JP2998280B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2998280B2 JP11194391A JP11194391A JP2998280B2 JP 2998280 B2 JP2998280 B2 JP 2998280B2 JP 11194391 A JP11194391 A JP 11194391A JP 11194391 A JP11194391 A JP 11194391A JP 2998280 B2 JP2998280 B2 JP 2998280B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体に関す
るものである。さらに詳しくは有機系の光導電性物質を
含有する感光層を有する高感度の電子写真用感光体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層にはセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性物
質が広く用いられていた。しかしながら、セレン、硫化
カドミウムは毒物として回収が必要であり、セレンは熱
により結晶化するため耐熱性に劣り、硫化カドミウム、
酸化亜鉛は耐湿性に劣り、また酸化亜鉛は耐刷性がない
などの欠点を有しており、新規な感光体の開発の努力が
続けられている。最近は、有機系の光導電性物質を電子
写真用感光体の感光層に用いる研究が進み、そのいくつ
かが実用化された。有機系の光導電性物質は無機系のも
のに比し、軽量である、成膜が容易である、感光体の製
造が容易である、種類によっては透明な感光体を製造で
きる等の利点を有する。
【0003】最近は、電荷キャリヤーの発生と移動の機
能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の
感光体が高感度化に有効であることから、開発の主流と
なっており、このタイプによる有機系感光体の実用化も
行なわれている。電荷キャリヤー移動媒体としては、ポ
リビニルカルバゾールなどの高分子光導電性化合物を用
いる場合と低分子光導電性化合物をバインダーポリマー
中に分散溶解する場合とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、有機系の低分子
光導電性化合物は、バインダーとして皮膜性、可とう
性、接着性などのすぐれたポリマーを選択することがで
きるので容易に機械的特性の優れた感光体を得ることが
できる(例えば、特開昭60−196767号公報、特
開昭60−218652号公報、特開昭60−2331
56号公報、特開昭63−48552号公報、特開平1
−267552号公報参照)。しかしながら、高感度な
感光体を作るのに適した化合物を見出すことが困難であ
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高感度およ
び高耐久性の電子写真用感光体を提供する有機系の低分
子光導電性化合物について鋭意研究したところ特定のア
リールアミンヒドラゾン系化合物が好適であることを見
出し本発明に至った。即ち、本発明の要旨は、導電性支
持体上に下記一般式 [I]
【0006】
【化3】
【0007】(式中、Xは水素原子又は一般式[II]−C
(R8)=N−Q2 で示される基を表わし;Q1 は下記一
般式[III] 〜 [VII]で示されるいずれかの基を表わし;
2 は下記一般式[IV]〜[VIII]で示されるいずれかの基
を表わし;
【0008】
【化4】
【0009】Yは置換基を有していてもよい2価の炭化
水素残基を表わす。Ar1 およびAr 2 はそれぞれ置換
基を有していてもよいアリール基又は複素環基であり、
これらは互いに同一でも異なっていてもよい。R1 ,R
2 ,R3 ,R4 ,R5 およびR 9 はそれぞれ水素原子、
置換基を有していてもよい低級アルキル基、ハロゲン原
子、または置換基を有していてもよい低級アルコキシ基
を表わし、これらは互いに同一でも異なっていてもよ
い。R6 およびR8 はそれぞれ水素原子、メチル基、ま
たは置換基を有していてもよいフェニル基を表わし、こ
れらは互いに同一でも異なっていてもよい。R7 および
10はそれぞれ置換基を有していてもよいアリール基も
しくは複素環基を表す。)で表わされるアリールアミン
ヒドラゾン系化合物を含有する感光層を有することを特
徴とする電子写真用感光体に存する。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真用感光体は、感光層中に前記一般式 [I] で表
わされるアリールアミンヒドラゾン系化合物を含有す
る。前記一般式 [I] において、
【0011】
【化5】
【0012】Xは水素原子又は一般式[II]−C(R8)=
N−Q2 で示される基を表わし;Q 1 は下記一般式[II
I] 〜 [VII]で示されるいずれかの基を表わし;Q2
下記一般式[IV]〜[VIII]で示されるいずれかの基を表わ
す。
【0013】
【化6】
【0014】Yはハロゲン原子、水酸基、飽和或いは不
飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基などの置換基
を有していても良い、例えばメチレン基、プロピレン
基、キシリレン基、シクロヘキシレン基、ビニレン基、
フェニレン基などの2価の炭化水素残基を表わす。
【0015】Ar1 およびAr2 はメチル基、エチル基
等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の低級
アルコキシ基、フェニル基等の置換基を有していてもよ
いフェニル基、ナフチル基等のアリール基又は同様の置
換基を有してもよいピロリル基、チオフェニル基、フリ
ル基、カルバゾリル基等の複素環基を表わしこれらは互
いに同一でも異なっていてもよい。
【0016】R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 およびR9
は水素原子;塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲ
ン原子;メチル基、エチル基等の低級アルキル基;メト
キシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基を表わし、低
級アルキル基、低級アルコキシ基は置換基を有してもよ
くこれらR1 〜R5 およびR9 は互いに同一でも異なっ
ていてもよい。
【0017】R6 およびR8 は水素原子;メチル基;フ
ェニル基;トリル基、アニシル基、クロロフェニル基等
の置換フェニル基を表わし、これらは互いに同一でも異
なっていてもよい。R7 およびR10はフェニル基;トリ
ル基、アニシル基、クロロフェニル基等の置換基を有し
ていてもよいアリール基を表す。そしてR7 ,R10は互
いに同一でも異なっていてもよい。
【0018】以下に一般式 [I] で表わされるアリール
アミンヒドラゾン系化合物についてその代表例を挙げる
が、本発明に用いるアリールアミンヒドラゾン系化合物
はその要旨を越えない限りこれら具体例に限定されるも
のではない。なお、下記例示において、記載のない限り
Ar1 ,Ar2 ,R7 及びR10はいずれもフェニル基、
1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R8 ,R9 及び
Xはいずれも水素原子であるものとする。
【0019】又、下記例示において記載のない限り、−
C(R6)=N−Q1 及び−C(R8)=N−Q2 のベンゼ
ン核に対する結合位置は、窒素原子と結合しているベン
ゼン核の炭素原子を1とし、その隣の炭素原子を2と
し、順次3、4、5、6とした時、4の位置であるもの
とする。又、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR9
ベンゼン核に対する結合位置は、窒素原子と結合してい
るベンゼン核の炭素原子を1とし、その隣の炭素原子を
2とし、順次3、4、5、6とする。例えばR1 がメチ
ル基であってベンゼン核の2の位置に結合している場
合、R1 :2−メチル基と表わす。
【0020】又、次の置換基が結合される位置は、次の
ように番号で表わす。
【0021】
【化7】
【0022】例えばR7 がナフチル基であって、1の位
置で結合している場合、R7 :1−ナフチルと表わす。
又、下記例示において、Yの化学式中にフェニレン基が
存在する場合はYの化学式の後にo,m又はpを記載す
ることによってフェニレン基に対する結合位置がそれぞ
れオルソ位、メタ位又はパラ位であることを示す。
【0023】 化合物例 化合物No. 1 Q1 : [III] Y : −CH2 − 2 Q1 : [III] Y : −CH2 CH2 CH2 − 3 Q1 : [III] Y : −CH2 CH(OH)CH2 − 4 Q1 : [III] Y : −CH(C6 4 Cl)− (Clはメタ位に結合したものである。) 5 Q1 : [III] Y : −CH2 − Ar1 及びAr2 : m−トリル基 6 Q1 : [III] Y : −CH2 − Ar1 及びAr2 : 4−ビフェニル基 7 Q1 : [III] Y : −CH2 − Ar1 及びAr2 : p−メトキシフェニル基 8 Q1 : [III] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,p 9 Q1 : [III] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,m 10 Q1 : [III] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,o 11 Q1 : [III] Y : −CH2 − R7 : 1−ナフチル基 12 Q1 : [IV] Y : −CH2 − 13 Q1 : [III] Y : −CH2 − R6 : メチル基 14 Q1 : [VII] Y : −CH2 −CH2 −CH2 − 15 Q1 : [III] R5 : 4−メチル基 Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,o 16 Q1 : [V] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,o 17 Q1 : [III] Ar2 : 2−チエニル基 Y : −CH2 − 18 Q1 : [III] Ar1 及びAr2 : P−クロロフェニル基 Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,m 19 Q1 : [III] R6 : P−トリル基 Y : −CH2 − 20 Q1 : [IV] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,o 21 Q1 : [III] Y : −CH2 − X : [II] Q2 : [VIII] 22 Q1 : [III] Y : −CH2 CH2 CH2 − X : [II] Q2 : [VIII] 23 Q1 : [III] Y : −CH2 CH(OCH3)CH2 − X : [II] Q2 : [VIII] 24 Q1 : [III] Y : −CH(C6 4 Cl)− (Clはメタ位で結合したものである。) X : [II] Q2 : [VIII] 25 Q1 : [III] Ar1 及びAr2 : m−トリル基 Y : −CH2 − X : [II] Q2 : [VIII] 26 Q1 : [III] Ar1 及びAr2 : 4−ビフェニル基 Y : −CH2 − X : [II] Q2 : [VIII] 27 Q1 : [III] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,p X : [II] Q2 : [VIII] 28 Q1 : [III] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,m X : [II] Q2 : [VIII] 29 Q1 : [III] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,o X : [II] Q2 : [VIII] 30 Q1 : [III] R7 及びR10 : 1−ナフチル基 Y : −CH2 − X : [II] Q2 : [VIII] 31 Q1 及びQ2 : [VI] Y : −CH2 CH2 CH2 − X : [II] 32 Q1 及びQ2 : [VII] Y : −CH2 CH2 CH2 − X : [II] 33 Q1 : [III] R6 及びR8 : メチル基 Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,m X : [II] Q2 : [VIII] 34 Q1 : [III] R5 : 4−メチル基 Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,p X : [II] Q2 : [VIII] 35 Q1 及びQ2 : [V] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,o X : [II] 36 Q1 : [III] Y : −CH=CH− X : [II] Q2 : [VIII] 37 Q1 : [III] Ar1 及びAr2 : 2−チエニル基 Y : −CH2 − X : [II] Q2 : [VIII] 38 Q1 : [III] Ar1 及びAr2 : P−クロロフェニル基 Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,m X : [II] Q2 : [VIII] 39 Q1 : [III] R6 及びR8 : フェニル基 Y : −CH2 CH2 CH2 − X : [II] Q2 : [VIII] 40 Q1 及びQ2 : [IV] Y : −CH2 −C6 4 −CH2 −,o X : [II] 前記一般式 [I]で表わされるアリールアミンヒドラゾン
系化合物は公知の方法を用いて製造できる。
【0024】例えば、アリールアミン系化合物を原料と
して用いて、公知なカルボニル導入反応を行ない、次い
で所望のヒドラジン類との脱水反応を行なう事により目
的の化合物を得る方法である。 (A−1) 一般式 [I]中、R6 およびR8 が水素原子
である場合、下記の様に
【0025】
【化8】
【0026】一般式[IX](一般式[IX]および [X] 中、
1 ,R2 ,R3 ,R4 ,Ar1 ,Ar2 およびYは前
示一般式 [I] におけると同一の意義を有し、一般式
[X]中のZは水素原子もしくは−CHO基を表わす。)
で表わされるアリールアミン系化合物をオキシ塩化リン
の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルホルムアニリド等のホルミル化剤と反応させると一般
式 [X] で示されるアルデヒド体が得られる。(ウイル
スマイヤー反応) ホルミル化剤を大過剰に用いて反応溶媒を兼ねることも
できるが、o−ジクロルベンゼン、ベンゼン等の反応に
不活性な溶媒を用いる事もできる。
【0027】(A−2)次いで得られた一般式 [X] の
化合物を下記一般式[XI]a,bで表わされるヒドラジン
類と脱水縮合反応する事により一般式 [I] で表わされ
るアリールアミンヒドラジンを製造できる。ここで[XI]
a,bのR7 とR5 、R9 とR10が窒素原子を含んだ前
記の一般式[III],[IV], [V],[VI]で示される複素環を
形成していてもよい。
【0028】
【化9】
【0029】脱水縮合反応は必要によっては50℃〜1
50℃の加熱下、メタノール、エタノール、テトラヒド
ロフラン、セロソルブ、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ベンゼン、トルエン等の反応に不活性な溶剤の中、
所望により反応促進剤としてパラトルエンスルホン酸、
塩酸、酢酸ナトリウム等の助剤を用いてもよい。(ヒド
ラゾン化反応) なお、[XI]a,[XI]bは単独でも混合してもよく又、場
合によっては段階的に反応させてもよい。
【0030】(B−1) 一般式 [I] 中、R6 および
8 が水素原子以外の場合、下記の様に
【0031】
【化10】
【0032】一般式[IX](一般式[XII] 中、R1
2 ,R3 ,R4 ,Ar1 ,Ar2 およびYは一般式
[I] におけると同一の意義を有し、一般式[XII] 中、
Wは水素原子もしくは−C(R8)=O基を表わし、R6
及びR8 は一般式[I] におけると同一の意義を有す
る。R6 及びR8 は同一でも異なっていてもよい。)で
表わされるアリールアミン系化合物を塩化アルミニウ
ム、塩化鉄、塩化亜鉛等のルイス酸存在下、ニトロベン
ゼン、ジクロルメタン、四塩化炭素等の溶媒中、一般式
Cl−CO−R6 もしくはCl−CO−R8 で表わされ
る酸塩化物と反応させることにより一般式[XII] で表わ
されるケトン体が得られる。
【0033】R6 およびR8 は互いに同一でも異なって
いてもよく、R6 ≠R8 の場合は加える酸塩化物を混
合、もしくは段階的に加わえる事によって達成される。 (B−2) (A−2)と同様の反応で達成される。こ
れらの反応において、場合によっては、各工程終了後、
あるいは、全工程終了後、再結晶精製、昇華精製、カラ
ム精製等の公知な精製手段により高純度体を得る事も可
能である。
【0034】本発明の電子写真用感光体は、上記一般式
[I] で表わされるヒドラゾン系化合物を1種または2
種以上含有する感光層を有する。一般式 [I] で表わさ
れるヒドラゾン系化合物は有機光導電体としてきわめて
すぐれた性能を示す。特に電荷キャリヤー移動媒体とし
て用いた場合には高感度で耐久性にすぐれた感光体を与
える。
【0035】電子写真用感光体の感光層の形態としては
種々のものが知られているが、本発明の電子写真用感光
体の感光層としてはそのいずれであってもよい。例えば
バインダー中にヒドラゾン系化合物と必要に応じ増感剤
となる色素や電子吸引性化合物を添加した感光層、光を
吸収すると極めて高い効率で電荷キャリヤーを発生する
光導電性粒子とヒドラゾン系化合物をバインダー中に添
加した感光層、ヒドラゾン系化合物とバインダーからな
る電荷移動層と光を吸収すると極めて高い効率で電荷キ
ャリヤーを発生する光導電性粒子からなるあるいはこれ
とバインダーからなる電荷発生層とを積層した感光層等
が挙げられる。
【0036】これらの感光層中には、一般式 [I] で表
わされるヒドラゾン系化合物と共に、有機光導電体とし
てすぐれた性能を有する公知の他のヒドラゾン化合物、
スチルベンゼン系化合物を混合してもよい。本発明にお
いては上記一般式 [I] で表わされるヒドラゾン系化合
物を電荷発生層と電荷移動層の二層からなる感光層の電
荷移動層中に用いる場合に、特に感度が高く残留電位が
小さく、かつ、繰返し使用した場合に、表面電位の変動
や感度の低下、残留電位の蓄積等が少なく耐久性にすぐ
れた感光体を得ることができる。
【0037】本発明の電子写真用感光体は常法に従って
上記一般式 [I] で表わされるヒドラゾン系化合物をバ
インダーと共に適当な溶剤中に溶解し、必要に応じ光を
吸収すると極めて高い効率で電荷キャリヤーを発生する
光導電性粒子、増感染料、電子吸引性化合物、あるい
は、可塑剤、顔料その他の添加剤を添加して得られる塗
布液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、通常、数μ〜数
十μの膜厚の感光層を形成させることにより製造するこ
とができる。電荷発生層と電荷移動層の二層からなる感
光層の場合は、電荷発生層の上に上記塗布液を塗布する
か、上記塗布液を塗布して得られる電荷移動層の上に電
荷発生層を形成させることにより、製造することができ
る。
【0038】塗布液調製用の溶剤としてはテトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;酢酸
エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等の
エステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化
炭化水素などのヒドラゾン系化合物を溶解させる溶剤が
挙げられる。勿論これらの中からバインダーを溶解する
ものを選択する必要がある。また、バインダーとして
は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニル
化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースエス
テル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、けい素樹
脂、エポキシ樹脂等スチレン系化合物と相溶性のある各
種ポリマーが挙げられる。バインダーの使用量は通常ヒ
ドラゾン系化合物に対し、0.5〜30重量倍、好まし
くは0.7〜10重量倍の範囲である。
【0039】上記感光層に添加される光導電性粒子、染
料色素、電子吸引性化合物としてはいずれも周知のもの
が使用できる。光を吸収すると極めて高い効率で電荷キ
ャリヤーを発生する光導電性粒子としてはセレン、セレ
ン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム、
アモルファスシリコン等の無機光導電性粒子;金属含有
フタロシアニン、ペリノン系顔料、チオインジゴ、キナ
クリドン、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料、ア
ゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラ
キス系アゾ顔料、シアニン系顔料等の有機光導電性粒子
が挙げられる。(特に、金属含有フタロシアニンと組み
合わせるとレーザー光に対する感度が向上した感光体が
得られる。)染料としては、例えばメチルバイオレッ
ト、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット等
のトリフェニルメタン染料、メチレンブルーなどのチア
ジン染料、キニザリン等のキノン染料及びシアニン染料
やビリリウム塩、チアビリリウム塩、ベンゾビリリウム
塩等が挙げられる。また、ヒドラゾン系化合物と電荷移
動錯体を形成する電子吸引性化合物としては、例えばク
ロラニル、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、
1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロア
ントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナント
レンキノン等のキノン類;4−ニトロベンズアルデヒド
等のアルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセン、イン
ダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,
4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロフルオレノン、3,3′,5,5′−テトラ
ニトロベンゾフェノン等のケトン類;無水フタル酸、4
−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物;テトラシアノ
エチレン、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリ
ルメチリデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロ
ノニトリル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベン
ザルマロノニトリル等のシアノ化合物;3−ベンザルフ
タリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタ
リド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,
5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等の
電子吸引性化合物があげられる。
【0040】更に、本発明の電子写真用感光体の感光層
は成膜性、可撓性、機械的強度を向上させるために周知
の可塑剤を含有していてもよい。そのために上記塗布液
中に添加する可塑剤としては、フタル酸エステル、りん
酸エステル、エポキシ化合物、塩素化パラフィン、塩素
化脂肪酸エステル、メチルナフタレンなどの芳香族化合
物などが挙げられる。ヒドラゾン系化合物を電荷移動層
中の電荷移動媒体として用いる場合の塗布液は、前記組
成のものでもよいが、光導電性粒子、染料色素、電子吸
引性化合物等を除くか、少量の添加でよい。この場合の
電荷発生層としては上記光導電性粒子と必要に応じバイ
ンダーポリマーや有機光導電性物質、染料色素、電子吸
引性化合物等の溶媒に溶解乃至分散させて得られる塗布
液を塗布乾燥した薄層、あるいは前記光導電性粒子を蒸
着等の手段により製膜とした層が挙げられる。
【0041】このようにして形成される感光体にはま
た、必要に応じ、接着層、中間層、透明絶縁層等を有し
ていてもよいことはいうまでもない。感光層が形成され
る導電性支持体としては周知の電子写真感光体に採用さ
れているものがいずれも使用できる。具体的には例えば
アルミニウム、ステンレス、銅等の金属ドラム、シート
あるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙げ
られる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化
銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーと
ともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プ
ラスチックドラム、紙、紙管等が挙げられる。また、金
属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を
含有し、導電性となったプラスチックのシートやドラム
が挙げられる。
【0042】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は感度が非常に
高く、かつ、かぶりの原因になる残留電位が小さく、と
くに光疲労が少ないために繰返し使用による残留電位の
蓄積や、表面電位および感度の変動が小さく耐久性に優
れるという特徴を有する。
【0043】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の製
造例、実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中「部」とあるのは「重量部」を示す。 製造例1 ビス(p−ジフェニルアミノフェノキシ)メタン
【0044】
【化11】
【0045】1.5gを、N,N−ジメチルホルムアミ
ド30mlに溶解させ、その後、オキシ塩化リン0.6
4mlを加え60℃で5時間反応させた。放冷後、反応
液を氷水200g中に放出し、水酸化ナトリウムにより
加水分解し、更に常法により濾過、精製処理を行うこと
により、黄色油状物のモノホルミル化物0.61gと、
黄色油状物のジホルミル化物0.33gを得た。
【0046】これらの化合物は、下記元素分析値、質量
分析測定、及び赤外吸収スペクトル測定により、各々下
記構造式で表される化合物であることが判明した。 モノホルミル化合物 (元素分析値) C38302 3 として
【0047】
【表1】 (質量分析測定結果) C38302 3 として MW=562 M+ =562
【0048】
【化12】
【0049】ビスホルミル化合物 (元素分析値) C39302 4 として
【0050】
【表2】 (質量分析測定結果) C39302 4 として MW=590 M+ =590
【0051】
【化13】
【0052】製造例2 製造例1で合成したモノホルミル化合物0.61gと、
1,1−ジフェニルヒドラジン0.28gを酢酸触媒
下、テトラヒドロフラン3mlとメタノール5mlの混
合溶液中、50〜60℃で2時間反応させた。その後、
反応液をメタノール500ml中に注加し、更に常法に
より濾加、精製処理を行うことにより黄色固体0.79
gを得た。
【0053】この化合物は、下記元素分析値、質量分析
測定、及び赤外吸収スペクトル測定(第1図)により下
記構造式で表されるモノヒドラゾン系化合物(化合物N
o.1)であることが判明した。 (元素分析値) C50404 2
【0054】
【表3】 (質量分析測定結果) C50404 2 として MW=728 M+ =728
【0055】
【化14】
【0056】製造例3 製造例1で合成したジホルミル化合物0.33gと、
1,1−ジフェニル−ヒドラジン0.29gを酢酸触媒
下、テトラヒドロフラン3mlとメタノール5mlの混
合溶液中、50〜60℃で2時間反応させた。その後、
反応液をメタノール500ml中に注加し、更に常法に
より濾加、精製処理を行うことにより、黄色固体0.2
2gを得た。
【0057】この化合物は、下記元素分析値、及び赤外
吸収スペクトル測定(第2図)により、下記構造式で表
されるビスヒドラゾン系化合物(化合物No.21)で
あることが判明した。 (元素分析値) C63506 2
【0058】
【表4】
【0059】
【化15】
【0060】実施例1 チタニウムオキシフタロシアニン顔料1.0部とポリビ
ニルブチラール(電気化学工業(株)社製、商品名ポリ
ビニルブチラール#6000)0.5部を30部の4−
メトキシ−4−メチルペンタノン−2(三菱化成(株)
社製)中で、分散微粒子化処理を行なった。
【0061】この分散液を100μmの膜厚のポリエス
テルフィルムに蒸着されたアルミ蒸着層の上に乾燥後の
重量が0.2g/m2 になる様にワイヤーバーで塗布し
た後、乾燥して電荷発生層を形成させた。この上に製造
例3で製造したヒドラゾン系化合物70部と下記に示す
ポリカーボネート樹脂
【0062】
【化16】
【0063】100部をジオキサン900部に溶解した
塗布液を塗布、乾燥し、膜厚17μmの電荷移動層を形
成させた。このようにして得た2層からなる感光層を有
する電子写真感光体について感度すなわち半減露光量を
測定したところ2.7(μW/cm2 -1であった。
【0064】半減露光量はまず、感光体を暗所で−4.
8KVのコロナ放電により帯電させ、次いで775nm
の光で露光し、表面電位が500Vから250Vまで減
衰するのに要する露光量を測定することにより求めた。 実施例2 実施例1で用いたフタロシアニン系顔料の代りに、下記
構造式で表わされるナフタル酸系ビスアゾ顔料を用いて
実施例1と同様にして作成した感光体を白色光で露光し
半減露光量を測定したところ、1.0lux・secで
あった。
【0065】
【化17】
【0066】実施例3〜15 実施例1で用いたヒドラゾン系化合物の代わりに、製造
例2又は3と同様にして合成した下記第1表に示すヒド
ラゾン系化合物を用い、また、電荷発生層には、実施例
1で用いたチタニウムオキシフタロシアニン顔料を使用
して得られる電子写真感光体の感度を第1表に示す。
【0067】 第1表 例 例示化合物No. 感度(μW/cm2 -1 3 1 2.4 4 2 1.8 5 5 2.3 6 8 1.9 7 11 2.4 8 12 2.2 9 18 1.8 10 22 1.8 11 25 2.3 12 26 2.0 13 28 1.7 14 29 2.2 15 33 2.1 16 37 2.2 17 40 1.9
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例2で得られたモノヒドラゾン系化合物の
赤外吸収スペクトル
【図2】製造例3で得られたビスヒドラゾン系化合物の
赤外吸収スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−44647(JP,A) 特開 平1−267553(JP,A) 特開 平3−136059(JP,A) 特開 昭60−218652(JP,A) 特開 平4−57057(JP,A) 特開 昭62−134651(JP,A) 特開 平2−29661(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/06 311 - 328 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)導電性支持体上に下記一般式
    [I] 【化1】 (式中、Xは水素原子又は一般式[II]−C(R8)=N−
    2 で示される基を表わし;Q1 は下記一般式[III] 〜
    [VII]で示されるいずれかの基を表わし;Q2 は下記一
    般式[IV]〜[VIII]で示されるいずれかの基を表わし; 【化2】 Yは置換基を有していてもよい2価の炭化水素残基を表
    わし;Ar1 およびAr 2 はそれぞれ置換基を有してい
    てもよいアリール基又は複素環基であり、これらは互い
    に同一でも異なっていてもよく;R1 ,R2 ,R3 ,R
    4 ,R5 およびR 9 はそれぞれ水素原子、置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基、ハロゲン原子、または置
    換基を有していてもよい低級アルコキシ基を表わし、こ
    れらは互いに同一でも異なっていてもよく;R6 および
    8 はそれぞれ水素原子、メチル基、または置換基を有
    していてもよいフェニル基を表わし、これらは互いに同
    一でも異なっていてもよく;R7 およびR10はそれぞれ
    置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表わ
    されるアリールアミンヒドラゾン系化合物を含有する感
    光層を有することを特徴とする電子写真用感光体。
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