JPH10268544A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH10268544A
JPH10268544A JP9073667A JP7366797A JPH10268544A JP H10268544 A JPH10268544 A JP H10268544A JP 9073667 A JP9073667 A JP 9073667A JP 7366797 A JP7366797 A JP 7366797A JP H10268544 A JPH10268544 A JP H10268544A
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JP
Japan
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layer
intermediate layer
aluminum
aluminum substrate
alumite
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JP9073667A
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Toshio Kobayashi
利夫 小林
Kazuki Kubo
一樹 久保
Kazuko Wakita
佳寿子 脇田
Isamu Nagae
偉 長江
Takamitsu Fujimoto
隆光 藤本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒点および地かぶりを防止し、耐刷性に優れ
た電子写真用感光体を得る。 【解決手段】 表面にアルマイト層を有するアルミニウ
ム基体上に、順次中間層と感光層とを備える。中間層
は、5〜20重量%の光導電性材料を含有し、かつ膜厚
が0.5〜5μmであり、アルマイト層+中間層の直流
電圧20V印加時における抵抗値が109〜3×1010
(Ω/3.14cm2)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムの酸
化皮膜を有するアルミニウム基体上に感光層を設けた電
子写真用感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体としては、セレ
ン系、硫化カドミウム、酸化亜鉛系およびアモルファス
シリコン系などの無機系感光体が用いられてきた。しか
し、材料が毒性を有することや感光体として耐湿性に劣
りしかも製造コストが高いなどの問題があった。
【0003】近年、有機系光導電性材料を用いた有機系
感光体は、無公害の材料を選択することが容易で製造コ
ストが低く、特性面においても高感度で高耐刷性である
ので、無機系感光体に代わって多く用いられるようにな
ってきている。
【0004】実用化されている有機系感光体の多くはい
わゆる積層型感光体で、アルミニウム基体上に少なくと
も電荷発生層と電荷輸送層を設けたもので、これらは、
通常、ディップコート法またはリングコート法などによ
ってアルミニウム基体上に積層されている。この時、感
光体の局所帯電不良に基づく黒点や地かぶりの現象が発
生しないように、アルミニウム基材上にブロッキング層
(中間層)としてポリアミド系樹脂をコートしたり(特
開昭58―30757号公報)、陽極酸化によりアルミ
ニウム基材を処理してアルマイト層としたり(特公平7
―27264号公報)してアルミニウムからの電荷注入
対策を講じている。
【0005】このような感光体に用いられるアルミニウ
ム基材は、通常、押し出し成形で製造加工され所定の形
状とされるが、近年ビジネス文書などのカラー化が進
み、アルミニウム基体の加工寸法精度による濃度ムラの
影響が無視できなくなりつつあり、加工精度が求められ
るようになってきている。
【0006】さらに、これら基体上に設けられる有機系
感光体としては、オフィス環境の問題から、オゾン発生
量が少ない正帯電型が望まれており、フタロシアニン系
光導電性粒子をバインダー樹脂中に分散させた感光体が
検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の樹脂ブロッキング層(特開昭58―30757号公
報)は高湿度下ではその電気抵抗が著しく低下するとい
う問題があった。また、上記従来のアルマイト層(特公
平7―27264号公報)はインピーダンスが1〜20
0KΩと低いため黒点や地かぶりの対策として十分とは
言い難いので、アルマイト層の封孔度を高めることによ
りインピーダンスを向上させようとすると、感光層の加
熱硬化時にアルマイト層にクラックが発生するという問
題が生じる。
【0008】また、オゾン発生量が少ない正帯電型感光
体として、特開平1―169454号公報に開示されて
いるフタロシアニン系感光体は耐刷性が十分ではないと
いう問題があった。
【0009】また、積層型感光体では、記録画像の解像
度が不十分であるという問題があった。
【0010】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたもので、黒点および地かぶりを防止し、耐刷性に
優れた電子写真用感光体を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の電子
写真用感光体は、表面にアルミニウム酸化皮膜を有する
アルミニウム基体と、この基体上に、順次、中間層およ
び光導電性材料を含有した感光層を備え、上記中間層
は、5〜20重量%の光導電性材料を含有し、かつ膜厚
が0.5〜5μmであり、上記アルミニウム酸化皮膜と
上記中間層との積層の直流電圧20V印加時における抵
抗値が109〜3×1010(Ω/3.14cm2)のもの
である。
【0012】本発明に係る第2の電子写真用感光体は、
上記第1の電子写真用感光体のアルミニウム酸化皮膜の
膜厚が3〜15μmのものである。
【0013】本発明に係る第3の電子写真用感光体は、
上記第1または第2の電子写真用感光体のアルミニウム
基体が、真円度、円筒度および同軸度が100μm以下
である円筒状体のアルミニウム基材の表面をアルミニウ
ム酸化皮膜としたものである。
【0014】本発明に係る第4の電子写真用感光体は、
上記第1ないし第3の電子写真用感光体の感光層が、無
金属フタロシアニンとバインダー樹脂からなる単層のも
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真用感光体は、ア
ルミニウム基体上に、順次、中間層と光導電性材料を含
有した感光層とを設けたものである。上記アルミニウム
基体は、表面にアルミニウム酸化皮膜(以下アルマイト
層と記す。)を有したものであり、上記中間層は光導電
性材料を5〜20重量%含有し、膜厚が0.5〜5μm
であり、上記アルマイト層と中間層との積層(以下、ア
ルマイト層+中間層と記す。)の抵抗値は直流電圧20
V印加時で109〜3×1010(Ω/3.14cm2)で
ある。
【0016】アルマイト層+中間層を上記抵抗値とする
ことで、高い破壊電圧値とすることができ、黒点および
地かぶりを防止し、耐湿性および耐刷性を向上させるこ
とができる。これによって、連続使用によっても安定し
た画質を得ることができる。かつ、中間層により抵抗値
を制御できるため、アルマイト層の封孔度を高める必要
がなく、感光層の硬化時のアルマイト層のクラックが防
止できる。
【0017】上記アルミニウム基体は、例えば陽極酸化
によりアルミニウム基材の表面をアルミニウムの酸化皮
膜であるアルマイト層とすることにより得られる。
【0018】上記アルミニウム基材には、例えばアルミ
ニウム/マンガン系の3000系合金、アルミニウム/
マグネシウム/シリコン系の6000系合金等のアルミ
ニウム合金材が用いられている。上記アルマイト層は、
上記アルミニウム基材を公知の方法、例えば硫酸、クロ
ム酸、シュウ酸等の酸性浴中で陽極酸化処理することに
よって形成することができるが、硫酸中での陽極酸化処
理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処
理の場合、硫酸濃度は100〜250g/l、アルミニ
ウムイオン濃度1〜15g/l、液温20℃前後、電解
電圧10〜20Vの範囲内に設定されることが好ましい
が、これに限定するものではない。これら陽極酸化処理
の前に、アルミニウム基材は、界面活性剤や有機溶剤お
よび電解などで脱脂処理されることが好ましい。
【0019】上記アルマイト層は必要に応じて封孔処理
をしてもよい。封孔処理方法は通常の方法でよく、主成
分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬する封
孔処理方法が望ましい。酢酸ニッケル水溶液を用いる場
合の濃度は3〜20g/lの範囲内、pHは5〜6、処
理温度は55〜95℃、好ましくは60〜90℃で、処
理時間3分以上であるのが好ましい。次いで水洗、乾燥
を行う。この時の封孔処理が過剰となると感光層の加熱
硬化中にアルマイト層にクラックが生じる。アルマイト
層のクラックは、絶縁破壊強度の低下による耐刷性の低
下、アルミニウム基体からの電荷注入による黒点欠陥の
原因となるため好ましくない。封孔処理後のアルミニウ
ム基体は、シリカゲル等の乾燥剤と共に保管するほうが
封孔度の進展が少なく好ましい。
【0020】上記アルマイト層の封孔度の目安として
は、アドミッタンス(Y値)で表すことができ、封孔処
理2日後、80〜200μSの範囲にあることが好まし
い。アドミッタンスは、JIS H8683に準じて測
定した。即ち、試験液は3.5重量%硫酸カリウム水溶
液を用い、測定面積29mm2、測定周波数1KHzで
アルマイト封孔度測定器{商品名:アノテスト,フィッ
シャー製}を用いて測定した。
【0021】上記中間層は、上記アルミニウム基体のア
ルマイト層上に例えばフタロシアニン系等の光導電性材
料を5〜20重量%含有した樹脂組成物を塗布後、12
0℃〜160℃で、1〜3時間加熱硬化させることによ
り膜厚が0.5〜5μmとなるように設ける。上記中間
層の光導電性材料の含有量が5重量%未満の場合、感光
体の光感度が悪くなり、20重量%を越えると中間層と
して均一に塗布することが困難になる。 また、中間層
の膜厚が0.5μm未満の場合、中間層のピンホールを
無くすことが困難となり、5μmを越えると抵抗値が大
きくなり、感光体の光感度が低下する。
【0022】上記中間層としては、上記の他にも無金属
フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、銅フタロシ
アニンなどのフタロシアニン系の内の1種または2種以
上を組み合わせたものを、バインダー樹脂中に分散させ
たものが優れている。中でも、無金属フタロシアニン
{商品名:Fastogen Blue 8120−B
S,大日本インキ化学工業(株)製}を用いて単層型感
光層としたものは電子写真特性の安定性が特に優れてい
る。バインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂系、エ
ポキシ樹脂系等の熱硬化性樹脂等が単独あるいは組み合
わせて上記と同様に使用できる。なお、これらのバイン
ダー樹脂に変性メラミン樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を添
加してもよい。
【0023】また、上記中間層に、必要に応じ、接着性
を向上させる目的で、エポキシシラン系カップリング
剤、フェニルシラン系カップリング剤、アルキルシラン
系等のシランカップリング剤を添加しても良い。
【0024】以上のように形成されたアルマイト層+中
間層の抵抗値は、次のようにして測定することができ
る。まず、中間層表面に主電極として20mmφのアル
ミニウム電極を蒸着により設ける。次に、150℃で、
2時間乾燥させ、デシケータ中で2時間放置冷却した
後、直流20V印加したときの電流値の変化をpAメー
ター{商品名:4140B,横川ヒューレット・パッカ
ード(株)製}で読みとり、1分値の値から抵抗値を計
算することで求められる。
【0025】ここで、直流電圧20V印加時の抵抗値が
109〜3×1010(Ω/3.14cm2)であるアルマ
イト層+中間層を得るには、アルマイト層の膜厚または
中間層の膜厚を調節することにより得られるが、アルマ
イト層の膜厚が厚い場合には、感光層硬化時にアルミニ
ウムとアルマイトの熱膨張率の違いによりアルマイト層
にクラックが生じクラック部からの電荷注入による黒点
発生の原因となる。また、アルマイト層の膜厚が薄い場
合には、アルマイト層の破壊電圧値が極端に低下し感光
体としての耐刷性低下の原因となる。このような観点か
ら、アルマイト層の膜厚は、3〜15μm、特に4〜9
μmの範囲で形成することが好ましい。
【0026】上記アルミニウム基材としては円筒状体の
ものが用いられ、その真円度、円筒度および同軸度が1
00μm以下であり、特に50μm以下のものが好まし
い。上記アルミニウム基材の真円度、円筒度および同軸
度が100μmを越えたもので作製した感光体を、プリ
ンターに適用したとき、印画物に濃度ムラが生じ好まし
くない。上記真円度、円筒度および同軸度は、マンドレ
ル押し出しまたはポートホール押し出しから作製した円
筒状体を切削加工、ブラスト処理またはホーニング処理
などの加工を行うことで得られる。
【0027】本発明の感光層としては、有機系の各種光
導電層が使用できるが、電荷発生材料として無金属フタ
ロシアニン、チタニルフタロシアニン、銅フタロシアニ
ンなどのフタロシアニン系の内の1種または2種以上を
組み合わせたものを、バインダー樹脂中に分散させた単
層型の感光層が優れている。バインダー樹脂としては、
ポリエステル樹脂系、ポリカーボネート樹脂系、ポリビ
ニルブチラール樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリスチレン
樹脂等が単独あるいは組み合わせて使用できる。特に、
中間層と同一の樹脂系を用いることで、中間層との一体
化がより起こりやすくなる。
【0028】上記感光層が、無金属フタロシアニンとバ
インダー樹脂からなる単層であると、高解像度、高画質
で、耐刷性に優れ、かつオゾン発生量を低減させること
ができる。
【0029】また、本発明の感光層に、必要に応じ、耐
刷性を向上させる目的で、シリコーン系化合物、オゾン
分解性化合物および酸化防止剤等を添加しても良い。
【0030】なお、本発明の電子写真用感光体において
は、現像、転写およびクリーニング工程において機械的
摩擦から保護する目的で、アクリル樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、イソシアネート系樹脂およびポリエ
ステル樹脂などの保護層を設けても良い。
【0031】さらに、本発明の電子写真用感光体の感光
層においては、光感度を向上するために、テトラシアノ
エチレンやテトラシアノキノジメタンなどの電子受容性
物質を添加しても良い。
【0032】
【実施例】
実施例1.表面を鏡面仕上げした96mmφ、366m
m長さ、肉厚1.5mm、インロー加工部の肉厚1.0
mmの円筒状体で、その真円度、円筒度および同軸度が
100μm以下のアルミニウム基材を用いた。図1は本
発明の実施例の電子写真用感光体に用いた上記アルミニ
ウム基材の構成を示す図で、真円度、円筒度および同軸
度の測定方法を説明するための図である。図1におい
て、(a)は円筒状のアルミニウム基材の横断面図、
(b)は(a)におけるI−I線断面図である。図1
(a)において、数値の単位はmmで、A、B、Cは真
円度および円筒度を測定するための円筒の外筒側の円周
上の位置を示す。同軸度は円周AおよびCの内筒側に沿
って設けた測定点y1〜y8で基準軸を設定し、円周A、
B、Cに沿った測定点x1〜x8を計測してそれらの中心
を求め、基準軸からのズレとして求めた。なお、本実施
例においては、上記円周A、B、Cを図に示すようにア
ルミニウム基材の中央部の円周Bと両端から10mm内
側の円周A、Bに設定した。同軸度の測定条件は、20
±0.5℃、50±10%RH、クリーン度クラス1万
の環境下で、三次元測定圧0.1Nで、上記測定点で、
JIS B0621に準拠して測定した。また、真円
度、円筒度もJIS B0621に準拠して測定した。
同軸度、真円度および円筒度を表1に示す。なお、真円
度および円筒度は真円度測定機{商品名:ロンコム52
B−510,(株)東京精密製}で、同軸度は超精密3
次元測定機{商品名:PMM654,Leitz}で測
定した。
【0033】
【表1】
【0034】上記アルミニウム基材を脱脂剤{商品名:
DKビークリヤCW−4130,第一工業製薬(株)
製}を15%濃度になるよう水で希釈したものを用い
て、55℃で10分かけて脱脂洗浄を行い、水洗いした
後エッチングを行い、さらに水洗いした。次に、電解質
溶液として160g/lの硫酸を用いて、上記脱脂洗浄
を行ったアルミニウム基材を直流電圧20Vで15分間
陽極酸化を行い上記アルミニウム基体表面を平均膜厚7
μmの陽極酸化皮膜のアルマイト層とした。このように
して製造したアルミニウム基体をアルミニウム基体aと
する。
【0035】次に、水洗後、酢酸ニッケルを主成分とす
る封孔剤の8g/l水溶液に、68℃で5分間浸漬して
封孔処理を行い、純水で洗浄して乾燥した。この2日後
のアドミッタンスは125μSであった。
【0036】一方、無金属フタロシアニン{商品名:F
astogen Blue 8120−BS,大日本イ
ンキ化学工業(株)製}5g、ポリエステル樹脂{商品
名:アルマテックスP−645,三井東圧化学(株)
製}9g、ポリエステル樹脂{登録商標:バイロンRV
−200,固形分30%のトルエン/メチルエチルケト
ン(MEK)溶液,東洋紡績(株)製}55g、ブチル
化メラミン樹脂{商品名:ユーバン20HS,三井東圧
化学(株)製}8g、トルエン170g、MEK40g
および1mmφのガラスビーズ100gを加え、ペイン
トシェーカーで、3時間粉砕し分散処理を行った。この
分散液に先に表面をアルマイト層としたアルミニウム基
体aを浸漬塗工した後、150℃、3時間加熱硬化して
アルマイト層上に約1.5μmの中間層を形成した。
【0037】上記アルマイト層+中間層の直流電圧20
V印加時の抵抗値は4.5×109Ω/3.14cm2
あった。
【0038】また、上記アルマイト層+中間層の導通試
験を、ピンホールテスタ{商品名:Pinhole Detector T
YPE TRD,(株)サンコー製}で行った。導通電位は、
1.5kVであった。
【0039】一方、無金属フタロシアニン{商品名:F
astogen Blue 8120−BS,大日本イ
ンキ化学工業(株)製}9g、ポリエステル樹脂{商品
名:アルマテックスP−645,三井東圧化学(株)
製}9g、ポリエステル樹脂{登録商標:バイロンRV
−200,固形分30%のトルエン/メチルエチルケト
ン(MEK)溶液,東洋紡績(株)製}55g、ブチル
化メラミン樹脂{商品名:ユーバン20HS,三井東圧
化学(株)製}8g、トルエン130g、MEK30g
および1mmφのガラスビーズ80gを加え、ペイント
シェーカーで、2時間粉砕し分散処理を行った。この分
散液に、上記中間層を設けたアルミニウム基体aを浸漬
塗工した後、150℃で3時間加熱硬化して、約15μ
mの感光層を形成し、本発明の一実施例の電子写真用感
光体を作製した。この電子写真用感光体を感光体Aとす
る。
【0040】実施例2〜7.実施例1において、アルマ
イト層の膜厚、アルマイト層の封孔処理条件、中間層の
膜厚およびフタロシアニン配合量またはアルミニウム基
材の真円度、円筒度および同軸度を表2に示す通りに変
えた以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム基体b
〜gを作製した。なお、これらのアルマイト層のアドミ
ッタンス(Y値)、アルマイト層+中間層の抵抗値およ
び導通電位、アルミニウム基材の真円度、円筒度および
同軸度を実施例1と同様に測定し結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】次に、上記アルミニウム基体b〜gを用い
て、実施例1と同様な方法で感光体B〜Gを作製した。
【0043】比較例1〜4.実施例1において、アルミ
ニウム基材のアルマイト層の膜厚、アルマイト層の封孔
処理条件または中間層の膜厚およびフタロシアニン配合
量を表3に示す通りに変えた以外は、実施例1と同様に
してアルミニウム基体h〜kを作製した。なお、これら
のアルマイト層のアドミッタンス(Y値)、アルマイト
層+中間層の抵抗値および導通電位、アルミニウム基材
の真円度、円筒度および同軸度を実施例1と同様に測定
し結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】次に、上記アルミニウム基体h〜kを用い
て、実施例1と同様な方法で感光体H〜Kを作製した。
感光体Iは、加熱硬化後、アルマイト層にクラックが発
生していた。
【0046】以上のように作製した感光体A〜Kを、解
像度600dpiのレーザープリンターに装着して、各
環境条件下でベタ白画像における黒点欠陥の評価、25
℃、55%RHでベタ黒画像における濃度ムラおよび3
5℃、85%RHで耐刷性評価を行った。その結果を表
4に示す。表中、○は黒点欠陥無し、△は一部黒点欠陥
有り、×は全体に黒点欠陥有りを示す。
【0047】
【表4】
【0048】それによると、実施例1〜7により得られ
た感光体A〜Gは耐刷性に優れ、高湿下でも黒点欠陥が
見られず耐湿性に優れ、また実施例1〜6により得られ
た感光体A〜Fは濃度ムラもないことが示されている。
一方、例えば中間層が無い場合や、抵抗値が所定範囲を
はずれると、特に高温高湿下で黒点欠陥の発生が顕著と
なり、耐刷性および耐湿性に劣ることが示されている。
【0049】
【発明の効果】本発明の第1の電子写真用感光体は、表
面にアルミニウム酸化皮膜を有するアルミニウム基体
と、この基体上に、順次、中間層および光導電性材料を
含有した感光層を備え、上記中間層は、5〜20重量%
の光導電性材料を含有し、かつ膜厚が0.5〜5μmで
あり、上記アルミニウム酸化皮膜と上記中間層との積層
の直流電圧20V印加時における抵抗値が109〜3×
1010(Ω/3.14cm2)であり、黒点および地かぶ
りを防止し、耐湿性および耐刷性を向上させることがで
きるという効果がある。
【0050】本発明の第2の電子写真用感光体は、上記
第1の電子写真用感光体のアルマイト層の膜厚が3〜1
5μmであり、容易に上記特定の抵抗値を得ることがで
きるという効果がある。
【0051】本発明の第3の電子写真用感光体は、上記
第1または第2の電子写真用感光体のアルミニウム基体
が真円度、円筒度および同軸度が100μm以下である
円筒状体のアルミニウム基材の表面をアルミニウム酸化
皮膜としたものであり、印画物に濃度ムラが生じるのを
防止できるという効果がある。
【0052】本発明の第4の電子写真用感光体は、上記
第1ないし第3の電子写真用感光体の感光層が、無金属
フタロシアニンとバインダー樹脂からなる単層のもの
で、高画質で、耐刷性に優れ、かつ、オゾン発生量を低
減させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係わるアルミニウム基材の
構成図である。
【符号の説明】
A、B、C 基材の円周上の位置 x1〜x8、y1〜y8
測定点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長江 偉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 藤本 隆光 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にアルミニウム酸化皮膜を有するア
    ルミニウム基体と、この基体上に、順次、中間層および
    光導電性材料を含有した感光層を備え、上記中間層は、
    5〜20重量%の光導電性材料を含有し、かつ膜厚が
    0.5〜5μmであり、上記アルミニウム酸化皮膜と上
    記中間層との積層の直流電圧20V印加時における抵抗
    値が109〜3×1010(Ω/3.14cm2)であるこ
    とを特徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 アルミニウム酸化皮膜の膜厚が3〜15
    μmであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真
    用感光体。
  3. 【請求項3】 アルミニウム基体は、真円度、円筒度お
    よび同軸度が100μm以下である円筒状体のアルミニ
    ウム基材の表面をアルミニウム酸化皮膜としたものであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真
    用感光体。
  4. 【請求項4】 感光層が、無金属フタロシアニンとバイ
    ンダー樹脂からなる単層であることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載の電子写真用感光体。
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