JP3677896B2 - 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体およびそれを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐磨耗性、耐汚染性、表面潤滑性に優れ、かつ残留電位の低い電子写真感光体およびそれを使用する電子写真法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真有機感光体の耐刷性を向上させる方法としては種々の方法が提案されている。その中でも、特開昭60−3638号公報には、感光層上に耐磨耗層を積層させ、この層に耐磨耗性能の機能を持たせた電子写真感光体に関して記載され、機能分離により耐刷性の向上がはかられている。この公報に記載されている方法によれば、導電性微粉末を結着樹脂中に分散させた層を設けることにより耐久性が顕著に改善できるが、次のような問題点が内在している。すなわち、その一つは、耐磨耗性が極めて良好であるため、本来磨耗と共に除去されていた異物がかえって表面に残留し、電子写真感光体を長期間使用していると、帯電時に発生するオゾンと共に導電性イオンと推定される異物が生じ、高湿下で画像にじみが発生するという問題である。また、他の一つは、抵抗調整用の導電性微粉末を分散させてはいるが、結着樹脂中に特に低湿下において電荷が蓄積され、残留電位が高くなるという問題である。また、特開平5−45920号公報には、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂微粉末を7重量%程度まで混合した保護層を有する電子写真感光体が開示されている。しかしながら、この電子写真感光体は、耐久性においてはある程度の改善は認められるが、残留電位の上昇が見られるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高湿下で画像にじみの発生を抑制し、かつ、低湿下においても残留電位の高くならない低磨耗性を有する表面層を設けた電子写真感光体を提供することにある。本発明の他の目的は、上記の電子写真感光体を使用して優れた画質の画像を形成することができる電子写真法を提供することにある。すなわち、帯電方式として電子写真感光体の表面に当接させた導電性部材に電圧を印加する接触帯電方式により、電子写真感光体を帯電させる工程を含む電子写真法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生層と電荷輸送層と表面層とを有する電子写真感光体において、前記表面層が結着樹脂と尿素とを含むことを特徴とする。本発明の好ましい実施態様としては、表面層が、結着樹脂としてアクリルポリオールとポリイソシアネートで反応させたポリウレタン樹脂を含み、該結着樹脂中に金属酸化物粉末と少なくとも尿素とを分散したものである場合である。
【0005】
本発明の画像形成方法は、電子写真感光体を帯電させた後、前記電子写真感光体上に静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像により可視画像とする画像形成方法において、電子写真感光体として、表面層が結着樹脂と尿素とを含むものを使用し、帯電を電子写真感光体に当接した導電性部材に電圧を印加することによって行うことを特徴とする。この方式を選択することにより、残留電位の上昇を従来のコロトロン方式に較べ抑制することが可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生層と電荷輸送層と表面層とを有するものであって、図1はその概略構成図を示すものである。図中、11は導電性基体、12は下引き層、13は電荷発生層、14は電荷輸送層、15は表面層である。
【0007】
本発明の電子写真感光体における導電性基体としては、電子写真感光体において使用されるものであれば、如何なるものでも使用することができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、或いは導電性付与剤を塗布、または含浸させた紙、およびプラスチックフィルム等があげられる。これらの導電性支持体は、ドラム状、シート状等、適宜の形状のものとして使用されるが、これらに限定されるものではない。更に、必要に応じて導電性支持体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表面の酸化処理や薬品処理、および着色処理等、または、砂目立て等の乱反射処理を行うことができる。
【0008】
導電性基体の上には、所望に応じて下引き層が形成されてもよい。下引き層を形成する材料としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、カゼイン、ゼラチン、シランカップリング剤等、下引き層形成材料として公知のものであれば、如何なるものでも使用することができる。下引き層の膜厚は、一般に0.2〜2μmに設定される。
【0009】
下引き層の上には感光層が設けられるが、感光層は単層構造でも積層構造でもよい。単層構造の場合としては、色素増感されたZnO感光層、CdS感光層や電荷発生材料等を電荷輸送材料またはそれを含む結着樹脂中に分散させた感光層等をあげることができる。
また、積層構造の場合には、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離されたものがあげられる。導電性基体上における電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は、いずれが先であってもよい。
【0010】
電荷発生層は、電荷発生材料を必要に応じて結着樹脂に分散させて形成させる。電荷発生材料としては、例えばセレンおよびセレン合金;CdS,CdSe,CdSSe,ZnOおよびZnS等の無機光導電体;金属または無金属フタロシアニン顔料;ビスアゾ顔料;トリスアゾ顔料等のアゾ顔料;スクエアリウム化合物;アズレニウム化合物;ペリレン系顔料;インジゴ顔料;キナクリドン顔料;多環キノン顔料;シアニン色素;キサンテン染料;ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノン等からなる電荷移動錯体;ピリリウム塩染料とポリカーボネート樹脂からなる共晶錯体等があげられる。
結着樹脂としては、周知のもの、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体または共重合体、酢酸ビニル重合体または共重合体、セルロースエステルまたはエーテル、ポリブタジエン、ポリウレタン、エポキシ樹脂等が用いられる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm、好ましくは0.03〜2μm程度に設定される。
【0011】
電荷輸送層は、電荷輸送材料を主成分として構成される。電荷輸送材料としては、可視光に対して透明であり、かつ、電荷輸送能力を有するものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、イミダゾール、ピラゾリン、チアゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、ヒドラゾン、ケタジン、アジン、カルバゾール、ポリビニルカルバゾール等およびそれらの誘導体、トリフェニルアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体等があげられる。必要に応じて結着樹脂が併用されるが、結着樹脂としては、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリスルホン、ポリメタクリル酸エステル、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等があげられる。電荷輸送層の膜厚は10〜30μmの範囲が好ましい。
【0012】
感光層の上には表面層が設けられる。表面層には、結着樹脂と尿素とが含まれるが、結着樹脂としては、アクリルシリコーン樹脂、含フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が使用されるが、特にアクリルポリオールにポリイソシアネートを反応させたポリウレタン樹脂が好ましく使用される。
【0013】
本発明において使用するポリウレタン樹脂を形成するためのアクリルポリオールとしては、特にヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシエチルメタクリレートを単量体成分として含有するアクリル共重合体が好ましく使用される。具体的には、スチレン−メチルメタクリレート−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ヒドロキシエチルメタクリレートとアクリル酸またはメタクリル酸の置換または未置換アルキルエステルまたはフェニルエステルとの共重合体等、例えば下記一般式で示されるものがあげられる。
【化1】
Figure 0003677896
(式中、Rはアルキル基を表し、nは10〜1000の整数を表わす。)
【0014】
これら共重合に使用されるアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの具体例としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルアクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート等があげられる。
【0015】
一方、ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、下記式(1)で示されるビウレットタイプのイソシアネート、下記式(2)で示されるイソシアヌレートタイプのイソシアネート、下記式(3)で示されるアダクトタイプのイソシアネート等があげられる。
【0016】
【化2】
Figure 0003677896
【0017】
発明における保水性成分である尿素の配合量は、結着樹脂100重量部に対して0.1ないし20重量部が一般的であるが、1ないし10重量部の範囲が好ましい。尿素の配合量が、結着樹脂100重量部に対して0.1重量部よりも低くなると、保水効果が充分ではなく、残留電位の低減目的が達せられない。また20重量部よりも多くなると、分散性が低下し、塗膜形成が良好に行われなくなる。
【0018】
さらに表面層には、酸化防止剤および金属酸化物粉末を添加するのが好ましい。酸化防止剤は高湿下での像流れを防止する作用を示すものであって、具体的には、トリスフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等のリン系酸化防止剤があげられる。これらリン系酸化防止剤は、加水分解しやすい構造を有するものが好適である。
リン系酸化防止剤の配合量は、結着樹脂100重量部に対して0.01ないし30重量部が一般的であるが、0.03ないし20重量部の範囲が好ましい。リン系酸化防止剤の配合量が、結着樹脂100重量部に対して0.01重量部よりも低くなると、酸化防止機能が不充分になって、帯電時に発生するオゾンと共に導電性イオンと推定される異物が生じ、高湿下で画像にじみが発生しやすくなり、また低温低湿下での残留電位が高くなる。30重量部よりも多くなると、分散性が低下し、塗膜形成が良好に行われなくなる。
【0019】
また、金属酸化物粉末としては、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ビスマス、酸化インジウム、それらの混合物および複合酸化物等があげられる。これら金属酸化物粉末は、1〜1.5×108 Ω・cmの範囲の導電率を有するものであって、粒径0.01〜0.3μmの範囲のものが好ましく使用される。また、これら金属酸化物粉末の配合量は、結着樹脂100重量部に対して20〜180重量部の範囲が好ましい。金属酸化物粉末の配合量が、結着樹脂100重量部に対して20重量部よりも少なくなると、低温低湿条件下において残留電位が上昇し、低濃度画像になり、180重量部よりも多くなると、高温高湿環境下において、白ぬけや像にじみが発生するようになる。
【0020】
本発明において、表面層の好ましい態様は、アクリルポリオールにポリイソシアネートを反応させたポリウレタン樹脂を含む結着樹脂中に、金属酸化物粉末と尿素と酸化防止剤が分散されて構成されたものがあげられる。
この表面層は、例えば、次のようにして形成することができる。先ず、上記アクリルポリオールをキシレンと酢酸ブチルを主成分とする溶剤に溶解し、金属酸化物粉末および尿素、酸化防止剤を添加して分散させた分散液に、ポリイソシアネートを硬化剤として添加し、得られた塗布液を感光層上に、例えば、スプレー塗布等によって塗布した後、加熱乾燥して、アクリルポリオールとポリイソシアネートを反応させればよく、それによって、ポリウレタン樹脂中に尿素、酸化防止剤と金属酸化物粉末が分散した表面層が形成される。
【0021】
表面層の膜厚は、0.5〜10μmの範囲が好ましい。膜厚が0.5μmよりも薄い場合には、耐傷耐磨耗層としての機能に乏しくなり、また膜面も荒れた物になる。また、10μmよりも厚くなると、塗膜にだれが発生し、均一に塗布することができなくなる。
【0022】
本発明における上記の表面層は、低摩擦性であって耐磨耗性に優れたものであり、この表面層を設けた本発明の電子写真感光体は、高湿下で画像にじみの発生を抑制し、かつ、低湿下においても残留電位が上昇しないものとなる。
本発明において使用する尿素には、保水、保湿効果があり、これを分散した結着樹脂では適度の含水率が保持されると考えられ、表面層の抵抗を一定の範囲に保つことが可能になる。このことを確認するための試験方法として、次の方法が採用される。アクリルポリオールとポリイソシアネートで反応させたポリウレタン樹脂中に尿素を配合し成膜させたものについて、高温高湿下において24時間放置後、一旦10℃、10%RHの低湿下において48時間放置し、その後カールフィッシャー法により、膜中の含水率を測定する。その結果、尿素を含むものの方が含水率の高いことが確認された。その結果を図4に示す。図4において、Aは尿素含有表面層を意味し、Bは尿素を含有しない表面層(対照)を意味し、それぞれ測定数は8つずつあり、その測定結果の分布を箱ひげ図で表示している。この結果より、尿素を含むものの方が有意に含水率が高いといえる。
【0023】
本発明の電子写真感光体は、帯電ロール等の帯電部材を感光層に接触して帯電を行う画像形成方法に使用するのに適している。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、電子写真感光体を帯電させた後、前記電子写真感光体上に静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像により可視画像とするものであって、電子写真感光体に当接した導電性部材に電圧を印加することによって帯電を行う方式が採用される。
【0024】
図2は本発明の画像形成方法に使用するための電子写真複写装置の一例の概略構成図である。上記の構成を有する電子写真感光体21の周囲に、接触帯電器22、露光装置23、現像器24、転写装置25、クリーニング装置26および除電器27が配設されている。除電器27は設けなくても構わない。電子写真感光体21は、矢印方向に回転して、接触帯電器22により一様に帯電された後、露光装置23によって像露光され、形成された静電潜像は、次いで現像器24でトナーによって顕像化される。次いで、コロナ帯電器等の転写装置25により転写紙28に転写され、定着装置29によってトナー像が定着される。電子写真感光体21の表面に残留するトナーは、ブレードクリーナー等を備えたクリーニング装置26によってクリーニングされ、除電器27により除電される。除電された後の電子写真感光体は、再び次のサイクルにおいて接触帯電器22によって一様帯電され、上記したように画像形成が行われる。
【0025】
本発明における接触帯電を採用する画像形成方法は、コロトロンによる帯電を採用する画像形成方法に較べて残留電位上昇の抑制効果が高いので好ましい。接触帯電は、導電性部材を用いて行うが、導電性部材の形状は、ブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ロール状等、いずれのものでもよいがロール状のものが特に好ましい。ロール状の導電性部材の場合は、一般に金属等の導電性芯材、導電性弾性層および表面層より構成される。導電性弾性層としては、ゴム材に導電性粒子或いは半導電性粒子を分散させたものが使用され、表面層としては、弾性ゴム材料に導電性粒子または半導電性粒子を分散させた抵抗率103 〜1014Ω.cmのものが使用される。
【0026】
帯電に際しては、導電性部材に電圧を印加するが、印加電圧としては、直流に交流を重畳したものが好ましい。電圧の範囲としては、直流電圧は正または負の50〜2000Vの範囲が好ましく、また、重畳する交流電圧は、ピーク間電圧400〜1800V、周波数100〜2000Hzの範囲のものが好ましく使用できる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお「部」は全て「重量部」を意味する。
実施例1
4部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S,積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30部および有機シラン化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3部を追加混合攪拌し、下引き層形成用の塗布液を得た。
この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された30mmφのED管アルミニウム基体の上に塗布し、室温で5分間風乾を行った後、50℃で10分間の基体の昇温を行い、50℃、85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れ、20分間加湿硬化促進処理を行った後、微風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行った。
【0028】
電荷発生材料として、塩化ガリウムフタロシアニン15部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10部、n−ブチルアルコール300部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液を、上記下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン4部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)6部とをクロルベンゼン80部を加えて溶解した。得られた溶液を用いて、塗布乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、三層からなる電子写真感光体を作製した。
【0029】
次に、組成比約4:7:2(重量比)であるスチレン−メチルメタクリレート−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体よりなる加熱残分約38%のアクリルポリオール(GR4026C、関西ペイント社製)170部に、酸化錫微粉末(S−1、三菱マテリアル社製)(粒径1.3μm以下約90%、0.15μm以下約30%、0.15〜0.25μm約30%の粒度分布を有する)100部および尿素5部を加え、キシレンを主剤としたシンナー(レタンシンナー、関西ペイント社製)90部、10mm直径のステンレス鋼製球形メディア4000部を直径約160mm、高さ170mmのステンレス鋼製ボールミルポットに入れ、60rpmにて24時間分散処理を行って混合した。その後、フィルターを通して、この酸化錫微粉末を分散した樹脂混合物を取り出し、前記したシンナーを更に400部追加して混合した。更にこれに24部のヘキサメチレンジイソシアネートを硬化剤として加えた。酸化錫微粉末の配合割合は、結着樹脂100部に対し、155部であった。
【0030】
得られた塗布液を、前記のようにして形成した電荷輸送層の上にスプレー塗布し、膜厚約3μmの表面層を形成した。スプレー塗布には、岩田自動スプレーガンSA−88(岩田塗装機工業社製)を使用し、空気圧力3kg/cm2 、塗布液噴出量約110cc/分、パターン開度約130mmの条件で、約50cmの距離に離して、アルミニウム基体を70rpmで回転させながら電荷輸送層の表面にスプレー塗布を行った。その後、この形成された塗布層を120℃で4時間の硬化、乾燥を行い、目的とする磨耗性能が優れ、残留電位の高くならない表面層を有する電子写真感光体を得た。
【0031】
この電子写真感光体を、接触帯電ロール方式を採用するプリンター(PC−PR1000/4R、日本電気社製)(Laser Write Select61C,マッキントッシュ社製)に装着し、低温低湿下において、連続して約10000枚の複写操作を行ったところ、その間画質に関わる問題の発生はなかった。この時の電子写真感光体の残留電位を測定したところ、約−100Vであり、使用上では全く問題のないレベルであった。複写物10000枚を採取するに至るまで、電子写真感光体の表面を3回観察したが、表面は清浄な状態であることが確認された。なお、この電子写真感光体について、接触帯電方式による電気特性試験器により、低温低湿にて明減衰性能を測定したところ、約−360Vに帯電した電子写真感光体に対して、測定開始後35サイクル目に、波長780nmの光を約4mJ/m2 の露光をした場合には、電位が約−105Vに減衰した。図3に明減衰特性を示す。引き続き高湿高湿において、約10000枚の複写物を採取したが、この間、像にじみ等の問題の発生もなく、また電子写真感光体の表面も極めて清浄であることが確認された。
【0032】
比較例1
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層および電荷輸送層を形成した。 次に、実施例1と同様のスチレン−メチルメタクリレート−ヒドロキシルエチルメタクリレートからなるアクリルポリオールに酸化錫微粉末(S−1)58部のみを加える以外は実施例1と同様に添加し、ボールミルにて分散し、塗布液を得た。これを実施例1で使用したものと同様のスプレー塗布装置により、約4μmの膜厚に塗布、硬化、乾燥して、耐磨耗性の表面層を形成した。得られた電子写真感光体をプリンター(PC−PR1000/4R、日本電気社製)に装着し、低温低湿下、2500枚の連続複写操作を行ったところ、約1100枚を経過した頃より、画像濃度の低下が認められるようになった。このプリンターは像部分を露光し、現像バイアスからの差分の部分にトナーを乗せる、いわゆるイメージライティング方式のため、感光体露光部分の電位が充分に低下していないものと推測された。この確認のため、現像位置での電子写真感光体の電位を測定したところ、約200Vとなっており、現像バイアスが250Vであるから、50Vの現像電界しか確保できず、像濃度が低下したと言える。上記したように、残留電位の上昇による感光体明減衰の裾が高くなる点で、実施例1の場合よりも劣っていた。
【0033】
実施例2
実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層および電荷輸送層を形成した。 次に、実施例1と同様のアクリルポリオール230部に酸化アンチモン・酸化錫混合微粉末(T−1、三菱マテリアル社製)60部を加え、直径約160mm、高さ170mmのステンレス鋼製ボールミルポットに、キシレンを主剤とするシンナー(レタンシンナー、関西ペイント社製)40部および直径10mmのガラス製メディア1100部を入れ、20時間にわたり、60rpmで混合し、分散させた。
【0034】
実施例1と同様に処理し、更にレタンシンナー360部を追加し、ヘキサメチレンジイソシアネート35部を硬化剤として加えた。これに尿素10部を加え、更にリン系酸化防止剤:トリスフェニルホスファイト8.7部を添加し、表面層形成用塗布液を得た。表面層全体に占める尿素の重量比は約6%であり、リン系酸化防止剤の重量比は約5%であった。この塗布液を、実施例1と同じ装置により、約4μmの膜厚にスプレー塗布した。その後140℃で5時間の乾燥を行って、目的の電子写真感光体を得た。
【0035】
この電子写真感光体を、プリンター(PC−PR1000/4R、日本電気社製)に装着し、低温低湿、高温高湿の環境下、一日毎交互に繰り返し複写操作を行った。その間低温低湿にて約10000枚の複写物を採取した時点で残留電位を測定したところ、約−90Vであった。約15000枚採取した時点で、感光体表面を観察したが、表面状態は極めて良好であり、付着、部分的磨耗、汚れ等は全く観察されなかった。また、クリーニング用ブレードの当接部分と非当接部分の境界も分からなかった。更に継続して追加の複写操作を行い、35000枚の複写物を得たが、その間、画質に関するトラブルは認められなかった。その際の表面層の磨耗量は0.3μmであった。
【0036】
(接触帯電方式とコロトロン帯電方式による残留電位上昇差の比較試験)
実施例1の電子写真感光体について、コロトロンによる帯電方式の電気特性試験器により常温常湿にて明減衰特性を調査した。約−360Vに帯電した電子写真感光体に対して、測定開始後35サイクル目に、波長780nmの光を4mJ/m2 の露光をした場合、電位が約−77Vであった。明減衰後の電位に上昇傾向が見られたため、確認のため1000サイクル迄の電位を追跡したところ−102Vまでの表面電位の上昇が認められた。帯電装置の比較のため接触帯電方式による電気特性試験器により1000サイクル迄の電位を追跡したところ、−69Vで上昇は見られなかった。その結果を図5に示す。図5において、Aは接触帯電方式による場合、Bはコロトロン帯電方式による場合を示す。この結果から次のことが推測される。すなわち、接触帯電方式では、帯電ロールが電荷を溜めこむと推定される表面層に直接当接しているため、帯電時の放電によりバルク中の電荷が解放されるのではないかと考えられる。したがって、本発明の電子写真感光体は表面に当接させた導電性部材に電圧を印加する接触帯電方式で使用した場合に、特にその性能を発揮させることが可能である。
【0037】
【発明の効果】
上記したように、本発明においては、表面層に結着樹脂および尿素を含有させたことにより、表面層が低摩擦性であって耐磨耗性に優れたものとなり、そしてこの表面層を設けた本発明の電子写真感光体は、高湿下で画像にじみの発生を抑制し、かつ、低湿下においても残留電位が上昇しないものとなる。更に表面層に酸化防止剤を添加した場合には、高温高湿下での放電生成物の生成が抑制され、その付着により発生する問題が抑制され、また、耐磨耗性能も向上する。更に本発明の電子写真感光体は、耐磨耗性、耐汚染性、表面潤滑性に優れているため、それを接触帯電方式を採用することにより、より効果的に残留電位の上昇が抑制される。したがって、この電子写真感光体を用いた接触帯電方式を採用する本発明の画像形成方法は、長期にわたって、画像にじみのない良好な画質の画像を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面図である。
【図2】 本発明の画像形成方法に用いるための電子写真装置の概略構成図である。
【図3】 実施例1および比較例1の電子写真感光体の明減衰特性を示すグラフである。
【図4】 尿素をポリウレタン樹脂に分散した膜について、カールフィッシャー法により含水率を調べた結果を示すグラフである。
【図5】 実施例1により作製した電子写真感光体を、電気特性試験器により約−360Vに帯電し、波長780nmの光を4mJ/m2 の露光を継続し、1000サイクル迄の電位変動を示すグラフである。
【符号の説明】
11…導電性基体、12…下引き層、13…電荷発生層、14…電荷輸送層、15…表面層、21…電子写真感光体、22…接触帯電器、23…露光装置、24…現像器、25…転写装置、26…クリーニング装置、27…除電器、28…転写紙、29…定着装置。

Claims (2)

  1. 導電性基体上に、電荷発生層と電荷輸送層と表面層とを有する電子写真感光体において、前記表面層が結着樹脂と尿素とを含むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 電子写真感光体を帯電させた後、前記電子写真感光体上に静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像により可視画像とする画像形成方法において、前記電子写真感光体として、導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層と表面層とを有し、前記表面層が結着樹脂と尿素とを含む感光体を使用し、前記帯電を電子写真感光体に当接した導電性部材に電圧を印加することによって行うことを特徴とする画像形成方法。
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