そして、電
子写真感光体の回転に伴い一定量の帯電促進粒子が帯電
ローラーに塗布される。
【0113】本実施例では、帯電ローラーを電子写真感
光体に対して速度差を持って回転させている。本電子写
真感光体は直径30mmのドラム状であり、周速が約5
0mm/secの一定速度で回転する。先ず、この電子
写真感光体表面に帯電促進粒子が規制ブレードによって
塗布される。その後、帯電ローラー部に到達する。帯電
ローラーは、ローラー表面が電子写真感光体と互いに逆
方向に等速度で移動するよう約80rpmで駆動し、そ
のローラー芯金に印加電圧としてDC電圧−700Vを
印加した。これにより、電子写真感光体表面は印加電圧
と等しい電位に帯電される。本実施例において帯電は、
ローラーと被帯電体の接触ニップに存在する帯電促進粒
子が被帯電体表面を隙間無く摺擦することで注入帯電が
行われるものである。
【0114】以上のように帯電手段を改良した以外は実
施例1と同様のレーザービームプリンター(商品名:L
BP−SX、キヤノン(株)製の改造機)に装着して、
実施例1と同様に電子写真特性の評価を行った。
【0115】その結果、この電子写真感光体は、表1に
示すように低温低湿及び高温高湿においても、暗部電位
(Vd)と明部電位(Vl)との間に大きなコントラス
トを得ることができた。更に、連続5000枚の通紙耐
久による結果でも、低温低湿及び高温高湿のいずれの環
境下においても暗部電位と明部電位のどちらもあまり変
化しない。
【0116】また、カブリ画像の評価も実施例1と同様
にして評価した。この評価結果も表1に示す。不要な黒
点画像やカブリがなく、かつ、他の画像においてもトナ
ーの飛び散りのない高品位な画像が得られた。
【0117】(実施例5)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0118】次いで、四フッ化エチレン樹脂粒子(商品
名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)9重量部
をポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ型、数平均
分子量85000)10重量部と下記構造式で示される
トリアリールアミン系化合物5重量部
【0119】
【化3】 をジクロロメタン450重量部に溶解した溶液に加え、
サンドミルを用いて分散することにより第2の電荷輸送
層用溶液を作成した。この溶液を先に作成した電子写真
感光体上にスプレー塗布し、120℃で30分間乾燥す
ることで、膜厚2.5μmの第2の電荷輸送層を形成
し、電子写真感光体を作成した。
【0120】作成した電子写真感光体を、帯電手段を実
施例4と同じにして、一次帯電の印加電圧をDC電圧−
700Vとした以外は実施例1と同様のレーザービーム
プリンター(商品名:LBP−SX、キヤノン(株)製
の改造機)に装着して、実施初1と同様にして電子写真
特性の評価を行った。
【0121】その結果、この電子写真感光体は、表1に
示すように低温低湿及び高温高湿においても、暗部電位
(Vd)と明部電位(Vl)との間に大きなコントラス
トを得ることができた。更に、連続5000枚の通紙耐
久による結果でも、低温低湿友び高温高湿のいずれの環
境下においても暗部電位と明部電位のどちらも殆ど変化
しない。
【0122】また、カブリ画像の評価も実施例1と同様
にして評価した。この評価結果を表1に示す。不要な黒
点画像やカブリがなく、かつ、他の画像においてもトナ
ーの飛び散りのない高品位な画像が得られた。
【0123】(実施例6)化成処理用酸性水溶液とし
て、タンニン酸、アンモニウム塩及び金属の塩としてジ
ルコニウムフッ化物及びジルコニウム硫酸塩を含有する
液(商品名:パルコート3756、日本パーカライジン
グ(株)製、pH3.2)を用いた以外は実施例1と同
様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表
1に示す。なお、化成皮膜の膜厚は150Åであった。
【0124】(実施例7〜9)実施例6と同様にして作
成した電子写真感光体を実施例2〜4と同様にして評価
した。結果を表1に示す。
【0125】(実施例10)実施例6と同様にして化成
処理膜を形成した以外は、実施例5と同様にして作成し
た電子写真感光体を実施例5と同様にして評価した。結
果を表1に示す。
【0126】
【表1】
【0127】なお、実施例1及び6の化成処理、洗浄及
び乾燥後の基体の表面を最表面から基体の深さ方向にア
ルゴンイオンエッチングを行いながら走査型オージェ電
子分光分析装置を用いて元素分析を行った。その結果、
主な構成元素としてアルミニウム、チタニウム及び酸素
が検出された。得られたグラフを図3に示す。本実施例
においては、深さとスパッタ時間との関係がSiO2
算で、110Å/分であるが、この値は適宜変更するこ
とができる。
【0128】表2に基体最表面及び表面から50Åの深
さにおける元素の組成比をアルミニウム元素の量を10
0としたときの元素比率として示す。
【0129】この結果から、基体表面の化成皮膜は、ア
ルミニウムの酸化皮膜中にチタニウムが取り込まれてい
るものであることが分かる。また、分析の結果、その他
の含まれる元素として窒素、フッ素及びリン等が検出さ
れた。これらの元素は化成処理を行う際に用いた酸性水
溶液中のリン酸やフッ素化合物に含まれていた物が化成
皮膜の中に取り込まれたものと考えられる。
【0130】
【表2】
【0131】(比較例1)化成処理を行わなかった以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価
した。結果を表3に示す。
【0132】(比較例2)濃度0.3%のアンモニア水
を用意し、これを95℃に加熱した。
【0133】この熱したアンモニア水に実施例1で用い
た化成処理前のアルミニウムシリンダーを5分間浸漬し
て表面処理を行った後、乾燥してシリンダー表面にベー
マイト皮膜を形成した。
【0134】本発明の化成処理済アルミニウムシリンダ
ーに代えて、このアルミニウムシリンダーを用いた以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価
した。結果を表3に示す。
【0135】(比較例3)本発明の酸性水溶液に代え
て、チタニウム及びジルコニウムを含有しないリン酸ク
ロム系の化成処理液(商品名:アルクロム3701、日
本パーカライジング(株)製)の液温を30℃に保った
状態のものに1分間浸漬して化成処理を行い、シリンダ
ー表面にクロメート系の化成皮膜を形成した。
【0136】本発明の化成処理済アルミニウムシリンダ
ーに代えて、このアルミニウムシリンダーを用いた以外
は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価
した。結果を表3に示す。
【0137】
【表3】
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
いかなる環境においても画像欠陥が発生せず、また電位
変動の少ない良好な電子写真特性を有する電子写真感光
体、及び該電子写真感光体を容易にかつ安価に安定して
製造できる方法、更には該電子写真感光体を有するプロ
セスカートリッジ及び電子写真装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【図3】本発明の電子写真感光体が有するアルミニウム
基体表面を構成する元素の組成比を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 502 G03G 5/147 502 503 503 504 504 15/02 101 15/02 101 (72)発明者 辻 晴之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浅野 久美子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 木村 知裕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 呉 信哲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 CC05 2H068 AA03 AA04 AA05 AA06 AA52 AA54 BB31 BB57 CA29 CA31 CA37 CA60 EA12 FA15 FC01 4K026 AA09 AA25 BA01 BA03 BA08 BA11 BB10 CA13 CA18 CA23 CA26 CA28 CA37 CA38 DA12 DA13 DA16 EB08

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基体上に感光層を有する電
    子写真感光体において、該電子写真感光体が感光層上に
    保護層を有し、かつ該基体の感光層側の表面がアルミニ
    ウム、酸素及びチタニウム、又はアルミニウム、酸素及
    びジルコニウムを含有することを特徴とする電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 基体の感光層側の表面のチタニウム又は
    ジルコニウムの含有量が、アルミニウムの含有量に対し
    て4〜100atm%である請求項1に記載の電子写真
    感光体。
  3. 【請求項3】 基体の感光層側の表面が更にリンを含有
    する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 基体の感光層側の表面が更にフッ素を含
    有する請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 基体の感光層側の表面が化成処理によっ
    て形成された皮膜である請求項1〜4のいずれかに記載
    の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 皮膜の膜厚が1μm以下である請求項5
    に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 保護層が導電性粒子を含有する請求項1
    〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 保護層が1×1010〜1×1015Ω・c
    mの体積抵抗率を有する請求項1〜7のいずれかに記載
    の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 保護層が硬化性樹脂を含有する請求項1
    〜8のいずれかに記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 保護層が滑材粒子を含有する請求項1
    〜9のいずれかに記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 アルミニウム基体をチタニウムの塩又
    はジルコニウムの塩を含有する酸性水溶液で化成処理す
    る工程、感光層を形成する工程、及び感光層上に保護層
    を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光
    体の製造方法。
  12. 【請求項12】 チタニウムの塩及びジルコニウムの塩
    がフッ素化合物である請求項11に記載の電子写真感光
    体の製造方法。
  13. 【請求項13】 酸性水溶液のpHが1.0〜5.5で
    ある請求項11又は12に記載の電子写真感光体の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 酸性水溶液の温度が30〜90℃であ
    る請求項11〜13のいずれかに記載の電子写真感光体
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 酸性水溶液が更にリン酸、リン酸塩、
    タンニン及びタンニン酸からなる群より選択される少な
    くとも一つの化合物を含有する請求項11〜14のいず
    れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  16. 【請求項16】 酸性水溶液が更にフッ酸、ホウフッ
    酸、ケイフッ酸及びこれらの塩からなる群より選択され
    る少なくとも一つの化合物を含有する請求項11〜15
    のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜10のいずれかに記載の電
    子写真感光体、及び該電子写真感光体に接触配置され、
    電圧が印加されることにより該電子写真感光体を帯電す
    る帯電部材を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自
    在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 【請求項18】 帯電が注入帯電である請求項17に記
    載のプロセスカートリッジ。
  19. 【請求項19】 請求項1〜10のいずれかに記載の電
    子写真感光体、該電子写真感光体に接触配置され、電圧
    が印加されることにより該電子写真感光体を帯電する帯
    電部材、露光手段、現像手段及び転写手段を有すること
    を特徴とする電子写真装置。
  20. 【請求項20】 帯電が注入帯電である請求項19に記
    載の電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007055482A1 (en) * 2005-11-09 2007-05-18 Korea Institute Of Science And Technology Method for treating nano-sized surface modification on aluminum for opc drum and aluminum tube for opc drum manufactured by the method

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