JP3010738B2 - 核酸の交雑、増幅方法 - Google Patents

核酸の交雑、増幅方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、RecA蛋白質を触媒として使用することによ
ってDNAの合成、修復および増幅反応を促進する方法に
関するものである。
参照文献 ブラホ,J.A.等「J.Biol.Chem.」第262巻第6082頁(19
87年); チェング,S.等「J.Biol.Chem.」第263巻第15100頁(1
988年); コリンズ,M.等(「DNAプローブス−アプリケーション
ズ、イン、ゼネチック、アンド、インフェクシャス、デ
イジーズ、アンド、カンサー」(L.S.ラーマン編、コー
ルド、スプリング、ハーバー、ラボラトリ発行)第137
頁−第141頁に記載の論文(1986年)); コックス,M.M.等「Ann.Rev.Biochem.」第56巻第229頁
(1987年); フックス,R.P.P.等「Biochem.」第11巻第2659頁(197
2年); フックス,R.P.P.等「Biochem.」第15巻第3347頁(197
6年); グリーン,C.J.等「B S Nucl.Acids Res.」第II巻第57
63頁−第5744頁(1983年); ヒンジャーティ,B.E.等「J.of Biomolecular Structu
re and Dynamics」第4巻第365頁(1986年); クリーク,E.「Cancer Res.」第32巻第2042頁(1972
年); リーヒ,M.C.等「J.Biol.Chem.」第261巻第6954頁−第
6960頁(1986年); リュー,C.等「Proc.Natl.Acad.Sci.,USA」第83巻,第
619頁(1986年); マッコンログ,L.等「Nacleic Acids Res.」第16巻,
第9869頁(1988年); マディラジュ,M.V.V.S.等「Proc.Natl.Acad.Sci.(US
A)」第85巻第6592頁(1988年); マニアチス,T等「モレキュラー、クローニング:ア、
ラボラトリ、マニュアル」コールド、スプリング、ハー
バー、ラボラトリ(米国ニューヨーク州コールド、スプ
リング、ハーバー)1982年発行; マリス,K.B.等,米国特許第4,683,195号明細書(1987
年); マリス,K.B.等,米国特許第4,683,202号明細書(1987
年); ラディング,C.M.等「Ann.Rev.Genet.」第16巻第405頁
(1982年); リガス,B.等「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」第83巻第959
1頁−第9595頁(1986年); セージ,E.等「Proc.Natl.Acad.Sci.,USA」第77巻第45
97頁(1980年); セージ,E.等「Nucleic Acid.Res.」第9巻第1241頁
(1981年); サンテラ,R.M.等「Nucleic Acid Res.」第9巻第5459
頁(1981年a); サンテラ,R.M.等「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」第78巻
第1415頁(1981年b); サイキ,R.K.等「Science」第239巻第487頁(1988
年); シー,Y−B.等「Nuceic Acid Res.」第16巻第8945頁
(1988年); シルバークラング,M.等「Methods in Enzymol.」第59
巻第58頁(1979年); シュルディナー,A.R.等「Nucleic Acid Res.」第17巻
第4409頁(1989年); ウェルズ,R.D.等「Biol.Chem.」第257巻第10166頁(1
982年); ザーリング,D.A.等「J.Molec.Biol.」176,第369頁
(1984年a); ザーリング,D.A.等「J.Biolmol Struct.Dynam.」第1
巻第1081頁(1984年b); ザーリング,D.A.等「J.Molec.Biol.」211,第147頁
(1990年); 従来の技術 RecA+蛋白質(野生型)は大腸菌(Escherichia col
i)の中に見出される38,000ダルトンの蛋白質であっ
て、これはDNAの相同組換えのために重要な物質であ
る。これに関する最も重要な生物化学的および酵素学的
情報は、精製されたRecA+蛋白質を用いる研究によって
得られる。種々の種類の試験管内研究の結果から、RecA
+蛋白質は、最終的に、“相同組換え”という結果をも
たらす相同DNA配列間の対合反応(paring reaction)に
密接に関与するものであることが見出された(RecA+蛋
白質の性質に関する最近の研究結果については、コック
ス等の論文を参照されたい)。RecA+蛋白質は前記対合
反応に関与するので、これは、診断や治療分野へのDNA
の利用の際に非常に有利に使用できるものであると考え
られる。
ATPの存在下では、RecA+蛋白質は複数の基質間の連
鎖交換反応を促進する。DANプローブの利用分野に最も
密接に関連するDNAは、一本鎖DNAおよび二本鎖DNAであ
る。一本鎖DNA(プローブ)は二本鎖の(天然型の)標
的配列の相同的部位に作用し、組換え反応の中間体を最
初に形成する。該中間体は、交雑しかつ部分的に合体し
た複数の分子を含有するものである。その後に、分岐点
移動によって、元の1本鎖DNAと2本鎖DNAとの完全交雑
分子が生じる。この反応は、元の2種のDNAの相同性の
程度に左右されて種々変化するであろう。該反応の結果
として、プローブと標的との交雑体である生成物が得ら
れる。このような交雑体は、たとえば放射能標識、酵素
標識、化学ルミネセンス標識、燐光標識または蛍光標識
を付けたプローブの使用によって容易に検知できる。
本発明によれば、1本鎖のプライマと、それに相補的
な天然型の2本鎖の標的配列とを含む交雑反応を促進し
かつ反応効率を改善するためにRecA+蛋白質が使用でき
る。RecA+蛋白質は多くのDNAプローブ利用分野におい
て特に有用である。なぜならば、交雑操作の前に2本鎖
の標的DNAを変性する(たとえば加熱によって変性す
る)必要がないからである。さらにまたRecA+蛋白質
は、変性し難いDNA配列または損傷を受けたDAN配列から
のDNA鎖の伸長開始および完全伸長を促進するという長
所も有する。
発明の目的および構成 本発明の目的の1つは、互いに相補的な環状または線
状鎖である第1鎖および第2鎖を有しそして各線状鎖が
5′末端部および3′末端部を有する2本鎖DNA標的配
列の増幅を、RecA+蛋白質の使用によって促進させる方
法を提供することである。本方法は次の工程を包含す
る。第1鎖の5′末端部の区域に相補的なプライマ、お
よび第2鎖の5′末端部の区域に相補的なプライマを、
ATP−ν−Sの存在下にRecA蛋白質で錯体化する。この
ようにして錯体化されたプライマをその後に、前記標的
配列、全部で4つのdNTP(別の略称dNTPs)、RecA蛋白
質およびDNAポリメラーゼもまた含有する混合物中で反
応させる。この反応は、前記の2つの標的連鎖の熱解離
(または熱分解)のために要する温度よりも低い温度に
おいて行い、そして該反応を、前記の標的配列の所望程
度の増幅が達成されるまで続ける。
標的DNAが阻害性または抑制性二次構造を有するかま
たは“増幅に抵抗性を示す区域”を含むものである場合
に、本発明方法は特に有用である。
前記のDNA合成反応の実施中に、DNAポリメラーゼ、Re
cA蛋白質および/またはATP−ν−Sをさらに添加して
もよく、すなわち追加的添加を行ってもよい。
本発明方法の一具体例に使用される2つのプライマ
は、同一DNA配列に対して相補性を有するものである。
別の具体例では、DAN標的配列に対し非相補性の末端
5′配列を含むプライマが使用される。このような非相
補性の配列は、制限酵素であるエンドヌクレアーゼの認
識部位をコードする配列、キャプチャー配列(capture
sequences)、リポータ配列、RecA蛋白質担持配列、Z
−DNA配列、二本鎖を有する尾部等を包含する。
本発明の重要な利点は、物理的または化学的に損傷し
たDNA基質の合成/増幅のために本発明方法が利用でき
ることである。
本発明の好ましい具体例では、RecA蛋白質として、re
cA−803遺伝子の蛋白質生成物(protein product)が使
用される。
また、本発明方法によれば、約50℃より高く、ただし
標的連鎖およびそれに対応するプライマの熱解離に要す
る温度よりも低い或一定の温度においてDNA合成反応を
行うことによって、DNAが合成または増幅できる。この
具体例に有利に使用できる形のRecA蛋白質およびDNAポ
リメラーゼは、好熱菌の一種であるテルムス・アクアチ
クス(Thermus aquaticus)から得ることができる。
本発明はまた、テルムス・アクアチクスのRecA蛋白質
のためのコーディング配列のクローニングおよび同定方
法をも包含する。
本発明に係るRecA被覆プライマは、交雑技術を利用す
る診断操作において有用なプローブとして役立つであろ
う。なぜならば該プライマは、一般に阻害性二次構造を
有する区域の配列および相補性の配列の位置を探知して
それと対合するという好ましい性質を有するからであ
る。
図面の簡単な説明 図1は、RecA+蛋白質の活性とrecA−803蛋白質の活
性とを比較するためのDNA結合反応において、電気泳動
による分離操作の結果を示す図面である。
図2Aは、RecA+蛋白質およびrecA−803蛋白質のATPas
e活性を相互に比較するためのATP加水分解反応の結果を
示す図面である。第2B図は、RecA+蛋白質およびrecA−
803蛋白質の活性を相互に比較するための連鎖転移反応
の結果を示す図面である。
図3、図4Aおよび図4Bは、RecA+蛋白質/二本鎖DNA
結合反応に関する実験の結果を示す図面である。
図5は、1本鎖DNAテンプレートからのバルク(bul
k)DNA合成の際のRecA+蛋白質および1本鎖結合蛋白質
の影響を具体的に例示した図面である。
図6は、2本鎖型の線状テンプレートからのバルクDN
A合成の際のrecA−803蛋白質の影響を具体的に例示した
図面である。
図7は、天然型のラムダDNAテンプレートからのDNA合
成の際のRecA+蛋白質の該合成促進効果を示す実験結果
の図面である。
図8は、RecA+蛋白質のDNA合成促進作用は、1本鎖
の結合蛋白質の存在の有無に左右されないことを示す実
験結果の図面である。
図9は、RecA+蛋白質によって促進されるべきDNA合
成反応において、そこに存在する特定のプライマへの該
合成反応の依存性に関する実験結果の図面である。
図10および図11は、RecA+蛋白質によって促進される
単一温度DNA増幅反応の実験結果を示す図面である。
図12は、RecA+は単一温度増幅反応において生成物の
特異性を高めることを示す実験結果の図面である。
図13は、アクアスピリルム・マグネトタクチクム(aq
uaspirillum magnetotacticum)のRecA遺伝子の一部の
配列を示す図面である。
発明の詳細な記述 I.RecA+蛋白質およびRecA−803蛋白質のDNA結合活性お
よびDNA鎖転移活性の比較 本発明の目的の1つは、DAN交雑反応およびDNA合成反
応を促進するすぐれたRecA+蛋白質触媒を提供すること
である。本発明方法に関する実験を行った結果、recA−
803蛋白質は有用な触媒であることが見出された。recA
−803突然変異体の遺伝子のクローニングを行い、配列
を調べ(sequenced)、蛋白質生成物をオーバエキスプ
レスし(over−expressed)、次いで精製した(マディ
ラジュ等)。この新規なrecA突然変異体蛋白質は標的と
プローブDNAとの間の組換え反応において安定な中間体
を効果的に生成し、その効果は天然型のRecA+蛋白質の
場合よりも大である。該効果の評価は、ニトロセルロー
スフィルタを用いる結合測定法(マディラジュラ等)に
よって行った。この実験結果から、recA−803蛋白質のD
NA対合効果(これはニトロセルロースフィルタを用いる
結合測定法によって評価できる)は、野生型のRecA+蛋
白質の該効果よりもはるかに大であることが判った。或
種の条件下では突然変異体recA蛋白質は反応速度の増大
によって対合反応を促進し、その最終生成物の収率は、
野生型のRecA+酵素を用いる場合の通常の該収率よりも
一層高い。
大量の突然変異体recA−803蛋白質が、遺伝子をオー
バエキスプレスするプラスミドを含む大腸菌(E.coli)
から単離された(分子生物学研究室のA.ジョン、クラー
ク博士(UCバークレイ))。当該細菌の細胞中の全蛋白
質の約40%が突然変異体recA−803蛋白質であった。
例1(図1)は、ゲル遅延測定法によってRecA+蛋白
質および、recA−803蛋白質のDNA結合効率(相対値)を
求める実験の結果を述べたものである。RecA+蛋白質ま
たはrecA−803蛋白質と、ファイX174の線状化された2
本鎖DNAとの反応を、蛋白質/DNA錯体が生成するような
条件下に行った。その反応生成物として得られた試料を
2つの部分に分けた。各試料の半分はSDSのごとき洗剤
で処理して蛋白質/DNA錯体を分解した。このように処理
された試料と無処理試料とを並べて、0.7%アガロース
ゲル上で処理した(「材料および方法」の項参照)。ゲ
ル遅延測定方法は、DNA/蛋白質錯体はゲルのマトリック
ス中を非常に遅い速度で移動するという原理に基いて行
われる測定方法である。図1中のレーン(lane)7およ
びレーン8は、無処理試料および処理試料の実験結果を
それぞれ表わす。レーン3(RecA+蛋白質)とレーン7
(recA−803蛋白質)との比較から、recA−803蛋白質は
RecA+蛋白質よりも一層効果的に線状の2本鎖ファイX
−174DNAに結合することが判る。2本鎖プラスミドまた
はウイルスDNAを用いる同様な実験においても、上記の
場合と同じ結果が得られた。
例2は、ATPの加水分解の場合にもrecA−803蛋白質は
RecA+蛋白質よりもすぐれた触媒であって、DNA連鎖転
移生成物の生成量がかなり増大することを示す実験デー
タに関するものである。例2Aの実験結果から、recA−80
3蛋白質はRecA+蛋白質よりも、一層高度のDNA依存性AT
Pase活性を有することが明らかになった(図2A)。例2B
の実験では、1本鎖ファイX−174ビリオン環状DNAをre
cA−803蛋白質またはRecA+蛋白質と共に37℃に10分間
保つことからなる前期定温放置操作を行って、ラディン
グ型のフィラメントを形成させた(ラディング)。次い
で2本鎖標的物質を添加し、該連鎖を、補助因子(cofa
ctor)としてのATP−ν−Sの作用下に転移させた。該
実験の結果から、recA−803蛋白質はRecA+蛋白質に比
して一層強力な触媒作用を示し、連鎖転移生成物の生成
量のかなりの増大をもたらすことが判った。この連鎖転
移生成物は、図2B中に矢印で示される不連続状バンド
(discrete band)によって確認できた。さらに、レー
ン3およびレーン6(RecA+蛋白質)とレーン8(recA
−803蛋白質)との比較から、DNA鎖転移生成物の生成量
増大効果はrecA−803蛋白質の方が一層大であることが
判った。前記実験およびそれと同様な実験の結果から、
recA−803蛋白質を用いた場合にはII型(Form II)の連
鎖転移生成物の生成量が、RecA+蛋白質を用いた場合に
比して約5−7倍増大することが判った。
recA−803蛋白質はDNA結合活性が高く、かつ、連鎖転
移反応用触媒としての効果が大であるから、recA−803
蛋白質はDNAの合成、交雑およびそれらを利用する診断
や治療分野において触媒として非常に有利に使用でき
る。recA−803蛋白質は前記のごとき好ましい性質を有
するから、DNAプローブの配列を天然型の2本鎖DNA標的
と溶液中で交雑させることを含む迅速かつ効果的な測定
操作(検定)操作を行う際の理想的な触媒であるといえ
よう。このような測定を行う場合には、無交雑プローブ
(1本鎖のまま残ったもの)と、プローブ/標的交雑錯
体(これはその一部が二本鎖または多重鎖のものであ
り、すなわち、二本鎖の区域と、それに付随した1本鎖
プローブの部分とを含む錯体である)とを相互に分ける
ための任意の分離手段(コリンズ等、リガス等、および
リーヒ等)が利用できる。
RecA蛋白質を触媒として使用して同族配列との交雑を
高効率で行う技術をDNA診断に利用する場合には、従来
の技術の場合のような標的DNAの通常の変性を行うため
の面倒な操作を行う必要は全くなく、また、変性や検出
が行いにくい、スナップバックや他の反復性配列に関す
る厳重な制限条件もなく、広範囲の診断に利用できる。
RecA+蛋白質の本来の作用は、DNAの重合または組換え
を、(i)錯体または特異的な二次構造の区域を介し
て、または(ii)化学的または物理的損傷を受けたDNA
配列を介して、促進することを包含する。
II.損傷を受けたDNAまたはZ−コンホメーションを有す
るDANへのRecA+蛋白質の高度の結合 大腸菌のRecA+蛋白質は、損傷したDNA二重らせんの
認識および其後の修復の際の主要関与物質(participan
t)である。2本鎖DNAコンホメーション中のピリミジン
塩基に付加でき、および/または該塩基を歪曲(distor
t)できる物理的および化学的手段、たとえば紫外線
(ルー等)やプソラレン(シー等)を用いて、RecA+蛋
白質の結合を促進することは公知である。プリンによっ
てアダクト化された二重らせんDNAに対するRecA+蛋白
質の認識反応に関する試験は今迄行われていなかった。
N−アセトキシ−N−2−アセチルアミノフルオレン
(N−AcO−AAF)は強力な突然変異原でありかつ代表的
な化学性発癌因子であるが、これはデオキシグアニン残
基に共有結合によって結合して、主としてC−8位にお
いてアダクトを形成する(クリーク)。この変性によっ
てデオキシグアニン塩基が回転してアンチ−コンホメー
ションからシン−コンホメーションに変化し、すなわち
DNAらせんの大なる構造的変化が生じ、かつらせんの巻
きほどしという変化も起る(フックス等、1976年)。エ
ネルギー最小化(energy minimization)に関する研究
から、前記回転に伴ってらせん内部に複素環式構造のア
ダクトが入り込み、そのためにらせん軸が曲がるのであ
ろうということが推定されている(ヒンジャティ等)。
さらに、N−AcO−AAFによる共有結合形成を伴う変性作
用に伴って、2本鎖DNA中の或種のプリン−ピリミジン
交互配列または他の配列においてB→Z転移が生じる
(セージ等、1980年、1981年;サンテラ等、1981年a、
1981年b;ウェルズ等)。
例3には、RecA+蛋白質/2本鎖DAN結合測定実験の結
果が示されている。ブラホ等は以前に、RecA+蛋白質
は、B−DNA重合体に比して、臭素化またはメチル化さ
れた線状の合成Z−DNAに対して一層結合し易いと述べ
ている。例3の結果を図3に示すが、この結果は臭素化
基質に結合し易いことを示しており、ブラホ等の結果と
一致している。さらに、図3の結果から、補助因子とし
てのATP−ν−Sの存在下の中性pHにおける2本鎖合成D
NAへのRecA+蛋白質の結合は、Na−AcO−AAFによるプリ
ンのアダクト化によって一層促進されることが判る。ま
た、前記実験および他の類似実験において、二本鎖DNA
重のN−AcO−AAFアダクトの量が多い場合には、DNAの
二重らせんへのRecA+蛋白質の結合量も多いことが認め
られた。N−AcO−AAFの付加率が5−20%の範囲内であ
る限り、前記結合の数(binding)はNa−AcO−AAFの付
加率に比例することが見出された。
例(図4Aおよび図4B)の結果は、オリゴ−〔d(br5C
−G)〕またはオリゴ−〔d(C−G)〕から生じたデ
ュプレックスへの結合に比較して、二重鎖オリゴ−〔d
(C−A)・d(G−T)〕への結合を一層行い易いと
いう連鎖特異性を、RecA+蛋白質が有することを示して
いる。RecA+蛋白質は、これらのDNAデュプレックスに
特異的に結合し易い連鎖(図4Aおよび図4B)およびコン
ホメーション(図3)を有すると考えられる。
したがってRecA蛋白質は診断および治療分野において
有用である。標的DNAが損傷した場合または通常みられ
ないような二次構造を有する場合には、従来のDNA交雑
および/または合成方法は利用できない。一方、例3お
よび例4の実験結果から、RecA蛋白質は錯体状DNAへの
結合および相補的塩基の対合反応を促進する性質を有す
ることが見出された。
III.RecA+蛋白質およびrecA−803蛋白質によるDNA合成
の促進(試験管内操作) 従来のDNA増幅方法はすべて、DNAテンプレート変性工
程と、プライマ交雑工程と、DANポリメラーゼによるプ
ライマ伸長工程との三工程からなる方法であった(マリ
ス;およびマーリス等)。これに対し本発明は、RecA蛋
白質の触媒作用を利用する独特な、かつ効果的な新規方
法を提供する。
RecA蛋白質の触媒作用を利用する新規なDNA増幅方法
の一例について述べる。DNA標的連鎖と、該標的連鎖に
相補的なDANプライマとを、ATPまたはATP−ν−Sの存
在下にRecA+蛋白質またはrecA−803蛋白質の作用下に3
7℃に保つ(低温放置)。この条件のもとで、RecA蛋白
質の触媒作用によって、プライマと標的DNAとの間にラ
ディング型のD−ループまたはジョイント分子が生じ
る。RecAの触媒作用によって生じた安定な前記ジョイン
ト分子は、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片との反応
によって伸長する。
例5は、1本鎖テンプレートからのDNA合成におけるR
ecA+蛋白質の合成促進効果に関するものである。図5
のデータから明らかなように、1本鎖DNAの合成はRecA
+蛋白質および大腸菌の1本鎖結合(SSB)蛋白質の使
用によって促進でき、しかしてこれらの2種の蛋白質は
相乗効果を奏するように思われる。ファイ−X−174の
1本鎖環状DNAテンプレートの合成の場合には、プライ
マをRecA+で被覆してラディング型のフィラメントを形
成させることによって合成反応が促進できる。さらにま
た、反応混合物中に大腸菌のSSB蛋白質を入れることに
よって、1本鎖DNAの合成を指向するDNA合成反応が促進
できた。この効果は、高分子量DNA(冷TCAに不溶)中〔
3H〕dGTPを入れて測定を行うことによって確認できる。
また、2本鎖のDNA(dsDNA)テンプレートからのDNA
合成の場合のRecA蛋白質の触媒作用も調べた(例6)。
図6のデータから明らかなように、18マー(18−mer)
であるプライマーを使用する2本鎖テンプレートからの
DNA合成は、recA−803蛋白質の触媒作用によって促進で
きる。dsDNAの添加前に、該プライマのrecA−803蛋白質
(3μM)とを37℃において5分間反応させて、フィラ
メントを形成させた。さらに5分間にわたって定温放置
した後に、大腸菌DNAポリメラーゼIの大形クレノウ断
片を添加した。recA−803蛋白質はDNA合成を著しく促進
したが、このことは、高分子量DNA中への(α−35S〕dA
TPの付加量の増大によって確認された。
例5および例6から明らかなように、RecA+蛋白質ま
たはrecA−803蛋白質で被覆したプライマを使用するこ
とによって、DNA合成反応の速度および合成進行度(ext
ent)を著しく高めることができる。
例7は、天然型のウィルス性DNAテンプレートからのD
NA合成の場合にもまた、RecA蛋白質は合成促進効果を有
することを示す実施例である。例7では、前記のプライ
マを使用せずに反応を室温において行った。RecA+蛋白
質を2種の25マー型の1本鎖プライマ(表1中のPCR01
およびPCR02)と共に定温放置した。次いで、ATP−ν−
SおよびSSB蛋白質を反応混合物に添加し、その後に天
然型のλ−DNAテンプレートを添加した。反応混合物を3
7℃の加熱帯域(heat block)内で定温放置し、平衡化
操作を37℃において3分間行い、次いでクレノウDNAポ
リメラーゼ(略称クレノウ)を添加した。前記のクレノ
ウの第1回目の添加によって反応を開始させた後に、10
分毎に新鮮なクレノウポリメラーゼを1単位づつさらに
添加する操作を80分間にわたって行った。反応混合物か
ら試料を採取し、新たに合成されたDNAの量を測定し
た。図7のデータから明らかなように、単一温度(37
℃)においてクレノウDNAポリメラーゼの触媒作用のも
とで行われる長時間反応(72時間)では、RecA+蛋白質
およびATP−ν−Sの使用によって、天然型のλDNAの合
成が促進された。前記のDNA合成促進効果は、0.7%アガ
ロースゲル中の電気泳動によって分離されたDNA生成物
における臭化エチジウムの結合量の増大および染色状態
の観察によって確認できた。
さらにまた例7のデータから、dsDNAテンプレートか
らのDNA合成におけるRecA蛋白質の合成促進効果は、SSB
蛋白質の存在の有無に左右されるものではないことが確
認された。図8のデータには、SSB蛋白質の不存在下のD
NA合成の結果が示されており(レーン1)、また、短時
間の反応によるDNA合成のときにも、RecA+蛋白質は合
成促進効果を有することが示されている(80分間にわた
ってポリメラーゼの添加を10分毎に行い、すなわち添加
を逐次的に8回行った)。
例8は、RecA蛋白質を触媒として用いるDNA合成反応
のプライマ依存性に関するものである。
図9のデータから明らかなように、大腸菌DNAポリメ
ラーゼIの大形のクレノウフラグメントの2本鎖型の突
然変異体(double mutants)(エキソヌクレアーゼを含
まないもの;USバイオケミカル)とポリメラーゼとの反
応による天然型のDNAの合成は、RecA+蛋白質およびプ
ライマの存在下においてのみ促進される。
PCR01とPCR02とのプライマ対を使用して500−bpのDNA
テンプレートを酵素の作用下に合成した(パーキング−
エルマー−セッス製のアンプリタークキット(登録商
標);第1表)。この二本鎖生成物を単純500−bpテン
プレートとして、40マーのプライマPCR01およびPCR02と
共に使用してDNA合成反応を行った(表1)。大腸菌DNA
ポリメラーゼIの大形クレノウ断片の二本鎖型の突然変
異体(エキソヌクレアーゼを含まないもの)を使用し、
反応混合物を37℃において17.5時間にわたって定温放置
した。図10のデータ(例9、レーン4)には、電気泳動
実験のときに泳動性を示しそして500−bpの天然型λ−D
NAテンプレートと調和する分子量を有する新規合成DNA
生成物のバンドが示されている。該DNA生成物の合成
は、絶対に、反応混合物へのRecA+蛋白質の添加の有無
に左右されるものであると思われる。同じ条件下で反応
混合物にRecA+蛋白質とSSB蛋白質との両者を添加した
場合には、別の低い分子量の生成物が生じた(レーン
5)。この結果から明らかなように、SSB蛋白質が存在
する場合には、DNA合成の生成物が一層不均質になり、
すなわち、SSB蛋白質の存在によってバルクDNA合成が改
善できるけれども、該SSB蛋白質は反応の特異性に対し
悪影響を与えるものである。
別の実験において、25マーのプライマ対を有する500
−bpのラムダDNAテンプレートから500−bpのDNA生成物
を合成した(例9)。例9では、DNA合成におけるRecA
+蛋白質の触媒活性を試験したが、その反応条件を表2
に示す。さらに、これらの反応の結果を図11に示す。一
般にRecA蛋白質の反応促進効果は、RecA蛋白質の濃度、
蛋白質/DNA比、定温放置時間、および適当な濃度の前記
の特定のプライマ対の存在の有無に左右されて種々変わ
るであろう(レーン7)。
RecA+蛋白質の触媒作用下に行われたクレノウの単一
温度DNA増幅反応の生成物への、500塩基対のラムダテン
プレートに対して特異的な放射能標識付プローブの交雑
操作では、RecA+蛋白質は真の生成物の合成を促進する
ことが認められた(例9C)。図12のデータから明らかな
ように、500塩基対のテンプレートの著しい増幅は、Rec
A+蛋白質およびATP−ν−Sを含むがSSB蛋白質を含ま
ない反応混合物を使用した場合にのみ認められた(レー
ン3)。
本発明方法によれば、均質なオリゴヌクレオチドプラ
イマ配列を用いる標的交雑をRecA触媒の存在下に行うこ
とによって、天然型の2本鎖の(すなわち無変性の)標
的DNA配列の合成および増幅を溶液中で行うことができ
る。この交雑反応では該プライマは、DNAポリメラーゼ
による逐次伸長に適した位置に存在するであろう。この
反応操作は二段階操作であって、両方の段階において反
応を最適条件下に行うことが必要である。これらの段階
は、(i)プライマの交雑および(ii)プライマの伸長
からなる。
標的DNA配列は種々の原料から種々の方法によって得
られる。たとえば、(i)オリジナルの標的DNA配列
は、一本鎖DNAまたはRNA分子のごとき一本鎖核酸テンプ
レートから標準的方法(マニアチス等)によって合成で
き、または、(ii)オリジナルの標的配列は、生物の細
胞または組織である原料から抽出できる。標的DNA配列
はまた、主として標的配列からなる均質混合物、または
種々の他種配列も存在する不均質混合物の中に存在する
であろう。
最初に、標的配列に相補的なプライマと標的DNA配列
とを次の条件下に反応させ、すなわち、RecA蛋白質の触
媒作用によって該プライマと該標的DNAとの間にジョイ
ント分子が形成できるような条件下に反応させる。この
反応は天然型のDNA基質(すなわち、DNA結合鎖が熱変性
されていないDNA基質)を用いて実施できる。RecA蛋白
質の触媒作用下に生じた多重鎖構造の伸長操作を、ヌク
レオチド三燐酸の存在下にDNAポリメラーゼIのクレノ
ウ断片を使用して実施する。RecA蛋白質は、DNAポリメ
ラーゼ伸長に適した交雑DNAをトポロジカルに生成させ
る作用を有する。
その次の増幅段階において、既存の標的DNAの連鎖に
相補的な有利プライマを、オリジナルの連鎖または新規
な連鎖に結合させることができる。交雑反応後に、既述
のDNAポリメラーゼを使用して当該錯体の伸長操作を行
う。この操作を反復し、すなわち、標的配列を合成し増
幅する操作を何回も反復する。増幅操作を数回行った後
に、天然型の標的配列は次の手段によって検知でき、す
なわち、RecA蛋白質を触媒として用いる交雑反応の場合
の質量作用下の交雑によって、および/またはRecA蛋白
質/プローブ錯体によって作動する標識付一本鎖DNAプ
ローブを用いて検知できる。あるいは、該反応は多くの
回数にわたる反復実施によって進行させることができ、
これによって増幅生成物が得られる。該増幅生成物は次
の方法によって検知でき、すなわち、分離された反応成
分にアガロースゲル上で電気泳動操作を行ってさらに分
画し、該ゲル中で分離されたDNAを臭化エチジウムで染
色することによって肉眼で検知できる。
DNA増幅反応およびDNA合成反応の場合にRecA+蛋白質
やrecA−803蛋白質を使用することによって得られる効
果として、これらの蛋白質が、標的DNA配列への一本鎖D
NAプライマの効果的な交雑反応を強く促進することがあ
げられる。さらにまた、これらの蛋白質の使用によっ
て、伸長のためにトポロジカルに適したDNAプライマと
天然型標的との錯体が生成できる。RecA+蛋白質はトポ
ロジカルな効果を奏するから、大腸菌DNAポリメラーゼ
Iのクレノウ断片のごときセルラー(cellular)DNAポ
リメラーゼによってプライマが伸長できる。なぜならば
テンプレートの連鎖が巻きほどされるからである。この
反応操作は、一本鎖テンプレートの生成のために加熱を
行いそしてその後に冷却してプライマを交雑させること
からなる増幅反応操作に比して一層簡単である。
したがって、前記のRecA蛋白質を触媒とするDNA合成
反応の主な用途は、通常のDNA配列、または光線の作用
または化学的作用によって損傷したDNA配列を増幅し
て、プライマをその同族型の標的(これはその後にDNA
ポリメラーゼによって伸長させる)上の適切な位置に存
在させる操作に利用することである。RecA蛋白質を触媒
として用いるDNA合成反応を利用したときに得られる別
の利点は、高温変性および自然状態復元操作(サイキ
等)を何回も反復する必要がないことである。
第2の重要な用途は、DNAをトポロジカルに生成させ
ることができるというRecA蛋白質の能力を、DNA合成の
際に利用することであって、その重要な例には、熱変性
法のごとき従来の方法では合成または増幅が困難であっ
たコンホメーションまたは二次構造を有するDNAを合成
することがあげられる。
前記のRecA蛋白質を触媒として用いる反応の第3の重
要な用途は、RecA蛋白質/DNAプライマ錯体は相補的配列
を効果的に見出す能力を有するという利点を利用するこ
とである。この蛋白質/プライマ錯体は、たとえば、プ
ライマに対する相補性に基づいて試料中の配列の同定を
行うことからなる診断用検査の際に、プローブとして使
用できる。これらによって結合した前記錯体はその後
に、recA−803蛋白質に対する抗体の場合と同様に種々
の方法によって安定化でき、そして同定できる。
IV.RecA蛋白質の場合と同様な活性を有する別の有用な
蛋白質 本明細書ではRecA蛋白質は、実質的に同じ機能を有す
る種々のRecA型蛋白質の1種であるとみなして取り扱
う。すなわちRecA型蛋白質は特に次の機能を有し、すな
わち、(i)プライマを、その後にDNAポリメラーゼに
よって伸長させるべきその同族型標的上の適切な位置に
存在させる機能、(ii)DNA合成の場合には、DNAをトポ
ロジカルに生成させることができるというRecA蛋白質の
機能、および(iii)相補的な配列を効果的に見出して
それに結合できるという機能(これはRecA蛋白質/DNAプ
ライマ錯体の機能である)を有する。この特性を最もよ
く示すRecA蛋白質は、大腸菌から得られたRecA蛋白質で
ある。この野生型の蛋白質の他に、若干種の突然変異体
recA蛋白質(たとえばrecA−803)もまた見出された。
さらにまた、多くの生物がこのようなRecA型蛋白質を含
有している(後記参照)。
RecA蛋白質を触媒とするDNA合成の別の用途は、熱安
定性を有するDNAポリメラーゼを用いて一定の高温にお
いて行われるDNAポリメラーゼ増幅反応の促進のために
利用することである。熱安定性を有するDNAポリメラー
ゼは、テルミス、アクアチクス(Thermus aquaticus)
(USバイオケミカルズ)、バチルス・ステアロテルモフ
ィルス(Bacillus stearothermophilus)、スルホルブ
ス(Sulpholubus)、ピロジクチウム(Pyrodictium)等
の生物のごとき種々のものから単離されている。一般に
これらの酵素の活性は熱に安定で、すなわち約95℃まで
の温度において安定である。強力な阻止構造または抑制
性構造(inhibitory structure)を有するDNA配列、ま
たはアーチファクトの形成が知られているDNA配列(マ
ックコンローグ等、およびシュルジナー)の増幅が上記
の系を用いて実施できる。大腸菌のRecA蛋白質の半減期
は52℃において数分程度であり、すなわちこれは極端に
熱に敏感であり高温では使用できない。したがって、熱
に安定なRecA蛋白質が必要である。すなわち、一緒に使
用されるDNAポリメラーゼの場合と実質的に同じ温度範
囲(たとえば約95℃までの温度)にわたって活性を維持
できるような熱安定性RecA蛋白質が必要である。
本発明方法に関する実験においてテルミス・アクアチ
クスからのRecA蛋白質が同定され、そして、それをエン
コードする遺伝子がクローニングされた。テルミス・ア
クアチクスのゲノム遺伝子のサザンブロット分析を、ア
クアスピリルム・マグネトタクチクムのRecA遺伝子をプ
ローブとして用いて行った(例10)。アクアスピリルム
・マグネトタクチクムの遺伝子は一般にG−Cに富み、
T.アクアチクスのRecA遺伝子への整合性が大腸菌のRecA
遺伝子の場合より一層良好である。1本鎖DNAのバンド
の同定は、前記プローブとの交雑によって行われ、しか
してこの場合には次の各消化物(別名ダイジェスト)す
なわち12−15kbのBamH I、5kbのHind IIIおよび1.5kbの
Sst Iが使用された。
前記のT.アクアチクスのRecA遺伝子のクローニングを
次のごとく行った。T.アクアチクスからのゲノムDNAを
精製し、制限酵素であるエンドヌクレアーゼBamH I(マ
ニアチス等)で切断し、次いでEMBLラムダクローニング
系(プロメガ)を用いてクローニングを行った。T.アク
アチクスからのRecA遺伝子(すなわちT.アクアチクスRe
cA遺伝子)を含有するBam Iの大型断片(15kb)を、フ
ァージDNA含有クローンから単離した。該クローンは、
厳格な交雑ウォッシング条件下に前記のプローブに強く
交雑させたものであった。完全な配列を得るために、前
記遺伝子にサブクローニングをM13ベクター中で行っ
た。前記RecA蛋白質の発現および同定のために、該遺伝
子にさらにサブクローニングプロトクローンTMラムダgt
11ベクター(プロメガ)中で行った。
DNA増幅反応における生成物の最終収率および標的の
長さを改善する機能を前記のT.アクアチクスRecA蛋白質
が有するか否かについて調べる試験は、既述のRecA蛋白
質試験法に従って行うことができる。特に、枯草菌(Ba
illus subtilis)からのDNAの2.5−kbp断片中で見出さ
れた21tRNA遺伝子のクラスタおよび人のtRNA遺伝子のご
とき顕著な二次構造を有するテンプレート(グリーン
等)が、標的として使用される。
本発明の詳細に例示するために次に実施例を示すが、
本発明の範囲は決して実施例の範囲のみに限定されるも
のではない。
材料および操作方法 DNAおよび酵素 ポリ−〔d(C−G)〕およびポリ−〔d(br5C−
G)〕を含む合成重合体を、ポリ−〔d(I−C)〕テ
ンプレート(ファーマシア)から、DNAポリメラーゼを
用いて酵素学的に合成した。この重合体は前記の文献
(ザーリング等、1984年aおよび1984年b;ザーリング
等、1990年)に記載の特徴を有するものであった。ポリ
−〔d(C−A)・d(G−T)〕をファーマシアP.L.
から購入した。ポリヌクレオチドに超音波処理を行って
(sonicate)平均寸法(アガロースゲル電気泳動による
測定値)を550bpにすることによってオリゴヌクレオチ
ドを調製した。シルバークラング等の論文に記載の方法
によってポリヌクレオチドの末端部に標識を付けた。制
限酵素であるエンドヌクレアーゼは、種々の製造会社
(たとえばニュー、イングランド、バイオラブズやベー
リンガー、マンハイム)から求めた。
精製された野生型のRecA+蛋白質および制限酵素エン
ドヌクレアーゼはファーマシアから購入した。RecA+蛋
白質を−70℃において、トリス−HCl(pH=7.5)20mM、
EDTA0.1mM、ジチオトレイトール(DTT)0.1mMおよび50
%(v/v)グリセロール(最終濃度)という組成の媒質
の中で貯蔵した。M13mp18DNAおよびATP−ν−Sはベー
リンガー、マンハイムから購入した。
蛋白質−DNA錯体のアガロースゲル電気泳動 50%グリセロール(v/v)中にブロムフェノールブル
ー0.25%およびキシレンシアノール0.25%を含有するTB
E緩衝液(トリス−HCl(90mM)、ほう酸90mM、EDTA2.8m
M、pH=8)の添加によって、反応を停止させた。
すべての試料を、0.7%アガロースゲルを使用して1X
トリス−ボレート−EDTA緩衝液中で常法に従って分析し
た(マニアチス等)。試料が蛋白質/DNA錯体である場合
には、アガロースゲルを用いて電気泳動操作を4℃にお
いて90Vの電圧下に約2−3時間行った。DNAバンドを肉
眼で見えるようにするために前記ゲルを臭化エチジウム
(4μg/ml)で染色し、次いで該ゲルを蒸留水中に入れ
て過剰の色素を除去し(destaining)、その後に紫外線
の照射下に該ゲルの写真撮影を行った。
DNAプライマの供給源 プライマを購入し(たとえば第1表に記載のプライマ
はセッス、パーキン−エルマーから購入できる)、ある
いは次の方法で調製した。プライマーの調製は、市販の
自動化されたオリゴヌクレオチド調製装置を用いて行っ
た。すなわち、通常の形状の合成プライマをシンセチッ
ク、ゼネチクス(米国カルホルニア州サンジエゴ)等の
製造業者から購入することも可能である。
例1 recA−803蛋白質とRecA+野生型蛋白質との結合力の比
較 DNA基質に対する活性 本例はRecA+蛋白質およびrecA−803蛋白質の活性を
比較するために行われたDNA結合反応の実験の結果を述
べたものである。
トリスアセテート緩衝液(37℃においてpH=7.5)10m
M、酢酸マグネシウム2mM、ジチオトレイトール1mM、酢
酸ナトリウム50mM、5%グリセロール(10X緩衝液とし
て添加)、ATP−ν−S 1.6mM、ファイX174(0.05μ
g)(環状ビリオンDNAとして)、ならびにRecA+蛋白
質またはrecA−803蛋白質34.3μM(図1、レーン2、
5および6)または17.1μM(図1、レーン3、4、7
および8)を含有する容量0.01mlの反応混合物を調製し
た。反応混合物の平衡化操作を37℃において10分間行っ
た。次いで0.2M酢酸マグネシウムの添加によってマグネ
シウム濃度を上昇させ、その最終濃度を12mMにした。Xh
o I(0.4μg)がファイX174線状二本鎖DNA(II型DNA)
を消化した。次いで適量(容量)の10X緩衝液を反応混
合物に添加して反応混合物の最終容量を20μlとした。
37℃において30分間にわたって定温放置した後に、反応
混合物全体を2等分し、その1つをプロティナーゼK10m
g/mlで37℃において15分間処理した(レーン2、4、6
および8)。一方、無処理の試料(図1中のレーン1お
よび2に相当する)は示されていない。
レーン3とレーン7(図1)との比較から明らかなよ
うに、蛋白質濃度が等しい場合には2本鎖型の標的DNA
へのRecA+蛋白質の結合量はrecA−803の該結合量より
少ない。
例2 RecA+蛋白質およびrecA−803蛋白質のATPase活性およ
び連鎖転移反応促進活性の比較 本例は、RecA+蛋白質およびrecA−803蛋白質のATPas
e活性および連鎖転移反応促進活性を比較した結果を述
べたものである。
A.ATPase活性に関する反応 等濃度のRecA+蛋白質およびrecA−803蛋白質のATPas
e活性を比較した。反応は、トリス−HCl(pH=7.5)35m
M、MgCl26.7mM、ジチオトリエトール2mM、牛の血清アル
ブミン(BSA)100μg/ml、ATP 1.4mM、〔ν−32P〕−A
TP 0.02μMを含有する全容量18μlの緩衝液の中で行
った。この反応混合物にRecA蛋白質またはrecA−803蛋
白質を、1本鎖ファイX17ファージDNAの存在下または不
存在下に添加した。
反応混合物を0.6ml−マイクロ遠心管の中で37℃にお
いて30分間にわたって定温放置した。0℃に冷却するこ
とによって反応を停止させ、次いで、標識が付いていな
いATP、ADPおよびAMPの各々を担体として3mMづつ含む25
mM EDTAを12μl添加した。その後に各反応混合物10μ
lを、プラスチックで裏打ちしたPEI−セルロースFのT
LCシート(ファーマシア)上に斑点状に散布し、該TLC
シートを、LiCl(0.5M)およびぎ酸0.25Mを含有する溶
媒中に入れて現像した。放射能を有する生成物をオート
ラジオグラフィ技術によって観察した。該TLCシート内
の有遊離無機燐酸塩が存在する区域をけずり落とし、シ
ンチレーションカウンタで測定した。該生成物のcpmを
前記の10μlの試料の全cpmで割ることによって加水分
解率(%)を求めた。
前記反応の結果を図2Aに示す。DNAの不存在下では、r
ecA−803蛋白質(塗りつぶしていない菱形)およびRecA
+蛋白質(塗りつぶした四角形)は充分なATPase活性を
示さない。しかしながらDNAの存在下ではrecA−803蛋白
質(塗りつぶした菱形)はRecA+蛋白質(塗りつぶして
いない菱形)よりも一層高度のATPase活性を示す。
B.連鎖転移反応 例1の場合と同様に容量0.01mlの反応混合物を調製し
た。ただし今回はすべての反応においてファイX174の1
本鎖環状ビリオンDNAを0.05μgでなく0.3μg使用し、
かつ、RecA+蛋白質またはrecA−803蛋白質を34.3μM
使用した。
37℃において30分間定温放置した後に反応混合物を2
つに分け、各試料を半分にはSDSを0.5%の最終濃度で添
加した。すべての試料にゲル担持染料(グリセロール50
%、TEB50%、ブロムフェノールブルー0.25%、キシレ
ンシアノール0.25%;マニアチス等)を添加した。試料
に電気泳動操作を、標準的な0.7%アガロースゲルを使
用して7.6V/cmの電圧下に3時間行った。臭化エチジウ
ムで染色することによってDNAバンドを肉眼で観察でき
るようにした。
レーン3、4、5および6(図2B)中の反応混合物は
RecA+蛋白質を含有し、レーン7および8(図2B)中の
反応混合物はrecA−803蛋白質を含有するものであっ
た。レーン1および2はRecA+蛋白質を含有しないもの
であった。レーン3、6および8中の試料はSDSで処理
したものであった。レーン1中の2つの明瞭なバンドは
反応基質を表す。完全な連鎖転移の結果として、ニック
の入った2本鎖環状DNA(II型)か生じる。連鎖転移生
成物は図2B中に矢印で示されている。
例3 オリゴ〔d(br5C−G)〕およびN−アセトキシ−N−
2−アセチルアミノフルオレン変性DNAへの大なるRecA
+蛋白質結合量 本例は、RecA+蛋白質/2本鎖DNA結合試験の結果を述
べたものである。この試験の結果から、光線の作用によ
って損傷したDNA、化学的作用によって損傷したDNA、ま
たはZ−コンホメーションを有するDNAに対してRecA+
蛋白質が高度の結合性を示すことが判った。
A.アダクト化されたDNAの調製 N−アセトキシ−N−2−アセチルアミノフルオレン
(米国アリゾナ州ジェファーソンのドクター、フレデリ
ック、ベランド、ナショナル、センター、フォア、トキ
シコロジカル、リサーチから購入)を−20℃において貯
蔵した。下記の試薬すなわちDNA(オリゴー〔d(br5C
−G)〕またはオリゴ〔d(C−G)〕2.5μg、N−
アセトキシ−N−2−アセチルアミノ−フルオレン(N
−AcO−AAF)0−200mM、NaCl(50mM)およびトリス−H
Cl(pH=7.5)5mMを含有する全反応混合物容量50μlの
反応混合物を用いてアダクト化反応を行った。反応は暗
所で25℃において10分間行った。氷冷した無水ジエチル
エーテル20容量を用いる抽出操作によって、非結合状態
のN−AcO−AAFを除去した。次いで、アダクト化された
DANをエタノールで沈澱させ、トリス−HCl(10mM)およ
びEDTA1mM(pH=7.5)を用いて透析操作を広範囲に行っ
た。各反応において変性の程度を、フックス等(1972
年)の方法に従って、N−AcO−AAFの消衰係数ε=18,0
00を用いて、A305/A260比から算出した。アダクト成分
としてN−AcO−AAFを5−20%含有するDNAアダクト
を、その後の反応に使用した。
B.RecA+蛋白質の結合性評価試験 この結合性評価試験に使用したDNA基質は、シルバー
クラング等の方法によってアデノシン三燐酸〔ν−
P32〕(ニュー、イングランド、ニュークレアー)を使
用して末端部に標識を付けたものであった。この結合反
応の反応混合物は、オリゴ−〔d(br5C−G)〕または
オリゴ−〔d(C−G)〕0.57μM、RecA+蛋白質0.33
μM、TEA緩衝液(トリエタノールアミン(pH=7.5)25
mM、ジチオトレイトール1.0mMおよびMgCl25.0mM)およ
びATP−ν−S20μMを含有する全容量50μlのものであ
った。RecA+蛋白質を37℃において添加するとによって
反応を開始させ、そして図3に記載の時間にわたって定
温放置した。
ニトロセルロース膜フィルタ(ミリポア、ミリタイタ
(登録商標)−STHA09610)を用いて濾過することによ
ってすべての反応を停止させた。前記フィルタは、試料
の濾過前に蒸留水(2回蒸留して作った蒸留水)で湿ら
せ、かつTEA緩衝液で予備処理を行ったものであった。
該フィルタをTEA緩衝液で6回洗浄し、加熱用ランプで
乾燥し、アクアゾル−2(デュポン、ニューイングラン
ド、ニュークリア)の中に浸漬した。各フィルタ上に保
たれた放射能を液体シンチレーションカウンタ(ヒュウ
エット、パッカード、2000CA型)で測定した。前記の条
件下では、ニトロセルロースによる蛋白質結合DNAの保
持効率は約50%であった。
図3はDNA結合性評価試験の結果を示した図面であ
る。図3中の記号は次の種類のDNA基質を表し、すなわ
ち、塗りつぶしていない四角形はオリゴ−〔d(br5C−
G)〕を表し、塗りつぶした四角形はN−AcO−AAFでア
ダクト化されたオリゴ−〔d(br5C−G)〕を表し、塗
りつぶしていない三角形はオリゴ−〔d(C−G)〕を
表わし、塗りつぶした三角形はN−AcO−AAFでアダクト
化されたオリゴ−〔d(C−G)〕を表す。
図3は、RecA+蛋白質が無変性DNAよりも化学変性DNA
(N−AcO−AAFでアダクト化されたDNA)に対して一層
多く結合することを示している。図3はさらに、RecA+
蛋白質はB−コンホメーションを有するオリゴ−〔d
(C−G)〕よりも、Z−コンホメーションを有するオ
リゴ−〔d(br5C−G)〕に対して一層多く結合するこ
とを示している。
例4 オリゴ−〔d(C−G)〕またはオリゴ−〔d(br5C−
G)〕と比較した場合の2本鎖オリゴ−〔d(C−A)
・d(G−T)〕へのRecA+蛋白質の選択性結合性 本例はDNA結合試験の結果を示したものであり、すな
わち、プリンおよびピリミジン交互配列〔たとえば、
(PuPyPuPyPuPyPuPy)〕を有する2本鎖DNAに対してR
ecA+蛋白質が選択的に結合することを示す実施例であ
る。
A.一定のRecA+蛋白質/DNA濃度の場合(図4A) このDNA結合反応の反応混合物は、次の成分すなわちR
ecA+蛋白質0.35μM、DNA(分子)基質0.7μM、TEA緩
衝液(既述の説明参照)およびATP−ν−S20μMを含有
する全容量50μlのものであった。反応を20℃において
行い、そして、図4に記載の時点においてニトロセルロ
ースフィルタ(例3参照)で蛋白質/DNA錯体を濾過する
ことによって反応を停止させた。
B.DNA濃度一定、RecA+蛋白質濃度増加の場合 このDNA結合反応の反応混合物は、次の成分すなわちR
ecA+蛋白質0−5.0μM、DNA基質(分子)1.0μM、TE
A緩衝液(既述の説明参照)およびATP−ν−S20μMを
含有する全容量50μlのものであった。反応を20℃にお
いて20分間行い、そして、ニトロセルロースフィルタ
(例3参照)で蛋白質/DNA錯体を濾過することによって
反応を停止させた。
前記の反応に使用されたDNA基質は図4Aおよび図4Bに
記載のものであった。すなわち該図中において、塗りつ
ぶしていない四角形はオリゴ−〔d(C−G)〕、塗り
つぶした四角形はオリゴ−〔d(br5C−G)〕、塗りつ
ぶしていない三角形はオリゴ−〔d(C−A)・d(G
−T)〕をそれぞれ表す。
図4Aおよび図4Bのデータから明らかなように、RecA+
蛋白質はプリンおよびピリミジンの交互配列を有する下
記のものに対して選択的に結合するが、結合量の多いも
のから順に記載すると次の通りである。右像B−コンホ
メーションを有する2本鎖オリゴ−〔d(C−A)・d
(G−T)〕、左像Z−コンホメーションを有するオリ
ゴ−〔d(br5C−G)〕、右像B−コンホメーションを
有するオリゴ−〔d(C−G)〕。
例5 1本鎖の環状DNAテンプレートを用いるDNA合成に対する
RecA+蛋白質の促進作用 本例は、1本鎖テンプレートからのバルクDNA合成に
対するRecA+蛋白質の促進効果を具体的に示したもので
ある。
24マーであるプライマ〔d(AGCGGATAACAATTTCACACAG
GA)〕に、ATP−ν−Sを用いてRecA+蛋白質を被覆し
た。被覆されたプライマを、反応混合物中のM13mp18の
1本鎖DNAに付加した。この反応混合物はrATP、RATP再
生系のPEP/PK(ベーリンガー、マンハイム)、dNTP(別
の略称dNTPs)および〔H3〕dGTP(ニュー、イングラン
ド、ニュークレア)、大腸菌の1本鎖結合(SSB)蛋白
質(USバイオケミカル、コーポレーション)を含有する
ものであった。反応混合物の全容量は26.25μlであっ
た。RecA+蛋白質およびSSB蛋白質は存在させるかまた
は存在させないというようにして反応条件を種々変えた
(図5参照)。37℃において4分間保った後に、DNAポ
リメラーゼIの大形クレノウ断片(ニュー、イングラン
ド、バイオラブズ)0.5単位を添加した。
反応混合物を37℃において定温放置し、5分毎に試料
を採取する操作を15分間にわたって行った。反応混合物
の試料に冷たい5%トリクロロ酢酸を添加して3H標識付
DNAを沈澱させ、ガラスフィルタ(シュライヘル、アン
ド、シュエル、インコーポレーテッド)で濾過すること
によって該試料を集めた。新たに合成された高分子量DN
A中に入った〔3H〕dGTPの量を、パッカードP2000型液体
シンチレーションカウンタを用いてトルエン含有シンチ
レーションミックス中で該ガラスフィルタに計数操作を
行うことによって測定した。
前記反応の結果を図5に示す。図5に記載の反応成分
を表す記号は次の意味を有し、すなわち、白丸はDNAポ
リメラーゼIを、黒丸はDNAポリメラーゼIおよびSSB蛋
白質を、塗りつぶしていない四角形はDNAポリメラーゼ
IおよびRecA+蛋白質を、そして、塗りつぶした四角形
はDNAポリメラーゼI、RecA+蛋白質およびSSB蛋白質を
表す。
図5のデータから明らかなように、SSB蛋白質の不存
在下にRecA+蛋白質を添加することによってバルクDNA
合成の効率が改善できる。さらにまた、1本鎖の環状テ
ンプレートからのDNAの合成の際にはSSB蛋白質およびRe
cA+蛋白質の相乗効果も認められた。
例6 recA−803蛋白質によって促進された線状の2本鎖DNAテ
ンプレート上のDNA合成 本例は、recA−803蛋白質によるバルクDNA合成の促進
に関する実験結果を述べたものである。
反応に使用した2本鎖の線状テンプレートはプラスミ
ドpJC801−886であった。このプラスミドは、大腸菌のR
ecA遺伝子のためのコーディング配列を含み、制限酵素
エンドヌクレアーゼSa IIで切断した8kbの線状断片から
なるものであった。
次のRecA遺伝子特異性プライマ、すなわち、プライマ
A〔d(ATGCGACCCTTGTGTATC)〕およびプライマB〔d
(GTGGTGGGTAGCAAACC)〕を使用した。トリス−アセテ
ート30mM、酢酸ナトリウム60mM、酢酸マグネシウム10mM
を含有し、さらにまた、rATP再生系PEP/PK(ベーリンガ
ー、マンハイム)を含む混合物中で、前記プライマをRe
cA+蛋白質(30μM)で被覆する操作を37℃において5
分間行った。
前記のDNA合成反応を、反応混合物の全容量を32μl
として行った。反応混合物はpJC801−886(0.5μg)、
プライマAおよびB各0.6μM、トリス−アセテート(p
H=8.3)30mM、酢酸ナトリウム60mM、酢酸マグネシウム
10mM、例5記載のATP再生系、dNTPおよび〔α−35S〕dA
TPを含有するものであった。クレノウDNAポリメラーゼ
Iを5単位添加した。反応混合物を37℃において30分間
定温放置し、図6に記載の時点において試料を採取し
た。冷たい5%トリクロロ酢酸によって35S標識付DNAを
沈澱させ、ガラスフィルタ(シュライヘル、アンド、シ
ュエル、インコーポレーテッド)で濾過することによっ
て反応混合物の試料を集めた。新たに合成された高分子
量DNA中に入った〔35S〕dATPの量を、パッカードP2000
型液体シンチレーションカウンタを用いてトルエン含有
シンチレーションミックス中で該ガラスフィルタについ
て計数する操作を行うことによって測定した。
図6に記載の実験データ(図6中の塗りつぶしていな
い四角形はrecA−803蛋白質が存在しない試料を表し、
塗りつぶした四角形はrecA−803蛋白質が存在する試料
を表す)から明らかなように、recA−803蛋白質の存在
下では線状の2本鎖テンプレートからのバルク合成が確
実に促進される。
例7 RecA+蛋白質によって促進された天然型の線状ラムダDN
Aテンプレート上のDNA合成 本例は、25マーのプライマを用いる天然型のラムダDN
AテンプレートからのDNA合成をRecA+蛋白質が促進する
という実験結果を述べたものである。
A.RecA+蛋白質/プライマ錯体の調製 DNA合成反応に、表1に記載のプライマを使用した。
前記プライマの配列はラムダウイルスDNA配列から導
かれたものであった(米国コネチカット州ノーウォーク
のセッス−パーキンエルマー)。このラムダウィルスゲ
ノムの寸法は約48.5kbであった。該プライマの標的であ
るDNAセグメントは500bpのものであって、その中にプラ
イマ配列を約1%(ラムダゲノム全量基準)含んでい
た。
RecA+蛋白質を前記の1本鎖DNAプライマに次の反応
条件下に結合させた。RecA+蛋白質0.66μMを、最終濃
度1μMの各プライマと共に定温放置した(全量2μ
M)。反応混合物を22℃において10分間定温放置した。
上記の条件下にRecA+蛋白質は前記の1本鎖プライマに
効果的に結合した。これはプライマ/RecA+蛋白質錯体
のゲル遅延(gel retardation)によって確認された。
前記の10分間の定温放置の後に、前記のRecA+蛋白質
/プライマ混合物を反応混合物(トリス−HCl(pH=7.
5)10mM、NaCl(50mM)、MgCl210mM、dNTPの最終濃度75
0μM、DMSOの最終濃度10%)に添加した。次いでATP−
ν−S1μM(最終濃度)およびSSB蛋白質0.094mM(最終
濃度)を反応混合物に添加し、その後にラムダウイルス
ゲノムDNA(ニュー、イングランド、バイオラブズ)0.5
μgを添加した。
B.RecA+蛋白質の存在によって促進されたDNA合成 前記の反応混合物の平衡化を37℃において3分間行っ
た。クレノウのDNAポリメラーゼI(略称クレノウ)1
単位の添加によってDNA合成反応を開始させた。反応混
合物を37℃に保った。前記のクレノウの最初の添加の後
に、80分間の反応時間内にクレノウ1単位を追加する操
作を10分間隔で7回行った。
DNA合成反応におけるRecA+蛋白質添加の効果を調べ
るために、個々の場合の反応条件を次のごとく種々変え
て実験を行った(図7)。(a)レーン1、RecA+蛋白
質0.66μMおよびSSB蛋白質0.094mMを10分間隔で8回に
わたって逐次添加、(b)レーン2、RecA+蛋白質0.66
μM、SSB蛋白質0.094mMおよびATP−ν−S 1mMを10分
間隔で8回にわたって逐次添加、(c)レーン3、プラ
イマと錯体化したRecA+蛋白質は最初だけ添加し、次い
でATP−ν−SおよびSSB蛋白質を8回にわたって逐次添
加、(d)レーン4、対照反応実験(RecA+蛋白質、SS
B蛋白質およびATP−ν−Sを添加せず)。
レーン5およびレーン6の実験に使用された反応混合
物はラムダDNA(0.5μg)、および一連の1kb DNA分子
量マーカ(BRL)をそれぞれ含有するものであった。
反応生成物を0.7%アガロースゲル中の電気泳動によ
って分離し、臭化エチジウムで染色してDNAバンドを肉
眼で観察できるようにした。実験結果を図7に示す。
図7のデータから明らかなように、ラムダDNA合成はR
ecA+蛋白質の添加によって促進できることが確認され
た。すなわち、臭化エチジウム染色量の増大から明らか
なように、RecA+蛋白質を含むレーンにおいてDNA生成
物の濃度が高いという事実によって反応促進効果が確認
された。
C.RecA+蛋白質によるDNA合成の促進は、1本鎖結合蛋
白質の存在によって影響されないことを示す実験 この場合の反応条件は小節Aに記載の条件と同様であ
った。反応混合物の平衡化を37℃において3分間行っ
た。クレノウのDNAポリメラーゼI(略称クレノウ)1
単位の添加によってDNA合成反応を開始させた。反応混
合物を37℃に保った。クレノウの最初の添加を行った後
に、80分間の反応時間内に反応混合物に10分毎にクレノ
ウ1単位を補充した。すなわち反応混合物にクレノウを
全部で8単位(最初の1単位の添加を包含する)添加し
た。
RecA+蛋白質の存在下におけるDNA合成に及ぼす大腸
菌の1本鎖結合(SSB)蛋白質の影響を調べるために、
個々の場合の反応条件を次のごとく種々変えた。すなわ
ち、第1番目の反応混合物(図8、レーン1)はSSB蛋
白質を含まないものであった。第2番目の反応混合物
(図8、レーン2)には、RecA+蛋白質プライマの添加
後にSSB蛋白質を0.094μM添加した。第3番目の反応混
合物(図8、レーン3)はRecA+蛋白質およびSSB蛋白
質を含まない対照反応試料であった。すべての反応混合
物はATP−ν−S 1mMを含有し、そしてこれらの反応混
合物を37℃において80分間にわたって室温放置した。
前記の80分間の反応時間の末期にプロティナーゼK2.5
μl(50μg/μl)を反応混合物に添加し、そして反応
混合物を37℃に15分間保った。次いでアガロースゲル電
気泳動操作によってDNA分子を分離した。
前記反応の結果を図8に示す。前記の各レーン中の試
料については既に述べた。レーン4は標準的な1kbの分
子量のラダー(ladder;BRL)を含有するものであった。
レーン1および2中には大なる分子量の生成物が生じた
が、これによって、DNA合成反応はSSB蛋白質の存在によ
って影響されるものではないことがはっきりと確認でき
た。一方、レーン3では、該反応はRecA+蛋白質の存在
によって確実に促進されることが確認された。
例8 RecA+蛋白質が37℃においてプライマ依存性DNA合成を
促進することを示す実験 本例は、DNA合成反応はRecA+蛋白質およびランダム
特異性プライマの両者に左右されることを示す実験結果
を述べたものである。
反応条件は下記の例外を除いて例7Aの場合と大体同様
であった。すなわち本例における第1番目の反応混合物
はRecA+蛋白質を含むがプライマを含まないものであっ
た(図9、レーン1)。第2番目の反応混合物はプライ
マを含むがRecA+蛋白質を含まないものであった(図
9、レーン2)。第3番目の反応混合物(図9、レー
3)はRecA+蛋白質およびプライマの両者を含むもので
あった。
これらの反応混合物の平衡化を37℃において3分間行
った。エキソヌクレアーゼを含まない大腸菌DNAポリメ
ラーゼI(大形クレノウ断片のダブルミュータント(do
uble mutant):該酵素はUSバイオケミカルズから入手
可能)1単位の添加によってDNA合成反応を開始させ
た。反応混合物を37℃に保った。該ポリメラーゼの最初
の添加を行った後に、各反応混合物に10分毎に所定の単
位のクレノウを補充した。反応混合物を37℃において全
部で72時間にわたって定温放置した。28μlの試料を前
記のごとくプロティナーゼKで処理し、その後に電気泳
動分離操作を行った。
レーン3(図9)のデータから明らかなように、DNA
合成反応はRecA+蛋白質およびラムダ特異性プライマの
存在下においてのみ起こる。
例9 37℃においてRecA+蛋白質によって促進されたDNAの増
幅 本例は、500bpのラムダ標的配列からのDNA合成反応に
おけるRecA+蛋白質の反応促進効果を示す実施例であ
る。
A.SSB蛋白質の影響 反応条件は下記の例外を除いて例7Aの場合と大体同様
であった。すなわち本例では、すべての反応混合物は50
0bpのテンプレート0.5μgを含むものであった。前記の
500bpのテンプレートは、天然型のラムダゲノムDNAを置
換するラムダDNAテンプレート(マリス)を使用してT.
アクアチクスDNAポリメラーゼIの触媒作用下の熱的増
幅操作の生成物の精製によって得られたラムダゲノムの
ヌクレオチド7131−7630に相当するテンプレートであっ
た。
最初の2種の反応混合物はRecA+蛋白質を含まないも
のであった(図10、レーン2および3)。第3番目の反
応混合物はRecA+蛋白質を0.66μMの最終濃度で含むが
SSB蛋白質を含まないものであった(図10、レーン
4)。第4番目の反応混合物はRecA+蛋白質を0.66μM
の最終濃度でふくみ、かつSSB蛋白質を0.094μMの最終
濃度で含むものであった(図10、レーン5)。
反応混合物の平衡化を37℃において3分間行った。エ
キソヌクレアーゼが含まない大腸菌DNAポリメラーゼI
(USバイオケミカルズ)1単位の添加によってDNA合成
反応を開始させた。反応混合物を37℃に保った。該ホリ
メラーゼの最初の添加を行った後に、その後の70分間に
わたって反応混合物に10分毎にクレノウを1単位づつ追
加分として添加した。全反応時間は17.5時間であった。
試料に電気泳動分離操作を行う前に、該試料を既述の方
法によってプロティナーゼKで処理した。
図10のデータから明らかなように、RecA+蛋白質の不
存在下ではDNA合成反応は進行しない(レーン2および
3)。レーン1では、前記の500bpのテンプレートを標
準試料として使用した。RecA+蛋白質の存在下に行われ
た合成反応では、前記の500bpのテンプレートに類似の
寸法の生成物のバンドが認められた(レーン4)。一
方、RecA+蛋白質およびSSB蛋白質の存在下の合成反応
では、新たに生じた合成反応生成物の寸法は前記の500b
pのテンプレートより小であった(レーン5)。
B.DNA合成反応において反応混合物の各成分が合成反応
に及ぼす影響 反応条件は本例中の既述の実験の場合と大体同様であ
った。個々の実験における反応条件を表2に示す。
反応混合物中の各成分の濃度は次の通りであり、すな
わち反応混合物はRecA+蛋白質0.66μM、SSB蛋白質0.0
94μM、ATP−ν−S 1μM、40マーのプライマ2μ
M、25マーのプライマ2μM、500bpのテンプレート0.5
μgを含有するものであった。エキソヌクレアーゼを含
まないDNAポリメラーゼIの1回当たりの添加量は1単
位、全添加量は8単位であった。反応実験の番号は図11
記載のレーン番号に対応する。
図11記載の実験結果から明らかなように、RecA+蛋白
質およびATP−ν−Sを存在させるという反応条件のも
とで行われた反応実験7の場合に、DNA合成反応が最も
顕著に促進された。反応実験8の場合の反応混合物は、
さらにまたSSB蛋白質をも使用したことを除いて、反応
実験7の場合と同じ成分を含むものであった。レーン8
とレーン7との比較から明らかなように、SSB蛋白質を
存在させることは、決して2本鎖テンプレートからのDN
Aの合成反応におけるRecA+蛋白質およびATP−ν−Sの
反応促進効果をさらに高めるものではない。
C.RecA+蛋白質が単一温度反応における特異的な増幅を
促進することを示す実験 すべての反応混合物は500bpのテンプレート0.5μgを
含むものであった。この500bpのテンプレートは、天然
型のラムダゲノムDNAを置換するラムダDNAテンプレート
(マリス)を使用して、T.アクアチクスのDNAポリメラ
ーゼIの触媒作用下の熱的増幅操作で得られる生成物の
精製によって得られたラムダゲノムのヌクレオチド7131
−7630に相当するものであった。反応条件は、例7Aの場
合と実質的に同様であるが次の点が異なっていた。すな
わち、反応混合物1はATP−ν−Sを含むがRecA+蛋白
質およびSSB蛋白質を含まないものであった(図12、レ
ーン1)。反応混合物2は、ATP−ν−SおよびSSB蛋白
質を含むがRecA+蛋白質を含まないものであった(図1
2、レーン2)。反応混合物3は、ATP−ν−SおよびRe
cA+蛋白質を含むがSSB蛋白質を含まないものであった
(図12、レーン3)。反応混合物4は、これらの反応成
分をすべて含むものであった(図12、レーン4)。
単一温度DNA合成反応を例7Aの場合と実質的に同様な
方法に従って行った。37℃における定温放置操作を72時
間行った後に、各反応混合物の一部(16μl)をプロテ
ィナーゼK100μg(前記の“反応混合物の一部”当た
り)で37℃において15分間処理し、0.7%アガロースゲ
ル上に担持させた。電気泳動分離操作の後に、DNA断片
を標準的なプロトコール(マニアチス等)によって交雑
転移膜(ハイボンド−N、アマーシャム)に転移させ
た。該DNAをUV光の照射下に架橋反応によって前記の膜
に結合させた(ストラータリンカー、ストラータジェー
ン)。前記のUV処理後の転移鎖を、32pの末端部に標識
の付いたプローブPCR03Aと交雑させた。プローブPCR03A
(天然型のラムダゲノムのヌクレオチド7351−7390)
は、前記の増幅反応に使用された500bpのラムダテンプ
レートの内部DNA配列に対応する40マーのものである。
次いで、前記の膜にオートラジオグラフ操作を行った。
RecA+蛋白質の触媒作用下のクレノウの単一温度増幅
反応の生成物に、ある特定の放射能標識付プローブを交
雑させる実験によって、RecA+蛋白質は真の生成物の合
成反応を促進させるものであることが明らかになった。
オートラジオグラフのデータ(図12)から、RecA+蛋白
質およびATP−ν−Sを含むがSSB蛋白質を含まない反応
混合物を使用した場合(レーン3)にのみ、500bpの生
成物の顕著な増幅が起こることが確認された。
例10 テルムス・アクアチクスのRecA遺伝子の同定およびクロ
ーニング 本例は、サザンの交雑分析によるT.アクアチクスのRe
cA遺伝子の同定、およびその後の該遺伝子のクローニン
グを述べたものである。
T.アクアチクスからのゲノムDNAを精製し、下記の制
限酵素すなわちBamH I、Hind IIおよびSst Iを用いて消
化した。消化されたDNAを0.8%アガロースゲルに担持さ
せ、電気泳動操作を行い、そしてこのDNA断片をニトロ
セルロース膜に転移した(マニアチス等)。大腸菌のRe
cA遺伝子に対して61.6%の相同性を有するアクアスピル
ム・マグネトタクチクムからのRecA遺伝子(ア.バーソ
ン、M.ピーターズおよびN.ウェーレ(すべてSRIインタ
ーナショナルに所属)からの私的情報提供)をプローブ
として使用した。A.マグネトタクチクムはT.アクアチク
スの場合と同様にコドンとしての有用性を有する。該プ
ローブは、図13に記載の配列と、A.マグネトタクチクム
の非特徴的なゲノムDANの800個の塩基とからなるもので
あった。ニックトランスレーション操作によって該プロ
ーブに放射能標識を付けた(ベセスダ、リサーチ、ラボ
ラトリーズ)。
サザンの交雑操作を、標準的技術(マニアチス等、19
87年)を用いて42℃において20%ホルムアミド中で行っ
た。交雑体は、0.1xSSCおよび0.1%SDS中で55℃におい
て厳格な作業条件下に洗浄した。オートラジオグラフの
データには各制限ダイジェスト(digest)のシングルバ
ンドのみが認められた。プローブに交雑したDNAのバン
ドは12−15kb、5kbおよび1.5kbであって、これらはそれ
ぞれBamH I、Hind IIIおよびSst Iに対応する。
このRecA遺伝子のクローニングを次の方法によって行
った。前記のBamH I/T.アクアチクスのゲノムDNAをEMBL
ラムダクローニング系(プロメガ)にクローニングし
た。その結果得られたファージベクターを平板培養して
(plated)プラークを生成させた。このファージDNAを
ニトロセルロースフィルタに転移させた(プラークリフ
チング、マニアチス等)。既述のごとく、アクアスピリ
ルム・マグネトタクチクムのrecA遺伝子(図13)をテル
ムス・アクアチクスのrecA遺伝子のためのプローブとし
て使用した。前記のニトロセルローズフィルタを前記の
標識付プローブと交雑させた。厳格な交雑洗浄条件下に
前記プローブと強く交雑したファージDNA含有クローン
から、T.アクアチクスのRecA遺伝子を含む大形のBamH I
断片(15kb)が単離された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グリーン,クリストフアー・ジエイ アメリカ合衆国カリフオルニア州94945、 ノヴアト、トパーズ・ドライヴ 2737 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68 C12N 15/00 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1および第2の相補性連鎖を有し、各連
    鎖が3′および5′末端部を有する2本鎖DNA標的配列
    の増幅方法において、 (a) 前記の第1連鎖の5′末端部の区域に相補的な
    プライマと、前記の第2連鎖の5′末端部の区域に相補
    的なプライマとを、ATP−ν−Sの存在下にRecA+蛋白
    質で錯体化させ、 (b) 前記のごとく錯体化されたプライマを、前記の
    標的配列、全部で4つのdNTP、RecA+蛋白質およびDNA
    ポリメラーゼもまた含有する反応混合物中で反応させ、
    前記の反応は、前記の2つの標的配列の熱解離のために
    要する温度よりも低い温度において実施し、そして該反
    応を、前記の標的配列の所望程度の増幅が達成されるま
    で続けることを特徴とする2本鎖DNA標的配列の増幅方
    法。
  2. 【請求項2】前記の2本鎖の標的DNAが阻止または抑制
    性二次構造の区域を有するものである請求の範囲第1項
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記の2本鎖の標的DNAが次の製法によっ
    て製造されたものであり、すなわち、1本鎖のDNA分子
    を用意し、これを2本鎖のDNA分子に変換させ、該変換
    のために次の操作を行い、 (a) 前記の1本鎖の5′末端部の区域に相補的なプ
    ライマをATP−ν−Sの存在下にRecA蛋白質で錯体化
    し、 (b) 前記のごとく鎖体化されたプライマを、前記の
    1本鎖標的配列、全部で4つのdNTPおよびポリメラーゼ
    もまた含有する反応混合物中で反応させることによっ
    て、前記の1本鎖標的配列に相補的な連鎖を生成させる
    操作を行うことを包含する請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】前記の1本鎖DNAが、阻止または抑制性二
    次構造の区域を有するものである請求の範囲第3項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】前記に1本鎖DNA分子がcDNA分子である請
    求の範囲第3項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記の反応工程がさらにポリメラーゼの追
    加的添加操作を包含する請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】前記の反応工程がさらにRecA蛋白質の追加
    的添加操作を包含する請求の範囲第1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記の反応工程がさらにATP−ν−Sの追
    加的添加操作またはdATPとATP−ν−Sとの混合物の追
    加的添加操作を包含する請求の範囲第7項に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】前記の2種のプライマーが、同一のDNA配
    列に相補的なものである請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】前記のプライマが、前記のDNA標的配列
    に相補的でない5′末端部配列を含むものである請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記の非相補的な配列が、制限酵素エン
    ドヌクレアーゼ認識部位のためにコードする配列を包含
    するものである請求の範囲第10項に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記の2本鎖の標的DNAが、物理的また
    は化学的に損傷したものである請求の範囲第1項に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】前記のRecA蛋白質が、recA−803遺伝子
    の蛋白質生成物である請求の範囲第1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記のポリメラーゼが大腸菌のDNAポリ
    メラーゼIの大形のクレノウ断片であり、前記反応を37
    ℃において実施する請求の範囲第1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】第1および第2の相補的連鎖を有し、各
    連鎖が5′および3′末端部を有する2本鎖DNA標的配
    列の合成および増幅方法において、 (a) 前記の第1連鎖の5′末端部の区域に相補的な
    プライマと前記の第2連鎖の5′末端部の区域に相補的
    なプライマとを、ATP−ν−Sの存在下に熱安定性RecA
    蛋白質で錯体化し、 (b) 前記のごとく錯体化されたプライマを、前記の
    標的配列、全部で4つのdNTPおよび熱安定性ポリメラー
    ゼもまた含む反応混合物中で反応させ、しかして該反応
    は、約50℃より上の、ただし前記の標的連鎖およびそれ
    に対応するプライマの熱解離のための要する温度よりも
    低い温度において実施し、そして該反応を、前記の標的
    配列の所望程度の増幅が達成されるまで続けることを特
    徴とする2本鎖DNA標的配列の合成および増幅方法。
  16. 【請求項16】前記の熱安定性RecA蛋白質がテルムス・
    アクアチクスのRecA蛋白質である請求の範囲第15項に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】前記の熱安定性DNAポリメラーゼがテル
    ムス・アクアチクスのDNAポリメラーゼIである請求の
    範囲第15項に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記の熱安定性RecA蛋白質がテルムス・
    アクアチクスのRecA蛋白質である請求の範囲第17項に記
    載の方法。
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