JP3030318B2 - プラスチック瓶ケース及びその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック瓶ケ
ース及びそのケースの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】プラスチ
ック瓶ケースは、通常は、２つの狭い側部壁と、２つの
長い側部壁と、開放された構造化底部とを有し、この底
部によって、好ましくは互に交差する仕切壁から成る隔
室の仕切壁が瓶ケース中に適宜形成される。これらの瓶
ケースは、もち運び用として、一般に、瓶ケースの単純
な手を入れられる開口によって形成されたとっ手を備え
ている。水平のとっ手として役立つ水平に延長する棒
は、ケースの上部縁と開口の下部縁とによって限定され
る。

【０００３】このような水平のとっ手は、通常は、Ｕ字
形、Ｃ字形又はＬ字形のプロフィルとして作成される。
これらのとっ手のプロフィルが楽なもち運びを許容しな
いことは別として、その破断安定性は十分とは言えな
い。特に全数の瓶を満たしたケースを頻繁に取扱う場合
には、とっ手が破損し易くなる。

【０００４】本発明は、ねじれ剛性が非常に高いことを
特徴とするプラスチック瓶ケースを製造する問題に基づ
いている。このねじれ剛性は、特にとっ手の領域、とり
わけ水平なとっ手の領域において実現し、それにより破
断安定性も高くし、重い荷重の下でもとっ手が破損しな
いようにするべきである。

【０００５】また、製造された瓶ケースは、そのねじれ
剛性が高いにも拘らず、印刷に適した滑らかな外面を備
えていることが望ましい。また瓶ケースのもち運び易さ
を高めることも必要とされる。

【０００６】本発明の目的は、係る問題を解消するプラ
スチック瓶ケース及びその製造方法を提供することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、４つの
側壁と、底部と、少くとも1つのとっ手とを備えたプラ
スチック瓶ケースであって、前記瓶ケースの少くともあ
る領域において形成され、全周に渡って封止された中空
補強チャンネルを備え、前記瓶ケースの中央部の領域に
おいて、瓶ケースの底部又は隔室の仕切壁から上方に延
長する２つの支持脚部と、横棒とからなる逆Ｕ字形の一
体成形の中央ハンドルを有し、前記横棒は把持部として
役立ち、かつ、前記支持脚部を互いに連結し、また、少
くとも前記横棒及び前記支持脚部の直接隣接する領域に
おいて、または、少くとも前記支持脚部及び前記横棒の
直接に隣接する領域において、若しくは、前記中央ハン
ドルの全長にわたって、中空の区画として形成された封
止プロフィルを設けたことを特徴とするプラスチック瓶
ケースが提供される。

【０００８】また、本発明によれば、上記本発明のプラ
スチック瓶ケースを製造する方法であって、前記中空補
強チャンネルを形成するために、前記プラスチック瓶ケ
ースを成形する間、当該ケースを成形するために型に噴
出された溶融材料へガスが選択的に側方から所定の圧力
下に噴出され、または、前記プラスチック瓶ケースを成
形する間、当該ケースを成形するために型に噴出された
溶融材料へガスが選択的にケースの底から所定の圧力下
に噴出され、前記ガスの流れは、前記とっ手におけるＵ
型中空補強チャンネルを形成するために、Ｕ型状に導か
れることを特徴とするプラスチック瓶ケースの製造方法
が提供される。

【０００９】更に、また、本発明によれば、上記本発明
のプラスチック瓶ケースを製造する方法であって、前記
中央ハンドルを有するプラスチック瓶ケースを成形する
ため、前記溶融材料及びガスは、前記中央ハンドルの前
記支持脚部のために前記瓶ケースの前記底部から型へ噴
出され、又は、前記支持脚部上端から、かつ/または、
前記中央ハンドルの前記横棒から噴出されることを特徴
とするプラスチック瓶ケースの製造方法が提供される。

【００１０】本発明においては、従来の技術に用いられ
る開放プロフィル形状は用いられない。瓶ケースの製造
に当って、ケースの成形用材料の溶融流中にガスが加圧
下に選択的に噴射され、ケースの材料中にキャビティが
形成されるので、中空の区画がケース中の所望の個所に
形成される。これらのキャビティ又は中空チャンネル
は、外部から適宜閉ざされる。

【００１１】瓶ケースの壁部の材料によって外周に沿っ
て閉ざされたこのキャビティは、とっ手の領域におい
て、箱形として、即ち閉ざされたプロフィルとして実現
可能な、ねじり剛性の特に高いとっ手の形成を許容し、
それによって持ち運び易さが高くなり、塵埃の集積が少
くなり、逆に言えば、瓶ケースの清掃がより容易にな
る。瓶ケースの臨界の領域に中空チャンネルを選択的に
噴射により形成することによって、瓶ケースの剛性も対
応して増大する。側部壁に成形によって形成される垂直
に延長する支持プロフィル又はケースのコーナープロフ
ィルに中空の構成を与えることは便利である。この構成
によりリブ構造がさけられるので、瓶ケースの清掃が簡
略化される。リブ構造が存在しないため、外面が著しく
滑らかとなり、それによって瓶ケースの清掃が簡単に行
なわれ、取扱いが容易となり、とっ手面も同様に滑らか
であれば、取扱い易さが改善される。

【００１２】側部壁上のリブの場合には、ガスは、長手
方向及び／又は横方向リブの領域に噴射される。これに
よって瓶ケースの強度値が高くなり、瓶ケースのリブか
らその内面への遷移が非常にソフトになる。これは、瓶
ケースの清掃にとって好つごうであると共に、塵埃の集
積を有効に防止する。

【００１３】瓶ケースの各々の側部壁は、閉ざされた中
空室と一体に有利に成形され、これらの中空室は、成形
中に溶融プラスチックにガスを噴射することによって形
成される。空気は、側部縁即ちコーナー域から、又はケ
ースの下面から噴射することができる。しかし逆にケー
スを噴射することが好ましい場合もあり、これは、閉ざ
されたキャビティと共に水平ハンドルを形成する場合に
特に有利となる。

【００１４】本発明においては、キャビティは、溶融材
料中にガスを同時にか又は時間遅れと共に噴射すること
によって瓶ケース中に選択的に形成できる。そのためキ
ャビティは、外部から見えなくなる。ガスは、非常に小
さなノズルを経て溶融プラスチック中に噴射される。ノ
ズルを適切に構成し方向付けることによって、キャビテ
ィの形成を選択的に変更できる。

【００１５】瓶ケースの壁部に形成されたキャビティの
膨大化を防止するために、適宜の個所に空気孔を配設
し、ガスの過圧の制御された減圧が実現されるようにし
てもよい。

【００１６】ノズルは、有利には、工具と共に多少とも
固定的に配置することが望ましく、完成された瓶ケース
は、工具から取除かれる際に、ノズルからもち上げられ
る。しかし、別の実施態様によれば、ノズルは、移動可
能に取付けられ、溶融材料中に進入するようにガスの噴
射のために前進させられる。注入工程の終了時に、ノズ
ルを引出すと、これらの小さな噴射口を自動的に閉ざさ
れる。これによって両端が閉ざされた中空チャンネルが
簡単に形成される。ノズルは、好ましくは、所望のキャ
ビティのできるだけ近くに配置する。

【００１７】これらの処置により、特にとっ手域のとこ
ろでねじれ剛性及び抗折力の増大に寄与するキャビティ
が選択的に形成可能となる。それと同時に、持ち運び易
さの点で不具合なＵ字形、Ｃ字形又はＬ字形その他のプ
ロフィルをとっ手に与えることによってとっ手の強度を
最適化することにもはや必要ではない。その代りに、と
っ手域において、小形の自閉された箱形プロフィルがコ
ンパクトな構成において実現可能となり、とっ手を楽に
掴むことが許容される。とっ手域に選択的にキャビティ
を形成することの別の利点は、瓶ケースの壁部の残部中
にキャビティを延在させることによって、壁部の残部中
に強度を継続させ、とっ手の抗折力を増大させうること
に存する。ガスの噴射はまた瓶ケースの製造中の材料の
節減に成果する。

【００１８】

【発明の実施の形態】次に、非常に概略的な図面を参照
して、本発明の好ましい代表的な実施の形態について説
明する。図１は、指を通すことのできる開口２を側部壁
に形成した瓶ケースの概略図であり、この開口２によっ
て、開口２の上方に残留するクロスバー即ち横棒（ケー
スの上部縁を同時に形成する）は、瓶ケースの実際のと
っ手３を形成する。図１は更に、瓶ケースの一方の内側
壁上に垂直方向及び水平方向に延長するリブ１も、非常
に概略的に図示し、これらのリブは、瓶ケースのねじれ
剛性を高める働きをしている。

【００１９】図２は、とっ手の通常の外形を、また図３
は、とっ手３の断面形状を示し、中空チャンネル６の形
状を表わしている。図３に示すように、中空チャンネル
の断面形状は、好ましくは、長楕円形とするが、円形で
もよい。

【００２０】図４は、側部壁４の通常のリブの形成を示
し、成形された瓶ケースの冷却の間にリブ域に生ずる成
形材料の異なる集まりによる沈みマーク５を表わしてい
る。図５はガスの噴射によって生じたチャンネル６によ
って補強を得るリブ形成１を示している。中空チャンネ
ル６は、リブ１の実質的に全長に亘って延長している。

【００２１】図６は、指を通すことのできる開口２の上
方にとっ手３を備えた瓶ケースの断面図であり、これに
より、ガスの噴出によって形成された中空チャンネル６
が、側部壁４の全長に亘って上部縁上に形成される。中
空チャンネル６は破線により示されている。チャンネル
６は、側部壁の一端から他端にかけて延長しており、瓶
ケースの成形の間にガスの側部噴出によって形成された
ものである。特に、中空チャンネル６は、とっ手３を経
て延長しているため、図３に示すようなとっ手が形成さ
れる。

【００２２】図７では、ガスは、ケースの底部から噴射
され、ガス流は、Ｕ字形に指向されるので、Ｕ字形の中
空チャンネル６が形成され、その結果として、ハンドル
３の中空の形状と、Ｕ字形の中空チャンネル６の中空の
脚部７によるケースの側部壁４の補強とが実現される。
これによって、明らかなように、非常に破損し難いとっ
手構造が実現される。

【００２３】図８によれば、２つの中空チャンネル６が
形成され、これらは、指を通すことのできる開口の両側
に１つずつ形成され、その結果として、特にとっ手域に
おいてねじれ剛性の非常に高い瓶ケースが得られる。こ
の態様は、ケースの内部に収容された瓶のための観視域
として役立つ非常に大きな複数の開口を側部壁に備えた
瓶ケースにも特に適合している。中空チャンネル６を窓
形の開口の縁部に沿って方向決めすることも有利とな
る。

【００２４】図９では、Ｕ字形の中空チャンネル６が形
成される。瓶ケースのコーナー域は、垂直に延長する中
空チャンネル６によって補強されるため、これらのチャ
ンネルは、上端８では閉ざされるが、底部では開放され
ている。しかしＵ字形の中空チャンネルの場合には、底
部に向って開放される両方の下方端は、好ましくは閉ざ
される。

【００２５】これは図６、７、８に示した中空チャンネ
ル６の端部についても同様である。

【００２６】図１０は、本発明に係るプラスチック瓶ケ
ースであって、中央ハンドル１１を備えた瓶ケースを示
すが、図１０には、把持部として役立つ横棒１２のみが
図示されている。中央ハンドル１１は、２つの向い合う
支持脚部１３の形で、仕切壁からか又は瓶ケースの底部
から上方に延長しており、これらの支持脚部は、実質的
に水平な横棒１２中に開口し、この横棒及び瓶ケースの
残部と一体的に形成されている。

【００２７】図示した例では、この中央ハンドル１１
は、特に図１１に示した横棒１２の断面図からわかるよ
うに、中央ハンドル１１の全長に亘って、即ち、２つの
支持脚部１３の全長及びこれらの支持脚部を互に連結す
る横棒１２の全長に亘って、閉ざされた中空の区画（１
５によって示す）として形成されている。中央ハンドル
１１の中空の区画１５は、その両端において、即ち中央
ハンドルがケースの底部又は仕切壁中に開口される領域
において、開放されていても、閉止されていてもよい。

【００２８】中空の区画１５は、瓶ケースの成形の間に
溶融材料中にガスを吹込むことによって形成する。ガス
はそれによって成形部分の延性のコア中に流入して、材
料と混合することなく、中央ハンドルを形成するので、
噴射されたガスのクッションによって、中央ハンドル１
１中にキャビティが形成される。

【００２９】このキャビティ１５は、溶融材料の固化前
にノズルを引出すか又は溶融材料の固化前にノズルか
ら、即ち工具から成形ボックスを全体として引出すこと
によって、中央ハンドル１１の両端において、即ち瓶ケ
ース底部又は壁部中に開口する領域において閉ざされ
る。他の適宜の手段によってキャビティを閉ざしてもよ
い。

【００３０】特に横棒１２中にキャビティを形成するた
めに、或る領域のみにおいて中空のチャンネル１５を形
成することによってこのキャビティを隣接した垂直支持
ストリップの縁部域中に或る距離に亘り延長させてもよ
い。実質的に垂直支持脚部１３の領域にキャビティを形
成することによって、このキャビティが、横棒１２の隣
接域中に少し入りこむようにしてもよい。両方の支持脚
部１３にキャビティを形成する場合、中央ハンドル１１
の両側から噴射することができる。好ましい実施態様に
よれば、ガスは、２０４kg／cm²（２００バール）の圧
力において噴射させた。

【００３１】キャビティが形成される中央ハンドルの他
に、瓶ケースの壁部の領域、例えば瓶ケースのコーナー
又は垂直に延長する支持プロフィル（図中１４によって
示し、その１つは図２に縦断面図によって示す。）に
も、ガスの噴射によって中空の区画を形成してもよい。

【００３２】特に全面及び両端において閉ざされた中空
の区画の形成によって、瓶ケースの製造に際して材料が
節減されるだけでなく、瓶ケースが実質的に補強される
と共に、安定化され、とっ手の抗折力が増大する。

【図面の簡単な説明】

【図１】水平とっ手を瓶ケースの側部壁に、また補強リ
ブをその内側壁にそれぞれ形成した瓶ケースの斜視図で
ある。

【図２】従来のとっ手の種々の断面図である。

【図３】とっ手の対応する断面図である。

【図４】瓶ケースの１つの側部壁に通常のように成形に
よって形成した補強リブを示す断面図である。

【図５】リブの断面図である。

【図６】とっ手にキャビティを形成するための好ましい
ガス噴射方向を示す図である。

【図７】Ｕ字形中空チャンネルを有する瓶ケースの１つ
の側部壁を示す図である。

【図８】瓶ケースのキャビティ形成のそれぞれ別の実施
例を示す図である。

【図９】瓶ケースのキャビティ形成のそれぞれ別の実施
例を示す図である。

【図１０】本発明のプラスチック瓶ケースの頂面図であ
る。

【図１１】図１１の断面図である。

【符号の説明】

１１ 中央ハンドル １２ 横棒 １３ 支持脚部 １５ 封止プロフィル

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ４つの側壁(4)と、底部と、少くとも1つ
   のとっ手(3)とを備えたプラスチック瓶ケースであっ
   て、 前記瓶ケースの少くともある領域において形成され、全
   周に渡って封止された中空補強チャンネル(6)を備え、 前記瓶ケースの中央部の領域において、前記瓶ケースの
   前記底部又は隔室の仕切壁から上方に延長する２つの支
   持脚部(13)と、横棒(12)とからなる逆Ｕ字形の一体成形
   の中央ハンドルを有し、前記横棒(12)は把持部として役
   立ち、かつ、前記支持脚部(13)を互いに連結し、また、 少くとも前記横棒(12)及び前記支持脚部(13)の直接隣接
   する領域において、または、少くとも前記支持脚部(13)
   及び前記横棒(12)の直接に隣接する領域において、若し
   くは、前記中央ハンドルの全長にわたって、中空の区画
   として形成された封止プロフィル(15)を設けたことを特
   徴とするプラスチック瓶ケース。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のプラスチック瓶ケース
   を製造する方法であって、 前記中空補強チャンネルを形成するために、前記プラス
   チック瓶ケースを成形する間、当該ケースを成形するた
   めに型に噴出された溶融材料へガスが選択的に側方から
   所定の圧力下に噴出され、または、前記プラスチック瓶
   ケースを成形する間、当該ケースを成形するために型に
   噴出された溶融材料へガスが選択的にケースの底から所
   定の圧力下に噴出され、 前記ガスの流れは、前記とっ手におけるＵ型中空補強チ
   ャンネルを形成するために、Ｕ型状に導かれることを特
   徴とするプラスチック瓶ケースの製造方法。
3. 【請求項３】 請求項１に記載のプラスチック瓶ケース
   を製造する方法であって、 前記中央ハンドルを有するプラスチック瓶ケースを成形
   するため、前記溶融材料及びガスは、前記中央ハンドル
   の前記支持脚部(13)のために前記瓶ケースの前記底部か
   ら型へ噴出され、又は、前記支持脚部(13)上端から、か
   つ/または、前記中央ハンドルの前記横棒(12)から噴出
   されることを特徴とするプラスチック瓶ケースの製造方
   法。
4. 【請求項４】 前記ガスは、前記中空補強チャンネルが
   可能な限り閉止して形成されるように、かつ、前記中空
   補強チャンネルの主軸の方向に選択的に噴出されること
   を特徴とする請求項２又は３に記載のプラスチック瓶ケ
   ースの製造方法。