JP4453115B2 - 標識されたdnaの調製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、標識されたDNA分子の調製方法に関し、より具体的には特定の二本鎖DNA分子を構成する2本の一本鎖DNAの少なくとも一方の特定部位のオリゴヌクレオチド配列を、少なくとも1個は標識されたヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列で置換することによる標識されたDNA分子の新規な調製方法に関する。さらに、本発明はかような調製方法により得られる標識されたDNA分子のプローブ、遺伝子の直接クローニングおよびDNA断片の直接検出法への使用等にも関する。
【0002】
【従来の技術】
標識されたDNA分子は、例えば、特定のDNAおよびその中の特定部位のヌクレオチド配列等を特異的に検出する手段、すなわちプローブとして生化学、医学、医療、等の技術分野で汎用されている。かようなプローブの調製方法の代表的なものとしては、(a)ニックトランスレーション法、(b)ランダムプライマーDNAラベリング法、(c)T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いるDNA末端標識法および(d)PCRを用いるPCR産物への標識ヌクレオチドの取込み法が挙げられる。しかし、これらの方法のうち、(c)は目的とする高分子量DNA中に標識されたヌクレオチドの1個をDNA分子の末端に取込むことができるが、その取込み効率は低い。そのためプローブとしての感度(比活性)が高められない点に短所を有する。また、(b)はランダムプライマーを使用する特質上、標識できるDNA断片の長さは最低500bp(mer)必要であり、それより短いDNAを用いると生成する断片は短いものが多くなる傾向がある。(例えば、Harrison B.et al.,Anal.Biochem.1986、158(2):307−315。)一方、(b)および(d)は、それぞれ、標識されたヌクレオチドを高効率で目的となるDNA中に取込むことができ、高比活性を達成できるが、所定の鎖長のプローブを取得し難い方法である(例えば(b)については、Feinberg AP, et al.,Anal.Biochem.1983、132(1);6−13参照)。また、(a)は、略述すれば、二本鎖DNA分子を適当なエンドヌクレアーゼで切断してニックを入れ、ニックの入ったDNA鎖を5′→3′エキソヌクレアーゼで消化し、それをポリメラーゼ活性で新しいDNA鎖と置換する作用をもつ方法であって、比活性を高めることができるが、一般的に長時間の反応により標識されたヌクレオチドの取込み率が低下する上に、所定の鎖長のプローブを取得し難い。
【0003】
加えて、上記(a)、(b)および(c)の各方法では、原則としてDNA含有試料中に含まれる各種DNA分子のすべてが標識される対象DNAとなるので、試料中に複数種のDNA分子が存在する場合、目的とするDNA分子を予め単一のものにしておくことが必要不可欠である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来技術によれば、単にDNA検出用プローブを提供することのみを前提にする場合でさえ、得られる標識されたDNA分子の長さが一定でないことに起因して、それらをプローブに用いる場合標的とするDNAの検出精度が低下する可能性のあるものが得られるにすぎない。
【0005】
したがって、いかなる鎖長のDNA分子でも選択的に標識でき、しかも該分子中の特定のヌクレオチド配列のみを高比活性で特異的に標識されたヌクレオチド配列で置換しうる方法の提供が持たれるであろう。本発明の目的は、いかなる鎖長のDNA分子であっても、その特定部分のヌクレオチド配列を少なくとも1個の標識されたヌクレオチドを含有するヌクレオチド配列により置換して、標識されたDNA分子を効率よく得ることのできる方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく研究を重ねてきた。より具体的には、各種生物体において一本鎖DNAの相同な二本鎖DNAへの挿入を介して進行するとされる相同的組換え(または「普遍的組換え」ともいう)に類する多種多様な反応を生体外でDNA断片に対して試みてきた。その結果、標的とする二本鎖DNA断片(分子)と、その特定部分のヌクレオチド配列に相同の一本鎖DNA(オリゴヌクレオチド)とが三本鎖DNAを形成し、次いで、少なくとも1個の標識されたdNTPを含む4種のdNTPの存在下で、3′→5′のエキソヌクレアーゼ反応を行うと同時にか、あるいは続けて5′→3′のポリメラーゼを作用させると、オリゴヌクレオチドに対応する、二本鎖DNA分子を構成する2本の一本鎖DNAの少なくとも一方の特定部分が標識されたヌクレオチドを含むヌクレオチド配列で置換できることを見い出した。
【0007】
したがって、上記目的は、本発明に従う、特定の二本鎖DNA分子を構成する2本の一本鎖DNAの少なくとも一方の特定部位のオリゴヌクレオチド配列を、少なくとも1個は標識されたヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列で置換することにより標識された二本鎖DNA分子を調製する方法によって達成される。かような調製方法は、下記:
(A)前記特定部位の少なくとも一方のオリゴヌクレオチド配列と実質的に相同の配列を有する少なくとも1種のオリゴヌクレオチドと前記二本鎖DNA分子とを、該オリゴヌクレオチドと二本鎖DNA分子とが部分的に三本鎖DNAを形成しうる条件下でインキュベートする工程、ならびに
(B)工程(A)で形成された二本鎖DNAと前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1種との複合体を、少なくとも1個は標識されているdNTPを含む4種のdNTPの存在下で、複合体中の二本鎖DNA分子を構成する2本の一本鎖DNAの少なくとも一方の特定部位のオリゴヌクレオチド配列が少なくとも1個は標識されたヌクレオチド配列で置換しうる条件下でインキュベートする工程、を含んでなる。
【0008】
前記特定部位のオリゴヌクレオチド配列は、二本鎖DNAの3′末端側に位置するか、あるいは非末端領域に位置してもよい。本発明にいう「非末端領域」とは、本発明の目的に沿うかぎり、二本鎖DNAの両末端のヌクレオチドを包含しない領域であって、環状の二本鎖DNAであれば、そのどの領域であってもよく、また、直鎖状の二本鎖DNAであれば、その中間領域、その他の両末端ヌクレオチドを包含しない適当な領域を意味する。
【0009】
上記調製方法は、特定の二本鎖DNA分子が他の二本鎖または一本鎖DNA分子と共存する条件下においても、選択的に特定の二本鎖DNA分子を標的としてヌクレオチド配列の置換を行うことができる。さらに、上記調製方法によれば、二本鎖DNA分子中で置換されるヌクレオチド配列は、複合体である三本鎖DNAの形成に使用したオリゴヌクレオチド(一本鎖DNA)に対応する部分に実質的に限定される。さらに、上記調製方法によれば、特定の(または標的)二本鎖DNA分子は、三本鎖DNAの形成に使用するオリゴヌクレオチドの長さを超える長さのものであれば、原理的には、いかなる長さのものであっても上記ヌクレオチド配列の置換を行うことができる。さらにまた、上記調製方法によれば、工程(B)で使用する標識されているdNTPの種類または量を選ぶことにより、所望の標識を所望の含有率で有する標識された二本鎖DNAを得ることができる。
【0010】
したがって、別の態様の本発明として、上記調製方法により得られる標識された二本鎖DNA分子または該二本鎖DNA分子より得られる標識された一本鎖DNA分子からなるDNAのプローブ用組成物;また、該標識された二本鎖DNA分子からなる遺伝子の直接クローニング用組成物およびDNA断片の検出法も提供される。
【0011】
さらなる別の態様の本発明として、上記調製方法を、多種多様のDNA断片を含有する水溶液中で実施することを特徴とする該調製方法において使用するオリゴヌクレオチドと相同の特定部位のオリゴヌクレオチド配列を有するDNA断片の検出方法も提供される。
【0012】
【発明の具体的な態様】
本発明および本明細書で、「オリゴヌクレオチド」と称する場合の「オリゴ」の語は、主として標識すべき二本鎖DNAの長さを三本鎖DNAの形成に用いられる一本鎖DNAの長さと区別する意図で使用しているものであり、当該技術分野で普通に認識されている「オリゴ」の概念に限定されることなく、一般的には「ポリ」の概念をも包含するものとして使用している。また、本発明にいう「DNA分子」の語は、DNA断片をも包含する概念であり、生体内のDNAを排除する。さらに、本発明にいう「特定部位」のうちの「3′末端部位」とは、二本鎖DNAを図1に示されるように略図的に表した場合の、プラス鎖またはマイナス鎖の3′末端部位の一方または両方を意味する。一方、「非末端領域」(または部位)は、前述のように、本発明の目的に沿うかぎり、二本鎖DNAの両末端の少なくとも1個のヌクレオチドを包含しない領域である。したがって、末端をもたない環状の二本鎖DNA分子であれば、そのいかなる領域であってもよく、また、直鎖状の二本鎖DNA分子であれば、その中間領域を初めとする両末端の少なくとも1個のヌクレオチドを包含しないいかなる領域であってもよい。しかし、安定な三本鎖DNA部分を形成するとの観点に立てば、二本鎖DNAがストレスを受けている、例えば、超(高次)らせん構造とっている部分、DNAトポイソメラーゼ活性によって生じた構造のねじれた部分を、非末端領域の具体的なものとして挙げることができる。以下、説明を簡単にする目的で主として、プラス鎖の3′末端部位の置換を例に説明するが、これらに本発明を限定するものでない。
【0013】
本発明にいう、二本鎖DNA分子は、上記調製方法によって標識されたオリゴヌクレオチドで置換しうるものである限り、起源、長さを問うことなくいかなるDNAの断片であってもよい。例えば、人工的な合成DNA、ならびに原核生物および真核生物のあらゆる生物種に由来するDNA断片であっても、標識することに技術的意義(例えば、プローブとして)を有するものであれば、いずれも本発明にいう二本鎖DNAに包含される。二本鎖DNAについて、ヒト、サル、マウスまたはラット由来のDNAについて、さらに説明を加えれば、例えば、いずれかの疾患に関連付けられる遺伝子を全部または一部有する二本鎖DNA断片を挙げることができ、また、人工的な合成DNA、例えば、当該技術分野で常用されているDNA自動合成機等を使用して合成された二本鎖DNAも挙げることができる。かようなDNAを対象とする場合、本発明の調製方法は、医療の分野、または生化学的な研究分野で有用である。なお、かような二本鎖DNA分子は、例えば分子中にニックが存在する場合等には、配列非特異的な新たなヌクレオチド配列が形成されることがあるので、標的二本鎖DNA分子はニックの存在を避けることが好ましい。
【0014】
上記調製方法では、上記二本鎖DNA分子におけるプラス鎖の3′末端部位または非末端領域のヌクレオチド配列と実質的に相同の配列を有するオリゴヌクレオチドが使用される。また、二本鎖DNA分子におけるマイナス鎖の3′末端部位または非末端部位のヌクレオチド配列と実質的に相同の配列を有するオリゴヌクレオチドを、独立してもしくは一緒に使用することもできる。実質的に相同とは、該オリゴヌクレオチドと二本鎖DNA分子とが、二本鎖DNAの3′末端部位または非末端領域で三本鎖DNAを形成でき、かつ上記ヌクレオチド配列が、本発明の方法に従い、新たなヌクレオチド配列で置換されうる程度に、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの数個が異なっていてもよいことを意味する。かような程度としては、オリゴヌクレオチドの長さ、また位置によって変動するので限定できないが、通常、オリゴヌクレオチドの5′および3′末端付近では数個(2ないし4個)、その中心部では1個のヌクレオチドが対応する二本鎖DNAのヌクレオチド配列と異なっている場合を挙げることができる。しかし、ヌクレオチド配列の正確な置換を行うとの観点からは、標的とする二本鎖DNA分子の対応するヌクレオチド配列と完全に相同のオリゴヌクレオチドを使用することが好ましい。
【0015】
かようなオリゴヌクレオチドの長さは、上記のように三本鎖DNAを形成しうるものであれば、特に限定されない。しかし、本発明の好ましい態様である、相同的組換えタンパク質を含有する水性溶液中で三本鎖DNAを形成する場合には、相同的組換えタンパク質の種類に応じて、オリゴヌクレオチドは少なくとも15merの長さを有することが好ましい。この長さは、より好ましくは、30mer以上である。
【0016】
上記の好ましい態様で使用できる相同的組換えタンパク質は、その存在下で標的二本鎖DNA分子と上記オリゴヌクレオチドが、該タンパク質を介して安定な複合体を形成しうるものであれば、起源を問うことなく、いかなるタンパク質であってもよい。しかし、かようなタンパク質の具体的なものとしては、大腸菌(Escherichia coli)に由来するrecAタンパク質、耐熱性細菌(Thermus thermophilus)、他の腸内細菌において、recA遺伝子によりコードされている多機能性タンパク質、また、アグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、枯草菌(Bacillus subtilis)、メチロフィルス メチロトローファス(Methylophilus methylotrophus)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ウスティラゴ メイディス(Ustilago maydis)等に由来する、それ自体既知のrecA類似タンパク質が挙げられる。その他、酵母(Saccharomyces cerevisiae)やヒトに由来するrecA類似タンパク質も、上記相同的組換えタンパク質に包含される。これらのうち、入手容易性、安定性の観点から、大腸菌に由来するrecAタンパク質またはそれに類似する機能を有するタンパク質(例えば、該タンパク質に由来する改変型タンパク質もしくはその断片)を使用することが好ましい。改変タンパク質としては、recA遺伝子の部位特異的変異誘発等により作出されたrecA遺伝子産物であって、recAタンパク質において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつrecAタンパク質と同様に上記三重鎖DNA部分を有する複合体を形成しうる機能を有するものを挙げることができる。数個のアミノ酸が欠失したものには、recAタンパク質の一本鎖DNAへの結合ドメインを含むタンパク質もしくはペプチドが包含される。このようなペプチドの例としては、Voloshin et al., Science, Vol. 272,1996:868−872に記載されているものを挙げることができる。なお、以上により理解できるように、本発明にいうタンパク質の語は、ペプチドをも包含する概念で使用している。
【0017】
相同組換えタンパク質を使用する標的二本鎖DNAおよびオリゴヌクレオチドとの3成分の複合体の形成に際して、アデノシン5′−三リン酸(ATP)またはその類縁体、例えばアデノシン(γ−チオ)−三リン酸(ATP−γS)、あるいはdATP、UTP、dUTP、CTP、dCTPまたはGTPなどを必要とする。これらのヌクレオチド三リン酸またはその類似体は、少なくとも1種以上を用い、場合によりヌクレオチド二リン酸を含めてもよい。本発明に従う、標識された二本鎖DNA分子の調製方法における後述する(B)工程でATPが生物学的な分解を伴なう場合には、後者のATP−γSを上記3成分複合体の形成に際して使用するのが好ましい。なお、上記ヌクレオチドに関する略号は、当該技術分野で慣用されているものに基づいている。
【0018】
かような3成分複合体の形性反応条件は、当業者であれば、後述する実施例に従って、簡単な実験を行うことによって、使用するrecAタンパク質またはrecA類似タンパク質に応じて、最適の反応条件を容易に選定しうるであろう。
【0019】
上記のように、recAタンパク質を用いて、3成分複合体を形成した場合には、場合により該複合体からrecAタンパク質を除去した後、次の反応に供してもよい。かような除去反応は、本発明に従う調製方法に悪影響を及ぼさない限り、いかなる非特異的プロテアーゼを使用して実施することができる。しかし、入手容易性、安定性等を考慮すると、トリチラキウム アルブム(Tritrachiumalbum)由来のプロティナーゼKを都合よく使用できる。プロティナーゼKを使用するタンパク質の分解反応条件は、当該技術分野で常用されている条件をそのまま、または改変して行うことができる。例えば、0.01M Tris(pH7.8)、0.5%SDSからなる緩衝液中に、プロティナーゼKを50μg/mlの濃度で加えて、37℃、10分間インキュベートするような条件下で上記反応を行う。
【0020】
こうして、上記3成分複合体からタンパク質を除去して得られる三本鎖DNAであっても、上記酵素反応液中で安定であり、そのまま、あるいは必要により分離した後、本発明に従う、工程(B)のオリゴヌクレオチド配列の置換反応に供することができる。この置換反応は、理論により拘束されるものでないが、三本鎖DNAにおける標的二本鎖DNAのプラス鎖を3′末端から3′→5′のエキソヌクレアーゼで消化されると同時にか、またはそれに続いて、消化されたヌクレオチド配列に対応する新たなヌクレオチド配列の形成を、5′→3′のポリメラーゼにより行うことにより達成できる。上記2種の酵素は、目的の作用を奏するものであれば、いかなる起源の酵素も使用でき、またそれらの酵素の共存下で行うこともできる。これらの酵素としては、DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIクレノウフラグメント(クレノウ酵素)、DNAポリメラーゼIクレノウフラグメント(エキソマイナス)、T4 DNAポリメラーゼおよびT7 DNAポリメラーゼ、ならびにこれらの遺伝子改変型ポリメラーゼおよび各種耐熱性ポリメラーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種の酵素を挙げることができる。特に、DNAポリメラーゼIクレノウフラグメント(以下、クレノウ酵素ともいう)を都合よく使用できる。クレノウ酵素は、大腸菌DNAポリメラーゼIのC末端側にある5′→3′のエキソヌクレアーゼ活性を欠失させたものであって、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)の存在下で5′→3′のポリメラーゼ活性と3′→5′のエキソヌクレアーゼ活性を有する。クレノウ酵素は市販されているものを、そのまま使用することができる。
【0021】
通常、上記dNTPは、dATP、dCTP、dGTPおよびdTTPの4種を使用して行うが、これらの少なくとも1個、すなわち、dATPの一部または全部を標識されたdATPや他の標識されたdNTPに代えて、上記置換反応を行えば、新たに形成されるヌクレオチド配列には、その中に標識されたヌクレオチドを1個以上含めることができる。クレノウ酵素を使用する反応条件それ自体は当該技術分野で周知であり、また、後述する実施例に習って、最適条件を決定することは当業者にとって容易である。かような条件の具体例としては、例えば、0.01M Tris(pH7.5)、0.005M MgCl2、0.0075M ジチオスレイトールからなる緩衝液中にクレノウ酵素を200unit/mlの濃度で加えて、37℃、15分間インキュベートするような条件を挙げることができる。
【0022】
上記dNTPを標識するのに使用できる標識および標識化方法も、当該技術分野で周知であり、一部は市販されているものをそのまま使用でき、また目的に応じて新たな標識されたdNTPを作成してもよい。かような標識としては、限定されるものでないが放射性同位体および低分子有機化合物が挙げられる。低分子有機化合物としては、上記置換反応に悪影響を及ぼさないで、それらを有するヌクレオチドが新たに形成されるヌクレオチド配列に組込むことのできるものであれば、所謂、標識としてではなく、何等かの薬効を有する薬物であってもよい。かような標識の代表的なものとしては、32P、35S、33P、3H、ビオチン、フルオレッセイン、ジゴキシゲニン、テトラメチルローダミンおよびアルカリフォスファターゼ等を挙げることができる。また、これらの標識で標識されたデオキシヌクレオシド三リン酸の例としては、[α−32p]dATP、[α−32p]dCTP、[α−32p]dGTP、[α−32p]dTTP、ビオチン−16−dUTP、ビオチン−11−dCTP、フルオレッセイン−2−dCTP、ジゴキシゲニン−11−dUTP、フルオレッセイン−12−dUTP、6−アミノヘキシルdATPおよびテトラメチルローダミン−5−dUTP等を挙げることができる。
【0023】
以上により、得られる標識された二本鎖DNA分子は、通常のDNA変性条件下で変性した後、標識された一本鎖DNA分子と未標識一本鎖DNA分子を分離し、それらの混合物のまま、あるいは必要により標識された一本鎖DNA分子を単離して、例えばサザンハイブリダイゼーション法のプローブとして使用することができる。
【0024】
また、標識された二本鎖DNA分子は、遺伝子の直接クローニングに使用することができる。
【0025】
さらには、本発明に従う、標識された二本鎖DNA分子の調製方法は、上述したように、多種多様のDNA断片の混合物から、特に二本鎖DNA分子であって、そのプラス鎖の3′末端部分または非末端領域のヌクレオチド配列が、三本鎖DNAの形成に使用するために加えられたオリゴヌクレオチドと相同であるDNA分子を選択的に該ヌクレオチド配列を標識されたヌクレオチドを含む新たなヌクレオチド配列で置換しうるので、該標識を指標に、直接特定のDNAの存否を検出できる。
【0026】
加えて本発明に従えば、任意の長さのDNAに標識を入れることができ、かつ、その標識は、DNAの片側鎖の末端付近または特定の非末端領域に限定して入れることができる。例えば、その標識物質がビオチンであるならば、ビオチン−ストレプトアビジンを介して、バイオチップ等のバイオセンサー表面へのDNAプローブの固定に用いることができる。また、DNAにアミノ化ヌクレオチドを取り込ませることにより、末端がアミノ化されたDNAを得ることができる。このアミノ化DNAは、カルボキシル基またはアミノ基を結合した固相担体上に、共有結合させることが可能である。これを用いて、バイオチップなどのバイオセンサー表面に、DNAプローブを簡単に結合させることが可能である。
【0027】
以上のとおり、本発明に従えば、応用分野の広い、極めて特異性の高い二本鎖DNA分子の標識方法が提供される。
【0028】
【実施例】
本発明を以下の実施例により、さらに具体的に説明するが、これらの実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明をこれらに限定することを意図するものではない。
【0029】
実施例1
(A)二本鎖DNA分子の末端でのオリゴヌクレオチドを使用する三本鎖の形成標的とする二本鎖DNA分子として、その3′末端のヌクレオチド配列が既知のpBR322[塩基配列については、例えば、Sutcliffe, J. G., Complete nucleotide sequence, of the Escherichia coli plasmid pBR322 JOURNAL, Cold Spring Harb. Symp. Duant. Biol. 43Pt1,77-90:(1979)参照]のDNAを制限酵素ScaIで直鎖状にしたもの(断片)を用意した。一方、pBR322のSca I断片の3′末端に相同の配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴという場合あり):
オリゴ1 5′-cact gcataattct cttactgtca tgccatccgt aagatgcttt
tctgtgactg gtgagt-3′
(配列番号:1)
と逆相補鎖である
オリゴ2 5′-actcac cagtcacaga aaagcatctt acggatggca tgacagtaag
agaattatgc agtg-3′
(配列番号:2)
を合成し、これらのオリゴヌクレオチドを、市販されているDNA 5′末端標識試薬(DNA 5′末端標識キットMEGALABELTM、宝酒造株式会社)を用いて、[γ−32p]ATPで標識した。
【0030】
三本鎖形成反応は、2つの反応液A(20μl)とB(20μl)を準備し、反応液Aには、5pmolのオリゴヌクレオチド、3.0μgのrecAタンパク、0.48mM ATP−γS、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.5mM酢酸マグネシウムを含め、一方反応液Bには、100ngの標的DNA、0.48mM ATP−γSを、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウムを含めた。反応液AとBをそれぞれ37℃で15分間インキュベートした後、2つを混ぜ合わせて、さらに37℃で30分間から18時間インキュベートした。次に、除タンパクを行うために、三本鎖反応液全量に、0.5%(W/Vol)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え37℃で10分間インキュベートした。その10μlについて0.8%アガロースゲル電気泳動を行った。泳動後に、エチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を取りDNAを観察した。
【0031】
結果は図2(図面に代わる写真)に示されるとおりである。図2のレーン1〜3は、それぞれ次の意味または結果を示す。
レーン1:DNAサイズマーカー
レーン2:オリゴ2を用いて反応を行ったもの。塩基配列特異性を調べるために、制限酵素BstP Iで消化したλDNA断片も同時に反応を行ってある。オリゴ2の配列では、三本鎖は形成されない。
レーン3:オリゴ1を用いて反応を行ったもの。塩基配列特異性を調べるために、制限酵素BstP Iで消化したλDNA断片も同時に反応を行ってある。オリゴ1の配列では三本鎖は形成される。
【0032】
なお、レーン1のDNAサイズマーカーは、λDNAを制限酵素Hind IIIで切断し、[γ−32p]ATPで標識したものである。
【0033】
本実施例の一連の反応において、2つの60−merオリゴヌクレオチドを用いて、三本鎖DNA形成をさせたもののうち、1つは、二本鎖DNA分子におけるプラス鎖の3′末端部位の配列をもつものである(レーン3に結果を示す。)。もう1つは、二本鎖DNA分子におけるマイナス鎖の5′末端部分の配列をもつものである(レーン2に結果を示す。)。この結果から、すくなくとも60−merオリゴヌクレオチドを用いて三本鎖形成を行うときには、プラス鎖の3′末端部位の配列をもつものでないと除タンパク後に安定な三本鎖は形成されないことがわかる。
(B−1)二本鎖DNAにおけるプラス鎖の3′末端部分のヌクレオチド配列の置換
上記プロティナーゼK処理液(40μl)に、60μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)を加え、100μlとした。フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出を1回行った後、エタノールを加え、冷却・遠心を行い、含まれるDNA分子を濃縮分離した。DNA沈殿を10.5μlの蒸留水に溶かした後、10mM Tris−HCl pH7.5、5mM MgCl2、7.5mMジチオスレイトール、4unitのクレノ酵素、0.02mM[α−32p]dATP、0.02mM dCTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTP中で、37℃で15分間保温した。TE緩衝液を10μl加え、G25スピンカラムで過剰な[α−32p]dATPを除去した。その10μlについて0.8%アガロースゲル電気泳動を行った。泳動後に、エチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を記録した後、ゲルをろ紙の上に載せてゲル乾燥器で乾燥させた。シグナルの検出は、乾燥させたゲルのオートラジオグラムをとり、X線フィルム上に記録した。
【0034】
結果は図3(図面に代わる写真)に示されるとおりである。写真に示されるレーン1〜3は、それぞれ次の意味または結果を示す。
レーン1:DNAサイズマーカー
レーン2:60bオリゴヌクレオチドを用いないで反応を行い、[α−32p]dATPの取込標識反応を行った結果を示す。塩基配列特異性を調べるために、制限酵素BstP Iで消化したλDNA断片も同時に反応を行ってある。
レーン3:標的二本鎖DNA分子におけるプラス鎖の3′末端部位の配列をもつ60bオリゴヌクレオチドを用いて反応を行い、[α−32p]dATPの取込標識反応を行った結果を示す。塩基配列特異性を調べるために、制限酵素BstPIで消化したλDNA断片も同時に反応を行ってある。
【0035】
なお、レーン1のDNAサイズマーカーは、λDNAを制限酵素Hind IIIで切断し、[γ−32p]ATPで標識したものである。
【0036】
本実施例の一連の反応において、標的二本鎖DNA分子へのクレノウ酵素による32Pの取込反応を行う前の、三本鎖形成を行うときに、プラス鎖の配列をもつオリゴヌクレオチドを用いて反応を行ったもの(レーン3に結果を示す)と、オリゴヌクレオチドを加えないで反応を行ったもの(レーン2に結果を示す)の結果である、この結果から、標的二本鎖DNA分子は標識には、三本鎖形成が必要であることがわかる。また、同時に反応を行ったλDNA断片は標識されていないことから、標識の様式はDNAの塩基配列特異的であることがわかる。
レーン3:標的二本鎖DNA分子におけるプラス鎖の3′末端部位の配列をもつ60bオリゴヌクレオチドを用いて反応を行い、[α−32p]dATPの取込標識反応を行った結果を示す。塩基配列特異性を調べるために、制限酵素BstPIで消化したλDNA断片も同時に反応を行ってある。
(B−2) 二本鎖DNAの標識物質が取り込まれたDNA鎖の長さの同定
(B−1)の反応産物を、制限酵素Pst Iで消化し、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、生成した一本鎖DNAの状態で解析した。結果は図4(図面に代わる写真)に示されるとおりである。写真に示されるレーン1〜3は、それぞれ次の意味または結果を示す。
レーン1:一本鎖DNAサイズマーカー
レーン2:標的二本鎖DNA分子におけるプラス鎖の3′末端部位の配列をもつ60bオリゴヌクレオチドを用いて反応を行い、[α−32p]dATPの取込標識反応を行った結果を示す。塩基配列特異性を調べるために、制限酵素BstPIで消化したλDNA断片も同時に反応を行ってある。
レーン3:60bオリゴヌクレオチドを用いないで反応を行い、
の取込標識反応を行った結果を示す。塩基配列特異性を調べるために、制限酵素BstP Iで消化したλDNA断片も同時に反応を行ってある。
【0037】
なお、レーン1は一本鎖DNA分子のサイズマーカーである。
【0038】
本実施例の一連の反応において、標的二本鎖DNA分子へのクレノウ酵素による[α−32p]dATPの取込反応を行う前の、三本鎖形成を行うときに、プラス鎖の配列をもつオリゴヌクレオチドを用いて反応を行ったもの(レーン2に結果を示す)と、オリゴヌクレオチドを加えないで反応を行ったもの(レーン3に結果を示す)の結果である、変性ポリアクリルアミドゲルによる解析では、二本鎖DNAは一本鎖に変性して泳動される。泳動直前の標的DNAの状態は、直鎖状標的DNAをさらに制限酵素Pst Iで消化してあることから、そのプラス鎖は237bの長さであり、マイナス鎖の長さは241bをもつ。レーン2のシグナルは、レーン1のサイズマーカーの情報から、237bの長さをもつ。この結果から、標識されたDNAは、二本鎖DNA分子におけるプラス鎖であることがわかる。
【0039】
実施例2
標識反応における、各反応成分の依存性
標的DNAとしてファージベクターM13mp18RF DNA(宝酒造より入手)を制限酵素SnaBIで直鎖状にしたものと、その標的DNAの末端部位の配列を持つ60−merのオリゴヌクレオチド3を用意した。標的DNAとオリゴヌクレオチド3との間の三本鎖形成反応を行うために、2つの反応液A(20μl)と反応液B(20μl)を準備した。反応液Aには、5pmolのオリゴヌクレオチド1、6.0μgのrecAタンパク、0.48mM ATP−γS、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.5mM酢酸マグネシウムが含まれる。反応液Bには、200ngのターゲットDNA、0.48mM ATP−γSを、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウムが含まれる。
【0040】
反応液AとBをそれぞれ37℃で15分間インキュベートした後、2つを混ぜ合わせて、さらに37℃で30分間インキュベートした。三本鎖形成反応を終えた反応液40μlに、0.5%(W/V)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え、37℃で10分間インキュベートすることにより、除recA処理を行った。その後、60μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)を加え、100μlとして、フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出を1回行った後、エタノール沈殿法を行い、含まれるDNA分子を濃縮分離した。DNA沈殿を10.5μlの蒸留水に溶かした後、10mM Tris−HCl pH7.5、5mM MgCl2、7.5mMジチオスレイトール、4unitクレノウ・フラグメント(Klenow fragment)、0.02mM [α−32p] dCTP、0.02mM dGTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTP中で、37℃で30分間インキュベートすることにより、標識反応を行った。
【0041】
TE緩衝液を10μl加え、G25スピンカラムで過剰な[α−32p] dCTPを除去した後、その半分量については1%アガロースゲル電気泳動を、残りの半分量については0.7%アルカリ変性ゲル電気泳動を行った。アガロースゲル電気泳動については、泳動後にエチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を記録した。その結果を図5(B)のレーン1に示す。その後、ゲルをろ紙の上に載せてゲル乾燥器で乾燥させた。シグナルの検出は、乾燥させたゲルのオートラジオグラムをとり、X線フィルム上に記録した。アガロースゲル電気泳動の結果を図5(A)のレーン1に、アルカリ変性ゲル電気泳動の結果を図5(C)のレーン1に示す。
【0042】
比較実験として、次のことを行った。レーンMは、DNAサイズマーカーで、図面の左端にそのサイズを示す。このサイズマーカーは、λDNAを制限酵素HindIIIで切断し、[γ−32p]ATPで5′末端標識したものである。レーン2は、recAを加えないで反応を行った以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン3は、ATP−γSを加えないで反応を行った以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン4は、逆相補配列をもつオリゴヌクレオチド4を用いて反応を行った以外はレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン5は、pBR322 DNA配列をもつオリゴヌクレオチド1を用いて反応を行った以外はレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。
オリゴ3の配列: 5′-agaggctttg aggactaaag actttttcat gaggaagttt
ccattaaacg ggtaaaatac-3′(配列番号:3)
オリゴ4の配列: 5′-gtattttacc cgtttaatgg aaacttcctc atgaaaaagt
ctttagtcct caaagcctct-3′ (配列番号:4)
オリゴ1の配列: 5′-cact gcataattct cttactgtca tgccatccgt
aagatgcttt tctgtgactg gtgagt-3′ (配列番号:1)
図5(A)、(B)および(C)によれば、図5(A)のレーン1に示すように、標的DNAの標識反応には、レーン1の結果をもたらす各種処理条件が必要であることがわかる。また、図5(C)のレーン1に示すように、標識が入るのは標的DNAであり、標識の入った標的DNAは標識を入れる前の標的DNAの長さと同じであることがわかる。
【0043】
実施例3
標識された標的DNA鎖長
図6(A)のレーン1は、標的DNAとしてM13mp18RF DNAの制限酵素HincIIで切断したものを用いたことと、その末端部位の配列をもつオリゴヌクレオチド5を用いたこと以外は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。比較実験として、レーン2は、オリゴヌクレオチドを加えないで、レーン1と同じ反応を行った結果に由来する。図6(B)はゲルの染色写真である。図6(C)のレーン1は、(A)のレーン1で得られたサンプルを、制限酵素BsaHIで切断して、4.5%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動したものである。レーン2は、(A)のレーン2で得られたサンプルを制限酵素BsaHIで切断してレーン1と同様に電気泳動したものである。レーンMは、DNAサイズマーカーを示し、その1つのサイズを(C)の左端に示す。
オリゴ5の配列: 5′-ggaaacagct atgaccatga ttacgaattc gagctcggta
cccggggatc ctctagagtc-3′ (配列番号:5)
図6(A)、(B)および(C)によれば、(C)のレーン1に示すように、標識されたDNAは2本鎖の標的DNAの片側の一本鎖であり、その完全長である263bpの長さであることがわかる。
【0044】
実施例4
標識反応における、塩基配列特異性
図7(A)のレーン1は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン2は、pBR322 DNA(宝酒造より入手)の配列を持つ上記オリゴヌクレオチド1を用いたこと以外はレーン1と同じ反応を行った結果に由来する。レーン3は、標的DNAとして、pBR322 DNAを制限酵素ScaIで切断したものを用いたことと、その末端部位の配列をもつオリゴヌクレオチド1を用いたこと以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来する。レーン4は、標的DNAとして、pBR322 DNAを制限酵素ScaIで切断したものを用いたことと、M13mp18RF DNAの配列を持つオリゴヌクレオチド3を用いたこと以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来する。(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真である。
【0045】
図7(A)および(B)によれば、標識反応は、三本鎖形成の反応液中に、標的DNAの末端部位のオリゴヌクレオチド配列と標識反応に用いるオリゴヌクレオチドの配列とが実質的に同一であることが必要であることを示す。
【0046】
実施例5
標識反応における、標的DNAの標識部位
図8(A)のレーン1は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン2は、ファージベクターM13mp18RFのSnaBI断片のもう一つの片末端側のヌクレオチド配列に対応するレーン1と同一のサンプルを制限酵素EcoRIで切断して電気泳動したものである。レーン3は、オリゴヌクレオチド6を用いたこと以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来する。レーン4は、レーン3と同じサンプルを、制限酵素EcoRIで切断して電気泳動したものである。(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真である。
オリゴ6の配列: 5′-tgttttagtg tattctttcg cctctttcgt tttaggttgg
tgccttcgta gtggcattac-3′(配列番号:6)
図8(A)および(B)によれば、レーン2とレーン4に示すように、それぞれ標的DNAの片側末端部位の配列をもつ2種のオリゴヌクレオチド3と6を用いて一連の反応を行った場合、標的DNA上で、それぞれそれらのオリゴヌクレオチドが三本鎖形成する末端部位が標識されていることがわかる。
【0047】
実施例6
標識反応における、標的DNAの標識部位
図9(A)のレーン1は、標的DNAとしてM13mp18RF DNAを制限酵素HincIIで切断したものを用いたことと、その末端部位の配列をもつオリゴヌクレオチド7を用いたこと以外は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン2は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素XbaIで切断したサンプルの電気泳動の結果である。レーン3は、レーン1と同一のサンプルを、制限酵素BamHIで切断したサンプルに由来するものである。レーン4は、レーン1と同一のサンプルを、制限酵素SmaIで切断したサンプルに由来するものである。レーン5は、レーン1と同一のサンプルを、制限酵素KpnIで切断したサンプルに由来するものである。レーン6は、レーン1と同一のサンプルを、制限酵素SacIで切断したサンプルに由来するものである。レーン7は、レーン1と同一のサンプルを、制限酵素EcoRIで切断したサンプルに由来するものである。レーン8は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素BsaHIで切断したサンプルに由来するものである。(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真である。
オリゴ7の配列: 5′-ttacgaattc gagctcggta cccggggatc ctctagagtc-3′
(配列番号:7)
図9(A)および(B)によれば、レーン1からレーン2に示すように、標的DNAの標識が入っている部位を端から制限酵素を用いて順に切断していくと、標識シグナルがそれに応じて減少していくことから、標的DNAの標識される部位は、DNAの末端領域であることがわかる。さらに、標識される部位は、オリゴヌクレオチドの長さの範囲内で、かつ、均一に標識されていることがわかる。
【0048】
実施例7
異なるDNAポリメラーゼを用いる標識反応
図10(A)のレーン1は、標識反応で大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼIを用いたこと以外は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン2は、標識反応で大腸菌DNAポリメラーゼIを用いたことと、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来する。レーン3は、大腸菌DNAポリメラーゼI、ラージ・フラグメント(Large fragment)で標識反応を行ったこと以外は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来する。レーン4は、大腸菌DNAポリメラーゼIのLarge fragmentで標識反応を行ったことと、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来する。レーン5は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来する。レーン6は、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来する。
【0049】
図10(A)および(B)によれば、どんな種類のDNAポリメラーゼI酵素でも、標識反応に用いることができることがわかる。また、レーン6に示すように、バックグラウンドシグナルを低くするためには、大腸菌DNAポリメラーゼIのLarge fragment(3′−5′exoマイナス)で標識反応を行うことが望ましいこともわかる。
【0050】
実施例8
異なる種類のDNAポリメラーゼを用いる標識反応
図11(A)のレーン1は、図5(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン7は、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、図5(A)のレーン1と同じ反応を行った結果に由来する。レーン2は、標的DNAとしてM13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで直鎖状にしたものと、オリゴヌクレオチド1との間で三本鎖形成を行った結果に由来する。その反応は、2つの反応液A(20μl)と反応液B(20μl)を準備した。反応液Aには、5pmolのオリゴヌクレオチド1、6.0μgのrecAタンパク、0.48mM ATP−γS、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.5mM酢酸マグネシウムが含まれる。反応液Bには、200ngの標的DNA、0.48mM ATP−γSを、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウムが含まれる。
【0051】
反応液AとBを、それぞれ37℃で15分間インキュベートした後、2つを混ぜ合わせて、さらに37℃で30分間インキュベートした。この時点での、組み換え反応後の反応液量は40μlであった。その10μlに、10mM Tris−HCl pH7.5、5mM MgCl2、7.5mMジチオスレイトール、4unit Klenow fragment、0.02mM α−32P dCTP、0.02mM dGTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTPを含んだ反応液20μl中で、37℃で60分間インキュベートした。全量に0.5%(W/V)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え37℃で10分間インキュベートした後、TE緩衝液を30μl加え、G25スピンカラムで過剰なα−32P dCTPを除去した。その半分量については1%アガロースゲル電気泳動を行った。泳動後に、エチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を取りDNAを観察した。シグナルの検出は、乾燥させたゲルのオートラジオグラムをとり、X線フィルム上に記録した。
【0052】
レーン8は、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、レーン2と同様の反応を行った結果に由来するものである、レーン3は、標識反応を45℃で行ったこと以外は、レーン2と同様の反応を行った結果に由来する。レーン9は、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、レーン3と同じ反応を行った結果に由来する。レーン4は、標識反応を、20mM Tris−HCl pH8.8、10mM KCl、10mM(NH4)2SO4、2mM MgSO4、0.1% Triton X−100、5units Bst DNA Polymerase large fragment、0.02mM α−32P dCTP、0.02mM dGTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTPを含んだ反応液20μl中で、65℃で60分間インキュベートしたこと以外は、レーン2と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン10は、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、レーン4と同様の反応を行った結果に由来する。レーン5は、標識反応を、20mM Tris−HCl pH8.3、10mM KCl、6mM(NH4)2SO4、2mM MgCl2、0.1% Triton X−100、0.001% BSA、5units PyroBest DNA Polymerase large fragment、0.02mM [α−32p] dCTP、0.02mM dGTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTPを含んだ反応液20μl中で、65℃で60分間インキュベートしたこと以外は、レーン2と同様の反応を行った結果に由来する。レーン11は、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、レーン5と同様の反応を行った結果に由来する。レーン6は、標識反応を、10mM Tris−HCl pH8.3、50mM KCl、1.5mM MgCl2、5units Taq DNA Polymerase large fragment、0.02mM [α−32p] dCTP、0.02mM dGTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTPを含んだ反応液20μl中で、65℃で60分間インキュベートしたこと以外は、レーン2と同様の反応を行った結果に由来する。レーン12は、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、レーン6と同様の反応を行った結果に由来する。(B)は(A)と同様のアガロースゲルの、DNA全染色写真である。
【0053】
図11(A)および(B)によれば、レーン4に示すように、耐熱性のBstDNAポリメラーゼを用いて標識反応を行うことにより、除recA処理を行わないで標識反応を行うことができる。また、レーン1とレーン4を比較すると、その標識効率は、除recAを行って標識反応を行う場合と、ほぼ同じであることがわかる。
【0054】
実施例9
閉環状の標的DNAを用いた標識反応
標的DNAとして閉環状のDNA(pBR322 DNA)と、その1部位の配列を持つ120−merのオリゴヌクレオチド8を用意した。標的DNAとオリゴヌクレオチド8との間の三本鎖形成反応を行うために、2つの反応液A(20μl)と反応液B(20μl)を準備した。反応液Aには、5pmolのオリゴヌクレオチド8、6.0μgのrecAタンパク、0.48mM ATP−γS、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.5mM酢酸マグネシウムが含まれている。反応液Bには、200ngの標的DNA、0.48mM ATP−γSを、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウムが含まれる。
【0055】
反応液AとBをそれぞれ37℃で15分間インキュベートした後、2つを混ぜ合わせて、さらに37℃で30分間インキュベートした。この時点での三本鎖形成反応を終えた反応液40μlに、0.5%(W/V)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え、37℃で10分間インキュベートすることにより、除recA処理を行った。その後、60μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)を加え、100μlとして、フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出を1回行った後、エタノール沈殿法を行い、含まれるDNA分子を濃縮分離した。DNA沈殿を10.5μlの蒸留水に溶かした後、10mM Tris−HCl pH7.5、5mM MgCl2、7.5mMジチオスレイトール、4unit Klenow fragment、0.02mM [α−32p] dCTP、0.02mM dGTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTP中で、37℃で30分間インキュベートすることにより、標識反応を行った。TE緩衝液を10μl加え、G25スピンカラムで過剰なα−32P dCTPを除去した後。その半分量については1%アガロースゲル電気泳動を行った泳動後にエチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を記録した。結果を図12(B)のレーン1に示す。その後、ゲルをろ紙の上に載せてゲル乾燥器で乾燥させた。シグナルの検出は、乾燥させたゲルのオートラジオグラムをとり、X線フィルム上に記録した。アガロースゲル電気泳動の結果を図12(A)のレーン1に示す。
【0056】
比較実験として、次のことを行った。レーンMは、DNAサイズマーカーで、図面の左端にそのサイズを示す。このサイズマーカーは、λDNAを制限酵素HindIIIで切断し、[γ−32p]ATPで5′末端標識したものである。レーン4は、用いた標的DNAをそのまま電気泳動したものである。レーン2は、逆相補オリゴヌクレオチド9を用いたこと以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来する。レーン3は、オリゴヌクレオチド加えないで反応を行ったこと以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来する。
オリゴ8の配列: 5′-gtcctccgat cgttgtcaga agtaagttgg ccgcagtgtt
atcactcatg gttatggcag cactgcataa ttctcttact gtcatgccat ccgtaagatg
cttttctgtg actggtgagt-3′(配列番号:8)
オリゴ9の配列: 5′-actcaccagt cacagaaaag catcttacgg atggcatgac
agtaagagaa ttatgcagtg ctgccataac catgagtgat aacactgcgg ccaacttact
tctgacaacg atcggaggac-3′(配列番号:9)
図12(A)および(B)によれば、レーン1と2に示すように、三本鎖形成体が安定に保持されており、閉環状DNAを標的DNAとして用いることで、DNAのどこの部位でも標識をいれることができることがわかる。
【0057】
実施例10
標識反応後のオリゴヌクレオチドの状態
標的DNAとしてM13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで直鎖状にしたものと、その標的DNAの末端部位の配列を持つ60−merのオリゴヌクレオチド3を用意した。オリゴヌクレオチドは、[γ−32p]ATPで5′末端を事前に標識しておいた。標的DNAとオリゴヌクレオチド3との間の三本鎖形成反応は、2つの反応液A(20μl)と反応液B(20μl)を準備した。反応液Aには、1pmolのオリゴヌクレオチド1、6.0μgのrecAタンパク、0.48mM ATP−γS、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.5mM酢酸マグネシウムが含まれる。反応液Bには、200ngの標的DNA、0.48mM ATP−γSを、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウムが含まれる。
【0058】
反応液AとBをそれぞれ37℃で15分間インキュベートした後、2つを混ぜ合わせて、さらに37℃で30分間インキュベートした。この時点での三本鎖形成反応を終えた反応液40μlに、0.5%(W/V)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え、37℃で10分間インキュベートすることにより、除recA処理を行った。その後、60μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)を加え、100μlとして、フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出を1回行った後、エタノール沈殿法を行い、含まれるDNA分子を濃縮分離した。DNA沈殿を10.5μlの蒸留水に溶かした後、10mM Tris−HCl pH7.5、5mM MgCl2、7.5mMジチオスレイトール、4unit Klenow fragment、0.02mM dCTP、0.02mM dGTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTP中で、37℃で30分間インキュベートすることにより取り込み反応を行った。反応終了液に、0.5%(W/V)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え、37℃で10分間インキュベートすることにより、除タンパク処理を行った。その半分量については1%アガロースゲル電気泳動を行った。泳動後にエチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を記録した。結果を図13(B)に示す。その後、ゲルをろ紙の上に載せてゲル乾燥器で乾燥させた。シグナルの検出は、乾燥させたゲルのオートラジオグラムをとり、X線フィルム上に記録した。その結果を図13(A)のレーン2で示す。
【0059】
比較実験として、次のことを行った。レーンMは、DNAサイズマーカーで、図面の左端にそのサイズを示す。このサイズマーカーは、λDNAを制限酵素HindIIIで切断し、[γ−32p]ATPで5′末端標識したものである。レーン1は、レーン2と同様に三本鎖形成を行い、取り込み反応を行わないで電気泳動したもの。レーン3は、レーン2と同様に三本鎖形成を行い、取り込み反応で4種のdNTPsを加えないで反応を行った結果に由来する。レーン4は、レーン2と同様に三本鎖形成を行い、取り込み反応でdATPを加えないで反応を行った結果に由来する。レーン5は、レーン2と同様に三本鎖形成を行い、取り込み反応でdCTPを加えないで反応を行った結果に由来する。
【0060】
図13(A)および(B)によれば、レーン2に示すように、DNAポリメラーゼによる4種類のdNTPsの取り込み反応を行った後には、三本鎖形成に用いたオリゴヌクレオチドがターゲットDNAから解離していることがわかる。
【0061】
実施例11
標識反応の再現性
図5(A)のレーン1と同様の反応を行ったサンプルで電気泳動する前のものを、フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出を1回行った後、エタノール沈殿法を行い、含まれるDNA分子を濃縮分離した。こうして得られるDNAを標的DNAとして用いてオリゴヌクレオチド3との間で三本鎖形成を行った。反応は、2つの反応液A(20μl)と反応液B(20μl)を準備した。反応液Aには、1pmolのオリゴヌクレオチド3、6.0μgのrecAタンパク、0.48mM ATP−γS、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.5mM酢酸マグネシウムが含まれる。反応液Bには、200ngのターゲットDNA、0.48mM ATP−γSを、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウムが含まれる。
【0062】
反応液AとBをそれぞれ37℃で15分間インキュベートした後、2つを混ぜ合わせて、さらに37℃で30分間インキュベートした。この時点での三本鎖形成反応を終えた反応液40μlに、0.5%(W/V)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え、37℃で10分間インキュベートすることにより、除recA処理を行った。その後、60μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)を加え、100μlとして、フェノール・クロロフォルム抽出を1回、クロロフォルム抽出を1回行った後、エタノール沈殿法を行い、含まれるDNA分子を濃縮分離した。DNA沈殿を10.5μlの蒸留水に溶かした後、10mM Tris−HCl pH7.5、5mM MgCl2、7.5mMジチオスレイトール、4unit Klenow fragment、0.02mM dCTP、0.02mM dGTP、0.02mM dATP、0.02mM dTTP中で、37℃で30分間インキュベートすることにより取り込み反応を行った。反応終了液に、0.5%(W/V)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え、37℃で10分間インキュベートすることにより、除タンパク処理を行った。その半分量については1%アガロースゲル電気泳動を行った。泳動後にエチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を記録した。結果を図14(B)に示す。その後、ゲルをろ紙の上に載せてゲル乾燥器で乾燥させた。シグナルの検出は、乾燥させたゲルのオートラジオグラムをとり、X線フィルム上に記録した。その結果を図14(A)のレーン1に示す。レーン2は、取り込み反応でDNAポリメラーゼを加えないでレーン1と同様の反応を行った結果に由来する。レーン3は、取り込み反応で4種類のdNTPsを加えないでレーン1と同じ反応を行った結果に由来する。レーン4は、取り込み反応でdCTPのみを加えてレーン1と同じ行った結果に由来する。
【0063】
図14(A)および(B)によれば、標識反応により標的DNAに取り込まれた標識は、くり返して行う一連の本発明に従う反応により、dNTPsでの取り込み反応を行うことで、その標識がはじき出されることから、反応に再現性もしくは一定の生化学的反応の特徴があることが確認される。
【0064】
実施例12
三本鎖形成反応における、各反応成分の依存性
標的DNAとしてM13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで直鎖状にしたものと、その標的DNAの末端部位の配列を持つ60−merのオリゴヌクレオチド3を用意した。オリゴヌクレオチドは、[γ−32p]ATPで5′末端を標識した。標的DNAとオリゴヌクレオチド3との間の三本鎖形成反応は、2つの反応液A(20μl)と反応液B(20μl)を準備した。反応液Aには、1pmolのオリゴヌクレオチド3、6.0μgのrecAタンパク、0.48mM ATP−γS、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.5mM酢酸マグネシウムが含まれる。反応液Bには、200ngの標的DNA、0.48mMATP−γSを、30mM酢酸トリス(pH7.2)、2.15mM酢酸マグネシウムが含まれる。
【0065】
反応液AとBをそれぞれ37℃で15分間インキュベートした後、2つを混ぜ合わせて、さらに37℃で30分間インキュベートした。この時点での三本鎖形成反応を終えた反応液40μlに、0.5%(W/V)SDS、0.7mg/mlプロティナーゼKを加え、37℃で10分間インキュベートすることにより、除recA処理を行った。その半分量については1%アガロースゲル電気泳動を行った。泳動後にエチジウムブロミド染色を行いゲルの写真を記録した。結果を図15(B)に示す、その後、ゲルをろ紙の上に載せてゲル乾燥器で乾燥させた。シグナルの検出は、乾燥させたゲルのオートラジオグラムをとり、X線フィルム上に記録した。その結果を図15(A)のレーン1に示す。
【0066】
比較実験として、次のことを行った。レーンMは、DNAサイズマーカーで、図面の左端にそのサイズを示す。このサイズマーカーは、λDNAを制限酵素HindIIIで切断し、[γ−32p]ATPで5′末端標識したものである。レーン2は、recAを加えないで反応を行った以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン3は、ATP−γSを加えないで反応を行った以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン4は、逆相補オリゴヌクレオチド4を用いて反応を行った以外はレーン11と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン5は、逆相同な配列を持つオリゴヌクレオチド10を用いて反応を行った以外はレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン6は、オリゴヌクレオチド1を用いて反応を行った以外はレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン7は、pBR322 DNAを制限酵素ScaIで切断したターゲットDNAに対するオリゴヌクレオチド1を用いて、反応を行った結果に由来するサンプルの電気泳動である。レーン7は、ターゲットDNAとして、pBR322DNAを制限酵素ScaIで切断したものを用いたことと、その末端部位の配列をもつ標識オリゴヌクレオチド6を用いたこと以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。
オリゴ10の配列: 5′-tctccgaaac tcctgatttc tgaaaaagta ctccttcaaa
ggtaatttgc ccattttatg-3′(配列番号:10)
図15(A)のレーン1に示すように、三本鎖形成には、レーン1の基となる全ての反応成分を反応に加える必要がある。また、逆相補オリゴヌクレオチドと逆相同オリゴヌクレオチドでは、三本鎖形成体は得られないことから、オリゴヌクレオチドの方向性は一方のみであることがわかる。
【0067】
実施例13
三本鎖形成反応における、用いるオリゴヌクレオチドの配列方向性
図16(A)のレーン1は、図15(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン2は、逆相補な配列をもつ標識オリゴヌクレオチド4を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン3は、標識オリゴヌクレオチド7を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン4は標識オリゴヌクレオチド32を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。(B)は(A)と同様のアガロースゲルの、DNA全染色写真である。
オリゴ11の配列: 5′-gtaatgccac tacgaaggca ccaacctaaa acgaaagagg
cgaaagaata cactaaaaca-3′(配列番号:11)
図16(A)および(B)によれば、直鎖状標的二本鎖DNAの両末端部位で三本鎖形成が可能であり、そのとき用いるオリゴヌクレオチドは、標的二本鎖DNAの両末端配列の一方の方向を持った相同配列でなければならないことがわかる。
【0068】
実施例14
オリゴヌクレオチド鎖長による変化
図17(A)のレーン1は、図15(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン2は、レーン1で用いたオリゴヌクレオチドの5′末端部位を10−mer削った標識オリゴヌクレオチド11を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン3は、レーン1で用いたオリゴヌクレオチドの5′末端部位を20−mer削った標識オリゴヌクレオチド13を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン4は、レーン1で用いたオリゴヌクレオチドの5′末端部位を30−mer削った標識オリゴヌクレオチド14を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン5は、レーン1で用いたオリゴヌクレオチドの5′末端部位を40−mer削った標識オリゴヌクレオチド15を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真である。
オリゴ12の配列: 5′-aggactaaag actttttcat gaggaagttt ccattaaacg
ggtaaaatac-3′(配列番号:12)
オリゴ13の配列: 5′-actttttcat gaggaagttt ccattaaacg
ggtaaaatac-3′(配列番号:13)
オリゴ14の配列: 5′-gaggaagttt ccattaaacg ggtaaaatac-3′
(配列番号:14)
オリゴ15の配列: 5′-ccattaaacg ggtaaaatac-3′(配列番号:15)
図17(A)および(B)によれば、確実な三本形成に必要なオリゴヌクレオチドの長さは、30−mer以上が必要であることがわかる。また、三本鎖形成効率は、オリゴヌクレオチドの長さが長い方が高いことがわかる。
【0069】
実施例15
三本鎖形成反応に必要とされる、オリゴヌクレオチド配列位置関係
図18(A)のレーン1は、図15(A)のレーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン2は、ターゲットDNAの末端10−merを残した末端部位の配列をもつオリゴヌクレオチド16を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン3は、ターゲットDNAの末端20−merを残した末端部位の配列をもつオリゴヌクレオチド17を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。レーン4は、ターゲットDNAの末端30−merを残した末端部位の配列をもつオリゴヌクレオチド18を用いた以外は、レーン1と同様の反応を行った結果に由来するものである。(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真である。
オリゴ16の配列: 5′-caacggctac agaggctttg aggactaaag actttttcat
gaggaagttt ccattaaacg-3′(配列番号:16)
オリゴ17の配列: 5′-acgagggtag caacggctac agaggctttg aggactaaag
actttttcat gaggaagttt-3′(配列番号:17)
オリゴ18の配列: 5′-cagcatcgga acgagggtag caacggctac agaggctttg
aggactaaag actttttcat-3′(配列番号:18)
図18(A)および(B)によれば、三本形成に必要なオリゴヌクレオチド配列の位置は、ターゲットDNAの末端から20−mer以内の領域の配列を持つものから、直鎖状ターゲットDNAの末端をおおう配列を持つものまでが必要である。また、直鎖状ターゲットDNAの末端まで、または、末端をおおう配列を持つオリゴヌクレオチドを用いた方が、より三本鎖形成効率は高いことがわかる。
【0070】
実施例16
三本鎖形成反応における、オリゴヌクレオチド配列の熱安定性
図15(A)のレーン1と同様の反応を行ったサンプル10μlに20mM NaClを加えて、熱処理(37℃、10分)を行ったサンプルに由来する電気泳動の結果である。レーン2は、熱処理(45℃、10分)のサンプルに由来するものである。レーン3は、熱処理(55℃、10分)のサンプルに由来するものである。レーン4は、熱処理(65℃、10分)のサンプルに由来するものである。レーン5は、熱処理(75℃、10分)のサンプルに由来するものである。レーン6は、熱処理(85℃、10分)のサンプルに由来するものである。(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真である。(C)は。、(A)と同様の実験を、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAの末端領域の配列を持つ、40−merの長さのオリゴヌクレオチド20を用いて行った結果に由来するものである。(D)は(C)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真である。これらをまとめて、図19に示す。オリゴ19の配列: 5′-actttttcat gaggaagttt ccattaaacg
ggtaaaatac-3′(配列番号:19)
図19によれば、60−merのオリゴヌクレオチドを用いた三本鎖の熱安定性は、85℃付近が限界で、40−merのオリゴヌクレオチドを用いた場合には、75℃付近が限界であることがわかる。用いるオリゴヌクレオチドの長さが60−mer以上であると、三本鎖の熱安定性は、高いこともわかる。
【0071】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において標的にされる二本鎖DNA分子の模式図である。三本鎖を形成させるためのオリゴヌクレオチド分子と該二本鎖DNA分子との関係を配列方向および配列部位と共に示す図である。
【図2】実施例(A)のアガロースゲル電気泳動後にエチジウムブロミド染色を行ったゲルにおける泳動挙動を示す図に代わる写真である。
【図3】実施例(B−1)のアガロースゲル電気泳動後にエチジウムブロミド染色を行ったゲルにおける泳動挙動を示す図に代わる写真である。
【図4】実施例(B−2)の変性ポリアクリルアミドゲル(通称シーケンシング用ゲル)電気泳動後にオートラジオグラフィーを行ったゲルにおける泳動挙動を示す図に代わる写真である。
【図5】実施例2の標識反応における、各反応成分の依存性を調べた実験データー。それぞれ、下記のサンプルのアガロース電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、ファージベクターM13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて、全反応成分を加えて反応を行ったサンプル。レーン2は、recAタンパクを除いてレーン1と同じ反応を行ったサンプル。レーン3は、ATP−γSを除いてレーン1と同じ反応を行ったサンプル。レーン4は、逆相補オリゴヌクレオチドを用いて反応を行ったサンプル。レーン5は、pBR322 DNAを制限酵素ScaIで切断した標的DNAに対するオリゴヌクレオチドを用いて、反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲル電気泳動の、DNA全染色写真。
(C)は(A)と同じサンプルを、0.7%アルカリ変性アガロースゲルで電気泳動した結果。
【図6】実施例3の標識された標的DNAの長さを調べた実験データ。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素HincIIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて、反応を行ったサンプル。レーン2は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン1と同じ反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
(C)は(A)と同じサンプルを、制限酵素BsaHIで切断した後に、45%変性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した。
【図7】実施例4の標識反応における、塩基配列特異性を調べた実験データー。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて、反応を行ったサンプル。レーン2は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、制限酵素ScaIで切断したpBR322 DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて反応を行ったサンプル。レーン3は、pBR322 DNAを制限酵素ScaIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて反応を行ったサンプル。レーン4は、pBR322 DNAを制限酵素ScaIで切断した標的DNAと、制限酵素SnaBIで切断したM13mp18RF DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて、全反応成分を加えて反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図8】実施例5の標識反応における、標的DNAの標識部位を調べた実験データ。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断したダーゲットDNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて、反応を行ったサンプル。レーン2は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素EcoRIで切断したサンプル。レーン3は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、制限酵素SnaBIで切断M13mp18RF DNAのもう1つの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチド(オリゴ6)を用いて、反応を行ったサンプル。レーン4は、レーン3と同じサンプルを、制限酵素EcoRIで切断したサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図9】実施例6の標識反応における、標的DNAの標識部位を調べた実験データ。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素HincIIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて、反応を行ったサンプル。レーン2は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素XbaIで切断したサンプル。レーン3は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素BamHIで切断したサンプル。レーン4は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素SmaIで切断したサンプル。レーン5は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素KpnIで切断したサンプル。レーン6は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素SacIで切断したサンプル。レーン7は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素EcoRIで切断したサンプル。レーン8は、レーン1と同じサンプルを、制限酵素BsaHIで切断したサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図10】実施例7の異なるDNAポリメラーゼを用いて標識反応を行った実験データ。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドで三本鎖形成を行い、除recA後に、大腸菌DNA PolymeraseIで標識反応を行った。レーン2は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン1と同じ反応を行ったサンプル。レーン3は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドで三本鎖形成を行い、除recA後に、大腸菌DNA PolymeraseI、Large fragmentで標識反応を行った。レーン4は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン3と同じ反応を行ったサンプル。レーン5は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの配列を持つオリゴヌクレオチドで三本鎖形成を行い、除recA後に、大腸菌DNA PolymeraseI、Large fragment(3′−5′exoマイナス)で標識反応を行った。レーン6は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン5と同じ反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図11】実施例8の異なるDNAポリメラーゼを用いて標識反応を行った実験データ。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドで三本鎖形成を行い、除recA後に、大腸菌DNA PolymeraseI、Large fragment(3′−5′exoマイナス)で標識反応を行った。レーン7は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン1と同じ反応を行ったサンプル。レーン2は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドで三本鎖形成を行い、除recAを行うことなしに、大腸菌DNA PolymeraseI、Large fragment(3′−5′exoマイナス)で標識反応(反応温度37℃)を行った。レーン8は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン2と同じ反応を行ったサンプル。レーン3は、除recAを行うことなしに、大腸菌DNA PolymeraseI、Large fragment(3′−5′exoマイナス)で標識反応(反応温度47℃)を行った。レーン9は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン3と同じ反応を行ったサンプル。レーン4は、除recAを行うことなしに、Bst DNA PolymeraseI、Large fragmentで標識反応(反応温度65℃)を行った。レーン10は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン4と同じ反応を行ったサンプル。レーン5は、除recAを行うことなしに、PyroBest DNA PolymeraseIで標識反応(反応温度65℃)を行った。レーン11は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン5と同じ反応を行ったサンプル。レーン6は、除recAを行うことなしに、Taq DNA PolymeraseIで標識反応(反応温度65℃)を行った。レーン12は、オリゴヌクレオチドを加えないでレーン6と同じ反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図12】実施例9の標的DNAとして、閉環状のDNAに対して標識反応を行った実実験データ。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、pBR322 DNAを標的DNAとして、オリゴヌクレオチド7を用いて標識反応を行ったサンプル。レーン2はオリゴヌクレオチド8の逆相補オリゴヌクレオチド9を用いて標識反応を行ったサンプル。レーン3はオリゴヌクレオチドを用いないで標識反応を行ったサンプル。レーン4は、用いた標的DNAを標識反応を行うことなく、そのままサンプルとしたものである。
(B)は(A)と同じアガロースゲルのDNA全染色写真。
【図13】実施例10の標識反応後のオリゴヌクレオチドの状態を検討した実験データー。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチド(5′末端標識)で三本鎖形成を行ったサンプル。レーン2は、レーン1と同じ三本鎖形成を行い、続いてdXTPsを加えて取り込み反応を行ったサンプル。レーン3は、レーン1と同じ三本鎖形成を行い、続いてdXTPsを加えないで取り込み反応を行ったサンプル。レーン4は、レーン1と同じ三本鎖形成を行い、続いてdXTPs(マイナスdATP)を加えて取り込み反応を行ったサンプル。レーン5は、レーン1と同じ三本鎖形成を行い、続いてdXTPs(マイナスdCTP)を加えて取り込み反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図14】実施例11の標識反応の再現性を検討した実験データー。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドで三本鎖形成と標識反応を行った。続いてその標識ターゲットDNAを用いて再度、標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドで、三本鎖形成とdXTPsを加えて取り込み反応を行ったサンプル。レーン2は、取り込み反応でDNAポリメラーゼを加えないでレーン1と同じ反応を行ったサンプル。レーン3は、取り込み反応でdXTPsを加えないでレーン1と同じ反応を行ったサンプル。レーン4は、取り込み反応でdXTPsの代わりにdCTPを加えてレーン1と同じサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図15】実施例12の三本鎖形成反応における、各反応成分の依存性を調べた実験データー。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて、全反応成分を加えて三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン2は、recAタンパクを除いてレーン1と同じ反応を行ったサンプル。レーン3は、ATP−γSを除いてレーン1と同じ反応を行ったサンプル。レーン4は、逆相補オリゴヌクレオチド(オリゴ4)を用いて反応を行ったサンプル。レーン5は、逆相補オリゴヌクレオチド(オリゴ7)を用いて反応を行ったサンプル。レーン6は、pBR322 DNAを制限酵素ScaIで切断したターゲットDNAに対するオリゴヌクレオチド(オリゴ1)を用いて、反応を行ったサンプル。レーン7は、pBR322 DNAを制限酵素ScaIで切断したターゲットDNAと、そのターゲットDNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチド(オリゴ配列3)を用いて、全反応成分を加えて三本鎖形成反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図16】実施例13の三本鎖形成反応における、用いるオリゴヌクレオチドの配列方向性を調べた実験データー。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチド(5′末端標識)を用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン2は、該オリゴヌクレオチド配列に対して、逆相補配列を持つオリゴヌクレオチド(5′末端標識)を用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン3は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAのもう1つの末端領域の配列を持つオリゴヌクレオチドを用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン4は、オリゴ配列に対して、逆相補配列を持つオリゴヌクレオチド(5′末端標識)を用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図17】実施例14の三本鎖形成反応に必要とされる、オリゴヌクレオチドの長さを調べた実験データー。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つ60−merオリゴヌクレオチドを用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン2は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNA末端領域の配列を持つ50−merオリゴヌクレオチドを用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン3は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNA末端領域の配列を持つ40−merオリゴヌクレオチドを用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン4は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNA末端領域の配列を持つ30−merオリゴヌクレオチドを用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン5は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNA末端領域の配列を持つ20−merオリゴヌクレオチドを用いて、三本鎖形成反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図18】実施例15の三本鎖形成反応に必要とされる、オリゴヌクレオチド配列の位置を調べた実験データー。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つ60−merオリゴヌクレオチドを用いて三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン2は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNA末端から、10−mer鎖内に入った領域の配列を持つ60merオリゴヌクレオチドを用いて三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン3は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNA末端から、20−mer鎖内に入った領域の配列を持つ60−merオリゴヌクレオチドを用いて三本鎖形成反応を行ったサンプル。レーン4は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNA末端から、30−mer鎖内に入った領域の配列を持つ60−merオリゴヌクレオチドを用いて三本鎖形成反応を行ったサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
【図19】実施例16の三本鎖形成反応における、オリゴヌクレオチド配列の熱安定性を調べた実験データ。それぞれ、下記のサンプルの電気泳動の結果を示す図面に代わる写真である。
(A)レーンMはDNAサイズマーカーで、そのサイズをデータの左に示す。
レーン1は、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAと、その標的DNAの末端領域の配列を持つ60−merオリゴヌクレオチドを用いて三本鎖形成反応を行い、除recA後に、1×SSC中で熱処理(37℃、10分)を行ったサンプル。レーン2は、熱処理(45℃、10分)のサンプル。レーン3は、熱処理(55℃、10分)のサンプル。レーン4は、熱処理(65℃、10分)のサンプル。レーン5、熱処理(75℃、10分)のサンプル。レーン6は、熱処理(85℃、10分)のサンプル。
(B)は(A)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
(C)は、(A)と同じ実験を、M13mp18RF DNAを制限酵素SnaBIで切断した標的DNAの末端領域の配列を持つ、40−merの長さのオリゴヌクレオチドを用いて、行った。
(D)は(C)と同じアガロースゲルの、DNA全染色写真。
Claims (9)
- 二本鎖DNA分子を構成する2本の一本鎖DNAの少なくとも一方の特定部位のオリゴヌクレオチド配列を、少なくとも1個は標識されたヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド配列で置換することにより標識された二本鎖DNA分子を調製する方法であって、
(A)前記特定部位の少なくとも一方のオリゴヌクレオチド配列と実質的に相同の配列を有する少なくとも1種のオリゴヌクレオチドと前記二本鎖DNA分子とを、該オリゴヌクレオチドと二本鎖DNA分子とが部分的に三本鎖DNAを形成しうる条件下でインキュベートする工程であって、かつ、該三本鎖DNAを形成しうる条件が、ATP、ATP−γS、dATP、UTP、dUTP、CTP、dCTPおよびGTPからなる群より選ばれる1種以上のヌクレオチド三リン酸と、recAタンパク質とを含有する水性溶液中でのインキュベーションにより、該タンパク質と前記二本鎖DNAおよびオリゴヌクレオチドとの複合体を形成しうる条件である、工程、ならびに
(B)工程(A)で形成された三本鎖DNA部分を有する二本鎖DNAと前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1種との複合体を、少なくとも1個は標識されているdNTPを含む4種のdNTPの存在下で、該複合体中の二本鎖DNA分子を構成する2本の一本鎖DNAの少なくとも一方の特定部位のオリゴヌクレオチド配列が少なくとも1個は標識されたヌクレオチド配列で置換しうる条件下でインキュベートする工程であって、該標識されたヌクレオチド配列で置換しうる条件が、DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIクレノウフラグメント(クレノウ酵素)、DNAポリメラーゼIフラグメント(エキソヌクレアーゼマイナス)、T4DNAポリメラーゼおよびT7DNAポリメラーゼ、ならびにこれらの遺伝子改変型ポリメラーゼおよび各種耐熱性ポリメラーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種の酵素の存在する条件である、工程、を含んでなる上記の方法。 - 特定部位のオリゴヌクレオチド配列が二本鎖DNAの3’末端側に存在し、かつ、そのオリゴヌクレオチド配列に相同の配列を有する1種のオリゴヌクレオチドが使用される請求項1記載の調製方法。
- 特定部位のオリゴヌクレオチド配列が二本鎖DNAの非末端領域に存在し、かつ、そのオリゴヌクレオチド配列に相同の配列を有する1種のオリゴヌクレオチドが使用される請求項1記載の調製方法。
- 相同組換えタンパク質と二本鎖DNAおよびオリゴヌクレオチドとの複合体から該タンパク質を除去しうる条件をさらに含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の調製方法。
- タンパク質を除去しうる条件が、プロティナーゼKが存在する条件である請求項4記載の調製方法。
- 工程(B)における条件が、クレノウ酵素が存在する条件である請求項1記載の調製方法。
- 工程(A)で使用するオリゴヌクレオチドが少なくとも15merからなる請求項1〜6のいずれかに記載の調製方法。
- 標識されているdNTPが放射性同位体および低分子有機化合物からなる群より選ばれる標識によって標識されている請求項1〜7のいずれかに記載の調製方法。
- 標識が 32P、35S、33P、3H、ビオチン、フルオレッセイン、ジゴキシゲニン、テトラメチルローダミンおよびアルカリフォスファターゼからなる群より選ばれる請求項8記載の調製方法。
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